【獣医師監修】愛犬の多飲多尿が気になる?考えられる病気とは
愛犬が普段よりよく水を飲む、普段より尿量が多いなどの経験をしたことがありますか?確かに、暑い日や、その日の体調によっては飲水量が増えることはあるかもしれません。
しかし、それが何日も続く、その他の体調異常などが見られた場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があります。
今回は、犬の多飲多尿について獣医師が詳しく解説していきます。
多飲多尿を甘く見ないで!
いつもより飲水量が多かったり、尿量が多かったりする場合、少し様子を見ようかなと考えることが多いでしょう。しかし、場合によっては深刻な疾患を抱えていることがあります。
考えられる代表的な疾患は以下の通りです。
内分泌疾患
- 尿崩症
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 糖尿病
- 上皮小体機能亢進症
内臓疾患
- 腎疾患
- 子宮蓄膿症
- 高カルシウム血症
- 心因性多飲
それぞれどんな病気なのか、詳しくみていきましょう。
多飲多尿で考えられる内分泌疾患
多飲多尿が起こる原因として一般的なのは、内分泌疾患です。
内分泌とは、種々のホルモンが関与する体内の維持機構のことです。まずは、犬で度々見られる内分泌疾患を紹介します。
尿崩症
【症状】
著しい多尿と多飲、夜尿症、失禁。場合によっては意識混濁、運動失調、視力障害などが起こることもある。
【原因】
視床下部や下垂体の障害によるバソプレシンというホルモンの分泌障害、あるいは腎障害や遺伝性によるバソプレシン受容体の異常による。バソプレシンは腎臓での水の再吸収を促進するはたらきがあるため、バソプレシン不足になると必要以上に水分が尿として排泄されてしまう。
【備考】
一日の飲水量の把握、複数回の尿検査、水制限試験など複数の検査を用いて診断を行う。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
【症状】
多飲多尿、食欲亢進、皮膚症状(薄い皮膚、脱毛、色素沈着、皮下出血など)、腹部膨満など。
【原因】
下垂体依存性(80〜85%)と副腎腫瘍性(15〜20%)に分類される。前者は脳下垂体の腫瘍(多くは良性)に、後者は副腎皮質の腫瘍に起因する。
【備考】
下垂体腫瘍の場合、神経症状(徘徊、夜鳴き、壁に頭部を押し付ける動作)が見られることがある。
糖尿病
【症状】
初期には多飲多尿、多食、体重減少。進行してケトアシドーシスを併発すると元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水など。
【原因】
インスリンの不足や欠乏によって高血糖が生じ、様々な代謝異常を引き起こす。膵島萎縮(原因不明)、副腎皮質機能亢進症、発情関連糖尿病、膵炎などが原因として挙げられる。
【備考】
長期の高血糖が持続すると白内障を併発する。
上皮小体機能亢進症
【症状】
食欲不振、元気消失、多飲多尿、嘔吐、便秘、脱水、膀胱結石、顔面過骨症(上顎や下顎で異常な骨の肥厚が起こる)など。
【原因】
上皮小体から分泌されるパラソルモンというホルモンは、骨を分解して生体内のカルシウム濃度を調整している。上皮小体腺腫などによって上皮小体の機能が活発になると高カルシウム血症が引き起こされ、様々な症状を呈する。
【備考】
腎障害によってカルシウムが尿から大量に失われることが続くと、血中のカルシウム濃度を維持するために上皮小体が活性化される。これを「腎性二次性上皮小体機能亢進症」と呼ぶ。
多飲多尿で考えられる他の内臓疾患
内分泌疾患以外にも、多飲多尿が現れる場合があります。具体的には、腎臓の異常などが挙げられますが、意外にも腫瘍疾患でも多飲多尿が見られることがあります。
もし、愛犬に多飲多尿が見られた際には、全身をしっかり検査することが必要かもしれません。
腎疾患
【症状】
多飲多尿、食欲低下、脱水。進行すると消化器症状(嘔吐、下痢、便秘など)、尿毒症、高血圧、代謝性アシドーシス、貧血なども見られる。
【原因】
腎臓の糸球体の異常、腎臓の炎症、尿路閉塞などが原因となる。
【備考】
腎機能は正常時の約1/3にまで減少しないと症状を現さない。
子宮蓄膿症
【症状】
元気消失、食欲不振、嘔吐、多飲多尿、腹部膨満など。外陰部からの持続した膿性滲出物を認めることもある。
【原因】
子宮内膜の嚢胞性増殖および細菌感染(主に大腸菌)による炎症により、子宮腔内に膿性液が貯留する。発情出血開始後1〜2か月の黄体退行期に発症する。
【備考】
外陰部からの排膿が認められない閉鎖性では症状が重篤になりやすい。
高カルシウム血症
【症状】
軽度の高カルシウム血症では無症状。重度となると神経症状(過敏、興奮、震え)、食欲不振、嘔吐、多飲多尿などが見られる。他に原疾患による症状が加わる。
【原因】
上皮小体機能亢進症、悪性腫瘍(リンパ腫、肛門嚢腺癌、多発性骨髄腫など)、ビタミンD中毒、副腎皮質機能低下症など。
【備考】
慢性の高カルシウム血症は腎臓への切開沈着を引き起こし、腎不全の原因となる。
心因性多飲
【症状】
多飲と、それに伴う多尿、低比重尿。
【原因】
原因は不明だが、ストレスに起因していると考えられる。
【備考】
ストレスによる問題行動が出現していることも多い。診断は基本的に他の多飲多尿を呈する疾患の除外によって行う。
まとめ
毎日の飲水量や尿量は、日常的に気にしていないと異常に気付くのが遅れてしまいます。
動物病院での問診でも、これらの項目を聞くことが多いため、愛犬の健康状態は常日頃からチェックしておきましょう。
【本音レビュー】乳酸菌サプリKINS WITHを愛犬に試してみた
みなさんは、愛犬や愛猫の腸内環境について考えたことはありますか?人の健康と腸内環境が密接に関わっているのと同様に、犬や猫が健康に生きていくために腸内細菌を整えることがとても重要です。
そこで今回は、最近話題の「KINS WITH」という犬・猫用の乳酸菌サプリを、CHERIEE編集長の愛犬に実際に与えてみました。この機会にペットの「菌活」について一緒に考えていきましょう。
乳酸菌は何が良いの?
「乳酸菌は体に良い」とはよく耳にしますが、実際にはどのような利点があるかご存知でしょうか?
1. 腸内環境を整える
乳酸菌が腸内に入ることで糖質から乳酸を作り出すと、腸内は酸性になります。すると、酸に弱い性質をもつ悪玉菌の繁殖が抑えられ、腸の働きが活発になります。
悪玉菌が産生した毒素は、便秘や下痢、大腸がんなどの病気の原因になると考えられています。そのため、腸内から悪玉菌が減ることで、腸内環境が整い、便通の改善、健康の維持にもつながるのです。
2. 免疫力を高める
腸内の悪玉菌が減少し、腸内環境が整うことで、免疫力の向上も期待できます。
乳酸菌の中には、免疫細胞を活性化させる働きがあるものも確認されており、生活習慣病をはじめとしたさまざまな病気の予防に役立ちます。
3. コレステロール値を低下させる
乳酸菌には、悪玉コレステロールを低下させる機能もあるといわれています。
悪玉コレステロールが増えすぎると動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の原因となるため、これらの病気を予防する効果があります。
<乳酸菌は生きていなくても問題ない?>
多くの乳酸菌は胃酸や胆汁酸で消化されてしまうため、生きて腸まで届きません。しかし、免疫の強化を刺激するのは乳酸菌の構成成分ですので、生きていなくても効果があると考えられています。
また、死んでいる乳酸菌は、善玉菌のエサになるため腸内環境の改善にも役立ちます。
KINS WITHの特徴
今回、CHERIEE編集部で試したのは、株式会社KINSが販売する「WITH SUPPLEMENTS(定期)」という商品です。
乳酸菌産生物質が含まれたサプリメントと、腸内細菌のケアを楽しく続けられるようなフレーバー5種類が同梱されています。また、LINEを使って相談できるコンシェルジュサービスもあります。
届いたもの
1. ORIGINAL(サプリメント)
「乳酸菌生産物質」が主成分のサプリメント。21種類の乳酸菌やビフィズス菌を発酵してつくりだされた400種類以上の成分をそのままギュッと凝縮したものを粉末にしています。
本来なら腸内で善玉菌が生み出す成分そのものを摂取することができ、すこやかな腸内フローラを維持します。
原材料:乳酸菌生産物質(国内製造)、サイクロデキストリン(一部に大豆を含む)
2. フレーバー
初回は”まぐろ・ささみ・かぼちゃ・バナナ・ヤギミルク”の5種類をすべてお届け。食物繊維やオメガ3脂肪酸、オリゴ糖などを摂取することで菌ケアの後押しします。
食材をそのまま粉末にしただけなので食べやすくヘルシー。香料・着色料・保存料・酸化防止剤などの添加物も使っていません。
原材料:各フレーバーの食材(まぐろ・ささみ・バナナ・かぼちゃ・ヤギミルク)のみを原材料として使用
KINSはもともと人間用のサプリメントでしたが、獣医師監修のもとで犬や猫用に応用しているため、安心してペットに与えることができます。
パッケージもとてもおしゃれで、インテリアとして飾ってもかわいいですし、SNSに載せても素敵ですね。
与えた後の変化
KINS WITHを与えた愛犬の情報
- 【名前】えん
- 【性別】男の子
- 【犬種】トイ・プードル
- 【年齢】2022年2月時点で推定10歳(元保護犬のため、年齢は推定)
与える前の悩み
- 口臭
- 食糞
- 軟便、下痢気味
1回分(約1ヶ月)を試用した後
口臭
口臭はとくに変わりませんでした。
これは腸内環境の問題ではないと思いますので、歯磨きで改善します(現在トレーニング中)。
食糞
こちらも腸内環境の問題ではありませんが、食糞もとくに変わりませんでした。
うんちをしたらビターアップルを吹きかけて食べさせないようにしていますが、気づかないうちにしたうんちは食べてしまっているときがあります。
軟便、下痢気味
少し改善したような気がします。
ドッグフードが合わなかった時は一週間のうち5日くらいは軟便でした。その後、ドッグフードの変更で改善しましたが、一週間のうち2日程度は軟便が見られました。
サプリ摂取後は、軟便の頻度が週に1日程度になり、下痢になる頻度も減ったように感じました。
※ これらはあくまで個人的な感想であり、効果・効能を保証するものではありません。
5種類のフレーバーがうれしい
今回レビューした「KINS WITH BOX」は、初回のみ5種類のすべてのフレーバーが送られてきます。
- まぐろ
- ささみ
- かぼちゃ
- バナナ
- ヤギミルク
与え方
日頃のご飯に「KINS WITH」のサプリメントとフレーバーをふりかけて、混ぜるだけであげられます。
錠剤ですと、食べてくれなかったり口から出してしまうこともありますが、「KINS WITH」のサプリメントやフレーバーは全て粉末ですので、とくに戸惑うことなく食べてくれます。
なお、粉末のまま与えるとそれを吸い込んでむせてしまう場合があるため、今回はいつものドッグフードに少量の水を混ぜて、「KINS WITH」とフレーバーを水に溶かして与えています。
どのフレーバーも香りがとても良く、特に「まぐろ」が気に入ったようで、ドッグフードをとても美味しそうに食べてくれました。
犬用のヨーグルトにバナナやヤギミルクのフレーバーを混ぜ、ペロペロ舐めさせておやつ代わりに与えてもいいかもしれませんね。
2回目以降は1種類
フレーバーは初回に5種類届き、量も十分なため、愛犬も満足してくれるでしょう。しかし、2回目以降は1種類しか届きませんので、最初と同じように贅沢に使いすぎてしまうと足りなくなってしまうかもしれません。
それぞれ好みがあると思いますので、2回目以降は愛犬や愛猫のお気に入りのフレーバーを選んであげてください。
人間も食べられる
食材そのものを粉末にしただけのフレーバーは、とても美味しそうだったので、飼い主も食べてみました。実際に、サラダやスナックのトッピングとして用いてもいいようです。
【まぐろ】
まぐろの香りがすごく感じられます。うちの子のお気に入りはまぐろで、食事に混ぜてあげると犬でも猫でも間違いなく喜んでくれると思います。人間のおつまみのまぐろキューブの香りに似ていますが、食べてみるともちろんしょっぱくなく、まぐろの旨味と香りが感じられました。
【ささみ】
まぐろほど風味は強くありませんが、食べてみるとほのかにささみを感じられます。人間用に塩分を足せば、ポテトにふりかけても美味しいかもしれませんね。
【かぼちゃ】
ほんのりとかぼちゃの風味を感じられ、美味しいです。これに甘みを足せば人間用のケーキができそうだと感じました。
【バナナ】
嗅いでみるとバナナの匂いがあるので、犬も喜んで食べてくれます。犬用のヨーグルトに混ぜると喜ぶかもしれません。
【ヤギミルク】
ミルクの風味とほのかな甘みを感じられるので、人間が食べても美味しいです。赤ちゃんミルクの粉末やミルキーの甘さをなくしたものに近いと感じました。
もちろん、人が食べて美味しいと感じるものが、犬や猫にとって美味しいかはわかりませんが、人も食べられるものを愛犬に与えられるのは安心できますね。
その他のサービスにも注目
腸内フローラ検査
「KINS WITH BOX(定期)ORIGINAL」には、腸内フローラの検査キットが同梱されています。
キットで便を採取して返送することで、愛犬や愛猫の善玉菌や悪玉菌の数、バランスなどがわかり、改善の仕方や食生活をはじめとした日常的なアドバイスをもらえます。
LINEでコンシェルジュに相談ができる
「KINS WITH」の定期コースに申し込むと、LINEを利用したコンシェルジュという機能を利用できます。
これは、健康相談や商品の使い方などの疑問があった際、いくつかの選択肢から質問をタップするとその場で相談・解決できるサービスです。
また、選択肢をタップするだけではなく、自分でメッセージを打って商品に関係ない愛犬や愛猫の食生活や生活習慣についても相談することも可能です。
私も実際に利用してみましたが、わかりやすく丁寧に教えていただけて、とてもうれしくなりました。
応答も即日、遅くとも翌日にはあるようなので、気軽に相談ができますね。
まとめ
今回は一ヶ月という短い期間だったため、目に見える大きな変化は感じられませんでしたが、気になっていた軟便が改善したようにも感じます。
粉末状のサプリメントは与えやすく、食材をそのまま粉末にしただけのフレーバーは、愛犬や愛猫にも喜んでもらえるでしょう。KINS WITHで菌ケアを長く続けられる工夫がそこにありました。
愛犬や愛猫の体調に不安を感じていたり、菌ケアで健康を維持したいと考えているなら、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
会社概要
株式会社KINS
https://yourkins.com/shop/pages/with
病気の可能性もある?インコが片足立ちをする4つの理由
インコを飼っていると、インコが片足立ちをする姿を見ることがあるかもしれません。
フラミンゴはよく片足立ちをする鳥として有名ですが、インコはなぜ片足で立つのでしょうか?
今回の記事では、インコが片足立ちをする理由と、それぞれに対する適切な対処法を、大きく4つに分けてご紹介します。
インコが片足立ちをする様子
インコが片足立ちをする姿を見たことがないという方は、まずは動画でその様子を確認しましょう。
フラミンゴなど、長い足の鳥に比べるとわかりにくいですが、よく観察しているとしっかりと足をあげていることが分かるでしょう。
引用:YouTube
“Why Does Budgie Stand On One Leg?” by Blueberry and Precio
https://youtu.be/vNv4VWCW1Bc?t=13
インコが片足立ちをする理由①体温維持
インコの体温は40~41℃と高く、これを維持するために鳥の身体は羽毛で覆われています。
寒くなると、羽毛からむき出しになった足から冷えてしまうため、片足で立ってもう片方の足を羽毛にしまう様子が見られます。人間が寒い日にポケットに手を突っ込むようなイメージです。
片足を羽毛にしまい、さらに丸くうずくまって体を羽毛で守っているような様子が見られたら、インコが寒さを感じているサインだと考えましょう。
<適切な対応>
少し寒い程度なら問題ありませんが、ずっと寒そうにしているようなら、部屋の温度を上げた方が良いでしょう。寒くなりすぎると低体温症になってしまうので、注意が必要です。
そうはいっても、インコは特別寒さに弱いわけではないので、あまり神経質にならず、15℃程度の人間が少し寒いと感じる程度の温度までなら大丈夫です。
インコが片足立ちをする理由②リラックスしている
リラックスをしているときや寝る前、遊んでいるとき、おしゃべりを楽しんでいるときなどに片足立ちをするインコもいます。
リラックスしているときは活動量が落ちて体温が下がりやすいため、①と同様に、体温が下がらないように片足をしまいます。
寝ている間に体温が下がらないよう、片足立ちのまま眠ってしまうインコもいるようです。
<適切な対応>
リラックスしている状態なので、そのままそっとしておいてあげましょう。
インコが片足立ちをする理由③怪我をしている
インコの足は細く、ちょっとしたことで捻挫や骨折をしてしまいやすい部位です。
足の怪我が痛むと、立っているのが辛いので片足立ちになることがあります。
次のような様子が見られたら、足を怪我している可能性があります。
- 足から血が出ている
- 歩き方がおかしい
- 片足を常に上げている
- 片足立ちになるが、羽毛に足をしまわない
<適切な対応>
足に違和感を感じたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。飼育を始める前に、インコを診てくれるかかりつけ医をあらかじめ探しておくことが重要です。
また、足から出血しているようであれば、応急処置として清潔なガーゼで止血を行います。怪我をしないように、インコが安全に過ごせる飼育環境を見直しましょう。
インコが片足立ちをする理由④病気にかかっている
バンブルフット
バンブルフットとは、足の裏が腫れたり、タコができた状態のことを言います。
止まり木が不衛生なことが原因の細菌感染だけでなく、肥満によって足の負担が大きくなったことでも起こります。
止まり木にフンがついたままの不衛生な状態や、インコの免疫力が低下しても起こります。インコが片足立ちをしており、足の裏が赤くなっている場合は、バンブルフットになっているのかもしれません。
【適切な対応】
食べ過ぎで肥満にならないように注意しましょう。また、止まり木についたフンなどはきれいに拭き取り、清潔な環境を保ちましょう。
痛風
痛風は、肝機能の低下によって体の節々に痛みが出る疾患です。
インコの場合、指の関節に白い発疹が見られたり、腫れたりします。
治療は、痛風治療薬、ビタミン、ミネラルの投与により、痛みを和らげて症状の進行を抑えます。
<適切な対応>
インコの関節が白く腫れていたり、出血等の外傷がないのに片足を上げていたら、重症化する前に早期発見・早期治療に繋げることが肝心です。
また、予防には腎臓の機能を健康に保つことが有効です。具体的には、新鮮な水を十分に与え、野菜などでビタミンをたっぷり補給させ、たんぱく質は取りすぎないように注意しましょう。
疥癬症(かいせんしょう)
トリヒゼンダニというダニが原因で、足の他にもくちばしや目の周りの皮膚の皮が剥け、かゆみが出ます。症状が進行すると、爪や足が変形することもあります。
片足立ちの他にも、他の部位の湿疹や食欲不振などの症状が現れたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。
【適切な対応】
早めに気づいて、動物病院で診察を受けましょう。
日頃からインコの様子をよく観察することで、インコの異変に気づいてあげましょう。
まとめ
インコが片足立ちをする理由として、「体温維持」「リラックス」「怪我」「病気」の4つをご紹介しました。
あまり心配しなくて良い場合も多いですが、常に片足立ちをしていたり、具合が悪そうにしている様子が診られたら、怪我や病気の可能性があります。異変に気付いたら、早めに動物病院を受診しましょう。
犬や猫にも感染する?毛の抜けたタヌキを見かけても近寄らないで!
都心でタヌキを見かけることはあまりなくなりましたが、市街地などではいまだによく目にする野生動物です。
一見かわいらしいタヌキですが、毛が抜けてしまっているタヌキを見たことはあるでしょうか?筆者は先日、毛がほとんど抜けてとても痛々しいタヌキが目の前を横切っていくのを見ましたが、すぐに住宅地の中へ姿を消してしまいました。
このようなタヌキを見かけた場合、どうすればよかったのか、筆者自身が気になり調べてみました。
この記事では、毛の抜けたタヌキを見かけた場合の対応と、犬や猫などのペットに影響があるのかについて解説していきます。
どうしてタヌキの毛が抜けるの?
毛が抜けたタヌキは、「疥癬症(かいせんしょう)」という病気に感染している可能性が高いと考えられます。
疥癬症は、ヒゼンダニというダニが毛根に寄生することで起こる病気で、感染した動物との接触や、感染した動物と行動圏が重なることで感染します。
疥癬症を発症しているタヌキは免疫力が落ちており、他にもさまざまな感染症をもっている可能性があります。かわいそうだからと保護しようとしたり、接触したりしようとするのはやめましょう。
疥癬症の症状
初期症状では激しいかゆみに襲われ、体を掻いたり噛んだりすることで傷がつき皮膚が化膿していきます。
かゆさゆえに食べることも寝ることも十分にできず、免疫力が低下すると他の感染症に感染してしまい、治療の受けられない野生下では死に至ります。
全身の毛が抜けてしまったり、象のような皮膚になったタヌキは、ひと目見ただけでは何の動物かわからない場合もあります。
疥癬症のタヌキを見かけたら
とても痛々しいタヌキの姿ですが、野生動物であり、地域によっては害獣と指定されていることから、基本的に疥癬症のタヌキを駆除したり、保護したりすることはありません。
もしタヌキを保護する場合には、都道府県の野生動物の担当部署に連絡して指示を仰ぎましょう。地域によっては引き取って治療してくれる場合もあります。
しかし、保護は自分でしなくてはいけませんし、保護しても受け入れてもらえない可能性があります。
犬や猫などのペットには感染する?
疥癬症は犬や猫などにも感染する可能性があります。特に、野良猫で疥癬症を患っている子は珍しくありません。
タヌキをよく見かける地域でペットを放し飼いにすると、疥癬症に感染してしまう可能性がありますので注意しましょう。
犬や猫の疥癬症の症状
犬や猫が疥癬症に感染した場合は、以下のような症状が見られます。
- 激しい皮膚のかゆみ
- 脱毛
- 掻き傷や噛み傷
- かさぶた
また、疥癬症に感染すると、激しいかゆみから生活の質が低下して免疫力が下がり、他の感染症に感染する可能性が高くなります。重症化する前に異変に気づき、早期治療をすることが肝心です。
疥癬症の予防
野生動物との接触を極力減らすことが最大の予防です。
疥癬症のタヌキをよく見る地域では、タヌキが自宅の敷地内に入らないよう対策し、ペットは屋内で飼育するようにしましょう。
また、動物病院やペットホテルなどを利用した時に感染してしまう場合もあります。
ペット同士でも容易に感染してしまうため、多頭飼いをしている場合や動物の多い場所に行く場合は、特に注意しなければなりません。
疥癬症の治療
駆虫薬の投与が効果的です。
疥癬症の治療によく用いられるイベルメクチンは、コリーなどの一部の犬種で重篤な副作用が見られることから、獣医師の指示に従って投与してください。
きちんと治療すれば、かゆみも治まり被毛も元どおりになりますので、焦らず治療を受けましょう。
野生動物には安易に近づかない
野生動物は、寄生虫や感染症に感染している可能性が高く、安易に近づくことは危険です。
また、かわいい/かわいそうだからという理由で野生動物にエサを与えるのもいけません。
一度でもエサを与えると、その味を覚えてしまいますし、人間の与えるエサは自然界のエサと比べると栄養が良すぎてしまい、自然界で生きるのが困難になります。
一時的な感情で手を差し伸べてしまうと、結局不幸になるのは動物です。動物のためを思うなら、近づかないようにしましょう。
まとめ
毛のないたぬきは疥癬症という病気にかかっており、一度かかってしまうと野生下では治癒する術はありません。助けてあげたい気持ちはとてもわかりますが、野生動物に人間が干渉してしまうと、自然界のバランスが崩れてしまう可能性がありますので、そっとしておきましょう。
自宅付近で毛のないタヌキを見かけた場合、ペットにも感染してしまう危険性があります。なるべく室内飼いにし、タヌキが自宅の敷地内に入らないよう対策をしましょう。
もし、愛犬や愛猫の被毛が抜けてきたり、かゆがっている様子が見られたら、なるべく早く動物病院を受診し、治療してあげてください。
犬に「鼻毛」がない理由。鼻毛は実は人間特有だった!?
犬は嗅覚が発達していますが、その鼻をよく観察してみると、人間と違って「鼻毛がない」ことに気づくかもしれません。
人間の鼻毛は必要だからあるわけですが、では、犬はなぜ鼻毛がなくても大丈夫なのでしょうか?
今回の記事では、人間の鼻毛の役割や、犬に鼻毛がなくても大丈夫な理由などを解説します。
鼻毛があるのは人間だけ?
犬にはない鼻毛ですが、実は、ヒトに近しいサルの鼻にもありません。もちろん、猫や鳥の鼻にもありません。
また、ゴリラやオランウータンなどの鼻には、入口あたりに産毛のような毛がうっすらと生えているのですが、ヒトのように鼻の奥にまでしっかりと毛が生えているわけではありません。
私たち人間からしたら、「鼻毛はあって当たり前のもの」のように思えますが、実は人間特有のものだったのです。
逆に、犬に鼻毛がないのは、他の動物たちを見渡して、全く珍しいことではないのです。
人間の鼻毛の役割
鼻毛はヒト特有のものだと分かりましたが、では、そもそも鼻毛はなんのためにあるのでしょうか?
鼻毛の最大の役割は、異物のフィルターです。つまり、空気を吸った際に、ホコリなどのゴミや細菌、ウイルスなどの異物を絡めとり、気道に入り込まないようにするのが鼻毛の役割です。
鼻毛がないと病気になりやすい?
鼻毛が見えているのは恥ずかしい、みっともないという認識から、「鼻毛カット」や「鼻毛脱毛」をする人もいます。
また「鼻毛が長いと花粉が鼻の中に溜まってしまい、花粉症になりやすい」などという説もあるようです。その一方、鼻毛を減らすと異物に対するフィルター機能が低下してしまうため、風邪や病気にかかりやすくなるという考えもありますが、一概に鼻毛がたくさんあったほうがいいとは言えないようです。
いずれにしても鼻毛は人類にとって重要な役割を持っているので、少なくとも鼻の穴の奥の方の毛は残しておくべきでしょう。
犬に鼻毛がない理由
鼻毛はヒト以外の動物にはあまり見られませんが、では、犬を始めとるする他の動物たちには、なぜ鼻毛がないのでしょうか?
また、異物の鼻への侵入に対しては、どのように対処しているのでしょうか?
鼻の穴が小さいから鼻毛がいらない
犬などの動物の鼻の穴は、ヒトの鼻の穴に比べると相対的に小さい場合が多いです。
小さい鼻の穴に毛が生えていたら、呼吸がしづらくなってしまうため、鼻毛はない方がいいのです。
また、犬の鼻の穴は、ヒトよりもゴミが入りにくい構造になっています。そのため、鼻毛はなくても特に問題はないのです。
くしゃみで異物を出すから大丈夫
異物が入りにくい犬の鼻ですが、それでも異物が入ってくることはあります。
そんなときは単純に、「くしゃみ」によって物理的に排出します。
犬がくしゃみをしていたら、「風邪を引いてしまったのかな?」と思うかもしれませんが、一時的なものであれば、単に異物を外に出そうとした結果なので、特に体調不良を心配する必要はありません。
ただし、くしゃみが長引く場合にはなんらかの病気やアレルギーが隠れている可能性があるので、気になったら獣医師さんに相談してみましょう。
鼻毛がないから「鼻くそ」もできない?
一般的に「鼻くそ」と呼ばれるものは、鼻毛に付着した異物が、鼻の粘液によって固められたもののことを言います。
つまり、異物を集める鼻毛があるからこそ、ヒトの鼻には鼻くそができるのです。
その点、鼻毛のない犬の鼻には基本的に鼻くそはできません。
鼻水は出る
鼻くそは外からの異物が集まってできますが、鼻の奥の方から出てくる鼻水は、鼻毛がなくても出てきます。
犬の鼻は湿っている上に、鼻水が出ても舐めてしまうことが多いので、分かりにくいかもしれませんが、犬でも鼻水は出るのです。
また、鼻水がたくさん出ることで、それが固まって、鼻の出入り口や奥の方で鼻くそのようなものができることもあります。
鼻水が出る原因は、主に次の3つです。
- 寒さなどによる生理現象によるもの
- 花粉やハウスダストなどのアレルギーによるもの
- 細菌感染など、病気によるもの
鼻水の症状が長引いたり、鼻水の粘り気が強い、血が混ざっているなどの特徴が見られた場合には、早めに動物病院に連れて行きましょう。
まとめ
鼻毛は私たち人間にとっては当たり前のものであり、重要な役割を持つ大事なものです。
一方、犬をはじめとする他の動物には鼻毛がありませんが、構造上ゴミが入りにくい上に、入ってしまってもくしゃみで排出することができます。
犬がくしゃみをしていても、一時的なものであれば、「鼻毛がないからくしゃみで異物を排出しているんだ」と考え、特に心配しなくて大丈夫でしょう。
ドッグフードの酸化に要注意!病気のリスクと対策方法とは
1度開封したドッグフードは、食べ切るまでに何日間かかっていますか?
2週間以内という方もいれば、1ヶ月以内、中には4ヶ月以上かかるという方もいるかもしれません。
大容量のドッグフードは割安なのが魅力的ですが、その反面、「酸化が進んでしまう」というデメリットがあります。
酸化したドッグフードを与え続けてしまうと、下痢や嘔吐の原因や、時には大きな病気の原因になってしまうこともあり、侮れません。
今回の記事では、ドッグフードが酸化しやすい理由や、病気のリスク、酸化を防ぐ方法などをご紹介します。
そもそも食品の「酸化」とは
一般的に「酸化」とは、「電子を失う反応」と説明されます。
いまいちピンとこないかもしれませんが、クギやコインが錆びるのも酸化の一例で、結構身近にあるものです。
食品の酸化は、食品に含まれる油分やフレーバー成分などと空気中の酸素が反応することで起こり、風味が落ちるだけでなく、健康に悪影響を及ぼすこともあります。
ドッグフードが酸化しやすい理由
ドッグフードの成分
ドッグフードには、特に酸化しやすい油分が多く含まれています。また、種類にもよりますが、ドッグフードに含まれることが多いタンパク質やフレーバー成分も酸化しやすいため、全体的にドッグフードは酸化しやすいものと考えましょう。
特に、トウモロコシなどの原料を使用したフードは価格が安い反面、酸化しやすいです。
また、健康に配慮してオメガ3脂肪酸を含んだドッグフードを選ぶ飼い主さんも多いようですが、サーモンオイルなどの脂肪酸も酸化しやすい成分です。
酸化防止剤は危険?
ドッグフードの酸化を抑えるため、酸化防止剤を使用しているものもありますが、化学合成酸化防止剤は継続的に摂取すると「がん」になりやすいとされているので、注意が必要です。
ローズマリー、トコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)などの天然酸化防止剤であれば安心ですが、特にトコフェロールは酸化を防ぐ効果が弱いことに留意しましょう。
また、特に素材にこだわった高級ドッグフードでは、酸化防止剤を使用していないものもあるため、保存方法等に十分配慮する必要があります。
海外製のドッグフードに注意
素材の品質や栄養面を考慮して、海外製のドッグフードを選ぶ飼い主さんも多いでしょう。
もちろん、フードそのものの品質は良いものも多いでしょうが、湿度の高い日本の気候を配慮したパッケージでないと、すぐに酸化が進んでしまう恐れがあります。
海外製のドッグフードを与える場合は、開封後は密閉容器に移し替えるなどの工夫をした方が良いかもしれません。
酸化したドッグフードが愛犬の健康に及ぼす影響
酸化したドッグフードを食べ続けると
酸化が進んだドッグフードを継続的に与えてしまうと、嘔吐や下痢、腹痛、食欲不振など、消化器系の症状が現れることがあります。
さらに症状が進むと、肝機能低下や膵炎、腎泌尿器障害、動脈硬化、アトピー性皮膚炎などの病気のリスクが高まります。
酸化によって栄養が損なわれる
「総合栄養食」と書いてあるドッグフードは、ドッグフードと水を与えていれば、それで必要な栄養が基本的には全て補うことができます。
しかし、ドッグフードの酸化が進むと、栄養素が損なわれてしまい、犬が栄養不足に陥ってしまう恐れがあります。
ドッグフードの酸化を防ぐ方法
1. 長くても1ヶ月で食べきれる量を購入する
ドッグフードは、大容量のものを選ぶと割安ですが、何ヶ月間も開け閉めを繰り返すとどんどん酸化していってしまいます。
少し高く感じてしまうかもしれませんが、ドッグフードはできれば2週間以内、長くても1ヶ月以内で食べ切れるサイズのものを選びましょう。
少しずつ小分けになっているドッグフードを選ぶのもおすすめです。
2. 冷暗所で保管する
ドッグフードは、直射日光の当たらない冷暗所で保管するのが鉄則です。
ただし、たとえ夏場であっても、冷蔵庫にドッグフードを入れておくのはNGです。これは、冷蔵庫内と外の温度差が大きいために保存容器に結露が発生しやすく、カビが生えたり、フードが劣化しやすくなるからです。
なお、ウェットフードの場合は、開封後は冷蔵庫で保管し、数日以内に使い切る必要があります。
3. 容器はしっかり密閉する
ドッグフードは、密閉容器に入れたり、小分けにしたりして、空気に触れる時間を極力減らすことが重要です。
ドッグフード専用の保存容器でも、中には密閉性が低いものもあります。
ゴムパッキング付いているものや、真空保存ができるものなど、密閉性の高いものを選びましょう。
まとめ
愛犬の健康のために、品質の高いドッグフードを選ぶ飼い主さんは増えています。
その一方で、ドッグフードの酸化にも気をつけないと、せっかくこだわって選んでも結果的に愛犬の健康を害してしまうリスクが高まってしまいます。
できるだけすぐに食べ切れるサイズのドッグフードを選び、保管方法を工夫することで、ドッグフードの酸化を防ぎ、愛犬の健康を守っていきましょう。
【獣医師監修】犬の尿の色がいつもと違う!考えられる原因や病気とは
犬の健康時の尿色は、黄色~淡い黄色と言われています。しかし、突然愛犬の尿色が赤や褐色になっているのを発見した時、あなたはどうしますか?
尿の色が変化するのは、尿中に普段は出現しないような物質が出現していることが示唆されます。
では、尿色の変化によってどんな異常が考えられるのでしょうか。今回は犬の尿外観異常について解説します。
尿の色から病気の原因がわかる?
犬の尿の色がいつもと違う場合、体に何らかの異常が起こっていると考えた方がいいでしょう。
尿の色が変化する原因はいくつかあります。
- 【赤色】赤血球が尿中に排出されている
- 【褐色】赤血球が破壊され、血色素が尿中に排出されている
- 【橙色】赤血球が破壊され、ビリルビンが尿中に排出されている
では、具体的にはどのような疾患が考えられるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
赤色(血尿)
尿の色が赤い時には、尿中に赤血球が出現していると考えられます。膀胱炎を始めとした泌尿器疾患で多く見られる色です。
実際に尿検査をしてみると、尿中に大量の赤血球が検出されます。
下部尿路感染症(LUTI)
【症状】
少量ずつの頻回排尿、排尿時の痛み、血尿など。
【原因】
細菌、マイコプラズマ、真菌などの微生物の感染による。これらの感染は、尿の残留、尿路結石、腫瘍、水分摂取量の不足、尿量の減少、尿糖の排泄などが誘因となる。
【備考】
症状の程度は原因菌、感染からの時間経過、合併症の有無によって異なる。感染が尿管や腎臓にまで波及すると、発熱や腎不全症状が現れる。
膀胱結石
【症状】
血尿、頻尿、排尿時疼痛、尿淋瀝(尿がポタポタ垂れる)、トイレ以外での排尿など。
【原因】
尿の塩濃度、尿pH、尿の停留時間、食物中の無機質濃度不均衡、尿路感染などが誘因となり、膀胱内に結石が形成される。
【備考】
膀胱内の結石が尿道に移動し、そこで閉塞を起こすことがある。速やかに閉塞を解除しないと急性腎不全や膀胱破裂などを招くこともある。
泌尿器腫瘍(尿管、膀胱、尿道)
【症状】
血尿、頻尿、排尿困難など。
【原因】
各組織に腫瘍が発生し、そこから出血することで血尿が生じる。
【備考】
腫瘍の種類としては移行上皮癌が最も多い。また膀胱の移行上皮癌はメスのほうがオスよりもリスクが高いと言われている。
薬剤
【症状】
血尿
【原因】
抗がん剤(シクロホスファミド)の投与による無菌性出血性膀胱炎。
【備考】
腫瘍の治療の際に見られることがある。
褐色(血色素尿)
茶色っぽい尿色では、赤血球の赤色の成分である血色素が出現していると考えられます。つまり、赤血球が何かしらの原因で破壊され、それが尿中に排泄されているのです。
犬糸状虫症(フィラリア症)
【症状】
運動不耐性(疲れやすい)、発咳、腹水、呼吸困難(肺水腫)、血色素尿など。寄生虫の寄生数、寄生部位、宿主の肺動脈や肺の病変程度によって多様な症状を呈する。
【原因】
犬糸状虫(フィラリア)が心臓に寄生することによる。犬糸状虫は蚊によって媒介される寄生虫で、月に1回の駆虫が必要である。
【備考】
フィラリアの駆虫薬を投与する前には、予めフィラリアへの感染がないことを血液検査にて確認する。フィラリア陽性犬にフィラリア駆虫薬を投与すると、致死的なショックを引き起こすことがあるためである。
タマネギ中毒
【症状】
貧血、血色素尿など。
【原因】
タマネギ、ネギ、ニンニク、ニラなどのネギ類の採食によって赤血球が破壊されることによる。
【備考】
柴犬や秋田犬などの日本犬には、タマネギ中毒に高感受性の家系が存在する。また、亜鉛、アセトアミノフェンといった物質の摂取でも同様の症状を呈することがある。
橙色(ビリルビン尿)
尿色がいつもよりオレンジ色を帯びている場合、あるいは肉眼的には正常でも、尿中にビリルビンという色素が出現していることがあります。
正常でもビリルビンが尿中に出現することは珍しくありませんが、尿検査で2+以上だと異常と見なされます。
ビリルビンが関与しているということは、肝胆系に何らかの異常があることが示唆されます。また、この場合、血液検査でも血中ビリルビン値の異常が見られることがあります。
胆管閉塞
【症状】
嘔吐、食欲不振、腹痛、黄疸など。
【原因】
胆石や胆嚢粘液嚢腫、周囲組織の腫瘍や炎症によって胆管が閉塞し、ビリルビンが肝細胞間へ逆流することで血清や組織が黄染する。ビリルビン尿は高ビリルビン血症や皮膚の黄疸に先行して発見されることも多い。
【備考】
胆嚢破裂を続発する危険があるため、早期に外科的な治療を行う必要がある。
肝疾患
【症状】
嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、黄疸など。
【原因】
肝炎、肝硬変、肝腫瘍などによって肝機能が低下し、血中ビリルビン濃度が上昇することによる。
【備考】
肝臓の疾患では確定診断の際に肝生検を行う必要があることが多い。
まとめ
突然の尿色異常は、非常にビックリすると思います。しかし、尿外観異常がどんな原因で起こるのかをおおよそ理解しておけば、不測の事態にも迅速に対応できるでしょう。
慌てず、できることなら異常が見られる尿を採集し、速やかに動物病院までご相談ください。
足裏の脱毛には注意!うさぎのソアホックの原因と予防方法とは
うさぎに多いと言われる病気である「ソアホック」。足裏の毛が抜けることで、皮膚の炎症を起こしてしまう病気です。
英語でソア(sore)は痛い、ホック(hock)は後脚の関節を意味します。
今回は、ソアホックの症状、原因と予防策についてご紹介します。日頃のちょっとした予防策でリスクを下げることができるため、是非試してあげてください。
ソアホックとは?
ソアホックとは、うさぎの足裏に起こる皮膚炎のことです。日本語では、飛節びらん、足底潰瘍などと呼ばれることもあります。
ソアホックの症状としては、まず何らかの原因で足の裏、特に踵の部分の被毛が薄くなります。脱毛よって皮膚が露出してしまうと、表面に傷や炎症を起こしやすくなってしまいます。
進行すると足裏が厚く固い白いタコのようになり、赤く炎症を起こしてしまいます。
ソアホックは、後ろ足に発症することが多いです。
直ちに重篤化することはありませんが、炎症による痛みで歩けなくなったり、食欲不振になったりします。悪化すると二次的な病気を引き起こすことがあります。
進行すると治りにくくなるため、早期発見と予防がが大切です。
ソアホックの原因
うさぎのソアホックは、日常的に足への負担がかかってしまうことが主な原因となります。
- 固い床材
- 爪が伸びすぎている
- 運動不足
- 肥満による体重の負荷
- スタンピング(足で床を蹴る)を頻繁にする
- 加齢により、同じ姿勢で長時間足を床につけている
以上の環境や行動が見られる場合は、足に負担がかかっている可能性があります。
うさぎの足には肉球がないため、皮膚が床に直接触れてしまいます。そのため、少しの摩擦でも擦れてしまい毛が抜けやすくなるのです。
そのほかにも、ストレスや遺伝的要因によって足の裏の毛が薄いことも原因として挙げられます。また、水や尿などが足裏にこびりついて、足裏が常に湿っているなど不衛生な状況も良くありません。
日頃から足裏をチェックしよう
抱っこをしたりブラッシングをしたりなど、普段からうさぎと触れ合っていると、足裏の脱毛に気がつきやすいでしょう。
しかし、抱っこが苦手なうさぎだと、歩けなくなるまで気がつかない場合もあります。
換毛期など毛が生え変わる時期は特にデリケートになるため、普段からうさぎの足裏を意識してみてください。
ソアホック予防のためにできること
ソアホックを予防するために、飼い主さんができることをご紹介します。
1. 足に負担のかからない床材
ケージや散歩するお部屋の床材は、足に負担のかからないものを選びましょう。
固い床やフローリングなどの滑りやすい床は、ウサギの足には負担になります。
爪を引っ掛けにくい毛足の短い、適度に弾力がある、滑りにくく摩擦が起こりにくいマットが適しています。
2. 定期的に爪切りをする
爪が伸びすぎてしまうと、かかとに体重が乗ってしまい足に負担がかかります。
そのほかにも、カーペットに爪が引っかかりやすくなり折れる原因になってしまいます。
日頃からうさぎの爪の長さを確認し、切ってあげましょう。暴れてしまってうまく切れない場合は、動物病院等で切ってもらうことをおすすめします。
3. うさぎの足を綺麗に保つ
ケージの中でうさぎが水皿をひっくり返してしまったり、尿が散乱してしまったりすることがあるでしょう。
足裏が湿って不衛生な状態が続くと、皮膚の炎症により脱毛が起こりやすくなります。
こまめにケージの床を掃除し、ウサギの足裏を綺麗に保ちましょう。
4. 肥満予防
体重が増えると足の負担も増加します。適切な体重管理はうさぎの健康につながります。
年齢ごとに食事を見直し、おやつのあげすぎには注意しましょう。
5. うさぎにストレスを与えない
うさぎはストレスに敏感な動物です。
うさぎはストレスを感じた時、後ろ足で力強く床を蹴るスタンピングをすることがあります。
特に固い床の上で頻繁にスタンピングをすると足裏に良くないため、ストレスとなる要因をなるべく取り除いてあげましょう。
部屋の中をお散歩させて運動させる、しっかり遊んであげる、大きな音を立てないなどの対策をし、ストレスフリーな環境を作ってあげることが大切です。
まとめ
ソアホックは、足の負担による脱毛が原因の病気です。
うさぎがかかりやすい病気の一つで、悪化すると歩けなくなることがあります。そのため、予防と早期発見が重要になります。
負担の少ない床材を選ぶ、定期的に爪を切る、足を綺麗に保つなどの日頃の予防策をしっかり行い、日頃から足の裏の状態チェックをしてあげましょう。
少しでも脱毛や赤みが見られたら、動物病院に相談することをおすすめします。