【獣医師監修】見逃さないで!猫の多飲多尿で考えられる病気とは

猫における多飲多尿は、動物病院ではよく目にする症状です。

猫はもともと砂漠の動物ということもあり飲水量は少なく、濃い尿を排泄します。そんな動物が水をガブガブ飲んで、大量に尿を出すのはやはり異常でしょう。しかし、これらの異常は、日常的にしっかりと愛猫を観察しないと見逃してしまわれがちです。

今回は猫の多飲多尿で考えられる疾患について解説します。

多飲多尿とは

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読んで字のごとく、たくさん水を飲んで、たくさん尿を出す状態のことです。

多飲と多尿のどちらが先に現れているのかはわかりません。たくさん飲むのでたくさん出すのか、たくさん出すのでたくさん飲むのかはわからないということです。

猫の場合、体重1kgあたり60ml以上の水を一日に飲むと多いと判断されます。また、尿量は体重1kgあたり50ml以上で多いと判断されます。

飲水量と尿量はどのように測るか

実際、家庭で飲水量および尿量を正確に測定するのは非常に困難です。特に尿量の測定は使用しているトイレの材質に左右され、猫砂や新聞紙を使用している場合の測定は不可能でしょう。よって、自宅では飲水量を大まかに測定します。

水を飲む器にあらかじめどのくらい水を入れたのか、そして一日の終わりにどのくらい残っているかを測ることで、大体の飲水量が測定できます。多頭飼いの場合、対象となる愛猫だけ別の部屋に隔離し、飲水量が多いかどうかを確認することもできます。

多飲が認められる場合には大抵多尿も認められます。尿量についてはいつもより多くなっていないか、色が薄くなっていないかを確認しましょう。

代謝性疾患

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猫において多飲多尿が見られた際に、まず疑うのが腎臓の疾患です。年齢や猫種などを聴取し、検査を進めていきます。

また、腎不全の初期では多飲多尿以外の症状が見られないことも多く、やはりシニア期にさしかかる猫は定期的な健康診断によって早期発見に繋げたいところです。

腎不全

【症状】
多飲多尿、尿が薄くなる、食欲不振、体重減少など。慢性腎不全では進行するにつれ嘔吐、下痢、脱水、便秘、貧血、発作などの神経症状が現れる。急性腎不全ではショック状態となり命の危険がある。
【原因】
急性腎障害は尿路結石による閉塞や、腎毒性物質の摂取などによって引き起こされる。慢性腎不全は、糸球体腎炎や腎盂腎炎などの腎疾患、高カルシウム血症、腫瘍、腎虚血などが原因となり、慢性的に腎実質の病変が進行して発症する。
【備考】
猫と腎不全は切っても切れない関係なので、若いうちからの腎臓のケアや、病態の早期発見が重要となる。

肝不全

【症状】
元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸、口臭、発作、ふらつきなど。
【原因】
胆管肝炎、肝リピドーシス、化膿性/非化膿性胆管炎、リンパ腫などによる肝機能障害。
【備考】
胆管肝炎、膵炎、炎症性腸疾患は猫の三臓器炎と呼ばれ、発生も多い。肝リピドーシスは肥満の猫が急に食欲不振となると起こる脂肪肝のことである。

内分泌疾患

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体内で活躍する様々なホルモンを生成・分泌する器官を内分泌系といいます。

猫では甲状腺機能亢進症および糖尿病が多く見られ、多飲多尿が認められた際には腎不全と同時にこれらの存在も疑います。

甲状腺機能亢進症

【症状】
体重減少、脱毛、嘔吐、下痢、多飲多尿、甲状腺の腫大(頚部圧迫による咳)、活動性の亢進など。
【原因】
ホルモン分泌能を維持した甲状腺の過形成および腺腫。一方で甲状腺癌によるものは少ないとされている。
【備考】
高齢の猫における最も一般的な内分泌疾患とされる。良性の甲状腺腫大によるものが多いため、治療による予後は良い。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、食欲増加、体重減少や肥満(インスリン依存性かによる)。尿中にケトン体が出現し、ケトアシドーシスとなると嘔吐、下痢、神経障害、昏睡など。
【原因】
膵炎やヒトのⅡ型糖尿病に相当する、いわゆるインスリン分泌能の低下によるものが多い。他にも悪性腫瘍、感染症、ストレスなどによってインスリン抵抗性となった結果、糖尿病となるケースもある。
【備考】
飲水量の増加が認められた場合、まずは尿検査で比重やケトン体の有無を確認する。動物病院受診によるストレスで猫の血糖値は一時的に上昇しやすいため、フルクトサミンなどの血糖マーカーを測定することもある。

その他

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他にも多飲多尿が症状の一つとして見られるものがあります。心因性多飲は病気ではありませんが、神経質な性格の子で認められることがあります。

子宮蓄膿症

【症状】
多飲多尿、元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、陰部からの膿の排出、発熱、腹部膨満など。
【原因】
子宮内における細菌の感染。
【備考】
猫は交尾排卵動物なので、子宮蓄膿症の発生は少ないとされている。しかし緊急疾患であるため、鑑別には入れておく。

心因性多飲

【症状】
多飲とそれに伴う多尿。
【原因】
ストレスによってコルチゾールが分泌されることによる。
【備考】
環境の変化(周辺の工事、人の出入り、フードの変更など)がないかを確認する。ストレスが関与する他の疾患として特発性膀胱炎(血尿、頻尿、排尿時疼痛)や舐性皮膚炎などが挙げられ、多飲多尿以外の症状がないかも確認する。

まとめ

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水を飲む行為や排泄行為は、生きていく上で必要不可欠です。毎日行うからこそ、そこに現れる異常を見逃してはなりません。

全てを細かく管理する必要はありませんが、「おや?」と思ったら一度愛猫の健康状態に目を向けてみてはいかがでしょうか。

【獣医師監修】脳神経系の異常かも?犬や猫の激怒症候群とは

激怒症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか。突発性攻撃行動、レイジ・シンドローム、スプリンガー・レイジ・シンドロームなどと呼ばれることもありますが、日本ではまだ馴染みのない言葉だと思います。

一方で、動物行動学の分野では少しずつ研究が進んでいる疾患でもあります。

今回は犬猫の激怒症候群について解説します。

激怒症候群とは

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激怒症候群とは、何の前触れもなく、突然襲いかかる原因不明の攻撃行動を指します。

通常、動物が攻撃に転じる場合は何かしらのキッカケや威嚇などの前兆があるものですが、激怒症候群の動物にはこれらがありません。また、スプリンガー・レイジ・シンドロームという別名は、最初の症例がイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルで確認されたことから名付けられました。

犬猫、ともに3歳齢未満の若齢で発症することが多く、犬では1歳齢未満での発症も報告されています。

原因

以前は突然の攻撃行動は異常行動と認識されていましたが、19世紀後半にイギリスの獣医師によってこの行動には脳神経系の異常が関わっているということが示唆されました。すなわち脳神経系の異常により、てんかんの発作で激しい攻撃行動が起こっている可能性が高いということですが、はっきりとした原因はいまだ解明されていません。

実際、てんかん発作中の動物に触れようとすると、飼い主であろうが激しく咬みつかれることがあります。意識を失い激しく痙攣を起こす大きな発作ではなく、意識が朦朧として見境なく攻撃してしまう小さな発作が起こっているという考え方です。

また、脳内のセロトニン濃度の低下も一因となっている可能性が示唆されています。ヒトの間欠爆発症/間欠爆発性障害もセロトニンの異常によるものと言われています。

発症が確認されている犬種としては、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、レトリーバー系、テリア系が報告されていて、このことから遺伝的な要因の関与が考えられています。

一方、猫での原因についての研究はまだまだ進んでいませんが、犬と同様の機序によって発症すると考えられています。好発する猫種については、まだわかっていません。

攻撃行動のキッカケ

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犬猫が攻撃行動を起こすキッカケとしては以下のようなものが考えられます。

  • 縄張りを守る:自分の寝床、食器周り、ケージ周辺などに他の犬や人が侵入することによる怒りです。

  • 優位性を示す:群れの中で自分の方が偉いという意識が強いと怒りの感情につながります。ジッと見つめる、手足を触るなどの行動をとった際に攻撃行動が見られることがあります。

  • かまって欲しい:欲求不満によるストレスによって部屋を荒らしたりすることがあります。

  • 恐怖:基本的に動物が恐怖を感じた時には「逃げる」行動をとりますが、これが限界に達した際に攻撃に転じることがあります。

  • 母性:子供を守ろうとする攻撃行動で、出産した子犬/子猫を抱きあげようとした際に咬みつかれることがあります。

愛犬や愛猫に咬まれてしまったとき、これらに該当しないか確認しましょう。激怒症候群の場合はこれらのいずれにも当てはまりません

また、咬まれた後、攻撃したことを覚えていないような様子が見られることも激怒症候群の特徴と言われています。これは意識がない状態(てんかん発作中)の攻撃であることを意味していますが、実際にその時に意識があるかどうかを確認することは難しいと思います。

さらに、これらの攻撃行動の前には威嚇(歯を剥き出す、唸り声をあげるなど)が見られることが多いので、激怒症候群との鑑別にもなります。

診断

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激怒症候群を問診や検査で直接診断することは困難です。CT/MRI検査で、てんかんを起こすような脳の異常の有無を確認することがあります。

また、脳波を見ることもあるそうですが、一般的な動物病院の設備では難しいかもしれません。明確な診断基準も確立されていないため、問診による状況の確認などによって推量するしかないのが現状です。

治療

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まだ治験は多くありませんが、激怒症候群の治療には抗てんかん薬の継続的な投与が行われています。また、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の投与も効果があるとされています。

これらの薬剤には腎臓や肝臓に負担をかけるものもあるため、投与開始前には血液検査が必要となります。

行動治療は効果がある?

激怒症候群は脳神経系の異常によるものと考えられているため、しつけなどによる行動療法は効果がないとされています。

そのため、なぜ攻撃行動が起きたのか、どのようなタイミングで起こったのかなどを追求していくことは、攻撃行動改善のための今後の治療方針を大きく左右することとなります。

まとめ

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激怒症候群は近年になって研究が進んでいる比較的新しい疾患の概念です。

まだ解明されていないことも多く、浸透しているとも言えませんが、突然の攻撃は生活に支障をきたすことも考えられます。外国では激怒症候群と診断された場合に安楽死を選択することもあると言います。

正しい知識を持って、愛犬や愛猫との今後について、かかりつけの獣医師としっかりと相談をしていきましょう。

【獣医師監修】風邪だけじゃない!猫のくしゃみや鼻汁で考えられる病気

くしゃみは動物にとって生理的に正常な反応で、健康な状態でも見られます。

しかし、くしゃみに鼻汁が伴ったり、明らかに普段よりも回数が多い場合には何か異常があると考えていいでしょう。多くは鼻の異常が考えられますが、外から見えない分、何が起こっているのか不安になる方も多いのではないでしょうか。

今回は猫のくしゃみ及び鼻汁で考えられる疾患について解説します。

くしゃみと逆くしゃみ

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くしゃみとよく似た言葉に「逆くしゃみ」というものがあります。これは鼻から空気を連続して吸い込む呼吸のことです。通常のくしゃみは空気を吐き出しますが、逆くしゃみはくしゃみを吸い込むように見えることから、そう呼ばれています。

くしゃみも逆くしゃみも、健康なときでも見られることがあり、通常はすぐに治まります。しかし、なかなか治まらないときや、何度も繰り返すときは要注意です。咳との鑑別が難しいこともあるため、動画を撮っておくと動物病院を受診したときに役立つことがあります。

鼻汁の性質

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鼻汁の色や性状(サラサラかネバネバかなど)を確認することで、治療法などが変わることがあります。具体的には、黄色い膿のような鼻汁のときには細菌感染が疑われるので抗菌薬を使うことになります。

鼻汁は性質によって以下のように分類されます。

漿液(しょうえき)性鼻汁

一般的に透明でサラサラの鼻汁を指します。

アレルギー性鼻炎、ウイルス性鼻炎の感染初期、循環血液量の過剰のいずれかが考えられ、基本的にこれらは両側性に発生します。

また、ウイルス性鼻炎では一週間以内に細菌感染を発症することが多いため、漿液性鼻汁から粘液性あるいは膿性鼻汁へと移行します。逆に、アレルギー性鼻炎では長期間漿液性鼻汁が続くことが多く、季節や環境によって症状にムラがあることが多いと言われています。

膿性鼻汁

最も一般的な原因は細菌性鼻炎ですが、通常はウイルス性、真菌性、寄生虫性の鼻炎、外傷、異物、腫瘍、歯牙疾患などから続発します。このうち両側性なのはウイルス性及びアレルギー性鼻炎で、他は片側性がほとんどです。

しかし、中には病状の進行とともに両側性に移行することもあります。

血様鼻汁

腫瘍、真菌性鼻炎、慢性経過の細菌性鼻炎、歯牙疾患、外傷、異物、出血性疾患が考えられます。

腫瘍が原因の場合には、経過とともに鼻梁部の腫脹などの顔面変形や眼球突出、神経症状などが見られるようになります。

くしゃみや鼻汁で考えられる疾患

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猫のくしゃみや鼻汁は、ただの風邪と考えてしまいがちですが、放置してはいけない疾患が隠れている可能性もあります。自己判断せず、獣医師に相談しましょう。

上部気道感染症

【症状】
くしゃみ、鼻汁、眼脂、発熱、口内炎、歯肉炎、食欲不振など。
【原因】
猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジア、マイコプラズマなどの単独あるいは混合感染。これらは感染猫の唾液、鼻汁、眼脂などの分泌物から他の猫へ伝播する。
【備考】
すでに猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していると重症化しやすいと言われている。ウイルスが原因となるものでは、混合ワクチンによって感染リスクや症状の重篤化を抑えることができる。

副鼻腔炎

【症状】
くしゃみ、鼻汁(膿性)、食欲不振など。悪化すると蓄膿症となる。
【原因】
鼻炎の慢性化。鼻炎は感染(ウイルス、細菌、真菌など)、腫瘍、異物が原因となることが多い。これらから細菌の二次感染が生じ、鼻甲介粘膜の肥厚が起こり、前頭洞内や副鼻腔内が細菌の繁殖しやすい環境となる。
【備考】
鼻炎の段階での適切な治療によって副鼻腔炎への進行を止める必要がある。内科治療だけでの完治は困難と言われており、外科的に貯留した膿汁を排出する必要があるとされている。

鼻咽頭ポリープ

【症状】
咳、いびき、くしゃみ、鼻汁、努力性呼吸、嚥下困難など。
【原因】
鼻咽頭に発生するポリープ。同腹の子猫に発生することもあるため、遺伝性疾患として示唆されている。
【備考】
ポリープから二次的な細菌感染が中耳や内耳に及ぶと、縮瞳、眼瞼下垂、第三眼瞼腺脱出などを呈することもある。

鼻腔内腫瘍

【症状】
くしゃみ、鼻汁、鼻出血、顔面の変形など。
【原因】
リンパ腫、腺癌、扁平上皮癌がほとんどで、まれに線維肉腫や骨肉腫が認められる。鼻腔内腫瘍のほとんどは悪性と言われている。
【備考】
治療は放射線療法や化学療法が用いられる。通院頻度やコストなど獣医師としっかり話し合って最適な治療法を模索していく。

歯周病

【症状】
口臭、歯石、歯肉の赤みや腫れ、食欲不振、くしゃみ、鼻汁、流涎(よだれ)など。
【原因】
歯垢や歯石の中に存在する細菌によって歯肉に炎症が起こる。
【備考】
猫の口腔内はアルカリ性で、歯垢が歯石に変化するスピードが人間よりも速いと言われている。デンタルケアによる日常の予防が非常に重要。

鼻腔内異物

【症状】
急なくしゃみ、逆くしゃみ、鼻汁、鼻出血など。
【原因】
雑草、植物の種、食べ物などが鼻の中に侵入することによる。
【備考】
鼻腔内異物によるくしゃみは突然急激に起こるため、慢性的にくしゃみが続くようなら別の疾患を疑う。

まとめ

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普段から生理的に起こる徴候を見て、いつもと違うと判断するのは意外に難しいものです。異常を見つける目を、しっかりと養いたいですね。

何か気になることがあれば、まずは動物病院に相談しましょう。

犬の睡眠時間は何時間?年齢・犬種でも違う睡眠について徹底解説

愛犬が日中たくさんお昼寝しているにもかかわらず、夜もぐっすりと眠っているのを見て、「我が家の犬は寝すぎているのではないか?」と心配する飼い主は少なくありません。しかし、実際には、犬は人間と比較してかなり長い睡眠時間が必要です。

今回は、年齢や犬種による平均的な睡眠時間、犬が長時間睡眠を必要とする理由など、犬の睡眠について詳しく解説いたします。

犬の平均的な睡眠時間【年齢別】

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犬の睡眠時間には個体差がありますが、年齢や犬種によっても異なります。以下は、年齢別のおおまかな平均睡眠時間です。

子犬(~生後1年)

子犬は、目に入るものがすべて新しく、まだ十分に発達していない身体で動き回ります。好奇心旺盛な子犬にとって、睡眠は「体の回復や成長、記憶の整理」のために非常に重要です

子犬は成犬に比べて多くの睡眠時間を必要とし、平均的な睡眠時間は18~19時間とされています。

成犬(生後1~7年)

成犬の睡眠時間は子犬やシニア犬に比べて短いですが、それでも平均で12~15時間の睡眠が必要です。

この睡眠時間は人間の赤ちゃんの睡眠時間と同じくらいであり、大人の飼い主と比較すると犬は長い時間を眠って過ごしていることがわかります。

シニア犬(生後7年~)

シニア犬は、成犬に比べて体力と回復力が低下し、年を取るにつれて長い睡眠時間を必要とします。シニア犬の平均的な睡眠時間は、子犬と同じく18~19時間と言われています。

10~12歳以降のハイシニア犬にもなると、食事やトイレ以外の大半の時間を寝て過ごします。

犬の平均的な睡眠時間は?【犬種別】

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犬の睡眠時間に最も影響を与えるのは年齢ですが、同時に犬種によっても睡眠時間が異なります。一般的に大きい犬種のほうが寝る時間は長く、小さい犬種であるほど寝る時間が短いと言われています。

例えば、チワワやトイ・プードルのような小型犬の成犬の平均的な睡眠時間は約12時間ですが、ニューファンドランド、セント・バーナード、マスティフなどの大型犬は約16時間程度睡眠に費やすとされています。これは、体の大きな犬ほど日常生活でエネルギーを消費するため、回復にも時間がかかるためだと考えられています。

しかし、大きい犬でもシベリアン・ハスキーやボーダー・コリーなど何らかの作業に従事している犬は睡眠時間が短く、中には12時間以下の犬もいます。これらの作業犬たちは長時間活動できるように、睡眠時間が短い傾向があるとされています。

犬種や年齢はあくまで目安

上記で紹介した年齢や犬種による睡眠時間は、あくまで目安です。人間にもショートスリーパーとロングスリーパーがいるように、犬の睡眠時間にも個体差があることを考慮し、参考にしてください。

犬の睡眠時間が長い理由

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ここまで、年齢や犬種によって睡眠時間が異なると解説してきましたが、なぜ犬は人間よりはるかに長い睡眠時間が必要なのでしょうか。犬の睡眠については、まだまだ分かっていない部分が多くあるため、日々研究が進められている状況です。ここでは2つの説をご紹介します。

1.眠りが浅いから

犬が人間より長い睡眠時間が必要なのは、深い眠りである「レム睡眠」の割合が人間よりも少なく、睡眠が浅いことに原因があります。犬は野生時代において、常に敵に襲われる可能性があったため、眠っていてもすぐに周囲の危険に対応するには、浅い眠りでなければならなかったのです。

また、犬が寝ているときに、あごを地面に着けているのを見たことがある方もいるでしょう。これは、あごで地面の振動を感じて周囲の動きを察知するためだと言われています。

2.夜行性の名残

犬が昼間によく眠るのは、野生時代に得た特性と密接に関係しています。もともと狩猟で食糧を得ていた犬は、暗い夜に狩りをし、昼間に睡眠を取る夜行性の動物でした。

次第に人間と共に暮らすようになり、昼に活動する人間のリズムに合わせて変化しましたが、夜行性の特性はまだ完全には消えていないため、昼間にも一定の睡眠時間を必要としていると考えられています。

快適な睡眠をサポートするためのヒント

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犬の快適な睡眠をサポートするために、環境と日常生活を見直しましょう。犬にとって快適な睡眠環境をつくり、日常生活を見直すことで、より愛犬の健康や生活の質を向上させることが期待できます。

環境をチェック

【広さ】
犬が十分に身体を伸ばして寝られるスペースを確保する。
【場所】
家族とのコミュニケーションが取りやすく、同時に静かでリラックスできる環境を整える。
【寝床の素材】
通気性が良く、犬が暑さや寒さを感じにくい素材を選ぶ。適度なクッション性があり、清潔を保つ。
【温度・湿度】
犬が快適に過ごせる室温は22℃、湿度は60%程度が目安。エアコンなどで適度に保つ。特に体温調節機能が低い子犬やシニア犬、暑さが苦手な犬種などは気を配る。
【音・光】
うるさい音、まぶしい光などで犬の睡眠が阻害されていないか確認する。

※快適な部屋作りについては、こちらの記事をご覧ください。

初めて犬を飼う方必見!安全で快適な部屋づくりをしよう
https://cheriee.jp/dogs/36671/

日常生活をチェック

【運動】
健康であれば、散歩や遊びで十分に体を動かす。
【ストレス】
運動不足や飼い主とのコミュニケーション不足などがないか確認する。
【食事】
適切な量のタンパク質、脂質、炭水化物を含む栄養バランスの良い食事を与える。
【寝る前の習慣】
夜寝る前は激しい運動などはさせずに、リラックスして過ごす。

※適切な食事については、こちらの記事をご覧ください。

皆が悩むドッグフード選び、ペット栄養管理士が推奨する選び方って?
https://cheriee.jp/dogs/27061/

犬の睡眠時間の異常が病気の兆候かも?

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犬の睡眠時間には個体差がありますが、年齢や犬種による目安に比べて寝る時間が極端に長い、または短い場合、病気の兆候かもしれません。

過度な睡眠時間

体調不良や足の痛みで起き上がるのが辛い場合、犬は睡眠を取って痛みや辛さを軽減しようとします。その際、無理に起こすと抵抗や怒りを表すことがあるので注意しましょう。犬の睡眠時間が異常に長いと感じたら、早めにかかりつけの獣医師に相談してください。

睡眠時間が足りない場合

犬が十分に眠らず、夜中に起きて吠えることがある場合、特にそれがシニア犬であれば、認知症の可能性があります。早めの対処が求められるため、症状をかかりつけの獣医師に伝えて相談しましょう。

また、家の中が騒がしかったり、明るすぎるような状況では、犬はなかなか寝付けずに睡眠不足になります。犬がゆっくりと眠れるよう、先述したように環境を整えてあげましょう。

遊んでいる途中に突然眠る場合

歩行中や遊んでいる最中に犬が突然眠ってしまうことがあるなら、ナルコレプシーという病気の可能性があります。ナルコレプシーは突然眠ってしまう病気です。このような症状が現れたら、速やかに獣医師の診察を受けましょう。

睡眠中の様子から健康状態を知る

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犬の睡眠中の行動や様子を観察することで、愛犬が健康かどうか、病気の兆候がないかを確認することが可能です。

寝相やいびき

犬の寝相はその健康状態や気分を反映しています。寝相が突然変わった場合や、いびきが異常に大きい場合は、健康に問題があるかもしれません。

例えば、急に左右の同じ側しか体を床に着けなくなった場合は、痛いところをかばっているのかもしれません。これは、病気や怪我の可能性が考えられます。

また、いびきは犬の個体差がありますが、以前より明らかにいびきが大きくなった場合や、息苦しそうないびきをかいている場合は、獣医師に相談した方が良いでしょう。

脚をピクピクさせる

睡眠中の犬がリラックスしているサインとして、深い呼吸や脚のピクピク動くことが挙げられます。これは犬がリラックスし、レム睡眠に入っている証拠です。

一方で、体がバタバタと震え、声を掛けても反応せず、大量のよだれや失禁、歯の食いしばりなどが見られる場合はけいれんしている可能性があります。けいれんしている間は触らずに、おさまってから速やかに獣医師の診察を受けましょう。

睡眠中に鳴く

犬が眠りながら、ワンワン、クーンクーンなど鳴いている姿をしばしば見かけます。これは、犬が夢を見て、寝言を言っていると考えられます。こちらも犬がレム睡眠に入っている可能性が高いと思われます。

ただし、痛そうに鳴く、苦しそうに鳴くなど、いつもと違う兆候が見られた場合は獣医師に相談しましょう。症状が出ている時の動画などを撮影しておけば、診察の助けになることもあります。

まとめ

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この記事では、犬の睡眠時間や快適な睡眠をとる方法、睡眠中の様子について紹介しました。愛犬の体調管理には、犬の睡眠について理解し、日々観察することが非常に重要です。異常な睡眠を察知したら、速やかに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

今回の記事を参考に、愛犬との毎日をより快適に過ごしていただければ幸いです。

改訂履歴
2024/04/12 情報を追加
2020/11/21 情報を追加
2018/07/25 初版公開

【獣医師監修】感染症の可能性も!猫の呼吸困難で考えられる病気

呼吸困難と聞くと、すごく恐ろしいことのように聞こえますよね。呼吸が「できない」のももちろんですが、呼吸が「しにくい」ことも呼吸困難に当てはまります。

猫の場合、わかりやすいのが口を開けて呼吸することです。また、安静にしているのに呼吸が速いのも、呼吸困難のサインとなります。

では、猫に呼吸困難が見られる時には、どんな病気が考えられるのでしょうか。今回は猫の呼吸困難について解説します。

呼吸困難の基準

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一般的には、安静時の1分間の呼吸回数が40回を超える場合を呼吸困難と判断します。ただ、動いてしまったりなどで1分間じっと観察するのが困難な時は、15秒の呼吸回数を数えてそれを4倍にするとおよその呼吸数がわかります。

また、猫では開口呼吸(口を開けての呼吸)も呼吸困難のサインです。興奮時に見られることもありますが、それが継続したり、安静時にも見られる場合には注意が必要です。

呼吸困難がある時には

まずはすぐに動物病院を受診しましょう。その際、キャリーケースなどに入れて来院すると思いますが、呼吸困難がある場合には体勢に十分注意しましょう。

例えば右の肺に異常がある場合、左側を下にしてしまうと異常のない左肺が圧迫され、呼吸困難をひどくしてしまうこともあります。基本的にはうつ伏せで運ぶのがいいでしょう。

また、来院の前に予め連絡を入れておくことで、到着時に迅速な対応をとることができます。酸素吸入の準備なども可能になるため、まずは落ち着いて動物病院に電話をしましょう。

呼吸器疾患

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呼吸の異常を確認した時に、一番初めに疑うのは呼吸器疾患でしょう。

その場合は咳など他の呼吸器症状を伴っていることも多く、自宅での確認が必要です。

猫喘息

【症状】
呼吸困難、咳、運動不耐性(疲れやすい)、開口呼吸、チアノーゼなど。症状は軽度から命に危険が及ぶものまで、程度は様々となる。
【原因】
刺激物やアレルゲンの吸入によって気道が反応することによる。考えられている病因は芳香剤、タバコの煙、ハウスダスト、掃除用洗剤、脱臭剤、花粉などであるが、はっきりとはわかっていない。
【備考】
年単位で咳が続くこともあり、治療もやはり長期間に及ぶことが多い。

肺炎

【症状】
咳、運動不耐性(疲れやすい)、呼吸困難、発熱、鼻汁、食欲不振、体重減少など。
【原因】
細菌やウイルスの感染、アレルギー、異物や食物の誤嚥など。
【備考】
呼吸の状態によっては酸素吸入が必要となる。

肺腫瘍

【症状】
慢性の咳、呼吸困難、無気力、体重減少、発熱と進行していく。
【原因】
原発性肺腫瘍発症の関連因子については明確なものはわかっていないが、タバコの煙などが関わっていると言われている。転移性肺腫瘍では甲状腺癌、乳腺癌、骨肉腫、血管肉腫、移行上皮癌、口腔および趾間部の悪性黒色腫、扁平上皮癌などからの転移が特に多い。
【備考】
原発性肺腫瘍であれば外科手術による治療が行われるが、転移性肺腫瘍の場合は予後不良。

気胸

【症状】
突然の呼吸困難(吸気性)、チアノーゼ。
【原因】
胸郭の外傷や肋骨骨折による外傷性、日常生活の中で起こる自然気胸などに分類される。
【備考】
自然気胸は突然起こるが、原因の確認が困難なことが多い。

呼吸器以外の疾患

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呼吸困難は、呼吸器以外が原因の可能性もあります。
以下のような疾患により胸水が貯留したり、呼吸器に刺激が与えられることがあります。

肥大型心筋症

【症状】
嘔吐、食欲不振、肺水腫や胸水貯留による咳、呼吸困難など。血栓塞栓症を随伴した場合、塞栓部位によって多彩な症状が見られる。多いのは腹大動脈遠位端で、この場合には両後肢の麻痺が見られる。また腎動脈付近の閉塞では尿産生が停止する。
【原因】
メインクーンとアメリカンショートヘアでは遺伝性が確認されている。
【備考】
血栓形成がQOL(生活の質)を低下させるので、本症が診断されたら血栓形成予防も同時に行う必要がある。

犬糸状虫症(フィラリア症)

【症状】
咳、呼吸困難、嘔吐を主症状とする。慢性的な衰弱を示すこともあれば、ほとんど症状を示さずに急死することもある。
【原因】
蚊によって媒介される犬糸状虫の寄生による。これは心臓の肺動脈に寄生するが、三尖弁口部に移動することによる大静脈症候群(著しい循環不全と血管内溶血)が見られることもある。
【備考】
猫では犬と比較して少数の犬糸状虫成虫寄生でも発症する。ノミ・ダニの駆虫薬の中には犬糸状虫の駆虫もできるものもあるので利用する。

猫伝染性腹膜炎

【症状】
発熱、元気消失、食欲低下、体重減少。滲出型では腹水や胸水貯留による腹部膨満、呼吸困難。非滲出型では黄疸、前ぶどう膜炎、脈絡網膜炎、発作、後肢麻痺など。
【原因】
猫伝染性腹膜炎ウイルスの感染。ウイルスは糞便や唾液を介した経口感染によって伝播される。
【備考】
現在、完全に治癒させるような治療法はない。感染力も強いので、多頭飼育の際には同居猫間の感染に注意が必要。居住空間、トイレ、食器などを分ける、こまめに環境を消毒するなどによってウイルスが伝播しないように努める。ウイルスはクロルヘキシジンや家庭用漂白剤で不活化される。

横隔膜ヘルニア

【症状】
無症状のこともあれば、嘔吐などの消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状を呈することもある。
【原因】
生まれつきの先天性と、事故や高所落下などによる後天性に分けられる。猫の場合は高所から飛び降りた時に発生することが多いとされている。
【備考】
胆道閉鎖、胃捻転、腸捻転などが同時に発症している場合には緊急手術が必要。逆に慢性的な経過の場合には緊急手術の必要はない。

その他

痛みや発熱などでも、呼吸がつらそうに見えることがあります。
いつもより呼吸が速いなどの異常が見られた際には、これらの存在を疑うことも忘れてはなりません。

まとめ

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動物病院では緊張もあり、自宅での症状が隠れてしまうこと、またはいつもよりもっと呼吸が速くなることも予想されるため、自宅での観察やチェックが重要となります。

いつもと違う呼吸が見られた時はすぐに動物病院を受診しましょう。

飼うなら知っておこう!デグーがかかりやすい5つの病気とその対策

デグーを飼育している方、またはこれから飼育しようと考えている方は、デグーがどのような病気にかかりやすいか知っていますか?

愛するペットに少しでも健康で長生きしてもらうためにも、かかりやすい病気について把握しておくことは非常に大切です。

今回はデグーがかかりやすい病気や健康な歯の色について解説します。

デグーのかかりやすい病気

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デグーのかかりやすい病気を事前に把握しておき、普段から予防を心がけましょう。スキンシップをしっかり取っておくことで、些細な変化にも気づけ、早期発見と治療に繋がります。

具体的にはどのような病気があり、どのような症状が見られるのか、詳しく解説していきます。

1. 不正咬合

げっ歯類であるデグーの歯は一生伸び続けます。通常であれば牧草などを食べることで歯がすり減っていきますが、歯のバランスが崩れると噛みあわせが悪くなり歯が伸び続けてしまいます。歯が伸びていくと、口の中で炎症が起こりご飯が食べられなくなっていき、徐々に衰弱していきます。

不正咬合は歯を切ることで治療を行いますが、多くの場合、完治することは難しく、伸びてきたら切るを繰り返すことになります。しかし、手術には全身麻酔が必要な場合があり、デグーに大きな負担がかかるため、安楽死をすすめられることもあります。

不正咬合の対策

ペレットや柔らかい野菜ばかりではなく、毎日の食事で牧草を必ず与えましょう。単に牧草といっても、収穫する回数や産地によっても硬さや味に違いがあります。一番刈りが硬く、三番刈りがやわらかいため、まずは一番刈りを与えてみて、食いつきが悪いようだったら二番刈りや三番刈りを与えてみてください。

また、ケージを齧る癖のある子は要注意です。何か要求したいときやストレスが溜まっているときにケージを噛むことがあり、それにより歯のバランスが悪くなってしまうことがあります。ケージから出して遊ぶ時間を増やすなど、ストレスがかからないよう気をつけましょう

2. ビタミンC欠乏症

デグーは人間とは異なり体内でビタミンCを合成できないと考えられています(最近の研究では合成できるとする説もあります)。ビタミンCが欠乏すると、体重が増えない、足を引きながら歩く、歯茎などからの出血が見られます。また、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。

ビタミンC欠乏症の対策

基本的にはデグー用のペレットを与えていれば問題ありません。サプリメントなどを追加で与える方もいるようですが、余計な糖分などが含まれているとよくありませんので、成分などもよく確認しましょう。

3. 糖尿病

デグーは血糖値を下げるホルモンであるインスリンが他の哺乳類と比較すると1〜10%ほどしか活性化しません。そのため、糖分やでんぷんを与えすぎると、血糖値が高い状態になり、糖尿病になってしまいます。

糖尿病になると、食欲や元気がなくなる、水をたくさん飲む、毛艶がなくなるなどの症状が見られます。また、腎臓病や白内障になってしまう危険も示唆されているため注意が必要です。

糖尿病の対策

ペレットや牧草以外のおやつはあまりあげないようにしましょう。野菜を与える場合も、少量をバランス良く与えることが大切です。

また、遺伝が原因である場合の予防はなかなか難しいですが、普段の食事を気をつけることで、発症を遅らせるなど多少は対策できるでしょう。

4. 皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症というカビが原因の皮膚炎にかかりやすく、毛がごっそり抜けてしまいます。

皮膚糸状菌症だと診断されれば、薬を与えて数週間で完治します。なお、皮膚糸状菌症は人にも感染してしまう病気のため、触る際は十分注意しましょう。

皮膚糸状菌症の対策

居住環境を清潔にし、なるべくストレスが溜まらないようにしてあげてください。

5. 尾抜け・尾切れ

デグーのしっぽは大変デリケートで、掴んだときなどにしっぽの皮膚が取れてしまったり、しっぽ自体が切れてしまったりすることがあります。これは敵から逃げやすくするためですが、切れてしまったしっぽは再び生えてくることはありません。

治療方法はケガの程度によってさまざまです。そのままでも問題ないこともあれば、外科的に尾を短くしなければならない場合もあります。まずは、なるべく早くデグーに詳しい獣医師に相談することをおすすめします。

尾抜け・尾切れの対策

しっぽを掴んだり部屋で散歩させているときに誤って踏んでしまわないようにしましょう。また、他のデグーとの喧嘩やホイール・ケージなどに挟まって抜けたり切れたりしてしまうこともあるため、デグーの行動範囲内の安全性に問題がないかよく確認することも大切です。

デグーの歯の色は健康の証?


デグーの歯の色は、他のげっ歯類や多くの哺乳類とは異なりオレンジ色をしています。これは、デグーの主な食事であるペレットや牧草に含まれているクロロフィル(葉緑素)が唾液と反応しているためです。

デグーのオレンジ色の歯は健康のバロメーターでもあります。もし、色が薄くなっていたり白くなっていたりする場合は、何らかの不調を抱えている可能性が高いと考えましょう。心当たりがある場合は早急に改善し、もし原因がわからない場合は獣医師に相談してください。

最後に

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多くの人が、愛するペットには少しでも長く健康でいてほしいと考えるでしょう。そのためには、デグーがかかりすい病気について把握しておき、病気にならないような対策をする必要があります。

デグーはまだマイナーなペットであるため、診察できる獣医師も多くありません。デグーを飼う際には、デグーを診てくれる獣医師が通える範囲にいるかどうかも確認してくださいね。また、定期的な健康診断も欠かさないようにしましょう。

【獣医師監修】呼吸器疾患以外も?猫の咳で考えられる病気とは

ヒトでも咳という症状は、病気の際に見られる非常にありふれた臨床徴候です。風邪を引いた時、唾液が気管に入ってしまった時、あるいは特に何もないのに咳払いをすることもあります。

では、猫における咳にはどんな意味があるのでしょうか。言葉で身体の不調を訴えることのできない猫にとって、それは気付いて欲しい何かのサインかもしれません。

今回は猫の咳で考えられる疾患について解説します。

「咳」と「くしゃみ」と「逆くしゃみ」

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咳は体内に侵入してきたウイルスや異物を、体外へ排除するための生体防御反応としてはたらきます。さらに、気道の炎症や過敏反応などによって引き起こされる病的な咳もあります。

また、咳とよく似た症状として、くしゃみや逆くしゃみが挙げられます。

これらの症状における原因には一部共通するものもありますが、全く異なるものもあります。症状を正しく見分けることによって、診断をスムーズに行うことができます。

動画を撮る

とは言っても「咳とくしゃみは間違わないでしょ」と思う方もいるかもしれません。これが意外とわかりにくいものもあるのです。

そんな時は、咳をしている様子を動画に撮っておくといいでしょう。受診の際にはどんな時間帯に咳をしやすいのか、室温などの環境も合わせて獣医師に伝えると診断の助けになります。

呼吸器疾患

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では、愛猫が咳をしている場合、考えられる原因は何でしょうか。

まず考えるべきは呼吸器の異常です。呼吸器は喉頭、気管、気管支、肺を指します。これらの炎症や腫瘍によって咳が発生します。

猫における咳の原因となる呼吸器疾患をまとめました。

猫喘息

【症状】
咳、呼吸困難、運動不耐性(疲れやすい)、チアノーゼ、開口呼吸など。
【原因】
刺激物やアレルゲンの吸入。考えられている病因は芳香剤、タバコの煙、ハウスダスト、掃除用洗剤、脱臭剤、スギ花粉などと言われているが、はっきりとはわかっていない。
【備考】
トイレを紙や砂にする、エアコンの清掃をするなどは試してみてもいいかもしれない。症状は軽度から命に危険が及ぶものまで様々。

肺腫瘍

【症状】
慢性の咳、呼吸困難、無気力、体重減少、発熱など。
【原因】
原発性肺腫瘍発症の関連因子については明確なものはわかっていない。しかし、タバコの煙などが関わっていると言われている。転移性肺腫瘍では甲状腺癌、乳腺癌、骨肉腫、血管肉腫、移行上皮癌、口腔および趾間部の悪性黒色腫、扁平上皮癌などからの発生が特に多い。
【備考】
原発性であれば外科手術による治療が行われるが、転移性の場合は予後は悪い。

鼻咽頭ポリープ

【症状】
咳、いびき、くしゃみ、鼻汁、努力性呼吸、嚥下困難など。
【原因】
鼻咽頭に発生するポリープ。同腹の子猫に発生することもあるため、遺伝性疾患として示唆されている。
【備考】
ポリープから二次的な細菌感染が中耳や内耳に及ぶと、縮瞳、眼瞼下垂、第三眼瞼腺脱出などを呈することもある。

呼吸器以外の疾患

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原因は呼吸器に存在しないが近いところに病変が存在し、結果として気道を刺激して咳が生じることも少なくありません。頚部にある甲状腺や、胸部にある心臓の疾患などがそれにあたります。

これらの場合には咳以外の症状がないかもしっかりチェックし、血液検査などで異常値がないかも確認する必要があります。

肥大型心筋症

【症状】
嘔吐、食欲不振、肺水腫や胸水貯留による咳、呼吸困難など。血栓塞栓症を随伴した場合、塞栓部位によって多彩な症状が見られる。塞栓発生部位で多いのは腹大動脈遠位端で、この場合には両後肢の麻痺が見られる。
【原因】
メインクーンとアメリカンショートヘアでは遺伝性が確認されている。
【備考】
血栓形成がQOLを低下させるので、本症が診断されたら血栓形成予防も同時に行う必要がある。

犬糸状虫症(フィラリア症)

【症状】
咳、呼吸困難、嘔吐を主症状とする。ほとんど症状を示さずに急死することもある。
【原因】
蚊によって媒介される犬糸状虫の寄生による。これは心臓の肺動脈に寄生するが、三尖弁口部に移動することによる大静脈症候群(著しい循環不全と血管内溶血)が見られることもある。
【備考】
猫では犬と比較して少数の犬糸状虫成虫寄生でも発症する。ノミ・ダニの駆虫薬の中には犬糸状虫の駆虫もできるものもあるので利用する。

甲状腺機能亢進症

【症状】
体重減少、脱毛、嘔吐、下痢、多飲多尿、甲状腺の腫大(頚部圧迫による咳)、活動性の亢進など。
【原因】
ホルモン分泌能を維持した甲状腺の過形成および腺腫。一方で猫では甲状腺癌によるものは少ないとされている。
【備考】
高齢の猫における最も一般的な内分泌疾患とされる。良性の甲状腺腫大によるものが多いため、治療による予後は良い。

病気でない咳もある

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咳の原因は必ずしも病気だけではありません。冷たい空気も気道の刺激になり得ますし、食後に喉を整えるために咳をすることもあります。

しかし、これらの咳は一過性であることが多く、繰り返し咳をする場合や、毎回同じタイミングで咳をする場合などにはやはり一度動物病院を受診しましょう。子猫が毎回食後に咳き込むなどの場合には口蓋裂の可能性も考えられます。

まとめ

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咳はありふれた症状ではありますが、放置して良いものではありません。呼吸器の異常以外にも、甲状腺の異常や心疾患なども考えられます。

普段から愛猫の様子をよく観察しておき、いつもと違うことや心配なことがあれば動物病院に相談しましょう。

【獣医師監修】猫の尿外観異常で考えられる疾患とは

皆さんは、愛猫の尿を毎日観察していますか?トイレの掃除は面倒かもしれませんが、尿には愛猫の健康状態が反映されています。

特に尿の色は、しっかりと毎日チェックしておくべき健康のバロメーターです。猫で多く見られる腎臓や膀胱の異常が、尿色の異常となって現れることがあるためです。

今回は猫の尿異常、特に尿色の異常で考えられる疾患について解説します。

赤色尿

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尿が赤い原因としては、血液の混入、あるいは血色素の混入が考えられます。血尿は膀胱や腎臓からの出血、血色素尿は赤血球の破壊によって起こります。

明らかに赤い尿であれば気付くのも容易かもしれませんが、薄い赤色の場合はよく観察しないと見落としてしまう可能性もあります。

尿石症

【症状】
血尿、頻尿、排尿時疼痛、トイレ以外での排尿など。結石が形成される部位によっては閉塞を起こし、無尿、急性腎不全(嘔吐、流涎、発作、低体温、ショックなど)を引き起こすこともある。
【原因】
食事などから起こるミネラルバランスの乱れや、細菌感染によって尿のpHが変化することで結石が形成される。遺伝的に結石ができやすい猫種(ヒマラヤン、アメリカンショートヘアー、スコティッシュフォールドなど)も存在する。
【備考】
尿pHをコントロールするフードにする、常に飲水できる環境にするなどで予防は可能。避妊去勢後は結石が出来やすいので注意。特に雄は尿道が非常に細く、尿道閉塞を起こしやすいので要注意。

特発性膀胱炎

【症状】
血尿、頻尿、排尿時疼痛、トイレ以外での排泄など。
【原因】
原因は明らかになっていないが、ストレスが関与していると言われている。結石や感染、腫瘍などによる膀胱炎の所見がない場合に本疾患が疑われる。
【備考】
引っ越し、近隣の工事、帰省による人の出入りなどによって発症することが多い。

膀胱腫瘍

【症状】
血尿、頻尿、排尿障害、失禁など。
【原因】
移行上皮癌、扁平上皮癌などが膀胱に発生することで起こる。
【備考】
猫における膀胱腫瘍の発生は稀と言われているが、高齢猫で血尿などの泌尿器症状が現れた場合にはしっかりと鑑別する必要がある。検査には超音波検査や造影X線検査が用いられるが、いずれも無麻酔での処置が可能。

タマネギ中毒

【症状】
嘔吐、下痢、食欲不振、貧血、血色素尿(赤〜赤黒い尿)、頻呼吸、頻脈など。
【原因】
タマネギ、ネギ、ニンニクなどの誤食によって、赤血球が破壊されることによる。
【備考】
タマネギ中毒を引き起こす量については個体差が大きい。そのため少量でもタマネギ類を誤食した可能性があれば動物病院に相談する。

淡黄色尿

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漢字で書くと難しく感じられますが、尿がいつもより薄い色の状態を指します。薄い尿が見られる時の多くは、飲水量および尿量の増加も認められます。

猫砂や新聞紙などトイレの形態によっては観察しにくいところではありますが、水の量やトイレに行く回数などと併せて観察するといいでしょう。

腎不全

【症状】
多飲多尿、尿色が薄い、食欲不振、元気消失、嘔吐、脱水、貧血、発作など。
【原因】
腎臓における炎症、微生物(細菌やウイルスなど)の感染、免疫異常、結石などの尿管や尿道への閉塞などが原因となる。
【備考】
腎不全において最初に症状が現れるのは尿である。尿量および尿色に留意することは腎不全徴候の早期発見に繋がる。

甲状腺機能亢進症

【症状】
多飲多尿、嘔吐、下痢、活動性亢進、食欲増加、体重減少、脱毛など。
【原因】
甲状腺腫瘍や過形成によって、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで症状が現れる。
【備考】
7歳齢以上の高齢猫では、半年に一度の健康診断によって血液中の甲状腺ホルモンを測定すると、本疾患の早期発見に繋がる。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、嘔吐、下痢、脱水、便秘、低体温、体重減少など。感染症(皮膚感染症、膀胱炎、子宮蓄膿症など)や白内障を引き起こすこともある。
【原因】
猫は肉食動物であり、蛋白質からグルコースを産生する代謝系が活発で、容易に血糖値が上昇する。インスリン分泌も低く、肥満、ストレス、感染症などの血糖値を下げられない因子が関わると糖尿病状態になりやすい。
【備考】
オスはメスの1.5倍発症しやすい。過体重、老齢、膵炎、腫瘍、感染症も危険因子となることから、定期的な健康診断は重要となる。

濃黄色尿

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尿がいつもより濃いと感じる時は、肝胆道系に異常があるかもしれません。

ここで気をつけたいのは皮膚や粘膜の黄疸があるかどうかですが、尿の濃黄色化は黄疸より先立って起こることが知られています。重症化する前に病気を発見することも可能であるため、しっかりとチェックしましょう。

胆管閉塞

【症状】
胆石や胆嚢炎による閉塞では腹痛、嘔吐、黄疸などが見られ、軽度、一過性であることが多い。しかし重度胆嚢炎や胆嚢破裂が起きている場合には重篤となる。また膵炎や腫瘍による肝外胆管閉塞では、これら疾患の症状も同時に見られる。
【原因】
胆石、胆嚢炎、膵炎、十二指腸や膵臓などの腫瘍によって胆管が閉塞することによる。
【備考】
胆嚢内に胆石が存在しても、必ずしも症状を呈するわけではない。

まとめ

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愛猫の毎日の排泄物は、何となく片付けているだけでは病気のサインを見落とす可能性があります。神経質になる必要はありませんが、ふとした時に健康状態の確認をするのは良いことかもしれませんね。

いつもと違うところがあれば、まずは動物病院に相談しましょう。