元野良猫はいつからお風呂OK?お風呂の入れ方やポイント
元野良猫を飼い始めたら「早くお風呂に入れたい!」と思う飼い主さんも多いでしょう。
筆者が元野良猫を飼い始めた時もお風呂に入れたくてウズウズしていました。しかし、家に来たばかりの元野良猫は警戒心むき出しです。家に慣れる前にお風呂に入れてしまうと、猫の警戒心をさらに煽ってしまいます。
では、元野良猫はいつからお風呂に入れると良いのでしょうか。
今回は、元野良猫を飼育している筆者の体験に基づいて、元野良猫をお風呂に入れるタイミング、お風呂の入れ方やポイントをご紹介します。
元野良猫はいつからお風呂に入れて良いの?
猫は環境の変化が苦手な生き物なので、新しい家に連れてこられて不安でいっぱいです。そのため、元野良猫が環境に慣れて安心して過ごしてくれるまでお風呂は控えた方が良いです。
家の中でゴロンと寝たり、尻尾を上げて歩いているなど、元野良猫がくつろいでいる様子が見られるようになったらお風呂に入れるサインです。
筆者の場合は、元野良猫が家に来てから1週間ほどでお風呂に入れました。元々人懐っこくてすぐに家に慣れてくれたこともあり比較的早くお風呂に入れましたが、猫によって個体差はあります。
元野良猫がお風呂に入れるようになるまでは、猫用のコームで毛づくろいをしてあげましょう。
また、どうしても臭いが気になる場合は、水が入らないドライシャンプーなどを使ってみましょう。
お風呂に入る前の準備
元野良猫をお風呂に入れる前に、以下を準備しましょう。
- バスタオル(5枚以上)
- ドライヤー
- 猫用シャンプー
猫をお風呂に入れると毛がたくさんのお湯を含み、乾かしている間に部屋が水浸しになってしまいます。そのため、なるべく多めにバスタオルを用意します。
バスタオルは、お風呂場に1枚と、猫を乾かす場所に2〜3枚敷いておきます。
お風呂を入れる5つのステップ
元野良猫をお風呂に入れる手順を見ていきましょう。
猫のお風呂は15分ほどで完了します。時間が長くなるほど猫にストレスがかかり暴れたり鳴いたりするので、手際よくサクッと終わらせましょう。
1.お風呂の温度は35℃に設定
猫をお風呂に入れる前に、お湯の温度を35℃まで下げて、浴槽にお湯を20cmほど溜めます。
2.湯船に入れて汚れを落とす
猫を浴槽に入れて、しっかりと毛を濡らしていきます。
この時に、猫の顔や耳に水がかからないように注意しましょう。
3.シャンプーでしっかり洗ってお湯で流す
しっかりと水が浸透したら、浴槽から猫を出してシャンプーを付けて足先から尻尾までしっかり洗います。
シャンプーが終わったら、シャワーの音で驚かないように中ぐらいの強さでお湯を出して泡を洗い流します。
その後、手で猫の体を優しく押さえ、毛に含んだお湯を落としてあげてください。
4.タオルでしっかり拭いてからドライヤーで乾かす
バスタオルで少し拭いてから猫を部屋に入れます。
ドライヤーで乾かす前にタオルでしっかり拭くと早く乾きます。タオルで拭く時は毛の流れに沿って拭いてあげてください。ガシガシ拭くと威嚇されるので注意しましょう。
ドライヤーで乾かす時は、猫が音に敏感なら弱の温風で、ドライヤーの風を当てながらタオルで拭きます。
逃げ回ったり大声で鳴いたりするため、乾かすことがとにかく大変です。可能であれば2人以上で乾かすのがおすすめですが、難しい場合はドライヤーを床に置いて猫に向けると、両手が空いて乾かしやすいです。
また、家にサーキュレーターがある場合は、ドライヤーと一緒に床に置くと風が当たって早く乾かすことができます。
5.終わったらご褒美を忘れずに
8割以上乾いたら後は自然乾燥に任せます。猫がいる部屋の温度はいつもより2〜3℃上げておくと良いでしょう。
お風呂が終わったら、猫のお気に入りのおやつをご褒美であげてくださいね。
また、顔の汚れがひどい場合は、後でお湯を絞ったタオルで優しく拭きましょう。
お風呂に入れる時のポイント
最後に元野良猫をお風呂に入れるポイントをご紹介します。
汚れで泡立ちにくいので泡シャンプーがおすすめ
シャンプーは泡タイプがおすすめです。最初から泡立っているので簡単に洗うことができます。筆者が普段使っているのは、「LION 低刺激シャンプー 子犬・子猫用」です。
また、皮膚が弱い猫もいるので、刺激が気になる方には無添加やオーガニックのシャンプーがおすすめです。
引っ掻かれてケガをするので必ず服を着る
猫がびっくりして爪を出すこともあるので、飼い主さんがケガをする場合もあります。最低限Tシャツと半ズボンを履いて、猫をお風呂に入れるようにしましょう。
初めてのお風呂は体が汚れているので2回シャンプーすると良い
元野良猫の場合は、汚れがたくさん付いているので一度ではなかなか洗いきれません。洗ってシャワーで流してから、もう一度しっかり洗うと良いでしょう。
また、足付近は特に汚れているので、忘れずに入念に洗ってあげてください。
まとめ
今回は、元野良猫をお風呂に入れるタイミング、そしてお風呂に入れる手順やポイントをご紹介しました。
飼い主さんは「元野良猫を早くきれいにしたい!」と急いでしまいがちですが、まずは猫自身が家に慣れるまで待ってあげてくださいね。
水嫌いの猫にとってお風呂は苦行です。元野良猫のお風呂が早く終わるように事前準備は入念にしましょう。
【甘噛み対策】本気咬みになる前に、甘噛みを直す3つのポイント
「咬み」は、日本の飼い主さんが困っている3大問題行動のうちの1つです。他の2つは「吠え」や「トイレ」と言われています。
「吠え」についてお困りの方は、こちらもご覧ください。
また、「トイレ」のトレーニング方法については、こちらもご覧ください。
「人に咬みついてしまい困っている」という飼い主さんは意外と多いのですが、一口に「咬む」と言っても、大きく2つの「かみ」に分けられます。
1つは「甘噛み」と言われるもので、噛まれても血が出るようなことはほとんどありません。もう1つは、「本気咬み」と言われるもので、これは咬まれると大怪我につながる深刻なものです。
この2つはとても深い関連性があり、「甘噛み」を放置することで、「本気咬み」へと発展することがあるとされています。インターネットを検索しても、順序立ててうまく対策を説明されている記事が少ないようです。そこで、今回は、その「甘噛み」の正しい直し方を見ていきたいと思います。
甘噛みって?
「甘噛み」とは、人の手や他の犬などを軽く噛むことを言います。本当に軽く噛むだけなので、血が出るようなことはあまりなく、ついつい放置してしまいがちです。
特に、幼犬の時に見られる行動のため、痛くもないし、じゃれてくるようにも見えてしまいます。幼犬が手や足にじゃれてくるのですから、中には、「かわいいー」と言って、かまってしまい、そのまま一緒に遊んでしまう飼い主も少なくないのではないでしょうか。
でも、これ、放っておくと出血してしまったり、場合によっては肉がえぐれるような大怪我をしてしまう「本気咬み」へと発展することもあります。「本気咬み」に発展してしまうと、直すのが大変になってきます。お金も時間もかかってしまうので、幼犬の時に直しておくことが重要です。
どうして甘噛みするの?
どうして、幼犬の時に「甘噛み」をするのでしょうか?以下の3つがその理由とされています。
- 歯の生え変わりで痒い
- コミュニケーション(かむ力のコントロールを覚えるため)
- 游んでもらえると勘違いしている
歯の生え変わりで噛む
この場合は、噛む玩具を与えてあげるようにしましょう。ホームセンターやアマゾンでも売られているため、購入しやすいものが多いです。
スリッパや靴などをカミカミするのは、これが理由かもしれません。これは、放っておいても歯が生え変わりさえすれば、自然と収まっていくので、それほど問題ではありませんが、「コミュニケーションのための噛み」なのか「生え変わりのための噛み」なのか、一見、判断しにくいのが問題です。
「噛む玩具」には、以下のようなものがありますので、幼犬の時は何かお気に入りの「噛む玩具」を与えておくと良いでしょう。
コミュニケーションで噛む
犬は、人間のように会話ができないため、ボディランゲージを使ってコミュニケーションを取っています。好奇心が旺盛な幼犬の時は、臭いを嗅いだり、噛むことで、それがどういうものなのかを判別しようとします。
犬同士が游んでいるところを見たことはあるでしょうか?ゲージに入れずに展示を行うようなペットショップでは、幼犬同士がじゃれ合って游んでいる光景が見られます。これを良く観察してみると、犬同士が軽く噛み合って游んでいることがわかります。これがまさに、噛む力のコントロールを遊びを通じて覚えようとしている光景なのです。
幼犬は遊びを通じ、以下のことを学んでいます。
- 「かむ」ことで、それが柔らかいのか硬いのかを知る
- 「かむ」ことで、それが噛んでも大丈夫なのか、そうでないのかを知る
- 「かむ」ことで、噛む力をコントロールすることを知る
幼犬の時の「甘噛み」を通じて、様々なことを学ぼうとしています。そのため、私たち飼い主は、適切なリアクションを取って、愛犬にフィードバックを返してあげる必要があるのです。
游んでもらえると思って噛む
これは、「コミュニケーション」を取ろうとして噛む行為が悪化していった先の行動とも言えます。
もうおわかりですよね?「甘噛みしてきた、かわいいー」と言って、一緒に遊んでしまっていると、甘噛みは直りません。そればかりか、「手は咬んでも良いものなんだ、これは游んでもらえる玩具なんだ」と犬が勘違いしてしまいます。
これがエスカレートしていくと、どんどん噛む力は強くなってきます。幼犬のときから飼育している場合は、いきなり強く咬んでくるようなことはないでしょう。放っておくことや興奮する癖がつくことで、徐々に咬む力が強くなっていきます。どこまでが大丈夫なのか(犬の場合、人に歯をあてることすらNGとすべきでしょう)?飼い主がきちんと教えてあげないと、そのまま流血に至るような事態にまで発展してしまう可能性があります。
甘噛み対策3つのポイント
さて、どうして「甘噛み」をするのか、理解頂けたところで、その直し方についてご説明していきたいと思います。直す際のポイントは、以下の3つです。
- できるだけ大声を発し、ビックリさせる
- 甘噛みされたら、その瞬間に反応する
- 一貫して「痛い」と言い続ける
相手をビックリさせる
まずは玩具遊びなどを通じて、「甘噛み」を誘発するのが良いでしょう。
そこで、犬の歯が自分の手に少しでも当たったら、「痛い!!」と低い大声で発しましょう。そして、そのまま遊ぶのを止めて、無視しましょう。部屋から出ていってしまうのも良いでしょう。
犬を一人ぼっちにしたら、すぐに元の部屋に戻って、また玩具遊びを再開します。これを何度も繰り返すことで、「人の手に歯が当てると、痛いって言われるし、玩具遊びも終わってしまうし、一人ぼっちにされてしまうのか」という理解をするようになります。
実はこれ、犬同士が游んでいる時にも見られる光景なのです。例えば、思っていたよりも強く相手を咬んでしまった場合、「キャン!!」と言われます。そして、「お前とはもう遊びたくない!」という感じで、暫くどこかへ行ってしまいます。でも、犬自身はすぐに忘れてしまうので、また戻ってきて再び遊び始めます。人間と遊ぶ時も同じように、振る舞うことで、噛む力をコントロールすることを覚えさせていくのです。
タイミングに気をつけよう
「甘噛み」されて5秒10秒してから、「痛い!!」と言ったところで、相手には何も伝わりません。咬まれたらすぐに反応することが大事です。
犬はすぐに忘れてしまう生き物なのです。今起きた出来事の直後に反応してあげることで、その出来事に対するフィードバックなのだなということを教えていくことができます。これは、他のトレーニングでも同じことですので、覚えておくと良いでしょう。
一貫してやり続ける
一貫して同じ反応を示すようにしていきます。
ある時は「痛い!!」と言われ、ある時は「游んでもらえ」ということでは、犬も混乱していってしまいます。複数人で犬を飼っているような場合は、皆でなるべく同じ反応を示すことができるように、皆で認識合わせをしておくと良いでしょう。お母さんには怒られるけど、お父さんは游んでくれる、ということが続くと、「お父さんは咬んでも良いのか」ということになりかねません。
終わりに
きちんと「甘噛み」の対策をしておくことで、「本気咬み」へと発展する確率をぐっと下げることができます。
幼犬のうちは、様々なことを色々な経験を通じて学んでいく、とても重要な時期です。社会化期とも呼ばれるこの時期に、適切な対処をすることで、成犬になってからの問題行動自体を減らすことができるのです。皆さんの愛犬が「良い子」へと成長し、人生のパートナーとして、幸せな犬生を過ごしてくれることを願っています。