外飼いで迷惑をかけてない?猫の安全のためにも室内飼育を検討しよう
もともと猫は外で飼われていましたが、時代の変化とともに室内で飼われることが多くなっていきました。一方で、いまだに屋外で飼われていたり、外へ自由に散歩できる猫も少なくありません。
猫はとてもかわいい生き物ですし、愛猫が何をしても許せてしまうという飼い主さんは多いでしょう。しかし、他人の家の猫だったらどうでしょうか。
この記事では、猫が屋外を散歩するときに起こりうる危険について解説していきます。愛猫を危険にさらさないためにも、室内飼育への切り替えを検討しましょう。
愛猫が迷惑をかけているかもしれない
猫の飼い主の皆さんは、猫が普段何をして過ごしているか知っていますか?室内で飼育している場合はある程度は把握できている方も多いでしょう。しかし、外で飼っている猫がどのように過ごしているか把握できている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。
猫はその身軽さから、どこにでも行けてしまいます。公園や林ならまだしも、他人の家の庭や畑などに自分のお気に入りの場所を作ることもあります。しかし、そのお気に入りの場所で排泄をしたり、畑を掘ったりするなど、他人に迷惑をかけていませんか?
猫が好きな人であれば、ある程度許せるかもしれません。しかし、たとえ猫が好きであっても、このような行為は受け入れられない人がほとんどでしょう。
危険な猫よけグッズもある
猫の侵入に困っている家では、以下のようなグッズを敷地内に設置している場合があります。物理的な危害はなくても、猫にとっては危険ですので注意が必要です。
光や音が突然出るもの
猫が近づくと赤外線センサーで検知し、大きな音が鳴ったり、強い光を出したりして、猫を追い払う装置があります。猫に対して直接的な危害を加えるわけではありませんが、びっくりした猫が壁にぶつかってしまったり、道路に飛び出して車に轢かれたりする危険があります。
また、精神的なショックを受けてしまうこともあります。
市販の忌避剤
手軽にできる対策として、市販の忌避剤を利用する人もいます。しかし、猫が誤って食べてしまうと、健康上の問題が出る可能性があるため危険です。
猫にとって安全な猫よけアイテム
もし、猫が敷地内に入って来て困っている方は、以下の方法で猫が入ってくるのを防止するのがおすすめです。上記の装置や忌避剤と比べると、時間がかかったり猫によっては効果がイマイチなこともありますが安全に猫よけができます。
- 柑橘類…猫は柑橘類のにおいが苦手です。みかんやレモン、ゆずなどの皮を置いたり、柑橘類の香りのするものを散布すると効果的です。
- ハーブ…ローズマリー、レモングラス、ペパーミント、ラベンダー、ユーカリなど、強いにおいがする植物を猫は嫌がります。該当箇所に直接植えるか鉢植えを置きましょう。アロマなどの香料でも構いません。
- コーヒーやお茶の出がらし…コーヒーやお茶は猫が嫌がるにおいがします。出がらしを撒くことで消臭効果もありますが、持続時間は短めです。
水を入れたペットボトルは効果なし!
水を入れたペットボトルを置いておくと、日光が当たり強い光が反射することで猫が寄り付かなくなるとされていますが、実際にはほとんど効果がありません。すぐに慣れてしまう上に、猫がやってくるのは太陽の出ている時だけではありませんので、猫の侵入を防ぐのは難しいでしょう。
それだけでなく、晴れた日に水を入れたペットボトルを屋外に置いておくと、収斂(しゅうれん)火災を起こしてしまう可能性もあります。収斂火災とは、ペットボトルが虫眼鏡のような作用をして太陽光が一点に集まり、火災が発生する現象です。
もし、猫よけのために水を入れたペットボトルを屋外に置いている場合は、効果がないだけでなく火災を起こす可能性もあるため撤去したほうが良いでしょう。
悪意のある人間による危害
音や光で驚かせて猫を追い払う程度であればまだマシかもしれませんが、悪意を持って危害を加える人もいます。時々ニュースに取り上げられるくらい、外で暮らしている猫にとって身近に危険があると考えていいでしょう。
毒餌
庭や公園などに毒入りの餌が撒かれている可能性があります。猫は毒物とも知らずに平気で食べてしまいますが、それを食べてしまったら最後です。
外で飼っている猫を常に監視することはできませんので、毒入りの餌を食べないようにするのは難しいでしょう。しばらく帰ってこないなと思っていたら、自宅前で愛猫が泡を吹いてうずくまっていたこともあるそうです。
虐待
愛猫が実際に悪いことをしてなくても、無差別に猫が狙われ、虐待を受けてしまうこともあります。虐待の対象になってしまったら、ひどいケガを負い、時には命を奪われてしまうこともあります。
愛猫が外で自由に散歩できると、虐待を受けるリスクも高まります。
誘拐
猫はとてもかわいい生き物ですので、ちょっとした出来心で猫を連れて帰ってしまうこともあるかもしれません。SNSなどに写真をアップしていると、かわいさのあまり計画的に狙われてしまう可能性もあります。
また、散歩中に首輪が取れてしまい、野良猫だと勘違いされて他の家で飼われるケースもあります。その際、マイクロチップがついていないと、飼い猫であることを証明するのは難しくなってしまうでしょう。
まとめ
今まで外で暮らしていた猫をいきなり室内に閉じ込めておくのはかわいそうという意見も理解できます。しかし、屋外では交通事故以外にも、猫を驚かせることによるトラウマを植え付けられてしまったり、人の悪意により命を落としてしまう可能性もあります。
たくさんの危険から愛猫を守れるのは飼い主さんだけです。もし、猫を外で飼っているのであれば、少しずつでも室内で過ごせるようにしていくことをおすすめします。
猫のマーキング「スプレー」ってなに?理由と対策もご紹介
犬だけでなく、猫にもマーキング行為は存在します。
猫のマーキングにはどのような行動があり、どのような意味があるのでしょうか?
また、おしっこをかける「スプレー」は、飼い主さんが困ってしまうマーキングです。本能的にしているスプレーに対しては、叱ってやめせるのではなく、原因を見極めて対策を取ることが大切です。
今回は、猫のマーキングとスプレーへの対処法を詳しくご紹介します。
猫のマーキングって?
マーキングとは、自分の匂いをつけることで縄張りを主張する行為です。
縄張りを誇示するだけでなく、他の猫とのコミュニケーション、不安な時、リラックスしている時、自分をアピールしたい時などにも行われることがあり、その時の猫の気持ちや状況によって理由は様々です。
物だけでなく、飼い主にもマーキングすることがあります。
猫のマーキングの種類
猫のマーキングにはいくつか種類があります。
1.スプレー
スプレーとは、壁や物などに通常よりも濃いおしっこをかける行為です。
尻尾を上にピンと立てながら、少量の尿をかけます。
2.爪を研ぐ
気分が盛り上がっている時、元気な時などに爪研ぎのマーキングをすることがあります。
肉球からフェロモンを出して、匂いをつけています。
3.頬や頭を擦り寄せる
物や人の足などに頬や頭を擦り寄せる行動も、マーキングのひとつです。
リラックスしている時によくみられ、頬や顎にある分泌腺からフェロモンを出して匂いをつけます。
スプレー(マーキング)と普通のおしっこの違い
初めのうちは、マーキングのスプレーなのか、おしっこを失敗しているだけなのか、見分けがつかないことがあると思います。
マーキングのスプレーと普通の尿には、姿勢や尿の量、場所の違いが見られます。
スプレーの場合
マーキングのスプレーをするときは、立ったまま尻尾を上に立てた状態で、壁やカーテンなどの決まった場所の垂直面に少量の尿をします。(中には座ったままスプレーする猫もいます。)
濃い尿のため、通常よりも匂いが強く独特なのが特徴です。
おしっこを失敗しているわけではないので、うんちはトイレを使用します。
家や部屋の入口、新しい家具、人や他の猫がよく通る通路などにすることが多いです。
普通のおしっこの場合
普通のおしっこをするときは、座ったまま多量の尿をします。トイレの場所が分かっていないため、うんちも同様に失敗することが多いです。
どんな時にスプレーをするの?
未去勢や多頭飼いのオス猫によく見られ、メス猫へのアピールや縄張りが脅かされそうな時に起きることが多いです。
しかし、中には去勢・避妊したオスやメスも行うことがあります。
また、縄張りが脅かされる時だけでなく、環境の変化や飼い主の不在などでストレスを感じている時にも起こります。
猫のマーキングの対処法
マーキング行為の中でも、爪研ぎと擦り寄せでつける匂いは、人間には分からないフェロモンのため特に問題がありません。
しかし、スプレーは濃い尿をかけるため匂いがきつく、困ってしまいますよね。
愛猫が室内でスプレーを繰り返す場合の対処法をご紹介します。
1.匂いが残らないようにする
まずは匂いを残さないことが大切です。匂いがついてしまうと、再び同じ場所にスプレーをすることが多いです。
早めに拭き取り、消臭剤などで匂いを取りましょう。
この際、猫を叱ることは控えましょう。本能で行っているため、叱っても収まるわけではありませんし、余計にストレスを感じさせてしまう可能性もあります。
2.適齢期に去勢・避妊手術をする
スプレーは去勢や避妊をすることで収まることが多いです。
スプレー行為は発情がきっかけになることも多いため、初めての発情期を迎える前(生後6ヶ月ごろ)に去勢手術をすることが、最も効果的とされています。
しかし、スプレーが癖になってしまっている猫は、手術後でも続くことがあります。
3.ストレスの原因を取り除く
ストレスが原因でスプレー行為をしてしまう猫は、原因を取り除いてあげましょう。
ストレスの原因は猫によって様々あり、はっきりと分からない場合もあります。愛猫の様子を観察をして、色々な解決策を試してあげてください。
【猫のストレスとして考えられる要因】
・新しく同居する猫や人間との相性が悪い
・引越しなどで環境が変わる
・家の中に安心できるテリトリーが少ない
・寂しい思いをさせている
新しく迎えた猫が原因の場合は、慣れるまで待つしかないようです。しばらくは部屋を分けるなど、猫にとってなるべくストレスがかからない環境を模索してあげましょう。
4.トイレを清潔に保つ・場所を変える
猫にとってトイレはとても重要です。常に清潔に保ってあげましょう。
トイレが人や他の猫がよく通る場所、寝床・エサ場に近い場所にあると、気に入らずに別の場所にしてしまうことがあります。トイレの粗相がマーキングに繋がることがあるため気をつけましょう。
また、多頭飼育の場合は、トイレの数を猫の数より1つ多く設置することも考えましょう。同じ猫が複数のトイレ使用してしまうと、他の猫がトイレを使えずストレスに繋がることがあります。
5.動物病院に行く必要がある場合も
下部尿路疾患や膀胱炎にかかると、猫は立ちながら排尿をすることがあります。
頻繁に尿をしたり、尿に血が混じったり、排尿時痛そうに鳴いたりといった症状も同時に見られます。その場合は、すぐに動物病院に行きましょう。
まとめ
猫のマーキング行為には3種類があり、猫の気持ちや状況によって様々な理由があることがわかりました。
特にスプレーは臭いや汚れが気になるため、困っている飼い主さんも多いでしょう。猫の様子をよく観察しながら、ご紹介した方法を実践してみてください。
スプレーを確実に止めさせる方法はないので、叱ったりせず、根気よく様々な対策を試してみることが大切です。
犬の外トイレはアリ?ナシ?人間と犬の共生社会を考える
近年、犬の散歩中のトイレ問題についての議論が激化しています。
ここでの議論は「うんち」ではなく、「おしっこ」がメインです。
「うんち」を外でさせて、そのまま後片付けせずに放置しても良いという意見は「外トイレ賛成派」の範囲外です。「うんち」をさせて、それを後片付けすることは必要最低限のマナーであり、それを怠ることは絶対的な悪と考えています。
「他人の家の前でトイレをさせるなんてマナーが悪い!」と言う人がいれば、「犬なんだから外でトイレをするのは自然なこと」だと主張する人もいます。
主張の度合いも人それぞれで、「ちゃんとウンチを持ち帰って、おしっこは水で流してくれれば外でしても良い」、「他人の玄関前でさせないなど、場所を選んでくれれば外でしても良い」という意見から、「どこであっても外でのトイレはマナー違反。法律で禁止すべき」という意見までさまざまです。
この記事の中ではどちらが正しいという結ことは言えませんが、両者の意見を理解し合うことで、お互い気持ちよく過ごせる世の中を作る一助になれば幸いです。
外トイレ反対派の意見
匂いが気になる
犬の外トイレ反対派から最も多く聞かれる理由が、匂い問題です。
自分の家の玄関前でトイレをされ、おしっこやウンチが残っていると匂いが蔓延して迷惑、という声がネット上でも複数見受けられます。
おしっこの跡が気になる
犬が電柱やアスファルトにおしっこをしたとき、その部分の色が変わって跡が残るのを不快に思う人もいます。
外トイレ賛成派の人の中には「おしっこをしたら水を流せばマナー的に問題ないのでは」と思う人もいるでしょうが、おしっこの跡を気にする人はおしっこを水で流しても跡が消えるどころかむしろ広がって見えるので意味がない、と感じています。
植物への悪影響、電柱の腐敗
犬のおしっこは酸性で、かつ塩分が含まれているため、植物を枯らしたり電柱を腐敗させたりする可能性があります。
もちろん一度のおしっこでそのようなことが起きるわけではありませんが、長期にわたって同じところにおしっこがかかり続けると悪影響になることがあるようです。電柱などが腐って倒れる危険性もあり、またそのようになった場合は、税金を使って建て直す必要が出てきます。
外トイレ賛成派の意見
急にするなと言われても・・・
「家でトイレを済ませてから散歩をするようにしましょう」と促している自治体もありますが、今まで外でトイレをしてきた犬にとって、急に「外でしちゃダメ」というのはなかなか難しい注文です。
外トイレ反対派のみなさんは「トイレトレーニングをすれば済むこと」と思うかもしれませんが、犬にトイレの場所を再学習させることは決して容易なことではありません。
「家でトイレを済ませるまで散歩に連れて行かない」と急に外トイレを禁じられた犬は、我慢のしすぎで膀胱炎になってしまう危険性もあります。
マーキングはやめさせるのが難しい
犬によっては普通の排尿の他に、自分の縄張りを示したり、異性に自分の匂いを残すために「マーキング」と呼ばれる行為をする場合があります。
マーキングは普通の排尿に比べて少量ですが、一箇所ではなく、あちらこちらにするのが一般的です。主に発情に起因する行動とも言われ、去勢手術・避妊手術をした犬はマーキングをしない場合も多いようです。
反対派の人は「それなら手術をしたらいい」と思うかもしれませんが、それで絶対にしなくなるわけでもありません。実際、Cheriee編集部員が飼っている犬は、去勢手術をした後も、マーキングの回数は減っていません。
これからのペット社会はどうなる?
ここまで犬の外トイレに関して、賛成派と反対派の意見をご紹介しましたが、両者の意見を受けて、みなさんはどのようなことを感じましたか?
もし、今まで「外でトイレをしてはいけないなんて、ただの意地悪だ!」と思っていた賛成派の人がいたら、外トイレを嫌がるのにはちゃんとした理由があることを理解していただけたでしょうか。
逆に、今まで「外トイレはただの嫌がらせだ!しつけをしない飼い主の怠慢だ!」と思っていた反対派の人には、犬も生き物ですから、そう簡単にコントロールできるものでもないことを理解していただけたでしょうか。
では、今まで犬に外トイレをさせてきた飼い主は、これからどうしたら良いのでしょうか?
ここでは「これが正しい!」という答えを出すことはできませんが、賛成派と反対派が互いに譲歩した際に現実的となる飼い主の行動の可能性を考えてみます。これが絶対的に、理想的な行動だと主張しているわけではないことにご留意ください。
トラブルになりやすい散歩場所を避ける
他人の玄関先や子供が遊ぶ公園は犬のトイレがとくに嫌がられやすいので、トラブルを避けるためにも、それらの場所をなるべく避けて散歩してみてはいかがでしょうか。
住宅街に住んでいて避けるのが難しいという場合は、「犬におしっこをさせないでください」と張り紙してあるお家や電柱の前はなるべく通らないようにするとよいかもしれません。
後始末を徹底する
おしっこは「マナー水」と呼ばれる匂いを消す水を用いるか、トイレシーツで吸い取るとよいでしょう。
草むらでしたらマナー水で流す、電柱やアスファルトの目立つところにしたらトイレシーツで吸い取る、というように使い分けるのも効果的かもしれません。
トイレトレーニングを実行してみる
室内でトイレをできるのは、実は飼い主にとってもメリットがあります。
例えば、雨の日や雪の日に無理して散歩に行く必要がなくなります。さらに、犬が歳をとって足が悪くなったとき、トイレの度に外に抱っこやキャリーで連れて行く、という手間を減らせます。この機会に、トイレトレーニングを始めてみましょう。
その際、「家でトイレをするまで散歩に連れて行かない」など、理不尽なトレーニングをすると犬が膀胱炎になったりストレスをためてしまう可能性があるので、犬のことを考えると、やはり少しずつトレーニングをすることの重要性を感じます。
子犬のうちからトレーニングを
子犬の方が学習効果も高く、トレーニングはしやすいです。そのため、新しく犬を迎える方は、家の中でトイレを済ませ、外ではしないように、必ずトイレトレーニングを行いましょう。
自分でトレーニングするのが難しければ、プロのドッグトレーナーに任せるか、パピーナーサリー(犬の幼稚園、保育園)に入園させることが最も早いでしょう。こうすることで、今後数十年という時間は必要になるかもしれませんが、将来的に犬のトイレトラブルを減らしていくことが可能です。
人間と犬の共生社会
全ての人が完全に納得できる社会というのは現実的ではありません。
ある公共哲学者は、自己を絶対化し相手を折伏する原理主義的思想では、善き公正な社会は作れないと言いました。コミュニティの中で他者と共生するには、「自分の意見は絶対的に正しく、他の意見など関係ない」という考え方ではなく、自分と相反する意見にも耳を傾け、物事を客観的に捉え直し、互いに譲歩し合うことが重要ではないでしょうか。
また、ペットの幸せを考えるメディアとしては、ぜひ犬も共生社会の一員として捉えていただきたいと思います。それは何も、犬のために外トイレを許してほしい、と言いたいわけではありません。犬も人間と一緒に共生しているのですから、人間の賛成派・反対派の議論に加えて、「こうしたら犬はどうなるか、どう感じるか」も考えてみてほしいのです。
犬の外トイレに賛成する人も、反対する人も、お互いの意見と犬のことを考慮した上で、譲歩し合える社会になってほしいと願っています。
犬が外出先でもトイレができるように!トレーニング方法を解説
いつも室内でトイレをする犬は、外出先でトイレをしたくなっても我慢してしまうことがあります。
近年は、散歩中にトイレをしないことは寧ろマナー的に好ましいと考える人も増えていますが、旅行やお出かけなど、長時間の外出では犬の負担となってしまいます。
また、慣れないところでトイレができないと、災害時などに困ることも想定されます。
今回の記事では、外出先でもトイレができるようになるためのトイレトレーニングをご紹介します。
なお、ここで言う外出先とは、道路などの公共のエリアではなく、外出先のホテルやトイレなど、排泄行為を行っても他の方に迷惑をかけない場所を指しています。
犬が外出先でトイレを我慢する理由
犬は本来、どこでもトイレをする習性があります。
では、犬が外出先でトイレを我慢してしまうのにはどのような原因があるのでしょうか。
1. 特定の場所以外でしてはいけないと思っているから
飼い始めのとき、室内の決まったところでのみトイレをするようにトレーニングをしたかもしれません。
決まったところ以外でトイレをして叱られた経験のある犬は、それ以外の場所でトイレをしてはいけないのだと思ってしまいます。
飼い主さんに忠実なお利口な犬ほど、外出先でトイレをしたくても我慢してしまうのです。
2. 長時間じっとしているから
犬は野生で暮らしていたとき、外敵に狙われる危険と常に隣り合わせでした。自分の存在がわからないように、トイレをも我慢してじっとしている必要がありました。
そのため、車の中や知らない家などで長時間じっとしていると、ある程度はトイレを我慢できると言われています。ただし、膀胱の発達していない幼犬はこの限りではありません
外出先でトイレができることのメリット
せっかく室内の特定の場所以外で粗相をしないようにトレーニングをしたのに、違うところでするように教えることに抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし、外出先でトイレができるとメリットもたくさんあるのです。
1. 健康面のメリット
いくら「犬が長時間トイレを我慢できる」と言っても、我慢しすぎてしまうと腎機能に悪影響を及ぼし、膀胱炎になるリスクも高まります。
また、犬に精神的なストレスがかかってしまう可能性もあります。
外出先でもトイレができるようにすれば、病気のリスクやストレスの軽減が期待できます。
2. 災害時にも
決まったところでしかトイレができないと、災害で避難したときなどに、避難先などでもトイレがなかなかできずに困ってしまいます。
どこでもトイレができるようにしておくことで、いざという時、トイレを我慢せずにすむでしょう。
外出先でトイレができるようになるには?
それでは、今まで室内でしかトイレをしなかった犬が、外出先でもトイレをできるようにするためのトイレトレーニングや工夫をご紹介します。
トイレトレーニングをしても、実際にできるようになるまでの期間には個体差がありますので、出来るようになるまで根気強く続けていくことが大事です。日頃からトレーニングを積み重ねていきましょう。
いつものトイレのとき合言葉をかける
まず、犬が家でトイレをするとき、「トイレ、トイレ」「ワンツー、ワンツー」など、決まった合言葉をかけます。
そして、トイレが終わったら、すぐに褒めながらおやつをあげましょう。
これを何度か繰り返すことで、合言葉が「トイレの合図」だと理解し、「合図でトイレをしたら褒められる」と学習します。
外出先でも同じ合言葉をかけてあげることで、「トイレをしてもいいんだ」と思うようになります。
「トイレをしたい!」仕草に気をつける
トイレをしたいときの仕草は犬によって異なりますが、代表的なものとしては次の3つが挙げられます。
1.急にくるくる回り始める
2.床の匂い嗅ぎ始める
3.後ろ足がいつもと違う動きをしている
また、犬は朝起きたとき、ご飯を食べ終わった後、そして夜寝る前にトイレに行くことが多いです。これらの時間帯を狙って、愛犬がおしっこの前にどんな仕草をするか、日頃から観察してみましょう。
愛犬の「トイレをしたい仕草」があらかじめわかれば、合言葉でのトレーニングがスムーズになりますし、外出先でもトイレをしたいサインを察知することができます。
外出時は使用済みのトイレシーツを持参する
犬は自分のおしっこの匂いに敏感です。そのため、おうちの決まった場所以外でも、自分のおしっこの匂いがついたトイレシーツがあれば、そこを「トイレ」として認識する可能性が高いです。
外出先にも匂いのついた使用済みのトイレシーツを持参してあげることで、何もないところや新品のトイレシーツよりもおしっこがしやすくなるはずです。
外出先で実践しよう
室内で、人間の掛け声でトイレが出来るようになったら、実際に外出先でも試していきましょう。
犬が外出先で「トイレをしたい仕草」を始めたら、使用済みのトイレシーツを広げ、普段通りのおしっこの合言葉をかけてあげます。
なかなかできなくても、焦らずに時間を置いてまた掛け声をかけていきます。どこかのタイミングで我慢ができなくなるはずなので、その時を待ちましょう。
そして、トイレができたらすぐにご褒美をあげることで、犬は「外出先でも、掛け声があればトイレをしてもいいんだ」と学習してくれるようになります。
まとめ
長時間トイレを我慢すると、病気やストレスの原因となりますし、いざという時にトイレができなくて大変な思いをしてしまうかもしれません。
外出先でもスムーズにトイレができるようになることで、愛犬とのお出かけの選択肢も広がり、楽しい思い出がたくさん作れるようになります。
ぜひ、根気強くトレーニングを続けてくださいね。
犬の散歩中のマナーを、飼っていない人目線で考える。おしっこは水で流してますか?
犬も生き物ですから、排泄しますよね。お散歩中のおしっこ・・・皆さんはどうしていますか?そのまま放置にしてませんか?実はそれ、マナー違反として見られているかもしれません。
水で流すのは最低限のマナー
「家を一歩出て見ると、そこには誰のとも分からない丸いおしっこのシミが…」と言うのは、あまり気分が良くないですよね。でも、実際に自分が犬を飼っていると、甘く考えてしまいがちじゃないでしょうか。
犬を飼っていない人、動物が苦手な人に、毎日辛い思いをさせてしまっているかもしれません。だからこそ、しっかりと対処しましょう。
繰り返してしまうなら、対策を。
しかし、同じ場所に何度もおしっこをしてしまうケースもあります。理由は「臭いが残っているから」なんです。
実は、水で流すだけでは完全に綺麗にはなっておらず、何度も同じ場所でしてしまいます。「繰り返しそこでしてしまう」「家主に怒られた」「ここでさせたくない」と言う場合には、これらの対処方法を取りましょう。
水で洗い流して、トイレシーツで吸い取ろう
効果的なおしっこ対策は、水をかけて洗い流し、トイレシーツで吸い取ることだと言われています。犬は、おしっこの上にさらに重ねて排泄をする習性があります。
シーツで吸い取ることで、繰り返し同じ場所におしっこをすることを防ぐことができます。
消臭効果のある水を使う
おしっこの臭いが問題になるので、消臭をすることも効果があります。
- 吸い込んだあとに消臭剤をかける
- 消臭効果のある水をかける
このようにして、繰り返しおしっこをしてしまうこを防ぐのも良いでしょう。
おしっこが事故につながる?
おしっこは鉄製の柱を酸化させ、腐敗させます。
その結果、以下のような事故が起こっています。
- 2017年 さいたま市で、道路標識が突然倒れ、近くを歩いていた女性が怪我
- 2014年 さいたま市で、道路標識が倒れ、小学2年の女児が怪我
- 2006年 大阪市で、信号柱が折れ、男子高校生が怪我
その場では何もなくても、その後、誰かの命を危険に晒しているかもしれません。しっかり、洗い流しておきましょうね…。
皆が気持ちよく過ごせますように。
わんちゃんのおしっこは近隣トラブルや事故につながることもあります。私たち飼い主のちょっとした配慮で、皆が気持ち良く過ごせる社会を実現していきましょう!