よく似た犬種のチベタン・スパニエルとペキニーズの違いとは?

名前は全然違うペキニーズとチベタン・スパニエルですが、小型犬で顔の作りが似ているこの二犬種。日本においてペキニーズはメジャーですが、チベタン・スパニエルはまだあまり知られていない犬種です。そのため、街で見かけた場合は、ペキニーズとチベタン・スパニエルどちらかわからない方も多いかもしれません。

この記事では、ペキニーズとチベタン・スパニエルの共通点や異なる点について解説していきます。

ペキニーズの祖先はチベタン・スパニエル説

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(画像:チベタン・スパニエル)

チベタン・スパニエルは、ペキニーズのみならず、狆やパグとも顔が似ていますが、これは、チベタン・スパニエルがこれらの犬種の祖先だからと考えられています。

チベタン・スパニエルとペキニーズは共に長い歴史があり、あまり詳しいことは現時点でもわかっていませんが、宗教と密接な関係があったとされています。

チベタン・スパニエルは、紀元前1000年頃から存在したと考えられており、とても古い犬種です。チベットが原産で、チベット仏教で大切なシンボルとされる獅子の化身として崇められ、僧院で大切に飼われていたとされています。

一方のペキニーズは、ラマ教において伝説上の獅子犬に近づけるためにチベットの僧侶が飼育していたチベタン・スパニエルを改良し、生み出されたと考えられています(諸説あり)。

見分け方は毛の長さと横顔

1AKC Pekingese Dog Show 2011

ペキニーズ(SheltieBoy, CC BY 2.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)

顔の作りや体型が一見すると似ているチベタン・スパニエルとペキニーズですが、見分けやすい2つのポイントがあります。

異なる毛の長さ

一つは被毛が異なります。どちらもアンダーコートとオーバーコートの2層構造からなるダブルコートですが、チベタン・スパニエルは被毛がそこまで長くなりません。一方で、ペキニーズは全身を覆うほどの長さになります。

鼻の高さ

もう一つは、どちらも鼻ペチャ系と呼ばれるマズルが短い短頭種ですが、横から見た際の鼻の出方に違いがあります。チベタン・スパニエルは鼻がやや出ている一方で、ペキニーズは出ておらず、より短いマズルが特徴的です。

豊富なカラー

いずれも様々な単一のカラーや、混合した毛色が認められており、バリエーションが豊富です。

チベタン・スパニエルの毛色

  • フォーン
  • レッド
  • セーブル
  • ブラック
  • ゴールド
  • ブラックタン
  • トライカラー
  • パーティカラー(白地に一色または二色の斑がある)など

ペキニーズの毛色

  • ホワイト
  • レッド
  • フォーン
  • クリーム
  • ブラック
  • ブラックタン
  • パーティカラー

性格の傾向は似ているようで結構違う

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(画像:ペキニーズ)

似ている部分もあれば、真逆の部分もある二犬種の性格の傾向について見ていきます。

チベタン・スパニエルの性格

チベタン・スパニエルは、メンタルがしっかりしており、明るく活動的で理解力も高い傾向があります。その反面、警戒心が高く、慣れていない人には慎重に対応することが多いです。

ペキニーズの性格

ペキニーズは、マイペースで落ち着いていて、精神的にタフな傾向があります。そのため、恐怖心から来る攻撃的な行動や、吠えなども少なくなります。飼い主など慣れた人とは関係性を築くことが得意で、甘えることもしばしばあります。

※あくまでの性格の「傾向」であり、遺伝や経験になどにより性格は個体によって異なります。

かかりやすい病気などは?

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どちらも短頭種であることから、呼吸器系の病気には注意が必要です。また、暑さにはとても弱く、熱中症にも十分に注意しましょう。

チベタン・スパニエルが気を付けたい病気

  • 気管が狭くなり呼吸がしづらくなる「気管狭窄」
  • 呼吸器の疾患がきっかけで起こりやすい「心臓疾患」
  • 目の痛みや視覚障害を引き起こす「緑内障」
  • 膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう「膝蓋骨脱臼」など

ペキニーズが気を付けたい病気

  • 気管がつぶれ呼吸ができなくなる「気管虚脱」
  • 鼻孔が狭くなる「鼻腔狭窄」
  • 目を覆っている膜に炎症が起こる「結膜炎」
  • 細菌やカビが原因で外耳道に炎症が起こる「外耳炎」など

また、ペキニーズは長い被毛に隠れてわかりにくいですが、体型は胴長で脚が短めです。ソファなどの高い場所から飛び降りる際には背中や腰に負担がかかるため、注意が必要です。

まとめ

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(画像:チベタン・スパニエル)

見た目はとても似ていますが、意外と違う点もあったのではないでしょうか。飼うことを検討している場合は、性格の違いはもちろん、かかやりすい病気についてもきちんと把握し、適切な飼育環境を整えられるか考えてみてくださいね。

気になる「最古の犬種」とは。世界の最も古い犬種ベスト10

世界にはさまざまな種類の犬が存在しますよね。それぞれ特徴を持っていて、とても個性的です。JKC(ジャパンケネルクラブ)によると、世界には約700〜800もの犬種があるそうです。

定番の犬種から、人気の犬種。また、新種の犬もどんどん生まれています。でもみなさん、最古の犬種って気になりませんか?

今回は、そんな世界で最も古いと言われている犬種を10種ご紹介します。なお、犬種については諸説あり、今もどの犬種が最古のものであるかは研究が進むに連れて変わってきていますので、今回はその中でも代表的な犬種をご紹介します。

10. シャーペイ


考古学の研究によると、シャーペイは紀元前206年から存在しており、チャウチャウの子孫である可能性が高いと言われています。

シャーペイは古代中国で、狩猟、追跡や番犬などの仕事をする、仕事犬として親しまれていました。

9.サモエド


サモエドの遺伝子プールはオオカミやキツネにそっくりで、原始的な犬に近い犬種と言えます。

サモエドは、シベリアのサモエド族の人々によって育種され、トナカイの群れの管理を任されていました。また、19世紀の終わり頃には、極地探検隊のそり犬として大活躍しました。

8. サルーキ


サルーキは東トルキスタンからトルコまでの地域に属し、アラビアの都市サルーキにちなんで名付けられました。この品種は他の古代品種、アフガンハウンドと密接に関連しており、最も古い飼い犬の一種です。

考古学的発見物によると、サルーキの遺体は約紀元前2100年頃のエジプトの墓の中に埋葬されており、古代エジプトの王、ファラオの遺体とともににミイラ状になっていました。壁画にもサルーキのような犬の絵が描かれていることが知られています。

サルーキは視力がとても良いため、狩猟犬としてキツネ、ジャッカルやウサギを狩るために人々に親しまれていました。今でも走るのがとても早いため、ドッグレースでもお馴染みです。

7.ペキニーズ


DNAの検査結果によると、ペキニーズが中国で最も古い犬種の1つであることが分かりました。

ペキニーズは中国で2000年以上も前から存在していると言われ、古くから主に北京で親しまれてきました。そのため、名前の由来も英語を直訳すると“北京の犬”です。昔から、北京の貴族に愛されてきた犬種です。

6. ラサ・アプソ


ふわふわの体毛を持つ犬、ラサ・アプソはもともとチベット出身で、チベットのラサ市にちなんで名付けられています。考古学的発見物によると、ラサ・アプソは紀元前800年以上前には存在していたと考えられます。

何千年もの間、ラサ・アプソは貴族や修道士に愛されており、とても神聖な犬と考えられています。

その理由は、チベットの宗教観に由来します。チベットでは所有者が死亡したとき、その所有者の魂がラサ・アプソの体に入ると信じられているのです。そのため、ラサ・アプソは飼い犬であると同時に、死者の魂を持つ神聖な犬として扱われています。

5. チャウチャウ


チャウチャウの正確な起源は未だ謎のままですが、非常に古い犬種であるとされています。

その理由は、チャウチャウと、体の構造が非常に似ている犬の化石が発掘されたからです。その化石は約紀元前206年前であることが分かっています。チャウチャウは、古くから中国で狩猟犬、そり犬や番犬として愛されてきました。

4. バセンジー


バセンジーは最も古い飼い犬の1種と考えられています。

古代の人々は狩猟犬を選ぶ際、比較的温厚な性格の犬を好んでいたと考えられるため、バセンジーの様な温厚な性格は非常に重宝されていたと想像がつきます。

3. アラスカンマラミュート


アラスカンマラミュートはアラスカを主産地とするそりの犬で、アラスカの部族、エスキモーのマラミュート族にちなんで命名されています。

この品種は北極オオカミの子孫で、古くからそりを引っ張るために飼育されています。サモエドのように、アラスカンマラミュートは南極での極地探検に参加していました。

2. 秋田犬


秋田犬は日本の秋田県を主産地としており、純粋な日本犬です。純粋な日本犬として分類されているのは、秋田犬の他に、北海道犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬、柴犬の全部で6種しかないのです。

秋田犬は非常に優秀な犬で、警察犬、軍用犬、警備犬、狩猟犬やそり犬として大活躍していました。最近では、ロシアのフィギュアスケートの選手であるザギトワさんに、プレゼントされたことでも知られています。

1. アフガンハウンド

名前の通り、アフガンハウンドはアフガニスタンが主産地です。アフガンハウンドの誕生は、紀元前にさかのぼると考えられており、DNAの証拠によると、それが最も古い犬の品種の一つであることを示しています。

アフガンハウンドの視力は非常によく、走るのも早いため、狩猟犬として親しまれてきました。

さいごに

眼鏡をかけるいぬ
日本犬である秋田犬も遠い昔から脈々とその血統が受け継がれていたのですね。あの勇ましく、凛々しい態度が、種の温存の秘訣でしょうか?

現在では、全部で6種となってしまった日本犬も、昔は多くの種が存在していました。

狩猟犬として山野を駆け回り、人間と協力して、野生鳥獣の狩猟従事してきた犬達ですが、交通網の発展や、交配によって各地域に存在していた多くの種は絶滅してしまいました。

残り少なくなってしまった大切な種を残すためにも、私たち日本人として、秋田犬の素晴らしさを誇っていきたいですね。