日本では知られていない犬も!ヨーロッパ3カ国の人気犬種ランキング

日本は住宅事情や犬に対する考え方から、見た目が可愛らしい小型犬が非常に人気です。しかし、ヨーロッパの人気犬種ランキングを見てみると、日本とは全く異なる傾向があることに驚かされます。

そこで、今回は2022年の「イギリス」「フランス」「ドイツ」で人気のある犬種トップ10をご紹介します。これらは多くの犬種を輩出した歴史ある国々です。そんな国々ではどのような犬種が人気なのか、想像しながらご覧ください。

伝統的な犬種を愛する「イギリス」

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イギリスでは、人気のある犬種のほとんどが自国原産であり、イギリスの犬文化の歴史を感じさせられます。

犬種名 原産国
1 ラブラドール・レトリーバー イギリス
2 フレンチ・ブルドッグ フランス
3 イングリッシュ・コッカー・スパニエル イギリス
4 ダックスフンド ドイツ
5 ブルドッグ イギリス
6 ゴールデン・レトリーバー イギリス
7 イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル イギリス
8 ジャーマン・シェパード・ドッグ ドイツ
9 スタッフォードシャー・ブル・テリア イギリス
10 ミニチュア・シュナウザー ドイツ

参考:Top pedigree dogs of 2022
https://crufts.org.uk/blogs/top-pedigree-dogs-of-2022/

2015年頃から、世界的に短頭犬種の人気が高まっており、イギリスでもフレンチ・ブルドッグとブルドッグが人気の上位にランクインしています。
また、トップ10のうち6犬種が自国原産の犬種であり、レトリーバーやスパニエルなどの鳥猟犬はイギリスで伝統的に愛されてきた犬種です。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルとは

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7位にランクインしたイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、体高48cm~51cm、体重22kg~24kg程度の中型犬です。
「スパニエル」とは鳥猟犬の一種で、ハンターが狙いやすいように鳥を飛び立たせる役割を担います。イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、その中でも特に古い歴史を持つ犬種です。

3位にランクインしているイングリッシュ・コッカー・スパニエルは、体高38cm~41cm、体重13kg~15kgで、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルよりも小型です。かつては同じ犬種とされていましたが、体の大きさの違いから猟での役割が異なるため、19世紀後半に別の犬種とされるようになりました。

様々なタイプの犬が人気の「フランス」

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フランスは、先程のイギリスとは対照的に、自国原産の犬種がトップ10にはランクインしていません

犬種名 原産国
1 オーストラリアン・シェパード アメリカ
2 ゴールデン・レトリーバー イギリス
3 スタッフォードシャー・ブル・テリア イギリス
4 ベルジアン・シェパード・ドッグ ベルギー
5 ジャーマン・シェパード・ドッグ ドイツ
6 ラブラドール・レトリーバー イギリス
7 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル イギリス
8 イングリッシュ・コッカー・スパニエル イギリス
9 アメリカン・スタッフォードシャー・テリア アメリカ
10 イングリッシュ・セター イギリス

参考:En 2022, le berger australien reste le chien préféré des Français !
https://www.centrale-canine.fr/actualites/en-2022-le-berger-australien-reste-le-chien-prefere-des-francais

フランス原産の犬種では、12位にブリタニー・スパニエル、13位にフレンチ・ブルドッグがランクインしています。フランスでは中~大型の牧羊犬や鳥猟犬の人気があり、トップ10入りした小型犬はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのみです。

驚くべきことに、フランス原産で日本では圧倒的な人気を誇るプードルがトップ20にも入っていません。このような結果から、犬に対する感覚や好みが日本と大きく異なることがうかがえます。

オーストラリアン・シェパードとは

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フランスで人気No.1のオーストラリアン・シェパードは、その名前には「オーストラリアン」とついていますが、実際にはアメリカ原産の犬種です。少々ややこしい名前ですが、19世紀にオーストラリアからアメリカへやって来た羊飼いの組合によって命名されたと言われています。
この犬種は高い知性と優れた運動能力を持ち、アメリカの牧場や農場で優れた牧羊犬として活躍しました。

大きさは体高46~58cm、体重16~32kg程度の中型犬で、外見からボーダー・コリーと間違われることも多いようです。違いとしてはボーダー・コリーが自然なしっぽを持つのに対し、オーストラリアン・シェパードは生まれつき、もしくは断尾により短いしっぽを持つ個体が多くいます。
しかし、現代ではヨーロッパの多くの国では断尾をしないため、画像のような自然なしっぽを持つ犬も少なくありません。

自国の犬を愛する「ドイツ」

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ドイツの人気犬種トップ10は、ほとんどが自国原産の犬種で占められています。

犬種名 原産国
1 ジャーマン・シェパード・ドッグ ドイツ
2 ダックスフンド ドイツ
3 ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター ドイツ
4 ラブラドール・レトリーバー イギリス
5 プードル フランス
6 ゴールデン・レトリーバー イギリス
7 ジャーマン・ショートヘアード・ポインター ドイツ
8 ロットワイラー ドイツ
9 ボクサー ドイツ
10 スモール・ミュンスターレンダー ドイツ

参考:Welpenstatistik der VDH-Mitgliedsvereine
https://www.vdh.de/ueber-den-vdh/welpenstatistik/

ドイツも中~大型犬が人気な国であり、特にオスの犬にはたくましさを求める傾向があるようです。実際、ドイツ国内のオス犬の名前の統計では、長年にわたり熊を意味する「Balu/Balou(バルー)」という名前が1位の座を独占しています。

スモール・ミュンスターレンダーとは

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10位にランクインしたスモール・ミュンスターレンダーという犬種をご存じの方はあまりいないかもしれません。この犬種は体高50~56cm、体重18~27kg程度の中型の鳥猟犬です。犬種の起源については明確ではありませんが、ドイツ北西部のミュンスター地方がその原産地とされています。

似たような名前と容姿を持つ犬種に「ラージ・ミュンスターレンダー」という犬種が存在しますが、両者の血縁関係は近くありません。世界的には、ホワイトにブラックの斑を持つラージ・ミュンスターレンダーの方がより優雅な大型犬として人気を博しています。

まとめ

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日本ではあまり一般的ではない犬種が多くランクインしていることに驚かれたかもしれません。
今回取り上げた3つの国の共通点としては、「ラブラドール・レトリーバー」「ジャーマン・シェパード・ドッグ」「ゴールデン・レトリーバー」はどの国でもランクインしており、これらの犬種が世界的に根強い人気を保っていることがわかります。

各国の人気犬種を見ながら、その国の文化や犬との付き合い方を知ることで、新たな発見があるかもしれませんね。

【犬図鑑】マルチに働く犬がいっぱい!ドイツ原産の犬たちをご紹介

ヨーロッパでは「犬と子供はドイツ人に育てさせろ」という言葉があるくらい、犬のしつけに熱心で、飼い主に厳しい義務が課せられているドイツ。犬に対する意識がたいへん高く、動物福祉先進国としても知られています。

また、ドイツ原産の犬種は、日本でもジャパン・ケネル・クラブ(JKC)に多く登録されており、イギリスに次ぐ第2位の登録数を誇っています。

今回は、そんなドイツ原産の犬種を紹介していきます。

ドイツ原産の強面の犬たち

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ドイツの犬といえば、屈強な肉体と精悍な顔立ちの凛々しい犬を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ジャーマン・シェパード・ドッグ

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ジャーマン・シェパードといえば、警察犬のイメージが強いかもしれませんが、元々は牧場で牛や羊などの護衛や誘導する仕事をしていました。その後、警備、荷物を引く、物を回収するなどマルチな活躍を見せ、第一次大戦以降は優秀な軍用犬として働きました。

この頃日本にも軍用犬として入ってきましたが、きちんとした訓練が必要であるため、日本における犬の訓練もこの頃から盛んになったという歴史があります。現代でも、警察犬、麻薬探知犬、災害救助犬、盲導犬など幅広く活躍しています。

グレート・デーン

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超大型犬のグレート・デーンは、世界で一番背の高い犬としてギネス世界記録で認定されており、ドイツの国犬でもある代表的な犬種です。猟犬、軍用犬、害獣駆除など、幅広い分野で活躍していました。

ドイツ以外で呼ばれる「グレート・デーン(Great Dane)」という名称は「大きな、デンマークの」という意味になりますが、この犬種の誕生にデンマーク人は全く関与していません。ドイツでは「ドイツの犬」を意味する「ドイチェン・ドッゲ(Deutsche Dogge)」と呼ばれています。

ドーベルマン

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ドーベルマンという名前は、この犬種を作り出したフリードリッヒ・ドーベルマン氏に由来しています。ドーベルマン氏は税務職員であり、常に現金を持ち歩く必要があったため、優秀な護衛犬が必要だと考え、この犬種を育てました

特徴的な尖った耳や短い尾は、生後間もなく行われる耳・尾の断尾・断耳によるものです。しかし、近年は動物愛護に対する関心の高まりから、特にヨーロッパで断尾・断耳を行わない習慣が広がっています。

ボクサー

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ボクサーは19世紀後半までは闘犬や猟犬として活躍していました。しかし、1835年にイギリスで闘犬が禁止された影響を受け闘犬は減少し、また、畜産の進歩によって狩猟も衰退していくと、ボクサーは軍用犬や警察犬として活躍するようになります。

ドイツ生まれの犬種ですが、アメリカでも人気が高く、第二次世界大戦ではアメリカ軍の軍用犬としても活躍しました。そして、終戦後は軍人たちによって家庭のペットとしても迎えられるようになりました。

ロットワイラー

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ロットワイラーは長らく畜産業者に飼育され、大きな荷車を引くことを主な仕事としていました。そのため「肉屋の犬(metzgerhund)」と呼ばれていた時期もあります。しかし、19世紀中頃になると、物流が鉄道やロバによる荷車引きに代わっていき、ロットワイラーの出番が減ったため、一時は絶滅の危機に瀕するほどでした。

20世紀以降は、ロットワイラーのスタミナと勇敢さが評価され、警察犬、軍用犬、山岳救助犬として世界中で活躍しています。

ドイツ原産の可愛らしい犬たち

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ドイツ原産の犬には、日本でも人気がある可愛らしい小型犬もいます。

ミニチュア・シュナウザー

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ミニチュア・シュナウザーを含む「シュナウザー」と呼ばれる犬種には、大型犬の「ジャイアント」、中型犬の「スタンダード」、小型犬の「ミニチュア」の3つの犬種がありますが、最も古いのはスタンダードシュナウザーで、他の2種はスタンダードを改良した犬種です。

ミニチュア・シュナウザーは戦後に日本に入ってきましたが、当時の日本ではトリミング技術が発達していなかったため、あまり普及しませんでした。その後2000年頃から急速に人気が高まり、現在のような人気犬種になりました。

ミニチュア・ピンシャー

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「ミニピン」の愛称で親しまれているミニチュア・ピンシャー。英語圏でも「min-pin」という略称で呼ばれることがあります。犬種名は、ドイツ語で「テリア」を意味する「ピンシャー」から来ており、テリアと同様にネズミ捕りや番犬として活躍しました。

外見がドーベルマンに似ているため、しばしばドーベルマンの小型版と誤解されますが、実際にはミニチュア・ピンシャーの方が歴史は長く、その起源は17世紀から18世紀頃にさかのぼるとされています。

ダックスフンド

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ダックスフンドの大きさは、大きい方から「スタンダード」、「ミニチュア」、「カニーンヘン」の3つのタイプがあります。また、被毛も「スムースヘアード」、「ワイアーヘアード」、「ロングヘアード」の3種類があります。日本で一番多く見られるのは、「ロングヘアードのミニチュア・ダックスフンド」です。

ダックスフンドは元々アナグマを狩る猟犬で、アナグマが住む狭い穴に入り込めるように、脚を短くする選択的な繁殖が行われた結果、現在のような体格になりました。

ポメラニアン

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ポメラニアンは、スピッツ系の大型犬が現在のドイツ東部からポーランド北部にまたがるポメラニア地方で小型化された犬種だと考えられています。小型化といっても、当時は10kg前後の中型犬だったそうです。

その後、愛犬家で知られたビクトリア女王がポメラニアンを本国に連れ帰り、自ら繁殖させた結果、5kg程度まで小型化されました。それ以前のポメラニアンは、ホワイトとブラックのみの毛色でしたが、この頃から今ではメジャーなレッドの毛色が存在するようになったそうです。

ドイツ原産の犬の特徴

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今回はご紹介しきれませんでしたが、ドイツ原産の犬種には優秀な鳥猟犬も多くいます。また、他国の犬種には、シベリアン・ハスキーがソリ犬、ボーダー・コリーが牧羊犬といったように、一つの仕事に特化した犬たちも多くいます。一方でドイツ原産の使役犬たちは、警察犬、護衛犬、軍用犬、猟犬など、様々な場面で人間を手助けしてきたことが特徴として挙げられます。

可愛らしい小型犬たちも元々は猟犬や番犬として活躍していたため、愛玩目的で飼われていた犬がほとんどいない、珍しい国と言えます。

最後に

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ドイツでは店舗や公共交通機関など、ほとんどの場所へ犬を連れて行けます。その背景には、ドイツ人の犬に対するしつけの意識の高さがあり、それゆえに周りの人々も犬を受け入れる文化が根付いています。

日本でも犬の飼い主たちが、きちんとしたしつけをしたり、周囲への配慮やマナーを徹底したりすることで、ドイツのように犬を飼いやすい環境になるかもしれません。

日々少しずつでも意識することで、ドイツのような犬を飼いやすい環境が、日本でも実現することを願います。

ドイツ人に聞いた!「ペット天国」と言われるドイツの本当のところ

捨て犬・捨て猫問題や近隣とのペットトラブルなど、ペットに関する問題は決して少ないものではありません。ペットと人間社会が上手に共存するにはどうしたら良いのでしょうか?

ドイツは「ペット天国」、「ペット先進国」として度々称賛されますが、ドイツはなぜそのように言われているのでしょう?今回は、ドイツがペット天国だと言われる理由と、実際にドイツ人から話を聞いてみることでわかったドイツの本当のペット事情に迫ります。

ドイツはなぜ「ペット天国」と言われるのか?

パーティー犬

原則、ペットを殺処分しない

日本では、年間実に4万頭以上(2017年の時点)もの犬猫が殺処分されていますが、ドイツでは、保護された動物は原則として殺処分してはいけないことになっています。

日本の保健所といえば、動物が狭いケージに入れられて生活している、という印象が強いですが、ヨーロッパ最大級の保護施設「ティアハイム・ベルリン」は、東京ドーム4個分の広さがあり、それぞれの動物に合った環境で保護されています。

さらに、ティアハイムでは、引き取った犬の悪い癖を直したり、健康管理に配慮したりして、次の飼い主が少しでも見つかりやすくなるような工夫がなされています。

ただし、多くのメディアで「ドイツは動物の殺処分がゼロ」と伝えられることがありますが、厳密には「ゼロ」ではありません。苦痛をともなう不治の病にかかっていたり、人間に危害を加えるおそれがあって、どうしても直せなそうだと判断された場合、安楽死をさせることがあります。ティアハイムについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

殺処分は本当に0なのか。ドイツの動物保護施設「ティアハイム」の現状について。

犬とのお出かけがしやすい

ドイツでは、犬と入れるレストランやショッピングモールがたくさんあり、電車やバスなどの公共交通機関にもほとんどの場合乗れるそうです。ただし、全ての施設に犬が入れるのかというと、どうやらそういうわけではないようです。

ドイツ人に聞いた本当のところ

筆者のドイツ人の友人によると、犬の同伴は「テラス席は可、室内は不可」というレストランが多いとのこと。日本でもそうしたレストランは少なからずありますから、一概に「ドイツのレストランは寛容、日本のレストランは不寛容」とは言えなさそうですね。

加えて、「ペット天国」と言われるドイツでも、衛生面が気になるスーパーマーケットなどには基本的に犬は入れないそうです。

犬に関するドイツの法律・条例

本棚
ドイツでは、犬の権利を守るためのさまざまな法律や条例が整備されています。その例として一部を下記に挙げました。ケージの大きさの規定のように、とても細かく定められたものもあることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

  • 犬の大きさによってケージの大きさを規定(例えば、床の一辺は犬の体調の2倍以上とする、など)
  • 長時間ペットを留守番させてはいけない
  • 室内でペットを飼う場合は、太陽の光を十分に入れてあげなければならない
  • 子犬を生後8週間以前に母犬から引き離してはならない

8週齢規制というのは、日本でも動物愛護法の改正で実現することになり、注目を集めたのは記憶に新しいですね。また、他にもいろいろな法律や条例があり、違反すると罰金、繰り返すとペットを強制的に没収され、施設で保護されます。

ドイツの犬税とは?

お金
ドイツには、犬を飼っている人に課せられる「犬税」という税金制度があります。犬税の導入はドイツに限らず、オーストリア、オランダ、フィンランド、スイスなどにも導入されています。

州や犬種、頭数によって金額は異なりますが、1頭につき年間およそ15000円程度が目安だそうです。支払われた犬税は、犬のフンの清掃などに充てられます。また、税金を課すことで安易に犬を飼おうという人が減ることも期待されています。

ドイツ人に聞いた本当のところ

ペット先進国ドイツのこの制度は、とても画期的なものに思えますが、筆者がドイツ人の友人に聞いてみたところ、実は犬税を払っていない人が結構いる、とのことです。高い金額の割にリターンが少ない、ほとんどの飼い主は犬税がなくても犬を飼うことに対する責任意識が高いため犬税は要らない、などが理由だそうです。

ピットブルは犬税が高い!?

一方、現在の犬税では、ピットブルなど「攻撃的」だとされる犬種には通常よりかなり高い金額の犬税が課せられており、危険な犬を飼うことへの抑制になっているという意見もあります。しかし、これにも賛否両論あり、「そもそも危険な犬を飼いたい人は少ないのではないか」、「犬種だけで攻撃的かどうかを決めることはできないだろう」という意見もあります。

犬の教育に熱心

荷台の犬
ドイツでは犬を飼い始めると、「パピースクール」に通わせる飼い主が多いそうです。また、先ほどもご紹介した通り、「子犬を生後8週間以前に母犬から引き離してはいけない」という法律があり、母犬がある程度までは子犬の教育をしてくれます。

子犬のうちにちゃんとした教育をすることがとても大切だとされていますから、母犬からの教育やパピースクールは、犬の教育に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

日本でも、パピーナーサリーや犬の幼稚園、犬の保育園の存在が知られるようにはなりましたが、まだまだ全ての飼い主の方にまで浸透しているとは言えません。ドイツでは犬の教育に熱心な飼い主が多く、それが公共施設の利用のしやすさにも結びついているのでしょう。

ドイツの犬は幸せか?

ドイツの街並み
今回の記事では、ドイツにおける犬の法律、保護、税金、教育、寛容さなどについてご紹介しました。

ドイツは「ペット天国」と言われるほどですから、全ての制度や現状が素晴らしいもののように感じます。ただ、「なんでもかんでもペットOK」というわけではないですし、実際にドイツ人からヒアリングを行ったことで、犬税に対しては税金逃れをする飼い主も多く、また批判的な意見も多くあることがわかりました。

しかし、殺処分の状況や保護施設の環境、教育への関心度などを考えると、ドイツはペットにとって「天国」とまでは言わずとも、比較的住みやすい国だと言えるのではないでしょうか。みなさんは、ドイツの犬事情についてどのように思いますか?また、日本をどういう国にしていきたいと思いましたか?