シニア犬に現れる6つの変化と、整えたい10の生活環境
「シニア犬」という言葉にははっきりとした定義はありませんが、概ね7才以上を指すことが多く、シニア期に入ると、これまでのよく動き、よく遊び、よく食べるといった様子から少しずつ変化が見られます。
また、体調にも変化が出ることも多く、それに合わせて愛犬の生活環境も整えてあげることが望ましいです。
今回は、愛犬がシニア期になったら注意したいことと、整えるべき生活環境についてご紹介します。
シニア期に現れる愛犬の6つの変化と注意点
シニア期によく見られる身体的変化を見ていきます。
ご自宅での対応も必要ですが、もし何か変化があり、心配な時は早めに信頼できる獣医師に診てもらいましょう。
①足腰が弱る
これまでは思い切り走り、坂道や階段もスタスタ歩けていたのが、坂道で止まったり、歩くスピードがゆっくりになったり、歩くのを好まなくなったりと変化が少しずつ出てきます。
また、フローリングで滑りやすくなる、立ち上がりにくくなるなど、動作の軽快さが減り、動作に時間がかかるといった変化が見られます。
特に、犬は普段から後脚を意識的に動かさないとされており、前脚と比較すると後脚を使うことが元々少なく、その分後脚から衰えていくことが多いです。
②目が見えにくくなる
加齢や白内障などの病気により、視力が衰えていきます。愛犬の目が白濁していたり、視力が一気に低下したなど、心配な時は獣医師に早めに診てもらいましょう。特に、急性の緑内障は発症から数時間〜数日で失明に至る非常に危険な病気です。目に異常が見られた場合はすぐにかかりつけの動物病院で診てもらった方が良いでしょう。
視力が低下することによって、物や壁にぶつかりやすくなる、つまづく、段差や階段から落下してしまうといった危険があります。
③耳が聞こえにくくなる
聴力も低下します。
これまで声で伝えていた指示に反応しにくくなったり、聞こえないことで飼い主が側にいることに気付かず、撫でたり抱っこした時に、驚くようになるといった変化もあります。
【聴力の確認方法】
愛犬がどれくらい聞こえているかは、以下の方法で確認できます。①ご飯が大好きな子の場合、普段ごはんをあげる時の袋のガサガサ音や、おやつの袋の音などにも反応するかどうかで、どのくらい聞こえているかを確認しましょう。
②普段からご飯の音に反応しない子の場合は、これまで愛犬が喜ぶ反応を示す音を出し、その時の反応で確かめることもできます。
④体温調整がしにくくなる
体温の調節機能も低下するため、暑さや寒さに弱くなります。飼い主基準ではなく、愛犬を基準にした温度・湿度管理が必要です。
⑤低い位置での食事が負担に
これまで床に置いてあったごはん皿や水飲みも、首や足腰の筋力の低下により、身体的辛さや、食べ辛さを感じるようになります。
また、飲み込む力も衰えていきますので、首が下を向いた状態は、口が食道よりも下になり、ごはんや水がうまく飲めません。そのため、誤嚥する可能性があります。そしてそのまま誤嚥性肺炎になってしまうこともあり、非常に危険です。
【食べやすさの確認方法】
愛犬の食べ付きが悪くなった、食べづらそう、飲みづらそうといった様子が見られたら、食器の高さの調整が必要です。
⑥不安や寂しさも増す
犬自身も自分のネガティブな体調の変化に不安を抱くようになります。そして、この体調の変化から来る不安によって、ひとりでいることにも不安や心配を抱くようになってきます。
【心配・不安の確認方法】
これまで鳴かなかったようなタイミグで鳴くようになったり、落ち着かなくなってきた時には不安や寂しさのサインかもしれません。
愛犬の居場所を移動させるなどが必要です。
10の整えたい生活環境
ご自宅で注意してあげたい点や、具体的にどのように生活環境や過ごし方を整えてあげるといいかを紹介します。
一部シニアに特化したものもありますが、多くはシニア期に関わらず、若いうちから行っていただきたいものですので、犬を飼う上でぜひ参考にしてください。
①段差をなくす
段差が見えずに転倒したり、つまづいてしまいケガをする恐れがあります。階段も落下事故に繋がります。
段差は緩やかで滑りにくい幅の広いスロープを付け、階段は柵をして行けないようにしましょう。階段の昇り降りはシニアにとっては負担が大きいです。階段を使わない、または、抱っこをするなどして、愛犬の負担を減らし安全を確保してあげましょう。
【スロープの注意点】
スロープはシニアになってから取り付けた場合、すぐに使えるとは限りません。できるだけ若いうちからスロープに慣れさせてあげましょう。
ただし、バランスが取りづらくなってくるとスロープから落下する可能性もありますので、注意が必要です。
②角や壁をガード
視力の低下により、壁や角にぶつかることも多くなります。当然ですが、ぶつかれば痛みを伴い、打ちどころによってはケガの恐れもあります。
角や壁には緩衝材を貼り、ケガをしないようにしましょう。
③隙間を作らない
足腰が弱ることで、自由に動けなくなり、狭い隙間に入ったまま出られなくなってしまうこともよくあります。
隙間は柵やクッションなどで埋めて、愛犬が入れる隙間をなくしましょう。
④これまで以上に温度管理はしっかりと
体温調整が苦手になる分、エアコンやサーキュレーター等を使っての温度管理が非常に大切です。室内の温度は、体の大きさによって多少の違いはあるものの、25℃前後、湿度は50~60%くらいが良いとされています。
短頭種や心臓・気管等の病気があったり、太り気味の子は、熱が体にこもりやすくなります。特に夏場は安静時にも常にハアハアしている場合は、少し室温を下げて様子を見ましょう。
なお、温度や湿度を計測する時は、愛犬が過ごす床に温度計を置くのがおすすめです。
夏場の対策
冷気は下にたまりやすく、寝ている時間が多いシニア犬には、冷えすぎてしまう可能性があります。そのため、サーキュレーターを使い、空気が部屋全体に循環するようにしてあげましょう。ただし、サーキュレーターや扇風機の風が犬に直接当たらないよう注意も必要です。
冬場の対策
日中は日向に寝床を移動させる、温かい毛布を敷くなどして温かくしてあげましょう。洋服や腹巻などで温めてあげるのもいいです。
⑤お散歩も体調最優先
今までは一日2~3回行っていたお散歩も、シニア期になったら愛犬の体調によっては回数を減らす、夏場は今まで以上に涼しい時間帯に行く、無理に歩かせないなど、臨機応変な対応も必要です。
ただし、外の空気に触れることはとても大切です。歩くのが辛そうであればカートに乗せて外に行くのもいいでしょう。歩けるところだけ歩いてもらい、他はカートに乗せたり抱っこしたりするのもおすすめです。
⑥ごはん皿や水入れの高さも調整
自力で食べられる場合、食器の高さは、愛犬が座るか、立った状態での犬の口の高さに合わせましょう。
台や脚がついた食器を利用したり、今までの食器の下に台を置いたりするのがおすすめです。
⑦滑らない床材を
足腰の筋力低下により、一般的な床材では踏ん張ることができずに滑りやすく、より足腰への負担が増してしまいます。
足が滑らないように、床にヨガマットやジョイントマットを敷いてあげましょう。どちらも汚れた際のお手入れもしやくおすすめです。
また、脚の裏の毛も定期的にカットしてあげましょう。
⑧寝床も整えよう
前述のとおり、室内の温度管理をしっかりと行い、さらには冷暖房の風が直接愛犬に当たらないようにします。
寝ている時間が長くなってきたら、床ずれを予防できるベッドも用意しましょう。 寝床用のベッドは表面の素材が柔らかく、体の圧力が分散されるものがおすすめです。
⑨抱っこや触る時はゆっくりと
聴力や視力の低下により、人の気配にも気づきにくくなります。そのため、愛犬を驚かせないよう、大き目の声で優しく声をかけ、抱っこもそっと、ゆっくりとしましょう。
⑩普段過ごす場所は人の側に
不安や寂しさをより感じやすくなるため、日中は愛犬が人の存在が感じられて安心できる場所に移動させてあげましょう。
この方が、人も愛犬の様子がわかり、安心できると思います。
また、お留守番時間も見直しが必要です。元々お留守番には不向きな犬ですが、シニア期も後半になると、いつ何が起きてもおかしくないという状態になっていきます。何かあった時にすぐに気付けるよう、お留守番時間は極力短くしましょう。
まとめ
犬も年を重ねると人と同じように、多くのことができなくなっていきます。もちろん寂しさや辛さも伴いますが、どんな状態になっても、大切な家族です。
様々な変化に都度対応し、愛犬にできるだけ負担なく、安全で安心して穏やかな日々が送れるようにしてあげてほしいと思います。
食欲旺盛で元気なシニア猫は要注意!甲状腺機能亢進症の症状と治療法
「うちの猫は高齢でも、食欲もあるし、元気いっぱいだから健康」だと思っていませんか?
しかし、あまりに食欲旺盛なシニア猫は、もしかしたら「甲状腺機能亢進症」かもしれません。
食欲があると元気に見えるため、病気とは思わない飼い主さんも多いようです。
今回の記事では、猫の甲状腺機能亢進症について詳しく解説します。
少しでも心配な飼い主さんも、うちは大丈夫という飼い主さんも、一度動物病院を受診してくださいね。
猫の甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の機能が何らかの原因で活発になり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
甲状腺ホルモンとは
甲状腺ホルモンは、代謝を活発にする働きがあります。そのため、これが過剰に分泌されると、エネルギー消費が多くなりすぎてしまいます。
いつも体の中がフル回転しているような状況なので、全身の器官に影響が及びます。初期症状は元気に見えるため、病気だと気づきにくいのが特徴です。
多くの場合、「腺腫」という良性腫瘍によって甲状腺が肥大しますが、悪性腫瘍が原因になる場合も稀にあります。
甲状腺の場所
甲状腺は、猫の喉にある「甲状軟骨」の下に左右にひとつずつある小さな組織で、人でいう喉仏に該当します。
猫の甲状腺機能亢進症の原因
原因ははっきりとはわかっていません。食事、環境(化学物質など)、地域的な要因、遺伝などさまざまな説があります。
甲状腺機能亢進症を発症しやすいのは7歳以上のシニア猫で、性別は関係ありません。
シニアだけど元気いっぱいの猫は要注意!
猫が高齢と言われるのは、およそ7歳頃からです。
一般的に、高齢になれば活動量や食事量は少しずつ減ってきます。
しかし、中には食欲旺盛で活動的なシニア猫がいます。本当に元気ならいいのですが、中には甲状腺機能亢進症になっている可能性もあるのです。
甲状腺機能亢進症の症状
次のような症状があるシニア猫は、甲状腺機能亢進症かもしれません。動物病院を受診しましょう。
- たくさん食べているのに、体重が落ちる
- 食欲旺盛で、すぐにごはんを欲しがる
- 落ち着きがなくなり、じっとしていられない。攻撃的になる。
- 夜中でも大きな声で鳴きわめく
- 水をたくさん飲み、尿量も増加する
- 下痢や嘔吐など、消化器に症状が出る
- 被毛のパサつき、抜け毛が増える
- 心臓の活動が活発になり、鼓動が早くなる
ただし、甲状腺機能亢進症になれば、どのシニア猫も食欲旺盛で活発になるわけではありません。食欲低下や元気がない猫でも、診察を受けたら甲状腺機能亢進症だったという例も多く報告されています。
甲状腺機能亢進症を見逃してしまう原因
1. 年のせいだと思ってしまう
食欲は元気のバロメーターでもあるため、食べているから大丈夫と思いがちです。活動的になればなおさらでしょう。
そして活発に動けば、体重が減って当然と思うのも無理はありません。
また、落ち着きがない、攻撃的になるなど行動の変化や毛のパサツキなどは、「年齢によるもの」と思い込んでしまいます。
下痢や嘔吐も、「高齢だから消化能力が低下している」で済ませてしまうので注意が必要です。
2. 動物病院が苦手
動物病院が苦手な猫は多く、受診するだけでも大変です。
移動しただけで体調不良になってしまう子もいます。連れて行くのも一苦労というシニア猫もいるでしょう。
そのため、ちょっと変だなと思っても、「病院に行くほどではない。元気そうだからいいかな」と受診をためらってしまいます。
甲状腺機能亢進症を早期発見するために
甲状腺機能亢進症などの病気があるかを確認するためには、動物病院の受診が大切です。
また、7歳を過ぎて高齢になったら何も症状がなくても、半年に1度程度は健康診断をおすすめします。
病気の早期発見は非常に重要です。悪化してから行くと、治療に時間も費用も掛かってしまいます。
動物病院が苦手な猫には、次のような対策をしてあげましょう。
- キャリーバッグに猫用のフェロモン剤を付ける。
- 外が見えないようカバーをかける。
- 猫とほかの動物の待合室を別にしている動物病院や、猫専門の動物病院に連れて行く。
- どうしても連れて行くのがダメな場合は、往診専門の獣医さんにお願いする。
甲状腺機能亢進症の治療
甲状腺ホルモンの過剰な分泌をおだやかにするため、薬を飲みます。薬は一生涯飲む必要があります。
療法食が処方される場合も多いようです。
薬を飲んでもあまり改善しない場合、甲状腺の切除手術を行う場合もあります。切除した場合は、甲状腺ホルモンを補充する必要があります。
ただし、あまりに高齢な猫の場合、手術が困難なケースもあるようです。
まとめ
猫の甲状腺機能亢進症は、シニア猫に多い病気です。初期は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって活動的になります。食欲が増し、落ち着きがなくなる猫が多いようです。
中には急に攻撃的になる子もいます。体重減少や毛のパサつき、嘔吐や下痢もありますが、「高齢だから仕方ない」と片付けがちです。
「高齢だから」の影には、甲状腺機能亢進症のような病気が隠れている可能性もあると考え、「以前と何かが違う」と思ったら動物病院を受診しましょう。
大切な愛猫が元気で長生きできるように、定期的な健康診断おすすめします。
シニアの猫の快適な暮らし!8つの「高さ」への配慮をおさえよう
猫もシニアになると、少しずつ筋肉量や運動能力が低下します。若いときの環境のままでは、シニア猫は暮らしにくくなるでしょう。
特に、キャットタワーなどの高い場所からの転落には注意が必要です。
そのほかにも、トイレの縁も高いままだと跨ぎにくくなってしまいますし、また逆に、食器が低すぎると、かがまなくてはいけないので大変食べにくくなります。
近年、猫は寿命が延びてきています。長いシニア期を少しでも快適に過ごせるように、飼い主さんは配慮してあげる必要があります。
今回は、シニア猫が暮らしやすくするための「高さ」の対策をご紹介します。
「高さ」を見直すタイミング
シニア猫が次のようなしぐさを見せたら、「高さ」を見直す時期です。
- キャットタワーや家具の上り下りをためらう
- キャットタワーのてっぺんに上らなくなった
- 飛び降りるのを失敗した
- 歩行が不安定になった
- トイレの縁をまたぐのに時間がかかる
- ごはんが食べにくそう、途中で食べるのをやめてしまう
シニア期に入った愛猫の様子は普段からよく観察し、異変にはすぐに気がついてあげることが大切でです。
見直したい5つの「高さ」
猫はもともと高いところが大好きです。それはシニアになっても変わりません。
しかし、筋力が低下して足腰が弱っている猫は、落下する危険性が高いのです。
今までは落下してもうまく着地できたかもしれませんが、それもできなくなってしまいます。
そこで、高いところへ上る欲求を満たしつつ、高さの危険を取り除く対策をしましょう。
1. キャットタワーは低いタイプに
キャットタワーは、高さが50センチ程度のものに変更するといいでしょう。低めのステップがいくつか付いていて、上りやすいタイプがいいですね。
天井に届くような高さのあるキャットタワーを設置している飼い主さんは多いと思います。てっぺんに上るのが猫は大好きです。
しかし、シニア猫は筋力や俊敏性も低下しているため、転落したり、着地を失敗したりする恐れがあり、ケガの危険も高まります。
だからと言って、キャットタワーを取り去ってしまうと、それも猫にとってはストレスです。
低いキャットタワーなら、落下の危険も少なくなりますし、高いところに上りたい気持ちも満たされるでしょう。窓辺に置いて景色が見えるようにすると、退屈も解消されて刺激になるのでおすすめです。
2. 背の高い家具には上らせない
猫によっては、食器棚やタンスなどの高い家具のてっぺんが好きな子もいます。しかし、家具はキャットタワーのようなステップもないため、落ちると大変危険です。
食器棚やタンスの上などシニア猫が上れないように、背の高い家具の上は箱などを置いておきましょう。
天井との間に隙間ができないよう、ぴったりサイズの箱がおすすめです。
3. 出窓やソファへのアクセスを配慮
出窓やソファなど、ほどほどの高さならストレス解消のためにも上らせてあげましょう。
上り降りしやすいように、ステップになる台をいくつか置いてあげると安心です。滑りにくい素材の椅子や階段などがいいでしょう。
4. トイレは低いタイプに変更する
トイレは縁が低いタイプにするかスロープを付けましょう。
年を取ってくると、猫はトイレの縁を今までのようにまたげなくなってきます。
すると排泄がだんだん面倒になってしまうのです。その結果、排泄を我慢したり、トイレ以外で粗相したりするようになる可能性があります。
スロープを上るのもつらくなってきたら、犬用のトイレトレーに変更してもいいでしょう。ペットシーツを敷いて、その上に今まで使っていたトイレ砂を置いておくと猫も排泄しやすくなるでしょう。
5. 食器は高さをつける
シニア猫の食事タイムにも「高さ」が関わってきます。
高さのある食器に変えるか、安定した台の上に食器を置いてあげましょう。ほどよい高さがあると、食べやすくなります。
シニアになると高いところに上るのが大変になるだけではありません。首を下にしてかがむのも辛くなってしまいます。すると、お腹が空いていても食べるのをやめてしまうのです。
高さをつけると、食べ物も逆流しにくく吐きにくくなるのもメリット。食べやすくなるので、食事を途中でやめてしまうトラブルもなくなるでしょう。
「高さ」の危険を和らげる3つの方法
「高さ」を直接見直す以外にも、高さによる危険を少しでも和らげる方法があります。
1. 床は滑りにくく
キャットタワー、出窓、ソファなどの周囲には滑らないようにカーペットを敷いておきます。
フローリングは、着地したときに滑ってケガをする恐れがあります。クッションなどを置いておくのもいいですね。
2. 階段はゲートをつける
階段からの転落を防止するためにも、階段の前にはゲートやフェンスを付けて、猫が入らないようにする方法もあります。
間をすり抜ける猫もいるので、ネットなどを貼っておくと安心です。
3. 動物病院を受診しよう
高いところから落ちそうになる、うまく上れないのは年齢だから仕方ないと思わずに、積極的に動物病院を受診しましょう。
筋力の衰えだけでなく、関節の痛みがある場合もあるのです。猫は苦痛を隠す傾向があるので、飼い主さんは気づかないケースもあります。
シニア猫が暮らしやすい環境を整えると同時に、少しでも異変を感じたら動物病院を受診してくださいね。
まとめ
シニアになると、機敏だった猫もだんだん高い場所からうまく降りられなくなってきます。同時に、低くかがむのも苦手になってきます。
高所からは転落の恐れもあるので、背の低いキャットタワーに替え、高い家具の上には箱を置くなど対策をしましょう。出窓やソファなどへは、いくつかステップになる台を置くと安心です。
トイレはまたぎやすいタイプにするか、スロープを付けてあげましょう。
食器は逆に高さを付けてあげると、食べやすくなります。
筋力の衰えだけでなく、関節の痛みがあるかもしれません。愛猫がシニアになったら、定期的に動物病院を受診してくださいね。
あなたの愛犬はどっち?寒さに弱い犬と強い犬について徹底解説!
人間が衣替えをするように、愛犬の生活環境も冬仕様になる時期がやってきました。
犬は人間に比べて寒さに強いと言われていますが、犬種や年齢によって差があります。
また、寒さが健康に悪影響を及ぼすこともあります。それぞれに合った対策をするためにも、愛犬が寒さに強いのか、弱いのかをしっかり把握しておきましょう。
今回は、寒さに弱い犬・強い犬の特徴や犬種をご紹介します。
すでに犬を飼っている方はもちろん、これからお迎えしようとしている方も、お住まいの環境と照らし合わせながら参考にしてみてくださいね。
犬は寒さに強いって本当?
日本の童謡『雪』には「犬は喜び 庭駆け回り」という歌詞が登場しますが、犬は本当に寒さに強いのでしょうか?
犬の体温は、小型犬で38.5〜39.0℃、大型犬で37.5〜38.5℃くらいです。そのため、犬は人間と比べるとある程度は寒さに強いと言われていますが、寒さへの耐性は、犬種、年齢、個体に大きく影響されます。
自分の愛犬は寒さに強いのか、それとも弱いのかを把握しておくことで、暑さ・寒さ対策がしやすくなります。
寒さに弱い犬の特徴とは?
それでは、寒さに弱い犬の5つの特徴を見てみましょう。
1.暑い地域が原産の犬種
暑い地域が原産の犬種は、祖先が暖かい・暑い場所で暮らしていたことが多いため、暑さに強い一方で、寒さには弱いです。
2.小型犬
小型犬は大型犬と比べて、小さい体積のわりに体表面積が大きくなるため、体温が発散されて低下しやすいです。
また、冬の時期は冷たい空気が下へ溜まるため、体が小さいと冷たい空気に晒されやすくなってしまいます。
3.被毛が一層しかないシングルコート
換毛期のあるダブルコートの犬種は、保温性・断熱性の高いアンダーコートを持ちますが、シングルコートの犬種は持っていません。
一見暖かそうな、もこもこでふわふわの毛を持つ犬でも、シングルコートであれば耐寒性は期待できないのです。
4.短毛種
短毛種は毛が短い分体温を発散しやすいため、長毛種と比べると寒さに弱いです。
5.子犬やシニア犬
子犬やシニア犬は体力が弱く免疫力が低いため、寒さに上手く適応できないことが多いです。
これは、寒さに強い特徴を持つ犬にも共通して言えます。
寒さに弱い犬種
具体的に、寒さに弱い犬種をご紹介します。
上で挙げた特徴である、暑い地域が原産の犬種、小型犬、シングルコート、短毛種に1つでも当てはまる犬種を一部ではありますがまとめました。
- チワワ
- マルチーズ
- シーズー
- パグ
- フレンチ・ブルドッグ
- ミニチュア・ダックスフンド
- ヨークシャー・テリア
- パピヨン
- イタリアン・グレーハウンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ボクサー
- グレート・デーン
- トイ・プードル
- ボストンテリア
これらに該当する犬を飼っている、もしくは飼おうと思っている方は、寒さ対策をしっかりしてあげてください。
寒さに強い犬の特徴とは?
一方で、寒さに強い犬はどのような特徴を持っているのでしょうか?
1.寒い地域が原産の犬種
寒い地域が原産の犬種は、雪山などでの活動ができるくらい寒さに強く、体力のある犬種が多いです。
2.大型犬
大型犬は、小型犬と比べて体重あたりの体表面積が小さいため、熱が外に逃げにくく、体温が下がりにくいです。
また、体内の熱生産量は体重におおよそ比例するため、体重が重い方が体内で多くの熱を作ることができます。
3.被毛が二層あるダブルコート
ダブルコートの犬種は、柔らかく密集したアンダーコートと、水や汚れを弾く硬いオーバーコートの2種類の毛を持ちます。
冬毛のアンダーコートは保温性・断熱性に優れています。
4.長毛種
長毛種は、短毛種に比べて外気の影響を受けにくく体温を奪われにくいため、寒さに強いです。
寒さに強い犬種
具体的に、寒さに強い犬種をご紹介します。
寒い地域が原産の犬種、大型犬、ダブルコート、長毛種の中で1つ以上に当てはまる犬種の一例です。
- シベリアン・ハスキー
- サモエド
- アラスカン・マラミュート
- 柴犬
- 秋田犬
- ラブラドール・レトリーバー
- ゴールデン・レトリーバー
- セントバーナード
- シェットランド・シープ・ドッグ
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- グレートピレニーズ
- コーギー
また、小型犬でもポメラニアン、ペキニーズ、ジャック・ラッセルテリア、スピッツ、ミニチュア・シュナウザーなどは比較的寒さに強い犬種として知られています。
寒さに気をつけたい犬の病気
特定の病気を持つ場合、寒さで体に負担がかかるため、特にしっかりと対策をしてあげましょう。ここでは、寒さに気をつけたい代表的な疾患をご紹介します。
1.心臓の疾患
外気温が低いと、体温の発散を防ごうとして血管が収縮します。
すると、心臓に負担がかかってしまうため、心臓に疾患を抱えている犬は注意しましょう。
2.下部尿路疾患
寒いと水を飲む量が減ってしまう傾向にあります。
そうすると、尿が濃くなり結石ができやすくなったり、尿の量が減り体内に細菌が溜まりやすくなったりするため、尿路結石や膀胱炎などの病気が悪化する可能性があります。
3.関節の疾患
関節に持病を抱えている犬は、寒い時期にはより痛みを感じやすくなります。
体が冷えると、血流が悪くなり筋肉が固まり、関節の動きも悪くなってしまうのです。
まとめ
あなたの愛犬は、寒さに弱い犬と強い犬のどちらに当てはまるでしょうか?
寒さに強い犬種であっても、室内飼いであまり外に出ない場合や年齢によっては、寒さに耐性がなくなってることも考えられます。愛犬の様子を観察し、寒がるようであれば防寒対策を強化してあげましょう。
また、寒さに強い犬種は暑さに弱いため、夏の暑さ対策もしっかりしましょう。
【体験談】犬の椎間板ヘルニア。手術をやめて鍼灸治療に切り替えた話
今年の冬、筆者が飼っている10歳のダックスフンドが、椎間板ヘルニアになってしまいました。
初めは「すぐに手術」と言われ、大きな動物病院を紹介してもらったのですが、色々なことを検討する中で、手術をやめて「鍼灸治療」に切り替えました。
今回の記事では、発症をしてからの経過や、治療方法を切り替えた経緯、実際に鍼灸治療を行った結果など、筆者の実体験をご紹介します。進行が進んでしまった椎間板ヘルニアの治療は手術だけではないことを、犬の飼い主のみなさんに知っていただければ幸いです。
発症〜椎間板ヘルニアと診断されるまで
発症日
朝からぐったりし、元気がない。排便の回数が少なく、排便の態勢をとってもなかなか出せないことから、初めは便秘を疑う。
今考えると、この時排便ができなかったのは、後ろ足が痛くて踏ん張ることができなかったためだと考えられる。
発症後1日目
歩いたときに後ろ足がもたつく様子が見られるようになり、だんだんと両足を引きずり出し、夕方には完全に歩けなくなる。椎間板ヘルニアを確信するも、かかりつけの動物病院が休業日だったため、受診は明朝に見送る。
2日目
午前、病院にて椎間板ヘルニア・ステージ3と診断。
進行が早く、進行性脊髄軟化症を発症してしまうと危険なため、早く手術をした方が良いと言われる。2日後に大きな動物病院での手術前検査を予約してもらう。下半身の麻痺により排尿障害があったので、動物病院でカテーテルを使って出してもらう。足の皮膚をつねっても、全く反応を示さず、すぐにステージ4に進行。排便は自分でできて食欲はあるものの、嘔吐してしまい、ぐったりした様子。
手術をやめ、鍼灸治療に切り替える
獣医師さんに「すぐに手術した方がいい」と言われたものの、10歳のシニア犬ということもあり、遠くの病院まで慣れない電車で通い、全身麻酔で手術を受けさせることには少し抵抗がありました。
手術前検査を翌日に控える中で色々と調べるうちに、「鍼灸治療」という方法に出会います。たまたま家の近くに、鍼灸治療をやっている動物病院があったので、夕方に急いで行ってみました。
情報量も少なく、手術をやめて治療を切り替えることには非常に迷いがありました。しかし、鍼灸医の先生には「椎間板ヘルニアにかかって、鍼で歩けるようにならなかった犬はいない」と言われたため、その言葉に賭けてみることに。
3日目
鍼灸治療に切り替えることを決意し、翌日の手術前検査はキャンセルした。
早速、夜7時ごろに鍼灸治療をしてもらう。するとなんと、夜中の2時頃、トイレにて自力でおしっこを出せるようになった。
感覚麻痺、排尿障害が徐々に回復
おしっこが自分で出せないというのは、犬にとってもストレスですし、飼い主としても非常に心配なので、2度の鍼灸治療で排尿障害が早期に回復したことは非常によかったと思います。
4〜5日目
立つことはできないが、この日も座ったままなら少しずつ自分でおしっこを出せる。ただし、量が少ないため、自宅で1日1回カテーテルで排尿。
6日目
何度か足を引きずりながら自分で少し移動してしまう。感覚を取り戻しつつあるのだろうが、「絶対安静」と言われているので、動かないよう常に見張っていることに。
7日目
2度目の鍼灸治療へ。おしっこを大量に出せるようになり、カテーテルは全く必要なくなった。
週1ペースで鍼灸治療を続ける
その後は約1ヶ月ほど、週に1回のペースで鍼灸治療をしに動物病院に通いました。
少しずつ下半身の感覚を取り戻してきて、歩きたい気持ちになって来るようでしたが、1ヶ月間は「絶対安静」と言われ、なるべくベッドから一歩も出さないようにします。
「バギーに乗せて外に連れて行くくらいは大丈夫かな?」と思いましたが、それもNGでした。とにかく動かさないこと。これが大切です。
犬のストレス解消のために・・・
犬にとっては、感覚が戻ってきているのに歩けない、歩いてはいけないことで、ストレスが溜まってくる。
とは言え、おもちゃで遊んであげることもできないので、おやつを入れたコングを手で持って、体が動かないように注意しながら与えたりした。
リハビリ開始!
鍼灸治療を始めてから1ヶ月が経つと、獣医師さんからは「そろそろリハビリを始めましょう」と言われました。
絶対安静の期間は本当に動けませんが、リハビリが始まると、本人が歩きたいだけ歩かせて良いことに。
通院の間隔が開き、自宅でお灸も
回復して来ると、週1回だった通院のペースは、2週間、1ヶ月に1回に短縮。
代わりに、自宅で簡単なお灸ができるようレクチャーしてもらう(上画像)。
少しずつお散歩もできるように
お散歩は、アスファルトの上などは抱っこやバギーで通るが、ウッドチップが敷き詰めてある柔らかめの道では、少しずつゆっくりと歩かせて行く。
おやつを使って足を跨がせるリハビリ
しっかりと後ろ足を使って歩く練習をするため、おやつを使って飼い主の足を跨がせるリハビリも開始。完全に後ろ足まで跨ぎきってから、おやつを少しずつ与える。
治療開始から約2ヶ月、走れるように!
鍼灸治療を開始してから2ヶ月が経つと、若干もたつきながらも、走り回れるまでに回復しました。
感覚麻痺になるまで進行していた椎間板ヘルニアが鍼灸だけでここまで回復するとは、正直信じがたい気持ちでしたが、犬も非常に嬉しそうに動き回っており、散歩も以前と同じようにできるようになったのです。
その後
椎間板ヘルニアを発症をしてから7ヶ月が経ちましたが、その後も月に1度の通院を続けており、再び歩けなくなるようなことは今のところ一度もありません。
はしゃぎすぎて足を滑らせてしまった時に、若干足がもたつく様子がみられましたが、通院の間隔を一時的に短くしてもらうと、またすぐにちゃんと歩けるようになりました。
実際に経験して感じた鍼灸治療の特徴
1. 犬の体への負担が小さい
特に高齢犬や持病のある犬の場合、手術そのものが難しいことも多いため、手術を諦めてしまう飼い主さんも少なくありません。
その点、切らずに治療でき、麻酔の必要がない鍼灸治療は、犬の体への負担が小さいのが最大の特徴です。
2. 一度にかかる費用が安い
椎間板ヘルニアの手術をした場合、重症度にもよりますが、検査費用や入院費用も含めて30万円以上かかることも珍しくありません。
一方の鍼灸治療は、こちらも場合によりますが、筆者の犬では、1回目の治療が初診料含めて1万円以内におさまりました。
ただし、手術に比べて鍼灸治療の場合は、一度ですぐに治るわけではありません。走れるようになるまでの約2ヶ月の間に7〜8回程度通院し、飲み薬代や家で使うお灸代なども含め、なんだかんだで10万円程度かかったと思います。
3. 通い続けることで、予防になる
椎間板ヘルニアは、手術をしても再発する可能性があります。
鍼灸治療でももちろん再発の可能性はありますが、月1回程度の通院を続けることで、再発の予防効果があります。
月1回の通院と、漢方薬を飲み続けることにより、確かに出費はかさみますし、時間もとられます。しかし、手術をした場合でもサプリメントを飲み続ける犬は多いですし、再発してまた手術をすることを考えれば、長期的に見ても鍼灸治療のメリットはあると言えるでしょう。
まとめ
今回は、椎間板ヘルニアの手術をやめて鍼灸治療に切り替え、走れるまでに回復した筆者の犬の実体験をご紹介しました。
もちろん、手術にも鍼灸治療にも、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらの方が優れているとは言えません。
しかし、ペットの鍼灸治療についてはまだあまり認知されておらず、まして下半身が一度麻痺した犬が、鍼灸治療だけで走れるようになるなど、知らなければ思ってもみないことでしょう。
今回の記事を通して、ペットにおける椎間板ヘルニアの治療方法のひとつとして、鍼灸治療があることを知っていただき、治療の選択肢を広げていただければ幸いです。
うさぎの老化のサインとは?シニア期に飼い主さんができること
うさぎと一緒に長く暮らしていると、少しずつ体の変化が見られてきます。
一般的に、うさぎは5歳頃からシニア期に入ると言われています。
どの動物にもいえることですが、高齢になると食事、運動、排泄といった基本的な機能が衰えるため、飼い主さんはシニアうさぎの特徴を知っておくことがとても大切です。
今回はうさぎの老化のサイン、高齢うさぎのために飼い主ができることをご紹介します。うさぎを飼い始めの方も、将来のことを想像しながら読んでいただきたいと思います。
うさぎは何歳からシニア?
野生のうさぎの平均寿命は2〜3年と言われていますが、ペットとして室内で飼われるうさぎの平均寿命は現在では10年程となっています。
活動量が減り、病気にかかりやすくなる5歳〜7歳あたりから「シニア期」として扱われることが多いようです。
うさぎの老化サイン
5歳を過ぎた頃からは老化のサインを見逃さず、早めに対応してあげることが大切です。
以下に、老化のサインをまとめました。
見た目の変化
- 痩せた・太った
- 毛ヅヤがなくなりパサパサになった
- 涙や目やにで目の周りが汚れる
- 筋肉や脂肪の量、皮膚の張りがなくなった
- 目が白く濁る(白内障)
- お尻周りが汚れる
見た目の変化としては、体重が減ってくることが多いようです。これは主に食事量や運動量が減ることが原因です。逆に、動くことが減って肥満になるうさぎもいます。
また、うまくグルーミングをしたり盲腸糞を食べたりすることができなくなるため、お尻周りが汚れることがあります。
動きの変化
- 動き回らなくなった・寝ていることが多い
- へやんぽの時間が短くなった
- 動きがゆったりになった
うさぎは高齢になると縄張り意識が減るため、行動範囲が狭くなることがあります。
また、視力や筋力が衰えるため段差につまずくことも増えます。
食事
- 食事量が減った
- 偏食になった
- 牧草、フードの好みが変わった
それまで食べていた牧草やペレットを食べなくなる場合は、食欲不振や体調不良、歯が弱くなり硬いものを食べられないなどの可能性があります。
また、新しい食べ物を拒否する傾向が強くなります。
性格の変化
- 頑固になった
- 大人しくなった
- 色んなことを面倒くさがる
体調の変化
- お通じが悪くなった
- トイレを失敗するようになる
- 足腰が弱くなった
- 換毛期のタイミングが変わった
- 寒がりになった
視力や筋肉の衰え、行動範囲の変化から、色々な場所でトイレをしてしまうことがあるようです。
シニアうさぎのために飼い主ができること
シニアになると体や行動に様々な変化が出てくるうさぎ。安心して快適な生活ができるよう、飼い主さんができることを4つご紹介します。
1.バリアフリーの部屋にする
足腰が弱ったうさぎによっては、ケージなどに段差があると怪我につながる恐れがあります。
段差をなくすためにスロープをつける、高さのある柔らかいマットを敷くなどの工夫をしてあげましょう。
2.トイレの位置を調整する
シニアになると、視力や筋肉やの低下の影響などでトイレを失敗することが増えます。
原因はいくつか考えられますが、1つはトイレの段差を超えることが難しいのかもしれません。トイレをなくして、直接シーツにしてもらうように変えてみましょう。
また、うさぎはトイレをするために動くことが面倒になってしまうこともあります。トイレをうさぎが普段生活するスペースの近くに移動してあげるのも1つの手です。
シニアになると排泄のコントロールがうまくできなくなってしまっている可能性もあります。シニア期のトイレの失敗は叱らずに、トイレを見直すようにしてあげましょう。
3.グルーミングをサポートする
うさぎは綺麗好きなため、自分で全身を毛繕いして清潔を保っています。しかし、シニアになると思うようにグルーミングができなくなってしまいます。
お尻周りや目やにを、かたく絞ったタオルやうさぎ用の体拭きシートで優しく拭き取ってあげましょう。うさぎは体が濡れるとストレスになってしまうため、水分が残らないように気をつけましょう。
異常なほどに目やにがでる場合は、獣医師に相談することをお勧めします。
4.食事を変える
牧草の摂取量が減った場合には、牧草がかたくて食べづらくなってしまっているかもしれません。柔らかい牧草に変えてみましょう。
また、運動量が減ったのにも関わらずそれまでと同じフードを食べ続けると肥満になり病気のリスクが高まります。獣医師と相談しながら体重調節をし、シニア用のフードに切り替えることも検討しましょう。
食事を変える時は一気に変えるのではなく、今まで食べていたものから少しずつ切り替えるようにしましょう。
まとめ
老化による体の変化は仕方のないことです。自分の体の変化に適応しようと頑張るうさぎを、飼い主さんはサポートしてあげるようにしましょう。
日々の些細な変化は、ずっと一緒に過ごしてきた飼い主さんだからこそ気がつくものです。少しでも快適に過ごせるように工夫してあげることで、愛するうさぎが快適に過ごすことができるはずです。
【獣医師監修】シニア期における犬・猫の変化と気をつけるべきこと
医術の進歩などにより人間社会が高齢化しているように、獣医療の発展によって動物の寿命も延びています。
過去には10年も生きられれば長生きであった犬が、今や15年以上も健康を保つような時代になってきました。猫に至っては20歳を超えることも珍しくありません。
寿命が延びるに当たって考えなければいけないのは、高齢化した動物に何が必要かということです。今回はシニアと呼ばれる7歳以降のペットのケアについてまとめます。
シニアにおける体の変化
まず重要なのは、加齢とともにペットの身体では何が起こるのかを理解することです。人間と似ている点もあるので、比較しながら確認していきましょう。
代謝の変化
加齢とともに、生活に必要なエネルギーは減少していきます。人間も30~40歳を境に太りやすくなることからもわかるでしょう。
これは筋肉量の減少や性ホルモンなどの分泌低下などが原因です。そのため、食事のカロリーを考慮しないと肥満になってしまうこともあります。
性格の変化
人間でも、歳を取ると性格が丸くなるなんていう話を聞きます。動物もやはり、ギラギラした性格が穏やかになることがあります。
ただし、大人しくなると言っても、元気や食欲がなくなるのは病気のサインかもしれません。また、猫において性格が攻撃的になった場合は、甲状腺の病気が疑われますので、一度検査をしてみた方がいいでしょう。
活動性の変化
外が大好きだった愛犬が散歩に行きたがる回数が減った、最近寝ている時間が増えたなどの行動の変化も、加齢によるものの可能性があります。これは代謝の変化にも言えますが、筋肉量の減少が関与しているかもしれません。
やはり、異常なほど元気がない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
シニアケアに必要な6つのこと
では実際に日常生活において、7歳以上の高齢動物に必要なこととは何でしょうか。
1.食事管理
例えば人間は年齢を重ねると、脂っこいものが食べられなくなってきたり、食事の量が減ったりします。これは動物にも当てはまり、やはり食事量は減少する傾向にあります。そのため、少量の食事でもしっかりと栄養を摂取することが必要です。
一方で、高齢動物は、一日に必要なカロリーが減ります。その子の食事量を把握し、過不足なく栄養を摂れるように調整しましょう。
高齢動物用の総合栄養食もあるので、利用してみるのもいいかもしれません。
2.運動量の調節
健康のためには適度な運動が欠かせません。しかし、年齢とともに自発的に運動する量は減少していきます。もちろん犬の場合、若い頃と同じ量だけ散歩に連れ出せばオーバーワークとなります。
シニア期の運動は、加齢によって落ちてくる筋肉量をできるだけ維持するという考え方が必要です。外に行きたがらない子や、室内飼いの猫には屋内でできる運動を考えてあげましょう。
また、寝たきりの子に対しては、人間の理学療法と同じようにリハビリやマッサージが必要です。
動物病院によっては理学療法に力を入れているところもあるので、スタッフに尋ねてみてもいいかもしれません。
3.環境の整備
筋肉量や視力の低下など、高齢動物には日常生活に支障が出る箇所もあります。
そんな動物が安心で安全な生活できるように、生活環境を考えてあげる必要があります。
ちょっとした段差を排除したり、トイレまでの距離を近くしてあげるなどして、できるだけ動物に負担がかからない環境を整えてあげましょう。
4.ストレスの緩和
若い頃には当たり前にできていたことが、歳を取るとできなくなるのは動物にとっても大きなストレスです。そのため、それらのストレスを取り除いてあげる工夫も必要です。
例えば、快適に生活できるように、環境を整備することも、ストレス緩和になりそうですよね。食事や散歩などの生活習慣を規則正しくすることも、ストレスの緩和に繋がります。
さらに、呼びかけや撫でるなどのスキンシップも有効です。暇な時間を極力作らず、ペットの喜ぶことをしてあげるといいでしょう。
5.定期的な健康診断
どうしても若い頃に比べて、腫瘍や代謝疾患などの病気が増えてきます。これら病気に重要なのは人間と同様、早期発見と早期治療です。
そのためには定期的な健康診断が大切です。7歳以上のシニア動物では、半年に一回のペースをおすすめしています。多いなと思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、動物は1年間で、人間に換算すると約4歳、歳を取ります。
つまり、動物は半年で約2歳も歳をとることになるのです。そう考えると、半年に一回というペースはそう多くはないような気がしませんか?内臓機能を評価する血液検査だけでも、受けておくと安心です。
6.認知機能の低下
動物でも、高齢になると認知機能が低下することがあります。
認知機能が低下すると夜鳴きや徘徊、排泄失敗、狭いところに入りたがる、壁に頭をつけたまま動かないなどの行動が見られます。
またこれら行動によって、飼い主さんが身体的にも精神的にも疲れてしまうことがあります。気になる方は無理をせず、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
まとめ
生き物が歳を取り、衰えていくのは仕方のないことです。それを理解し、年齢に応じた適切な環境を作ることが飼い主の義務です。
いつまでも全盛期でいてほしいのは山々ですが、衰えを受け入れ、最後まで愛情を注いであげましょう。