猫の誤飲を予防しよう!日常生活に潜む食べ物以外の危険と対策
猫は、遊んでいるうちにひもやビニールを飲み込んでしまうことがあります。飲み込むとお腹の中で絡まったり、腸閉塞を起こしたりする恐れもあり大変危険です。
場合によっては開腹手術などで取り出すケースもあります。大切な猫を守るためにも、飼い主さんはしっかり対策をしましょう。
この記事では、食品や植物以外の猫の誤飲について解説します。
猫が誤飲しやすいもの(食品以外)
猫の舌はザラザラしているため、単になめているだけであっても口の中に入ってしまいやすいです。
猫が普段過ごしているスペースには、飲み込んでしまう恐れがあるものはたくさんあります。どんなものが危ないのかをしっかり把握し、部屋に放置しないように気をつけましょう。
1. ひも類
毛糸やリボン、猫のおもちゃについているひもなどです。「ひも」ならすべて誤飲の恐れがあります。じゃれているうちにそのまま飲み込んでしまうケースが多いようです。
毛糸にじゃれている猫の写真やイラストはほのぼのしていますが、危険な遊びをしていると考えたほうがいいでしょう。
2. ヘアゴム
ヘアゴムを咥えて遊んでいるうちに飲み込んでしまいます。
嘔吐が続く猫を診察したら、胃から大量のヘアゴムが出てきた例もあるため、テーブルなどに放置すると危険です。
3. 縫い針
縫い針に通っている糸に興味を示して、針ごと飲み込むケースもあります。
4. 布製品
クッションやお気に入りの毛布をなめているうちに、出ていた糸くずを飲み込んでしまいます。
5. ビニール製品
ビニール袋で遊んでいるうちに、破れたビニールのかけらを飲み込んでしまいます。薄手のビニールは破けやすいので注意しましょう。
6. スポンジ類
スポンジにかみついて遊びながら、ボロボロになったスポンジ片を食べてしまいます。
7. 猫のおもちゃや飾り
ネズミなどの小さなおもちゃは、飲み込みやすく危険です。また、おもちゃについた羽やリボンなどをかじりとって飲み込む場合もあります。
粗雑な作りのおもちゃには要注意です。
8. クリップや安全ピン、画びょうなど小さな文具
床に落としたまま気づきにくいクリップや安全ピンは、猫の恰好のおもちゃです。遊んでいる際に飲み込んでしまう恐れがあり危険です。壁に刺した画びょうを、前足で取り外してしまう猫もいます。特に画びょうは使わない方が安心です。
9. ティッシュペーパー
ティッシュケースからティッシュを出して遊んでいるうちに飲み込んでしまいます。
10. その他
他にも、人間の子どものおもちゃや、ピアスなどアクセサリー類、ボタンなども誤飲の原因になります。
誤飲したらどんな症状が出るの?
そのまま便に出てくる場合もあります。しかし、ひもの一方の先端が、消化管のどこかに引っかかると大変です。ひもが引っかかっているのに、胃腸は消化活動をするので蛇腹のようにくしゃくしゃになってしまいます。すると血液が行き届かなくなり壊死を起こすなど、命にかかわる状況になる可能性があります。
他にも、腸閉塞や嘔吐、食欲不振などもみられます。元気がなくなったり、苦しそうな様子を見せたりする場合もあるようです。状況によっては開腹手術で取り除きます。
誤飲したら飼い主さんはどうすればいい?
すぐ動物病院に連絡して、獣医師の指示に従いましょう。ウンチが出るまで待ってみるなどの自己判断は危険です。
また、肛門からひもが出ている場合は引っ張り出さないでください。引っ張ると腸が縮むなどして大変危険です。同様に、口からひもが見えている場合も引っ張り出さないようにしましょう。
確信がなく「もしかしたら何か飲み込んだかも?」という場合でも、一度受診することをおすすめします。
対策は「片付ける」
猫に誤飲させないために、飼い主さんにできることは「誤飲しそうなものから猫を遠ざける」です。
小さいものは引き出しやケースに
ボタンやヘアゴムなど小さなものは猫が開けられない引き出しや、しっかり蓋のついたケースに片付けましょう。棚の上に置くだけでは、猫は上って取ってしまいます。
引き戸や扉にはロックを
市販のロックをつけておけば、器用な猫も扉を開けられません。
裁縫や編み物は猫のいないところで
猫とは別の部屋で裁縫や編み物をします。ワンルームなどの場合は、猫をケージにいれましょう。だたし、ケージは猫を閉じ込める場所ではありません。とっておきのおやつを与えるなど「猫にとって嬉しい場所」にしてあげましょう。
ほつれた布製品は修繕するか処分
敷物やクッションカバーなど、ほつれが出たらハサミでカットしておきます。修復できないものは、処分したほうが安心です。
猫じゃらしは飼い主さんと遊ぶ
猫じゃらしなど、ひも状のおもちゃは飼い主さんと遊び、猫だけでは遊ばせないようにしましょう。遊び終わったら、猫が取れない場所に片付けてください。
退屈にさせない
猫の退屈を解消すると、糸で遊ぶなどの誤飲に繋がりやすい行動を予防できます。キャットタワーを設置したり、外が見えるくつろぎスペースを作ったりしてあげましょう。段ボールなどで隠れる場所を作るのもおすすめです。
飼い主さんと一緒に遊ぶことも、ストレス解消とコミュニケーションにも欠かせません。
布をなめる癖がある猫は受診
ストレスなどが原因で布をなめ続ける「ウールサッキング」をする猫もいます。一度ウールサッキングをしてしまうと、改善には時間がかかり再発する可能性が高いとされています。
このような行動を見かけたら、なるべく早く行動学にくわしい獣医師に相談しましょう。
まとめ
猫は遊んだり興味を示したりしているうちに、ひもやビニールなどを誤飲する恐れがあります。場合によっては腸閉塞を起こすこともあり、大変危険です。
もし飲み込んでしまった場合は、様子を見るのではなく動物病院を直ちに受診してください。自己判断をせず獣医師の指示に従いましょう。
飼い主さんは、猫が誤飲しないための対策も必要です。部屋をきちんと片付け、扉は開けられないようにするなど、猫を誤飲の危険から守ってあげましょう。
【猫クイズ】飼育環境に注意を!猫のウールサッキングって知ってる?
では一体、猫のウールサッキングとはどのような行動で、原因は何なのでしょうか?本記事では猫のウールサッキングについてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、猫のウールサッキングクイズにチャレンジしてみましょう!
ウールとはいうものの、決して羊毛に限らず、ビニールや紙、段ボール、ゴムなどを噛んでしまうこともウールサッキングと言います。
この行動は、病的なまでに同じ行動を繰り返す「常同障害」の一つに分類され、病気の一種とも考えられています。
- 環境の変化
- 運動不足
- 過度に少ないスキンシップ
- 騒音
- 多頭飼育
ウールサッキングには根本的な治療法がなく、改善しても再発する可能性が高い行動でもあります。なるべく猫にストレスを与えないような環境を作ってあげてください。
また、ウールサッキングを頻繁にしてしまうと、胃や腸に毛糸などの繊維が溜まってしまい、腸を傷つけたり、腸閉塞を起こすこともありますので注意しましょう。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
猫のウールサッキングの危険性とその原因・対策をご紹介!
猫のウールサッキングの危険性とその原因・対策をご紹介!
猫のウールサッキングとは

常同障害とは・・・ 不安や欲求不満などのストレスが原因で、病的なまでに、一つの行動を繰り返す状態を指します。 猫の場合、ウールサッキングの他にも、毛繕いをし続けたり、尻尾を追いかけ続けるなどの症状がみられます。
誤食とは違うの?
猫が異物を食べてしまうことをよく「誤食」と言いますが、ウールサッキングと異物の誤食は別のものです。 ウールサッキングは、猫が自ら異物を口にしてしまうという点が特徴です。自らの意思で食べてしまう以上、ウールサッキングをやめさせるには、原因を取り除く必要があります。どんな猫に起こりやすい?
ウールサッキングは一般的に、年齢や品種に関係なく、どんな猫にも起こりうる病気です。 その中でも特に、生後8ヶ月以内の子猫はウールサッキングをしてしまう傾向にあると言われています。また、以下の品種に起こりやすいと考えられています。- シャム
- バーマン
- バーミーズ
- これらのミックス
ウールサッキングの原因とは?

- 環境の変化
- 運動不足
- 過度に少ないスキンシップ
- 騒音
- 多頭飼育
ウールサッキングの危険性

ウールサッキングの対策

適度なスキンシップをとる
家を留守にする時間が長いなど、飼い主さんとのスキンシップ不足は猫を不安にさせてしまいます。できる限りふれあう時間を作ってあげることで、ストレスを緩和させてあげましょう。 逆に、過度なスキンシップがストレスとなる場合もあります。猫の性格に合わせて、適切な距離感で接してあげてください。居住環境を見直す
居住環境自体が猫のストレスの原因であることもあります。食事の種類や量は適切か、トイレは常に清潔か、同居猫との相性が悪くないかなど、改めて環境を見直してみましょう。 また、運動不足の場合は、キャットタワーやキャットウォークなどを設置して、好きな時に運動できるようにしてあげましょう。布団や服を隠す
根本的な解決にはストレスの軽減が重要です。 しかし、猫が噛んでしまう布団やビニールなどを手に届かない場所へ隠すことでも、物理的にウールサッキング対策をすることができます。 ゴムやビニール、段ボールなども、部屋に出しっぱなしにしておくのではなく、猫の手が届かないところにしまいましょう。食べてしまっていたら動物病院へ

ウールサッキングは一生の付き合い
ウールサッキングには根本的な治療法がありません。ストレスを極力取り除くなどして、少しずつ改善してあげましょう。また、一時的に改善されたとしても、再発する可能性が高い病気でもあります。 引っ越しや新しい子を迎えるなど、事前に猫にストレスを与えてしまう可能性があることがわかる場合は、猫のストレスを最小限にしてあげ、あらかじめ布団やビニール類を隠しておきましょう。まとめ
