【獣医師監修】風邪だけじゃない!猫のくしゃみや鼻汁で考えられる病気

くしゃみは動物にとって生理的に正常な反応で、健康な状態でも見られます。

しかし、くしゃみに鼻汁が伴ったり、明らかに普段よりも回数が多い場合には何か異常があると考えていいでしょう。多くは鼻の異常が考えられますが、外から見えない分、何が起こっているのか不安になる方も多いのではないでしょうか。

今回は猫のくしゃみ及び鼻汁で考えられる疾患について解説します。

くしゃみと逆くしゃみ

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くしゃみとよく似た言葉に「逆くしゃみ」というものがあります。これは鼻から空気を連続して吸い込む呼吸のことです。通常のくしゃみは空気を吐き出しますが、逆くしゃみはくしゃみを吸い込むように見えることから、そう呼ばれています。

くしゃみも逆くしゃみも、健康なときでも見られることがあり、通常はすぐに治まります。しかし、なかなか治まらないときや、何度も繰り返すときは要注意です。咳との鑑別が難しいこともあるため、動画を撮っておくと動物病院を受診したときに役立つことがあります。

鼻汁の性質

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鼻汁の色や性状(サラサラかネバネバかなど)を確認することで、治療法などが変わることがあります。具体的には、黄色い膿のような鼻汁のときには細菌感染が疑われるので抗菌薬を使うことになります。

鼻汁は性質によって以下のように分類されます。

漿液(しょうえき)性鼻汁

一般的に透明でサラサラの鼻汁を指します。

アレルギー性鼻炎、ウイルス性鼻炎の感染初期、循環血液量の過剰のいずれかが考えられ、基本的にこれらは両側性に発生します。

また、ウイルス性鼻炎では一週間以内に細菌感染を発症することが多いため、漿液性鼻汁から粘液性あるいは膿性鼻汁へと移行します。逆に、アレルギー性鼻炎では長期間漿液性鼻汁が続くことが多く、季節や環境によって症状にムラがあることが多いと言われています。

膿性鼻汁

最も一般的な原因は細菌性鼻炎ですが、通常はウイルス性、真菌性、寄生虫性の鼻炎、外傷、異物、腫瘍、歯牙疾患などから続発します。このうち両側性なのはウイルス性及びアレルギー性鼻炎で、他は片側性がほとんどです。

しかし、中には病状の進行とともに両側性に移行することもあります。

血様鼻汁

腫瘍、真菌性鼻炎、慢性経過の細菌性鼻炎、歯牙疾患、外傷、異物、出血性疾患が考えられます。

腫瘍が原因の場合には、経過とともに鼻梁部の腫脹などの顔面変形や眼球突出、神経症状などが見られるようになります。

くしゃみや鼻汁で考えられる疾患

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猫のくしゃみや鼻汁は、ただの風邪と考えてしまいがちですが、放置してはいけない疾患が隠れている可能性もあります。自己判断せず、獣医師に相談しましょう。

上部気道感染症

【症状】
くしゃみ、鼻汁、眼脂、発熱、口内炎、歯肉炎、食欲不振など。
【原因】
猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジア、マイコプラズマなどの単独あるいは混合感染。これらは感染猫の唾液、鼻汁、眼脂などの分泌物から他の猫へ伝播する。
【備考】
すでに猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していると重症化しやすいと言われている。ウイルスが原因となるものでは、混合ワクチンによって感染リスクや症状の重篤化を抑えることができる。

副鼻腔炎

【症状】
くしゃみ、鼻汁(膿性)、食欲不振など。悪化すると蓄膿症となる。
【原因】
鼻炎の慢性化。鼻炎は感染(ウイルス、細菌、真菌など)、腫瘍、異物が原因となることが多い。これらから細菌の二次感染が生じ、鼻甲介粘膜の肥厚が起こり、前頭洞内や副鼻腔内が細菌の繁殖しやすい環境となる。
【備考】
鼻炎の段階での適切な治療によって副鼻腔炎への進行を止める必要がある。内科治療だけでの完治は困難と言われており、外科的に貯留した膿汁を排出する必要があるとされている。

鼻咽頭ポリープ

【症状】
咳、いびき、くしゃみ、鼻汁、努力性呼吸、嚥下困難など。
【原因】
鼻咽頭に発生するポリープ。同腹の子猫に発生することもあるため、遺伝性疾患として示唆されている。
【備考】
ポリープから二次的な細菌感染が中耳や内耳に及ぶと、縮瞳、眼瞼下垂、第三眼瞼腺脱出などを呈することもある。

鼻腔内腫瘍

【症状】
くしゃみ、鼻汁、鼻出血、顔面の変形など。
【原因】
リンパ腫、腺癌、扁平上皮癌がほとんどで、まれに線維肉腫や骨肉腫が認められる。鼻腔内腫瘍のほとんどは悪性と言われている。
【備考】
治療は放射線療法や化学療法が用いられる。通院頻度やコストなど獣医師としっかり話し合って最適な治療法を模索していく。

歯周病

【症状】
口臭、歯石、歯肉の赤みや腫れ、食欲不振、くしゃみ、鼻汁、流涎(よだれ)など。
【原因】
歯垢や歯石の中に存在する細菌によって歯肉に炎症が起こる。
【備考】
猫の口腔内はアルカリ性で、歯垢が歯石に変化するスピードが人間よりも速いと言われている。デンタルケアによる日常の予防が非常に重要。

鼻腔内異物

【症状】
急なくしゃみ、逆くしゃみ、鼻汁、鼻出血など。
【原因】
雑草、植物の種、食べ物などが鼻の中に侵入することによる。
【備考】
鼻腔内異物によるくしゃみは突然急激に起こるため、慢性的にくしゃみが続くようなら別の疾患を疑う。

まとめ

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普段から生理的に起こる徴候を見て、いつもと違うと判断するのは意外に難しいものです。異常を見つける目を、しっかりと養いたいですね。

何か気になることがあれば、まずは動物病院に相談しましょう。

日本で狂犬病が発生する可能性は十分にある!知られざる危機とは

「今の日本は狂犬病が発生していない国だから、飼い犬にワクチン接種させる必要はない」などという誤った情報が、ネット上などで散見されます。しかし、実は日本でも狂犬病が発生する可能性は十分にあることをご存じでしょうか。

この記事では、日本で狂犬病が発生する可能性やその恐ろしさ、予防接種しなかった場合の法的な罰則などを解説しています。この機会に狂犬病の正しい知識を再確認していただけたら幸いです。

日本のワクチンの接種率は危機的な数値

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2024年2月7日、群馬県の伊勢崎市で小学生ら12人が近所で飼われていた中型犬に次々と咬まれるという事件が発生しました。非常にショッキングなニュースであり、記憶に残っている方も多いことでしょう。

さらに、この犬が自治体へ畜犬登録されていない上に、狂犬病ワクチンを接種していないことが分かり、事件の深刻さに拍車をかけました。

ただし、この飼い主だけが特殊なわけではなく、近年狂犬病ワクチンは接種率の低下や誤った情報の広まりが専門家などから問題視されています。

狂犬病ワクチンの接種率は年々低下

日本での狂犬病の感染は、人間は1956年、動物は1957年に猫の発症を最後に60年以上発生していません(海外で感染し、日本で発症した例は除く)。そのため、日本は「狂犬病清浄国」とされていますが、実は危機的な状況に置かれていることをご存じでしょうか。

狂犬病の発生やまん延を防ぐために、法律で義務づけられている予防接種。
しかし、その接種率は減少傾向にあります。

接種の間隔が半年1回から年1回に変わった1985年以降はほぼ100%で推移していましたが、1996年ごろから減り始め、2000年度には80%を下回りました。

2022年度は、全国の市区町村に登録されている犬606万7716頭に対し、予防接種を受けたのは429万9587頭で、接種率は70.9%にとどまりました。

出典:狂犬病の予防接種 なぜ7割に? SNSではワクチンめぐり誤情報の拡散も | NHK NESWEB

このようなワクチン接種率の推移は、厚生労働省が公表している統計を元にしていますが、これは自治体に「登録されている犬」が狂犬病ワクチンを接種している接種率で、先述した人を咬んだ中型犬のような「未登録の犬」や飼い主のいない野犬はカウントされていません。

そのため、未登録の犬を含めるとワクチンの接種率が50%を下回る可能性も十分に考えられます。WHOのガイドラインでは、狂犬病のまん延を防ぐためには犬全体の70%以上にワクチンを接種する必要があるとされており、狂犬病清浄国とされている日本も安全とは言えないのが現状です。

ワクチン接種率の地域格差

狂犬病ワクチンの接種率には地域差も見られます。厚生労働省が発表した都道府県別のワクチン注射率(2022年度)において、注射率が高い都道府県は以下の通りです。

順位 都道府県 注射率
1 山形県 88.4%
2 青森県 87.1%
3 新潟県 86.6%
4 岩手県 84.5%
5 宮城県 81.3%

一方で、注射率の低い県は以下の通りです。

順位 都道府県 注射率
42 大阪府 62.1%
43 愛媛県 61.8%
45 和歌山県 61.2%
46 福岡県 60.8%
47 沖縄県 52.4%

なお、全国平均は先述の通り70.9%であり、東京都は平均を下回る69.9%(30位)でした。

都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

飼い主の接種意識の現状

狂犬病ワクチンを接種しない理由の一つに、飼い主の誤った認識が挙げられます。特に、国内で60年以上狂犬病の感染が確認されていないため、「日本では狂犬病の予防接種は必要ない」といった誤った認識が広がっています。

また、近年は室内で小型犬を飼う人が増加しており、地域によっては野生動物と接する機会が少ないことから、狂犬病の予防に対する意識が薄れている傾向も指摘されています。

さらに、ネット上では「狂犬病ワクチンが犬の寿命に影響する」、「狂犬病は生小豆を食べれば治る」などといった、科学的根拠がない情報が拡散されています。

狂犬病が復活した台湾

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世界の狂犬病清浄国と呼ばれている国・地域には、日本、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれます。

しかし、かつてその一員であった台湾では、2013年7月に野生のイタチアナグマに、同年9月には飼い犬に狂犬病ウイルスの感染・発症が確認されました。

台湾での狂犬病の感染経路

日本で狂犬病が長年発生していない要因として、予防接種や検疫制度はもちろんのこと、日本が島国であることが大きいと考えられています。

しかし、同じく狂犬病が長年発生していない島である台湾では、狂犬病が発生してしまいました。台北在住の獣医師は次のように述べています。

島国の台湾で、イタチアナグマのような山林にすむ動物が突発的に狂犬病に感染することはあり得ない。おそらく数年前に大陸から持ち込まれたなんらかの動物が、スーパースプレッダー(一体で多数の個体に感染させる個体)となってさまざまな動物に広めた。

出典:台湾の「狂犬病ウイルス」はどこからやってきたのか? – ライブドアニュース

このように、台湾では外部から持ち込まれた動物により、野生動物の間で狂犬病が広がったとする見解が示されています。

そして、かつての台湾と同じ状況にある日本も、台湾のような経緯で狂犬病が発生する可能性は十分にあるのです。

さらに、先述したように狂犬病のまん延を防ぐためには犬全体の70%以上にワクチンを接種する必要がありますが、自治体に登録されている飼い犬ですらギリギリのラインである70%ほどの接種率です。

これらを踏まえると、日本でも狂犬病が発生し、さらにまん延してしまうという想定も、大げさとは言えないのではないでしょうか。

狂犬病を改めて考える

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狂犬病は長らく日本国内での感染が発生していないため、多くの日本人にとって身近な病気ではないのかもしれません。海外に頻繁に行く人であっても、現地では狂犬病に注意していても、日本国内の発生に関してはイメージが湧かなくても不思議ではありません。

そこで、ここからは狂犬病という病気について再確認していきましょう。

狂犬病の恐ろしさ

狂犬病は人獣共通感染症であり、発症するとほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。2018年の世界保健機関(WHO)の報告によれば、世界では毎年5万9000人が狂犬病に感染して死亡しています。一旦発症すると有効な治療法はなく、錯乱やけいれん、呼吸障害などの症状が現れ、ほぼ全ての患者が亡くなります。

※狂犬病については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【ニュース】14年ぶりの狂犬病。ワクチン接種が愛犬と日本を守る
https://cheriee.jp/dogs/20354/

ワクチンの未接種は罰則対象

冒頭のニュースのように、狂犬病ワクチンを接種していない場合、どういった罰則があるのか見ていきましょう。

飼い犬に狂犬病の予防注射を受けさせていなかった場合は、20万円以下の罰金が科せられます(狂犬病予防法第27条第2号)。犬に狂犬病ワクチンの注射済票を着けていない場合も同様ですので、注意が必要です。

また、このニュースの飼い主は自治体に飼い犬の登録もしていませんでした。飼い主は犬を飼い始めてから30日以内に所在地の自治体に登録しなければなりません(生後91日未満の犬の場合は、生後91日を経過した日から30日以内)。

飼い犬を自治体に登録していなかった場合は、20万円以下の罰金の対象となります(狂犬病予防法第27条第1号)。また、犬に鑑札を付けていない場合も同様ですので、こちらも注意しましょう。

最後に

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私たちが普段、狂犬病を恐れずに生活できる要因の一つとして、かつての日本で狂犬病を撲滅するために野犬を中心に多くの動物の命が犠牲になった過去があります。

そういった動物たちの犠牲を無駄にしないためにも、安易な考えや誤情報に惑わされることなく、飼い主としての責任を果たしていかねばなりません。

日本を狂犬病の脅威に晒されながら暮らすような国にしないためにも、飼い主が愛犬にきちんと狂犬病ワクチンを接種させることが非常に重要なのです。

犬の睡眠時間は何時間?年齢・犬種でも違う睡眠について徹底解説

愛犬が日中たくさんお昼寝しているにもかかわらず、夜もぐっすりと眠っているのを見て、「我が家の犬は寝すぎているのではないか?」と心配する飼い主は少なくありません。しかし、実際には、犬は人間と比較してかなり長い睡眠時間が必要です。

今回は、年齢や犬種による平均的な睡眠時間、犬が長時間睡眠を必要とする理由など、犬の睡眠について詳しく解説いたします。

犬の平均的な睡眠時間【年齢別】

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犬の睡眠時間には個体差がありますが、年齢や犬種によっても異なります。以下は、年齢別のおおまかな平均睡眠時間です。

子犬(~生後1年)

子犬は、目に入るものがすべて新しく、まだ十分に発達していない身体で動き回ります。好奇心旺盛な子犬にとって、睡眠は「体の回復や成長、記憶の整理」のために非常に重要です

子犬は成犬に比べて多くの睡眠時間を必要とし、平均的な睡眠時間は18~19時間とされています。

成犬(生後1~7年)

成犬の睡眠時間は子犬やシニア犬に比べて短いですが、それでも平均で12~15時間の睡眠が必要です。

この睡眠時間は人間の赤ちゃんの睡眠時間と同じくらいであり、大人の飼い主と比較すると犬は長い時間を眠って過ごしていることがわかります。

シニア犬(生後7年~)

シニア犬は、成犬に比べて体力と回復力が低下し、年を取るにつれて長い睡眠時間を必要とします。シニア犬の平均的な睡眠時間は、子犬と同じく18~19時間と言われています。

10~12歳以降のハイシニア犬にもなると、食事やトイレ以外の大半の時間を寝て過ごします。

犬の平均的な睡眠時間は?【犬種別】

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犬の睡眠時間に最も影響を与えるのは年齢ですが、同時に犬種によっても睡眠時間が異なります。一般的に大きい犬種のほうが寝る時間は長く、小さい犬種であるほど寝る時間が短いと言われています。

例えば、チワワやトイ・プードルのような小型犬の成犬の平均的な睡眠時間は約12時間ですが、ニューファンドランド、セント・バーナード、マスティフなどの大型犬は約16時間程度睡眠に費やすとされています。これは、体の大きな犬ほど日常生活でエネルギーを消費するため、回復にも時間がかかるためだと考えられています。

しかし、大きい犬でもシベリアン・ハスキーやボーダー・コリーなど何らかの作業に従事している犬は睡眠時間が短く、中には12時間以下の犬もいます。これらの作業犬たちは長時間活動できるように、睡眠時間が短い傾向があるとされています。

犬種や年齢はあくまで目安

上記で紹介した年齢や犬種による睡眠時間は、あくまで目安です。人間にもショートスリーパーとロングスリーパーがいるように、犬の睡眠時間にも個体差があることを考慮し、参考にしてください。

犬の睡眠時間が長い理由

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ここまで、年齢や犬種によって睡眠時間が異なると解説してきましたが、なぜ犬は人間よりはるかに長い睡眠時間が必要なのでしょうか。犬の睡眠については、まだまだ分かっていない部分が多くあるため、日々研究が進められている状況です。ここでは2つの説をご紹介します。

1.眠りが浅いから

犬が人間より長い睡眠時間が必要なのは、深い眠りである「レム睡眠」の割合が人間よりも少なく、睡眠が浅いことに原因があります。犬は野生時代において、常に敵に襲われる可能性があったため、眠っていてもすぐに周囲の危険に対応するには、浅い眠りでなければならなかったのです。

また、犬が寝ているときに、あごを地面に着けているのを見たことがある方もいるでしょう。これは、あごで地面の振動を感じて周囲の動きを察知するためだと言われています。

2.夜行性の名残

犬が昼間によく眠るのは、野生時代に得た特性と密接に関係しています。もともと狩猟で食糧を得ていた犬は、暗い夜に狩りをし、昼間に睡眠を取る夜行性の動物でした。

次第に人間と共に暮らすようになり、昼に活動する人間のリズムに合わせて変化しましたが、夜行性の特性はまだ完全には消えていないため、昼間にも一定の睡眠時間を必要としていると考えられています。

快適な睡眠をサポートするためのヒント

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犬の快適な睡眠をサポートするために、環境と日常生活を見直しましょう。犬にとって快適な睡眠環境をつくり、日常生活を見直すことで、より愛犬の健康や生活の質を向上させることが期待できます。

環境をチェック

【広さ】
犬が十分に身体を伸ばして寝られるスペースを確保する。
【場所】
家族とのコミュニケーションが取りやすく、同時に静かでリラックスできる環境を整える。
【寝床の素材】
通気性が良く、犬が暑さや寒さを感じにくい素材を選ぶ。適度なクッション性があり、清潔を保つ。
【温度・湿度】
犬が快適に過ごせる室温は22℃、湿度は60%程度が目安。エアコンなどで適度に保つ。特に体温調節機能が低い子犬やシニア犬、暑さが苦手な犬種などは気を配る。
【音・光】
うるさい音、まぶしい光などで犬の睡眠が阻害されていないか確認する。

※快適な部屋作りについては、こちらの記事をご覧ください。

初めて犬を飼う方必見!安全で快適な部屋づくりをしよう
https://cheriee.jp/dogs/36671/

日常生活をチェック

【運動】
健康であれば、散歩や遊びで十分に体を動かす。
【ストレス】
運動不足や飼い主とのコミュニケーション不足などがないか確認する。
【食事】
適切な量のタンパク質、脂質、炭水化物を含む栄養バランスの良い食事を与える。
【寝る前の習慣】
夜寝る前は激しい運動などはさせずに、リラックスして過ごす。

※適切な食事については、こちらの記事をご覧ください。

皆が悩むドッグフード選び、ペット栄養管理士が推奨する選び方って?
https://cheriee.jp/dogs/27061/

犬の睡眠時間の異常が病気の兆候かも?

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犬の睡眠時間には個体差がありますが、年齢や犬種による目安に比べて寝る時間が極端に長い、または短い場合、病気の兆候かもしれません。

過度な睡眠時間

体調不良や足の痛みで起き上がるのが辛い場合、犬は睡眠を取って痛みや辛さを軽減しようとします。その際、無理に起こすと抵抗や怒りを表すことがあるので注意しましょう。犬の睡眠時間が異常に長いと感じたら、早めにかかりつけの獣医師に相談してください。

睡眠時間が足りない場合

犬が十分に眠らず、夜中に起きて吠えることがある場合、特にそれがシニア犬であれば、認知症の可能性があります。早めの対処が求められるため、症状をかかりつけの獣医師に伝えて相談しましょう。

また、家の中が騒がしかったり、明るすぎるような状況では、犬はなかなか寝付けずに睡眠不足になります。犬がゆっくりと眠れるよう、先述したように環境を整えてあげましょう。

遊んでいる途中に突然眠る場合

歩行中や遊んでいる最中に犬が突然眠ってしまうことがあるなら、ナルコレプシーという病気の可能性があります。ナルコレプシーは突然眠ってしまう病気です。このような症状が現れたら、速やかに獣医師の診察を受けましょう。

睡眠中の様子から健康状態を知る

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犬の睡眠中の行動や様子を観察することで、愛犬が健康かどうか、病気の兆候がないかを確認することが可能です。

寝相やいびき

犬の寝相はその健康状態や気分を反映しています。寝相が突然変わった場合や、いびきが異常に大きい場合は、健康に問題があるかもしれません。

例えば、急に左右の同じ側しか体を床に着けなくなった場合は、痛いところをかばっているのかもしれません。これは、病気や怪我の可能性が考えられます。

また、いびきは犬の個体差がありますが、以前より明らかにいびきが大きくなった場合や、息苦しそうないびきをかいている場合は、獣医師に相談した方が良いでしょう。

脚をピクピクさせる

睡眠中の犬がリラックスしているサインとして、深い呼吸や脚のピクピク動くことが挙げられます。これは犬がリラックスし、レム睡眠に入っている証拠です。

一方で、体がバタバタと震え、声を掛けても反応せず、大量のよだれや失禁、歯の食いしばりなどが見られる場合はけいれんしている可能性があります。けいれんしている間は触らずに、おさまってから速やかに獣医師の診察を受けましょう。

睡眠中に鳴く

犬が眠りながら、ワンワン、クーンクーンなど鳴いている姿をしばしば見かけます。これは、犬が夢を見て、寝言を言っていると考えられます。こちらも犬がレム睡眠に入っている可能性が高いと思われます。

ただし、痛そうに鳴く、苦しそうに鳴くなど、いつもと違う兆候が見られた場合は獣医師に相談しましょう。症状が出ている時の動画などを撮影しておけば、診察の助けになることもあります。

まとめ

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この記事では、犬の睡眠時間や快適な睡眠をとる方法、睡眠中の様子について紹介しました。愛犬の体調管理には、犬の睡眠について理解し、日々観察することが非常に重要です。異常な睡眠を察知したら、速やかに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

今回の記事を参考に、愛犬との毎日をより快適に過ごしていただければ幸いです。

改訂履歴
2024/04/12 情報を追加
2020/11/21 情報を追加
2018/07/25 初版公開

犬も寝言を言う?注意したい病気と睡眠の質を高めるポイントとは

愛犬がぐっすりと眠る姿はとてもかわいらしいものです。ところで、寝ているはずの愛犬が寝言のような鳴き声を発したり、足をピクピクと動かしている様子を見たことはありますか?また、体が小刻みに震えるなど、いつもと違う様子に不安を覚えたことのある人もいるかもしれません。

今回は、犬が睡眠中に行う行動と睡眠の質を高めるポイント、気をつけたい病気について解説していきます。

レム睡眠とノンレム睡眠

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睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、睡眠中に一定の周期で交互に繰り返されます。

レム睡眠とは、「Rapid Eye Movement」という言葉の略で、脳が活発に働き、記憶の整理や定着が行われています。一方で、ノンレム睡眠は、大脳が休息し、脳や肉体の疲労を回復します。

犬にもレム睡眠とノンレム睡眠があり、浅い眠りのレム睡眠の時に夢を見ていると考えられています。

犬は寝言を言う?

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犬の飼い主の皆さんは、愛犬の寝言を聞いたことはありますか?実は犬も人間と同じように寝言をいいます。寝言以外にも、吠えたり足を動かしたりするなど、夢を見ているような動作をすることがあります。

ぜひ動画でも確認してみてください。

寝言

体を動かしながら、小さな声で寝言を言っています。夢の中で友達や飼い主とお話でもしているのでしょうか。

吠える

こちらの動画では、小さく吠えています。夢の中で何かに向かって吠えているのかもしれません。

足を動かす

足をぴくぴくと動かす様子もよく見られます。きっと走っている夢を見ているのでしょう。

さっきまで静かに寝ていた犬が急に動き出すと少しびっくりしますが、どんな夢を見ているのかなと考えると微笑ましく感じますね。

無理に起こさなくて良い

愛犬が寝ながら吠えていたり動いていたりすると心配になる飼い主さんもいるかもしれません。しかし、浅い眠りのレム睡眠のときにはよく見られる行動で、寝言や少し足が動く程度であれば無理に起こす必要はありません。

もし、あまりにも苦しそうにしていたり呼吸が乱れているようであれば、やさしく声をかけて起こしてあげましょう

※痙攣を起こしている場合は、体を揺すったりしてはいけません。落ち着くまで待ち、動物病院を受診しましょう。

犬の睡眠の質を高めるためにできること

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人間と同じように、犬にとっても睡眠はとても大切です。睡眠の質が低いと、体に害を及ぼしてしまう可能性もあります。

愛犬の健康のために、以下の点に気をつけましょう。

適度な運動をさせる

運動や肥満防止やストレス解消にとても重要ですが、良質な睡眠をとるためにも欠かせません。愛犬の体力に合わせて適度な運動を毎日しっかり行いましょう。

しかし、夜遅くの運動や散歩は、興奮により寝つきが悪くなり睡眠の質が低下する恐れがあるため注意しましょう。

安心できる寝床を提供する

愛犬の寝床の環境も大切です。人が頻繁に通る場所やテレビの横などは落ち着いて寝られません。なるべく静かで眩しくない場所を選んであげましょう。

人がいないところに寝床を設けると、かえって不安やストレスを感じる犬もいます。愛犬の性格をよく把握し、愛犬にとって一番良い環境を整えてあげてください。

適切な温度管理を行う

犬にとって適切な室内温度は20〜25℃程度です。夏や冬は特に室温管理を徹底しましょう。子犬やシニア犬は少し高めの設定がおすすめです。

また、犬が快適な場所を自分で選べるように、部屋の中にも温度差をつけたり、他の部屋へ自由に行き来できるようにしておくと良いでしょう。

睡眠中の気になる行動

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愛犬の睡眠中にいつもと違う動きが見られた場合、何らかの理由があるかもしれません。場合によっては病気が隠れている可能性もありますので、普段から愛犬の様子をよく観察しておきましょう。

小刻みに震えている

夢を見ていることが原因であれば問題ありませんが、寒さや痛みが原因で体を震わせることがあります。まずは室温が適切かどうかを確認しましょう。体が温まる毛布などを用意してあげても良いです。

痛みや発熱が疑われる場合は、動物病院を受診しましょう。

いびきをかいている

いびきは筋肉の緩みや病気もしくは遺伝による体の構造が原因で起こります。特に鼻の短い短頭種は、遺伝的な理由からいびきをかきやすいとされています。

もし、普段よりいびきの音が大きい、苦しそう、熟睡できてなさそう、呼吸がたまに止まっているように感じる場合は、鼻や喉に異常が生じている可能性があります。いびきは睡眠の質を低下させる原因にもなりますので、まずは獣医師に相談してみましょう。

痙攣している

てんかんのような脳神経系疾患や腎不全などが原因で、睡眠中に痙攣を起こすことがあります。

痙攣を起こしている最中は、体を揺すって無理に起こしたりはせず、おさまるまで見守るしかありません。この際、時間をはかったり、動画を撮影しておくと、診断に役立つことがあります。痙攣がおさまったら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。

最後に

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睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、人間と同じように犬もレム睡眠の時に夢を見て、寝言を言ったり体を動かしたりしていると考えられます。

睡眠は犬にとっても大切ですので、睡眠の質が低下しないよう、運動や生活環境は適切かどうか、改めて確認してみましょう。

もし、普段と違った行動をしていたり、苦しそうにしている場合は、その様子を動画で撮影し、動物病院を受診しましょう。

【獣医師監修】感染症の可能性も!猫の呼吸困難で考えられる病気

呼吸困難と聞くと、すごく恐ろしいことのように聞こえますよね。呼吸が「できない」のももちろんですが、呼吸が「しにくい」ことも呼吸困難に当てはまります。

猫の場合、わかりやすいのが口を開けて呼吸することです。また、安静にしているのに呼吸が速いのも、呼吸困難のサインとなります。

では、猫に呼吸困難が見られる時には、どんな病気が考えられるのでしょうか。今回は猫の呼吸困難について解説します。

呼吸困難の基準

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一般的には、安静時の1分間の呼吸回数が40回を超える場合を呼吸困難と判断します。ただ、動いてしまったりなどで1分間じっと観察するのが困難な時は、15秒の呼吸回数を数えてそれを4倍にするとおよその呼吸数がわかります。

また、猫では開口呼吸(口を開けての呼吸)も呼吸困難のサインです。興奮時に見られることもありますが、それが継続したり、安静時にも見られる場合には注意が必要です。

呼吸困難がある時には

まずはすぐに動物病院を受診しましょう。その際、キャリーケースなどに入れて来院すると思いますが、呼吸困難がある場合には体勢に十分注意しましょう。

例えば右の肺に異常がある場合、左側を下にしてしまうと異常のない左肺が圧迫され、呼吸困難をひどくしてしまうこともあります。基本的にはうつ伏せで運ぶのがいいでしょう。

また、来院の前に予め連絡を入れておくことで、到着時に迅速な対応をとることができます。酸素吸入の準備なども可能になるため、まずは落ち着いて動物病院に電話をしましょう。

呼吸器疾患

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呼吸の異常を確認した時に、一番初めに疑うのは呼吸器疾患でしょう。

その場合は咳など他の呼吸器症状を伴っていることも多く、自宅での確認が必要です。

猫喘息

【症状】
呼吸困難、咳、運動不耐性(疲れやすい)、開口呼吸、チアノーゼなど。症状は軽度から命に危険が及ぶものまで、程度は様々となる。
【原因】
刺激物やアレルゲンの吸入によって気道が反応することによる。考えられている病因は芳香剤、タバコの煙、ハウスダスト、掃除用洗剤、脱臭剤、花粉などであるが、はっきりとはわかっていない。
【備考】
年単位で咳が続くこともあり、治療もやはり長期間に及ぶことが多い。

肺炎

【症状】
咳、運動不耐性(疲れやすい)、呼吸困難、発熱、鼻汁、食欲不振、体重減少など。
【原因】
細菌やウイルスの感染、アレルギー、異物や食物の誤嚥など。
【備考】
呼吸の状態によっては酸素吸入が必要となる。

肺腫瘍

【症状】
慢性の咳、呼吸困難、無気力、体重減少、発熱と進行していく。
【原因】
原発性肺腫瘍発症の関連因子については明確なものはわかっていないが、タバコの煙などが関わっていると言われている。転移性肺腫瘍では甲状腺癌、乳腺癌、骨肉腫、血管肉腫、移行上皮癌、口腔および趾間部の悪性黒色腫、扁平上皮癌などからの転移が特に多い。
【備考】
原発性肺腫瘍であれば外科手術による治療が行われるが、転移性肺腫瘍の場合は予後不良。

気胸

【症状】
突然の呼吸困難(吸気性)、チアノーゼ。
【原因】
胸郭の外傷や肋骨骨折による外傷性、日常生活の中で起こる自然気胸などに分類される。
【備考】
自然気胸は突然起こるが、原因の確認が困難なことが多い。

呼吸器以外の疾患

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呼吸困難は、呼吸器以外が原因の可能性もあります。
以下のような疾患により胸水が貯留したり、呼吸器に刺激が与えられることがあります。

肥大型心筋症

【症状】
嘔吐、食欲不振、肺水腫や胸水貯留による咳、呼吸困難など。血栓塞栓症を随伴した場合、塞栓部位によって多彩な症状が見られる。多いのは腹大動脈遠位端で、この場合には両後肢の麻痺が見られる。また腎動脈付近の閉塞では尿産生が停止する。
【原因】
メインクーンとアメリカンショートヘアでは遺伝性が確認されている。
【備考】
血栓形成がQOL(生活の質)を低下させるので、本症が診断されたら血栓形成予防も同時に行う必要がある。

犬糸状虫症(フィラリア症)

【症状】
咳、呼吸困難、嘔吐を主症状とする。慢性的な衰弱を示すこともあれば、ほとんど症状を示さずに急死することもある。
【原因】
蚊によって媒介される犬糸状虫の寄生による。これは心臓の肺動脈に寄生するが、三尖弁口部に移動することによる大静脈症候群(著しい循環不全と血管内溶血)が見られることもある。
【備考】
猫では犬と比較して少数の犬糸状虫成虫寄生でも発症する。ノミ・ダニの駆虫薬の中には犬糸状虫の駆虫もできるものもあるので利用する。

猫伝染性腹膜炎

【症状】
発熱、元気消失、食欲低下、体重減少。滲出型では腹水や胸水貯留による腹部膨満、呼吸困難。非滲出型では黄疸、前ぶどう膜炎、脈絡網膜炎、発作、後肢麻痺など。
【原因】
猫伝染性腹膜炎ウイルスの感染。ウイルスは糞便や唾液を介した経口感染によって伝播される。
【備考】
現在、完全に治癒させるような治療法はない。感染力も強いので、多頭飼育の際には同居猫間の感染に注意が必要。居住空間、トイレ、食器などを分ける、こまめに環境を消毒するなどによってウイルスが伝播しないように努める。ウイルスはクロルヘキシジンや家庭用漂白剤で不活化される。

横隔膜ヘルニア

【症状】
無症状のこともあれば、嘔吐などの消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状を呈することもある。
【原因】
生まれつきの先天性と、事故や高所落下などによる後天性に分けられる。猫の場合は高所から飛び降りた時に発生することが多いとされている。
【備考】
胆道閉鎖、胃捻転、腸捻転などが同時に発症している場合には緊急手術が必要。逆に慢性的な経過の場合には緊急手術の必要はない。

その他

痛みや発熱などでも、呼吸がつらそうに見えることがあります。
いつもより呼吸が速いなどの異常が見られた際には、これらの存在を疑うことも忘れてはなりません。

まとめ

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動物病院では緊張もあり、自宅での症状が隠れてしまうこと、またはいつもよりもっと呼吸が速くなることも予想されるため、自宅での観察やチェックが重要となります。

いつもと違う呼吸が見られた時はすぐに動物病院を受診しましょう。

【獣医師監修】呼吸器疾患以外も?猫の咳で考えられる病気とは

ヒトでも咳という症状は、病気の際に見られる非常にありふれた臨床徴候です。風邪を引いた時、唾液が気管に入ってしまった時、あるいは特に何もないのに咳払いをすることもあります。

では、猫における咳にはどんな意味があるのでしょうか。言葉で身体の不調を訴えることのできない猫にとって、それは気付いて欲しい何かのサインかもしれません。

今回は猫の咳で考えられる疾患について解説します。

「咳」と「くしゃみ」と「逆くしゃみ」

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咳は体内に侵入してきたウイルスや異物を、体外へ排除するための生体防御反応としてはたらきます。さらに、気道の炎症や過敏反応などによって引き起こされる病的な咳もあります。

また、咳とよく似た症状として、くしゃみや逆くしゃみが挙げられます。

これらの症状における原因には一部共通するものもありますが、全く異なるものもあります。症状を正しく見分けることによって、診断をスムーズに行うことができます。

動画を撮る

とは言っても「咳とくしゃみは間違わないでしょ」と思う方もいるかもしれません。これが意外とわかりにくいものもあるのです。

そんな時は、咳をしている様子を動画に撮っておくといいでしょう。受診の際にはどんな時間帯に咳をしやすいのか、室温などの環境も合わせて獣医師に伝えると診断の助けになります。

呼吸器疾患

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では、愛猫が咳をしている場合、考えられる原因は何でしょうか。

まず考えるべきは呼吸器の異常です。呼吸器は喉頭、気管、気管支、肺を指します。これらの炎症や腫瘍によって咳が発生します。

猫における咳の原因となる呼吸器疾患をまとめました。

猫喘息

【症状】
咳、呼吸困難、運動不耐性(疲れやすい)、チアノーゼ、開口呼吸など。
【原因】
刺激物やアレルゲンの吸入。考えられている病因は芳香剤、タバコの煙、ハウスダスト、掃除用洗剤、脱臭剤、スギ花粉などと言われているが、はっきりとはわかっていない。
【備考】
トイレを紙や砂にする、エアコンの清掃をするなどは試してみてもいいかもしれない。症状は軽度から命に危険が及ぶものまで様々。

肺腫瘍

【症状】
慢性の咳、呼吸困難、無気力、体重減少、発熱など。
【原因】
原発性肺腫瘍発症の関連因子については明確なものはわかっていない。しかし、タバコの煙などが関わっていると言われている。転移性肺腫瘍では甲状腺癌、乳腺癌、骨肉腫、血管肉腫、移行上皮癌、口腔および趾間部の悪性黒色腫、扁平上皮癌などからの発生が特に多い。
【備考】
原発性であれば外科手術による治療が行われるが、転移性の場合は予後は悪い。

鼻咽頭ポリープ

【症状】
咳、いびき、くしゃみ、鼻汁、努力性呼吸、嚥下困難など。
【原因】
鼻咽頭に発生するポリープ。同腹の子猫に発生することもあるため、遺伝性疾患として示唆されている。
【備考】
ポリープから二次的な細菌感染が中耳や内耳に及ぶと、縮瞳、眼瞼下垂、第三眼瞼腺脱出などを呈することもある。

呼吸器以外の疾患

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原因は呼吸器に存在しないが近いところに病変が存在し、結果として気道を刺激して咳が生じることも少なくありません。頚部にある甲状腺や、胸部にある心臓の疾患などがそれにあたります。

これらの場合には咳以外の症状がないかもしっかりチェックし、血液検査などで異常値がないかも確認する必要があります。

肥大型心筋症

【症状】
嘔吐、食欲不振、肺水腫や胸水貯留による咳、呼吸困難など。血栓塞栓症を随伴した場合、塞栓部位によって多彩な症状が見られる。塞栓発生部位で多いのは腹大動脈遠位端で、この場合には両後肢の麻痺が見られる。
【原因】
メインクーンとアメリカンショートヘアでは遺伝性が確認されている。
【備考】
血栓形成がQOLを低下させるので、本症が診断されたら血栓形成予防も同時に行う必要がある。

犬糸状虫症(フィラリア症)

【症状】
咳、呼吸困難、嘔吐を主症状とする。ほとんど症状を示さずに急死することもある。
【原因】
蚊によって媒介される犬糸状虫の寄生による。これは心臓の肺動脈に寄生するが、三尖弁口部に移動することによる大静脈症候群(著しい循環不全と血管内溶血)が見られることもある。
【備考】
猫では犬と比較して少数の犬糸状虫成虫寄生でも発症する。ノミ・ダニの駆虫薬の中には犬糸状虫の駆虫もできるものもあるので利用する。

甲状腺機能亢進症

【症状】
体重減少、脱毛、嘔吐、下痢、多飲多尿、甲状腺の腫大(頚部圧迫による咳)、活動性の亢進など。
【原因】
ホルモン分泌能を維持した甲状腺の過形成および腺腫。一方で猫では甲状腺癌によるものは少ないとされている。
【備考】
高齢の猫における最も一般的な内分泌疾患とされる。良性の甲状腺腫大によるものが多いため、治療による予後は良い。

病気でない咳もある

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咳の原因は必ずしも病気だけではありません。冷たい空気も気道の刺激になり得ますし、食後に喉を整えるために咳をすることもあります。

しかし、これらの咳は一過性であることが多く、繰り返し咳をする場合や、毎回同じタイミングで咳をする場合などにはやはり一度動物病院を受診しましょう。子猫が毎回食後に咳き込むなどの場合には口蓋裂の可能性も考えられます。

まとめ

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咳はありふれた症状ではありますが、放置して良いものではありません。呼吸器の異常以外にも、甲状腺の異常や心疾患なども考えられます。

普段から愛猫の様子をよく観察しておき、いつもと違うことや心配なことがあれば動物病院に相談しましょう。

デグーは臭くない!においが気になる場合の対策方法とは

ペットを飼うと思ったときに気になるのがにおい。実際に飼ってから後悔することのないように、事前にその動物のことを理解するのはとても重要です。

生き物である以上はにおいが気になるのも仕方がありませんが、デグーの場合は少し対策をするだけで、ほとんどにおいは気にならなくなるとされています。

今回はデグーのにおい対策についてご紹介します。デグーのにおいに悩んでいる方も、これからデグーを飼おうと思っている方も、ぜひご一読ください。

デグーは臭いの?

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そもそもデグーには臭腺がないため、げっ歯類の中でも比較的においが気にならない動物だとされています。実際にデグーを飼っている方も、においはほとんど気にならないという方が多いようです。

しかし、においが気になるという飼い主がいるのも事実。これは、実はデグーのおしっこが原因である可能性が高いです。

では、なぜデグーのおしっこのにおいが気になるようになるのでしょうか。

デグーのおしっこがにおう理由

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デグーのおしっこがにおう理由は複数考えられます。

1. おしっこを撒き散らしている

デグーは仲間同士でおしっこをかけあう習性があります。これはデグーにとってとても重要な行動で、友好や求愛などのコミュニケーションの役割を果たします。また、喧嘩をする直前におしっこをかけあうこともあります。

2. 同じ場所でトイレができない

多くのデグーはトイレを覚えることができず、ケージ内のいたるところでおしっこをします。おしっこはマーキングの役割もあるため、オスのデグーにその傾向が強く、ケージ内が汚れやすくなります。

また、デグーは回し車が大好きで、回し車で走ったままおしっこをすることもあります。そのため、おしっこがケージ内やケージの外に飛び散ってしまうことがあり、においが気になる原因となります。

3. デグーの砂浴びが十分にできていない

お風呂に入らないデグーにとってお風呂の代わりになるのが砂浴びです。しかし、砂自体が汚れてしまっていたり、好みの砂でなくあまり砂浴びをしないと、体の汚れが落とせず、ベタついたりしてデグー自体のにおいが気になるようになります。

デグーのにおい対策

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デグーのにおいが気になる場合はどのような点を改善すれば良いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

ケージ内の掃除をしっかり行う

デグーのケージは毎日丁寧に掃除をする必要はありません。しかし、寝床や回し車、齧り木、トイレ周りなどは比較的汚れやすいため、2〜3日に一度はきれいにしてあげましょう

ケージの四隅や網の隙間には白く固まった尿石が溜まってしまうことがあり、これがにおいの原因にもなります。1週間に一度くらいはしっかり掃除することでにおいが気にならなくなります。また、あまりに汚れている場合は丸洗いしてあげると良いでしょう。


ただし、すべてを隅々まできれいにしてしまうと、自分のにおいがなくなり、マーキングのためにすぐにケージ内を汚してしまうことがあります。ケージを丸洗いするときは回し車や齧り木は洗わないなど、デグーが安心できるようにしてあげてください。

砂浴びの頻度や砂の種類を検討しなおす

砂浴び用の砂は、ケージの中で常に浴びられるようにしている家もあれば、常設はしていないけれど毎日、または週に2、3回砂浴びをさせるという家もあるようです。常設の場合は、おしっこやうんちで汚れやすく、清潔に保つのが難しいため注意が必要です。常設をしていない場合でも、週に一度は砂を新しくしましょう

基本的にはデグー専用の砂で問題ありませんが、あまり砂浴びをしてくれない場合は砂が好みではないかもしれません。その場合は、ハムスターやチンチラなどの他の小動物用の砂を試してみましょう。

砂浴びはストレス解消にもなるため、デグーが喜んで使ってくれるものを見つけてあげましょう。

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デグー自体をきれいにする

デグーはトイレを覚えられず、仲間同士でかけあったりすることもあるため、おしっこが体中についてしまうことも珍しくありません。そのため、特に気になる汚れがある場合は、汚れを拭き取ってあげましょう。

デグーはもともと砂漠で生活していたため、水に濡れるのがとても苦手です。そのため、お風呂に入れたりはせずに、少し濡らしたテッシュで軽くなでるように汚れを拭き取ってあげましょう。

特にしっぽは思ったりよりも汚れていることが多いので、においが気になったら拭いてあげてください。

まとめ

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デグーには汗腺がなく、他のげっ歯類と比べるとにおいが気になることは少ないです。しかし、デグーはおしっこをかけあって仲間とコミュニケーションをとる習性があるため、ケージ内やデグー自体が汚れてしまい、においが気になる場合があります。

砂漠に生息していたデグーは水に濡れるのが苦手なため、お風呂に入れてはいけません。砂浴びがデグーにとってのお風呂とも言えますが、それでも汚れが落ちない場合は、濡らしてティッシュで軽く拭き取ってあげましょう。

においが強いと感じるのはケージやデグー自体が汚れている証でもありますので、掃除の頻度を上げるなどして、清潔に保ってあげてください。

愛犬の成長は飼い主次第!目指したい指示の出し方と褒め方

愛犬にはどのように指示を出していますか?また、指示に対応してくれたらどのように褒めてあげていますか?

犬は基本的に人のコトバを理解できないことがわかっていても、ついコトバで色々なことを言ってしまったりと、愛犬の成長を止めてしまうような指示を出しているかもしれません。

今回は、やってしまいがちな指示の出し方と愛犬の成長を伸ばす指示の出し方を紹介します。

やってしまいがちな対応

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頭ではわかっていても愛犬を前にすると、つい愛犬には伝わりづらい指示や褒め方をしているかもしれません。指示の出し方に問題はないか改めてチェックしてみましょう。

良くない指示の出し方

  • コトバの指示の連呼
  • いきなりコトバのみでの指示
  • 刺激の多い中での指示
  • コトバの指示を変える(例:オスワリ!スワッテ!スワレ!オスワリデショ~)

これらはいずれも愛犬には伝わりにくく、失敗を誘発してしまいます。失敗(指示が伝わらない)を繰り返す場合は、上記の対応をしていないかを客観的に確認し、愛犬にどうしたら伝わりやすいかを再度考える必要があります。

良くない褒め方

  • カラダを強く撫でる
  • 大きな声で褒める
  • 普段あげているフードをご褒美にあげる
  • 小さいサイズのおやつをあげる

これらの褒め方は愛犬には「褒め」として伝わらず報酬になっていない可能性があります。よく、「大袈裟に大きな声で思い切り褒めましょう」という方法を見聞きしますが、愛犬からすると、突然人が大きな声で勢いよく自分に向かってきたら、うれしいといったプラスの感情よりも驚き怖いといったマイナスな感情が強くなることも考えられます。

人間のコトバが基本的にはわからない犬には、褒めコトバや撫でることよりも、しっかり大きさのある大好きなおやつをひとつもらえた方が報酬となり、行動が定着しやすいです。食欲があまりない場合は、優しく愛犬が喜ぶ撫で方をしたり、おもちゃが好きであればおもちゃ遊びをしてあげると報酬になるでしょう。

自分で考えることも大切

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まずは、指示を出して対応できるまでトレーニングすることが必要ですが、指示に対応できるようになった後には、愛犬が自分で考えて対応できるようにすることも大切です。毎回指示を出してばかりでは考える力は養われず、「言われたからやる」だけの対応になってしまいます。毎回指示を出す飼い主さんも大変ですね。

自分で考えられるようになると、人の前に来たらオスワリやフセをする、呼ばれなくてもアイコンタクトを取る、人の横について一緒に歩く、マットの上に行ったらフセをするなど、愛犬が考えてその行動を取れるようになり、人が求める行動も定着しやすくなります。

考える前に手とコトバの指示でトレーニング

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まずは、手の指示(動き)で刺激が強い中でもしっかりと愛犬がその行動をできるようになるまでトレーニングをします。犬はコトバよりも動きの方が理解がしやすいとされているため、まずは手や体の動きで覚えてもらいましょう。

その後、コトバで対応を覚えてもらいます。ただし、いきなりコトバだけを言っても伝わらないため、先に覚えた手の指示とコトバを組み合わせてトレーニングをします。

コトバの指示の教え方

指示のコトバを言ったあとに、手の指示を出すという順で練習をします。

<例:オスワリ>
「オスワリ」と言ったあとにオスワリの手の指示を出し、愛犬がオスワリできたら報酬をあげます。

一連の流れを何度も繰り返します。
「オスワリ」のコトバのみでオスワリができたら報酬をあげます。

この流れで練習すると、どんな対応もコトバの指示のみでその行動が取れるようになっていきます。

考えて行動を取るトレーニング

オスワリを例に説明をします。ゴールは、人の前にきたら自らオスワリをしてキープできる状態です。

考える力を養うトレーニングの方法

①オスワリが手やコトバの指示でできるようになったら、人の前に来て一度だけオスワリの指示を出して、できたら報酬をあげます。

②人の前に来たら指示は出さずに待ちます。待っている間はコトバをかけたり手の指示も出しません。圧をかけない程度にアイコンタクトを取っておきます。

③愛犬自らオスワリをしてくれたらおやつをあげます。

④一度できたら、再度指示は出さずにオスワリができたらおやつをあげるという流れを繰り返します。そうすると「人の前に来たら自らオスワリをする」という行動が定着します。

上記のやり方でうまくいかない場合のトレーニング方法

①再度オスワリの指示を出してオスワリをしたらおやつをあげます。

②人の前に愛犬が来たら、オスワリの指示を出しますが、すぐには出さずに指示を出すまでの時間を1秒、2秒、3秒…10秒と少しずつ伸ばします。指示を出してできた際も、指示を出さずに愛犬自らオスワリができた際もおやつをあげます。

この要領で、愛犬が自らできる対応を増やせるように練習してみてください。

もちろん、スムーズにできないこともたくさんあり、指示で対応するトレーニングの段階で躓くこともあると思います。その際は、信頼できるドッグトレーナーに、愛犬に合ったトレーニング方法を教えてもらうのもおすすめです。

まとめ

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愛犬に伝えたい気持ちが強くなりすぎて、指示の連呼や指示以外のコトバを発したりと、結局愛犬には伝わらない指示になっていることがあるかもしれません。

また、愛犬が求めている対応をしてくれた際の褒め方もとても大切で、ただテンション高く強く撫でただりするだけでは愛犬には褒めとして伝わっていないこともあります。自身の対応によって愛犬がどのような対応をするかを観察し、うまくいかない場合には自身の対応を変えてみましょう。

指示での対応ができるようになったら愛犬が考える力を養い、さらにレベルアップを目指してみるのはどうでしょうか。愛犬の成長を伸ばすのも止めるのも飼い主さんの対応次第かもしれません。