【クイズ】気まずい?遠慮しちゃう?ペットのセカンドオピニオンとは

大切なペットが病気になったとき動物病院を受診すると思います。その際、セカンドオピニオンについて覚えておくと、より納得した治療を受けられるかもしれません。

今回は獣医療のセカンドオピニオンについて、クイズ形式で解説していきます。

それではさっそく、セカンドオピニオンクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 セカンドオピニオンの説明として正しいのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「治療中の病気について他の獣医師に相談すること」です。
セカンドオピニオンは直訳すると「第2の意見」という意味があり、現在治療中の病気の進行状況や治療の選択肢を別の動物病院の獣医師から求めることを指します。

他の獣医師から、現在の治療法は適切か、他の方法はあるかなどを聞くことによって、より納得して治療を受けることが出来ます。

一方で、主治医を変えることは「転院」と呼びます。
Q.2 セカンドオピニオンを受ける際に用意しておいたほうがいいものとして「もっとも適切ではない」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「マイクロチップの登録情報」です。
動物病院にはカルテの保管義務があるため、原本の持ち出しは基本的にできません。レントゲンなどの画像検査もフィルムをもらうことはできませんので、ぞれぞれコピーをもらうようにしましょう。

血液検査の結果も同様です。セカンドオピニオンで意見を求める場合には、比較出来るデータが必要ですので、持参するようにしましょう。
Q.3 セカンドオピニオンを受ける際に気をつけることとして「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「紹介状がないと受けられない」です。
紹介状は必須ではありません。もちろん、紹介状等があればスムーズにセカンドオピニオンを受けられますが、どうしても紹介状が用意できない場合でも問題ありません。

場合によってはカルテや検査結果をもらえないこともあるあるため、受け取った検査結果や投薬情報はまとめて保管しておきましょう。また、聞きたいことを事前にまとめておくことも大切です。

主治医に遠慮してしまい、意見を求めることに消極的になってしまうこともあるかもしれませんが、飼い主として一番に考えるべきは、「動物の健康」です。少しでも疑問に感じることがあったら、遠慮なく主治医に相談しましょう。
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今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】セカンドオピニオンや転院の際に準備するものと注意点
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【獣医師監修】セカンドオピニオンや転院の際に準備するものと注意点

引っ越しなどの事情によりかかりつけの動物病院を変更したり、病気に関して専門性の高い動物病院を受診したりなど、実際に経験した方もいるのではないでしょうか。 ヒトの医療では浸透してきているセカンドオピニオンですが、獣医療の世界ではどうなのでしょうか。 今回は犬や猫における転院やセカンドオピニオンについて解説していきます。

セカンドオピニオンと転院

獣医,動物病院,セカンドオピニオン,転院, なんとなく聞いたことがある「セカンドオピニオン」「転院」という言葉。これらは明確に意味が異なることをご存知ですか?意味を履き違えてしまうと混乱する原因にもなりますので、違いをしっかり理解しましょう。

セカンドオピニオンって何?

セカンドオピニオンは直訳すると「第2の意見」という意味があり、現在治療中の病気の進行状況や治療の選択肢を別の動物病院の獣医師から求めることを指します。 他の獣医師から、現在の治療法は適切か、また他の方法はあるかなどを聞くことによって、より納得して治療を受けることが出来ます。

転院って何?

一方で転院は、主治医を変えることです。 引っ越し、より近所に動物病院が出来たなど理由は様々あると思いますが、今まで診てもらってきた主治医を変更するのは、非常に覚悟がいることでしょう。 しかし、通院時間、治療方針、経済面など全てを考慮した上で最も良い動物病院を判断することは、ペットのためにも重要です。

セカンドオピニオンや転院は悪いことではない

獣医,動物病院,セカンドオピニオン,転院, 中には、セカンドオピニオンをしてしまうと、いつもお世話になっている動物病院や獣医師との関係が悪くなると考える方もいるかもしれません。 しかし、セカンドオピニオンは、主治医との決別宣言ではありません。 医療は非常に専門的な分野であり、新しい治療薬の開発や、病態の解明など、日々進歩しています。 ヒトの医療とは違って獣医療は診療科が分かれていないことがほとんどで、別の動物病院で意見を求めることは非常に意味のあることだと思います。 治療を受ける子の性格などを考慮し、最善を尽くしてあげてください。

病院のホームページで専門性を確認

近年では獣医療でも、ヒト医療と同様に専門医が求められつつあります。 例えば獣医がん学会では腫瘍科の、獣医循環器学会では循環器科の認定医制度を設けており、動物病院のホームページのスタッフ紹介のページでは、獣医師が所属している学会や専門医認定を受けている診療科などが記載されていることがあります。 ホームページをチェックすることで、その動物病院に勤務している獣医師の得意分野が分かり、セカンドオピニオンを受ける際の参考になるでしょう。

セカンドオピニオンや転院の際に準備する3つのもの

獣医,動物病院,セカンドオピニオン,転院, では実際に転院やセカンドオピニオンを実行する時、何が必要なのでしょうか。 ヒトの場合では主治医による紹介状が必要ですが、獣医療でも同様です。もちろん、紹介状がないと転院やセカンドオピニオンを受けられないわけではありません。 しかし、紹介状や、事前にかかりつけの獣医師から転院先に話が伝わっていれば、その後の話がスムーズに進みます。

1.カルテのコピー

動物病院でカルテのコピーをもらいましょう。今までの経過や治療の詳細が記載されているため、セカンドオピニオンを受ける上ではとても重要な情報です。 なお、獣医療法という法律で、動物病院には診療簿(カルテ)の保管が義務付けられているため、原本の持ち出しは基本的に出来ません。 この際、個人情報保護法の観点から、カルテはペットの飼い主へ直接お渡しします。通院歴が長く、カルテが厚くなっている場合には、動物病院側で情報を取捨選択することもあります。

2.画像検査のデータ

レントゲンなどの画像検査のデータももらいましょう。 こちらも(今は少ないですが)、レントゲンのフィルムを手渡すことは出来ませんので、データをCDなどに焼いて手渡す形になるかと思います。 カルテも画像データも、持ち出しに関してはかかりつけの獣医師としっかりと相談するようにお願い致します。

3.血液検査結果などの情報

血液検査など、検査後にもらえる結果も持参しましょう。 特に慢性疾患の既往歴がある場合や、セカンドオピニオンで意見を求める場合には、比較出来るデータがないことには何とも言えません。また、同じ検査を行うことでペットに不要な負担を強いることにもなりかねません。

セカンドオピニオンや転院の際に注意すること

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聞きたいことをまとめておく

せっかく別の獣医師に診てもらっても、何も聞かないのであれば意味はありません。 紹介状がある場合には、そこに現在の症状や診断、治療などを記載しておきますが、やはり飼い主としてもペットの状態を把握しておき、聞きたいことをまとめておきましょう。 事前にかかりつけの獣医師としっかりと話し、現在の状態を理解した上でセカンドオピニオンや転院を行うことが大切です。

手元にあるものも貴重な情報

動物病院によっては、カルテのコピーをもらえない場合があります。 基本的には快く受け付けてもらえるはずですが、どうしても厳しい場合は、投薬の情報や検査結果など、手元にあるもので準備しましょう。

情報不足がペットへの負担を招く

動物病院から情報がもらえない以外にも、様々な事情により、元の病院には告げずに転院することもあるかもしれません。 しかし、カルテや検査結果の情報がないと、重複した検査が必要になるため、お金がかかるだけでなく、病気でつらい思いをしているペットにも負担がかかります。また、検査に時間がかかり、治療の初動が遅れるケースもあります。 もしもの時のために、検査結果や投薬情報はまとめて保管しておきましょう。

まとめ

獣医,動物病院,セカンドオピニオン,転院, どうしても日本人の性格として、主治医に遠慮してしまい、獣医療に対して意見を求めることに消極的であるように感じます。しかし、飼い主として一番に考えるべきは、「動物の健康」です。 獣医療は、動物病院スタッフ、動物、そして飼い主の三者で作り上げていくものです。飼い主にとって最も納得のいく医療が、動物にとっても最も良いものであるのではないでしょうか。 現在の治療に少しでも疑問に感じていることがあったら、遠慮なく主治医に相談し、セカンドオピニオンや転院の選択肢も考えてみてください。

騙されないで!未承認サプリでペットの「ガンが治る」は全てウソ

もし大切なペットが難病を患ってしまったら、多くの方は獣医師にできる限りの治療を行ってもらうでしょう。このネット社会では、自分で情報を集めたり、同じような病気を患っているペットの飼い主さんと情報交換をしたりするという方も少なくないと思います。 そんな藁をもすがる状況の飼い主さんを騙し、ただのサプリメントを医薬品として効能があるようにうたい、販売していた業者が先日書類送検されました。 この記事では、そのような悪徳業者に騙されないために、知っておきたい知識や心がけておきたいことをご紹介します。

悪徳業者による詐欺行為

悪徳業者による詐欺行為 今年3月、動物用医薬品として承認されていないサプリメントや水素水を、「ガンを消す」などとペット用の医薬品として効能があるように宣伝・販売した疑いで、渋谷区のペット通販会社の役員が書類送検されました。 実はこのような業者による行為は決して珍しいものではありません。今回はペットの医薬品に焦点を当てていますが、人間のサプリメント等でも問題になっており、しばしばニュースで取り上げられています。

病気への効能をうたうこと

未承認サプリメントで効能をうたうと罰せられる 未承認のサプリメントや医薬品で「○○に効く!」「○○が治る!」などのように「効能」をうたうことは、動物を対象としたものでも法律で禁じられています。もちろん、ペットフードやシャンプー等であっても効能をうたう場合は動物用医薬品等に該当するため、承認を得なけれないけません。 未承認の動物用医薬品について医薬品としての効能や効果をうたったり、販売・授与をした場合は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に抵触するため、法律により罰せられます
薬機法 罰則
効能・効果を広告 第68条または第55条第1項違反 2年以下の懲役、200万円以下の罰金
販売 ・授与 第55条第2項違反 3年以下の懲役、300万円以下の罰金

承認のプロセスは長い?

動物用医薬品の承認プロセスは長い 医薬品のうち、動物を対象としたものを「動物用医薬品」といいます。 動物用医薬品を承認してもらうには、さまざまなデータを記載した10種類以上の資料を提出し、申請の種類によっては60万円以上の申請手数料を支払わなければいけません。 そして、品目ごとに成分・分量、用法・用量、効能・効果、毒性、副作用、残留性等を、薬事・食品衛生審議会で審議し、問題がないと認められたものだけが効能をうたって販売ができます。 医薬品の承認は、多くの人の労力と時間をかけて実施されます

悪徳業者の口車に乗らないで!

悪徳業者の宣伝文句にありがちなのが、「効果はあるが、医薬品として承認されるまでに膨大な時間がかかる。何もしないよりも試してみた方が良い。」というものです。 確かに承認されるまでには時間がかかります。しかし、薬は一歩間違えば毒にもなり得ます。仮に本当に効能があるとしても、専門家たちが承認していない薬を使いたいと思いますか?大切なペットに与えるものならば、そのくらい十分に時間をかけて承認されたものをあげたいですよね。

騙されないために

悪徳商法に騙されないために

信頼できる獣医師に相談

まずはかかりつけの獣医師に意見を聞いてみましょう。もし本当に有効な薬があるのであれば、獣医師が知らないはずがありませんし、場合によっては一緒に考えてくれるでしょう。例え、医薬品ではなくサプリメントであっても、評判の良いサプリメントは獣医師の間でもよく知られています。 それでもなお納得しきれないのであれば、セカンドオピニオンを考えてみてはいかがでしょうか。
セカンドオピニオンとは 主治医(ファーストピニオン)以外の獣医師に、診断や治療方針について求める意見をセカンドオピニオンといいます。今までの検査情報を共有し、他の獣医師の意見を聞いた上で、治療方針を決定します。 勘違いしがちですが、主治医のファーストオピニオンに不満や不信感を抱き、黙って病院を変えることは「転院」と呼び、セカンドオピニオンとは異なります。転院となると、今までやっていた検査なども全てやり直すことになり、金銭的な負担だけでなく、病気で苦しんでいるペットへの負担も増やすことになりますので、転院はよく考えた上で行いましょう。
主治医に「セカンドオピニオンをお願いしたい」と伝えたら嫌な顔をされるのではないかと心配する方はたくさんいます。 しかし、多くの獣医師は快くアドバイスをくれるしょう。むしろ、セカンドオピニオンにいい顔をしない獣医師はあまりオススメしません。なぜなら、自分が下した診断に自信を持っていれば、セカンドオピニオンでも同じような意見になるため、断る必要がないためです。

家族に相談

また、家族に相談することも大切です。一人で調べていると情報の偏りが生じ、本当にいいのかわからないものでも口コミを見て「いいかも…」と思ってしまいがちです。家族も一緒になって情報収集することで、多角的な情報を入手でき、冷静に物事を判断できるでしょう。

最後に

信頼できる人に相談して病気と向き合う 偽りの効能がうたわれているものは、特に高額であることが多いです。高額なサプリメントを購入したが、実は効果は全く無く、大切なペットを失ってしまったとなったら、飼い主さんも悔やみきれないでしょう。 残念ながら詐欺師の多くは人の弱い部分につけ入ります。被害に遭わないためにも、自分一人で判断するのではなく、信頼できる獣医師や家族の意見を聞きながら、病気と向き合いましょう。