無意識にやってしまってるかも?子犬のマルトリートメントとは

「マルトリートメント」という言葉を知っていますか。もともとは人間の子供に対して使われており、アメリカで広まった表現ですが、人間の子供同様にマルトリートメントが子犬の成長過程においても大きな影響を与えると考えられ、子犬の発達に関しても使われるようになってきています。

今回は、この「マルトリートメント」とは何か、子犬に及ぼす影響や飼い主の立場としてできることなどを紹介していきます。

子犬のマルトリートメントとは

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マルトリートメントとは、虐待をはじめとした「不適切な養育」や「避けたい関わり」のことを意味し、子犬の健全な発育を妨げる行動とされています。

具体的な行動としては、怒鳴る、叩く、無視するといった愛犬に過度のストレスが加わるものが挙げられます。

マルトリートメントの影響

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マルトリートメントを受けた子犬には様々な影響があります。

1. 感情のコントロールができない

本来は飼い主と信頼関係を築き、何か不安なことや恐いことがあった際に、飼い主は頼れる存在となります。しかし、そのような頼れる存在がいないことで不安を感じることが多く、感情をコントロールするのが苦手になります。

そして、感情をうまくコントロールできなくなることで、怒りやすい、うつ状態になりやすいといった傾向が見られるようになります。

2. 適切な距離感がわからない

初めて会う犬や人に対して適切な距離を取ることなく、近い距離感で接することが多くなります。

飼い主との信頼関係や安定的な結びつきがないことが原因です。本来であれば飼い主との関わり合いの中で他者との適切な距離感を理解していきますが、その機会がないことで適切な距離感がわからなくなってしまいます。

3. 言葉の理解力が低下する

飼い主などから暴言を繰り返し受けると、側頭葉にある聴覚野が肥大し、音や言葉が聞き取れず、言葉の理解力が低下します。聞こえないことで他者とコミュニケーションを取ることも難しくなります

4. 脳が萎縮する

マルトリートメントを受けることで前頭前野が萎縮するというデータがあります。

前頭前野は感情をコントロールするなどの大切な役割を担っているため、マルトリートメントの頻度や強度が増すことで、感情のコントロールができなくなったり、気分障害といった精神的な弊害が出てくると考えられています。

日常でやりがちなマルトリートメント

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叩く、蹴るといった明らかな身体的な暴力は虐待という認識も強く、やってはいけない対応として考えている飼い主さんも多いと思います。

しかし、しつけとして当然のようにやっていることであっても、マルトリートメントになる可能性があります。

無視する

子犬の吠えや夜鳴きといったお悩みに対して、「吠えている時に対応すると、吠えると構ってもらえると学習して癖づくので、静かになるまで無視する」といった対応方法を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、この対応を繰り返し行うことはマルトリートメントに値する行為になるでしょう。子犬は親犬から離れ、慣れない環境で頼れる存在を探し、寂しさを訴えて吠えていることが多いはずです。それにも関わらず、どんなに鳴いても子犬は訴えを無視され続ける状態となってしまいます。

長時間の留守番

子犬をお迎えしてすぐに留守番をさせているという行為も留守番時間や頻度によってはマルトリートメントとなるでしょう。

慣れない場所でひとりだけにされ、寂しさを訴えて吠えても、ケージから出たくて吠えてもすべて叶うことはなく、無視されているのと同じ状態となります。

マルトリートメントにならないために

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愛犬が嫌がる、恐がる、痛がる、苦しむことをしないことが一番です。人間同様しつけだったらなんでも許されるということは絶対にありません。

まずは、日常的に愛犬に行っていることでマルトリートメントに該当するものがないかを見直してみましょう。見直した結果、代わりにどのような対応をすべきかわからない場合は、ドッグトレーナーに相談することをおすすめします。

罰を使わず、愛犬も飼い主も楽しくできるトレーニング方法があります。そのような手法を使ったトレーニングを教えてくれるドッグトレーナーを見つけ、愛犬とより良い関係性を構築しましょう。

また、犬をお迎えしても留守番が多くなることがわかっている場合は、犬をそもそもお迎えしない選択も大切です。

まとめ

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マルトリートメントは、虐待も含む「不適切な養育」や「避けたい関わり」のことを意味します。普段やってしまいがちな、愛犬を無視する、長時間の留守番をさせるといった行為も高頻度になるとマルトリートメントに含まれると考えられ、愛犬の精神面、身体面にも悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

他にも「しつけ」のつもりであっても愛犬に悪影響を及ぼしてる対応があるかもしれません。日常の愛犬との関わり方を再度見直し、ポジティブな対応を選び、愛犬も飼い主も楽しく豊かな日々を送ってほしいと思います。

【犬の保育園】子犬のうちに!行かないと起こりうる5つのリスク

最近ようやく認知度が上がってきている犬の保育園や幼稚園ですが、決して悩みがある子だけが行く場所ではありません。「愛犬には悩みはないから大丈夫」と思っていても、犬の保育園や幼稚園に行かなかったことで悩みが出てくる可能性もあります。

そこで、今回は犬の保育園に行かないことで起こりうるリスクやお悩みになりやすい行動について具体的に紹介します。

犬の保育園とは

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犬の保育園とは、家庭で飼われている愛犬を日中のみ預かり、トレーニングや登園している犬たちと遊んだりする場所です。場所によって細かい点は異なりますが、多くの犬の保育園ではトレーニングとエネルギーの発散が行われます。

また、「犬の幼稚園」もあります。お店によっては、保育園と幼稚園とで明確な違いを謳っているところもありますが、基本的には大きな違いはないと考えて良いと思います。お店によってはトレーニングはなく預かりのみの所もあるようですので、気になる保育園や幼稚園の具体的なサービス内容は事前に確認が必要です。

子犬のうちに保育園へ行かないことで起こりうる5つのリスク

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保育園はうちの子には関係ないと思っている方もまだまだ多いと思います。特に子犬をお迎えした場合、小さなお悩みはあっても深刻なお悩みが迎えてすぐの段階であるのは稀でしょう。

しかし、お悩みがないから保育園に通わないのではなく、お悩みが出ないようにするために保育園に通っていただきたいとドッグトレーナーとして強く思います。具体的に子犬のうちに保育園に通わないことで起こり得るリスクを見ていきます。

リスク①社会化不足

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保育園は良質な社会化に最適な場所です。社会化に最も適した時期である社会化期は個体差はあるものの、生後3週から12週目と言われています。この時期の半分以上はご自宅にお迎えする前であることがほとんどですので、飼い主が社会化期に社会化できる期間は一瞬です。

さらに、ご自宅でできる社会化の量や質はどうしても限られ、警戒心が上がり社会化不足が原因のひとつとなって様々なお悩みを抱えることが多いのが現状です。また、社会化はただ様々なことを経験すれば良いわけではなく、その子にあったレベルで徐々に行うことも非常に大切です。

その点で、犬の保育園はプロのドッグトレーナーが愛犬の性格や得意不得意を把握したうえで、質の良い社会化を実施します。また、周りには登園している犬たちもいるため、安全な環境で犬に慣れる意味でも有益な場所ではないでしょうか。

社会化不足が原因でよく聞くお悩み

  • 散歩中、在宅中に通行人への吠え、怯え
  • 他の犬への吠え、怯え
  • 音への過剰な反応
  • 散歩時の引っ張り
  • 散歩時に歩かない
  • ブラッシングなど家でのお手入れが苦手
  • トリミングが苦手

※社会化以外の原因が含まれることもあります

リスク②エネルギー発散不足

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子犬も人が思う以上に体力があります。特にワクチンが終わるまで散歩をしない方もまだ多いと思いますので、その場合は特に発散が不十分であることが多いです。子犬は睡眠時間が成犬よりも長めではありますが、月齢を追うごとに体力も付いてきます。その時に発散がしっかりできていないことで、人としては困る行動が出やすくなります

発散不足が原因でよく聞くお悩み

  • 甘噛み
  • ハウスでの吠え
  • 夜中や朝方に吠える
  • 家具などを噛む
  • 食糞

※発散不足以外の原因が含まれることもあります

これらの行動は、発散する方法を子犬自らが考えた結果であったり、発散できずにストレスが溜まった結果として出る行動が多いです。

一方、保育園に通っている子は、保育園後はぐっすり寝るという話は飼い主からよく聞きます。保育園はトレーニング、人との遊び、犬同士の遊びを通して多くの発散ができます。また、ご自宅ではない場所に身を置くことによる刺激もあり、良い疲れが良い睡眠を促し、結果としてお悩み軽減に繋がると考えられます。

リスク③自信不足

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人と同じで犬も様々な成功体験を通じて自信を付けることが大切です。これは社会化に通じる部分もありますが、家でルーティン化した日々やお留守番が多い生活をしていると、普段と違う局面になった時に対応ができず怖くて逃げる、吠える、身を守るために攻撃行動に出るといった行動を取りやすくなります

保育園はご家庭ではできない多くのことを経験し、成功体験を通じて自信を付ける機会に多く触れることができます。自信が付くと、初めての局面でも落ち着いていられたり、極度に怖がらずに対応することができます

リスク④飼い主と離れられない

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昨今、在宅勤務が増えたことで留守番の機会が減ってうれしい反面、飼い主と離れられず、飼い主の姿が少し見えないと鳴く、眠れない、夜鳴きする、お留守番ができないといったお悩みも増えているようです。ご自宅や飼い主の存在が安心に繋がるのはとてもいいことですが、飼い主と数時間離れていても落ち着いていられるようにすることも大切です。

保育園では、飼い主がいない場でトレーナーや他の犬たちと楽しい経験をします。さらに、お昼寝の時間があることもあり、ご自宅以外でもリラックスして寝る練習や経験ができ、飼い主がいなくても寝られるという自信を付ける効果もあるでしょう。

リスク⑤トレーニング不足

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トレーニング不足は室内やお散歩時のお悩みに繋がるのはもちろんですが、飼い主との関係性の欠如にも繋がると考えています。褒めて行うトレーニングは、愛犬とポジティブなコミュニケーションを取る手段のひとつです。ただし、トレーニング方法を誤ると逆効果になってしまいます

その点、保育園ではトレーニング方法を飼い主に細かく教えているところもあり、ご自宅でもトレーナーと同じ方法で飼い主と愛犬がトレーニングできます。様々なことに対応できるようになることはもちろん、飼い主と愛犬の関係性もより良いものになるでしょう。

まとめ

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リスクというやや強い表現での紹介をしてきましたが、そのくらい犬の保育園は一日も早く生後5か月までに利用していただきたい場所です。

犬の保育園は、健康な社会化期まっさかりの子犬にとってはメリットだらけです。先に紹介したリスク5点を緩和できる場所と考えていただいてもいいでしょう。また、ご自宅以外にも愛犬が楽しく安心して過ごせる場所を作る意味でも有益だと思います。

まずは、犬の保育園はお悩みが出る前から行く場所、お悩みが出るのを遅らせる場所という認識に変わると、トレーナーとしてうれしいです。

子犬の飼い主さん必見!パピーパーティーのすすめと選ぶポイント

子犬を迎えたら、サークル・トイレ・ベッド・フード・水などの準備はなんとなくイメージができたり、ペットショップなどでも教えてもらえたりすることがあると思います。

一方で、子犬のトレーニングを何をどのような手順でやっていくと良いかを知る機会はなかなか少ないのではないでしょうか。

今回は、そんな子犬が必要なトレーニングを学べ、実践できるパピーパーティーについて紹介します。

パピーパーティーとは

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パピーパーティーパピー教室といった名前で開催されることが多いこのイベント。対象は主に6ヶ月未満、大きくても1才未満の子犬です。
開催場所は犬の保育園(幼稚園)動物病院が多く、最近ではペットショップなどで開催している所もあるようです。

名前を聞くと子犬たちが集まってかわいいだろうなというイメージは浮かびますが、実際にはどのような目的で開催されているのでしょうか。次の章で詳しく解説していきます。

パピーパーティーの目的

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主催者によって、目的や内容も細かい部分では異なりますが、主な目的は大きく2つです。

①飼い主さんの勉強

  • 犬についての正しい知識を得る
  • 犬が人と生活していくうえで子犬のうちに必要なトレーニングを知る
  • 具体的なトレーニング方法を知る

知っているようで、意外と知らない犬に関する正しい知識や、子犬の時期の大切さとその理由、そしてその大切な時期にどういったトレーニングをすべきなのか、そのトレーニングの仕方を飼い主さんが勉強をします。
初めて聞く内容も多いと思いますが、犬のプロから聞く話はきっと今後に役立つでしょう。

②愛犬と飼い主さんによる実践と課題把握

  • 今やるべきトレーニングを実践する
  • パピーパーティー中の様子から愛犬の現状と課題を把握する
  • 愛犬の現状にあったトレーニング方法を知る
  • 愛犬が知らない人や犬に会う経験をする
  • 愛犬が知らない環境に身をおく経験をする

勉強したことをプロ主導で実践します。
実際にやってみるとうまくいかない部分がたくさんあると思いますが、プロであるドッグトレーナーや病院のスタッフにアドバイスをしてもらい、トレーニングの精度を高めていきます。

そして、家とはまた違う愛犬の姿から、愛犬の気持ちを読み取る練習もしてみましょう。

愛犬は何が・どうなると恐がるのか、それとも平気なのかを把握することも重要です。もし恐がる様子があれば、恐がらないレベルでその対象に慣れる練習が非常に大切になっていきます。

パピーパーティーを探す際のポイントと参加時の注意点

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犬同士のプレイタイムがメインは要注意!

ドッグトレーナーや獣医師などのプロがしっかりと見ている中で、順序立てて、その子に合ったレベルで無理なく触れ合うのは問題ありません。一方で、ただ単に犬同士のフリータイムを参加者全員で行う場合は、注意が必要です。

特に、初めて他の犬と触れ合う場合は、犬に対して恐いイメージがついてしまったり、逆に犬に興味津々の子は興奮して吠えやすくなったり、他の犬にグイグイと行き過ぎてしまう可能性があります。

吸収が早いパピー期だからこそ、できるだけ参加者全員が良い形で触れ合う経験をさせてあげましょう。フリータイム重視ではなく、しっかりと学べるプログラムとなっているパピーパーティーをおすすめします。

何回目のワクチンから参加可能?

参加条件にワクチンの3回接種が必須なところもありますが、1回目の接種が終わっていれば参加可能というパピーパーティもあります。
なるべく早い時期からパピーパーティに参加する方が望ましいので、ご自宅の近くにそういったところがないか探してみてください。

移動もパピーパーティーの一部

愛犬に様々なパピーパーティーに参加させたいという気持ちもわかりますが、移動も疲れを伴うため、できるだけ自宅の近くで開催されるパピーパーティーをおすすめします。

パピーパーティーでは飼い主さんも頭と体を使って疲れるように、子犬たちもたくさんの体力を使い、非常に疲れます。移動時間が長いと体力がまだあまりない子犬は疲れから体調を崩してしまう可能性があります。

パピーパーティを探す際は移動距離も考慮しましょう。そして、パピーパーティー後もしっかりと休ませてあげることが大切です。

写真や動画撮影は主催者と参加者に許可と配慮を

愛犬がパピーパーティーに参加している様子はとてもかわいく、記録として写真や動画を撮りたくなってしまいますよね。

しかし、いきなり撮影をするのは要注意です。主催者側からするとパピーパーティーは大切なサービスのひとつですので、音声付きでの動画撮影は禁止している可能性もあります。

また、犬をメインに撮影していても、他の飼い主さんが写りこんでしまう可能性があります。中には写りこむことを快く思わない方もいたり、自分の愛犬は写してほしくないという方もいるかもしれません。

トラブルを避けるためにも、両者にしっかりと許可を取った上で、パピーパーティーの進行や周りの方の迷惑にならない範囲で行いましょう。メインは勉強です。撮影はほどほどに!

まとめ

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今の時代はネットなどにも多くの情報がありますが、百聞は一見に如かず、プロから直接話を聞くと勉強になることも多いはずです。何より愛犬の状況にあった知識を得られるのが大きなメリットでしょう。

また、主催している犬の保育園や動物病院の雰囲気がわかり、今後利用するか否かの判断材料にもなります。

犬の一生を決めると言っても過言ではないパピーの時期に、ぜひ質の良いパピーパーティーで愛犬と一緒に勉強し、愛犬との幸せな日々をスタートしてください。