【獣医師監修】甘くみないで!犬の尿漏れで考えられる病気とは

「尿漏れ」と言ったらどんな症状を思い浮かべますか?尿漏れはポタポタと尿が垂れている状態はもちろん、広い意味ではトイレ以外での排泄も含まれます

ただの粗相と思うかもしれませんが、体調の変化によってこれら尿漏れの症状が現れることもあります。その原因は主に泌尿器系の異常ですが、中には神経や内分泌系の異常も尿漏れに関与している場合があります。

今回は犬の尿漏れで考えられる疾患について解説します。

犬の尿漏れで考えられる疾患

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犬の尿漏れの原因は、膀胱の疾患、尿道括約筋の異常、神経疾患、尿量増加によるトイレ以外での排尿などが考えられます。

膀胱の疾患

  • 細菌性膀胱炎
  • 結石性膀胱炎
  • 膀胱腫瘍
  • 異所性尿管

尿道括約筋の異常

  • ホルモン反応性尿失禁

神経疾患

  • 胸腰部椎間板ヘルニア
  • 馬尾症候群(変性性腰仙椎狭窄症)
  • 認知障害

尿量増加によるトイレ以外での排尿

  • 腎不全
  • 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  • 糖尿病

それぞれどのような疾患なのか、詳しくみていきましょう。

膀胱の疾患

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犬の尿漏れで最初に考えられるのは膀胱の異常です。特に膀胱炎は、外来でも非常によく遭遇する疾患です。尿検査を行いたいところですが、これら疾患では頻尿が症状として現れていることも多く、検査に十分な尿を採取できないこともあります。

また、原因によって治療法や経過も異なるため、しっかり検査をして診断を行うことが重要です。

細菌性膀胱炎

【症状】
頻尿、血尿、腹痛、排尿痛、膿尿(濁った尿)など。
【原因】
膀胱内での細菌の増殖。尿道口から侵入した細菌が膀胱まで到達することによる。
【備考】
通常は定期的な排尿によって尿道の細菌は洗い流されるが、過剰な尿の我慢、免疫系のはたらきの低下などによって細菌が膀胱に達することがある。特にメスは尿道が短いので細菌が侵入しやすい。

結石性膀胱炎

【症状】
頻尿、血尿、腹痛、排尿痛など。
【原因】
ストラバイト結石、シュウ酸カルシウム結石などが膀胱内にできることによる。
【備考】
これら結石は尿のpHの変化によって作られやすくなる。例えば細菌の増殖によって膀胱内の尿pHはアルカリ性となるが、それによってストラバイト結石が形成されやすくなる。

膀胱腫瘍

【症状】
血尿、頻尿、排尿困難など。
【原因】
膀胱内に腫瘍が発生することによる。なかでも移行上皮癌は膀胱三角と呼ばれる部位に発生しやすく、尿管閉塞や尿道閉塞を引き起こしやすい。
【備考】
症状が膀胱炎と類似しているため、外見でどちらかを判断することは難しい。尿管や尿道の閉塞が起こると急性腎不全に陥り、命に関わることもある。

異所性尿管

【症状】
失禁、排尿失敗、尿漏れなどと、それに伴う陰部の汚れや皮膚炎。
【原因】
先天的に尿管が膀胱ではなく、膣や尿道に開口することによる。好発犬種はトイプードル、コーギー、シベリアン・ハスキーなどで、オスよりメスでよく見られる。
【備考】
持続的に陰部から尿が垂れていると、そこから細菌感染を起こすこともある。先天疾患なので若齢(3~6ヵ月齢)で尿漏れが見られたら要注意。

尿道括約筋の異常

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排尿のコントロールには膀胱の収縮の他に、尿道括約筋が関与しています。この尿道括約筋が緩むことで、尿は尿道を通って排泄されます。つまり、尿道括約筋が何らかの原因で緩みっぱなしになってしまうと、膀胱から尿が流れ出てきてしまいます。

ホルモン反応性尿失禁

【症状】
尿漏れ、失禁などと、それに伴う皮膚炎など。
【原因】
女性ホルモンや男性ホルモンが減少することで、尿道括約筋のはたらきが減少する。
【備考】
避妊/去勢後の高齢犬で多く見られる。似た症状にストレス性尿失禁があるが、こちらは検査で判断することが困難となる。

神経疾患

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前述したように、排尿には膀胱の収縮および尿道括約筋の弛緩が必要です。これらの働きは神経によって支配されており、脊髄などが侵されると正常な排尿が困難となります。神経が障害される部位によっては、逆に尿が出にくくなることもあります。

よって、以下の疾患では尿漏れではなく、排尿困難が認められることも少なくありません。

胸腰部椎間板ヘルニア

【症状】
跛行(足を引きずる)、四肢麻痺、排尿困難、背部痛など。
【原因】
遺伝(ダックスフント、コーギー、シーズーなど)、加齢が要因となる。
【備考】
背骨を走る脊髄が、突出した椎間板によって圧迫されることによって麻痺などが起こる。排尿異常が認められる場合には予後に関係するため早い対処が求められる。

馬尾症候群(変性性腰仙椎狭窄症)

【症状】
尿失禁、排便の失敗、腰部や尾部の痛み、ふらつき、跛行など。
【原因】
先天的な脊椎の形態異常や不安定症、または椎間板変性などにより馬尾神経(腰の部分の神経)が圧迫されることによる。
【備考】
大型犬の中高齢以降で多く見られるという報告がある。小型犬ではプードルが好発犬種と言われている。

認知障害

【症状】
見当識障害(うろつく、家具の後ろなどで身動きが取れなくなるなど)、睡眠障害、夜間に鳴く、活動量の低下、尿失禁、排便の失敗など。
【原因】
ヒトのアルツハイマー病や認知症と同様の変化が脳に起こっているという報告があるが、詳しい原因は解明されていない。
【備考】
犬の認知障害は近年になって注目され始めた分野であり、今後の研究が待たれる。

尿量増加によるトイレ以外での排尿

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尿量が増加するような疾患では、トイレが間に合わずに粗相をしてしまうことがあります。これら疾患では尿量の増加とともに、飲水量も増加します。

また、全身症状を伴うこともあり、速やかな診断と治療が求められます。最近何かおかしいなと感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。

腎不全

【症状】
元気消失、食欲不振、嘔吐、脱水、多飲多尿、貧血など。重症例では乏尿、無尿、痙攣、尿毒症などが見られる。
【原因】
腎炎(細菌やウイルスの感染、自己免疫疾患など)、腎臓への血流の減少(心臓疾患やショックなど)、尿路結石、中毒など。
【備考】
高齢の犬ほど慢性腎不全のリスクは増加する。一方で急性腎不全は症状が激烈で、若齢の犬でも注意が必要。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

【症状】
多飲多尿、食欲増加、腹部膨満、皮膚の菲薄化や石灰化、脱毛など。
【原因】
副腎腫瘍や下垂体腫瘍による副腎皮質ホルモンの分泌増加、ステロイド薬の過剰投与など。
【備考】
プードル、ボストンテリア、ダックスフントが発症しやすいと言われている。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、体重減少、嘔吐、下痢、脱水、口臭、昏睡など。
【原因】
犬ではインスリンの分泌量が減少するⅠ型糖尿病が多い。原因ははっきりとはしていないが、発症には肥満、感染症、遺伝などが複合的に関与していると考えられている。
【備考】
合併症として白内障、副腎皮質機能亢進症、膀胱炎、膵炎、子宮蓄膿症などが挙げられる。

まとめ

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尿漏れが見られる疾患の中には、放置するとより重篤になるものもあります。尿漏れの原因がどこにあるのか、しっかりと診断して適切な処置を行う必要があります。

たかが尿漏れと思わずに、変わったことがあればお気軽に動物病院にご相談ください。

【犬図鑑】ビーグルの性格や特徴、飼い方のポイントをご紹介!

スヌーピーのモデルとなった犬種として有名な「ビーグル」。
ビーグルは小型犬にしては大きく、垂れ耳やくりっとした目、ぶちのような模様が特徴の犬種です。

今回の記事では、ビーグルを飼おうと思っている方、飼い始めた方のために、ビーグルの性格や特徴、かかりやすい病気と、飼う上で気をつけたいポイントをご紹介します。

ビーグルの歴史

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古代ギリシャでウサギ狩りをしていた?

ビーグルの祖先は、もともとは「嗅覚ハウンド」に分類される犬種で、古代ギリシャ時代に優れた嗅覚を使ってウサギ狩りの手伝いをしていました。

その後、ヨーロッパ中で広まり、イギリスを中心に品種改良が進んで現在のビーグルの形に至ったとされるため、原産国はイギリスだと言われています。

「ビーグル」の名前の由来

アメリカン・フォックスハウンドやダルメシアンなど、ほかの嗅覚ハウンドに比べて体が小さめのビーグル。名前の由来も、フランス語で「小さい」を意味する言葉から来たという説があります。

また、数頭で吠えながら獲物を追い込む狩猟スタイルから、「森のトランペッター」「草原の声楽隊」などの愛称を持ち、ビーグルという名前も「大声で鳴く」という意味の言葉が由来ではないかとも言われています。

スヌーピーの犬種として有名

アメリカのチャールズ・モンロー・シュルツが描いたコミック『ピーナッツ』に登場する「スヌーピー」は、ビーグルのオスだとされています。
世界中で愛されている人気のキャラクターであり、「スヌーピーが好きだからビーグルを飼い始めた」という方も多いでしょう。

ビーグルの特徴

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体の大きさ

体の大きさはオス・メスともに、体高33~40cm、体重7~14kg程度で、小型犬に分類されることが多い犬種です。

ただし、もとは猟犬ということもあり、筋肉質でがっしりとした体格をしているので、他の小型犬に比べるとやや大きく、重たく感じるでしょう。

被毛の特徴

ビーグルの被毛で最も一般的なのは、白色、褐色、黒色の3色が組み合わさった「ハウンドカラー」または「トライカラー」と呼ばれる色です。このような目立つ模様をしているのは、野原や山でキツネと見分けがつきやすいようにするためだと言われています。

ドッグショーでは、しっぽの先が白色のものが好まれます。

被毛は短めですが、しっかり密集して生えているため、悪天候への耐性も強いと言われています。

性格の特徴

ビーグルはもともと群れで狩りをしていたので、協調性があってフレンドリーな性格が特徴です。
人にも懐きやすく、子供や他の犬とも良い友達になれるでしょう。逆に、ひとりで過ごすのは苦手なので、仕事などで家を空ける時間が長い場合には向かないかもしれません。

また、探究心が強くて少し頑固な面もあるので、散歩の際にはしっかりとペースをコントロールをする必要があります。
子犬の頃から「マテ」などを教え、しっかりとしつけをしておくことが重要です。

ビーグルがかかりやすい病気など

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椎間板ヘルニア

椎間板の変形で脊髄神経が圧迫され、歩行障害や排尿障害を引き起こす病気です。
遺伝による可能性が大きいですが、ビーグルはよく走ったり跳ねたりする活発な犬種なので、足腰に負担がかかりやすいと考えられます。

椎間板ヘルニアになると、軽度の場合は内科療法や安静にすることで治りますが、重症の場合は手術が必要になることもあります。

外耳炎

細菌やカビによって外耳に炎症が起こる病気です。
垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすいために、外耳炎になりやすいとされます。

白内障

若くても発症しますが、高齢で発症する場合が多いです。
黒目が白く濁ってきて、進行すると次第に視力が失われていき、慣れないところで物にぶつかってしまうようになります。

白内障の予防は難しいですが、点眼薬などで進行を抑えることが可能なので、濁ってきたら早めに獣医師さんに相談しましょう。

ビーグルの飼い方のポイント

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1. たくさん運動させてあげよう

ビーグルは、小さい割にとてもスタミナの強い犬種です。

運動量も多いので、毎日30分の散歩を2回するようにしましょう。
できれば時々ドッグランに連れて行き、雨の日にはおもちゃなどを使って室内でも運動ができるようにしましょう。

運動不足は、ストレスや肥満の原因となります。

2. 肥満に注意!

ビーグルは肥満になりやすい体質の犬種です。肥満になると、ヘルニアなど様々な病気になりやすくなります。十分な運動に加え、食事にも気を使いましょう

成長に合わせ、獣医師さんと相談しながら給餌量をしっかり管理することが重要です。
また、おやつのあげすぎを防ぐため、1日に与えて良いおやつの量をあらかじめ決めておくようにしましょう。

3. 嗅覚を使わせてあげよう

もともと、強い嗅覚を活かして狩りを手伝ってきたビーグル。
散歩中には適度ににおいを嗅がせてあげたり、隠したおやつを探させる「ノーズワークゲーム」で遊んであげるなど、できるだけ嗅覚を使わせてあげましょう。

犬の本能をくすぐる遊び「ノーズワークゲーム」で脳トレをしよう!

4. 耳のお手入れを忘れずに

垂れ耳のビーグルは外耳炎になりやすいため、適切な耳のお手入れが必要です。
綿棒で強く擦ってしまうと耳が傷ついてしまうので、湿らせたコットンなどで優しく拭くようにしましょう。

5. 腰への負担を極力減らそう

椎間板ヘルニアになりやすい犬種は、日常生活の中での足腰への負担を軽減してあげる必要があります。

具体的には、滑りやすいフローリングにはマットを敷く、ソファなどの段差には犬用のステップを設置する、抱きかかえるときは縦にせず、地面と平行になるようにするなどの対策をしましょう。


6.無駄吠え対策をしよう

もともとは吠えながら獲物を追い込んでいたため、ビーグルの声は大きく、よく吠えます。そのため、子犬のうちから無駄吠えをしないようにしつけをしましょう。

無駄吠えをやめさせる方法は、以下の記事をご参照ください。

問題行動ワースト1!吠えをやめさせる3つの方法

まとめ

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今回は、ビーグルの特徴や飼い方のポイントをご紹介しました。

小型犬に分類されるため、広い家でなくても室内飼いが可能なビーグルですが、運動量は多いためたくさん散歩をさせる必要があります。

また、ビーグルは一般的にフレンドリーな性格だと言われており、子供や他の犬がいるご家庭でも家族の素晴らしいパートナーとなってくれることでしょう。

スヌーピーが好きな方や、家にいる時間が長くて犬とたくさん遊びたい方、犬と一緒にアウトドアスポーツを楽しみたい方は、ビーグルを家族に迎えることを検討してみてはいかがでしょうか。

実はダックス以外もかかる!犬の椎間板ヘルニアの原因や対策の紹介

「椎間板ヘルニアはダックスフンドがなりやすい」とよく聞きますが、実はダックスフンドなどの「短足犬種」だけが発症するものではありません。

どんな犬でも椎間板ヘルニアになる可能性があります。

この記事では、椎間板ヘルニアの主な原因と予防方法をご紹介します。

犬が若いうちから対策をしていくことが大切ですので、しっかり学んで日頃の生活に活かしましょう。

椎間板ヘルニアとは

青い服のダックス
そもそも椎間板ヘルニアとはどのような病気なのでしょうか。

背骨はいくつもの椎骨から成り、椎骨と椎骨の間には椎間板があります。

椎間板はゼリー状の軟骨組織で、クッションのような役割を果たしています。

椎間板ヘルニアとは、椎間板の一部が何らかの原因により飛び出し、脊髄を圧迫している状態のことを言います。

原因となるもの

ブルドッグと赤いクッション
椎間板ヘルニアの原因は主に3つあります。

1. 遺伝によるもの

「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれる遺伝子を持つ犬種は、軟骨の形成不全で、骨がうまく発育しない傾向にあります。

これらの犬はクッションの役割を持つ椎間板も発育不足となるため、若くてもヘルニアになる可能性が高いです。

軟骨異栄養性犬種の代表がダックスフンドです。足が短いのはこの遺伝子を受け継いでいるからだと言われています。
その他にも、コーギー、フレンチブルドッグ、バセットハウンド、シーズーなども軟骨異栄養性犬種の遺伝子を持っています。

今、飼っている犬や、これから飼おうとしている犬について調べてみて、軟骨異栄養性犬種だと分かったなら一層の注意をしましょう。

2. 加齢によるもの

軟骨異栄養性犬種でなくても、加齢によって椎間板ヘルニアになる可能性があります。

歳をとるにつれて繊維輪が変形してしまったり、椎間板への負担が積み重なってしまうことにより、椎間板ヘルニアになってしまうことがあります。

3. 生活習慣

また、さまざまな生活習慣も椎間板ヘルニアの原因になります。

例えば、食べ過ぎて肥満になると腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアになりやすくなります。

また、滑りやすいところを歩いたり、階段を登ったりと、腰に負担のかかる動きを繰り返すことも原因のひとつとなります。

症状

診断
犬が次のような行動をとり始めたら、椎間板ヘルニアの疑いがあります。

1. ソファや階段の登り降りを嫌がる
2. 抱き上げるときに鳴いて痛がる
3. 動くことを嫌がる
4. 後ろ脚がふらつく
5. 背中を丸めてじっとする

さらに症状が悪化すると、脚が麻痺したり、排泄が困難になることもあります。

椎間板ヘルニアのサインに気が付いたら、早めに獣医師に相談しましょう。

治療の方法

サプリメント

症状が軽い場合

脚に麻痺などがなく、比較的軽度な症状の場合には、薬によって痛みや炎症をおさえながら安静にします。

しっかりと運動を制限する必要がある場合は、小さなケージに入れて数週間安静にさせる「ケージレスト」という治療を行います。

症状が重い場合

軽傷の治療方法で改善が見られない場合や、脚が麻痺するなど重い症状が見られる場合には、手術が必要となります。
手術の費用やリハビリの方法など、獣医師とよく相談しながら決めるようにしましょう。

なお、手術をしても脚に麻痺が残る可能性があります。そうした場合には、犬用の車椅子を利用して生活する場合もあります。

鍼灸治療も一つの選択肢

特に高齢犬など、手術に抵抗がある場合は、鍼灸治療も一つの選択肢です。

実は、筆者の犬も椎間板ヘルニアで下半身が完全に麻痺してしまったことがあるのですが、鍼灸治療のみで回復し、1年以上経った今でも毎日元気に走り回っています。

手術よりは回復に時間がかかりますが、麻酔をしたり、入院して手術する必要もないので、犬にとっての負担も小さく済むでしょう。

椎間板ヘルニアの予防方法

corgi
椎間板ヘルニアは日々の工夫の積み重ねで、そのリスクを軽減することができます。

  • 段差の大きいところはなるべく自分で登り降りをさせず、抱き上げて運ぶ
  • 抱き上げるときは床と平行の体勢にし、両手でしっかりホールドする。
  • フローリングなどの滑りやすい素材は避け、カーペットやマットを敷く。
  • 肉球の周りの毛を定期的にカットしてあげることで、滑りにくくする。
  • 食べ物の与えすぎや運動不足などにも注意し、肥満にならないようにする。

まとめ

ダルメシアン
椎間板ヘルニアは軟骨異栄養性犬種という犬種がかかりやすい病気ですが、それ以外の犬種でも加齢や生活習慣によってかかってしまう場合があります。

重傷化すると脚が麻痺して歩行困難や排泄障害などを引き起こしてしまう危険性があります。

軟骨異栄養性犬種は特に、そしてそれ以外の犬種も油断せず、若いうちから生活習慣に気を遣うことが大切です。

日々の工夫次第でそのリスクを減らすことができるので、愛犬がいつまでも健康でいられるように意識していきましょう。

デブ猫ちゃんに危険信号!肥満が原因で起こる病気や症状とは。

猫の肥満はあっという間。

上流階級な猫
可愛くおねだりされると、ついついあげたくなっちゃう気持ち、わかります。しかし、猫が太るのはとても簡単です。人間もそうですが、痩せるのは大変なのに太るのはあっという間なんですよね。

この記事では、肥満が及ぼす影響についてみていくので、そんなついついあげちゃう気持ちが引き締まると思います(^^)

1. 毛がボロボロになる

腕を舐める猫
猫は太ると、脂肪が邪魔をしてグルーミングができなくなります。グルーミングをしないことによって毛艶が悪くなったり、グルーミングできないことがストレスになってしまいます。

結果的に、肥満と関係なさそうな皮膚病にまでなってしまうケースも少なくありません。ボロボロの毛になった愛猫を見たくはないですよね。

2. 足腰を痛める

関節炎

手をあげる猫
体重が増えるということは、その重みを足が支えることになります。猫は上下運動が好きな動物です。遠くへジャンプしたり、高いところから降りてくる時には、その衝撃を足の関節が受け止めます。

猫の肥満は、足の関節へ大きな負担を強いることになり、関節炎を招きます。

椎間板ヘルニア

キャットステップを上がる猫
猫は犬に比べてヘルニアになりにくいと言われています。しかし、肥満の猫ちゃんの場合、そのヘルニア発症率が高まるとされています。

肥満が椎間板に負担をかけ、圧力が加わることで変形してしまうのです。ヘルニアが進行すると、だんだんと歩くことが困難になっていきます。

3. トイレに行かなくなる

猫だけど質問ある?

尿路疾患

猫は太ると、動くことが面倒なのでトイレに行く回数が減ります。トイレを我慢することは腎臓を酷使することに繋がります。

おしっこを我慢してしまって、尿路結石や膀胱炎など様々な尿路疾患の原因になります。

4. 他にも怖い病気がたくさん

脂肪肝

エキゾチックショート(猫)
肝脂肪(肝リピドーシス)は太り気味の猫に発症しやすい病気です。ホルモンの異常などから、肝臓に脂肪が多く溜まりすぎている状態です。

命に関わる病気で、食欲や元気がなかったり、数日間ご飯を食べていない場合には、病院に行くことをオススメします。重度の場合には、黄疸や痙攣などが起きる場合があります。

糖尿病

猫だけど質問ある?
肥満の猫ちゃんは、糖尿病にかかりやすいと言われています。

糖尿病は、糖分を細胞に取り込む際に動くはずの「インスリン」が正常に機能してくれなくなります。そのため、取り込んだ糖分を細胞が吸収してくれず、血液を流れて尿として出てきてしまいます。

糖尿病の猫ちゃんは、トイレの回数が増える、水を多く飲む、ご飯をよく食べるようになるなどの症状が現れます。この段階の時に病院へ行きましょう。さらに進行すると、食欲がなくなったり、合併症状が起きてしまいます。

猫の肥満を甘く見ないで!

撫でてたら気持ちよさそうに寝た猫
デブ猫ちゃんは確かに可愛いです。でも、それによって不健康になってしまうのは、猫ちゃんも飼い主さんも嫌ですよね。

猫の健康管理ができるのは、飼い主さんなんです。だから、肥満を甘く見ずに、日々の健康管理をしっかりとしてあげてくださいね。

猫の肥満の原因が知りたい!という方は、この記事も役にたつはずです。

猫が太ってきた!ご飯の回数と量が原因かも?【デブ猫対策】