猫にも歯みがきが必要?歯周病を予防して元気に長生き!
猫にも歯みがきなどデンタルケアが必要です。実は、猫は歯周病にかかりやすい動物なので予防が欠かせません。しかし、いきなり猫の歯をみがくのは大変ですよね。
今回は猫の歯周病と、猫に歯みがきをする方法を解説します。今まで気にしたことがなかった方も、ぜひ今から始めてみてください。
猫は歯周病にかかりやすい
歯周病は、歯周の組織や歯肉(歯ぐき)に炎症が生じる病気です。猫は虫歯にはなりませんが、歯周病にかかりやすいといわれています。「2歳以上の猫のうち8割近くが歯周病になっている」という報告もあるほどです。
歯周病の原因は歯垢と歯石
歯周病は、歯垢(プラーク)や歯石などに付着した細菌の増殖によって生じます。歯の汚れだけでなく、猫白血病ウイルスや糖尿病などの病気などで免疫が低下しているとかかりやすくなります。
悪化すると全身に影響
歯周病はひどくなると、痛みによって食欲の低下や体重が減少することもあります。
最悪の場合は「血流にのった細菌が心臓や肝臓、腎臓などに運ばれ、病気が発症する可能性がある」との報告もあります。歯周病は猫の全身に影響を及ぼすといっていいでしょう。
歯周病の症状に注意
猫の歯周病の症状には、歯と直接関係なさそうなものもあります。日頃からよく観察しておき、少しでも普段と違うと感じることがあったら動物病院を受診しましょう。
口臭を感じたら要注意
食べたフードの匂いとは異なる「イヤなニオイ」に気付いたら歯周病のサインです。たとえ歯がきれいに見えていても、嫌な臭いがする場合は歯周病が隠れている可能性が高くなります。
口臭のたとえとしてわかりやすいのが、アンモニアやゆで卵が腐敗した臭いです。
よだれが出ている
歯周病で歯肉の腫れや痛みがあると、よだれが出るようになります。いつも口の周囲が濡れている、敷物やベッドが濡れている場合は要注意です。この時点で痛みを感じている可能性が高いでしょう。
歯ぐきに赤みや出血がある
口の中を見たときに、歯ぐきが赤くなっていたり、歯と歯ぐきの境目から出血が認められたりします。
鼻水やくしゃみが出る
歯周病の炎症が鼻の方にまで広がっていくと、鼻水やくしゃみが出たりします。風邪と勘違いしやすいので注意が必要です。あくびを途中でやめるなども、歯周病の症状になります。
ご飯を食べない、元気がなくなる
歯肉の痛みや不快感から、ご飯を食べなくなってしまいます。ここまで進行すると、口臭も強くなっているはずです。元気が消失し、体重も減ってしまうでしょう。歯が抜けてしまう猫もいます。
猫に歯みがきをする方法
歯周病を予防するためには、猫に歯みがきをすることが必要です。しかし、いきなり猫の口に歯ブラシを入れてもほぼうまくいきません。焦らずにステップを踏んで進めましょう。
1. 歯みがきグッズを用意
猫用の小さな歯ブラシや専用の歯みがきペーストが販売されています。チキンフレーバーなど、猫が好みそうな味のペーストがいいでしょう。
どれを買えばいいかわからない場合は、かかりつけの動物病院に相談してください。ごほうびにするオヤツも用意しておきます。
2. 道具を置いておく
猫は警戒心が強い動物です。いきなり歯みがき道具を見ると驚くことも。歯ブラシや歯みがきペーストを猫がいつも過ごす場所に置いて、道具の存在そのものに慣れさせましょう。
3. リラックスタイムに口や歯を触る
頭を撫でるついでに、口の周辺を触ってみましょう。慣れてきたら歯にもタッチします。すべての歯に触るのではなく、触りやすい前歯や犬歯などからスタートします。指にウエットフードや液状タイプのオヤツを付けておくと、猫も受け入れやすいでしょう。
このとき「絶対触るぞ」「絶対慣れさせる」など気合が入り過ぎると、猫に伝わって警戒されるので注意してください。
4. 歯ブラシをちょっと当ててみる
歯に触れるようになったら、歯ブラシでちょっと歯をタッチしてみます。そのあと必ずごほうびのオヤツを与えてください。
これを何日もかけてくり返し、歯ブラシへの抵抗をなくします。歯ブラシにはペーストを付けるか、ウエットフードのスープをつけてもOKです。
5. 少しずつみがく
慣れてきたら少しずつ歯をみがきます。すべての歯を一度にみがくのは難しいので、少しずつがコツ。最終的に奥歯までみがけるのが理想です。
猫の歯みがきの注意点
猫に歯みがきをするときは、次のことに注意してください。
1. 無理強いしない
嫌がる猫に無理に歯みがきをするのはやめましょう。しっぽをバタバタさせたり、耳を寝かせたりしたら解放します。一度嫌な思いをすると、おそらく二度とできなくなるでしょう。押さえつける、叱るももちろんNGです。
2. おやつは毎回用意する
歯みがき好きにするには、おやつの力が必要です。「歯みがきをするといいことがある」と教えてあげましょう。愛猫の大好きなおやつを、歯みがきのときだけに与えるなどもおすすめです。
3. 継続が必要「毎日1本でもみがく」
歯みがきの効果を出すためにも、毎日行うようにしましょう。たとえ1本でもかまいません。歯垢が歯石に変化するまでには、だいたい1週間かかるといわれています。
毎日はどうしても難しい場合は、週に2、3日はみがけるようにしましょう。
4. 他のデンタルグッズも併用する
なかなか歯みがきができない場合は、ペット用歯みがきスプレーや歯みがき用のオヤツなど他のデンタルグッズも使ってみましょう。
動物病院でチェックを
歯周病のチェックは、受診が必要です。必ず獣医師に診察してもらいましょう。治療が必要な場合は、獣医師の指示にしたがってください。
口臭やよだれ、食欲不振などがある場合は、早めの受診をおすすめします。歯のケアや歯みがきのアドバイスももらうと安心です。
まとめ
歯周病を防ぐためにも、猫には歯みがきが必要です。ただし、無理強いはしないようにしてください。
口を触るところから少しずつ慣れさせて最終的に歯ブラシでみがけるようにします。動物病院を受診し、歯の状態を診察してもらうことも大切です。
適切な歯のケアで、猫を歯周病から守ってあげましょう。
ぜひやっておきたい「ハズバンダリートレーニング」って何?
「ハズバンダリートレーニング」という言葉を聞いたことはありますか。「受診動作訓練」と訳され、病院での診察時に動物たちがストレスなく、そして診察する側の人も安全に行えることを目的として行うトレーニングです。
今回はこのハズバンダリートレーニングについて解説していきます。ご自宅でもできるトレーニングも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ハズバンダリートレーニングとは
「受診動作訓練」という訳からもわかるように、病院で受診時に役立つトレーニングです。
もともとは動物園や水族館で行われていたと言われています。例えば、イルカの採血をする際に、イルカたちがトレーナーの指示に従って仰向けになり、そのままの体勢をキープし、かつ採血する場所を触られたり、多少の刺激があっても落ち着いていられるようにするのがハズバンダリートレーニングです。
目的
ハズバンダリートレーニングを行う目的は大きく2つです。
- 動物たちのストレス軽減のため
野生では絶対に行うことのない、検温や触診、採血、爪切りなどの行為は、通常多くの動物たちにとって、非常にストレスがかかります。
この動作や対応に慣れることで、動物たちのストレスや負担を減らすことが大きな目的です。 -
動物と人の安全のため
診察に慣れていない動物たちは自分の身を守るために、人に対して攻撃行動に出る可能性もあります。また、動物たちが受診から逃れるために暴れ、動物自身もケガをする恐れもあります。
そういったことを防ぎ、安全に行うためというのがもう一つの大きな目的です。
ハズバンダリートレーニングが役立つ日常のお手入れ
受診動作というと病院に限定されたものと思われるかもしれませんが、ご自宅で行う日々のお手入れや、人と生活する上でも役立ちます。
では、ハズバンダリートレーニングが日常の中でどんな時に役立つかを犬を例に見ていきます。
- 歯磨き
- 目やにとり
- 耳掃除
- 爪切り
- 肛門しぼり
- ボディチェック
- 目薬
- お腹を見せる
- 抱っこ
- ブラッシング 等
どれもご自宅で行ったり病院やトリミングで行うものだと思います。「獣医師やトリマーにお任せしているから大丈夫」は要注意です。
ストレスがかかりやすい病院やトリミングサロンで愛犬の負担を少しでも減らせるよう、まずはご自宅でハズバンダリートレーニングを少しずつでもやることをおすすめします。
やっておきたいハズバンダリートレーニング5選
ご自宅でできるハズバンダリートレーニングを紹介します。
トレーニングは愛犬が好きなおやつを使って行います。できた行動に対しておやつをあげることが成長の近道です。
やったことがないものもぜひ積極的に挑戦してみてください!新しいことに挑戦すると、愛犬にとっても良い刺激になります。
①あごのせ
人が出した手のひらに、愛犬があごをのせ、その状態をキープできることを目指します。
- 人の手のひらを、愛犬があごを乗せやすい位置に出します。
- おやつを犬の鼻先に提示し、手のひらにそのままあごが乗るよう誘導し、一瞬でも乗せてくれたらおやつをあげます。
- 2を何度も繰り返し、あごを乗せられる時間を伸ばしていきます。
- おやつでの誘導がなくても乗せられるとさらに良いです。
※おやつで誘導しなくても、あごを乗せている時におやつをあげて褒めてあげることも大切です。
②鼻でタッチ
人が出した手に鼻でタッチできることを目指します。
- おやつを親指と手のひらで挟むように持ちます。
- 愛犬が恐がらないくらいの距離感で顔の近くにそっと手を出します。愛犬の鼻や顔が手のひらに触れたらおやつをあげます。
- 2と同様の手順で、鼻が手に触れている時間を少しずつ伸ばします。2よりも長い時間触れられたら、おやつをあげます。
- 3を繰り返し何度も行います。タッチする時間を伸ばすことで、顔周りを人が触れることに慣れていきます。
③顔周りを触られる
目やにを取る際やトリミング時、目薬をさす際などに、顔周りを触られても気にせず嫌がらないでいられる状態を目指します。
- いきなり目の近くではなく、顔の横など、恐がりにくい場所から少しずつ優しく触れます。この時、同時におやつをあげます。触れているとおやつがもらえ、良いイメージがつくように行います。
- おやつの代わりに所有欲がない子であれば、知育玩具などに夢中になっている際に、愛犬が嫌がらないレベルで触るのもおすすめです。
④お腹を見せる
「ごろん」といったトリックでも知られるお腹を見せるトレーニングです。お腹を見せて、その状態をキープできることを目指します。
- フセをしてもらいます。
- おやつを犬の鼻先に提示して、そのままおやつを鼻先から犬の首に沿わせて、犬の体が斜め上を向くようにします。少しでも体が傾いたらおやつをあげます。
- 2を繰り返し、お腹がしっかり見える角度まで練習します。
- お腹が見える状態でおやつをかがせ続け、この体勢をキープできる時間を伸ばします。
- おやつは持たず、おやつを持っている時と同じように手で誘導し、お腹が見える体勢をキープできるように練習します。
- 色々な場所で挑戦し、緊張しやすい病院でもできるレベルを目指しましょう。
注意
おやつは仰向けの状態であげるのは控えましょう。喉につまってしまう可能性があり危険です。
⑤手先を触られる
爪切りの時などに、指の先端や爪を触られても、その状態をキープして落ち着いていられる状態を目指します。
- お手ができる場合はお手をしてもらい、そのまま人の手のひらに愛犬の手を置く時間を伸ばします。手のひらに手が乗っている時におやつをあげます。
- 1を何度も繰り返します。
- 手のひらに犬の手が乗っている時に、手が乗っている手のひらの指で優しく犬の手先を触りおやつをあげます。
- 3を繰り返し、少しずつ触る時間を伸ばし、触る箇所を爪へと移行します。
- 犬の手が乗っていない、もう一方の手で犬の手や爪などを触り、おやつをあげます。
- 5を繰り返し、少しずつ触る時間を伸ばします。
- 実際の爪切りなどを爪にあてて、おやつをあげます。
- 7を繰り返し、少しずつあてる時間を伸ばします。
- 安全で行える範囲で、爪の先端を少し実際に切って、おやつをあげます。
注意
爪切りは、切る人側が慣れていない場合、血管を切ってしまったりと、愛犬に嫌なイメージを与えてしまう可能性もあります。安全と嫌なイメージを付けにくくするためにも、8または9までしっかりと練習をしたら、実際に切るのはトリミングや病院に任せることをおすすめします。
「お手」の練習方法
- おやつを手で握り、犬の前脚よりも10センチ程上の位置に出します。
- 犬が前脚でおやつを握った手に触れたら、おやつをあげます。
- 2を繰り返し、握っていた手を広げ、その状態でも前脚で触れてくれたらおやつをあげます。
- 3を繰り返したら完成です!
まとめ
ハズバンダリートレーニングという言葉は難しそうに聞こえるかもしれませんが、内容を見ると、とても身近なところで役立つものが多かったのではないでしょうか。
若いうちは診察の機会が少ないかもしれませんが 、シニアになるにつれて受診の機会が増えることも考えられます。病院やトリミングという場所や獣医師、トリマーに慣れることも大切ですが、愛犬のストレス軽減のために、ぜひ今日からご自宅でハズバンダリートレーニングを試してみてください。
これからの時期に要注意!犬のサマーカットのメリットとデメリット
日に日に日差しが強くなり、すっかり初夏を迎えました。愛犬は換毛期を迎え、抜け毛が増えているでしょうか。
日本の高温多湿な気候は、犬にとっても蒸し暑く、過ごしにくいことに間違いありません。そんなとき、暑さが少しでも和らぐようにとサマーカットを検討する飼い主さんもいるでしょう。しかし、一見涼しそうに見えるサマーカットですが、デメリットも理解した上で行わないと後悔してしまうこともあるかもしれません。
この記事では、犬のサマーカットのメリットとデメリットについて解説していきます。
サマーカットとは?
サマーカットとは、犬の毛を本来の長さより短く切ることで、その長さや時期については特に決まりはありません。
日本の夏は特に暑く、全身が毛に覆われている犬は、熱中症の危険が常にあると考えていいでしょう。そのため、愛犬が少しでも夏を快適に過ごせるよう、サマーカットを行う飼い主さんが増えています。
では、サマーカットには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
サマーカットを行う4つのメリット
犬のサマーカットは、適切な長さにカットすることで、たくさんのメリットが得られます。
1. 被毛に熱がこもりにくくなる
サマーカットをする一番の理由としては、暑さ対策でしょう。
被毛を短くカットすることで、風通しが良くなり熱がこもりにくくなります。
2. 見た目がかわいい
被毛を短くカットし、普段とは違った愛犬の姿はとてもかわいらしいですよね。
夏らしく、涼しそうな見た目に、おでかけが楽しくなること間違いなしです。
3. お手入れが楽になる
毛が短くなると、毛玉ができにくくお手入れが楽になります。
また、抜け毛も少なくなるため、毛球症の予防にもなり、掃除も楽になるでしょう。
4. 皮膚病の予防になる
皮膚の状態が見えるくらい被毛が短いと、皮膚の異常を見つけやすくなります。
特に皮膚の弱い子は、皮膚病の予防や早期発見に効果的です。
サマーカットを行う5つのデメリット
一方で、決して軽視できないデメリットもたくさんあります。これらのデメリットをしっかり把握し、本当にサマーカットをすべきかどうか、改めて考えてみましょう。
1. 熱中症の危険が高まる
被毛があることで皮膚と外気との間に空気ができ、断熱材としての役割をします。
しかし、その被毛が薄くなることで直射日光の影響を強く受け、かえって熱中症の危険が高くなることがあります。
2. 紫外線を受けやすくなる
皮膚が見えるくらい被毛をカットしてしまうと、紫外線を受けやすくなり、日焼けしやすくなります。
日焼けによって皮膚が黒くなったり、皮膚炎が起こったりすることもあります。
3. 蚊やダニ・ノミに刺されやすくなる
被毛は、外敵から皮膚を守る役割もありますが、被毛が短かったり、皮膚が剥き出しになっていると危険です。
もちろん、サマーカットにしなくてもフィラリアやダニ・ノミ対策は必須ですが、サマーカットにすると外敵にさらされるリスクが高まります。
4. 短くした部分の毛が元に戻りにくくなる
犬によって症状はさまざまですが、一度サマーカットにしてしまうと、被毛が伸びてこなかったり、伸び方がバラバラになったりしてしまうことがあります。
これを「毛刈り後脱毛症」といいます。原因はわかっておらず、大抵の場合は数年以内に元に戻ることが多いですが、冬でも被毛が短いままで寒さから守れなかったり、伸び具合がバラバラで見た目もイマイチになってしまう場合もあります。
また、カットした部分の毛質が変わり、いままでフワフワだった被毛がゴワゴワになってしまう子もいるようです。
サマーカットは適切な長さで
愛犬の被毛をサマーカットにする前に、シングルコートとダブルコートの違いを考慮する必要があります。
シングルコート
シングルコートの犬の場合は、アンダーコートが生えておらず、被毛を短くしすぎてしまうと皮膚を守るものがなくなってしまうため、サマーカットには向きません。極端に短くカットしすぎないように気をつけましょう。
ダブルコート
ダブルコートであれば、アンダーコートが生えているため、紫外線や虫刺されなどから皮膚を守りやすく、シングルコートに比べるとカットの影響は少ないと考えられます。
まずはトリマーさんに相談しよう!
サマーカットにしたいと思う人の多くは、愛犬が快適に過ごせるようにと考えているでしょう。しかし、SNSなどの影響もあり、外見重視でサマーカットを希望する人も少なからずいるかもしれません。
確かに、愛犬にはかわいくいてもらいたい気持ちもわかりますが、愛犬の健康を第一に考えて、地肌が見えるほどのカットは控えましょう。
もしサマーカットを希望する場合は、デメリットもしっかり理解した上で、トリマーさんと相談して、愛犬に大きな影響を与えない程度にカットするようにしましょう。また、熱がこもりやすい脇の下やお腹など、部分的にカットするのも効果的です。
まとめ
犬のサマーカットは、適切な長さにカットする程度であれば、高温多湿な日本において熱中症対策になったり、健康を維持する上でメリットがあります。
しかし、地肌が見えるほど短くしすぎてしまうと、かえって熱中症になりやすくなったり、冬になっても被毛が元に戻らなくなったりしてしまうこともあります。
単に見た目がかわいいから、涼しそうだからという理由だけでなく、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で、どうすれば愛犬が快適に過ごせるかを考えてみてくださいね。
犬も高齢になると白髪が生える!原因と対策の必要性とは?
愛犬の毛の色が薄くなったと感じることはありませんか?
毎日一緒に暮らしていると分かりにくいですが、昔の写真と比べると変化に気が付くかもしれません。
犬も人間と同じように白髪が生えますが、そのほとんどが加齢によるもので問題はありません。しかし、大きなストレスや皮膚の状態が原因の場合もあるため注意が必要です。
今回は、犬の白髪について、その原因や対策をご紹介します。
犬に白髪が生える仕組み
犬も人間と同じように、白髪が発生します。
髪の毛の色は、色素細胞であるメラノサイトで作られるメラニン色素によって決まります。
メラノサイトの働きが何らかの原因で低下することで、メラニン色素が正常に生成されず、白髪に繋がります。
ただし、人間のように真っ白になるわけではなく、全体的に毛の色が薄くなります。
犬の白髪の主な原因3つ
犬の白髪の最も多い原因は加齢です。
しかし、若くても白髪が多かったり、急激に白髪が増えた場合は、過剰なストレスや栄養不足が原因の可能性もあります。以下では、犬の白髪の主な原因を3つご紹介します。
1.加齢
犬の白髪のほとんどが加齢によるものです。
シニア犬と呼ばれる7歳頃から白髪が増え始めますが、それよりも若くから生え始めることもあります。
加齢による白髪は顔まわりから始まることが多く、徐々に色が薄くなっていきます。
また、全ての犬に白髪が生えますが、特に白髪が生えやすい犬種は、レトリバー種や柴犬、トイプードルです。
2.ストレス
大きなストレスもまた、白髪を発生させる原因の一つになります。
日常の環境の変化、不安や恐怖などによるストレスが皮膚に影響し、被毛の色素や艶が変化します。
考えられる大きなストレス要因としては、家族構成の変化、引越し、騒音、慢性的な運動不足や睡眠不足などです。
そのほかにも、シニア犬は体力の衰えにより今までできていたことができなくなり、体調の変化により日常的に違和感を感じているかもしれません。シニア犬に合ったストレスフリーな環境の整備が大切です。
3.栄養不足
被毛の色を決めるメラニン色素の生成には栄養が必須です。被毛への栄養不足が原因で、白髪が増えることがあります。
栄養不足による白髪の場合は、なんらかの理由で血行不良が起こり、栄養が被毛まで行き届いていないか、そもそも摂取する栄養が少ないことが考えられます。
シニア犬は特に、食欲や消化吸収力が低下します。被毛の健康にはアミノ酸とミネラルが特に大切です。食事の見直しをしてみるのもありでしょう。
犬の白髪に対策は必要?
加齢による白髪は自然なこと
白髪はそれ自体が悪いものではないため、加齢による白髪に特別な対策は必要ありません。
犬種差や個体差はありますが、どのみち高齢になると被毛が全体的に薄くなります。愛犬の自然な変化として、見守ってあげるのが良いでしょう。
逆に、白髪を抜いたり染めたりしてしまうと皮膚に負担がかかるため、絶対にしないようにしましょう。
体調不良が原因の場合は
犬の白髪は上記の原因の他にも、皮膚の汚れや皮膚疾患、タバコの副流煙、ホルモン、遺伝、体質などが関わっています。
若くても白髪が多い、急に白髪が増えた場合でも気にしすぎることはありません。
しかし、思い当たることがある場合や体調に違和感がある場合は、体のバランスが崩れていたり、病気が隠れている可能性があります。
動物病院に相談の上、ストレスや栄養など愛犬を取り巻く環境を改めてあげると良いでしょう。
日常でできるケア
白髪に対して特別な対策をする必要はありませんが、日常の環境やお世話の見直しが白髪のケアにもなります。
①皮膚の健康を保つ
皮膚を健康に保つために、シャンプーやブラッシングを欠かさないようにしましょう。汚れの詰まりや毛玉による血流の滞りは、白髪にも影響します。
シニア犬になると体に負担になるため、シャンプーを控えることもあるかもしれません。愛犬の様子を見ながら、シャンプーシートで体を拭いたり、部分的にだけでもやってあげると良いでしょう。
②血行を良くする
毎日適度な運動をすることは、ストレス解消や血行を良くすることにつながります。
白髪が多い場所は筋肉が凝り固まって血行が悪くなっていることがあるため、マッサージをしてあげるのも良いでしょう。
まとめ
加齢によって、犬に白髪が増えるのは自然なことです。過度に気にしすぎず、年齢とともに変化する愛犬を見守ってあげましょう。
加齢以外にも、過度なストレスや栄養不足など、さまざまな原因により白髪が増えることがあります。気になる場合は動物病院に相談し、愛犬の環境や食事、日常のケアの見直しを行うと良いですね。
猫の爪の抜け殻って?猫の爪が剥がれ落ちる理由と気をつけたいこと
猫の爪が床に落ちているのを見たことがあるでしょうか?
初めて見ると、怪我をして折れたのかもしれないと驚くかもしれません。しかし、これは猫にとって自然なことです。
猫には、爪の外側が定期的に剥がれ落ちるという面白い特徴があるのです。
今回は、猫の爪の「抜け殻」について、剥がれ落ちなかった際の注意や猫の爪研ぎの重要性も併せてご紹介します。
猫の爪の抜け殻って?
薄く白っぽくお米の粒のような猫の爪の抜け殻が、床の上や爪研ぎに落ちていることがよくあります。
丸ごと落ちているのではないかと驚くこともあるかもしれません。
しかし、猫の爪が剥がれ落ちることは自然なことのため、心配の必要はありません。
猫の爪は何層にも重なっている
猫の爪は何層にも重なっており、外側に行くほど古い層になります。
この外側の層を剥がすことで、ツルツルとして、柔らかく割れにくい新しい爪の層を表面に出すことができるのです。
爪を研いでいる間や走っている時など、爪に力が入った際に剥がれ落ちることが多いです。また、猫が自分で爪を噛んで剥がすこともあります。
猫の爪の脱皮と呼ばれることもありますが、爪が大きく成長するわけではないため正確には脱皮とは異なります。
また、神経の通っていない爪の外側が剥がれ落ちるだけなので、痛みはありません。
自然と剥がれ落ちるため、飼い主さんが無理に剥がすことはやめましょう。
猫の爪研ぎの理由
猫の爪研ぎには、いくつか役割があります。
1.古い層を剥がして常に鋭くする
猫は、爪研ぎで爪の古い外側の層を剥いで、新しい層を表面に出します。
爪研ぎと言っても、爪をヤスリで削って尖らせているわけではないのです。
これは狩りをする際に常に良い爪を維持する目的の他に、カーペットなどに爪が引っかからないよう、伸びすぎた爪をお手入れする意味もあります。
2.マーキング
猫の肉球には、強い匂いを放つ分泌腺があります。爪研ぎをすることで匂いを付け、自分の縄張りを主張しています。
背伸びをして高い位置にマーキングをすることで、自分の大きさや強さをアピールします。
3.リラックスや気分転換
ストレスを感じた時や寝起き、トイレ後などの興奮した時などに、爪研ぎをして気分転換やリラックスをしています。
環境の変化があった時、ストレスを感じているかどうかを見分ける1つのポイントとなります。
4.飼い主へのアピール
飼い主の関心を引くために、飼い主の近くで爪研ぎをしてアピールすることがあります。
かまってほしい、遊んでほしいというサインかもしれません。そんな時はたっぷりと遊んであげるとよいでしょう。
猫の爪が剥がれ落ちないとどうなる?
猫の爪が剥がれ落ちることは正常だということがわかりました。それでは、逆に猫の爪が剥がれ落ちないとどうなってしまうのでしょうか?
猫は歳をとると、爪を頻繁に研ぐ体力がなくなったり忘れてしまったりするため、爪研ぎの回数が減ります。
すると、爪が剥がれ落ちる機会が減り、爪が硬く分厚くなります。その結果、研いでも爪が剥がれ落ちにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。
爪が伸びたままだと危険
爪がどんどん伸びて厚く硬くなってしまうと、歩くとかちゃかちゃと音が鳴ったり、爪が肉球の中に引っ込まなくなったりしてしまいます。
そのまま放置してしまうと、爪の先が曲がって肉球に刺さってしまうなど、猫の体に負担がかかってしまいます。
これを防止するためにも、定期的に爪を切ることが大切です。爪を切ることで、古い層が剥がれ落ちやすくなり、ひび割れも減ります。
剥がれた爪に血がついていたら
落ちている猫の爪に血がついていた場合は、どのようなことが考えられるでしょうか?
いわゆる猫の爪の脱皮の場合は、剥がれ落ちても痛みはなく、血も付着しません。古くなった爪の外側には神経や血管は通っていないからです。
そのため、血がついた爪が落ちている場合は、爪が根本から折れてしまっていることが考えられます。カーペットやカーテンなどに爪を引っ掛けて折れてしまった、あるいは、爪切りの際に深く切りすぎてしまった可能性があります。
- 出血が止まらない
- 大量の出血がある
愛猫の様子を見て、上記のうちどちらかに当てはまる場合は、すぐに病院に連れていきましょう。
猫の爪が折れた時の応急処置
軽い出血の場合や病院に連れて行くまでの間に、可能であれば応急処置をしてあげましょう。
ガーゼや清潔な布を使い、圧迫止血を行います。飼い主さんは落ち着いて、出血している部分を抑えてあげましょう。
圧迫止血で血が止まればひとまず大丈夫ですが、その後も傷が化膿する場合もあるため、しばらくは様子を見てあげてください。
また、血が少し滲むくらいの出血であれば、止血剤を使うこともできます。
猫用の止血剤を少量指に取り、患部に塗ってあげましょう。
患部を触らせてくれない場合やどうやっても出血が止まらない場合は、無理に処置をする必要はありません。急いで動物病院に連れていきましょう。
まとめ
今回は、猫の爪の抜け殻について、剥がれ落ちる理由や爪研ぎの意味、剥がれ落ちない場合の注意点をご紹介しました。
猫の爪が剥がれ落ちるのは、新しく鋭い爪を保つために必要なことです。爪研ぎと爪切りをしっかり行うことで、健康な爪を維持することができます。
シニア猫などが爪研ぎの回数が減ってしまうことで、爪が剥がれにくくなります。古く固い爪が長いまま放置されると危険なため、定期的に爪を切ってあげるようにしましょう。
【初心者必見】何をどれくらいやる?犬のお手入れの種類と頻度を解説
皆さんは、愛犬のお手入れ、ちゃんとできていますか?
一口に「お手入れ」と言っても、ブラッシングからシャンプー、歯磨きとやることがたくさんあります。
いったい何を、どれくらいやれば良いのでしょうか?
今回の記事では、毎日のお手入れから、月に1回のお手入れまで、犬のお手入れの基本的なことを解説します。
お手入れの頻度
まずは簡単に、それぞれのお手入れの頻度を確認しておきましょう。
ただし、犬種によって頻度が異なるものもあるので、あくまで目安として考えてください。
頻度 | お手入れ内容 |
---|---|
毎日 | ブラッシング、歯磨き、肉球ケア |
月に1〜2度 | シャンプー、肛門腺絞り、爪切り、トリミング、足裏の毛のカット |
毎日のお手入れ
1. ブラッシング
基本的に、ブラッシングは毎日してあげます。
ブラッシングには、汚れを取り除いたり毛並みを整えたりするだけでなく、血行促進やノミ・ダニの予防の効果もあります。
また、毛の生え変わりがスムーズに行われることで、皮膚病対策にもなります。
さらに、飼い主さんと愛犬がコミュニケーションをとる重要な機会でもあります。
どうしても忙しいようであれば、長毛犬種で週に3~4回、短毛犬種で週に1~2回を目安にブラッシングをしてあげても良いでしょう。
2. 歯磨き
犬は口先を触られるのを嫌うため、慣れるまではなかなか歯磨きをさせてくれないかもしれません。
しかし、人間と同様、犬にとっても歯の健康はとても大切。歯磨きをしないでいると、歯周病になってしまいます。
なんと成犬の約80%は、歯周病の疑いがあると言われているほどです。
そのため、できれば子犬の頃から、徐々に歯磨きに慣れさせていくことが重要です。
犬の場合、歯石化するスピードが人間よりも早いため、毎食後に行うのが理想です。「そんなにするのは厳しい」という方でも、少なくとも週に2〜3回はしてあげたいところです。
3. 肉球ケア
子犬の頃はプニプニだった肉球も、お手入れをしなければだんだんと硬くなり、カサカサに乾燥してきます。
乾燥してしまうと、痛みや不快感が出たり、フローリングなどで足が滑りやすくなってしまいます。
ブラッシングの際や、散歩から帰ってきた際などに、肉球クリームを塗って保湿してあげましょう。
月に1〜2度のお手入れ
1. 耳掃除
耳の中の環境が良くないと、耳ダニや細菌が繁殖してしまい、外耳炎などを引き起こしてしまいます。
特に、垂れ耳の犬の場合は、耳の中が蒸れてしまいがちです。
耳の中を毎日ケアをするのはやりすぎ。健康な状態であれば、2週間に1回程度で十分です。
耳掃除は綿棒でゴシゴシとこするのではなく、湿らせたコットンなどで表面を優しくふき取るようにします。耳の中はかなりデリケートなので、自信がなければ病院やサロンなどでやってもらうのも手です。
耳垢の量が多かったり、においがする場合は外耳炎に罹っている可能性があるので、早めに動物病院を受診しましょう。
2. シャンプー
人間は毎日シャンプーをする方も多いと思いますが、犬の場合は月に1〜2回程度が目安です。
あまり多すぎても、必要以上に皮脂を洗い流してしまうのでかえって良くありません。
シャンプーをする際のお湯は、35~37℃のぬるめの温度に設定します。
また、人間用ではなく犬専用のシャンプーを使いますが、被毛の特徴に合わせたシャンプーや、皮膚の弱い犬には低刺激のシャンプーを選んであげると良いでしょう。
3. 肛門腺絞り
肛門腺とは、肛門の左右に一つずつある分泌腺のことで、袋状の形をしています。
肛門腺の中には、においの強い分泌液が溜まっていきます。
分泌液は、排便の際に一緒に出ていくことも多いため、肛門腺絞りは全ての犬に必要というわけではありません。
犬がお尻を引きずりながら歩くような行動が見られたら、分泌液がうまく排出されず溜まってしまっている可能性が高いので、肛門腺絞りをしてあげましょう。特に、小型犬や肥満犬、シニア犬などで、排出がうまくできない場合が多いようです。
目安は月に1回程度ですが、うまくできない飼い主さんも多く、においもかなりきついので、動物病院やサロンでお願いしても良いでしょう。
4. 爪切り
犬の爪は、散歩をする際に自然と研がれるので、爪切りの目安は月に1回ほどで大丈夫です。
ただし、シニア犬など、ずっと家にいる犬は爪がすり減りにくいので、月に2回ほどやってあげる必要があります。
伸びすぎてしまうと、爪が巻き込んで肉球を傷つけたり、フローリングなどで滑りやすくなります。
また、犬の爪には血管が通っていますが、爪切りを長期間しないで放置していると、爪と一緒に血管も伸びてきてしまい、理想の長さに切ろうとすると血管まで切って出血してしまうことがあるので注意が必要です。
5. トリミング
犬種によっては、トリミングが必要な場合があります。
目安は月に1回程度です。
トリミングをしないと、目に毛が入ってしまったり、口元の毛に汚れがついて雑菌が繁殖してしまったりなど、色々と厄介なので注意してください。
6. 足裏の毛のカット
トリミングが必要ない犬でも、足裏の毛が伸びてくると滑りやすくなって足腰に負担がかかるので、月に1〜2回を目安にカットしてあげましょう、
足裏の毛のカットは自宅でも簡単にできますが、うまくできなければサロンにお願いしても良いでしょう。
トリミングが必要な犬種は、トリミングの際に足裏の毛もカットしてもらえます。
まとめ
お手入れは、やることがたくさんあって大変かもしれません。
ですが、愛犬が綺麗で、健康に長生きするためにも、適切な頻度で適切なお手入れをすることは重要です。
はじめはお手入れを嫌がるかもしれませんが、根気強く続けて、徐々に慣れさせていきましょう。