外飼いで迷惑をかけてない?猫の安全のためにも室内飼育を検討しよう

もともと猫は外で飼われていましたが、時代の変化とともに室内で飼われることが多くなっていきました。一方で、いまだに屋外で飼われていたり、外へ自由に散歩できる猫も少なくありません。

猫はとてもかわいい生き物ですし、愛猫が何をしても許せてしまうという飼い主さんは多いでしょう。しかし、他人の家の猫だったらどうでしょうか。

この記事では、猫が屋外を散歩するときに起こりうる危険について解説していきます。愛猫を危険にさらさないためにも、室内飼育への切り替えを検討しましょう。

愛猫が迷惑をかけているかもしれない

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猫の飼い主の皆さんは、猫が普段何をして過ごしているか知っていますか?室内で飼育している場合はある程度は把握できている方も多いでしょう。しかし、外で飼っている猫がどのように過ごしているか把握できている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。

猫はその身軽さから、どこにでも行けてしまいます。公園や林ならまだしも、他人の家の庭や畑などに自分のお気に入りの場所を作ることもあります。しかし、そのお気に入りの場所で排泄をしたり、畑を掘ったりするなど、他人に迷惑をかけていませんか?

猫が好きな人であれば、ある程度許せるかもしれません。しかし、たとえ猫が好きであっても、このような行為は受け入れられない人がほとんどでしょう。

危険な猫よけグッズもある

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猫の侵入に困っている家では、以下のようなグッズを敷地内に設置している場合があります。物理的な危害はなくても、猫にとっては危険ですので注意が必要です。

光や音が突然出るもの

猫が近づくと赤外線センサーで検知し、大きな音が鳴ったり、強い光を出したりして、猫を追い払う装置があります。猫に対して直接的な危害を加えるわけではありませんが、びっくりした猫が壁にぶつかってしまったり、道路に飛び出して車に轢かれたりする危険があります。

また、精神的なショックを受けてしまうこともあります。

市販の忌避剤

手軽にできる対策として、市販の忌避剤を利用する人もいます。しかし、猫が誤って食べてしまうと、健康上の問題が出る可能性があるため危険です。

猫にとって安全な猫よけアイテム

もし、猫が敷地内に入って来て困っている方は、以下の方法で猫が入ってくるのを防止するのがおすすめです。上記の装置や忌避剤と比べると、時間がかかったり猫によっては効果がイマイチなこともありますが安全に猫よけができます。

  • 柑橘類…猫は柑橘類のにおいが苦手です。みかんやレモン、ゆずなどの皮を置いたり、柑橘類の香りのするものを散布すると効果的です。
  • ハーブ…ローズマリー、レモングラス、ペパーミント、ラベンダー、ユーカリなど、強いにおいがする植物を猫は嫌がります。該当箇所に直接植えるか鉢植えを置きましょう。アロマなどの香料でも構いません。
  • コーヒーやお茶の出がらし…コーヒーやお茶は猫が嫌がるにおいがします。出がらしを撒くことで消臭効果もありますが、持続時間は短めです。

水を入れたペットボトルは効果なし!

水を入れたペットボトルを置いておくと、日光が当たり強い光が反射することで猫が寄り付かなくなるとされていますが、実際にはほとんど効果がありません。すぐに慣れてしまう上に、猫がやってくるのは太陽の出ている時だけではありませんので、猫の侵入を防ぐのは難しいでしょう。

それだけでなく、晴れた日に水を入れたペットボトルを屋外に置いておくと、収斂(しゅうれん)火災を起こしてしまう可能性もあります。収斂火災とは、ペットボトルが虫眼鏡のような作用をして太陽光が一点に集まり、火災が発生する現象です。

もし、猫よけのために水を入れたペットボトルを屋外に置いている場合は、効果がないだけでなく火災を起こす可能性もあるため撤去したほうが良いでしょう

悪意のある人間による危害

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音や光で驚かせて猫を追い払う程度であればまだマシかもしれませんが、悪意を持って危害を加える人もいます。時々ニュースに取り上げられるくらい、外で暮らしている猫にとって身近に危険があると考えていいでしょう。

毒餌

庭や公園などに毒入りの餌が撒かれている可能性があります。猫は毒物とも知らずに平気で食べてしまいますが、それを食べてしまったら最後です。

外で飼っている猫を常に監視することはできませんので、毒入りの餌を食べないようにするのは難しいでしょう。しばらく帰ってこないなと思っていたら、自宅前で愛猫が泡を吹いてうずくまっていたこともあるそうです。

虐待

愛猫が実際に悪いことをしてなくても、無差別に猫が狙われ、虐待を受けてしまうこともあります。虐待の対象になってしまったら、ひどいケガを負い、時には命を奪われてしまうこともあります。

愛猫が外で自由に散歩できると、虐待を受けるリスクも高まります。

誘拐

猫はとてもかわいい生き物ですので、ちょっとした出来心で猫を連れて帰ってしまうこともあるかもしれません。SNSなどに写真をアップしていると、かわいさのあまり計画的に狙われてしまう可能性もあります。

また、散歩中に首輪が取れてしまい、野良猫だと勘違いされて他の家で飼われるケースもあります。その際、マイクロチップがついていないと、飼い猫であることを証明するのは難しくなってしまうでしょう。

まとめ

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今まで外で暮らしていた猫をいきなり室内に閉じ込めておくのはかわいそうという意見も理解できます。しかし、屋外では交通事故以外にも、猫を驚かせることによるトラウマを植え付けられてしまったり、人の悪意により命を落としてしまう可能性もあります。

たくさんの危険から愛猫を守れるのは飼い主さんだけです。もし、猫を外で飼っているのであれば、少しずつでも室内で過ごせるようにしていくことをおすすめします。

猫のマーキング「スプレー」ってなに?理由と対策もご紹介

犬だけでなく、猫にもマーキング行為は存在します。
猫のマーキングにはどのような行動があり、どのような意味があるのでしょうか?

また、おしっこをかける「スプレー」は、飼い主さんが困ってしまうマーキングです。本能的にしているスプレーに対しては、叱ってやめせるのではなく、原因を見極めて対策を取ることが大切です。

今回は、猫のマーキングとスプレーへの対処法を詳しくご紹介します。

猫のマーキングって?

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マーキングとは、自分の匂いをつけることで縄張りを主張する行為です。

縄張りを誇示するだけでなく、他の猫とのコミュニケーション、不安な時、リラックスしている時、自分をアピールしたい時などにも行われることがあり、その時の猫の気持ちや状況によって理由は様々です。

物だけでなく、飼い主にもマーキングすることがあります。

猫のマーキングの種類

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猫のマーキングにはいくつか種類があります。

1.スプレー

スプレーとは、壁や物などに通常よりも濃いおしっこをかける行為です。
尻尾を上にピンと立てながら、少量の尿をかけます。

2.爪を研ぐ

気分が盛り上がっている時、元気な時などに爪研ぎのマーキングをすることがあります。
肉球からフェロモンを出して、匂いをつけています。

3.頬や頭を擦り寄せる

物や人の足などに頬や頭を擦り寄せる行動も、マーキングのひとつです。
リラックスしている時によくみられ、頬や顎にある分泌腺からフェロモンを出して匂いをつけます。

スプレー(マーキング)と普通のおしっこの違い

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初めのうちは、マーキングのスプレーなのか、おしっこを失敗しているだけなのか、見分けがつかないことがあると思います。
マーキングのスプレーと普通の尿には、姿勢や尿の量、場所の違いが見られます。

スプレーの場合

マーキングのスプレーをするときは、立ったまま尻尾を上に立てた状態で、壁やカーテンなどの決まった場所の垂直面少量の尿をします。(中には座ったままスプレーする猫もいます。)
濃い尿のため、通常よりも匂いが強く独特なのが特徴です。

おしっこを失敗しているわけではないので、うんちはトイレを使用します。
家や部屋の入口、新しい家具、人や他の猫がよく通る通路などにすることが多いです。

普通のおしっこの場合

普通のおしっこをするときは、座ったまま多量の尿をします。トイレの場所が分かっていないため、うんちも同様に失敗することが多いです。

どんな時にスプレーをするの?

未去勢や多頭飼いのオス猫によく見られ、メス猫へのアピールや縄張りが脅かされそうな時に起きることが多いです。
しかし、中には去勢・避妊したオスやメスも行うことがあります。

また、縄張りが脅かされる時だけでなく、環境の変化や飼い主の不在などでストレスを感じている時にも起こります。

猫のマーキングの対処法

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マーキング行為の中でも、爪研ぎと擦り寄せでつける匂いは、人間には分からないフェロモンのため特に問題がありません。
しかし、スプレーは濃い尿をかけるため匂いがきつく、困ってしまいますよね。

愛猫が室内でスプレーを繰り返す場合の対処法をご紹介します。

1.匂いが残らないようにする

まずは匂いを残さないことが大切です。匂いがついてしまうと、再び同じ場所にスプレーをすることが多いです。
早めに拭き取り、消臭剤などで匂いを取りましょう。

この際、猫を叱ることは控えましょう。本能で行っているため、叱っても収まるわけではありませんし、余計にストレスを感じさせてしまう可能性もあります。

2.適齢期に去勢・避妊手術をする

スプレーは去勢や避妊をすることで収まることが多いです。
スプレー行為は発情がきっかけになることも多いため、初めての発情期を迎える前(生後6ヶ月ごろ)に去勢手術をすることが、最も効果的とされています。

しかし、スプレーが癖になってしまっている猫は、手術後でも続くことがあります。

3.ストレスの原因を取り除く

ストレスが原因でスプレー行為をしてしまう猫は、原因を取り除いてあげましょう。
ストレスの原因は猫によって様々あり、はっきりと分からない場合もあります。愛猫の様子を観察をして、色々な解決策を試してあげてください。

【猫のストレスとして考えられる要因】
・新しく同居する猫や人間との相性が悪い
・引越しなどで環境が変わる
・家の中に安心できるテリトリーが少ない
・寂しい思いをさせている

新しく迎えた猫が原因の場合は、慣れるまで待つしかないようです。しばらくは部屋を分けるなど、猫にとってなるべくストレスがかからない環境を模索してあげましょう。

4.トイレを清潔に保つ・場所を変える

猫にとってトイレはとても重要です。常に清潔に保ってあげましょう。
トイレが人や他の猫がよく通る場所、寝床・エサ場に近い場所にあると、気に入らずに別の場所にしてしまうことがあります。トイレの粗相がマーキングに繋がることがあるため気をつけましょう。

また、多頭飼育の場合は、トイレの数を猫の数より1つ多く設置することも考えましょう。同じ猫が複数のトイレ使用してしまうと、他の猫がトイレを使えずストレスに繋がることがあります。

5.動物病院に行く必要がある場合も

下部尿路疾患や膀胱炎にかかると、猫は立ちながら排尿をすることがあります。
頻繁に尿をしたり、尿に血が混じったり、排尿時痛そうに鳴いたりといった症状も同時に見られます。その場合は、すぐに動物病院に行きましょう。

まとめ

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猫のマーキング行為には3種類があり、猫の気持ちや状況によって様々な理由があることがわかりました。

特にスプレーは臭いや汚れが気になるため、困っている飼い主さんも多いでしょう。猫の様子をよく観察しながら、ご紹介した方法を実践してみてください。

スプレーを確実に止めさせる方法はないので、叱ったりせず、根気よく様々な対策を試してみることが大切です。