【クイズ】本当に怖いエキノコックス症を予防しよう!

エキノコックス症は北海道を中心とした地域で現在も流行しており、予防や定期的な検査が求められています。名前くらいは聞いたことがあるという人も多いと思いますが、エキノコックス症はどんな疾患でどのように予防すれば良いか知っていますか?

本記事ではエキノコックスについてクイズ形式で解説していきます。

それではさっそく、エキノコックスクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 エキノコックスについて「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「治療方法はない」です。
犬に寄生した場合、駆虫薬による治療効果はほぼ100%といわれています。ヒトの場合は投薬のほか、病変部を切除することで確実な治療が可能ですが、患部が大きすぎたり、脳に寄生している場合は治療が困難なことがあります。

エキノコックスの虫卵は、犬やキツネの糞便中に排出されます。その虫卵が中間宿主である野ネズミやヒトなどに摂取されると、小腸内で幼虫が孵化して寄生します。
Q.2 ヒトのエキノコックス症の症状について「誤っている」ものはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「潜伏期間は数ヶ月から1年程度」です。
エキノコックスの特徴ともいえるのが長い潜伏期間で、大人では10~15年、小児では約5年もの間、自覚症状がありません。その間、エキノコックスの幼虫は各臓器を蝕んでいきます。

犬やキツネが寄生された場合は軽度の下痢が見られる程度ですが、中間宿主であるヒトが寄生されると重篤な症状を示します。

エキノコックス症は感染症法で四類感染症に分類されており、全数を把握するために診断した医師は保健所への届け出が義務付けられています。
Q.3 エキノコックス症を予防する方法として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です
正解は「山菜を食べるときは一度冷凍処理する」です。
エキノコックスは100℃で1分間加熱すれば死滅しますが、低温には強いため-20℃程度では死なず、冷凍処理などでは効果はありません

エキノコックス症は予防薬を用いることでフィラリア症などと一緒に予防することが可能です。流行地域で犬を飼っている場合は検討してみてください。

また、犬に中間宿主であるネズミとの接触をさせないことが大切です。ヒトの場合はネズミやヒトからの感染はありません。野生のキツネには触らないようにし、もし触った場合はよく手を洗いましょう。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】ヒトへの寄生が危険!エキノコックス症の恐怖とは?
北海道では特に注意!キツネが媒介するエキノコックス症とは?
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飼い主さん必見!猫がおみやげを持ってくる理由とその対処法

猫を飼っている皆さんの中には、愛猫が外から死んだ昆虫や小動物を持って帰ってくる姿を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 「猫のおみやげ」とも呼ばれるこの行為ですが、実はその裏には大きな理由があるのです。 今回は、猫の習性の一つである猫のおみやげについて解説していきます。

そもそも猫のおみやげとは?

猫,おみやげ,狩り,理由,対処,方法,病気,エキノコックス,トキソプラズマ,回虫症,ネコ条虫 もともと猫は、狩りをして生きてきた肉食動物です。 その本能は現代でも変わらず受け継がれており、外で狩りをする家猫も少なくありません。そうして外で仕留めてきた獲物を家へと持ち帰ってくるのが、猫のおみやげです。 猫が持ち帰ってくるおみやげとしては、下記のものが挙げられます。
  • ネズミ
  • すずめなどの小鳥
  • ヘビやトカゲなどの爬虫類
  • セミやバッタ
基本的に、口で咥えられるサイズのものが多いですが、中にはカラスや鳩などといった大きめの鳥を捕らえてくる場合もあります。 おみやげの種類も季節や地域によって異なり、例えばセミなどは夏特有のおみやげだといえます。

猫がおみやげを持ち帰る5つの理由

猫,おみやげ,狩り,理由,対処,方法,病気,エキノコックス,トキソプラズマ,回虫症,ネコ条虫 猫がおみやげをわざわざ家へと持ち帰ってくるのには、どのような理由があるのでしょうか。 実は、飼い主さんへの嫌がらせなどではなく、むしろ飼い主さんへの愛が詰まった理由があるのです。

1.飼い主さんのご飯として

狩りをしない飼い主さんのことを「狩りができない存在」と認識し、お腹を空かせないようにとご飯を持ってきている可能性があります。 飼い主さんのことを心から考えた結果の行動ですので、嫌がらせなどと思わず、その気持ちだけでも受け取ってあげましょう。

2.飼い主さんに自慢したい

自身が獲った獲物を飼い主さんに見せるために持ち帰っているという理由です。 成果を見せることで、狩りの能力の成長を誇示し、飼い主さんに褒められようとしているのです。

3.狩りの仕方を教えようとして

狩りができない飼い主さんに、狩りの仕方を教えようとしているという説もあります。 避妊手術をしたメス猫によく見られるもので、子猫に狩りを教えるように、飼い主さんが一人で獲物を捕らえられるように教育しているのです。 もし、持ち帰ってくるおみやげがまだ生きていたり、元気に動いていたら、飼い主さんの狩りの練習のために連れてきているのかもしれません。

4.安全な場所に保管するため

捕まえた獲物を安全な場所に保管するために持ち帰っている可能性もあります。 これはつまり、自分が住んでいる場所を安全だと認識しているということです。 そのため、飼い主さんのことを信頼している、もしくは無害だと思っている証しであるともいえます。

5.おもちゃとして遊ぶため

人間の家庭で育った猫にも狩猟本能はありますが、狩った獲物を食事にすることはしません。 これは、捕らえた獲物を食べるという行為は本来、母猫から教えられるためです。 本能に従い獲物を狩ったはいいものの、その後どうすればいいのかわからず、遊んでしまうという場合があります。 もし、おみやげにひっきりなしにちょっかいを出している場合、おもちゃとして遊ぶために持ち帰ってきたという理由が考えられるでしょう。

どうやって対処すればいい?

猫,おみやげ,狩り,理由,対処,方法,病気,エキノコックス,トキソプラズマ,回虫症,ネコ条虫 このように、可愛らしい理由からおみやげを持ち帰っている猫ですが、飼い主さんからすると迷惑なことでもあります。 おみやげを持ち帰ってしまった場合、あるいはあらかじめ持ち込ませないためにはどうすれば良いのでしょうか。

おみやげをそっと片付ける

家猫は獲物の食べ方を知らず、狩りをして捕らえるだけなので、獲った後は執着しません。 実際、おみやげとして持ち帰ってくる獲物は、実際に外で狩った獲物の1/3程度でしかなく、残りはその場に放置しているといわれています。 大きなリアクションをしていると、飼い主さんのためにしたのに怒られたと思い込んでしまったり、喜んでいると勘違いしてしまう場合もあるため、猫がいない間にこっそり片付けてしまいましょう。

完全室内飼いにする

そもそも外に出さず、ずっと家の中で飼っていれば、おみやげを持ち帰ってくる可能性は下がります。 もちろん、家の中に小動物や昆虫がいる場合やベランダに出る場合、稀に持ってくることもあるので、絶対におみやげがなくなるとは言い切れません。 ですが、狩りをするのは本能であり、それをやめさせることは容易ではありません。 そのため、外に出さず、室内で飼育することが直接的な解決策となるでしょう。

おみやげを食べてしまっている可能性も

猫,おみやげ,狩り,理由,対処,方法,病気,エキノコックス,トキソプラズマ,回虫症,ネコ条虫 母猫から獲物の食べ方を習っていない家猫ですが、狩りの最中に食べてしまう場合もあります。 獲物の中には、ネズミのように寄生虫や病原菌を持つものもおり、それを食べた猫が病気になったり、体調を崩してしまう可能性もあります。

感染する可能性のある病気

  • エキノコックス
  • トキソプラズマ
  • 回虫症
  • ネコ条虫
また、エキノコックスやトキソプラズマは人間に感染する可能性もあります。猫の場合は自然治癒できますが、人間に感染すると症状が重篤化してしまうため、注意が必要です。 高齢者や妊婦、子どもがいる場合、猫を外出させるのは避けた方が良いでしょう。このあたりが、一般的にも完全室内飼いにした方が良いと言われる所以です。 また、猫の様子に異常を感じた場合、すぐに動物病院を受診しましょう。

まとめ

猫,おみやげ,狩り,理由,対処,方法,病気,エキノコックス,トキソプラズマ,回虫症,ネコ条虫 今回は、猫がおみやげを持って帰ってくる理由と対処法、そしておみやげを食べてしまっている場合の危険性について解説しました。 飼い主さんからすると迷惑にも感じるおみやげですが、その裏側には愛猫からの愛情が込められているのです。そのため、猫の気持ちを受け取り、気づかれないように処分するのがいいでしょう。 また、本能である以上、猫に狩りをやめさせることはとても難しいため、外出させず完全室内飼育にするなど工夫が必要です。 猫の健康のためにも、適切に対応してあげてください。

北海道では特に注意!キツネが媒介するエキノコックス症とは?

皆さんはエキノコックスという病気をご存知でしょうか?北海道に住んだことのある方なら耳馴染みのある言葉かもしれません。それ以外の地域の方でも名前くらいは聞いたことがあるでしょう。 野生のキツネを見かけると、つい「かわいい!」といって近づきたくなってしまいますが、実はそれはとても危険な行為なのです。 この記事では、国内のエキノコックス症の感染状況や予防法をご紹介いたします。

エキノコックス症とは

エキノコックス キツネ 北海道「国立感染症研究所 エキノコックスとは」より エキノコックス症はエキノコックスという条虫が寄生することにより引き起こされます。エキノコックスは単包条虫や多包条虫の2種類が分布しており、北海道をはじめとする日本では多包条虫が大部分を占めています。 エキノコックスは、キツネや犬などのイヌ科を中心とする肉食動物に寄生し、これらの糞に混入した卵胞をヒトが摂取することで感染します。

エキノコックス症の症状

エキノコックス キツネ 北海道 エキノコックス症は、終宿主であるキツネや犬よりも、中間宿主であるヒトの方が重篤な症状を示します。 キツネや犬がエキノコックスに感染した場合は軽度の下痢が見られる程度です。 しかし、ヒトがエキノコックスに感染した場合、おもに肝臓に寄生・増殖し、肝臓機能障害に伴う疲労感や黄疸などが見られます。その後、肺や脳にも障害を与え、死に至ります。 患部の切除により治療は可能ですが、患部が大きすぎたり、脳へ寄生している場合は切除が困難です。患部を切除できない場合の死亡率は、5年で70%、10年で94%に達するという報告もあります。また、切除できたとしても再発する可能性があります。

潜伏期間が長いのが特徴

エキノコックス症の潜伏期間は成人で15年〜20年、小児で5年以上と長いことが特徴です。この期間、自覚症状がなく、ゆっくりと臓器を蝕んでいきます。 身体の不調で病院を受診した時には病気がかなり進行しているため、定期的な検診が早期発見に繋がります。

感染症法による届け出の義務化

エキノコックス キツネ 北海道 ヒトのエキノコックス症と犬のエキノコックス症は、どちらも診断した医師および獣医師を通じて保健所へ報告しなければなりません。

ヒトのエキノコックス症

1999年4月に施行された感染症法では、エキノコックス症は四類感染症に分類されました。全数を把握するために診断した医師は保健所への届け出が義務付けられました。

犬のエキノコックス症

2004年10月に施行された改正感染症法では、ヒトへの感染源となる犬のエキノコックス症についても、診断した獣医師による届け出が義務付けられました。

ヒトのエキノコックス症の感染状況

エキノコックス キツネ 北海道 感染状況 この表は、ヒトのエキノコックス症の届出件数です。 毎年一定数感染が確認されており、ほぼ横ばいであることが分かります。また、そのほとんどが多包性のエキノコックスでした。 エキノコックス キツネ 北海道 感染状況 こちらの表からは、国内での感染の大多数を北海道が占めていることが分かります。 日本で最初のエキノコックスは、北海道の礼文島で発見されました。一度は根絶されましたが、別のルートから北海島東部に侵入し、現在では北海道全域で見られます。 このため、北海道では5年に一度は検査することが推奨されており、北海道の多くの自治体で検査を無料で受けられます。

犬のエキノコックス症の感染状況

エキノコックス キツネ 北海道 感染状況 犬 犬のエキノコックスも大部分は北海道が占めています。 北海道以外の事例では、2005年に埼玉県の野犬から1例、2014年に愛知県の野犬から1例、2018年に同じく愛知県の野犬から3例が確認されました。2014年以降、愛知県では毎月、野犬および野生動物の感染状況を把握するための調査を実施しています。

犬の移動が感染を拡大させる可能性

北海道の犬のエキノコックス罹患率は0.2~1.1%と考えられています。 例えば、年間100頭の犬が北海道から本州に移動した場合、1匹程度はエキノコックスに罹患している可能性があるということです。これにより、現在は北海道で限定的に発生しているものが、日本中に広まってしまう可能性もあります。 北海道では犬を放し飼いにしないほうが良いでしょう。もしネズミなどを捕食した可能性があれば、動物病院で検査を受けるようにしましょう。

エキノコックス症の予防法

エキノコックス キツネ 北海道 予防 感染すると恐ろしいエキノコックス症ですが、以下の方法で予防できます。
  • 外から帰ったら必ず手をよく洗う
  • 野山の果実や山菜などを口にする場合は、よく洗うか十分加熱してから食べる
  • 生ゴミやキツネのえさになるものはきちんと保管し処分する
なお、エキノコックスは100℃で1分間加熱すれば死滅します。低温には強いため-20℃程度では死なず、冷凍処理などでは効果はありませんので注意しましょう。 そして、エキノコックスに感染しないためには、キツネや野犬に触れないことが大切です。また、流行している地域で飼育している犬などが野ネズミなどを食べないように注意しましょう。

最後に

エキノコックス キツネ 北海道 予防 2018年の調査によると、北海道のキツネのエキノコックス罹患率は43.2%という結果が出ました。半数近いキツネがエキノコックスに感染していることになり、野生のキツネに触れることは非常に危険です。 エキノコックス症は北海道外でも確認されています。普段から野生動物に触れたり、川の生水などを飲まないように気をつけ、もし触れた場合は必ずよく手を洗いましょう。