人気犬種ランキングTop5を発表!特徴や飼い方を解説
2022年の人気犬種ランキングのトップ5を、その犬種の特徴をわかりやすくスコアにした表と共に発表します。
飼いたい犬種を選ぶ時や、ご自身の愛犬との暮らし方の参考にしていただければ幸いです。
ただし、犬の性格や飼われている環境、年齢や健康状態などで違いが出てくることも大いにありますので、全ての犬がこの評価に当てはまるわけではありません。あくまでも傾向としてご覧下さい。
- ランキング参考:2022年犬種別犬籍登録頭数 |ジャパンケネルクラブ
- スコア参考:Dog Breeds – American Kennel Club
第5位「口ひげが特徴的な犬」
第5位は、口ひげや眉毛が印象的な「ミニチュア・シュナウザー」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★★★ |
お手入れの頻度 | ★★★★ |
番犬度 | ★★★★ |
トレーニングが好き | ★★★★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★★★★★ |
「ミニチュア・シュナウザー」の特徴
明るい性格の反面、勇敢な番犬気質で吠えやすい性質があるため、吠えをコントロール出来るようなしつけが重要です。
毎日のブラッシングと共に、汚れやすい口ひげをこまめに拭いて清潔に保ちましょう。
遊び好きな性格なので、お散歩だけでなく、おもちゃ遊びやゲームなどでストレスを発散させて下さい。
第4位「フワフワの毛並みが愛らしい犬」
第4位は、ぬいぐるみのようにフワフワな毛が可愛らしい「ポメラニアン」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★★ |
お手入れの頻度 | ★★★ |
番犬度 | ★★★★ |
トレーニングが好き | ★★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★★★★ |
「ポメラニアン」の特徴
飼い主に忠実で明るい性格ですが、警戒したり興奮したりすると吠えやすい傾向があります。
涙やけができやすい犬種なので、目の周りのこまめなケアが必要です。
運動量はそれほど多く必要ではありませんが、好奇心が旺盛なので一緒にお出かけを楽しめるでしょう。
第3位「短い脚で一生懸命遊ぶ犬」
第3位は、短い脚がユーモラスで可愛い「ダックスフンド」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★★ |
抜け毛の量 | ★★ |
お手入れの頻度 | ★★ |
番犬度 | ★★★★ |
トレーニングが好き | ★★★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★★★★★ |
「ダックスフンド」の特徴
飼い主に対しては甘えん坊ですが、音などの刺激に警戒して吠えやすいため、しっかりとしつけをしましょう。
被毛のタイプは「ロングヘアード」、「スムースヘアード」、「ワイアーヘアード」の3種類があるので、それぞれに合ったケアが必要です。
椎間板ヘルニアになりやすい犬種のため、「滑りにくい床材にする」、「段差に注意する」など、足腰に負担がかからないよう対策をしましょう。
第2位「小さな体でうるんだ瞳の犬」
第2位は、世界最小の体にウルウルの目がキュートな「チワワ」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★★ |
お手入れの頻度 | ★ |
番犬度 | ★★★★ |
トレーニングが好き | ★★★ |
運動量 | ★★★★ |
吠える頻度 | ★★★★★ |
「チワワ」の特徴
小さな体ですが、勇敢で負けん気の強い面があり、甘やかしているとワガママになりがちな傾向があります。
膝蓋⾻脱⾅などの関節トラブルを起こしやすい犬種ですので、床材や段差に注意をしましょう。
運動量は多く必要ではありませんが、気分転換や社会化トレーニングを兼ねて、軽い散歩をおすすめします。
第1位「キュートな容姿で賢さもある犬」
第1位は、フワフワの巻き毛で、ぬいぐるみのような愛らしさを持つ「プードル」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★ |
お手入れの頻度 | ★★★★ |
番犬度 | ★★★ |
トレーニングが好き | ★★★★★ |
運動量 | ★★★★ |
吠える頻度 | ★★★★ |
「プードル」の特徴
見た目の可愛らしさはもちろんですが、体臭や抜け毛の少なさなど、飼いやすい面も人気ナンバーワンの理由です。
抜け毛は少ないため手がかかりませんが、毛が絡むためブラッシングは必要で、被毛はかなり伸びるため定期的なトリミングも必要です。
活発で遊び好き、利口な犬種なので、一緒に遊んだり、スポーツをしたりするアクティブな人に向いています。
まとめ
今回は、2022年の人気犬種ランキングと犬種別の特徴をご紹介しました。
実は「プードル」、「チワワ」、「ダックスフンド」は10年以上、順位も変わらずトップ3を独占し続けており、根強い人気を感じさせられます。
犬種別の特徴もわかりやすくスコアで表していますので、犬種選びや飼い方の参考にして下さいね。
- ランキング6~10位はこちら
- 人気犬種ランキング第6位~10位を発表!特徴や飼い方を解説
人気犬種ランキング第6位~10位を発表!特徴や飼い方を解説
2022年に人気だった犬種のランキングの第6位~10位までを、飼い方の指標をわかりやすくスコアにした表と共に発表します。
これから犬を飼うことを検討されている方は犬種選びに、すでに犬を飼っている方は飼い方の参考にしてみて下さい。
ただし、犬の性格や飼われている環境、年齢や健康状態などで違いが出てくることも大いにありますので、全ての犬がこの評価に当てはまるわけではありません。あくまでも傾向としてご覧下さい。
- ランキング参考:2022年犬種別犬籍登録頭数 |ジャパンケネルクラブ
- スコア参考:Dog Breeds – American Kennel Club
第10位「鼻ぺちゃで大きな目が可愛い犬」
第10位は気品あふれる毛並みにクリクリの瞳が特徴的な「シー・ズー」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★★★ |
抜け毛の量 | ★ |
お手入れの頻度 | ★★★★ |
番犬度 | ★★★ |
トレーニングが好き | ★★★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★★★ |
「シー・ズー」の特徴
家族に対して愛情深い面があるため、愛犬とスキンシップを取りたい方に向いています。
抜け毛は比較的少ない犬種ですが、毛が絡まりやすく毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングと定期的なトリミングが必要です。運動量は多くは必要ありませんが、脚の筋力の維持やストレス発散のため、適度な散歩や運動をさせましょう。
第9位「お散歩を嫌がる姿が人気の犬」
第9位は「柴」です。SNSではお散歩を嫌がる「拒否柴」の写真や動画が人気です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★★★ |
お手入れの頻度 | ★★ |
番犬度 | ★★★★★ |
トレーニングが好き | ★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★★★ |
「柴」の特徴
人とべったり一緒にいるというよりは、ある程度のパーソナルスペースや一人でいる時間を必要とする傾向があります。
換毛期は抜け毛がかなり多く出ますが、お手入れを嫌がる子が多い犬種でもあるので、小さな頃から慣らしていく必要があります。
第8位「『動く宝石』とも呼ばれる犬」
第8位は世界的に人気が高い「ヨークシャー・テリア」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★ |
お手入れの頻度 | ★★★★★ |
番犬度 | ★★★★★ |
トレーニングが好き | ★★★★ |
運動量 | ★★★★ |
吠える頻度 | ★★★★ |
「ヨークシャー・テリア」の特徴
活発で強いテリトリー意識を示す傾向があるため、吠えグセがつきやすい点に注意が必要です。
美しい被毛を保つために、毎日のブラッシングや定期的なトリミングは欠かせません。小さな体ですが活発なため、お散歩や家の中の遊びでストレスを発散させてあげましょう。
第7位「ヨーロッパ貴族の抱き犬」
第7位は古くからヨーロッパの貴婦人たちの抱き犬として愛されてきた「マルチーズ」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★ |
抜け毛の量 | ★ |
お手入れの頻度 | ★★★★ |
番犬度 | ★★★★ |
トレーニングが好き | ★★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★★★ |
「マルチーズ」の特徴
飼い主に甘えたい性格の子が多いため、愛犬とスキンシップを取りたい方に向いていますが、一人で過ごせるようにしつけることも重要です。
美しい純白の被毛を保つため、毎日のブラッシングや定期的なシャンプー、トリミングが必要になります。
第6位「ブサカワで人気の犬」
第6位は甘えん坊で愛嬌のある顔が魅力の「フレンチ・ブルドッグ」です。
項目 | スコア |
---|---|
子供に優しい | ★★★★★ |
他の犬と仲良く出来る | ★★★★ |
抜け毛の量 | ★★★ |
お手入れの頻度 | ★ |
番犬度 | ★★★ |
トレーニングが好き | ★★★★ |
運動量 | ★★★ |
吠える頻度 | ★ |
「フレンチ・ブルドッグ」の特徴
興奮しやすかったり、留守番が苦手だったりする子が多いので、その子に合ったトレーニングが必要です。
全身のお手入れには手間はかかりませんが、鼻の上のしわに汚れが溜まりやすいので常に清潔にしてあげて下さい。
甘えん坊で遊び好きなため、散歩やおもちゃ遊びで十分スキンシップを取ってあげましょう。
まとめ
根強い人気の犬種たちが昨年のデータでもランクインしています。この5種類の犬たちは、ここ10年間、順位の上下はあるものの、常にランキング10位以内に入り続けている人気の犬種です。
もちろん見た目の好みもありますが、人気犬種になる理由もそれぞれの犬種にあると思います。犬とどういった生活がしたいかをイメージして、犬種選びに活かしていただければ幸いです。
- ランキングTop5はこちら
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【ギネス世界記録】驚きの記録や特技を持つ猫たち
数多くの世界記録で注目されるギネス・ワールド・レコーズ。記録の数はなんと4万件以上にのぼりますが、その中には猫の記録も数多く存在します。
今回は、そんなギネス世界記録から、驚くような記録を持つ猫たちをご紹介していきます。
人間でいうと○○○歳「最も長生きした猫」
ギネス世界記録に登録されている最長寿の猫は「クリームパフ」という名前のメス猫で、なんと38歳まで生きました。猫の平均寿命は15歳前後とされているので、2倍以上のご長寿です。
日本でもまれに20歳まで生きた猫の話を耳にしますが、猫の20歳を人間に換算すると100歳くらいだと言われています。そして、クリームパフの38歳という年齢は、人間にすると約170歳。驚きの記録ですね。
そして、もう一つ驚きなのが、クリームパフの飼い主のジェイク・ペリーさんは「グランパ・レックス・アレン」という名前のスフィンクスという種類の猫も飼っていました。グランパ・レックス・アレンもクリームパフと同時期に飼われていて、なんと34歳まで長生きをしたのだそうです。
さぞかし厳格な食事管理をしていたのではと想像してしまいますが、意外にも猫の体にあまり良いとされない食べ物も与えていたのだとか。残念ながら、2頭の長寿猫と食べ物の因果関係はわかっていませんが、ジェイクさんにしかわからない秘訣があったのかもしれません。
野球のバッド並の長さ「体が長い猫」
2018年時点で、世界一体が長い猫はイタリアに住むメインクーンの「バリベル」で、長さはなんと120cmもあります。
120cmは野球のバッドより長く、小学1年生の平均的な身長と同じくらいだと考えると、いかにバリベルが大きいかを感じることができますね。
バリベルの大きさがわかる動画がこちら。
バリベルはバギーに乗って散歩することを好んでいますが、通りすがる多くの人がバリベルの巨大さに驚き、写真を取りたがるそうです。
また、バリベルはインスタグラムでも人気者ですが、あまりの大きさから、写真の投稿をすると画像の加工をしているのではと疑われてしまうとのこと。
そんなバリベルですが、大きな体とは裏腹に、とても静かで内向的な性格をしています。好物のマグロやチキンを食べながら、家族に愛されて暮らしているそうです。
歴代の世界記録保持者もメインクーン
バリベルの前にこの記録のタイトルを持っていた「ルド」は、イングランドのヨークシャーに住むメインクーンです。
さらにその前にタイトルを持っていた猫も同じくメインクーンで、アメリカのネバダ州に住む「スチューウィ」。スチューウィはセラピーキャットとして認定され、地元の学校や病院で多くの人と触れ合い、癒やしていました。
猫の芸達者「数多くのトリック(芸)をこなす猫」
オーストリアに住む8歳の猫の「アレクシス」は1分間に26ものトリックを行い、「猫が1分間のうちにできる芸の最多数」の記録を更新しました。
猫に芸を教えるのはあまり一般的ではありませんが、飼い主のアニカさんは、報酬を得ることで特定の行動が増える「正の強化」という方法や、指で押すと独特のカチッという音がする道具を用いて行う「クリッカートレーニング」などで、アレクシスに様々なトリックを教えたそうです。
アレクシスがトリックを披露している様子がこちら。
飼い主のアニカさんは、アレクシスと暮らす中で、アレクシスが指示に従うのが非常に得意であることに気づいたそうです。
また、人々の猫に対する見方を変えたいと思い、この記録にチャレンジすることにしました。猫は知的な生物であり、ポジティブなトレーニングをすることでトリックや、より多くのことを学び、習得できるということを証明したいのだそうです。
そして、猫のしつけは問題行動を防ぎ、猫と人との豊かな生活を与えてくれると語っています。
波乱万丈でも長生き「存命中の最高齢の猫」
2022年時点で存命中最高齢の猫は、イギリスに住む26歳の「フロッシー」。人間の年齢に換算すると、およそ120歳に相当します。高齢のため目や耳は不自由ですが、それ以外はとても元気で、食欲旺盛で新しい環境にもすぐ慣れることができるそうです。
健康に長生きしていることから、幸せな環境で暮らしてきたのかと思われがちですが、フロッシーは飼い主のビッキーさんに出会うまで、とても困難な状況で暮らしてきました。
病院の近くに住む野良猫として生まれ、不憫に思った病院の職員に引き取られますが、その方はそれから10年後に亡くなってしまいます。その後、新しい飼い主に恵まれますが、二人目の飼い主もその14年後に亡くなってしまいました。
それから、紆余曲折あり飼い主を失ったフロッシーはすでに高齢になっていたため、飼い主が見つからず、保護猫施設で生涯を終えるところをビッキーさんと出会ったのです。
ビッキーさんは、まさかフロッシーがギネス世界記録保持者になるとは思っていませんでしたが、フロッシーの辿ってきた運命を知って、多くの人がシニア猫を受け入れるきっかけになって欲しいと語っています。
まとめ
今回は、様々な猫のギネス世界記録をご紹介しました。
最近では、猫で最も多いとされる腎臓病の治療薬が完成間近だと言われており、猫たちが30歳まで生きるのが当たり前の時代がやって来るかもしれません。
猫を飼われている方は、ぜひギネス世界記録を目指して、猫との末永く幸せな日々を過ごしてくださいね。
愛犬をお迎えしたら早めに慣れておきたいこと5選
犬の飼い主さんからよく聞くお悩みには、吠え、噛み、トイレの失敗、ブラッシングや爪切りなどのお手入れが苦手、ドライヤーができないなどがあります。これらの原因の多くは、人との生活に愛犬が慣れていないことが大きく影響しています。
人からすると当たり前のことも、犬からすると知らない、聞いたことがない、経験したことがないものだらけです。
今回は、できるだけお互いのストレスを減らして豊かな日々を過ごすためにも、愛犬を迎えたら優先的にやっておきたい慣れを5つ紹介します。
犬からしたら異文化だらけの生活
犬をお迎えしたら、まずは首輪やハーネス、リード、ハウス、トイレなどを用意する方が多いと思います。これらは人からしたら犬を迎えたら購入する当たり前のものですが、犬からするとどうでしょうか。
人にとっては当たり前のモノや音、生活のルールも、犬からしたらその多くが理解できないことだらけの異文化です。もし、人がいきなり野生の猿の群れで生活することになったら、言葉もルールも何もかもがわからず混乱するはずです。犬たちもそれに少し近い状態から人との生活がスタートしているかもしれません。
愛犬との日々がスタートしてトレーニングがうまくいかない時も、叱ったり愛犬をダメ犬扱いするのではなく、愛犬の目線になってじっくりと正しい方法でトレーニングや慣れを進めていきましょう。
慣れ①人
人も犬も安全で快適に楽しく暮らすためには、多くの「慣れ」が必要です。慣れには、物慣れ、音慣れ、人慣れ、場所慣れ、お手入れ慣れなど様々なものがありますが、ここからは優先的に行っていきたい慣れを紹介します。
単に「人」といっても、老若男女、背の高い人、低い人、走っている人、歩いている人、傘をさしている人、ヘルメットをかぶった工事現場の人、サングラスをかけている人、帽子を被っている人など様々です。
愛犬が人に慣れるためにも、いろいろな人たちと良い関わりを持って、良いイメージをもってもらいましょう。おやつを怖がらない範囲でもらうのもいいですし、愛犬が嫌がらずに喜ぶようなスキンシップを取ってもらうのもいいです。おもちゃ遊びもおすすめです。
慣れ②お手入れ
爪切り、肛門腺しぼり、お風呂、足ふき、ブラッシング、歯磨きなどお手入れもたくさんの種類があり、その多くが犬たちにとっては慣れないものばかりです。
「トリミングサロンや動物病院にお願いするから大丈夫」と考えるのではなく、自宅で慣れておくことで、実際にトリミングする際に受けるストレスを軽減できます。
慣れの方法は内容によって細かい部分は異なりますが、いずれにしても、いきなりやるのではなく、使う道具やお手入れする箇所を触られること、道具の音などに徐々に慣れてもらうことが重要です。
慣れ③インターホンの音
頻繁に聞くことになるインターホンの音は、お悩みに多い来客吠えにも関係するため早めに慣れを進めましょう。
同居人がいる場合には一人がインターホンを鳴らし、もう一人が音が鳴る前から鳴り終わるまでおやつをあげたり遊んであげましょう。同居人がいない場合は、YouTubeで「インターホン 音」で検索し、ご自宅のインターホンと同じ音のものを流して慣れを行うこともできます。
また、音に慣れたらインターホンの音が鳴った後に飼い主さんが応対する、玄関の鍵が開く、玄関の扉が開く、人が入ってくるという来客時の一連の流れにも慣れると、来客吠えになりにくくなります。
慣れ④雷・花火の音
突然大きな音が鳴る雷や花火の音も、早めに慣れておきたいもののひとつです。慣れていないとパニックで逃げ出して迷子になってしまったり、トラウマになって雷や花火の音を聞くたびに大きなストレスが愛犬にかかることもあります。
しかし、夏に多いこの二つの音を実際に鳴るまで待っていては慣れは進みません。YouTubeで「雷 音」「花火 音」などと検索し、小さい音から慣れていきましょう。
慣れの方法
ドライヤーを例に慣れの方法を紹介します。
1. ドライヤーそのものに慣れる
床に置いたドライヤーの近くにおやつを複数置き、そのおやつを食べてもらいましょう。
近付いてにおいをかぐ、脚で触れる、跨ぐなどドライヤーがあっても気にしない、怖がらない状態になったらOK。
2. ドライヤーを動かす
人がドライヤーを持って、ゆっくりと上下左右に少し動かしながらおやつをあげましょう。この段階ではドライヤーの電源はOFFのままです。
ドライヤーが愛犬よりも高い位置で動くと怖かったり興奮することもありますが、そうならないレベルを見つけて行います。少しずつドライヤーの動きを実際に使用する際の動きに近づけていき、愛犬がドライヤーを怖がったりせず気にしないようになるまで練習を繰り返します。
3. ドライヤーの音慣れ
愛犬から少し離れた場所でドライヤーの音を2、3秒鳴らします。この際、ドライヤーの音が鳴る前から鳴り終わるまで愛犬にはおやつをあげ続けます。繰り返し行い、継続的に愛犬の側でドライヤーの音が鳴っていても気にしない、怖がらない状態になったらOK。
4. ドライヤーの風に慣れる
愛犬に風が当たる少し離れた場所でドライヤーの電源をONにし、はじめは2、3秒風を当てます。この間愛犬にはおやつをあげ続けます。繰り返し行い、継続的に愛犬の側でドライヤーの風が当たっても気にしない、怖がらない状態になったらOK。
5. カラダを触られることに慣れる
カラダを乾かす際、愛犬があらゆる場所を触られても大丈夫なように慣れる必要があります。
初めはおやつをあげながらカラダを触り、慣れてきたら触った後におやつをあげます。繰り返し行い、数秒間連続でカラダを触っても避けるなど嫌がる様子がなければOK。
この練習はドライヤーに関わらず、やっておきたい項目です!
6. 落ち着いてドライヤーができる
ドライヤーそのもの、音、風に慣れたら、ふせやおすわりなどその場に留まった状態でもドライヤーができるのが理想的です。こちらはふせやおすわりをキープする練習も別途必要になりますが、ドライヤーを使っても数秒でも留まれていたらおやつをあげて、少しずつキープできるといいでしょう。
「慣れ」の注意点
慣れを行う上で注意点があります。
①無理に行わない
愛犬が怖がったり嫌がる様子があれば、もっと優しいレベルで慣れを行います。怖がっているのに無理矢理継続するとトラウマになる可能性もあります。
②報酬はしっかりあげる
おやつやフードをあげないと、慣れが進みにくくなります。おやつやフードをあげることが気になる場合には、通常のごはんの半分程を慣れのトレーニング用に使うのもいいでしょう。
③繰り返し行う
数回やっただけで慣れるのは難しいです。同じレベルでの慣れを何度も繰り返し、少しずつレベルを上げて徐々に慣れてもらいましょう。
まとめ
人と生活する上で、犬には人の生活に慣れてもらう必要がありますが、慣れないと飼い主さんの悩みになったり、犬にも多くのストレスがかかってしまいます。
慣れに時間がかかるのは当然ですので、焦りすぎずに愛犬の様子をしっかり見ながら慣れを進めていきましょう。
今回紹介したのはほんの一部です。首輪、リード、抱っこ、クレート、外、車の音、犬の吠え声、他の犬、クレートなど、様々なものにおやつや遊びを使って良いイメージを付けながら慣れを行うことをおすすめします。
【ギネス世界記録】いろんな特技をもった芸達者な犬たち
ギネスブックで知られるギネス・ワールド・レコーズには、なんと4万件以上の記録が登録されています。しかしながら、全ての記録が書籍に載ったり、ギネスのwebサイトに記載されたりするわけではありません。
それらの記録の中には犬に関するものもたくさんあり、非常にユニークで興味深いものもあります。今回は、そんなギネス世界記録を持つ犬たちをご紹介していきます。
欲張りなボール好き「たくさんのボールを咥える犬」
アメリカ・ニューヨーク州に暮らすゴールデンレトリバーの「フィンリー」は一度に6つのボールを咥え、ギネス世界記録の「犬がくわえたテニスボールの最多数」に認定されました。
元々遊ぶことが大好きで活発なフィンリーが、ボールをたくさん咥えるようになったのは2歳の頃から。
お父さんがテニスボールを投げると、フィンリーはキャッチしてそれを一度地面に落とし、ボールがもう1つ投げられるのを待ちます。投げられたボールを一気に咥えて持って帰るうちに6つものボールを一度に咥えられるようになりました。
練習して習得したわけではなく、遊んでいるうちに自然とギネス世界記録を更新できる程の特技になったそうです。
見ているだけで爽快「風船早割り記録」
ギネス世界記録には以前から「犬が100個の風船を割る最速時間」という項目がありました。
多くの犬たちが挑戦し、記録を更新していきましたが、2017年にカナダに住むウィペットの「トビー」は28.22秒でこの競技の新記録を更新しました。
トビーが風船割りを始めたのは、飼い主との散歩中にたまたま通りがかったフェンスに風船が挟まっていて、それを回収するためトビーに割ってもらったのがきっかけでした。あっという間に割ってしまったトビーを見て、飼い主はギネスに犬の風船割りの記録があるのを思い出したそうです。
トビーにピッタリの競技だと思い、それからギネスの記録にチャレンジしていくわけですが、たまに公式挑戦と同様の練習をするだけで、ほとんどはいつもの遊びの中で風船割りをしていました。
ただ、記録を達成するのは簡単ではなく、トビーの才能と飼い主の多大な努力の賜物だったそう。その分得られるものも多い貴重な功績だと飼い主は語っています。
みんなで息ピッタリ「一列で行進する犬たち」
ドイツ在住の当時12歳の少女、アレクサさんが8頭の犬と共に「最も多くの犬によるコンガライン」を達成しました。
「コンガライン」とは犬が前の犬に両前足をかけて列を作り一列に行進するもので、記録としては先頭の犬が最低5メートルの距離を歩くというもの。
ドッグトレーナーの父を持つアレクサさんは、父の影響を受け、若干5歳で犬のトレーニングを初めたそうです。毎日時間が許す限り犬たちと共に過ごし、トレーニングに励んでいるとのこと。
その努力が実り、この「コンガライン」の記録だけではなく、「犬が5つのハードルを後ろ足で飛び越えた最速記録」と「犬による後ろ歩き5メートル走の最速記録」を達成していて、3つの世界記録保持者でもあります。
アレクサさんは成功の秘訣について、「犬たちをよく知り、そして犬が得意なことを見つけだすこと」と語っており、将来は犬を訓練する学校の設立を目指しているそうです。
まさに芸達者「数多くのトリック(技)をこなす犬」
カナダ生まれのボーダーコリーの「ヒーロー」は、400以上の技を持つ芸達者犬。
そんなヒーローがギネス世界記録の「1頭の犬が1分間のうちにできる芸の最多数」に挑戦すると、なんと以前の記録を17も上回った49もの芸を披露し、大記録を打ち立てました。
パートナーはドッグトレーナーでもあるサラ・カーソンさん。ヒーローと共に彼がまだ生後4ヶ月の頃から練習を積み重ねてきたそうです。
息が合った素早い動きには互いの信頼感を感じますし、何よりヒーローが楽しそうに取り組んでいるのが印象的です。
世界一の芸のレパートリーを持つ犬
現在は先程のヒーローがタイトルを持つ「1頭の犬が1分間のうちにできる芸の最多数」という記録名の種目ですが、かつては時間の制限がなく、できる芸の数で記録されていました。
1999年、カナダのオンタリオ州に住むトイプードルの「シャンダリア」は469もの芸のレパートリーがあったそうです。
ピアノを弾く、絵を描く、スケートボードに乗るなど様々な芸ができ、さらには芸が終わった後、使ったおもちゃの片付けまでこなしていたそう。
物覚えが良く、トレーニングを前向きに行える犬でないと、ここまでの記録は出せないと言えますね。
三つの世界記録を持つ、日本の有名犬
日本でギネス世界記録を持っている犬の中でも、特に有名なのがビーグルの「プリン」です。テレビ出演やSNSでご存じの方も多いのではないでしょうか。
プリンは、なんと3つのギネス世界記録を持っています。
世界記録①1分間に犬と人が1本の縄跳びで跳ぶ最大回数
プリンが飼い主の熊谷さんと一緒に縄跳びをした記録です。2016年5月に51回に及ぶジャンプに成功し、記録認定されています。
そこから数か月間さらなる練習を重ねて、58回ジャンプすることに成功し、自らギネス世界記録を更新することになりました。
世界記録②1分間に犬が足でボールをキャッチした最多回数
サッカーのゴールのようなセットの中で、プリンがゴールキーパーとなり、飼い主が投げたミニサッカーボールを14個キャッチしました。
世界記録③ボールに乗った犬が10メートル進む最速記録
ボールに乗ったまま前に進み、10メートルを10.39秒という速さで駆け抜けるという記録を打ち立てました。
まとめ
2項目でご紹介した「風船早割り」の特技を持つトビーの飼い主は、「このような芸はその犬に合っていて、犬自身が楽しんでやれるものをやらせてあげるべき」と語っています。同様に今回ご紹介した犬たちは、飼い主と共に楽しんで記録にチャレンジしているように見えたのではないでしょうか。
人間と同様に犬の才能も様々ですので、ぜひご自身の愛犬の特技を見つけてあげてください。もしかしたらギネス世界記録保持犬になれるかもしれません。
ただ、ギネス世界記録は難しくても、多くの犬は「世界一、私(飼い主)や家族を愛する犬」のタイトルを持っていると言えるかもしれませんね。
【犬の保育園】子犬のうちに!行かないと起こりうる5つのリスク
最近ようやく認知度が上がってきている犬の保育園や幼稚園ですが、決して悩みがある子だけが行く場所ではありません。「愛犬には悩みはないから大丈夫」と思っていても、犬の保育園や幼稚園に行かなかったことで悩みが出てくる可能性もあります。
そこで、今回は犬の保育園に行かないことで起こりうるリスクやお悩みになりやすい行動について具体的に紹介します。
犬の保育園とは
犬の保育園とは、家庭で飼われている愛犬を日中のみ預かり、トレーニングや登園している犬たちと遊んだりする場所です。場所によって細かい点は異なりますが、多くの犬の保育園ではトレーニングとエネルギーの発散が行われます。
また、「犬の幼稚園」もあります。お店によっては、保育園と幼稚園とで明確な違いを謳っているところもありますが、基本的には大きな違いはないと考えて良いと思います。お店によってはトレーニングはなく預かりのみの所もあるようですので、気になる保育園や幼稚園の具体的なサービス内容は事前に確認が必要です。
子犬のうちに保育園へ行かないことで起こりうる5つのリスク
保育園はうちの子には関係ないと思っている方もまだまだ多いと思います。特に子犬をお迎えした場合、小さなお悩みはあっても深刻なお悩みが迎えてすぐの段階であるのは稀でしょう。
しかし、お悩みがないから保育園に通わないのではなく、お悩みが出ないようにするために保育園に通っていただきたいとドッグトレーナーとして強く思います。具体的に子犬のうちに保育園に通わないことで起こり得るリスクを見ていきます。
リスク①社会化不足
保育園は良質な社会化に最適な場所です。社会化に最も適した時期である社会化期は個体差はあるものの、生後3週から12週目と言われています。この時期の半分以上はご自宅にお迎えする前であることがほとんどですので、飼い主が社会化期に社会化できる期間は一瞬です。
さらに、ご自宅でできる社会化の量や質はどうしても限られ、警戒心が上がり社会化不足が原因のひとつとなって様々なお悩みを抱えることが多いのが現状です。また、社会化はただ様々なことを経験すれば良いわけではなく、その子にあったレベルで徐々に行うことも非常に大切です。
その点で、犬の保育園はプロのドッグトレーナーが愛犬の性格や得意不得意を把握したうえで、質の良い社会化を実施します。また、周りには登園している犬たちもいるため、安全な環境で犬に慣れる意味でも有益な場所ではないでしょうか。
社会化不足が原因でよく聞くお悩み
- 散歩中、在宅中に通行人への吠え、怯え
- 他の犬への吠え、怯え
- 音への過剰な反応
- 散歩時の引っ張り
- 散歩時に歩かない
- ブラッシングなど家でのお手入れが苦手
- トリミングが苦手
※社会化以外の原因が含まれることもあります
リスク②エネルギー発散不足
子犬も人が思う以上に体力があります。特にワクチンが終わるまで散歩をしない方もまだ多いと思いますので、その場合は特に発散が不十分であることが多いです。子犬は睡眠時間が成犬よりも長めではありますが、月齢を追うごとに体力も付いてきます。その時に発散がしっかりできていないことで、人としては困る行動が出やすくなります。
発散不足が原因でよく聞くお悩み
- 甘噛み
- ハウスでの吠え
- 夜中や朝方に吠える
- 家具などを噛む
- 食糞
※発散不足以外の原因が含まれることもあります
これらの行動は、発散する方法を子犬自らが考えた結果であったり、発散できずにストレスが溜まった結果として出る行動が多いです。
一方、保育園に通っている子は、保育園後はぐっすり寝るという話は飼い主からよく聞きます。保育園はトレーニング、人との遊び、犬同士の遊びを通して多くの発散ができます。また、ご自宅ではない場所に身を置くことによる刺激もあり、良い疲れが良い睡眠を促し、結果としてお悩み軽減に繋がると考えられます。
リスク③自信不足
人と同じで犬も様々な成功体験を通じて自信を付けることが大切です。これは社会化に通じる部分もありますが、家でルーティン化した日々やお留守番が多い生活をしていると、普段と違う局面になった時に対応ができず怖くて逃げる、吠える、身を守るために攻撃行動に出るといった行動を取りやすくなります。
保育園はご家庭ではできない多くのことを経験し、成功体験を通じて自信を付ける機会に多く触れることができます。自信が付くと、初めての局面でも落ち着いていられたり、極度に怖がらずに対応することができます。
リスク④飼い主と離れられない
昨今、在宅勤務が増えたことで留守番の機会が減ってうれしい反面、飼い主と離れられず、飼い主の姿が少し見えないと鳴く、眠れない、夜鳴きする、お留守番ができないといったお悩みも増えているようです。ご自宅や飼い主の存在が安心に繋がるのはとてもいいことですが、飼い主と数時間離れていても落ち着いていられるようにすることも大切です。
保育園では、飼い主がいない場でトレーナーや他の犬たちと楽しい経験をします。さらに、お昼寝の時間があることもあり、ご自宅以外でもリラックスして寝る練習や経験ができ、飼い主がいなくても寝られるという自信を付ける効果もあるでしょう。
リスク⑤トレーニング不足
トレーニング不足は室内やお散歩時のお悩みに繋がるのはもちろんですが、飼い主との関係性の欠如にも繋がると考えています。褒めて行うトレーニングは、愛犬とポジティブなコミュニケーションを取る手段のひとつです。ただし、トレーニング方法を誤ると逆効果になってしまいます。
その点、保育園ではトレーニング方法を飼い主に細かく教えているところもあり、ご自宅でもトレーナーと同じ方法で飼い主と愛犬がトレーニングできます。様々なことに対応できるようになることはもちろん、飼い主と愛犬の関係性もより良いものになるでしょう。
まとめ
リスクというやや強い表現での紹介をしてきましたが、そのくらい犬の保育園は一日も早く生後5か月までに利用していただきたい場所です。
犬の保育園は、健康な社会化期まっさかりの子犬にとってはメリットだらけです。先に紹介したリスク5点を緩和できる場所と考えていただいてもいいでしょう。また、ご自宅以外にも愛犬が楽しく安心して過ごせる場所を作る意味でも有益だと思います。
まずは、犬の保育園はお悩みが出る前から行く場所、お悩みが出るのを遅らせる場所という認識に変わると、トレーナーとしてうれしいです。
【研究紹介】犬は人や他の犬の行動を模倣できるのか
人は他の人や動物など何かの真似をして行動をすることができます。一昔前には先輩を見て学べといった風習があったり、小さい子が親の真似をして電話をかける仕草をするなど、人が人の行動を真似てその行動をするというのは珍しいことではないでしょう。
実は、犬も人や他の犬の行動を見てその行動を真似ることができると言われています。今回は、ちょっと信じがたい気もするこの話について、研究の結果を交えて紹介します。
犬は行動を真似できる
結論から言うと、犬は他者の行動を観察してその行動を真似ることができるとされています。
これは社会的学習(Social learning)といい、これまで多くの研究が行われてきました。それらの結果、犬だけでなく、チンパンジーやサル、タコも他者の行動を真似ることができることがわかっています。
実験で証明された模倣
これまで行われてきた動物の模倣に関する研究の中から、今回は犬の模倣に関する実験を1つ紹介します。
生後8週目子犬の社会的学習に関する実験
フードを隠したパズルボックスからフードを取り出すという課題に対し、
- お手本が課題に取り組む様子を見た後に、子犬も同様の課題を行った際に各条件どのような差があるか
- 得た情報を記憶し保持する能力があるか
を確認する実験が行われました。
画像:Social learning from conspecifics and humans in dog puppiesより
4つの条件
生後8週目の子犬41頭を、以下の4条件にランダムに分けました。
- 条件①お手本となる行動を見ずに課題に取り組む
- 条件②お手本である母犬が課題に取り組んでいる様子を2回見る
- 条件③お手本である馴染みのない犬が課題に取り組んでいる様子を2回見る
- 条件④お手本である人間が課題に取り組んでいる様子を2回見る
実験結果と考察
- お手本を見たグループで、解決時間が早かったのは④人間、③馴染みのない犬、②母犬の順であった。
- ①お手本を見なかったグループより④人間、③馴染みのない犬をお手本としたグループの方が統計的に解決時間が早かった。
- お手本を見たグループで、お手本の動きを見ていた時間は、②母犬よりも、③馴染みのない犬と④人間のグループの方が約15秒長かった。
- 課題に取り組んでから一時間後に再び挑戦したところ、一時間前の行動が記憶されており、課題をクリアできた。
これらの結果から、子犬は8週目の時点で人間や犬の行動を見て真似る、社会的学習ができる可能性があることが明らかにされました。また、母犬といった普段生活をしている対象よりも、馴染みのない対象の方が子犬の集中力を高め、観察学習にも良い影響を及ぼす可能性を示しています。
参考文献:Social learning from conspecifics and humans in dog puppies
愛犬も飼い主の行動を真似できるか?
イタリアのドッグトレーナー、Claudia Fugazza(クラウディア・フガッツァ)が提唱した「Do as I do! (私がやるようにやってみて!)」は、飼い主(人)の行動を犬に真似をしてもらうトレーニング方法です。
大まかなトレーニング方法は、犬にマテをしてもらい、その場で飼い主に注目をしてもらいます。そして、飼い主が行動を実際にやった後に「Do it!」などの合図を出し、犬が飼い主が行った行動を真似て行います。
もちろんすぐにで出来るものではなく、愛犬と飼い主の関係性の構築ができていることや、「Do it」の合図が行動を真似る意味であることを覚えてもらう必要もあります。練習を重ねて行動を真似ることができた際には、飼い主の愛犬に対する愛情がさらに増すでしょう。
模倣学習のメリット・デメリット
メリットが多いように感じる犬の模倣学習ですが、デメリットも考えられます。
メリットとしては、短い学習時間で行動が習得できる、罰子などの愛犬が嫌がることを使わずに行動を教えられる、食が報酬にならない犬でも行動が習得しやすいといったことが挙げられます。
一方のデメリットは、犬同士において吠えなど、人からすると真似てほしくない行動が学習される可能性があります。多頭飼いの場合、先住犬が吠えるタイミングで後住犬が吠えるようになったといった話はよく聞く話ではないでしょうか。
まとめ
犬同士が真似をするというのは、犬を見ているとなんとなく想像がつきますが、犬は人の行動を真似できるというのは驚きではないでしょうか。安易ではありますが、愛犬が自分の真似をしてくれたら面白いですし、かわいくて仕方ないですよね。
紹介した「Do as I do」は決して簡単にできるトレーニングではないかと思いますが、挑戦してみるのも楽しいのではないでしょうか。日本にも「Do as I Do」トレーニング公認のドッグトレーナーもいるようです。
愛犬とのトレーニングに刺激が欲しい時には、こういった新たなものに挑戦してみてはいかがでしょうか。
毎日やりたい「ノーズワーク」の効果と自宅で行える簡単な方法とは
「ノーズワーク」はここ数年日本でも流行り始め、実際に愛犬とやったことがある方や、気になっている方も多いのではないでしょうか。このノーズワークは手軽にできることに加え、犬にとって様々な良い効果があると言われています。
そこで今回は、ノーズワークによって得られる効果や、ご自宅でのやり方などをご紹介します。
ノーズワークとは
ノーズワークとは、鼻を使って決められたニオイやおやつを見つける仕事や遊びのことです。優れた嗅覚を使ってターゲットとなるニオイを見つける探知犬や救助犬などをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
愛犬の鼻がスンスン鳴っているのを聞いたことがあるかと思いますが、これはニオイを嗅ぎ分けている時に聞こえる音であり鼻を使っているサインです。
犬は嗅覚が優れていますが、意外と普段の生活では嗅覚は使わずに視覚をメインに使っていることが多いようです。その点、ノーズワークは嗅覚をしっかりと使うことができ、多くの良い効果を犬にもたらしてくれます。
ノーズワークの効果
ノーズワークは年齢や犬種に関わらず多くの犬ができ、自宅で手軽に行うことが可能です。そして、身体的にも精神的にもメリットがあり、シニアの子にも毎日一回は取り入れていただきたいワークのひとつでもあります。
それでは、具体的な効果をご紹介していきます。
①体力の消費
鼻で吸ってニオイを探すという行動は人が想像するよりも疲れます。試しに鼻で吸って吐いてを高速で繰り返してみてください。結構大変な動きではないでしょうか。犬はこれに加えニオイを嗅ぎ分けるため、かなりの体力が消費がされるでしょう。
②食べムラの改善
ごはんを変えても食欲が安定しない子も、ノーズワークで自分で食べ物を見つけて食べる行動を繰り返すことで、食べ物を得られる喜びを感じ、食欲が安定する可能性もあります。
③興奮の抑制
興奮をしていた犬がノーズワークをすることで、興奮が抑制される効果があるとも言われています。そのため、フリーで過ごして興奮した状態のままいきなりハウスに入ってもらうよりも、ハウスに入る前にノーズワークをすることでハウス内でも落ち着きやすくなるかもしれません。
④精神的充足
「どこにおやつがあるかな」という期待感や、見つけたときには達成感や充実感を味わうことができます。同時に、おやつなどのターゲットを見つけられたという自信にもつながります。
また、本来犬は獲物を自分で探して食べていましたが、多くの飼われている犬たちは食事を不自由なく与えられています。そのため、自分でエサ(おやつ)を見つけて食べるという本来の行動に近い形で食事をとれることは、良い刺激になります。
⑤脳の活性化
犬の脳は、嗅覚処理に使われる部分の割合が人間の40倍とも言われるほど、多くの割合を占めています。そのため、嗅覚を使うことで、脳の大部分が活性化されます。
この点からも、ノーズワークはシニア犬にもぜひ日常的に取り入れていただきたいワークと言えるでしょう。
⑥愛犬の新たな一面の発見
ノーズワークという新たなゲームを一緒に行うことで、飼い主も気付けていなかった愛犬の行動や変化が見られることもあります。それによって愛犬への愛情がさらに増すきっかけや、愛犬への接し方や過ごし方が変わるかもしれません。
ノーズワークに挑戦しよう
ノーズワークは競技として行われているものもありますが、手軽に自宅でも行うことができます。競技となると細かいルールややり方がありますが、まずはおやつを探して見つけることを楽しむことからはじめてみましょう。
空き箱でノーズワーク
空き箱や段ボールを使ってノーズワークをすることができます。以下の順序でやってみてください。
- 空き箱または段ボールを2つ~3つ用意する
- 愛犬にハウスやクレートで待機してもらい、空き箱内のわかりやすい場所におやつを4つほど置く
- 愛犬をフリーにして「探して」の合図を出す
- 特に声掛けはせずに、愛犬がおやつを見つけるのを待つ
- 2〜3分経過しても見つけられそうにない時は、おやつの方に飼い主が歩いて近づく
- 全て見つけられたら優しく褒めておやつをあげ、5分ほど休憩する
この流れを2、3回繰り返したものを1セットとして、日常的に取り入れてあげるのがおすすめです。
ノーズワークの注意点
ノーズワークをより効果的に行うためにも、以下の注意点を守りながら挑戦してみてください。
①教えない
愛犬がすぐに見つけられないと、つい「ここ!」と言葉や指差しで教えたくなってしまうかもしれません。しかし、嗅覚を使っておやつを探すことがノーズワークの目的です。愛犬を信じて、見つけるのを待ちましょう。
なかなか見つけられない時は前述のように、飼い主がおやつのそばに行き少しヒントをあげましょう。
②やりすぎない
愛犬が楽しそうにやってくれると何回もやってあげたくなってしまいますが、想像よりも鼻を使うと体力も使います。2、3回でいったん終了し、もっとやらせてあげたい場合には数時間後ほど間をあけて再度挑戦させてあげましょう。
③難しくしすぎない
愛犬が順調におやつを探せると、どんどん難しくしてしまいがちですが、見つけられないほど難易度をあげてしまうとノーズワークにならず達成感などの効果も得られなくなってしまいます。
愛犬が見つけられそうなレベルを見極め、難易度高めの場所や、確実に見つけられる場所などランダムにおやつを置くようにしましょう
④ノーズワーク中は静観
ヒントを出す時以外は人は動かず、声掛けもしないようにしましょう。ノーズワークはニオイを頼りにするため、風の流れも影響します。人がむやみやたらに動くと風の流れが変わり、ニオイをたどりにくくなってしまいます。
また、褒め言葉も含め声掛けなども刺激となって邪魔をしてしまう可能性もあります。ノーズワーク中の声掛けは我慢し、静観がベストでしょう。ノーズワークが終わったら、褒めたりスキンシップを取ってあげましょう。
まとめ
ノーズワークの効果や自宅での実践法をご理解いただけたでしょうか。多くの効果があり、パピーからシニアの子までどんな犬にも日常的に取り入れてもらいたいものです。
ノーズワークはエンリッチメントの観点からも、自分で食べ物を探して見つけて食べるという野生本来の行動に近いものとなり、愛犬のストレス度合を軽減させる効果もあるはずです。
体重の増加が気になる場合は、通常あげているごはんの一部を使っても大丈夫ですので、積極的に楽しく愛犬と取り組んでみてください。