【犬編】ワクチン・駆虫薬で予防できる病気と、その他の病気の予防法

犬はヒトと同様に、ワクチンを接種したり、予防薬を投与したりすることで、さまざまな病気を予防できます。

狂犬病やフィラリアといった最低限のものは予防しているかもしれませんが、他の病気の予防はいかがでしょうか?よくわからないし、今まで何もなかったから大丈夫という理由で放置していませんか?

この記事では、ワクチンや駆虫薬で予防できる犬の病気と、その他の病気の予防法についてまとめました。

ワクチンで予防できる病気

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ワクチン接種が義務付けられている病気

日本では、狂犬病予防法により、全ての犬に狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています
毎年春頃になると、自治体から狂犬病ワクチン接種の連絡が届きますので、基本的には4月1日〜6月30日までの間に受けましょう。

なお、新型コロナウイルスの影響で2020年に引き続き2021年も、狂犬病ワクチンを12月31日までに接種すればよいと法改正されています。集団接種を中止している自治体もありますので、年内接種を忘れないようにしましょう。

ワクチン接種を推奨されている病気

ワクチンには、全ての犬がワクチン接種を行うべきと考えられている「コアワクチン」と、生活する環境によっては接種が推奨される「ノンコアワクチン」があります。

同時に接種可能な混合ワクチンの種類を表にしました。●はコアワクチンを意味します。

感染症 2種 4種 5種 6種 7種 8種
●犬パルボウイルス感染症
●犬ジステンパー
●犬伝染性喉頭気管炎
●犬伝染性肝炎
犬パラインフルエンザ
犬コロナウイルス感染症
レプトスピラ感染症
  イクテロヘモラジー型
  カニコーラ型

最低限、コアワクチンの犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパー、犬伝染性喉頭気管炎、犬伝染性肝炎は接種するようにしましょう。

どの混合ワクチンを接種するべきかわからないという方は、かかりつけの動物病院で相談しましょう。

【獣医師監修】改めて確認しよう!犬のワクチン接種と注意点

駆虫薬で予防できる病気

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ワクチンとは別に、寄生虫などに対しては、定期的な投薬が必要になります。寄生虫による感染症は、場合によってはヒトに感染して重篤な症状を引き起こすこともありますので、家族を守るためにも確実に予防しましょう。

フィラリア

フィラリアは蚊を媒介して犬の体内に侵入し、心臓に寄生するため、命に関わることも少なくありません。予防薬は、蚊が出始める5月頃から、蚊がいなくなってから1ヶ月後の12月頃まで、月に1度投与する必要があります

なお、血液中にフィラリアの幼虫がいる状態で薬と投与すると、犬がショック症状を引き起こし、死に至ることもあります。自分で判断せず、必ず動物病院で血液検査を行ってから投与するようにしましょう。

【寄生虫】犬糸状虫が引き起こす恐怖(フィラリア症)とその予防法

多包条虫

いわゆるエキノコックス症です。感染源であるエキノコックスの卵を経口摂取することで感染します。

犬やキツネが感染した場合は、軽度の下痢が見られる程度ですが、ヒトが感染してしまうと、肝臓、肺、脳などに寄生し障害を与えます。潜伏期間が長く、自覚症状がないため、気づいた頃にはかなり病状が進行していることが多いです。

予防薬は、毎月一度投与しましょう。

【獣医師監修】ヒトへの寄生が危険!エキノコックス症の恐怖とは?

ノミ、ダニ

ノミやダニは、散歩で草むらなどを通ったときに寄生されてしまいます。特にマダニは、ヒトに感染する病原体も媒介するため、寄生されないよう予防することが大切です。

一年を通して月に一度、薬を投与し、確実に予防しましょう。

【獣医師監修】ノミの放置で人にも?ノミ予防で愛犬も飼い主も健康に

【獣医師監修】愛犬のマダニ対策がさまざまな病気の予防に!

まとめて予防しよう

フィラリア駆虫薬の中には、犬鉤虫(こうちゅう)症、瓜実条虫症、犬鞭虫症、多包条虫症、犬回虫症、ノミ、ダニなどをまとめて予防できるものもあります。その分、お値段は張りますが、いくつも薬を与える必要がないのでオススメです。

病気の予防と早期発見の7つのポイント

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多くの病気は、予防をしていても100%防げるというわけではありません。しかし、普段のちょっとした習慣が、病気になりにくい体にしたり、早期発見につながったりすることがあります。

1. 肥満に気をつける

肥満は、糖尿病や心疾患、呼吸器疾患、骨関節疾患などさまざまな病気の原因であり、寿命を縮めてしまいます。

太ったらダイエットするのではなく、太らないよう、食事量をしっかり管理し、毎日の散歩も欠かさずに行いましょう

2. 室内の段差を減らす

椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)は、遺伝的な要素も大きいですが、飼育環境を心がけることで予防も可能です。

大きな段差や滑りやすい床は足腰に負担がかかるため、ソファやベッドには犬用の階段をつけてあげ、床がフローリング素材の場合は、マットやカーペットを敷いて滑りにくい工夫をしましょう。


3. ブラッシングは定期的に

換毛期だけでなく、普段からブラッシングをしてあげましょう。
頻度は犬種によって、毎日ブラッシングが必要な場合と、数日に1回で良い場合があります。愛犬に適したブラッシングの頻度を知っておきましょう。

スキンシップになるのはもちろん、皮膚の異常やノミやダニの付着、しこりなどの体の異常にいち早く気づけるかもしれません。

4. 尿や便をチェックする

尿や便は犬の健康状態を見る上でとても重要です。毎日確認することで、血が混じっている、下痢気味、尿量が少ない、便に動くものがいるなどの異変に早く気づけるでしょう。

【獣医師監修】犬の尿の色でわかる疾患とは?日々のチェック方法

【獣医師監修】犬の下痢は病気のサイン?見分け方と疾病を徹底解説

5. 誤食に気をつける

中毒症状の多くは、食品の放置による誤食や飼い主の無知が原因であることが多いです。
特に絶対に犬に与えてはいけないものは以下の通りです。

  • ネギ類
  • ぶどう
  • チョコレート
  • キシリトール
  • アルコール
  • 人間の薬

ぶどうが危険であると報告されたのは2001年と最近のため、知らないという人も多いかもしれません。しかし、急性腎不全になり死亡してしまう危険もあるため、犬に与えてはいけません。

犬が食べたら危険なものは犬の届かないところに管理し、誤って口にしないように気をつけましょう。

知っておこう、犬の薬物・毒物中毒。5つのケース別リスクと対策

6. 飲水・食事量の確認

肥満や偏食を防ぐために食事を管理することももちろん重要ですが、犬が1日に食べたり飲んだりした量をきちんと把握しておくと、体調不良の際に異変に気づきやすいです。

特に、飲水の量は意識しないとなかなか把握しづらいですが、例えば多飲多尿の場合は腎不全が疑われますし、少なすぎても脱水になってしまいます。
メモリのあるお皿を使うと、どのくらい飲んだのかが分かりやすいのでおすすめです。

【獣医師監修】放置しないで!犬の多飲多尿の原因とは?

7. 犬種の好発疾患を知る

チワワは水頭症や膝蓋骨脱臼になりやすい、ダックスフンドは椎間板ヘルニアになりやすいなど、かかりやすい病気は犬種によって異なります。

犬を飼うことを決めたら、まずはその犬の特性を調べ、どんな性格なのか、どんな病気になりやすいかなどをしっかり調べましょう。そうすることで、事前に対策をしたり、定期的に健康診断をしたりすることで、早期の発見が可能です。

まとめ

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今まで特に予防はしてこなかったけど、病気にはなっていないし、今更必要ないと考えていませんか?しかし、それはたまたま運が良かっただけで、いつどんな病気になるかは誰にもわかりません。

ペットを飼う以上はペットを幸せにする義務があります。そのために、飼い主としてできる限りの対策をしてあげましょう。

フィラリア薬を飲ませ忘れたら。すぐに投薬を再開するのはNG!

暖かくなり蚊が増えると、犬にはフィラリア予防薬を飲ませ始めます。
その後は、11〜12月頃まで、毎月投薬を続けますが、うっかり飲ませるのを忘れてしまうことがあるかもしれません。

飲ませ忘れた期間が長い場合、自己判断ですぐに投薬を再開すると、犬がショック症状を起こしてしまう可能性があり、非常に危険です。

今回の記事では、フィラリア薬を飲ませ忘れたときの対処法について、詳しくご紹介します。

犬の体にフィラリアが寄生・増殖する仕組み

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フィラリアは危険な寄生虫

フィラリアは、犬の肺動脈や心臓に寄生する寄生虫で、蚊によって媒介されます。
犬の体内で成虫になると、心臓で大量に幼虫を生み続けてしまうため、しっかり予防しないと命に関わるとても危険な寄生虫です。

ちなみに、寄生虫というととても小さいイメージがあるかもしれませんが、フィラリアの成虫は細長い素麺のような見た目をしており、体長は約10~30cmにもなります。

気温が約15℃を超えると蚊の吸血が始まるので、春先から予防薬を投与し始めることが多いです。

フィラリアの生育段階

フィラリアは卵を産まない「卵胎生」です。
蚊の体内である程度まで成長した幼虫は、蚊が吸血時に出す唾液と一緒に犬の皮膚に落ち、吸血で空いた穴から体内に侵入します。

その後、犬の体内で脱皮をして成長しながら、皮下→筋肉→肺動脈、心臓の順に移動し、成虫になって交尾をすると、メスは1日に2,000~3,000匹もの幼虫を肺動脈や心臓に産み続けます

犬の体内に侵入してから幼虫を産むまでの期間は、6~7ヶ月程度とされています。そして、産まれた幼虫は蚊の吸血時に蚊の体内に移り、ある程度まで成長してから、再び犬などの動物の体内に移ります。

フィラリア薬を飲み忘れるとどうなる?

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フィラリア薬の効果とは

フィラリア薬は、フィラリアの侵入を防ぐ薬ではなく、侵入したフィラリアの幼虫を駆虫する薬です。成虫には効かないため、幼虫の段階で駆虫しなければなりません。

飲み忘れるとどうなるのか

フィラリア薬は、「飲んだあとに侵入してきた幼虫を駆虫」するのではなく、「すでに体内にいる幼虫を駆虫」する薬です。そのため、蚊が出始めた1ヶ月後から飲み始めて、蚊が出現しなくなってからも1ヵ月後までは毎月飲み続ける必要があります。

つまり、仮にフィラリアが体内に侵入していた場合、薬の飲み忘れの期間が長くなれば長くなるほど、フィラリアが成長して、肺動脈や心臓で幼虫を産む段階に近づいていってしまいます

飲み忘れに気づいたら、「今年はもういいや」などと安易に投薬をやめてしまうのではなく、少しでも早く対処することが重要です。

飲み忘れに気づいても、すぐに飲ませるのはNG!

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フィラリア薬の飲み忘れに気づいたら、早急に対処するのが重要だと言いましたが、数ヶ月間飲み忘れが続いた場合は、すぐにフィラリア薬を飲ませてはいけません。

投薬を再開する前に、動物病院で一度検査を受ける必要があります

検査が必要な理由

すでに成虫にまで成長したフィラリアが犬の体内で幼虫を産んでいた場合、この段階でフィラリア薬を飲むことで、血液中の幼虫が大量に死にます

それにより、犬がショック症状を起こし、最悪の場合命を落とすこともあるのです。

数ヶ月間飲ませ忘れてしまった場合は、フィラリアが体内で成長していないかを動物病院で確かめてから、投薬を再開しましょう。

飲み忘れないための3つの工夫

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長期間飲み忘れると、フィラリア症の危険も高まりますし、検査を受ける手間もかかってしまいます。自分に合った工夫をして、月に1度のフィラリア薬を飲ませ忘れないようにしましょう。

1. カレンダーに前もって記入しておく

フィラリア薬の投与が始まったら、いつも使っている壁掛けのカレンダーや手帳に、11月、12月頃までの間の毎月分、投薬日を書いておきましょう。

2. スマホのリマインダーを使う

スマートフォンのリマインダー機能を使って、毎月決まった日に投薬の通知が来るように設定しておきましょう。

3. 家族のお薬カレンダーがあれば活用する

投薬を長期間続けている家族がいれば、お薬をポケットに入れておける「お薬カレンダー」「ピルケース」を使っているかもしれません。
ポケットやケースに、犬のフィラリア薬を一緒に入れておけば、家族と一緒に飲み忘れを防げます。

使っている人がいなくても、持病のある犬で投薬を継続する場合は、この機会に購入してみてもいいかもしれません。


まとめ

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フィラリア薬が開発されるまでは、フィラリア感染症で死亡する犬がたくさんいました。予防薬ができてから犬の平均寿命が大幅に伸びたことからも、フィラリアが予防しないといかに危険な寄生虫かが分かります。

そして、そんなフィラリア薬を開発したのは、日本の科学者で、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、大村智教授です。

偉大な開発の功績に感謝し、フィラリア薬を飲み忘れないように注意したいものですが、気をつけていても忘れてしまうことはあるかもしれません。
飲み忘れが数ヶ月にわたる場合は、投薬を再開する前に動物病院で検査を受ける必要があることを覚えておきましょう。

【クイズ】春から予防を!犬のフィラリア症の原因と投薬時の注意点

暖かい日が多くなり、フィラリア予防の季節になりました。毎年なんとなく予防している人も、予防してない人も、改めてフィラリア症の原因や危険性、注意したいことなどを理解しましょう。

本記事では、犬のフィラリア症についてクイズ形式で解説していきます。

それではさっそく、犬のフィラリアクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 犬のフィラリア症を引き起こす原因として正しいのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「蚊による吸血」です。
フィラリアは犬の肺動脈や右心系に寄生する寄生虫で、フィラリアに寄生された蚊に刺されることによって犬の体内に侵入します。

体内に侵入したフィラリアの子虫は、犬の皮下組織、筋肉、脂肪組織などで2〜3ヵ月かけて成長します。その後、静脈に入り、心臓に達して犬の身体を蝕みます。
Q.2 フィラリア薬であるイベルメクチンを開発したのはどこの国の人?
正解です!
不正解です!
正解は「日本」です。
フィラリア薬を開発したのは日本の科学者である、大村智教授です。2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことをご存知の方も多いかもしれません。

1980年の犬の平均寿命は3歳程度で、死亡原因の上位をフィラリア症が占めていました。しかし、大村教授が開発したフィラリア予防薬の定期的な投与によりフィラリア症で亡くなる犬が激減しました。最近では犬の寿命が13歳〜14歳となり、ここ30年で寿命が10年伸びたことになります。
Q.3 フィラリア薬について「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「薬を投与すると蚊に刺されにくくなる」です。
フィラリア薬は、犬の体内に侵入してしまったフィラリアの子虫を駆虫することを目的に投与します。蚊に刺されにくくなったり、体内にフィラリアが侵入するのを防ぐものではありませんので注意しましょう。

血中にフィラリアの幼虫がいる状態でフィラリア薬をする投与と、犬がショック死を起こしてしまう危険性もあります。薬を投与する前には必ず動物病院で血液検査をしてください。

フィラリア薬は蚊が出現する時期に投与を開始し、蚊が出現しなくなってから1ヶ月後まで続ける必要があります。そのため、蚊がいない冬の時期は投与する必要がありません。一方で、マンションの高層階では蚊はいませんが、外から帰って来た人間が室内に持ち込んだり、散歩の際に刺される可能性がありますので、フィラリア薬を投与する必要があります。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】愛犬の命をフィラリアの脅威から守ろう!
結果発表
問正解/ 問中
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致死率100%?フェレットが接種すべきワクチンとかかりやすい病気

フェレットの飼い主の皆さんは、フェレットがかかりやすい感染症や病気についてきちんと把握していますか? フェレットと安心して楽しい生活を送るには、病気の予防は必須です。また、病気に関する正しい知識を持つだけでも予防や早期発見につながります。 今回は、フェレットに打つべきワクチン、かかりやすい病気とその症状についてご紹介します。

予防するべき病気は?

フェレット,病気,ワクチン,ジステンパー,フィラリア,飼い方 フェレットがかかりやすい病気はいくつかありますが、あらかじめ予防しておくことで防げる病気もあります。日本においてフェレットは、ジステンパーフィラリア症の予防を推奨されています。

ジステンパー

犬に感染しやすいことで知られる犬ジステンパーですが、実はフェレットにも感染します。 犬ジステンパーウイルスの感染により発症し、発熱や鼻水、咳などの症状がみられます。進行するにつれ、皮膚や中枢神経にも異常が現れ、フェレットが感染するとほぼ100%の確率で死に至るとされています。 予防には事前のワクチン接種が重要です。日本にはフェレット専用のジステンパーワクチンがなく、犬用の混合ワクチンを接種するのが一般的なため、獣医師とよく相談して接種しましょう。

フィラリア症

を媒介にして感染する病気です。こちらも犬の病気ですが、まれにフェレットにも感染します。蚊に刺されることで10cm〜20cmほどの寄生虫が心臓に寄生し、呼吸困難や不整脈などの症状を引き起こします。 犬と比べて小柄で心臓が小さいフェレットにとっては、数匹の寄生虫でも重篤化してしまいます。また、犬に行うような寄生虫の摘出手術は、その心臓の小ささからも困難なため、フィラリアに感染させないことが重要です。 月に一回、飲み薬を与えるほか、レボリューションという液剤を首の後ろにたらすことで予防、駆除できます。また、薬によってはノミやダニにも有効なものもあるため、こちらも獣医師とよく相談しましょう。

フェレットがかかりやすい病気は?

フェレット,病気,ワクチン,ジステンパー,フィラリア,飼い方 ジステンパーやフィラリア症以外にも、フェレットがかかりやすい病気があります。発症のリスクは高齢になるにつれて上がるため、単純な老化なのか、病気なのかを適切に判断することが大切です。

インスリノーマ

インスリノーマは膵臓に腫瘍ができることでインスリン(血糖値を下げるホルモン)が過剰に分泌されてしまい、低血糖になる病気です。 症状としては、睡眠時間の増加や慢性的な体力減少などの比較的気付きにくいものから、よだれが垂れたり、足がふらついたりするなど視覚的にわかるものがあります。

副腎疾患

腎臓の近くにある副腎に異常が起きてしまうという病気です。フェレットという動物自体がこの病気にかかりやすく、副腎から分泌される性ホルモンの量が過剰になってしまうことで発症します。 発症すると高い確率で脱毛し、メスは外陰部の腫脹、オスは前立腺の肥大などの症状が見られます。

フェレットにワクチンは打つべき?

フェレット,病気,ワクチン,ジステンパー,フィラリア,飼い方 結論から言うと筆者はワクチンは打つべきと考えています。しかし、ワクチン接種の義務がなく、フェレット専用のワクチンがないことからも、副作用を心配する飼い主さんは少なくないでしょう。 そこで、予防をした場合のリターンとリスク、予防をしない場合のリターンとリスクについてそれぞれ考えてみましょう。

予防した場合

予防した場合のリターン

薬で予防すれば、ジステンパーやフィラリア、ダニ、ノミなどの感染や寄生をほぼ防ぐことができます。特に、感染すると死亡率がほぼ100%のジステンパーはワクチンを接種するだけでその危険から逃れられます。 飼い主さんとしても、これらの病気を気にすることなく安心して一緒に生活できることでしょう。

予防した場合のリスク

副作用の可能性は考えなければいけません。ほとんどの場合は問題ないとされていますが、場合によっては発熱や接種箇所の腫れ、まれにショック状態に陥ってしまうこともあります。 また、ワクチンの接種や投薬での予防は金銭的な負担もかかります。

予防しない場合

予防しない場合のリターン

副作用について考慮する必要はなく、金銭的な負担もありません。

予防しない場合のリスク

既に述べていますが、フェレットがジステンバーに感染するとほぼ100%死んでしまうというのが何よりも大きなリスクと言えるでしょう。室内飼いであっても蚊やノミ、ダニの侵入は避けられず、常に感染や寄生の脅威がつきまといます。 もちろん、散歩に連れて行ったり、他のフェレットと遊ばせたりすることも難しく、ワクチンを接種していないとペットホテルを利用できない場合もあります。

リターンとリスクを考える

これらのリターンとリスクをふまえると、予防しない場合のリスクはリターンに比べてかなり大きなものではないでしょうか。 飼い主さんがリターンとリスクをしっかり理解し、獣医師と相談した上で、愛するフェレットにとって何が一番良いのか判断してください。

まとめ

フェレット,病気,ワクチン,ジステンパー,フィラリア,飼い方 今回は、フェレットのかかりやすい病気と予防すべき病気、そしてワクチンを打つべきかどうかについてご紹介しました。 ワクチンなどの薬による予防は義務ではなく、飼い主さんの判断に委ねられています。そのため、どうすることが一番フェレットのためになるのか、どうすればフェレットと楽しく過ごせるかを考慮した上で判断しましょう。 また、ジステンパーやフィラリアといった予防すべき病気以外にもかかりやすい疾患があるため、大体の症例は覚えておき、少しでも様子がおかしいと思ったら動物病院に連れて行くことをお勧めします。

犬と猫の予防医療。防ぐことのできる病気を知ろう!

飼い主のみなさんは愛犬の予防医療について考えたことはありますか?予防医療とは簡単に言えば、「病気にかからないように予防する」という考え方です。 つまり、病気にかかってから治すのではなく、病気になりにくい体作りを推進して健康を維持しようとすることです。この考え方は人間にもペットにも同じことが言えます。 今回はペットの予防医療について考えていきたいと思います。

予防医療の重要性

予防医療,犬,猫,ワクチン,フィラリア,ノミ,マダニ,健康診断,ペットドック,デンタルケア アニコムホールディングス株式会社の「アニコム 家庭動物白書2019」によると、この10年で犬の寿命は0.7歳、猫は0.5歳延びており、人間に換算すると犬は約4〜5歳分、猫は約3〜3.5歳分にもなります。 これは人間の同時期の平均寿命の延びよりも大きいため、犬猫の平均寿命は飛躍的に延びていると言えるでしょう。 しかし、平均寿命が延びるということは、高齢である期間が長くなるということでもあります。 ペットも人間と同様、高齢になるにつれ病気や怪我のリスクも増えていきます。ペットが少しでも健康で長生きができるように、私たち飼い主が「健康」と「病気」について学ぶ必要があります。

犬の予防医療〜ワクチン〜

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犬の混合ワクチン

犬のワクチンには、全ての犬が接種を行うべきであると考えられている「コアワクチン」と、生活環境によって接種が推奨される「ノンコアワクチン」があります。

コアワクチンで防げる病気

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型)
  • 犬伝染性喉頭気管炎(犬アデノウイルス2型)

ノンコアワクチンで防げる病気

  • パラインフルエンザ
  • レプトスピラ症
  • コロナウイルス感染症
混合ワクチンは2種から8種があり、それぞれ含まれているワクチンが異なります。動物病院によって取り扱っているワクチンの種類も異なりますので、各病院に問い合わせください。 どの混合ワクチンを接種すべきかは、生活スタイルをお話した上で、獣医師と相談しましょう。

狂犬病ワクチン

狂犬病は人獣共通感染症で、発症すると犬も人もほぼ100%死亡する病気です。 狂犬病予防法に基づき、日本では飼い主が犬に毎年狂犬病のワクチンを接種させることを義務付けています。 生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に1回、その後は毎年1回接種を受けなければいけません。また、ワクチン接種の際に交付された注射済票を必ず犬につけておく必要があります。

猫の予防医療〜ワクチン〜

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猫の混合ワクチン

猫の混合ワクチンで防げる病気は以下の5つです。
  • 猫伝染性鼻気管炎
  • カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病
  • クラミジア感染症
混合ワクチンには、含まれるワクチンの数によって3種4種5種があり、コアウイルスと呼ばれる「猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症」の3つは、全ての混合ワクチンに含まれています。 なお、混合ワクチンの接種前には、血液検査をして猫白血病に感染していないかを確認する必要があります。万が一、検査結果が陽性であった場合は、猫白血病の入っていないワクチンを選択します。 また、製薬会社によっては、猫カリシウイルス感染症の強毒株に対応したワクチンもありますので、接種前に獣医師とよく相談しましょう。

猫の単味ワクチン

1種類のみの病気を予防できるのが単味ワクチンです。主に以下の病気を防ぐことができます。
  • 猫免疫不全ウイルス感染症
  • 猫白血病ウイルス感染症
猫免疫不全ウイルスは、屋外で生活する猫や、飼い猫が脱走してしまった際の保険として接種が推奨されています。このウイルスは地域によってサブタイプの流行が異なるため、猫の生活する地域に合わせて選択しましょう。 猫白血病ウイルス感染症は、混合ワクチンに含めることができますが、単体でも接種できるように用意されています。

ワクチン接種時の注意点

予防医療,犬,猫,ワクチン,フィラリア,ノミ,マダニ,健康診断,ペットドック,デンタルケア ワクチンを受ける際は犬猫が元気であることが重要です。 治療中の病気や服用中の薬がある場合は、獣医師に相談しましょう。 注意をしていても、アレルギー反応やアナフィラキシー反応が起こることがあります。 元気がない、嘔吐、発作、顔の腫れなど、異常がみられる場合は躊躇せずすぐに動物病院を受診してください。そのため、ワクチンの接種は午前中がオススメです。 また、接種後は、以下の点に気をつけましょう。
  • 接種後できれば30分は動物病院付近で様子を見る。
  • 接種後半日以上は屋外に出すことを避ける。
  • 接種日の投薬を避ける。
  • 接種後1週間はトリミングを避ける。

犬猫共通の予防医療

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フィラリア予防

フィラリア症は蚊に刺されることによって感染します。心臓に糸状のフィラリアが寄生し、咳、呼吸困難、吐血などの症状を引き起こします。命に関わることもありますが、注射や投薬で確実に防げる病気でもあります。 蚊の発生時期に合わせて、毎年4、5月から11、12月まで、月に一度の投薬(飲み薬あるいはスポットタイプ)で予防が可能です。犬猫ともに室内飼いであっても蚊に刺される可能性はあるので確実に予防しましょう。 なお、すでにフィラリアに感染している場合は、予防薬によりショック症状を呈することがあるため、その年初めての投薬前には血液検査が必要です。

ノミとマダニ予防

ノミやマダニは草むらを中心に生息し、貧血や皮膚炎を引き起こします。人間に感染することもあり、特にマダニに感染した場合は、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)を引き起こして死に至ることもあります。 ノミやマダニは春から秋にかけて多く見られ、特に夏は1回の散歩でも感染する可能性があります。室内では冬でも見られますので、1年を通して予防することをおすすめします。 ノミの予防薬にはスポットタイプ、スプレータイプ、飲み薬などの種類があるため、どの薬を使うかは獣医師に判断してもらいましょう。

健康診断(ペットドック)

定期的な健康診断は予防医療の基本です。犬や猫は本能的に痛みを我慢し、苦しいそぶりを見せないため、飼い主さんだけでは全ての病気や怪我に気がつくことは難しいでしょう。 犬猫は人間よりも老化が早いため、こまめな検診が予防につながります。目安として犬猫と共に、年齢6歳までは年に1度、6歳異常は年に2度の健康診断が推奨されています。

歯の手入れ

歯周病は犬における最も一般的な疾患で、3歳以上の犬の80%に見られると言われています。また、猫の歯周病も増加しています。 歯周病は歯垢が歯石に変わり、そこに菌が繁殖することで引き起こされます。歯周病は歯茎の炎症・出血、口臭、食欲の低下などの症状を起こし、さらに進行すると歯が抜けたり、顎の骨が折れたりします。また、腎臓や心臓などにも問題を引き起こすこともあります。 飼い主さんができる歯の手入れは、歯石に変わる前の「歯垢」を取り除くことです。 毎日の歯ブラシでのケアが望ましいですが、苦手な犬猫は歯ブラシほどではないものの、ガーゼや歯磨きペーストによるケアでも有効です。 歯ブラシでのケアは成犬、成猫になってからでは慣れるまでに時間がかかりますので、幼い頃から歯磨きに慣れさせることが大切です。

まとめ

予防医療,犬,猫,ワクチン,フィラリア,ノミ,マダニ,健康診断,ペットドック,デンタルケア 今回は犬や猫の病気を未然に防ぐために、飼い主さんができる「予防医療」についてまとめました。 ペットの健康寿命を延ばすためには日々のケアが大切です。私たちが正しい知識を身に付け、ケアの方法を学ぶことで防げる病気や怪我があります。 これを機にペットの生活習慣を見直し、体調管理についてもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

【獣医師監修】愛犬の命をフィラリアの脅威から守ろう!

暖かくなり、フィラリア予防の季節になってきました。 犬を飼ったことのある方にとっては当たり前のフィラリア予防ですが、もしかしたら誤った自己判断で愛犬を命の危険にさらしてしまっているかもしれません。 本記事ではフィラリアの基本的な知識と、フィラリアの正しい予防方法をお伝えします。

フィラリア(犬糸状虫)とは

フィラリア(犬糸状虫)とは何か フィラリアは犬の肺動脈や右心系に寄生する寄生虫で、蚊によって媒介されます。一般的に、気温が15度を超えると蚊の吸血が始まると言われているので、春先頃に予防薬を投与し始める方も多いと思います。 フィラリアは心臓に寄生するため、感染が成立すると命に関わることも少なくありません。 治療にも時間を要するため、できる限り予防したい感染症の一つです。

フィラリアの体内での成長

蚊に刺されたときにフィラリアの子虫が犬の体内に侵入します。 体内に侵入したフィラリアの子虫は、犬の皮下織、筋肉、脂肪組織、漿膜下で2〜3ヵ月をかけて成長します。その後、静脈に入り、心臓に達します。

フィラリア薬ってどんな薬?

フィラリア薬とはどのような薬なのか? フィラリア薬が開発される数十年前までは、フィラリア感染症で亡くなる犬がたくさんいましたが、予防薬ができてからは犬の平均寿命が大幅に伸びました。 フィラリア薬を開発したのは日本の科学者である、大村智さん。2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことは、ご存知の方も多いかもしれません。ノーベル賞を受賞するほどですから、フィラリア薬がどんなに大切かお分りいただけるでしょう。

フィラリア薬の効果

フィラリアは蚊によって媒介されますので、蚊に刺されないことこそが最大の予防となります。しかし、これは現実的に不可能です。 そこで、フィラリア薬を用いて、蚊に刺されてもフィラリアに感染しないようにすることが必要不可欠です。 ここで注意したいのは、予防薬はフィラリアから体をバリアするものではないということ。あくまでも1ヵ月に1回投与することで、犬の体内に侵入してしまったフィラリアの子虫を駆虫することが目的です。

フィラリア薬の投与の仕方

各製薬会社で様々なフィラリア予防薬が販売されていますが、フィラリア予防薬は「要指示医薬品」ですので、動物病院で処方してもらいます。 血液の中にフィラリアの幼虫がいる状態でフィラリア薬を投与すると、犬がショックを起こして死に至る危険性もあるので、必ず動物病院で血液検査を行ってから投与をしましょう。 フィラリア薬は基本的に錠剤タイプですが、錠剤を嫌がる場合はチーズなどに包んで与えてみましょう。

フィラリア薬の投与期間

フィラリア薬は、フィラリアの生活環の子虫と呼ばれる段階にしか効果がありません。フィラリアの子虫が血管内に入る前に駆除する必要があるため、1ヵ月ごとにフィラリア薬を投与し、フィラリアの侵入を定期的にリセットしなければいけません。 つまり、フィラリア薬は蚊が出現する時期に投与を開始し、蚊が出現しなくなってから1ヵ月後まで続ける必要があるということです。 この+1ヵ月を忘れてしまうと、蚊のいない冬の時期にフィラリアが成長し、心臓に感染してしまいます。

フィラリア予防のよくある間違い

フィラリア予防に関するよくある質問 フィラリア予防について、間違った自己判断は愛犬の命取りになります。決して自分で判断をせず、動物病院で獣医師とよく相談しましょう。 フィラリア予防について、よくある質問についてまとめました。

マンションの高層階に住んでいるから蚊には刺されない?

外出した人の衣服に付いてくる、エレベーターに乗ってくるなどによって、高層階であっても蚊がいることは多くあります。
散歩の際に蚊に刺されることもあるので、居住環境に関わらずフィラリアの予防は必須です。

動物病院で検査を受けなくてもフィラリア薬の投与を始めてよい?

前述した通り、フィラリア薬の投与前には、成虫の感染がないか予め血液検査をする必要があります。
心臓にフィラリアの感染が成立している場合、成虫から生まれたフィラリアの幼虫が血中に存在する可能性があります。 このときにフィラリア薬を投与すると、幼虫の急激な死滅によってアナフィラキシーを起こす場合があり、非常に危険です。 去年の薬が余っているからと、検査をせずに投薬を開始するのは止めましょう。

飲み忘れの期間があるけど、投薬を再開して大丈夫?

蚊によって体内に侵入したフィラリアの子虫は早ければ2か月ほどで血管内に移動します。
こうなるとフィラリア薬は効きにくくなってしまいます。 前回の投薬から間隔が空いている場合は獣医師の指示を仰ぎ、定期的に検査をしながら慎重に投薬する必要があります。

まとめ

フィラリア 予防 春 夏 犬 今回は、犬のフィラリア感染症について詳しくお伝えしました。 フィラリア感染症は命に関わることもありますが、感染の経緯や薬の効果を知ることで、正しく予防できます。 フィラリア予防薬の投与は、かかりつけの獣医師によく相談し、指示に従いながら、大切な愛犬の命を守りましょう。

知っておきたい!犬のワクチン接種と寄生虫の予防について。

犬が感染する重大な感染症や寄生虫には、ワクチン接種や予防薬、定期検診などで防ぐことができるものがあります。 中には人間に感染する病気もあるので、しっかり予防しておくことが重要となります。 今回は主な感染症や寄生虫の症状と、予防方法をご紹介します。

混合ワクチンで予防できる感染症

医者さん 混合ワクチンは、複数の重大な感染症を一度に予防できるワクチンです。 対応している感染症の数によって、ワクチンの種類が異なります。地域ごとの感染症の発生状況などを考慮し、獣医師と相談しながら決めましょう。 まずは、それぞれの感染症の特徴を簡単にみていきましょう。

パラインフルエンザ

人間の風邪に似ていて、乾いたせき、鼻水、扁桃炎などの症状があります。ほかの感染症と一緒に感染すると症状が重症化します。

伝染性肝炎

症状はさまざまですが、発熱、食欲不振などの比較的軽い症状から、肝炎をともない死に至るものもあります。

パルボウイルス感染症

ひどい嘔吐、下痢が続く腸炎型と、突然死する心筋型があります。

ジステンパー感染症

発熱、食欲不振などの軽い症状からはじまり、重症化すると神経障害があらわれ死に至ることもあります。 1歳未満の子犬の発症率が高いといわれています。

アデノウイルスⅡ型感染症

発熱、せき、および肺炎や気管支炎などの呼吸疾患をおこします。ほかの感染症と一緒に感染すると症状が重症化します。

レプストピラ感染症

肝臓や腎臓の病気で、黄疸や下痢、歯茎の出血などの症状があらわれる黄疸出血型と、嘔吐や下痢をともなうカニコーラ型があります。レプストピラ感染症は、人と動物の間での感染の可能性がある感染症(人畜共通感染症)のひとつです。

コロナウイルス感染症

食欲不振、嘔吐、下痢などの症状があります。パルボウイルスと一緒に感染すると、死に至ることもあります。

ワクチン接種の時期と回数

混合ワクチンは通常、生後50日前後に1回、さらにその約20~30日後にもう1度受け、2歳以降は1年に1度受けます。 ただし、時期や回数はそれぞれの犬の年齢や体調によって異なるため、獣医師に相談し、指示をあおぎましょう。 料金の相場は、5種で5000円程度、8種で7000〜9000円程度といわれています。これも地域や病院によって異なり、中には診察代や初診料がかかる場合もあります。

狂犬病ワクチン

犬顔 狂犬病は、感染した動物に噛まれることで感染する病気です。脳に至る中枢神経がおかされて凶暴化し、最終的には死に至ります。 人間を含むすべての哺乳類が感染し、その致死率はほぼ100%といわれています。世界では年間5万人以上の人が狂犬病によって命を落としています。 昭和25年に狂犬病予防法が制定され、犬の登録とワクチン接種が義務付けられて以来、日本国内での感染はほとんど報告されていませんが、動物の輸入などにより国外から狂犬病が国内に上陸する可能性はあります。 万が一、狂犬病が侵入したときでも、その蔓延を防ぐために、全ての犬が狂犬病ワクチンの接種を受けることが重要なのです。ワクチン接種は動物病院だけでなく自治体の集合会場でも受けることができます。 接種の時期としては生後3〜5ヶ月に1回、2歳以降は1年に1度受けます。一般的に、毎年春になると自治体やかかりつけの動物病院から通知がくることが多いです。 費用は、初回は畜犬登録料を含め6000〜7000円程度、2回目以降は3000〜4000円程度が相場です。

フィラリア症の予防

蚊取り線香 フィラリアは蚊を媒介して心臓や肺動脈に寄生する寄生虫で、増殖して進行すると心臓疾患を起こし、命を奪うことも少なくありません。 5〜11月頃の蚊が発生する期間に、月1回の予防薬を与えることで予防できます。薬のタイプは、飲み薬や皮膚におとすだけの滴下タイプなどがあります。 すでに感染していると予防薬で副作用を起こすこともあるので、動物病院で血液検査をおこなってから処方されます。 費用は1回1000〜3000円程度で、犬の体重によって異なります。

回虫、鉤虫、条虫の予防

獣医と犬 回虫、鉤虫(こうちゅう)、条虫はどれも消化器官などに内部寄生虫で、下痢や貧血、血便や食欲不振などを引き起こします。 感染経路は犬の排泄物などから経口・経鼻感染することが多いが、母犬からの胎盤感染や母乳感染もあります。 症状が出ないこともありますが、寄生虫を持っているとさまざまな病気にかかりやすくなりますから、定期的に検便をしましょう。検便の費用は1回1000〜1500円程度で、寄生虫が確認された場合は駆虫薬を服用します。 また、散歩中にほかの犬の排泄物に口や鼻をつけないように注意することで感染のリスクを抑えることができます。

ノミ・ダニの予防

かゆいしば ノミやダニが皮膚、被毛、耳などに寄生すると、ひどいかゆみを引き起こします。 体をかきむしって傷ができると、細菌が入って皮膚炎になったり、大量に寄生すると貧血を起こしたりします。 1年を通して衛生的な生活環境に気を配り、4〜11月頃に薬を投与すると効果的です。薬のタイプは錠剤、滴下タイプ、スプレータイプなどさまざまで、持続期間も異なります。 市販のものもありますが、獣医師と相談して処方してもらうのがよいでしょう。

防げる病気は確実に防ごう

犬と子供 さまざまな重大な感染症や寄生虫は、ワクチンや予防薬、定期的な検診によって未然に防いだり、重症化を防ぐことができます。 費用はそれなりにかかりますが、しっかり予防しておかないと最悪の場合、死に至ることもあります。 また、犬は自分の不調を言葉で訴えることができませんから、人間よりも病気の早期発見が難しいのです。 獣医師と相談しながらそれぞれの犬にあった予防方法を考え、大切な犬の健康を守ってあげましょう。