うさぎが足ダンをする理由とは?原因を取り除いて対策しよう!
うさぎの飼い主の皆さんは、うさぎが足で大きな音を踏み鳴らすのを聞いたことはありますか?意外と大きい音なので、初めて聞くとびっくりしてしまうかもしれません。
このようにうさぎが足で大きな音を鳴らすことを「足ダン」といい、ストレスを抱えていたり何かを訴えたりしている場合に行うことがあります。
この記事では、うさぎが足ダンをする理由と対策方法について解説していきます。
うさぎの足ダンとはどのような行為?
まずはこの動画をご覧ください。
このように後ろ足で床を「ダン」と鳴らすことから「足ダン」と呼ばれていますが、正式には「スタンピング」といいます。
足ダンの役割
うさぎは声帯をもたず鳴き声でのコミュニケーションがとれません。そのため、危険や変化を察知した際は、足を踏み鳴らして音を出すことで仲間に異常を伝えています。
すべてのうさぎが足ダンをするわけではない
もちろん、足ダンをする子もいればしない子もいます。「うちの子は足ダンをしないけど大丈夫?」と思うかもしれませんが、特に気にする必要はないでしょう。
うさぎが足ダンをする理由
では、うさぎの足ダンはどのようなときに見られるのでしょうか。
何かをお願いしている
「ご飯が欲しい」「遊んで欲しい」「ケージから出して欲しい」「ケージをきれいにして欲しい」など、飼い主に何かをして欲しいときに行うことがあります。
その要求が満たされるまで足ダンをし続ける子もいるため、場合によっては長時間足ダンが続くこともあります。しかし、その都度うさぎの要求に応えてしまうと、足ダンをすれば飼い主がいうことを聞いてくれると学習してしまうため注意が必要です。
ストレスを抱えている
人が大きな声や音を出したり、食事が気に入らなかったりするときも、うさぎは足ダンを行います。人間にとって小さな音でも、臆病なうさぎにとってはストレスになります。
何かを要求している時と比べて短い時間で止まりますが、強いストレスは命に関わることもあります。うさぎにとって何がストレスになるのかを見極め、なるべくストレスのかからない環境をつくってあげましょう。
警戒している
うさぎは警戒心が強いため、小さな音や他の動物を見かけたときに足ダンをすることがあります。花火や雷、風による扉のガタガタ音などでも反応します。
この場合、警戒している対象がなくなるまで足ダンをするだけでなく、パニックに陥ることもありますので、警戒している様子が見られたらすぐに原因を取り除かなければいけません。
喜んでいる
ここまで足ダンはマイナスなイメージがついてしまったかもしれませんが、意外にもうれしいときに足ダンをすることもあります。
警戒やストレスによる足ダンと見分けがつかないのでは?と思った方もいるかもしれませんが、うれしいときは走り回りながらジャンプしたり鼻を鳴らしたりしてイキイキとしています。うさぎのことをよく見ている飼い主さんであれば機嫌のいいときと悪いときの見分けは比較的簡単にできるでしょう。
足ダンをやめさせるには
犬が何かを要求するときに吠えるように、うさぎも足ダンをすることで不満を伝えています。しかし、足ダンをするたびに要求に応えてしまうと、足ダンをすれば要求が通ることを学習してしまいます。
うさぎが足ダンをしたら対応するのではなく、足ダンをしない環境を整えてあげることが大切です。
食事は決まったものを決まった時間に
繊細なうさぎは、ご飯が突然変わったり、いつもの時間に出てこないとストレスを感じます。お腹が空いて催促の足ダンをすることもあるでしょう。ご飯の時間はなるべく毎日同じになるようにします。
空腹が原因で深夜に起こされるようであれば、日中に与える餌を少しだけ減らし、夜寝る前に減らした分を与えると良いでしょう。
居住スペースは常に清潔に
ケージやトイレが汚れている場合はすぐに掃除してあげましょう。疲れているからといって後回しにすると、うさぎはストレスを感じます。
ケージ内のレイアウトを変えるだけでも足ダンの原因となることがあるため、慎重に行ってあげてください。
静かに過ごす
臆病なうさぎはちょっとした音でもびっくりしてしまいます。足音や生活音もなるべく小さくするよう心がけましょう。くしゃみやしゃっくりなどを静かに行うのは難しいかもしれませんが、うさぎのためにもなるべく抑えましょう。
足ダンのしすぎは病気の原因にも
うさぎが足ダンを繰り返すことによって、ソアホック(足底皮膚炎)という皮膚病や骨折してしまう可能性があります。これらの病気は小動物であるうさぎにとって大きな負担となり、命に関わる場合もあります。
うさぎが頻繁に足ダンを行うようであれば、床の素材を柔らかいものに変えるなどの工夫をしてあげましょう。
最後に
うさぎが足ダンをする場合、多くの場合は不満やストレスを抱えています。もし、頻繁に足ダンをするようであれば環境を見直す必要があります。
うさぎの足ダンは人間にとっても嫌な音がするため、深夜などに足ダンをされてしまうとイライラして怒鳴ってしまうこともあるかもしれません。しかし、それではうさぎとの信頼関係が壊れてしまう可能性があります。
鳴き声で主張できないうさぎにとって、足ダンは数少ない飼い主とのコミュニケーションの方法です。うさぎが何を訴えどうして欲しいのかを冷静に突き止め、原因を取り除いてあげてください。
足裏の脱毛には注意!うさぎのソアホックの原因と予防方法とは
うさぎに多いと言われる病気である「ソアホック」。足裏の毛が抜けることで、皮膚の炎症を起こしてしまう病気です。
英語でソア(sore)は痛い、ホック(hock)は後脚の関節を意味します。
今回は、ソアホックの症状、原因と予防策についてご紹介します。日頃のちょっとした予防策でリスクを下げることができるため、是非試してあげてください。
ソアホックとは?
ソアホックとは、うさぎの足裏に起こる皮膚炎のことです。日本語では、飛節びらん、足底潰瘍などと呼ばれることもあります。
ソアホックの症状としては、まず何らかの原因で足の裏、特に踵の部分の被毛が薄くなります。脱毛よって皮膚が露出してしまうと、表面に傷や炎症を起こしやすくなってしまいます。
進行すると足裏が厚く固い白いタコのようになり、赤く炎症を起こしてしまいます。
ソアホックは、後ろ足に発症することが多いです。
直ちに重篤化することはありませんが、炎症による痛みで歩けなくなったり、食欲不振になったりします。悪化すると二次的な病気を引き起こすことがあります。
進行すると治りにくくなるため、早期発見と予防がが大切です。
ソアホックの原因
うさぎのソアホックは、日常的に足への負担がかかってしまうことが主な原因となります。
- 固い床材
- 爪が伸びすぎている
- 運動不足
- 肥満による体重の負荷
- スタンピング(足で床を蹴る)を頻繁にする
- 加齢により、同じ姿勢で長時間足を床につけている
以上の環境や行動が見られる場合は、足に負担がかかっている可能性があります。
うさぎの足には肉球がないため、皮膚が床に直接触れてしまいます。そのため、少しの摩擦でも擦れてしまい毛が抜けやすくなるのです。
そのほかにも、ストレスや遺伝的要因によって足の裏の毛が薄いことも原因として挙げられます。また、水や尿などが足裏にこびりついて、足裏が常に湿っているなど不衛生な状況も良くありません。
日頃から足裏をチェックしよう
抱っこをしたりブラッシングをしたりなど、普段からうさぎと触れ合っていると、足裏の脱毛に気がつきやすいでしょう。
しかし、抱っこが苦手なうさぎだと、歩けなくなるまで気がつかない場合もあります。
換毛期など毛が生え変わる時期は特にデリケートになるため、普段からうさぎの足裏を意識してみてください。
ソアホック予防のためにできること
ソアホックを予防するために、飼い主さんができることをご紹介します。
1. 足に負担のかからない床材
ケージや散歩するお部屋の床材は、足に負担のかからないものを選びましょう。
固い床やフローリングなどの滑りやすい床は、ウサギの足には負担になります。
爪を引っ掛けにくい毛足の短い、適度に弾力がある、滑りにくく摩擦が起こりにくいマットが適しています。
2. 定期的に爪切りをする
爪が伸びすぎてしまうと、かかとに体重が乗ってしまい足に負担がかかります。
そのほかにも、カーペットに爪が引っかかりやすくなり折れる原因になってしまいます。
日頃からうさぎの爪の長さを確認し、切ってあげましょう。暴れてしまってうまく切れない場合は、動物病院等で切ってもらうことをおすすめします。
3. うさぎの足を綺麗に保つ
ケージの中でうさぎが水皿をひっくり返してしまったり、尿が散乱してしまったりすることがあるでしょう。
足裏が湿って不衛生な状態が続くと、皮膚の炎症により脱毛が起こりやすくなります。
こまめにケージの床を掃除し、ウサギの足裏を綺麗に保ちましょう。
4. 肥満予防
体重が増えると足の負担も増加します。適切な体重管理はうさぎの健康につながります。
年齢ごとに食事を見直し、おやつのあげすぎには注意しましょう。
5. うさぎにストレスを与えない
うさぎはストレスに敏感な動物です。
うさぎはストレスを感じた時、後ろ足で力強く床を蹴るスタンピングをすることがあります。
特に固い床の上で頻繁にスタンピングをすると足裏に良くないため、ストレスとなる要因をなるべく取り除いてあげましょう。
部屋の中をお散歩させて運動させる、しっかり遊んであげる、大きな音を立てないなどの対策をし、ストレスフリーな環境を作ってあげることが大切です。
まとめ
ソアホックは、足の負担による脱毛が原因の病気です。
うさぎがかかりやすい病気の一つで、悪化すると歩けなくなることがあります。そのため、予防と早期発見が重要になります。
負担の少ない床材を選ぶ、定期的に爪を切る、足を綺麗に保つなどの日頃の予防策をしっかり行い、日頃から足の裏の状態チェックをしてあげましょう。
少しでも脱毛や赤みが見られたら、動物病院に相談することをおすすめします。