【獣医師監修】ブリティッシュ・ショートヘアの好発疾患と飼い方

ブリティッシュ・ショートヘアは、グレー(ブルー)の短毛が美しい猫種です。性格もどっしりと落ち着いていて、比較的手のかからないと日本でも人気です。

ところで、ブリティッシュ・ショートヘアには好発疾患があるのをご存知でしょうか。

今回はブリティッシュ・ショートヘアのかかりやすい病気と、それを踏まえたオススメの飼育環境について解説していきます。

ブリティッシュ・ショートヘアの基本情報

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歴史

ブリティッシュ・ショートヘアは、ローマ帝国がイギリスへ侵入する際に、ネズミを駆除するためのワーキングキャットとして連れてこられたと考えられています。

それからしばらくは、農場などでネズミ退治を目的に飼われていましたが、19世紀中頃に優秀な個体を選択し、品種改良が行われました。

その後、1871年のロンドンで開かれたキャットショーで紹介され、注目を集めました。

身体的特徴

体重は4〜8kgで、力強くがっしりとした体つきをしています。成猫になるには3〜5年ほどかかるといわれており、他の猫種に比べると成長はゆっくりです。

被毛は短毛のダブルコートです。毛色はブラック、ホワイト、クリームなどさまざまですが、「ブリティッシュブルー」と呼ばれる灰色の毛色が一般的で人気があります。

性格

ブリティッシュ・ショートヘアは、温和でのんびりした性格をしています。

自立心が強いため、スキンシップはあまり好まず、抱っこや撫でられることも嫌がります。しかし、猫の方から近寄ってくることもありますので、その際は思う存分甘やかしてあげてください。

ブリティッシュ・ショートヘアの好発疾患

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まずは、ブリティッシュ・ショートヘアに多い疾患をいくつか紹介します。
どんな症状が出るのかなど、病気をきちんと理解しておけば、日常生活の中で愛猫の異常に気づきやすくなるかもしれません。

肥大型心筋症

【症状】
食欲不振、嘔吐、運動不耐性(疲れやすい)、胸水貯留、腹水貯留など。
【原因】
心筋が厚く固くなることによって、心臓の動き(主に拡張能)が阻害される。また左心房内に血栓が形成されやすく、大動脈に乗って末端で詰まることも多い。
【備考】
血栓塞栓症が随伴した場合、最も多いのは腹大動脈遠位部(太ももの付け根あたり)で、突然の後肢麻痺が見られる。肥大型心筋症と診断された後は、心筋症の治療の他に血栓の予防も同時に行う。

尿石症

【症状】
頻尿や血尿などの膀胱炎症状。尿道閉塞や尿管閉塞を来たすと急性腎不全の症状(食欲廃絶、嘔吐など)を呈する。
【原因】
腎臓から膀胱までの尿路で結石が形成され、物理的刺激による炎症や閉塞による症状を呈する。
【備考】
特にオスでは尿道閉塞のリスクが高い。また結石の種類(ストラバイトやシュウ酸カルシウムなど)によって食事療法が適用となるかが変わる。

多発性嚢胞腎

【症状】
食欲不振、嘔吐、脱水、多飲多尿、貧血など。
【原因】
腎臓に多数の嚢胞が形成され、腎機能に障害がおこる。遺伝的要因の関与が疑われる。
【備考】
慢性腎不全は高齢猫に多い病態だが、多発性嚢胞腎では若齢で慢性腎不全の症状が見られることも多い。血液検査と同時に、画像による腎臓の検査も定期的に行うべきである。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、多食、体重減少、白内障、嘔吐、下痢、便秘、脱水、歩行障害、昏睡など多岐にわたる。
【原因】
過体重、老齢、膵炎、腫瘍、感染症などが危険因子となる。インスリンは分泌されているが効果が低いⅡ型糖尿病が多いと言われている。
【備考】
猫はアミノ酸からグルコースを作り出す代謝経路が活発で、またインスリンの分泌が低い特徴がある。よって猫では肥満、ストレス、感染症など血糖値を上げる因子、血糖値を下げられない因子が関わると糖尿病になりやすい。

ブリティッシュ・ショートヘアに適した飼育環境

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これらの好発疾患を踏まえたブリティッシュ・ショートヘアへのオススメの飼育環境について見ていきましょう。

今回は好発疾患の予防や、病気の早期発見に着目してご紹介します。生活習慣を見直し、万が一の時に素早い対応ができるようにしましょう。

肥満に注意

ブリティッシュ・ショートヘアに限ったことではありませんが、肥満は多くの病気のリスク因子となります。

肥満を予防するためには、食事管理と適度な運動が不可欠です。食事は総合栄養食を与え、栄養のバランスが崩れないように配慮しましょう。

また、室内外だとどうしても運動不足に陥りやすくなります。走り回るなどの二次元的な動きだけでなく、ジャンプなどの三次元的な動きを採り入れた運動スペースを確保しましょう。

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尿の状態をチェック

腎泌尿器疾患や糖尿病など、ブリティッシュ・ショートヘアには尿に異常が見られる疾患が多く発生します。
健康な状態での尿の量や色をしっかりと把握し、毎日の尿の状態をチェックしましょう。

しかし、トイレの種類(猫砂、新聞紙など)によっては尿の性質を正確に把握することは難しいかもしれません。少なくとも尿の色(血尿かどうか)および尿が少なくないかは見ておくといいでしょう。

水はいつでも飲めるように

腎臓への負担を軽減するため、または尿路での結石形成を抑制するためにも、十分な飲水量を確保する必要があります。
猫は清潔な水しか飲みたがらないので、飲水場は常に清潔にし、こまめに水を替えてあげましょう。

飲水場の環境が気に入らないと水を飲まないことがあったり、家の中の複数箇所に飲水場を設置してあげるとなお良いでしょう。猫が水を飲みたいと思った時に、いつでも飲むことができます。

飲水量の把握

一日にどれくらい水を飲むのかも把握しましょう。尿量が多い時には飲水量も多くなります

予め器にどのくらいの量の水を入れ、どのくらいなくなったのかをチェックすれば、蒸発で誤差はあれど、ある程度の飲水量は把握できるはずです。メモリのある容器を使うと便利です。

猫では体重1㎏あたり一日50ml以上の飲水で異常と言えます。体重5㎏の子では一日で250ml以上の水を飲むと多いという計算です。
おおよその計算にはなりますが、頭の片隅に置いて頂ければと思います。

まとめ

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こちらの記事で紹介した他にも、病気にかかってしまうことはあると思います。そんな時は慌てずに、動物病院までご相談してください。

定期的に健康診断を受け、病気の早期発見とその後のケアについてしっかり考えていきましょう。