どんな気持ちで鳴いているの?鳴き声で探る猫の心理

猫の鳴き声は「ニャー」だけではありません。短い「ニャ」だったり「ニャーオニャーオ」だったり、いろいろですよね。鳴き声には、猫の甘えたい気持ちやご飯が欲しいなどいろいろな願望が込められています。

もしかしたら、体調不良を訴えている猫の鳴き声もあるかもしれません。最近は鳴き声アプリがあるものの、飼い主さんにはなかなかわからないときもありますよね。そこで、今回は鳴き声別に猫の心理を探ってみましょう。

猫の鳴き声の種類と意味

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長めでしつこい「ニャーニャー」

「ご飯が欲しい」「トイレを掃除して欲しい」「部屋のドアを開けて」などの要求が多いでしょう。

短めの「ニャ!」

猫にとっての軽い返事や挨拶のようなものと考えられます。ただし、しつこく撫でられて「ニャ!(もうやめて)」と警告を出しているケースもあるようです。イカ耳になっていたら撫でるのはやめましょう。

高めの声で「ニャア」

飼い主さんへの甘えでしょう。遊んでほしいときなどに発する声です。

「ウー」は警告と威嚇

唸るような「ウー」は、警告や威嚇の意味があります。「庭に野良猫が来た」「新しい猫が家に来た」など見慣れないものが近寄ったときに発する声です。

やめさせようと猫に触ると、飼い主さんでも攻撃してくるかもしれません。庭に野良猫が来ないようにする、新しい猫との対面は控えるなど対策をとってください。

獲物を狙う「クカカカ」

いわゆる獲物を見つけたときに出す声「クラッキング」です。獲物を狙っているときのほか、獲物をうまく捕まえられないときにも出します。猫が獲物に見立てたおもちゃに対して「カカカ」と鳴くときもあります。

発情中の「ニャオーンアオーン」

発情した猫は、大声で鳴いて恋の相手を求めます。これは、避妊・去勢手術をすればなくなるので、早めに手術をしましょう。スプレー行動や脱走などのトラブルも防げます。

怒っている「シャー」

「シャー!」と鳴くときは、怒っています。または何かにおびえているのかもしれません。

なだめようと触ると咬まれる可能性もあるので、怒っているまたはおびえている対象を遠ざけてあげたら、治まるまでそっとしておきましょう。動物病院での診察中に「シャー」と鳴いたときは、獣医師の指示に従います。

甘えたい気持ちの「サイレントニャー」

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鳴いているように口を開けるものの、声が出ていないものを「サイレントニャー」と呼ぶことがあります。

この行動が見られたら、飼い主さんやお母さん猫などに甘えているといっていいでしょう。

リラックスしている「ゴロゴロ」

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子猫がお母さんのおっぱいを飲んでいるときに「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。大人の猫でも「ゴロゴロ」と鳴くのは、基本的にリラックスしているときです。

ただし、体調不良のときにもゴロゴロと鳴く猫もいるので、食欲などもチェックしてください。

猫は学びによって鳴き声を変えている?

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猫はいつも人の言動を観察をして、鳴き声などを変えていると考えられています。

例えば猫の「ゴロゴロ」がいつもと違って聞こえ、なんとなく気が急いてしまうときはありませんか?そして「ご飯ちょうだいと言っている、早くしないと」と、他の用事を放り出したくなります。

実はご飯をねだる猫の「ゴロゴロ」は、人の赤ちゃんの泣き声と周波数がほぼ同じだとする研究結果があります。そのため飼い主さんは気持ちが急いでしまうようです。

これは「こんな声で鳴くと、人は慌ててご飯を持ってきてくれる」と人間と暮らしているうちに猫が学んだと考えられています。

鳴き声がしつこくて困るときは

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何度も大声で鳴かれると困りますよね。対応策は「無視」です。鳴くのを中断するときがあるので、そのときを狙って餌をあげるなど要求を叶えてあげましょう。

猫があまりにも何度も鳴くので、毎回対応する飼い主さんもいると思います。すると猫は、「鳴き続ければ餌をもらえる」「言うことを聞いてくれる」と学んでしまうため、ますます鳴くようになってしまうのです。無視をするのは難しいかもしれませんが、なるべく構わないようにしてください。

基本的には無視が正解ですが、夜中など寝ているときに無視するのは大変ですし、近所迷惑になるのも心配です。猫が要求しなくてすむように、フードは自動給餌器にセットしておく、トイレは複数置いておくなどの対策を取っておきましょう。

シニア猫の場合

シニアの猫が夜中に鳴く場合は、昼間に寝てばかりで運動量が足りないのかもしれません。積極的に遊ばなくてもおもちゃを見せたり、声をかけたりして刺激を与え、起きている時間を増やしてみてください

フードの要求などではなくニャーニャー鳴いて飼い主さんにいつも付きまとってくる場合、何らかのストレスがたまっている可能性もあります。行動専門の獣医師に相談するといいですね。

「人の言葉を真似している?」は音声同調の可能性も

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猫が人間の言葉を真似して「ごはん」などと話しているように聞こえるときがありませんか?歌真似をする猫も話題になったことがあります。

これは、飼い主さんが喜ぶ姿を見て真似をする「音声同調」であると考えられています。何度か教えると、愛猫も人間の言葉の真似をするかもしれません。興味がある方はぜひ試してみてください。

まとめ

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猫はいろいろな鳴き声で、要求や思いを伝えようとしています。ストレスや体調不良がないかもチェックしてあげましょう。

そして、猫は人の様子を見ながら学習しているため、新たな鳴き声を学習するかもしれません。猫の鳴き声を注意深く聞くと、より深くコミュニケーションが取れるようになるでしょう。

鳴き声が聞こえない!?猫のサイレントニャーとは

皆さんは猫の「サイレントニャー」をご存知でしょうか。猫を飼っている方なら見たことがあるかもしれませんが、鳴いているように口を開くのに鳴き声が聞こえないことをサイレントニャーといいます。

今回は、猫の鳴き声が聞こえない理由とサイレントニャーの意味についてご紹介します。

猫のサイレントニャーとは?

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サイレントニャーとは、猫が口を開けて鳴いている様に見えるのに、声が全く聞こえない鳴き方です。

どんなものなのか、動画を見ていただければすぐにわかるでしょう。

品種や年齢、性別などにかかわらず、様々な猫がサイレントニャーをしますが、中には全くしない猫もいるため、もしかしたら猫を飼っていても見たことがない飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

鳴き声が聞こえない理由

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このサイレントニャーですが、声が聞こえない理由は大きく分けて二つあると言われています。

1.非常に高い周波数で鳴いているため

人間が聞こえる周波数の範囲は20〜20,000Hz(ヘルツ)だと言われています。一方で、猫が聞こえる範囲は30〜65,000Hzです。そのため、本当は鳴いていて猫同士には聞こえているが、人間には聞き取ることができないという説が考えられます。

実際に、子猫が母親猫を呼ぶときにサイレントニャーをします。そのため、猫には聞こえているという仮説には高い信憑性があるのではないでしょうか。

2.そもそも鳴いていない

もしかしたら、鳴いているそぶりを見せているだけで、本当は鳴いていないのかもしれません。

例えば、飼い猫を呼んだ時に、そっけない反応を見せられたことはないでしょうか。サイレントニャーもそういった反応の一つとして、声を出すのが面倒だから出していない、という可能性もあります。

サイレントニャーの4つの意味

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では、猫はどんな時にサイレントニャーをするのでしょうか。実は、猫がサイレントニャーをする裏には、とても可愛らしい理由があるのです。

1.飼い主さんに甘えたいから

サイレントニャーは、子猫が母親猫を呼ぶときや、甘える時に行われます。もし、飼い主さんに向かってサイレントニャーをしていたら、それは飼い主さんのことを母親だと思って、甘えようとしているのです。

2.簡単な挨拶として

飼い猫を呼んだ時に、その返事としてサイレントニャーをしてくれることもあります。尻尾を振ったり、顔をこちらに向けるのと同じように、口を開けることで挨拶をしてくれているのでしょう。

3.飼い主さんの反応を学習したから

もしかしたら、猫がサイレントニャーをしたときの飼い主さんの反応を見て、何度もするようになったのかもしれません。サイレントニャーをした時におやつをもらえたり、甘やかしてもらえた、ということを学習して、サイレントニャーを繰り返すようになるケースもあります。

4.心細く感じているから

飼い主さんが近くにいなくて寂しくなってしまったり、不安を感じてしまった際に、母親である飼い主さんを呼ぼうとしてサイレントニャーをすることもあります。これは、飼い主さんに対する信頼の表れとも言えるでしょう。

もしかしたら体の不調かも

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猫が口を開けて鳴くそぶりを見せているにもかかわらず声が聞こえないと、サイレントニャーかなと思う方は多いでしょう。しかし、もしかしたら、本当に声が枯れてしまい、出せない状態にあるのかもしれません。

ここでは、考えられる原因についてご紹介します。

1.鳴きすぎてしまった

環境の変化や飼い主の長期にわたる留守、新しい猫のお迎えなどでストレスを感じてしまうと、鳴きすぎてしまうことがあります。その結果、声が枯れてしまい、聞こえなくなってしまうことも。

2.鳴き慣れていない

子猫の場合、そもそも上手な鳴き方を知らず、声がかすれてしまうこともあります。試行錯誤している段階ですので、そこまで神経質にならず、様子を見てみましょう。

3.手術をした直後である

もし、去勢手術や不妊手術など、体に負担のかかる手術を受けた場合、その直後は体内に麻酔が残っていたり、元気が出なかったりして、声がかすれてしまうこともあります。

4.病気の可能性もある

もし、声が聞こえないだけでなく、呼吸がしにくそうであったり、咳やよだれが出ている場合は病気かもしれません。

考えられる病気としては、以下のような病気があげられます。

  • 喉頭炎
  • 気管虚脱
  • 猫伝染性鼻気管炎

声のかすれ以外の症状も見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。

まとめ

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今回は、猫のサイレントニャーについてご紹介しました。鳴いているふりだと思っていて、実際に鳴いているとは知らなかった飼い主さんも多いのではないでしょうか。

サイレントニャーは、飼い主さんに対する親愛の証でもあります。信頼している人にしかしない鳴き方ですので、たくさん可愛がってあげましょう。

しかし、サイレントニャーだと思っていたら、実はストレスや病気だった、というケースもあります。甘えてサイレントニャーをしているだけなのか、それとも声が出なくなってしまったのか、見極めが重要です。

猫の鳴き声から猫の気持ちを汲み取ってあげ、もし体調に不安があるようなら動物病院を受診してくださいね。