家の中で猫の好きな場所は?習性を理解してくつろぎポイントを作ろう
猫の好きな場所を知るには、「高いところが好き」「狭いところが好き」など猫の習性を理解することが大切です。
「猫のために寝床やくつろぐ場所を用意したのになぜか使わない」は、猫を飼っているとよくあることですよね。もしかしたらその場所は、愛猫の好みの場所ではなかったのかもしれません。
猫の習性を理解し、家の中で愛猫がリラックスできるくつろぎポイントを作ってあげましょう。
猫は高いところが好き
猫は本能で高いところを好みます。高いところは周囲を見渡せるため、敵の襲来など危険を察知するのに適しているからです。
そのため、野生だったころの猫は、鋭い爪を使って器用に木の上に登っていました。街中で野良猫が塀の上などで寝ているのも、高くて安心できるからでしょう。
高いところに行けるようにキャットタワーを置く
猫を飼っているお家では、高いところで猫がくつろげるようにしましょう。おすすめは上下運動もできる「キャットタワー」の設置です。外が見渡せる窓辺に置くと、日向ぼっこもできます。
キャットタワーにベッドや隠れ家になる小部屋、ハンモックなどが付いていると、猫もいろいろな楽しみ方ができるでしょう。
キャットタワー選びの注意点
キャットタワーは天井に突っ張り棒で固定するタイプを選ぶなど、猫が飛び乗っても倒れない頑丈なものを選んでください。平らな場所に設置することも大切です。グラグラする不安定な場所に設置すると、危険ですし猫も怖がります。
シニアの猫も高いところにのぼりたい気持ちがありますので、その欲求を満たしてあげましょう。筋力の低下などから落下の危険があるため、タワーは低めのタイプを選ぶと安心です。
猫用ケージもおすすめ
棚板が複数付いていて、高さがある猫用ケージを設置するのもおすすめです。寝床としても、キャットタワーとしても使えます。食事スペースと離してトイレを置くスペースもある広いタイプは、お留守番にも安心です。
来客時も、ケージに猫を入れて布をかけておけば落ち着いて過ごせます。高さのある猫用ケージは、転倒防止チェーンをしっかり取り付けてください。
キャットウォークを作るのもおすすめ
室内の壁にキャットウォークを設置するのもおすすめです。さまざまなタイプのステップやベッドが販売されています。
取り付け方をしっかり確認して、落下などの危険のないようにしてください。賃貸住宅の場合は、事前に大家さんに確認してトラブルのないようにしましょう。
猫は狭くて暗いところが好き
猫の先祖たちは、休むときは外敵に見つからないように狭くて暗い穴のような場所に身を隠していました。そのため、今も狭くて暗いところを好みます。
トンネルタイプのおもちゃやベッドを用意する
市販のトンネルタイプのベッドを置いてあげると、中に隠れて遊んだりリラックスできます。
しかし、せっかく買っても商品が入っていた段ボールに入りたがることもありますよね。
段ボールも、猫の落ち着けるグッズとして敷物を入れて置いておくのもおすすめです。部屋のあちこちに置いておくと、喜んで入るでしょう。
段ボールは傷んできたら気楽に捨てられるのもメリットです。あまりに汚れた段ボールは、虫害の恐れもあるので使わないようにしてください。
押し入れに入りたがることも
押し入れは狭く、ふかふかした布団も入っているので猫が好んで入りたがります。おそらく落ち着ける場所なのでしょう。なるべくなら、そのままくつろげる環境を作ってあげることをおすすめします。
押し入れに入ってもOK
押し入れに猫がくつろげるベッドを置いておきます。粗相などで汚れる恐れがあるので、大切な布団などはカバーをかけておくと安心です。
ふすまはいつも猫が通れるように開けておきます。閉じ込めてしまわないよう注意してください。一戸建てでは、押し入れに点検用の天井板がついていて外れる仕様になっている場合もあります。雷や地震など、災害時は猫が驚いて入り込んでなかなか出てこない場合があるので注意が必要です。
押し入れに入るのはNG
猫に入ってほしくない場合は、「ふすまを開けたままにしない」「押し入れを開けるときは猫を別の部屋に連れていく」が基本です。猫がふすまを開けてしまう場合は、引き戸ロックなどを取り付けましょう。
日当たりのよい窓辺・暖かいところ
日差しが降り注ぐ窓辺や部屋も猫が好きなところです。窓から外の風景が見えるのも刺激的で退屈しません。
窓辺にベッドを置いてみる
日当たりのよい窓があれば、そこを猫のくつろぎ場にするのもおすすめです。猫用ベッドを置いてみてください。出窓は高さもあるので、猫が喜ぶでしょう。
ただし、日差しが強い窓辺では、夏場は熱中症になる恐れがあります。すだれなど日差しを遮るものをかけておくといいでしょう。特に白毛の猫は日に当たり過ぎると「日光皮膚炎」になる恐れがあるので注意してください。体に白毛の部分がある猫も、同様に気を配ってあげましょう。
猫がいつも過ごしている場所がある場合
猫を観察していると、いつも寝ている場所やくつろいでいる場所があるはずです。そこは猫が好きな場所といえます。
まずは、その場所にベッドや段ボールを置いてみてください。周囲には猫の匂いが付いているので、拭き掃除で匂いを消さないようにしましょう。
苦手な場所も知っておく
家の中でも猫が苦手な場所があります。せっかく購入したベッドやグッズを使わない場合、「場所が苦手」であるのが原因かもしれません。
騒がしいところ
猫は耳がいいため、大きな音が苦手です。洗濯機の音やドライヤーの音が騒がしい洗面所などは好みません。
家族が集まるリビングも注意が必要です。猫は基本的に家族がいる場所を好みますが、大声で話したり騒いだりする人はあまり好きではありません。リビングに設置したキャットタワーやベッドをあまり使わないケースでは、「騒がしくて落ち着けない」こともあるのです。
人の出入りが多いところ
ほとんどの猫は、知らない人が苦手です。お客さんが頻繁に来る家は、人の出入りが少ない部屋にケージを設置するなどして猫が落ち着ける場所を作ってあげましょう。
強いニオイのある場所
猫は嗅覚も鋭い動物ですので、香水や柔軟剤などの使用は控えましょう。アロマの中には中毒を起こす恐れがある種類もあるため、焚かないようにしてください。
まとめ
猫の習性である「高いところが好き」「狭くて暗いところが好き」「日の当たる暖かいところが好き」を基本に、家の中にくつろげる場所を作ってあげましょう。
ただし、騒がしい場所や人の出入りが多いところ、ニオイの強い場所は苦手なので注意してください。猫の好きな場所を見つけてあげると、ストレスがなくなりリラックスして暮らせるようになりますよ。
初めての猫!家の準備や用意するグッズ、心構えを解説
猫を初めて飼うときは、「家の中をどうすればいいのだろう」「何を用意すればいいの」と悩みますよね。今は情報が多い分、迷ってしまうでしょう。
今回は、猫を飼うときに準備することや用意したいグッズ、心構えについて解説します。準備や心構えは、子猫も大人の猫も基本的には同じですので、猫を飼う前によく確認しておきましょう。
家の中を整える
猫はひも類や小さなものに興味を示します。高いところも大好きなので誤飲やケガをしないように、家の中を「猫仕様」にします。
誤飲の危険があるものは片付ける
ひも類、糸、ヘアゴム、ボタンなど小さなものは誤飲の危険性がありますので、猫が届かない場所にしまってください。大人の猫でも油断できません。
猫は器用なので、ちょっとした扉や引き出しなどは開けてしまいます。頑丈な箱や引き出しに入れましょう。
観葉植物やお花は別の部屋に
観葉植物の種類によっては、猫が齧ると中毒を起こす恐れがあるものがあります。猫が過ごす部屋には飾らないでください。ユリの花は、活けた水を舐めただけでも危険です。お花も飾らないようにしましょう。
電気コード類にはカバーを
電気コード類を噛んで感電などしないようにカバーを付けておきます。
押し入れやクローゼット、洗濯機の扉に注意
猫は狭いところが好きなので押し入れやクローゼット、洗濯機などに入りたがります。飼い主が気付かないまま、閉め切ったり、洗濯機を動かしたりすると大変危険です。
扉は開けたままにしない、洗濯機のふたは必ず閉めるなどをしっかり心がけてください。
お風呂の水は捨てる
夏は涼しく、冬は残り湯があれば温もりがあるためお風呂が好きな猫がいます。
ふたの上で暖を取る姿はかわいいですが、滑って落ちるとおぼれてしまいます。残り湯は捨てるほうが安全です。
外には出さない
猫は外に出さず家の中で飼います。散歩は必要ありません。特に家に来たばかりの猫は、外に出ると戻れなくなる恐れがあるので十分注意してください。
身を隠す場所を作る
猫が入れるような段ボールに敷物を入れていくつか置いておくと、猫は身を隠せるので安心します。狭いところにいたいという欲求も満たせるのでおすすめです。
買っておきたい猫のためのグッズ
事前にペットショップやホームセンター、ネットなどで購入します。リストを作っておくと、買い忘れがありません。
フード
ブリーダーやペットショップで購入した場合、もしくは保護施設から来た場合は、そこで食べていたフードを用意します。野良猫を拾った場合は、猫の年齢に合った総合栄養食を与えましょう。
ドライフードとウエットフードの両方があると便利です。
食器と水入れボウル
どちらも陶器がおすすめです。猫は入れ物にもこだわりがあるので、複数用意しておきます。ひげが容器に当たるのを嫌がるので、猫専用を購入するほうが安心です。
猫用トイレ
猫用トイレは、大きさの十分にあるタイプを複数設置しましょう。最低でも1匹あたり2個は欲しいところ。大きさは猫の体長1.5倍が目安です。
猫砂にもこだわりがあるので、いくつか用意して様子をみてください。ペットシーツもあると、おしっこがこぼれたときなどに安心です。
爪とぎ
猫の爪とぎは本能なので、爪とぎの用意は必須です。段ボールタイプや麻ひもタイプなど、猫の好みに合わせて複数用意するといいでしょう。基本的にほとんどの猫が段ボールタイプを喜びます。
クレート
必ずクレートは用意してください。普段からハウスや落ち着ける場所として使えますし、動物病院の受診の際も便利です。災害時の避難にも役立ち、避難所にもそのまま持ち込める場合もあります。
素材は頑丈なプラスチック製がおすすめです。
キャットタワー
猫は高いところが大好きなので、キャットタワーを設置してあげましょう。しっかりした頑丈なものを選びます。窓の外を見られる場所に置いてあげるといいですね。
サークル
サークルは留守番や来客時に活躍します。猫の落ち着ける場所にもなるでしょう。高さがあり、スペースが三段ほどあるタイプなら上下運動ができます。ベッドやトイレも置いてあげましょう。
猫用ベッド
好きな場所でくつろげるように、ベッドも複数用意してあげましょう。出窓やリビングの隅、サークル内などに置いておきます。
おもちゃ
ひとり遊びができるおもちゃと、飼い主さんと一緒に楽しめるおもちゃを用意しましょう。転がすとフードが出てくるおもちゃは、猫の狩猟本能を刺激するのでおすすめです。誤飲を防ぐためにも、猫じゃらしは飼い主さんと遊んだら片付けてください。
首輪
猫のサイズに合った首輪を選びます。ケガや事故防止のためにも、何かにひっかかったら外れるタイプがおすすめです。
動物病院を受診する
猫を飼うことになったら、必ず動物病院を受診します。
健康診断を受け、ワクチンや避妊・去勢手術のスケジュールを立てましょう。猫の飼い方のアドバイスなどももらうと安心ですね。
猫を飼う=猫の命に責任を持つ
猫を飼うことは、最期の時まで責任を持って猫のお世話をすることになります。猫の平均寿命は室内飼いの場合15~16歳といわれています。つまり少なくとも15年は、毎日こまめに猫のお世話をする覚悟が必要です。
いたずらをされたり、ひっかかれたりなどのトラブルもあるでしょう。思い通りにならないこともあります。旅行にも行きづらくインテリアもおしゃれにはできないかもしれません。
しかし、猫がいる暮らしは、たくさんの喜びとかけがえのない幸せに満ちています。猫の習性をしっかり理解し、猫との暮らしを楽しんでください。
猫を完全室内飼いするメリットと安心快適に暮らすためのコツとは?
猫は外に出さない「完全室内飼い」がおすすめです。元気で長生きしてほしいと願うなら、なおのこと室内で飼うようにしましょう。
閉じ込めて自由を奪っているようで、可哀そうだと思うかもしれません。しかし、室内を猫に合った環境にすれば猫は室内を自分のテリトリーととらえ安心します。外は交通事故や虐待などに遭遇する恐れや、感染症にかかるリスクがあります。猫にとって、外は危険だらけの過酷な環境なのです。
今回は、猫の完全室内飼いのメリットのほか、猫と飼い主さんが安心快適に暮らすポイントについて解説します。
猫を室内で飼うメリット
外は猫にとってたくさんのリスクがあり、室内で飼うことでさまざまな危険から猫を守れます。猫の室内飼育は、環境省も推奨しているのです。
完全室内飼いの猫は、外猫に比べて寿命が長い傾向があります。社団法人日本ペットフード協会2021年のデータによると、室内飼いの猫の寿命は16.22歳、外に出る猫の平均寿命は13.75 歳です。
一般社団法人 日本ペットフード協会2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査結果
https://petfood.or.jp/topics/img/211223.pdf
それでは、具体的にはどのようなメリットがあるのかを見てきましょう。
1. 交通事故に遭う危険がない
外に出なければ、交通事故でケガをしたり命を落とす危険はありません。
もともと猫には狩猟本能があるため、獲物を見かけると追いかけます。そのときは車道あろうと、車が横切ろうと関係ありません。発情中はメスを追いかけて、飛び出すケースもあります。
2. 虐待や連れ去りの危険がなくなる
残念なことに、虐待目的や、単に「かわいいから」といって猫を連れ去ってしまう人もいます。
室内で飼っていれば、このような人から猫を守れます。
3. 感染症のリスクが少なくなる
猫エイズや伝染性腹膜炎など、感染症にかかるリスクがかなり少なくなります。
外では、猫エイズなどに感染している野良猫とケンカするなどして簡単に感染してしまうのです。とくにワクチン未接種の猫や免疫力の低下している猫は、重症化する恐れがあります。
また、感染症を媒介するノミやダニに寄生される機会が減るのもメリットです。ノミやダニは人にも有害であるため、これらの対策は人の健康という観点からもとても大切です。
4. 他の猫や動物とのトラブルがなくなる
外では猫同士のケンカで咬まれたりひっかかれたりなどで、ケガをする可能性が高く危険です。子猫の場合はカラスに襲われる可能性もあります。
室内で飼っていれば、夜中にノーリードで散歩している犬などに追いかけられる危険もありません。
5. ご近所トラブルが減る
他人の庭に排泄をする、花壇を荒らす、勝手に家に入り込むなどの心配がありません。猫を飼うときは、猫を嫌う人にも配慮しましょう。
6. 迷子にならない
迷子になるリスクが減るのも、室内飼いの大きなメリットです。
猫は、大きな物音などでパニックになったり、強い野良猫に追われたりしているうちに、家から遠くまで行ってしまう場合もあるでしょう。
室内飼いを快適にする10のポイント
猫も人も快適に暮らすためには、いくつかのコツがあります。室内飼いは、ただ単に猫を家に入れておけばいいわけではありません。
猫が安心して過ごせるスペースがある、高いところに登れるなどは重要なポイントです。快適な住環境を整えることで、猫は家をテリトリーとみなし、室内での生活を満喫します。
1. トイレは複数用意
トイレは猫1匹に対して2個は用意しましょう。猫はきれい好きでトイレにもこだわりを持ちます。トイレが汚れていると、排泄を我慢する場合もあるのです。
室内のトイレで排泄するようになると、排泄物から体調不良などにもすぐ気づきやすくなります。
2. 寝床も複数置いておく
猫が好みそうなベッドをあちこちに置いておきます。ドームタイプや、かごタイプなどさまざまな種類を用意してあげましょう。段ボールを利用するのもおすすめです。
3. 水飲み場も2ヵ所以上
水は食器とは離し、最低でも2ヵ所以上置いてあげましょう。どちらから汚れたりなくなったりしても安心です。猫は水をあまり飲みませんが、通り道などにあるとついでに飲む傾向があります。
4. キャットタワーを設置する
猫が思う存分、上下運動ができるようにキャットタワーを置きます。設置するスペースがない場合、家具や出窓に上れるようにしてもいいでしょう。
5. 爪とぎを設置する
猫が体を伸ばしてとげるタイプの爪とぎや、床に置くタイプの爪とぎを複数用意します。素材も麻や段ボールでできたものなどさまざまありますので、猫の好みの爪とぎを置いてください。
6. ケージを用意しておく
家の中にもケージを用意しましょう。ケージは猫にとっての縄張りになります。特にそれまで野良猫だった子には、慣れるまでの落ち着いて過ごせる生活の場にもなるでしょう。
猫が苦手な来客のときなどにもケージがあると便利です。ただしずっと閉じ込めないでください。ケージに無理に入れるのも禁物です。扉は開けておいて、自由に出入りできるようにするのがおすすめです。
7. 一緒に遊ぶ時間を取る
1日10分でいいので、おもちゃで遊ぶなどのコミュニケーションをしっかり取りましょう。マッサージやブラッシングタイムも大切です。
8. 脱走予防をする
窓やドアの開けっ放しに注意します。網戸は簡単に開ける猫もいるので、カギなどを取り付けておきましょう。ドアを開けた瞬間の脱走にも十分注意してください。
9. 猫を怒鳴らない
猫は静かな環境を好みます。思い通りにならない猫を怒鳴ったり、音を立てて脅したりしないようにします。ドスドスと歩く足音なども嫌がるので、猫のためにも少し静かに暮らしてあげましょう。
10. 迷子対策は必要
たまたま開いていた窓から猫が出てしまう可能性もありますし、災害などではぐれてしまう恐れがあります。猫の首輪はすぐ外れるタイプが多いので、自分の愛猫であることを証明するためにもマイクロチップを装着しておきましょう。
なお、2022年6月から現在飼育しているペットへのマイクロチップの装着は努力義務となっています。万が一の時のために、なるべく早く動物病院で相談してみましょう。
まとめ
外は、猫にとって交通事故や虐待、感染症などたくさんの危険があります。感情的に「狭いところに閉じ込めてかわいそう」と思うのではなく、リスクやメリットをしっかり考慮し、猫にとって何が幸せかを考えること大切です。
たくさんの危険から猫を守り、トイレを複数置いてキャットタワーを設置するなどして、猫が暮らしやすい部屋にしてあげましょう。
シニアの猫の快適な暮らし!8つの「高さ」への配慮をおさえよう
猫もシニアになると、少しずつ筋肉量や運動能力が低下します。若いときの環境のままでは、シニア猫は暮らしにくくなるでしょう。
特に、キャットタワーなどの高い場所からの転落には注意が必要です。
そのほかにも、トイレの縁も高いままだと跨ぎにくくなってしまいますし、また逆に、食器が低すぎると、かがまなくてはいけないので大変食べにくくなります。
近年、猫は寿命が延びてきています。長いシニア期を少しでも快適に過ごせるように、飼い主さんは配慮してあげる必要があります。
今回は、シニア猫が暮らしやすくするための「高さ」の対策をご紹介します。
「高さ」を見直すタイミング
シニア猫が次のようなしぐさを見せたら、「高さ」を見直す時期です。
- キャットタワーや家具の上り下りをためらう
- キャットタワーのてっぺんに上らなくなった
- 飛び降りるのを失敗した
- 歩行が不安定になった
- トイレの縁をまたぐのに時間がかかる
- ごはんが食べにくそう、途中で食べるのをやめてしまう
シニア期に入った愛猫の様子は普段からよく観察し、異変にはすぐに気がついてあげることが大切でです。
見直したい5つの「高さ」
猫はもともと高いところが大好きです。それはシニアになっても変わりません。
しかし、筋力が低下して足腰が弱っている猫は、落下する危険性が高いのです。
今までは落下してもうまく着地できたかもしれませんが、それもできなくなってしまいます。
そこで、高いところへ上る欲求を満たしつつ、高さの危険を取り除く対策をしましょう。
1. キャットタワーは低いタイプに
キャットタワーは、高さが50センチ程度のものに変更するといいでしょう。低めのステップがいくつか付いていて、上りやすいタイプがいいですね。
天井に届くような高さのあるキャットタワーを設置している飼い主さんは多いと思います。てっぺんに上るのが猫は大好きです。
しかし、シニア猫は筋力や俊敏性も低下しているため、転落したり、着地を失敗したりする恐れがあり、ケガの危険も高まります。
だからと言って、キャットタワーを取り去ってしまうと、それも猫にとってはストレスです。
低いキャットタワーなら、落下の危険も少なくなりますし、高いところに上りたい気持ちも満たされるでしょう。窓辺に置いて景色が見えるようにすると、退屈も解消されて刺激になるのでおすすめです。
2. 背の高い家具には上らせない
猫によっては、食器棚やタンスなどの高い家具のてっぺんが好きな子もいます。しかし、家具はキャットタワーのようなステップもないため、落ちると大変危険です。
食器棚やタンスの上などシニア猫が上れないように、背の高い家具の上は箱などを置いておきましょう。
天井との間に隙間ができないよう、ぴったりサイズの箱がおすすめです。
3. 出窓やソファへのアクセスを配慮
出窓やソファなど、ほどほどの高さならストレス解消のためにも上らせてあげましょう。
上り降りしやすいように、ステップになる台をいくつか置いてあげると安心です。滑りにくい素材の椅子や階段などがいいでしょう。
4. トイレは低いタイプに変更する
トイレは縁が低いタイプにするかスロープを付けましょう。
年を取ってくると、猫はトイレの縁を今までのようにまたげなくなってきます。
すると排泄がだんだん面倒になってしまうのです。その結果、排泄を我慢したり、トイレ以外で粗相したりするようになる可能性があります。
スロープを上るのもつらくなってきたら、犬用のトイレトレーに変更してもいいでしょう。ペットシーツを敷いて、その上に今まで使っていたトイレ砂を置いておくと猫も排泄しやすくなるでしょう。
5. 食器は高さをつける
シニア猫の食事タイムにも「高さ」が関わってきます。
高さのある食器に変えるか、安定した台の上に食器を置いてあげましょう。ほどよい高さがあると、食べやすくなります。
シニアになると高いところに上るのが大変になるだけではありません。首を下にしてかがむのも辛くなってしまいます。すると、お腹が空いていても食べるのをやめてしまうのです。
高さをつけると、食べ物も逆流しにくく吐きにくくなるのもメリット。食べやすくなるので、食事を途中でやめてしまうトラブルもなくなるでしょう。
「高さ」の危険を和らげる3つの方法
「高さ」を直接見直す以外にも、高さによる危険を少しでも和らげる方法があります。
1. 床は滑りにくく
キャットタワー、出窓、ソファなどの周囲には滑らないようにカーペットを敷いておきます。
フローリングは、着地したときに滑ってケガをする恐れがあります。クッションなどを置いておくのもいいですね。
2. 階段はゲートをつける
階段からの転落を防止するためにも、階段の前にはゲートやフェンスを付けて、猫が入らないようにする方法もあります。
間をすり抜ける猫もいるので、ネットなどを貼っておくと安心です。
3. 動物病院を受診しよう
高いところから落ちそうになる、うまく上れないのは年齢だから仕方ないと思わずに、積極的に動物病院を受診しましょう。
筋力の衰えだけでなく、関節の痛みがある場合もあるのです。猫は苦痛を隠す傾向があるので、飼い主さんは気づかないケースもあります。
シニア猫が暮らしやすい環境を整えると同時に、少しでも異変を感じたら動物病院を受診してくださいね。
まとめ
シニアになると、機敏だった猫もだんだん高い場所からうまく降りられなくなってきます。同時に、低くかがむのも苦手になってきます。
高所からは転落の恐れもあるので、背の低いキャットタワーに替え、高い家具の上には箱を置くなど対策をしましょう。出窓やソファなどへは、いくつかステップになる台を置くと安心です。
トイレはまたぎやすいタイプにするか、スロープを付けてあげましょう。
食器は逆に高さを付けてあげると、食べやすくなります。
筋力の衰えだけでなく、関節の痛みがあるかもしれません。愛猫がシニアになったら、定期的に動物病院を受診してくださいね。
喜んでもらいたい!愛猫にオススメのキャットタワーの選び方
猫を飼ったらキャットタワーを設置してあげたいと考える飼い主さんは多いでしょう。
猫の健康やストレス発散のためにぜひとも設置したいキャットタワーですが、無計画に買ってしまうと、猫の体に負担がかかったり、部屋が狭くなってしまったりと、思わぬデメリットもあります。
この記事では、愛猫に合ったキャットタワーの選び方について解説していきます。
キャットタワーを設置するメリット
キャットタワーを設置することにどのようなメリットがあるのでしょうか。
なお、キャットタワーを設置するのは必須ではありません。金銭的にかつ部屋のスペースに余裕があれば設置を検討するくらいでいいでしょう。
1. 上下運動ができる
猫は上下運動を活発に行う動物ですが、室内で生活している猫にはなかなか機会がありません。そのためキャットタワーを設置することで、上下運動を含めた十分な運動量を確保できます。
2. ストレス解消になる
キャットタワーを設置すると、遊べる空間が広がり、ストレスを解消するのにとても効果的です。
高いところに登りたいという猫の本能を満たしてくれるでしょう。
3. 落ち着ける場所を確保できる
もともと木に登って生活していた猫にとって、高いところの方が安心できます。
高くから下の世界を眺めることで、安全を確認できるため落ち着けるのでしょう。
キャットタワーを設置する時期と場所
キャットタワーを設置する時期は?
キャットタワーを設置するのは何歳からという決まりはありませんが、子猫のころは転落のリスクもあります。
生後3ヶ月くらいまでは小さめなもののほうが安心でしょう。
設置する場所は?
外がよく見える窓際がオススメです。景色だけでなく、外を通る人や動物なども見えるため、猫が退屈せずに過ごせます。
また、晴れた日には日向ぼっこもできるため、猫にとってくつろげる場所となるでしょう。
キャットタワーの選び方
キャットタワーを購入するときに押さえておきたいポイントをご紹介します。愛猫の年齢や性格などに合わせて、喜んでもらえるキャットタワーを選択しましょう。
1. 素材で選ぶ
キャットタワーの素材は、木、麻縄、パイル地、段ボールなどさまざまです。柔らかくて実用性のあるものやおしゃれなものなど、何を重視したいか考えて選びましょう。
また、ポール部分に麻縄が巻かれて、爪とぎができるようになっているものもあるため、爪とぎが好きな猫におすすめです。
2. 設置方法で選ぶ
キャットタワーには、据え置きタイプと突っ張りタイプがあります。
①据え置きタイプ
頑丈に作られているものが多く、移動も比較的簡単です。
安定性を特に重視する場合は、底に厚みがあり、柱の数が多いものを選ぶようにしましょう。
②突っ張りタイプ
天井まで届くため、高いとこが好きな猫には喜ばれるでしょう。場所もあまり取らないので、スペースをあまり確保できない部屋でもオススメです。
ただし、突っ張りが緩んで倒れてしまう可能性もあるので、週に一度程度はメンテナンスをしましょう。
3. 付属品で選ぶ
ハンモック、おもちゃ、爪とぎ器などが付属しているキャットタワーもあります。猫が好きなものを用意してあげましょう。
また、狭いところが好きな猫には、小さな部屋がついたものも喜んでくれるかもしれませんね。
4. 猫の数で選ぶ
1匹だけの場合と複数匹の場合では、キャットタワーに求める能力が異なります。
多頭飼いしている場合は、くつろげるスペースが複数あるものを選びましょう。また、一度に複数の猫が乗っても転倒しない頑丈さも重要です。
5. 猫の年齢や体格で選ぶ
肥満防止やストレス発散のためにも、十分に上下運動ができる高さがあった方が良いでしょう。
しかし、子猫やシニア猫、ジャンプな苦手な子にとっては、高すぎると落下の危険や降りられなくなってしまう可能性もあります。年齢や体格などによっては、低めのキャットタワーや降りやすいようスロープがあるものを選んであげてください。
人間目線では?
キャットタワーは猫に喜んでもらえるものを選ぶのが第一条件ですが、飼い主さんからの視点も忘れてはいけません。飼い主さんが使いやすいものを選ぶことで、猫が快適に過ごせるようになります。
デザイン
インテリアにもなるキャットタワーは、デザインにも着目しましょう。形状や大きさ、素材など、飼い主さんが扱いやすさも考慮してください。
特に、狭い部屋で大きすぎるキャットタワーを設置してしまうと、あとで後悔することにもなりかねません
組み立てやすさ
中には、組み立てるのが大変なキャットタワーもあります。女性一人では組み立てが難しい場合もありますので、口コミ等は事前にチェックしておきましょう。
特に、突っ張りタイプは2人以上で組み立てることを前提にすると安心です。
お手入れのしやすさ
汚れがつきにくい素材か、取り外して洗えるかなどを確認しましょう。
猫はきれい好きですので、定期的にお手入れをしてあげてください。
まとめ
キャットタワーには素材や形、大きさなど、さまざまな種類があります。家の環境によって最適なキャットタワーは異なりますので、今回ご紹介したポイントを参考に選んでみてください。
組み立てやすさやデザインにも着目し、愛猫とのステキな生活を楽しみましょう。
狭いお部屋も猫の遊び場に大変身!「CATSSUP」とは?
現在(2018年8月)、Kickstarterで支援を募っているプロジェクトで、「CATSSUP」という製品があります。
家具に取り付けるだけで猫の遊び場を作ることができるので、「お部屋が狭くてキャットタワーが置けない・・・」と悩む飼い主さんの救世主かもしれません。
こちらの記事では、そんな「CATSSUP」という製品をご紹介します。
「Kickstarter」ってなに?
IT業界では有名な存在。でも、一般の方はあまり馴染みのない企業かもしれません。
「Kickstarter」とは、アメリカ合衆国の営利企業の名称であり、その企業が運営しているWebサイトの名称でもあります。
「Kickstarter」のWebサイトでは、所謂、クラウドファンディングによる資金調達の手段を提供しています。
クラウドファンディングでは、こんな商品あったら良いよね?という提案をベンチャー企業等が行い、そこに一般の方が投資という形で出資します。出資の合計金額が、その企業が求める金額に達したら、資金調達成功となり、実際に商品開発が行われます。もちろん、資金調達が失敗に終わった場合は、そこで終了。お金は投資されません。
今回ご紹介する「CATSSUP」は、香港を拠点に活動するベンチャー企業が、この仕組みを使って資金調達を行っている商品です。目標金額に到達すると、2018年のクリスマス頃に商品がお手元に届きます!
猫は高いところが好き?
猫ちゃんは、高い場所を快適だと感じることがあります。それは、低い場所を見渡すことができる安全な場所だからです。
しかし、猫ちゃんのために高い場所を用意しようにも、スペースがない家庭も多いのが現状。
そこで、「Studio RYTE」という香港の企業が考案したのが、「CATSSUP」という猫のための家具です。
「CATSSUP」ってどんなもの?
キャットタワーの足場の部分のようなものです。写真のように、骨組みはご自宅にある家具ということになります。
本棚や机等の今ある家の家具に、直接固定して使用します。また、壁に穴を開けることがないので、取り付けはとても簡単です。
今ある本棚や机が、すぐに猫ちゃんの遊び場に変わるのです。
しかも、飼い主さんによって自由自在。好きなところに好きなように取り付けられます。
こちらの動画で、わかりやすく紹介されています。
キャットタワーを置く場所がなかったり、キャットタワーを置いてしまうと圧迫感が出てしまうお部屋もあると思いますが、この製品ならそれがないということですね。
「CATSSUP」シリーズ
「CATSSUP」は、3種類の踏み台と、爪研ぎ、おもちゃのボールがあります。
おうちにある家具に合わせたものを、用途に合わせて組み合わせて使用することができます。
ドットステップ
猫ちゃんがお部屋を探索するための円形の踏み台です。
睡眠薬
猫ちゃんが休息をするための、薬のような形をした踏み台です。
クラウドラウンジ
猫ちゃんが休息をするための、雲の形をした踏み台です。
棚に取り付ける時、2つのボックスをまたいで取り付けることができます。
クライミングタワー
水平または垂直の棚板に、取り付けることができる猫ちゃんの爪研ぎです。
摩耗したときは、爪研ぎのサイザル部分を交換することができます。
スペースボール
踏み台の下にぶら下げることができるボールです。
ゆらゆら揺れる玉で、猫ちゃんが遊ぶことができます。
「CATSSUP」で叶う生活
自宅で「CATSSUP」を机に取り付ければ、勉強やお仕事の最中に、近くへ猫ちゃんが遊びに来てくれるかもしれません。
また、ペット可能な職場であれば、貴重なスペースを圧迫することなく、猫ちゃんも快適のオフィスになります。
人も猫ちゃんも嬉しい空間を提供してくれる製品ですね。
手に入れるにはどうしたら?
Kickstarterにある「CATSSUP」紹介のページから、投資することができます。期限は9月8日0時59分です。
Kickstarterにある「CATSSUP」紹介のページはこちら。
人も猫も快適な空間
猫ちゃんのためにしてあげたいこと、それでもできないこと、諦めてきたこと等あると思います。
今回ご紹介した「CATSSUP」は、その1つを解決できるようなものではないでしょうか?
資金調達が成功した場合は、その御礼として実際に商品が手元に届きます。ただ、開発に失敗して、商品が届かないというリスクがあることもご承知おきください。
ただ、最新のテクノロジーやアイデアを駆使したベンチャー企業を応援して、実際にその商品が誰よりも早く届くというのは、なかなかの快感でもあります。そして、猫ちゃんの喜ぶおもちゃにもなる。なかなか素晴らしいではありませんか。
もし、気になる方は、チャレンジしてみると良いかもしれません!忘れた頃に届く、良いクリスマスプレゼントになるかもしれませんよ。
詳しくはこちら
猫の爪とぎって結局どれを買えばいいの?!おすすめの爪とぎとは。
爪とぎがありすぎる!!
猫の爪とぎってたくさん種類がありますよね。特に、猫は好き嫌いもあるし、無駄な買い物は避けたいところ…。
今回は、それぞれの爪とぎが違うの?結局何がおすすめなの?に答えていきます。
爪とぎは材質が重要
爪とぎは、タイプ(キャットタワー、ウォールetc)も大事ですが、材質も大切です。猫の好みだけでなく、金銭面や長持ちするのかなど、様々な切り口で比較することができます。
王道なのは、このあとに紹介する「段ボール」と「麻縄」の2種類です。初めはこの2つを与えてみて、気に入った方をリピートするのが良いかもしれません。
安さNo.1段ボールタイプ
爪とぎ素材界で、トップクラスの使用率を誇る段ボールです。最近は様々な商品が出ていて、スタイリッシュなものから、ベッドの形をしたおしゃれなものまであります。
段ボールのメリット
- 安い
- 古くなったら簡単に捨てられる
- 好む猫も多い(とはいえ、全く使わない猫もいる)
- おしゃれなものも多い
段ボールのデメリット
- 削り屑が出て、部屋が汚くなってしまう
- 安いものだと、すぐボロボロになる
また、強い材質でできているもの(強化段ボールなど)は値段が少し高めですが、長期的に見れば経済的と言えるでしょう。また、普通の段ボールでは柔らかくて好きじゃないという猫ちゃんも、「これなら良い!」とハマってくれることがあるのだとか。
購入する際には、レビューを確認して、「どれぐらい保つのか」「どれぐらい削りカスが出るのか」をチェックすることをオススメします。
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感触抜群、麻縄タイプ
段ボールと並んで定番人気なのが、麻縄の爪とぎです。外国で行われたとある調査では、猫が一番好きな爪とぎ素材は麻縄だったんだとか。
爪に引っかかる感触が、野生の木で爪とぎをするのに似ていると考えられます。
麻縄のメリット
- 爪とぎをする感触が良い
- 消耗したら、新しいものを巻き直せる
麻縄のデメリット
- 細かいカスが出やすい
その他の爪とぎグッズ
カーペットタイプ
カーペット生地を木材などに貼り付けてあるタイプです。メリットは「削りカスが比較的出にくい」という点です。今まで掃除に苦労してきた方は、検討してみる価値ありです。
木材タイプ
木材タイプは、主に壁や柱を守りたい時に使います。部屋がボロボロになって困る!」という人にとって、助けてくれる商品になると思います。
猫ちゃんが喜ぶものを!
これまで4タイプの爪とぎを紹介してきました。猫ちゃんって、飽きてしまったら気に入ってくれないと、すぐ「プイッ」とされてしまいますよね。
好んで使ってもらえる確率をあげるためにも、王道の爪とぎを選んだり、猫ちゃんに合わせて選んであげることが大切です。