猫にもニキビができる!?その原因と対処法とは?
猫を飼っているみなさんは、猫の口周りになにやらブツブツとしてものを見つけたことがあるでしょうか。汚れとは違うそれは、もしかしたらニキビかもしれません。
人間も悩まされることの多いニキビですが、猫にとっても発症しやすい皮膚疾患の一つとされています。
今回は、猫のニキビとはどういったものか、そしてどのような原因と対処法があるかについてご紹介していきます。
猫のニキビとは?
猫のニキビは、毛穴に皮脂が詰まってしまい、炎症を起こすことで発症する皮膚疾患です。
そのため、皮脂の分泌腺が集中している箇所が発症しやすいとされています。
特に、顎の下などは毛繕いも難しく、皮脂が溜まってしまうため非常にニキビができやすい箇所といえます。
その症状や原因は人間のニキビとよく似ており、正式名称も人間のニキビと同じくざ瘡(ざそう)と呼ばれます。
性別や品種、年齢などにかかわらず、どの猫にも発症する可能性があります。また、再発を繰り返す場合もあるため、しっかりとしたケアが必要になってきます。
猫のニキビの症状
猫のニキビはその状態により複数の段階に分けることができます。初期症状には大きな影響はありませんが、重症化してしまう可能性もあり、その場合には病院での診察、治療が必要となってきます。
軽度の症状
初期症状としては、顎の下や口、唇の周辺に黒色や茶色のブツブツが現れ始めます。
炎症も起きないため、見た目だけではわかりにくい上、痒みや痛みもないので、猫の様子などからも気づきにくいです。
中等度の症状
症状が進むと、軽度の炎症や脱毛が見られるようになります。猫も痒みを感じるようになり、周囲のものに擦り付けたり、後ろ足で掻こうとする姿を目にすることが増えるでしょう。
赤く腫れ上がったり、赤い斑点ができるので、気づきやすくなります。もし、こういった症状を見つけたら、動物病院で診てもらいましょう。
重度の症状
中等度のニキビをそのまま放置していると、掻きすぎなどから出血してしまいます。
また、細菌感染により膿んだりただれたりしてしまいます。
重症化する可能性は約40〜50%程度だとされていますが、症状の進行を気づかずにいるとそのリスクはどんどん上昇していくため、気づいたらすぐさま病院を受診しましょう。
猫のニキビの原因と対処法
猫のニキビの原因は、毛穴に皮脂などの分泌物がたまる事による炎症です。ですが、この状態を生み出す要因は様々です。
その要因を見つけ出すことで、ニキビを根本的に解決することができます。
しかし、要因は一つとは限らず、何によって引き起こされているのか、根気よく観察する必要があります。
ここでは、少しでも原因解明に繋げるために、ニキビの主要な原因についてご紹介します。
- グルーミング不足
- アレルギー
- 食器
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- ダニ
1. グルーミング不足
顎の下や口、唇の周辺などのニキビができやすい箇所は、猫が自分で毛繕いしにくい場所です。そのため、毛穴に分泌物や汚れ、食べかすが溜まってしまい、ニキビとして炎症を引き起こしてしまいます。
飼い主さんが綺麗に拭いてあげることで発症を抑えられるので、初期症状に気づいたら清潔に保つよう心がけましょう。
炎症を悪化させないためにも、拭く際には擦るのではなく、優しく拭いてあげてください。
2. アレルギー
フードによっては食物アレルギーを引き起こしてしまい、その結果、ニキビが発症してしまう場合もあります。
また、ご飯に使っている容器がプラスチックなどだと、それがアレルギーの引き金となることもあります。
アレルギーを発症しにくいガラス製の容器に変えるなど工夫が必要です。
3. 食器
アレルギーではなくとも、食器自体に細菌が繁殖している可能性もあります。
猫がご飯を食べる食器は食べ残しや唾液が付着し、細菌が繁殖しやすい環境となっています。
また、傷がついているとそこに細菌が溜まってしまい、洗ってもなかなか清潔な状態にならないこともあります。
こういった細菌が口周りについてしまうことで、ニキビが発症してしまうケースも少なくないです。
そのため、傷つきにくい素材の食器を使うか、ある程度傷が目立ってきたら買い換えることをおすすめします。
できる限り食器を清潔に保つことで、口周りの炎症を予防することができます。
4. ストレス
引っ越しや新しい子のお迎えなど、生活環境が変化すると猫にストレスを与えてしまいます。
ストレスは猫の免疫力を低下させてしまうため、いつもであれば十分に機能していた皮膚の防御機能が弱まり、ニキビができてしまうようになります。
猫が落ち着けるよう環境を整えるなどして、ストレスを抑えましょう。
ストレスを感じ続けている状態だと、ニキビは増加する一途でなかなか治らないため、じっくりと猫を観察してその原因を見つけ出しましょう。
5. ホルモンバランスの乱れ
去勢手術や避妊手術の後もニキビができやすいとされています。
これは、手術後はホルモンバランスが乱れやすく、免疫力を低下させてしまうためです。
また、同時に皮脂の分泌量も増加してしまうため、ニキビが非常にできやすい状態だといえます。
この場合、根本的な解決は難しいため、様子を見つつ、ニキビが悪化しそうであれば動物病院で診てもらいましょう。
6. ダニ
ネコニキビダニと呼ばれる2〜3mm程度の細長いダニが原因で、ニキビが発症しているケースもあります。
ニキビダニ症、もしくは毛包虫症とも呼ばれ、性別、年齢、品種問わず発症します。
中年以降の場合は他の病気と併発するため治りにくく、注意が必要です。
基本的に、ダニ駆除薬の投与での治療となるため、動物病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、猫のニキビの原因と対処法についてご紹介しました。
アレルギーやストレス、ダニなどといった特殊な原因の可能性はありますが、飼い主さんがグルーミングのお手伝いをしてあげることで予防できるため、猫との触れ合いもかねて清潔に保ってあげましょう。
初期症状の場合、なかなか気づくことが難しいかもしれません。ですが、中等度の段階でも、しっかりとケアすることで完治させることができるため、日頃から猫の様子を観察し、早めに気づいてあげましょう。