【動物愛護法】2025年の改正を目指して現行法の問題点を考える

「動物の愛護及び管理に関する法律(以下、略称=動物愛護法)」には、施行後5年を目安に見直しをすることを定めた規定があります。現行法の段階的な施行が開始されてから3年以上が経過し、2025年の法改正を目指して多くの人々が現行法の問題点を洗い出し、議論や検討作業を行っています。

この記事では、現行法の問題点や動物を守るために心血を注いでいる方々の訴えを取り上げていきます。より多くの方に、動物たちが直面している問題について考えていただければ幸いです。

命の危機にある動物に緊急一時保護を!

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次の法改正に向けて、最も議論されているのは動物の緊急一時保護です。前回の法改正で動物虐待が厳罰化し、検挙数が増えたにもかかわらず、実際には虐待やネグレクトを受けている動物を発見しても保護できない現状があります。

例えば、次のような事案が挙げられます。

【高円寺北車中犬閉じ込め事件】
2021年3月、東京・杉並区の駐車場に停められている車の中に犬2頭が3日前から閉じ込められ、餌や水も与えられていないような状態だということで、心配した市民がSNSで発信。動物愛護団体のスタッフや一般市民が現場に集まり、Evaのスタッフも現地に赴き、駆けつけた警察官に「保護して欲しい」と伝えたが、「生活安全課が対応中」というような回答で事態は一向に動かず、結局、犬が保護されたのは、訴えてから5時間後、夜の21時頃だった。

この事例では、3月であったためか、置き去りにされていた犬たちは2頭とも無事だったそうです。しかし、夏にこのように時間のかかる対応をしていた場合、犬たちは命を落としていたかもしれません。

もし、見かねた誰かが車の窓を割って犬を助け出したりすれば、器物損壊や窃盗罪に問われかねません。かと言って、犬や車の所有者がすぐに見つからない場合もあるでしょうし、犬が一刻を争うような危険な状態に置かれていたとしても、見ているしかないのです。

そのため、緊急を要する場合にはすぐに一時保護ができる法律の必要性が挙げられています。

動物虐待をした飼い主には所有権の喪失を!

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もし、動物を虐待していた飼い主を罪に問うことができた場合、虐待された動物は「証拠品」として一時的に保護されます。⁡しかし、動物虐待の罪で飼い主が有罪になったとしても、飼い主が動物の所有権を放棄しなければ、結局その動物は飼い主の元へ返されてしまいます

次の動画は、そのような無情な現状をわかりやすく表現しています。

動物虐待の事案だけでなく、多頭飼育崩壊の場合も多くの飼い主は所有権放棄を拒否する傾向があり、これが問題視されています。また、劣悪な環境で動物たちを飼育するブリーダーや動物保護団体と称する人たちも、所有権を理由に動物たちを手放そうとはしません。

そのため、適切な飼育がなされていない場合は、その動物の所有権の喪失がなされるような強い権限を持った法律の制定が求められています。

動物愛護管理センターで保管する義務を!

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「緊急一時保護」や「所有権の喪失」が実現した場合、他の問題が浮かび上がります。それは、動物たちを保護する施設の問題です。現行法では、一時保護された動物の行政(動物愛護管理センター)による保護は具体的に規定されておらず、各行政の判断に委ねられています。

そのため、多頭飼育崩壊の現場からレスキューされた動物の多くは、保護団体やボランティアの元で保護されていますが、キャパシティの問題は常に付きまとい、人手不足や資金不足が深刻化しているケースも少なくありません。

この現状を改善するために、原則として行政が保護し、一度に多数の動物の保護が必要になるなどで収容可能な頭数を超える場合は、民間に委託することを法律で規定するべきだという声が上がっています。

動物取扱業の規制強化を!

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2021年11月、長野県のブリーダーが、劣悪な環境で多数の犬を飼育していたとして動物愛護法違反の疑いで逮捕されました。犬など約940頭もの動物を劣悪な環境で飼育し、20年もの間無資格で犬に帝王切開していたことが発覚し、この事件は大きなニュースとなりました。

また、2023年2月には京都府のブリーダーも無資格でマイクロチップの挿入や帝王切開をしていた事件が発覚しています。

さらに、2023年8月には大手ペットショップにおいて、自社の繁殖場がひどい飼育環境であることや、命を扱う倫理観より利益の追求を重視している企業体制などが元従業員によってメディアにリークされました。

悪徳な業者が存在し続ける理由には、いくつかの要件を満たせば、誰でも容易に動物取扱業を営める現在の登録制度にあるという考え方もあります。現行の登録制度では動物に関する専門知識や命に対する倫理観などが問われないため、悪質な行為が絶えない理由の一つになっています。

そのため、動物取扱業を登録制から免許制にするなどの規制の強化が求められています。

最後に

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今回、取り上げた声は主にペットとして飼育される動物に対する意見であり、それもごく一部です。他にも産業動物や実験動物が直面している問題など、動物愛護法の問題点はまだまだ山積しています。

確かに、完璧な法律は存在しないのかもしれません。ただ、私たちにできることは、動物の保護に尽力している人々の訴えに耳を傾け、どのような世の中になれば動物も人間も幸せに暮らせるかを考え続けることなのではないでしょうか。

【犬図鑑】大谷翔平が飼っているコーイケルホンディエはどんな犬種?

メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手。シーズン中は連日のように彼の活躍が報道され、日本人初のホームラン王と2年連続のMVPを獲得しました。

ところで、MVPの発表時に大谷選手と一緒にメディアに出てきた犬が気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、大谷選手が飼っている犬種について解説していきます。ニュースなどを見て少しでも「飼いたい!」と思った方はぜひご一読ください。

大谷翔平選手が飼っている犬の種類は?

2023年11月17日、大谷選手が2度目のメジャーリーグのMVPに選ばれた際、受賞発表時のアメリカのテレビ局での中継で彼の犬が映り「most valuable puppy(最も価値のある子犬)」と紹介されました。これをきっかけに多くの人の関心が集まったものの、愛好家からは懸念の声が出ています。

この犬は「コーイケルホンディエ」という犬種で、略して「コイケル」とも呼ばれます。日本では飼育頭数が少なく、初めて聞いたという方も多いでしょう。では、コーイケルホンディエとはどのような犬種なのでしょうか。

コーイケルホンディエの歴史

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コーイケルホンディエはオランダ原産の犬種で、16世紀頃には鴨猟の手伝いをしていました。その後、貴族の間で人気となり、レンブラントやフェルメールなどの絵画にもしばしば登場しています。

しかし、第二次世界大戦後にはわずか25頭まで減り絶滅の危機に瀕していました。愛好家たちの努力により、徐々に数を増やし、1971年に犬種として公認されました。日本での知名度は低く、年に100頭程度しか登録されていない珍しい犬種です。

コーイケルホンディエという名前には、「鴨猟のおとりの犬」という意味があります。

コーイケルホンディエの特徴

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身体的特徴

コーイケルホンディエの体高はオスで40cm程度、メスで38cm程度、体重は9〜14kgで、中型犬に分類されます。

体高と体長がほぼ同じでスマートな体型をしており、垂れた耳もポイントです。

被毛

コーイケルホンディエの被毛は、少し長めでウェーブのかかったダブルコートです。四肢や耳、しっぽなどに飾り毛があり、優雅な見た目も魅力的です。

毛色は、ホワイト地に鮮やかなオレンジレッドのまだら模様をもちます。

性格

コーイケルホンディエは、明るく活発な性格をしており、飼い主に忠実で一緒にいることが大好きです。

他の犬や人にもフレンドリーでおおらかな子が多く、無駄吠えもなく飼いやすいとされていますが、番犬としてはあまり向いていない犬種であるともいえます。

コーイケルホンディエを飼う際のポイント

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遺伝性疾患に気を付ける

コーイケルホンディエは一時期絶滅の危機に瀕していたことから、近親交配により遺伝子の多様性が低く遺伝性疾患を発症しやすい犬種とされています。遺伝性疾患は両親がもつ遺伝子を検査することで予防できるため、適切なブリーディングが重要です。

フォンビルブラント病という遺伝病を発症すると、鼻血や歯茎からの出血、怪我をしたときに血が止まりにくいなどの症状が現れます。他にも、コイケル麻痺と呼ばれる遺伝性壊死脊髄障害やセロイド・リポフスチン脳症といった遺伝病にも注意が必要です。

運動量は多い

もともとカモ漁の手伝いをしていたことから、運動が大好きなため、1時間程度の散歩を1日2回行いましょう。

飼い主とのコミュニケーションも大好きなので、ただ散歩をするだけでなく、一緒に遊べる運動も取り入れてあげるのがおすすめです

犬を飼う前に考えるべきこと

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有名人や憧れの人が飼っている犬と同じ犬種を飼いたいと考える人は多くいます。実際、今回の大谷選手の犬が話題になるとともに、ブリーダーやペットショップに問い合わせが殺到しました。

しかし、日本にはコーイケルホンディエを扱っているブリーダーは少なく、予約をしても1、2年はかかるといわれています。その間にブームが過ぎ、予約をしていた人も興味を失ってしまった場合、飼われる予定だった多くの犬の飼い主が不在になってしまいます。

命あるものをお迎えしようとしたときに、ブームや人気に乗っかるのが悪いわけではありません。しかし、その犬種の特性を理解し、最期まで責任をもって飼えるかどうかをしっかり検討した上で飼うことを決めてほしいと思います。

人気になればなるほど不幸な子が増えるかもしれない

コーイケルホンディエは国内だけでなく海外でも飼育数は少なくブリーダーも限られているため、近親交配による遺伝病を抱えた子が生まれてくるのを危惧されています。

現在でもブリーダーにより慎重に繁殖が行われていますが、コーイケルホンディエの需要が増えれば、それだけ悪質なブリーダーも増え、先天的な病気を抱えた状態で生まれてくる子も多くなると考えられます。

不幸な子が生まれてくるのを防ぐためにも、覚悟をもってコーイケルホンディエをお迎えすることが決まったら、適切なブリーディングをしているブリーダーに相談することが大切です。

最後に

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コーイケルホンディエはオランダ原産の犬種で、一度は絶滅の危機に瀕しましたが、愛好家の手によって数を増やしてきました。大谷選手が飼育していることで話題となり、多くの注目を集めています。

しかし、ブームは一過性のものに過ぎません。かつて、漫画の影響でシベリアンハスキーの飼育者が激増し社会現象を引き起こしたものの、飼いきれなくなった飼い主が続出し、数年後には動物保護センターに多くのシベリアンハスキーが持ち込まれたという過去があります。

動物を見て「かわいい」と思うのは自然なことですが、もしペットとして飼いたいと思った時は、本当に最期まで飼い続けられるかを自分と向き合ってみてください。

保護活動の救いとなるか?!改正動物愛護法における数値規制とは

2019年に「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」が改正され、2022年までに段階的に施行されています。

この改正の特徴の一つとして、動物の飼育に関して初めて「数値規制」が導入されました。

今回は、数値規制を導入した行政側の狙いと、それによって影響を受ける動物保護団体の活動の問題点を解説していきます。

なぜ数値規制を導入したのか

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以前までの動物愛護管理法には、適切な飼育の条件となる「飼育頭数」、「従業員数」、「飼育スペースの広さ」などに具体的な規定がありませんでした。

そのため、自治体が不適切な飼育現場を指導するための法的な根拠がなく、悪質な業者に指導することが出来なかったり、業者自身も不適切な飼育環境だという認識がなかったりという問題がありました。

適切な飼育環境を数値で表すことによって、基準を守っていない場合は指導することができ、速やかに改善しなかったり、改善の意思がなかったりする事業者に対しては、最終的に動物取扱業の取り消しも可能になります

具体的な数値制限とは

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2019年の改正動物愛護管理法では、「繁殖年齢や回数」、「飼育環境の温度や湿度」、「臭気の基準」など様々な数値規制が導入されましたが、特に注目したいポイントは「飼育スペース」と「従業員数」です。

飼育スペース

身動きが取れないような狭いゲージに動物を入れっぱなしにし、運動も出来ないような劣悪な環境で飼育するペット関連業者も存在します。
数値による規制が出来ることによって、違反行為が具体的で明確になりました。

■運動スペース一体型飼養等(平飼い等)を行う際のケージ等の基準のイメージ

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(画像:環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」より)

従業員数

一人の従業員が世話をする頭数の制限を設けることによって、一人で何十頭、何百頭の動物を抱え、十分な世話をされず放置されるような環境を減らしていく効果が期待できます。

■従業員一人当たりが飼養又は保管をする頭数の上限

犬の場合 22年 23年 24年 25年
ブリーダーなど(繁殖用) 25 20 15
ペットショップなど(販売用) 30 25 20
動物保護団体など(非営利)※ 30 25 20
猫の場合 22年 23年 24年 25年
ブリーダーなど(繁殖用) 35 30 25
ペットショップなど(販売用) 40 35 30
動物保護団体など(非営利)※ 40 35 30

※動物保護団体などの第二種動物取扱業では、法律の施行後にブリーダー等の第一種動物取扱業から譲渡される動物が増加する可能性が考えられるため、完全施行時期を1年遅らせることになっています。

詳しい飼育基準の数値制限等はこちらをご覧ください
動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~/環境省

厳しい状況におかれたペット業界

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先に述べたような動物愛護管理法の数値規制導入にあたって、ペット関連の業界団体や一部の繁殖業者からは、「廃業に追い込まれる業者も出る」と強い反発がありました。

実際に数値制限の導入後に繁殖犬・猫を減らすブリーダーは増えていると言われており、全国のブリーダーに対して実施されたアンケートによると約30%のブリーダーが廃業も視野に入れているとされています。

その結果、一部では13万頭以上の犬や猫に保護が必要になり、殺処分が増えると主張する意見もあります。しかし、そういった行き場のない動物たちの受け皿となる動物保護団体も数値規制の対象となるのです。

保護団体のキャパシティと葛藤

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ブリーダーの廃業が進み、手放された動物たちが保護団体へ引き渡されたとしても、保護頭数が法律の数値規制以上に増えてしまった場合、保護団体はスタッフの増員や飼育スペースの拡張を迫られます。

もちろん、それには莫大な資金が必要になり、多くの保護団体の頭を悩ませる問題となっています。
また、動物保護活動をされている方の多くが、1頭でも多くの動物を救いたいと考えています。そうした方々の「保護したいが数値規制のために断らざるをえない」という苦しみは、金銭面だけでなく精神的な負担も強いています

しかし、保護団体への数値規制で保護が出来なくなる動物が増える一方で、保護団体と称する劣悪な環境の施設を減らすことも可能になるでしょう

「保護する動物の数」と「保護後の飼育の質」のバランスが非常に難しい問題となっています。

最後に

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日本のペット業界の問題として、ペット産業の「大量生産、大量廃棄」が指摘されています。数値規制により悪質なブリーダーが減り、大量生産がなくなれば、大量廃棄つまりは殺処分や遺棄の減少が期待出来るかもしれません。

しかし、それに至るまでの過程で保護団体にかかる負担や、懸念されている殺処分の増加は避けて通れない問題です。

残念ながら、多くのペットたちが幸せに暮らせる環境になるには、まだまだ解決すべき問題が山積しています。まずは多くの人が現状を知り、少しずつでも改善していくことを願います。

ちゃんと知ってる?豆柴やティーカッププードルが抱える問題

小さい犬として知られる豆柴やティーカッププードル。とてもかわいく一見すると魅力的な犬種に見えますが、購入を検討する場合は注意しなければいけないことがあります。

お迎えしてから「知らなかった」「こんなはずじゃなかった」とならないように、各犬種がどのような問題を抱えているのかしっかり理解した上でお迎えすることが大切です。

この記事では、豆柴やティーカッププードルと呼ばれる犬について解説します。

豆柴とは

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普通の柴犬よりも小型サイズのものを「豆柴」と呼ぶことがあります。柴犬が10〜13kgなのに対し、豆柴は4〜6kgほどとされており、抱っこをすると腕の中にすっぽり収まるサイズです。

日本犬保存会やジャパンケネルクラブでは豆柴という犬種を認めておらず、血統書には「柴犬」と表記されます。一方で、2008年に日本社会福祉愛犬協会(KCジャパン)が世界で初めて豆柴を犬種として認めました。

豆柴よりもさらに小さい犬も

柴犬よりも小さいサイズの犬を豆柴と呼ぶとお伝えしましたが、豆柴よりもさらに小さい極小豆柴や、極小豆柴よりも小さい小豆柴(あずきしば)と呼ばれる犬もいます。

ティーカッププードルとは

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プードルは、スタンダード、ミディアム、ミニュチュア、トイの4種類が認められており、ティーカッププードルはトイプードルよりもさらに小さい犬です。ティーカップに入ってしまうくらい小さいことが名前の由来です。

豆柴と同様、正式な品種として認められていないため血統書にはトイプードルと記載されますが、一般的には体高25cm未満、体重2kg未満のトイプードルをティーカッププードルとするようです。

ティーカッププードルよりさらに小さい個体はマイクロティーカッププードルと呼ばれ、こちらも一部の愛好家の間で人気を誇っています。

なぜ人気なのか

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豆柴やティーカッププードルは多くの団体で犬種として認められていないにもかかわらず、ブリーダーによっては100万円以上もすることがあるほど人気の犬です。

では、一体豆柴やティーカッププードルにはどのような魅力があるのでしょうか?

小さくてかわいい

これらの犬を最初に見た時に「小さくてかわいい」という印象を多くの人が受けるでしょう。実際、人は小さな動物に惹かれる傾向があるため、これらの反応は決して間違ってはいません。

SNSにもたくさんの写真がアップされており、かわいい犬の姿を見ることができます。

小さくて飼育スペースが小さくて済む

土地の高い都心部では、大型犬を飼うほどのスペースの確保が難しく、基本的には小型犬、それもより小さい方が望ましいと考える人が多い傾向にあります。マンションなどでは「大型犬はNGだけど小型犬なら良い」というところも少なくありません。

また、体が小さいと運動量も少なく済むため、共働きの家でも飼いやすそうと考える人もいるかもしれません。

どのような問題がある?

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豆柴とティーカッププードルの特徴や魅力についてお伝えしてきましたが、実は決して目を逸らしてはいけない多くの問題を抱えています。

これらを知らずに飼ってしまうと、健康面の不安や後悔が生じてしまうこともあるかもしれません。もし、飼うことを検討しているならば、まずはその犬の背景についてしっかり理解し、起こり得るリスクがあっても一生愛情を注ぎ続けられるかどうかを考えることが大切です。

※以下の内容は、すべてのブリーダーが当てはまるわけではありません。

1. 成長すると大きくなる可能性がある

豆柴やティーカッププードルは、基本的には体が小さい個体同士を掛け合わせて誕生させています。

もちろん小さく生まれてくる子もいますが、成長するに従って通常の柴犬やトイプードルに近い大きさになってしまう場合があります。どのくらいの大きさになるかわからないため、成長したら思ったより大きくなってしまったということもあるでしょう。

家のスペースの都合で豆柴やティーカッププードルなどの小型犬しか飼えない場合、不都合が生じてしまうかもしれません。もしこれらの犬を飼うのであれば、予想よりも大きくなってしまう可能性があることを念頭に入れておかなければいけません。

2. 大きさを保つために食事量が十分与えられない可能性がある

栄養が足りなければ、その犬の小ささは保たれるかもしれません。実際、ブリーダーから指示された食事量が極端に少なく、大きくならないように指示されることも少なくないようです。

しかし、栄養が足りなければ、それはただの見かけだけが小さな栄養失調の犬です。サイズを保つために行っていることであっても、それは動物虐待にあたる場合があります。

3. 未熟な状態で生ませることもある

体が大きくならないようにと、本来ならまだ生まれてこない子を帝王切開によって強制的に生ませる悪いブリーダーもいるようです。

未熟な状態で生まれても健康に育つ子ももちろんいますが、病気になりやすくなってしまう子もいます。そうすると、治療費の負担も増えてしまい、予想よりも出費が多くなることも考えられます。

最後に

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犬を屋内で飼う人が増え、小型犬が人気になるのは理解できますし、屋内で大型犬を飼うのは厳しいでしょう。しかし、大きさばかりに目がいって、その犬の幸せは考えられているのでしょうか。

これらの犬がスタンダードであると認められないのはそれなりの理由があります。もちろん、すべてのブリーダーが悪質であるというわけではありません。しかし、人気があればあるほど悲しい思いをする犬が増える可能性は高いのが現実。

「見た目がかわいいから」「SNSで映えるから」という理由で飼うのではなく、その犬を本当にご自身が幸せにでき、一生過ごすことができるかどうかを一番に考えるべきです。そして、飼うことを検討しているなら、もしイメージと違う状況になってもしっかり責任を持って最期の時まで愛情を注ぎ続けられるかをよく考えてみてください。

犬・猫はどこからペットショップに来て、どこへ行くのか

ペットショップのショーウインドウに並んでいる犬や猫、どこからどのようにして来ているのか、知っていますか?

こんなにたくさんの種類をどこから集めているのか、どんな風に育てられていたのか、流通しなかった子たちはどうなるのか、気になったことはあるけれど知らないままになっている方は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、ペットの流通経路とそれらの間に潜む社会問題について詳しく追っていきます。

犬や猫はブリーダーの元で産まれる

ペットショップの犬と猫はブリーダーの元で産まれる
ペットショップなどを通じて購入される犬・猫たちは全て、ブリーダーの元で生産されています。単にブリーダーといっても、その形態はさまざま。

副業として少数の犬猫を飼育繁殖している「ホビーブリーダー」、ドッグショー・キャットショーのために少ない品種のみを繁殖する「ショーブリーダー」、ペットショップ経営に加えて繁殖も行っている「ペットショップ兼ブリーダー」、数十頭以上・複数品種の犬猫を飼育繁殖している「専業ブリーダー」などが存在します。

その中でも形態として多いのは、ペットショップ兼ブリーダーと専業ブリーダーです。

ペットショップ兼ブリーダー

これまで、ペットショップの個人店の多くは、「ペットショップ兼ブリーダー」の形態をとり、複数のホビーブリーダーと連携して繁殖を行っていました。

しかし近年、動物愛護管理法の規制強化によりホビーブリーダーの廃業が進んだこと、大手ペットショップチェーンの台頭により、個人店では自店舗での販売をやめて、オークションに出すことが多くなったようです。

また、最近では大手ペットショップチェーンが直営の繁殖場を持つことも少なくありません。

専業ブリーダー

専業ブリーダーは、40〜100頭以上の母犬猫から繁殖させて、ペットオークションやペットショップに出品しています。

規模が大きく、扱う品種も頭数も多いため、 狭いケージに閉じ込められ、十分な運動をさせられなかったり、 排泄物の処理が不十分になったりしやすいと言われています。

もちろん、全ての専業ブリーダーがそういう経営をしているわけではありませんが、劣悪な環境で運営されているところは「パピーミル(子犬工場)」と呼ばれ、深刻な社会問題となっています。

ペットオークションを通じペットショップへ

犬と猫を競りにかけるペットオークション
多くのペットショップは、ペットオークションを通じて犬・猫を仕入れています。
ペットオークションでは、全国のブリーダーが持ち込んだ犬・猫の赤子が一匹一匹、競りにかけられていきます。

2017年度の環境省のデータでは、日本全体で26の業者が確認されています。

免疫力が十分でない生後7〜8週齢の子犬・子猫を売買するという構造上、ただでさえ感染症が蔓延しやすい状況にあるにも関わらず、管理体制が甘いオークション会場が多いようです。

悪質ブリーダーでも簡単に持ち込めてしまうため病気や健康問題を持った子が紛れ込むことが多く、感染症にかかっている子がいても健康チェックがずさんなために発見されにくく、飼い主の手に渡ってから発覚したという事例もあります。

ブリーダーからそのままペットショップへ

ブリーダーからペットショップへ直接卸す

ブリーダーとペットショップが直接契約を結び、繁殖された犬・猫を直接卸すという取引形態も存在します。

問題を恐れるペットショップ側が良質なブリーダーを選ぶためか、この形態ではあまり大きな問題が起きていません。大手のペットショップチェーンでは、契約ブリーダーのために医療サポートや、相談サービスなどを提供しているところもあります。

直接ネット販売

ブリーダーが自らネット販売
自前で販売サイトを設けて、ネットを通じて販売しているというブリーダーもいます。しかし、全ての手続きをネット上で済ませてしまえるという訳ではありません。動物愛護管理法で規制されているため、実際には販売業者の事業所まで出向き、ブリーダーから説明を受けた上で買う必要があります。

ペットショップを通じずに直接購入という形になるため、購入者自身で、繁殖環境、健康状態、病気の有無などを確認しなければいけません。

動物愛護管理法でペットのネットオークションや通信販売が規制される前はトラブルが多発していましたが、改正後は大幅に減っているようです。

流通から外れると…?

動物愛護センターか遺棄か引き取り屋か
ブリーダーのもとで繁殖された子犬・子猫の全てが飼い主を見つけられる訳ではありません。ペットショップで売れ残ったり、ペットオークションで値をつけられなかったり、悪質な環境下で病気にかかって売り物にならなくなってしまうケースもあります。

動物愛護センターへ

平成25年に動物愛護管理法が改正される前までは、飼い主の見つからなかった犬・猫は動物愛護センターに引き取られるケースが少なくありませんでした。犬が収容された場合、行政は、三日程度と非常に短い期間で、その犬を処分できるようになります。

改正以降は、ペットショップや繁殖業者などからの犬猫の引き取り要請を、各自治体が断れるようになりました(第35条)。平成24年度に16万2千頭であった犬猫の殺処分数が、平成30年には3万8千頭にまで減っているように、改正の効果は非常に大きかったようです。

しかし、改正動物愛護管理法は完全とは程遠く、ペット産業の大量生産・大量消費というビジネスの形態は温存されたままです。

遺棄

流通できない犬や猫の引き受け先が減った結果、全国で業者による犬の大量遺棄事件が急増しました。

なかでも有名なのは、2014年に栃木県で、河川敷と山中に計70匹の犬の死骸が遺棄された事件です。犬を遺棄した元ペットショップ店員は、ブリーダーから100万円と70匹の犬を受け取ったものの、引き取り手が見つからず、右往左往している間に全て死なせてしまったといいます。

ペットを大量に繁殖してビジネスを成り立たせていたブリーダーや、売れ残った犬を動物愛護センターで処分してもらっていたペットショップオーナーが、行き場を失った結果だと言えます。

引き取り屋へ

そんな情勢に乗って、現在、売れない犬・猫を飼育費と引き換えに引き取る「引き取り屋」というビジネスが活発になっています。料金は数千円〜数万円だとされていますが、当然その程度のお金ではまともに犬・猫を飼育できません。

業者の多くは、積み上げた狭いケージに犬・猫を閉じ込め、餌もほとんど与えず、病気も治療せず、すぐに死なせてしまうため、事実上の殺処分と言えます。見方によっては、安楽死よりも酷い殺処分と言えるかもしれません。

最後に

ペット産業とペットの家族化
子供の頃の私は、ペットショップで展示されている子犬や子猫は、「ミニカーと同じようにどこかの工場で作られてるんだ」と思っていました。幼さゆえの早合点でしたが、こうして見てみると、あながち間違っていたとも言えません。ペットショップで扱われているほとんどの犬や猫は、おもちゃと同じように、工場で生産されていると言っても過言ではありません。

近年、ペットの家族化が進み、ペットに対する価値観が大きな変化を遂げています。世界に目を向けると、ペットショップでの生体販売を禁止している国も多くあります。今こそ広い視野をもって、私たち消費者もペット産業のあり方を考えてみてはいかがでしょうか?消費行動を変容することにより、ペット産業自体を徐々に変えていくことは可能なのではないでしょうか。

ペットをオークションにかけるペット業界の裏側。信頼できる入手先は

近年、ペットの虐待を防ぐ法律が厳罰化したり、ペットの殺処分をなくす活動が活発化したりと、ペットの権利が重要視されるようになってきました。

ペットを飼ってからのペットの権利については理解が広まって来ていますが、そもそも、ペットショップで販売されているペットはどこから来ているかご存知ですか?

実は、ペットショップで売られているペットの多くが「ペットオークション」から来ています。今回は、ペット業界の現状について考えます。

「オークション」にかけられるペットたち

半数のペットはブリーダーからペットオークションへ
ブリーダーの元で繁殖されたペットは、直接飼い主の手に渡ったり、ペットショップに渡ったりすることもありますが、その大半はペットオークションにかけられています(2008年の流通量をもとに環境省による推計値)。

流通量が多いため、ペットショップの多くもその仕入れ先をペットオークションに依存しているのが現在の日本の実情です。

生後間もなくオークションにかけられるペット

2019年に改正された動物愛護法では、犬猫の販売を生後8週齢以降と定めました(俗に8週齢規制と言います)。

これは、生後8週齢までは親や兄弟の元で過ごさせることにより、犬猫の免疫力を高めるとともに、犬や猫の社会化を促進するためです。

改正法成立により、一般の人への販売は生後8週齢以降となりましたが、もし、それよりも早い段階でペットオークションに出されているのであれば、本末転倒です。

2020年3月現在、8週齢規制はまだ施行されていないため、施行後のペットオークションに出されるペットたちの年齢が気になるところです。私たち飼い主もこれをきちんと知り、監視をする必要があるでしょう。

ペットの「競り落とし」

ペットオークションでは、需要に合わせてペットの価格が決まります。

その仕組みは魚や野菜の「競り」とほとんど同じで、ペットの価格は数十秒から数分で決まるといいます。ペットオークションの様子からは、ペットをまさに「商品」として扱っている実態が伺えます。

ペットの繁殖業者「パピーミル」の実態

パピーミルは子犬工場のことで悪質なペットの繁殖業者(ブリーダー)を指す言葉
ペットオークション自体は違法でも何でもありません。後述する環境省が定める動物取扱業に「競りあっせん業」として定義されています。

ペットオークションにペットを「出品」するのは、ペットを繁殖するブリーダーの人たちです。問題は、ここに一部の悪質なブリーダーが含まれてしまっていることです。

もちろん、愛情を込めて1匹1匹を大切に育て、むやみに繁殖をさせないブリーダーも存在します。しかし、そうではない一部の悪質なブリーダーによって、たくさんの悲しい命がやり取りされています。

子犬工場「パピーミル」

最近よく目にしたり、耳にすることが多いキーワードが「パピーミル」という言葉ではないでしょうか。保護活動や悪徳ブリーダーの話題が知られることにより、世間にも認知されるようになった言葉です。

パピーミルとは、犬を「商品」と見なし、お金儲けをするために、むやみやたらと繁殖をさせて大量に出荷する繁殖業者のことを言います。

母親は「子供を産む道具」

パピー見るでは、母親たちは「子犬、子猫を産む道具」として扱われ、何度も子供を産まされ、そして、生後間もなく子供から引き離されます。

さらに悪徳な業者だと、子供を産めなくなった母親を処分してしまうところもあるようです。

劣悪な環境で育てられるペットたち

お金儲けのための大量生産を意識した悪徳なパピーミルには、きちんと清掃をしなかったり、ペットたちに十分なスペースを与えなかったりと、ペットたちを劣悪な環境で育てているところがあります。

なぜ、そんなことができるのか理解に苦しむでしょう。しかし、彼らにとっては犬や猫は「商品」であり、私たちが知る可愛らしい生き物ではなく、単なる「モノ」なのです。

繁殖には知識が必要

犬や猫の繁殖(ブリーディング)は、遺伝学の延長であり、非常に専門的な分野です。競馬をやる方はよくご存知なのではないでしょうか。

遺伝の影響を無視して、むやみな繁殖を行うことは、犬や猫が遺伝的に持っている病気や疾患のリスクを高めることにもなります。犬種や猫種によって特定の病気や疾患リスクが異なることは既に一般の飼い主の方にも知られているところですが、それは遺伝によるところが大きいのです。

スウェーデンでは、趣味レベルの小規模なブリーダーは例外ですが、繁殖を行うには資格が必要です。これは、繁殖がいかに専門的で難しいものであるかを物語っています。

どこからペットを買ったらいいのか?

私たちはどこからペットを買ったらいいのだろうか
ここまで、日本のペット業界におけるペットの流通の現実をお伝えしました。

では、これからペットを飼おうと思っている人は、どこからペットを購入したら良いのでしょうか。

ペットショップか、ブリーダーか

既にお伝えした通り、ペットショップの多くがペットオークションからペットを入手していますが、全てのペットショップがそうだというわけではありません。ペットショップの中には、信頼できるブリーダーから直接入手しているところもあります。

また、飼い主への直接販売を行なっているブリーダーもいます。ただ、悪質な業者が単に売れ残った犬や猫をネットを通して販売をしているケースもあり、ほとんど見分けはつかないでしょう。

ペットショップだからどこも悪い、ブリーダーだからどこも安心、ということはなく、どちらで買うにせよ信頼できるところを選ぶことが重要です。

信頼できるペットショップの選び方

信頼できるペットショップの選び方
信頼できるペットショップかどうかは、以下のようなポイントに注意して見極めましょう。

動物取扱業登録証はあるか確認しよう

動物を販売するペットショップは、「第一種動物取扱業」のひとつで、自治体等の登録を受けなければなりません。

行政に認可されているペットショップには、第一種動物取扱業の登録証が、登録番号とともに発行されています。ペットショップを訪れた際、登録番号を含む「動物取扱業登録証」が存在するかどうか確認しましょう。

これは最低限チェックする項目であり、これの掲示がなく販売されている場合は、違法業者ということになります。

ペットの入手先を確認しよう

ペットショップであれば店員さんに、ペットをどこから入手したのかを聞いてみるのも良いでしょう。

もし、よくわからない回答だったり、答えられなかったりしたら注意が必要です。単に、ブリーダーから入手したと言われたら、どこのブリーダーなのかを確認し、一度家に帰って信頼できるブリーダーかどうかを確かめましょう。

最近では、ペットショップにあるケージに出生地(ブリーダー名や所在地、生年月日)の表示があるところもあります。

飼育環境を確認しよう

ケージの掃除は行き届いているか、1匹あたりのケージが狭すぎないかなど、飼育環境を確かめることでペットをどれだけ大切にしているかが伺えます。

悪徳なペットショップだと、体が大きくなって売れ残るのを防ぐため、あえてペットの成長を遅らせるために食事制限をしているところもあるようです。ペットがやせ細っていないか、年齢に対して体が極端に小さくないかなどを確認しましょう。

逆にそういった子を救う気持ちで敢えて購入するという選択肢も考えられますが、それはそれでそのペットショップに利益をもたらすことになるため、私たちは頭を悩ませてしまいます。中長期的には、そのようなペットショップからは絶対に買わないという選択を取るのがベストだと思います。

ペットショップにやってきた時期を確認しよう

前述した通り、法改正により、既にペットショップでのお客への販売を生後8週齢以降としているところはたくさんあります。

8週齢規制が施行後、ペットショップに来る時期が8週齢より早い場合は、この法律自体があまり意味のないものになってしまうため、よく確認すべきです。

なぜなら8週齢規制の本来の目的は、生後8週齢までは母親や兄弟の元で過ごさせることだからです。客への販売時期が変わっても、ペットショップに来る時期が変わらなければ、単にペットショップで過ごす時間が長くなるだけなのです。

信頼できるブリーダーの選び方

信頼できるブリーダーの選び方

実際に行って確かめよう

ネット販売を行なっているブリーダーもいますが、先ほども申した通り、ネット上ではどのブリーダーが良いブリーダーで、どのブリーダーがそうではないのかは判断がとても難しいでしょう。ここは少し大変でも、実際に飼育の様子を見学に行ってから購入することをおすすめします

実際に、ブリーダーの元を訪れれば、母犬や子犬、母猫や子猫の生活環境がよくわかります。それだけでも、悪質な業者かそうでないかはわかるでしょう。

また、犬種や猫種にもよりますが、以下のような質問を投げかけても良いでしょう。

  • 母親はどのくらいの頻度で繁殖を行なっているのか
  • 父親と母親の性格はどうだったのか
  • 遺伝的な配慮はしたか、どんなことに気をつけたのか
  • どんな考えやポリシーを持って繁殖しているのか

ここまで色々と掘り下げて質問すると、少し煙たがられるかもしれませんが、愛情と情熱を持ったブリーダーであれば、きちんと話をしてくれるでしょう。

保護犬や保護猫という選択肢

保護犬や保護猫を迎えるという選択肢も考えてみては

詳細は別の記事に譲りますが、ペットを「買う」のではなく、ペットを譲り受けるという選択肢もあります。

東京都内の話ですが、一部のエリアや一部のコミュニティでは、徐々に保護犬を飼っているということが、「格好良いこと」とされるようになってきました。

保護犬や保護猫だからこそ難しい面もありますが、保護犬や保護猫を迎えるという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

まとめ

ペットショップ とブリーダーの現状
ペットショップで販売されているペットの中には、どのようなブリーダーに繁殖されたのかよくわからないペットオークションで仕入れられたペットがたくさんいます。

胸が痛むのは、例えそのような悪質なブリーダーに繁殖されたペットであっても、そのペットには何の罪もないこと。しかし、そのペットを救うために購入してしまうと、悪質なブリーダーに利益をもたらすことになるという矛盾も出てきます。

法改正などで、少しずつペットの権利に関心が高まっていますが、私たちはこのような矛盾にも目を向けるべきです。

そして、買い手である私たちがペット販売の知識を持ち、絶対に悪質なブリーダーからは買わないようにすることが、日本の悲惨なペット業界を変えるひとつのステップになるでしょう。

日本のペットショップは少し特殊?動物の福祉の観点から考えてみる

皆さんが「新たに、犬や猫をおうちに迎えよう」と思った時、一番最初に向かう先はどこでしょうか。

多くの方が「ペットショップ」をイメージしたかもしれませんね。

「ペットショップから」が多いけど…?


2016年にペット総研から発表された「ペットのお迎え」アンケートによると、犬猫合わせてペットショップから迎えたという回答が4割ほどになりました

ペットショップから犬猫を迎えるケースが、現在は一般的なようです。

日本でペットショップと言えば、ショーケースで展示販売されることが一般的でしょう。

しかし、動物愛護先進国と言われる欧米では、そのような形で販売することは動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)の観点からあまり推奨されていないのです。

ペットショップや生体販売の状況を比較することによって、「欧米諸国の動物の福祉に対する意識」と、「日本の意識」の違いに迫ってみました。

犬猫が生まれて、ペットショップに販売されるまで

人に抱かれる子犬

ペットオークションの存在

これは一つの例ですが、日本において、犬や猫が、親犬や親猫から生まれてからペットショップで販売されるまで、どのようなルートを辿るのかを追いかけてみましょう。

まず、繁殖業者やブリーダーさんがいて、繁殖された犬猫がペットオークションへ持ち込まれます。そして、ペットショップはそのオークションに行き、犬猫を買い付けて自分のお店で販売します。

最終的には、ペットショップで販売されている犬猫を、消費者が買います。

繁殖業者やペットショップにとって、ペットオークションにさえ行けば売れる/買えるという、便利なシステムになっています。ここで留意しておきたいのは、動物のことを考えて成り立ったシステムではない、ということですね。

もちろん、全てのペットショップが当てはまるわけではありませんので、このようなことが起きうる状況である、という程度に受け取って頂ければと思います。

オークションで売り買いされることの問題点

ペットオークションからペットショップで販売されることは何が問題になってくるのでしょうか?

ペットショップの生体販売では、子猫や子犬が主に販売されています。それは、ペットショップへ犬や猫を買い求めにくる消費者のニーズが、若ければ若いほど良いという意見が大半であるからです。

しかし、もしオークションで売れ残ってしまった場合は、どうなるでしょうか。

価値が下がり、買い手がつかなかった犬猫は、どこかで飼い犬や飼い猫として育てられる機会を逃し続けることになるかもしれません。

「若ければ若いほど良い」という価値観で犬猫を売買することは、道徳的な問題だけでなく、犬猫にとっての自由を制限することになりかねません。動物の福祉の観点から考えても疑問が残ります。

動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)って?

黄色い落ち葉を加える子犬
日本にはすでに「動物愛護」という考え方があります。動物愛護管理法における「愛護」の意味は以下の通りに定義されています。

実体的な行為 :動物に対する虐待防止、適正な取扱い、適正な管理などを行うこと。動物の習性等に配慮しつつ、愛情や優しさをもって取り扱うことを含む。
生命尊重などの理念:動物や動物の命を大切にする気風や思想のこと。

対して、動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)とは、イギリスの家畜福祉協議会(FAWC)が提唱した「5つの自由」を基本とする考え方です。

国際的な動物福祉の標準として各国の法令にも反映されています。

5つの自由
①飢えと渇きからの自由
②肉体的苦痛と不快感からの自由
③傷害や疾病からの自由
④おそれと不安からの自由
⑤基本的な行動様式に従う自由

動物の福祉の視点は、人間から見た動物ではなく、動物自身がどう感じるか、という科学的な研究を根拠にする側面が強いのです。

この考えに照らして見た場合、繁殖業者・ブリーダー→ペットオークション→ペットショップというシステムのなかで、犬猫の自由を抑制することが起こりうるのではないか、ということを考えてみることが必要かもしれません。

欧米諸国の生体販売に対する意識

親犬と子犬
動物保護・福祉の意識の高まりから、生体販売する場合は展示販売をしない、などの配慮が考えられています。生体販売が完全に禁止されているわけではないようです。

欧米ではなぜこのような意識が進んでいるのでしょうか。

例えばイギリスでは、ペットを購入したい人は、売られているのを買うのではなく、ペットショップやブリーダーさんに予約して産まれてくるのを待つという方法があります。

予約制にすることで、繁殖による犬の負担を減らすことができるのです。

アメリカでも、ブリーダーさんから直接購入したり、仲介業者を通してブリーダーさんから購入する、というように、「産まれてきた個体を見て選ぶ」のではなく「良いブリーダーさんかどうか」を重視して選ぶという方向へシフトしているようです。

生体販売が全て良くないということではない

リードに繋がれた犬
主に日本のペットオークションやペットショップの販売などについて追いかけてみましたが、生体販売が全ていけないという、主張をしたい訳ではありません。

しかし本来、子どもを産む行為は、動物にとって完全にコントロールできることではありません。

この犬種のメスの子犬が欲しいと思った時、ペットショップで探せばすぐに手に入る、言い換えればお金さえ払えば、いつでも誰でも好きな動物を買うことができてしまう、今の状況が少し不自然なのかもしれません。

豊かな社会になったからこそ、「欲しいものがすぐ手に入る」という大量生産・大量消費のルートに、動物の命まで預けてしまっていいのだろうか?ということを考える必要があるのではないでしょうか。

まとめ

抱きかかえられるハスキー子犬
ペットショップの中にも、もちろん動物の福祉をきちんと考えているブリーダーさんに育てられた犬猫を販売しているところもあるということは、前提として話を進めてきました。

ペットショップから購入する場合、並べられたなかで「かわいい!この猫(犬)にしよう」というような出会いもあります。

しかし、「どんな親から生まれたのだろう?」「どんな人たちに、どんな環境で育てられたのだろう?」「元々どんな国で生まれた種なんだろう?」ということを、一旦立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。

特に、犬の場合は、ブリーダーさんが遺伝学をきちんと学んでいるかどうかで、その後の病気の発症率などに差が出ると言われています。「犬猫をお迎えしたいと思った時、自分ならどんな選び方をするのか?」ということを、一度考えてみませんか?

ペットの8週齢規制知ってる?飼う時に注意すべきこととは?

動物愛護法で定められているペットの8週齢規制をご存知ですか?

人間と同様、子犬や子猫にとっても、母親の存在はとても重要です。健康な身体、健全な精神を養うためにも、すぐに親元から引き離さないことが良いというのは、直感的にも理解しやすいのではないでしょうか。

8週齢規制とは?

子猫の寝姿
2013年の動物愛護法の改定により定められた条項です。

子犬や子猫を56日間(8週間)は親元で過ごさせるようにすることが、法律により定められているのです。
しかしながら、ブリーダーやペットショップへの配慮のためか、「法施行後3年間は45日、その後法律に定める日までの間は49日と読み替えて適用する。」という、本来の目的から逸れてしまう条項も記載されています
そのため、実際には8週よりも短くても売り買いされているというのが、現状です。なぜなら、この時期が一番可愛く、売れる時期だからです。

このルール、きちんと遵守することは、ペット先進国である欧米では当たり前のことなのですが、日本は事業者も消費者もまだまだ遅れていますね。

なぜ8週齢なのか?

じゃれ合う犬たち
生まれたばかりの幼い頃に、親や兄弟とコミュニケーションを取ることは、その後の成長に大きな影響を与えると言われています。

牛などの家畜でも当てはまることですが、母親に飲ませてもらう母乳には、病原菌から身体を守ってくれる免疫力を強化する効果があると言われています。
すぐに親元から引き離すよりも、母親から直接母乳を与えてもらい、幼い頃を過ごすことで、その後の健康状態に良い影響が出るのです。

また、兄弟と一緒に過ごすことで、群れの中での過ごし方を学びます
噛む力の抑制方法を学んだり、他の犬とのふれあい方、過ごし方を学んでいくため、1匹だけではなく、仲間と過ごすということはとても重要なことなのです。

ある学者によると、8週間でも短いとも言われているくらいですので、これは最低条件であると言えます。

社会化のためにも必須

一緒に寝るおとなしい犬
「社会化」という言葉を聞いたことはありますか?ざっと整理すると、以下の内容になります。

  • 社会化に適した期間は生後1か月〜4か月
  • 社会化することで、人間の生活環境に慣らすことができる
  • 犬にも人にもストレスがかからなくなる

この社会化に適した期間が、実は8週齢規制と重複していることに気づくのではないでしょうか。

生まれてから暫くは、親兄弟と過ごし、他の犬と一緒に生活することで、犬社会のルールを身に着けていきます。
この期間を過ぎてから、人間の元に引き取られていき、そこで人間社会のルールを学んでいきます。

このようにすることで、その後の人との共生がより良いものになっていくのです。
吠えない犬、噛まない犬になることで、人にも嫌がられること無く、そして犬自身もストレスを感じない幸せな日々を送れるようになるのです。

社会化については、以下の記事でも取り上げていますので、興味のある方はご覧ください。

犬を飼って最初にしたいことは社会化教育

犬の性格は「ある3ヶ月」で決まる?パピーパーティが効果的な理由

飼い主(消費者)が気をつける

勉強する小さな飼い主
ペットショップやブリーダーを訪れた際は、この8週齢規制について、訪ねてみても良いかもしれません。
ほとんど守られていないと言われている8週齢規制ですが、一部のこれを遵守する良いブリーダーさんがいることも事実です。

私たち飼い主がこういった知識を身につけ、そして気をつけることで、今までないがしろにされていた法律も、規制を強化するためのきっかけになるのではないでしょうか。

また、Change.orgでは、8週齢規制に賛同する方の署名を集めています。
もし、ご興味がある方、規制の強化に賛同される方は、是非署名をしてみてください!