【獣医師監修】イタリアン・グレーハウンドの好発疾患と予防

イタリアン・グレーハウンドはシルバーの短毛がきれいな小型犬種です。
小顔で手足も細く、守ってあげたくなるような魅力があります。

そんなイタリアン・グレーハウンドですが、身体の構造や体質によっていくつか、かかりやすい病気が存在します。

今回の記事では、イタリアン・グレーハウンドの好発疾患と、それを踏まえた理想的な飼育環境について獣医師が詳しく解説します。

イタリアン・グレーハウンドの基本情報

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歴史

イタリアン・グレーハウンドの祖先は、古代エジプトのファラオの宮廷で飼われていた小型のグレーハウンドだと考えられています。
その後、ギリシャを渡ったグレーハウンドは、紀元前5世紀頃にイタリアにたどり着いたと言われています。

ルネッサンス時代には、貴族の宮廷内で人気が高まったイタリアン・グレーハウンドは、イタリア国内外の絵画にも多く描かれました

身体的特徴

小型犬に分類され、標準サイズは体高約32~38cm、体重は3〜5kgとされています。
手足が細く、首を伸ばして頭を上げて歩くその姿は、まるで小鹿が跳ねているように見えます。耳の横に垂れる形が標準とされますが、立ち耳の子もいるようです。

被毛は短毛です。毛色は、レッド、グレー、クリーム、ホワイト、ブラックなど様々で、白のマーキングが入ります。

性格

イタリアン・グレーハウンドは、穏やかで優しい性格ですが、繊細でストレスをためやすい面があります。嫌なことをされると、攻撃をせずに、距離を置くような行動をとります。

スタミナがあり、運動が好きですが、日本の厳しい暑さや寒さには弱いので注意が必要です。

イタリアン・グレーハウンドの好発疾患

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イタリアン・グレーハウンドは細い手足ゆえの骨折や、皮膚の疾患が多い犬種です。
どんな病気にかかりやすいか、その病気がどんな症状を呈するのかを理解することで、迅速な対応ができるようになるかもしれません。

全てのイタリアングレーハウンドが以下のような病気になるわけではありませんが、わずかな徴候も見逃さないようにしましょう。

骨折

【症状】
患肢の痛みや腫れ、挙上(足が地面に着けない)
【原因】
外からの強い衝撃、ドアに挟まれる、高い所からの落下、自転車や自動車との事故など。
【備考】
骨折は病気ではなくケガであり、予防が可能。ケガをさせないような環境整備や、事故には十分注意すべき。

カラーダイリューション脱毛

【症状】
脱毛、丘疹、落屑など。
【原因】
遺伝性で、4〜18カ月齢で好発する。毛におけるメラニンの分布が不均等になることで被毛が弱くなり、ちぎれてしまう。
物理的刺激の多い部位に発生しやすい。
【備考】
痒みはないため、日常生活に支障は全くない。一方で、遺伝性疾患なので、発症犬は繁殖させるべきではない。

アトピー性皮膚炎

【症状】
強い痒み、外耳炎、脱毛、皮膚の色素沈着(皮膚が黒っぽくなる)など。
【原因】
機序は完全には解明されていないが、環境抗原(ハウスダスト、花粉、カビ)に対するアレルギー反応の獲得、およびそれに対する過剰な反応が皮膚に起こることによると考えられている。
【備考】
ヒトと異なるのは、犬の場合加齢とともに症状が悪化することである。早期に適切な治療を行うことが重要である。

アレルギー性皮膚炎

【症状】
痒みを伴う炎症性皮膚炎、外耳炎、皮疹、脱毛など。
【原因】
食餌に含まれるタンパクや、ノミに刺されたことによるアレルギー反応。
【備考】
食物アレルギーは眼および口の周囲、外耳道、四肢端、背部に、ノミアレルギーは尾根部、尾部、大腿部、鼠径部に認められることが多い。

膿皮症

【症状】
表皮小環(細菌感染部を中心に、同心円状にカサブタが広がる)、発赤、膿疱など。毛包炎の場合には痒みを伴う。
【原因】
表皮常在菌の感染による。通常はこれら細菌の感染は起こらないが、環境や栄養状態、その他の感染症、内分泌疾患、アレルギーなどに続発することが多い。
【備考】
広範囲に感染が起きている場合には抗菌薬が処方される。しかし、最近では耐性菌も多く、処方した抗菌薬が現在感染している細菌に有効かどうかをあらかじめ検査(感受性試験)することもある。

イタリアン・グレーハウンドに最適な飼育環境

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では、イタリアン・グレーハウンドと一緒に生活していく上でどんなことに注意すればよいのでしょうか。
イタリアン・グレーハウンドという犬種に特徴的な性格や好発疾患に基づいて、最適な飼育環境を紹介していきます。

1. 段差には注意して

イタリアン・グレーハウンドは骨が細く、骨折をしやすい犬種です。

人間にとっては何でもないような小さな段差でも、勢いよく躓いたり、飛び降りたりすることでケガをする可能性があります。イスやソファなどには、飛び乗れないようにするか、犬用の階段をつけるなどの工夫が必要です。

2. 寒さ対策はしっかりと

被毛が短いイタリアングレーハウンドは、寒さに非常に弱いです。日本の冬は皆さんも寒いですよね。
室内では暖房などを使用する、散歩では服を着せてあげるなど防寒対策をしっかりと行いましょう。

一方で、湿気がこもりすぎると皮膚病のリスクとなるため、適度な温度と湿度を調整してあげましょう。

3. 皮膚の状態は観察を

皮膚炎や脱毛など、皮膚の異常を見逃してはいけません。被毛が短いので、皮膚の状態は直接観察しやすいはずです。
ブラッシングなどの際に、次のようなチェックをしましょう。

  • 皮膚に赤みがないか
  • 痒みがないか
  • フケが多くないか
  • 脱毛がないか

皮膚病は直接命に関わることは少ないですが、痒みなどによるストレスは計り知れないものがあります。異常にいち早く気付き、適切な処置を受けさせてあげることが重要です。

4. しつけをしっかり

イタリアングレーハウンドは、元々は猟犬として活躍していた犬種です。
そのため、「マテ」などのしつけがしっかりとできていないと、動くものを突然追いかけてしまうことがあります。
思わぬ事故を防止するためにも、子犬の時からしっかりとしつけましょう。

まとめ

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イタリアン・グレーハウンドは日本でもファンの多い犬種です。実際に動物病院でもよく見ます。

愛犬を大事にするためにも、病気のこともしっかりと理解し、病気の予防や早期発見ができるような飼育環境を整えてあげてください。

【獣医師監修】ミニチュア・ピンシャーの好発疾患と飼い方のポイント

ミニチュア・ピンシャーは毛が短く、線の細い小型犬種です。
小顔で、守ってあげたくなるような表情も魅力の一つですよね。

そんなミニチュア・ピンシャーですが、いくつか好発する疾患があります。
今回の記事では、獣医師の視点から、動物病院でも目にすることの多いミニチュア・ピンシャーの疾患について解説していきます。

ミニチュア・ピンシャーの基本情報

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歴史

ミニチュア・ピンシャーは、ドーベルマンを小型化したような見た目をしていますが、その歴史はドーベルマンより長く、17~18世紀頃と推定されています。

中型のヘル・ピンシェルが祖先で、ジャーマン・ピンシャーや、ダックスフンド、イタリアングレーハウンドなどとの交配を経て、現在のミニチュア・ピンシャーの形になったと言われています。

身体的特徴

オス・メスともに、体高は26~32cm体重は4~6kgが理想とされています。
手足が細いながらも筋肉質な体をしています。
被毛は短毛で、色は赤系の単色か、ブラック&タンもしくはチョコレート&タンです。

性格

明るく活発な性格ですが、繊細で警戒心が強い面もあり、初めての人や犬には攻撃的になることがあります。
また、体が小さいながらもとても勇敢で、大きな犬にも臆することなく向かっていく子が多く、番犬としても最適です。

ミニチュア・ピンシャーの好発疾患

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ミニチュア・ピンシャーのかかりやすい病気は、皮膚と骨関節の疾患が多い傾向にあります。
聞いたことのある病気もあるかと思いますが、順番に紹介します。

アトピー性皮膚炎

【症状】
痒み、紅斑、丘疹、色素沈着(皮膚が黒っぽくなる)、苔癬化(たいせんか:皮膚が厚くなる)など。病変は四肢端、腋窩部(脇の下)、肘屈曲部、膝内側部、大腿部内側部、頸部に現れる。外耳炎を併発していることも多い。
【原因】
発症機序は完全には解明されていない。ハウスダスト、花粉、カビなどのアレルゲンに対する過剰な免疫反応が、痒みを伴う皮膚炎症状を引き起こすと考えられている。
【備考】
犬のアトピー性皮膚炎は人間と異なり、加齢とともに症状が悪化していく傾向にある。早期に診断と治療を行うことが重要。

アレルギー性皮膚炎

【症状】
痒みを伴う炎症性皮膚病変形成。
【原因】
食事、ノミによる刺咬などによる過剰な免疫反応による。
【備考】
食事アレルギーは眼および口の周囲、外耳道、四肢端、背部に、ノミアレルギーは尾根部、尾部、大腿部、鼠径部に見られることが多い。

カラーダイリューション脱毛

【症状】
薄い毛色部分に起こる脱毛や乏毛。皮疹やフケを伴うこともある。
【原因】
メラニンが不均等に毛に分布されることによると考えられている。
【備考】
生後数年以内に被毛の異常を認める先天性遅発性脱毛症の一つである。

膝蓋骨脱臼

【症状】
患肢の挙上(足を地面に着かない)、跛行(足を引きずる)、膝の周りを舐めるなど。
【原因】
外傷、先天的な解剖学的異常(膝蓋骨の嵌まっている大腿骨の溝が浅い、膝蓋骨に付着している筋肉の左右不均衡など)
【備考】
膝蓋骨が外れたり嵌まったりを繰り返すことで関節炎が進行し、前十字靭帯断裂や歩行不能に陥ることもある。膝蓋骨脱臼と診断されたら膝関節への配慮が必要。伸びをするように片足を伸ばす動作は、自分で膝蓋骨を嵌め直している可能性あり。

大腿骨頭壊死症

【症状】
進行する跛行(足を引きずる)、痛みなど
【原因】
骨端への血液供給が不十分となり、大腿骨の成長板などに梗塞を来たすことによる。高い遺伝率を有するので、親の既往歴は要チェック。
【備考】
数ヵ月~1歳齢までに、進行性の跛行を呈する。内科的治療で痛みをコントロールできない場合は外科による大腿骨頭切除を行うこともある。

ミニチュア・ピンシャーに適した飼育環境

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ミニチュア・ピンシャーとの暮らしの中で、これら好発疾患の早期発見や予防のために、どのようなことに注意して暮らせばよいのでしょうか?
愛犬との快適な生活のために注目するポイントを解説します。

1. 寒さ対策は必須

ミニチュア・ピンシャーは毛が短いので、寒さには弱い犬種です。
室内では暖房を活用し、毛布をおくなどして暖かくしてあげましょう。また、その際に乾燥によって皮膚が悪くなることもあるので、同時に加湿も行います
さらに、散歩などで外に出る際には、服を着せてあげるといいでしょう。

2. 運動量の確保

筋肉質な犬種であるミニチュア・ピンシャーは、散歩やその他の運動によって筋肉量を保つ必要があります。
散歩の時間は意識的に長めにとってあげる、一緒に走るなどの工夫が必要でしょう。

ただし、急激なダッシュは禁物です。前十字靭帯断裂や脱臼に繋がります。
運動によってストレスを解消する目的もあるので、一緒に暮らす際には運動のことを重点的に考える必要があります。

3. 皮膚の状態は常にチェック

ミニチュア・ピンシャーは皮膚疾患が多い犬種です。毛が短い分、皮膚の状態は比較的観察しやすいかと思います。また、痒みを伴う疾患も多いため、痒み行動がないかも要チェックです。

夏は涼しく除湿し、冬は暖かく加湿をしてあげて、皮膚への刺激をできるだけ少なくしてあげましょう。
さらに、ハウスダストや花粉などもアレルギーの原因になるため、部屋はこまめに掃除・換気しましょう。

4. 滑りにくい床に

皮膚疾患と同じように、ミニチュア・ピンシャーでは骨関節疾患が多く見られます。
特に、屋内で飼育する際には、床が滑りやすいと各関節に余計な負荷を与えることになります。
床は滑りにくいように、カーペットやマットを敷くなどの工夫をしてあげましょう。

まとめ

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ミニチュア・ピンシャーの好発疾患には、痒いものや痛いものが多いため、早くに異常に気付き、不快感を取り除いてあげることが大切です。
愛犬を毎日観察し、適切な飼育環境を整えることで、病気の予防や早期発見に繋げましょう。

柴犬を飼うなら知っておきたい!柴犬の好発疾患と最適な飼育環境

柴犬は、昔から番犬として飼われている日本犬です。キリッとした目元とは裏腹に、飼い主の前では甘えた表情も見せてくれるところが魅力的ですよね。

柴犬は番犬という性質から、警戒心が強く、臆病な性格であると言われています。また、柴犬がかかりやすい病気もいくつか存在します。柴犬と一緒に生活するにあたって、飼い主さんはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか?

今回の記事では、柴犬の好発疾患と、柴犬にとって最適な飼育環境について解説していきます。

なお、「豆柴」は正式な犬種名ではなく、小さめの柴犬のことを指して呼ぶことがあります。

柴犬の好発疾患

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柴犬は、皮膚疾患眼疾患が非常に多い犬種です。
特に、アトピー性皮膚炎は命に直接関わるものではありませんが、犬にとってはとても嫌な病気です。

柴犬に多い病気を把握しておき、いざという時に素早い対応ができるようにしておきましょう。

アトピー性皮膚炎

【症状】
強い痒み(顔面、四肢端、手足首、腋、膝、耳など)、発赤、脱毛、色素沈着(皮膚の色が黒くなる)
【原因】
はっきりした原因はわかっていないが、花粉やハウスダストなどのアレルギー物質が関与していると考えられている。
【備考】
犬のアトピー性皮膚炎はヒトと異なり、年齢と共に症状が重くなる。診断や治療には時間がかかるが、放置すると愛犬は非常に苦しむ。

アレルギー性皮膚炎

【症状】
痒み(眼および口周り、耳、四肢端、背部)、発赤など
【原因】
食餌中に含まれるアレルゲン
【備考】
アトピー性皮膚炎の診断のためには食物アレルギーを除外しなければならない。臨床症状もアトピー性皮膚炎と似ているので、しっかりと鑑別する。

舐性(しせい)皮膚炎

【症状】
発赤、腫脹、二次感染による膿など
【原因】
身体の特定の部位を舐め続けることで、そこに皮膚炎が生じる。
【備考】
特に肢端に発生し、暇な時間に舐め続けていることが多い。

膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼

【症状】
跛行(足を引きずる)、挙上(患肢を上げる)、膝を舐めるなど
【原因】
先天的に膝蓋骨を納める溝が浅い、膝に強い衝撃を受けるなど
【備考】
体重の過度な増加は膝への負担を増大させる。またフローリングなどの踏ん張りが効きづらい床では膝に大きな負荷がかかる。

認知症

【症状】
夜鳴き、狭い場所に入りたがる、同じ所をグルグル回る、昼夜逆転など
【原因】
ヒトと異なり、犬の認知症の研究はあまり進んでいない。原因についてもよくわかっていない。
【備考】
柴犬だけでなく犬と一緒に生活を始める前に、犬も認知症になることを認識しておく必要がある。介護は精神的にも肉体的にも大変だが、かかりつけの動物病院にしっかり相談すること。

白内障

【症状】
視力の低下、水晶体の白濁など
【原因】
加齢によるもの、糖尿病などの代謝性疾患に関係するもの、緑内障など他の眼疾患に起因するものなど様々。
【備考】
緑内障、ぶどう膜炎、網膜剥離を続発することがある。

柴犬に最適な飼育環境

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柴犬がどんな病気にかかりやすいかの傾向がわかったところで、次に柴犬と一緒に暮らす上での注意点を紹介します。

ただし、どれも柴犬の体質や性格を考えて重要なこととなりますが、同じ柴犬でも個体差はあるので、最終的には自分の愛犬に一番合った飼育環境を見つけてあげてくださいね。

1. 被毛のお手入れ

柴犬は被毛の入れ替わりが激しい犬種です。
特に、冬毛が夏毛に生え換わるときは、もう一頭柴犬ができるのかと思うほどに毛が抜けます。

定期的にブラッシングを行い、抜け毛を除去してあげましょう。ただし、ブラッシングが苦手な子もいますので、ストレスにならないようにしてあげてください。
また、ブラッシングの際は皮膚の状態を確認し、皮膚疾患がないかもしっかりチェックしましょう。

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2. 床は滑りにくく

膝関節や腰への負担を軽減させるために、床は滑りにくい素材にすることをおすすめします。フローリングの場合は、愛犬の生活スペースだけでも滑りにくいマットを敷いてあげるなどしてみましょう。

また、定期的に爪切りや肉球周りの毛を刈ってあげることで、足元が滑りにくくなります。

3. 爪切りが困難なときは

柴犬の中には、鼻先や肢端に触れられることを極端に嫌がる子がいます。そんな子に無理矢理爪切りを行うと、愛犬との信頼関係を崩すことになりかねません。
無理をせず、動物病院などで足先の処置を頼みましょう

4. ストレスをしっかり発散させる

周囲の出来事に敏感で臆病な性格の柴犬には、極力ストレスのない環境が必要です。

とは言っても、生活の上でのストレスをゼロにすることは困難ですので、散歩などでしっかりとストレスを発散させてあげましょう
雨が続いて散歩に行けない時期は、家の中などでたくさん遊んであげましょう。

5. 柴犬は水が苦手?

柴犬はシャワーなどの水が苦手な子が多いように思います。定期的にシャンプーをしてあげたいところだと思いますが、水を怖がる子は無理をする必要はありません。

濡れタオルで身体を拭いてあげる程度にしておきましょう。
また、水を使わないドライシャンプーもあるので利用するのもいいでしょう。

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まとめ

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柴犬は日本ならではの犬種で、海外でも徐々に人気が出てきています。
しかし、一方で、柴犬ならではの厄介な病気も多く、日常的なケアが重要です。

しっかりと健康に気を付けて、病気の早期発見に努めましょう。

体を掻いていたら注意!犬のアレルギーと日頃のケアをご紹介

あなたの愛犬はしきりに体を痒がる様子を見せていませんか?もしかしたら、何らかのアレルギーを発症しているのかもしれません。

犬のアレルギーは、アトピー性皮膚炎・ノミアレルギー性皮膚炎・食物アレルギー・その他昆虫によるアレルギーの大きく4種類に分けられ、主な症状は皮膚炎として異常が現れます。

今回は4つのアレルギーの種類について詳しく解説し、自宅でできるケアや予防策をご紹介します。愛犬がアレルギーによる痒みに苦しまないように、日頃からできることを始めましょう。

①アトピー性皮膚炎

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アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎は環境アレルギーの1つで、空気中の花粉、カビ、塵、動物のフケ、イエダニなどに反応して起こるアレルギーです。

アトピー性皮膚炎はこれらのアレルゲンを取り込んだ量と遺伝的な要因で発症します。生まれつきの体質の場合は生後6ヶ月〜3歳までの幼齢で発症しやすいといわれています。

また、テリア、セッター、レトリバー、ダルメシアン、柴犬、シー・ズーなどの犬種が特にアトピー性皮膚炎になりやすいとされています。

アトピー性皮膚炎の症状

症状は顔周辺、足、下胸部、腹部における痒みです。引っ掻き傷などにより悪化すると、急性湿疹(ホットスポット)と呼ばれる皮膚や耳の疾患が起こりやすくなります。

掻きすぎると脱毛につながる恐れもあります。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎は完治が難しいため、以下のような痒みを抑える対症療法が行われます。

  • 生活環境中のアレルゲンを掃除や環境整備によって除去
  • エリザベスカラー、Tシャツ、靴下を利用し患部への刺激を抑制(軽度の場合のみ)
  • 薬物投与
  • 薬用シャンプー療法

これらに加え、ペットの体をアレルゲンに徐々に慣らしていく減感作療法も行われることがあります。
アレルギー体質自体が改善され、完治する可能性もありますが、時間と費用がかかるため獣医師との相談が必要です。

②ノミアレルギー性皮膚炎

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ノミアレルギー性皮膚炎の原因

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液に反応して起こるアレルギーです。
単にノミに咬まれた場所が痒くなるだけでなく、アレルギー反応によって全身に強い痒みを引き起こします。

ノミアレルギー性皮膚炎の症状

症状は背中、後ろ足、足の付け根、腹部、尾部における痒みです。
最初は赤い発疹腫れが見られ、引っ掻き傷などにより悪化すると、急性湿疹(ホットスポット)と呼ばれる皮膚の疾患を誘発する可能性があります。

また、ペットの体表にはノミや黒い点のようなノミの糞がくっついている場合があります。

ノミアレルギー性皮膚炎の治療

まず、ノミを駆除するためにスポット薬や飲み薬を使います。犬種ごとに適した薬の種類があるため、獣医師に相談してください。

愛犬の生活環境をこまめに掃除・洗濯することも必要です。また、炎症や痒みを抑えるため、薬の投与やぬるま湯での入浴、シャンプーやコンディショナーの利用も効果的です。

一度症状が収まっても、しっかりノミの予防をしなければ再びアレルギー反応は起こるので、継続的な注意が必要です。

③食物アレルギー

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食物アレルギーの原因

食物アレルギーは、食事に含まれる何らかの成分に反応して起こるアレルギーです。

一般的なアレルゲンは小麦、大豆などの穀物や、牛肉、鶏肉、乳製品、卵です。食物アレルギーは新しいフードに変えた時に起こりやすいですが、長年食べ続けていたフードに突然反応することもあります。

食物アレルギーの症状

食物アレルギーにより、掻く、噛む、なめる行為などが見られます。主に顔周辺、先端部(足先、しっぽ、肛門周辺、陰部周辺)、皮膚が重なる部分(わき、内股、関節の裏側、指や肉球の間)に症状が現れます。

二次的に細菌感染を起こすこともあり、下痢やその他消化系疾患を伴う犬もいるため、注意が必要です。

食物アレルギーの治療

食事による予防と再発防止を行います。
アレルゲンになりにくい療法食や、添加物やアレルゲンと思われる食材を避けた手作りの食事による、食事療法が効果的です。

④その他昆虫アレルギー

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蚊やアブの唾液も、アレルギー性皮膚炎の原因となることがあります。

窓を開ける際は網戸をつける、家の周りの水溜りをなくす、虫が多く発生するような場所に行く際は洋服や犬用の虫除けスプレーを付けるなどの予防が大切です。

自宅でできる5つのケアの方法

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愛犬にアレルギー反応が出てしまった際に、まずは動物病院に相談しましょう。

ここでは、アレルギーと診断された愛犬の症状を改善するために、飼い主さんが日頃からできるケアの方法をご紹介します。これらはアレルギー反応が出ていない愛犬への予防策にもなります。

1.犬の生活環境を綺麗に保つ

アトピー性皮膚炎の場合は、ハウスダストや花粉に反応してアレルギー反応が出るため、犬の生活環境を清潔に保つことが重要です。

愛犬のベッドや生活する部屋は、こまめな掃除、換気、洗濯を徹底しましょう。

2.散歩時に花粉や虫を防ぐ

外出する際、愛犬に花粉や虫がついてしまわないようにしましょう。

花粉を出す木が多く生えている場所や、水溜りや草むらなど虫が発生する場所には行かないなどの対策は効果的です。

それに加え、皮膚を保護する「アレルギースーツ」を着せたり、犬用の虫除けスプレーを付けたりすることもお勧めします。


3.ノミ予防薬の投与

ノミ対策に最も効果的なのはノミの予防薬を投与することです。

市販のノミ予防薬は、動物病院で購入するものとは効果が異なることがあるので、獣医師に処方してもらうことをおすすめします。
 

4.丁寧なスキンケア

アトピー性皮膚炎の犬の皮膚は非常に敏感肌のため、低刺激のシャンプーを用いて保湿成分を補うスキンケアがすすめられています。
動物病院で、愛犬の症状に合った薬用シャンプーを処方してもらいましょう。

シャンプー後は外用薬や保湿剤を付けてあげると効果が期待できます。また、毎日ブラッシングをすることでフケやノミ、皮膚の状態をチェックしましょう。

5.食事後の行動をよく観察する

犬の食事とその後の行動をよく観察しましょう。
食物アレルギーがある犬の場合は、特定の食べ物を食べた後に痒みを発症します。

家族や友人が勝手に食べ物をあげないようにし、いつ何をどのくらいあげたのかを把握できるようにしておくことが大切です。

まとめ

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今回は犬のアレルギーと、ケアの方法についてご紹介しました。

アレルギーはどんな犬でもなる可能性があり、そしてなかなか治りにくいものです。愛犬のQOLを低下させないためにも、予防継続的なケアをしてあげてください。

愛犬に痒みや皮膚の異常が見られた際はアレルギーの可能性があるため、速やかに動物病院を受診しましょう。