猫と金魚・熱帯魚は一緒に飼えるの?同居の際のポイントをご紹介
猫は動くものを追いかけることが大好きで、「魚が好き」というイメージがありますよね。
そのため、猫にいたずらされてしまうと思い、金魚や熱帯魚を一緒に飼うことを諦めている猫の飼い主さんも多いかもしれません。
確かに、飼い猫が水槽の中の金魚を食べたり傷つけたりしてしまった例はあります。
しかし、気をつけるポイントを抑えれば、猫と金魚や熱帯魚を一緒に飼うことは不可能ではありません!
今回は、猫と金魚や熱帯魚を一緒に飼う際に、絶対に抑えておきたいポイントをご紹介します。
猫と金魚は一緒に飼える?
結論から言えば、猫と金魚・熱帯魚を一緒に飼うことは可能です。
しかし、安全に同居させるには、気をつけなくてはいけないポイントがいくつかあります。
猫が近くにいることで金魚のストレスになってしまったり、猫が金魚を捕まえようとして怪我をさせてしまうことがあるためです。最悪の場合、金魚を死なせてしまう可能性もあるのです。
そのため、猫と金魚、両方に配慮した飼い方をすることが必要です。
猫は金魚を食べるの?
猫が金魚を食べてしまうことはあるのでしょうか?
「魚好き」のイメージがある猫ですが、実際は必ずしも魚を好むわけではありません。
しかし、実際に屋外で飼育している金魚が野良猫に食べられてしまう例は多いようです。
室内飼いの猫は家で十分な食事をもらっているため、あえて金魚を食べることは少ないと思われますが、それでも食べてしまう例はあります。
ほとんどは遊ぶため
全ての猫が水槽の魚に興味を持つわけではなく、猫の性格や気分によるところが多いです。
しかし、水槽の中で泳ぐ金魚・熱帯魚を見て、狩猟本能が刺激される猫は多く、特に好奇心の強い猫は、水槽に前足を突っ込んで金魚を掬い取ってしまうことがあります。
食べるためというよりは遊ぶために金魚を獲り、転がしたりつついたりしてしまうのです。
猫にとっては遊びのつもりでも、金魚にとっては致命的な事態ですよね。
上記のことからも、猫と金魚が一緒に暮らすためには、ポイントを抑えた対策を講じる必要があるのです。
猫と金魚を一緒に飼う際のポイント5つ
金魚が猫に襲われないために、猫と金魚を一緒に飼う際は、以下でご紹介する5つのポイントを意識した環境作り・飼い方をする必要があります。
①部屋を分ける
最も安全なのは、猫と魚の暮らすスペースを完全に分けることです。
余裕があれば部屋を分ける、そうでなければ柵で区切るなどすれば、猫と金魚の接触を防ぐことができます。
ただ、猫は狭い隙間も素早く通ることができるため、金魚専用のスペースに猫を立ち入らせないようにしっかり扉を閉じましょう。
②蓋のある水槽で飼う
猫と同居させる場合は、金魚鉢のような蓋のない水槽で金魚や熱帯魚を飼育することはやめましょう。金魚鉢のような水槽は、猫の前足が届いてしまったり、ぶつかった拍子に倒れてしまったりする危険性があります。
軽い素材の蓋だと猫が器用に開けてしまう可能性があるため、重みがありしっかりと固定できる頑丈な蓋のある水槽を選びましょう。
③水槽に近づかないようにしつけをする
猫が自分から水槽に近づかないように教えてあげることも有効です。
好奇心旺盛な猫をしつけをすることは大変かもしれませんが、少しずつ学習させることが大切です。
大きな声を出したり叱ったりすることはせず、猫が水槽に近づくたびに「ダメ」「ノー」などと言うことを繰り返しましょう。
④水槽周りのケーブル類をまとめる
水槽周りには照明器具やエアポンプなどのケーブル類が多くなりますよね。
水槽周りに限らずですが、ケーブルに猫がじゃれたり引っかかったりすると大変危険です。
ケーブル類は猫が届かない場所にまとめておきましょう。
⑤水槽のメンテナンス時も注意
普段はしっかり対策できていても、水槽のメンテナンスをする際に事故が起こることがあります。
水換えや掃除のために魚を一時的にバケツに入れている隙に、猫が来てしまう…なんてことが起こりかねません。
メンテナンス時には、猫を部屋に入れない、魚を蓋のあるバケツに入れておくなどして、油断しないようにしましょう。
魚を飼う際は襲われないような対策を!
金魚や熱帯魚を他の動物と一緒に飼う場合は、猫に限らず、犬や鳥などでも襲われる危険性があります。
また、魚を屋外で飼う場合は、野良猫以外にも、カラスやハクビシンなどの小型動物にも狙われます。
対策をしっかりと取って、魚にとってストレスのない安全な環境を整えてあげましょう。
まとめ
猫と金魚・熱帯魚は、対策をしっかり講じれば一緒に飼うことが可能です。
魚を猫から守ってあげること、そして猫自身にも魚に近づいてはいけないことをわかってもらうことが大切です。
猫が魚にどのくらいの興味を示すかはそれぞれ異なるため、魚をお家に迎えた後はしばらく愛猫の様子をしっかり観察しましょう。
毎日一緒に暮らすわけですから、イレギュラーが発生することもあります。猫と魚の安全を守るために、十分すぎるくらいの対策を取っておくことをお勧めします。
野良猫を見つけても飼えない時の対処法と保護後のポイントをご紹介
「野良猫を保護したいけど、うちでは飼えない…」野良猫を見つけて保護したくても、家庭の事情で飼えないという方は少なくありません。そんな時、野良猫を放っておく以外に私たちにできることはないのでしょうか?
結論から言うと、野良猫を自分で飼えなくても、里親を探したり、動物保護団体に保護してもらったりと、いくらでも野良猫を守る方法はあります。
今回は、野良猫を保護しても飼育できない場合の対処法や里親の探し方、野良猫を一時保護する時のポイントをご紹介します。
野良猫を保護したらどうすればいいの?
野良猫を保護したら、まずは動物病院へ連れて行きましょう。自宅で飼えないのであれば、その後、野良猫の里親を探す必要があります。
1.動物病院へ連れて行く
一見、元気そうであっても、栄養状態が悪かったり、何らかの病気を患っている可能性があります。そのため、まずは野良猫の健康状態を獣医師に見てもらいましょう。
実際に、筆者が保護した野良猫は、元気そうに見えても「結膜炎」、「瓜実条虫症」、「軽い栄養失調」などの問題を抱えていました。
なお、動物病院へ行く前に「保護した野良猫を連れていく」と一言伝えるとスムーズに受け入れてくれます。
2.里親になってくれる人を探す
次に、里親や動物愛護団体など、野良猫を保護・飼育してくれる人を探します。
ご近所や親戚で探す方法もありますが、里親サイトを利用するなど里親の探し方は他にもたくさんあります。
保護した野良猫が素敵な飼い主さんを見つけられるように、色々な里親を探す方法を知っておくと良いでしょう。
野良猫の里親を探す方法
野良猫の里親を探す代表的な方法を3つご紹介します。
1.SNSで呼びかける
1つ目は「SNSで里親を探す方法」です。
TwitterやInstagram、Facebookで「#里親募集中」のようなハッシュタグを利用して、里親を探します。
ハッシュタグを使うことで、里親になりたい人が募集を見つけやすくなります。SNSで里親を探している方は非常多いので、実際に里親を募集している投稿のハッシュタグや内容を参考にしましょう。
2.民間の保護団体に連絡する
2つ目は「民間の保護団体に連絡する方法」です。
野良猫を見つけても飼育できない場合、保護団体に連絡すると野良猫を保護してもらうことができます。
例えば、動物愛護市民団体JCDの「ネコちゃんの終身お預かりシステム」では、様々な理由で行き場を失ってしまった猫を保護しており、あなたの代わりに新しい家族を探してもらえます。
動物愛護市民団体JCD「ネコちゃんの終身お預かりシステムについて」
https://jcdl.jp/syushin_cat.html
野良猫を保護したくても一時的にでも家に置くことが難しい方は、事前に民間の団体に相談してみてもいいでしょう。
3.里親募集サイトに登録する
3つ目は「里親募集サイトに登録する方法」です。
里親サイトでは、里親を探している人と里親になりたい人がサイトを通して直接連絡を取ることができます。野良猫を一時保護できる方は、猫のためにも、安心して任せられる人を自分で直接探してみるといいでしょう。
ペットのおうち
https://www.pet-home.jp/cats/
保健所に預けるのは最終手段
野良猫を保護したらまず「保健所に連れて行こう」と考える方も少なくないでしょう。
しかし、保健所では必ずしも引き取り手が見つかる訳ではなく、殺処分されてしまう可能性があるため、保健所に預けるのは最終手段にしてください。
環境省によると、1年間で53,342匹もの猫が保護されており、そのうち次の飼い主さんへ譲渡されたのは25,636匹です。つまり、残りの27,108匹は殺処分されていることになります。
環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
野良猫を一時保護するポイント
次に、里親が決まるまでの間、野良猫を一時保護する際に気をつけることをご紹介します。
迷い猫かどうか確認する
野良猫に首輪がついていなくても、誰かに飼われている迷い猫の可能性があります。
特に人馴れしている野良猫は飼い主さんがいるかもしれません。飼い主さんが猫を探していないかどうか、SNSや掲示板を使って確認しておきましょう。
最低限必要なものを準備する
野良猫を保護する前に、以下の最低限必要な飼育道具を揃えましょう。
- キャットフード
- 水入れ、餌置き(紙皿や食器で代用可能)
- 猫砂とトイレ
高く見積もっても5,000円程度で準備できます。
ちなみに、「猫砂とトイレ」は、猫用トイレを買わなくてもダンボールにペットシートを敷いて猫砂を入れることで代用できます。
近所に野良猫を保護したことを伝える
野良猫を室内に入れると夜鳴きする可能性があるので、近所迷惑になってしまうかもしれません。実際に、筆者が野良猫を保護した時は1〜2週間真夜中に大声で鳴いていました。
ご近所トラブルを防ぐためにも野良猫を保護したことを話しておきましょう。また、その際に里親募集について話しておくのもいいですね。里親の候補を紹介してもらうことができるかもしれません。
まとめ
今回は、野良猫を保護しても飼育できない場合の対処法をご紹介しました。SNSや保護団体、里親募集サイトなど、自宅で飼えなくてもできることはたくさんあります。
安易に保健所に連れて行くのではなく、保護した野良猫が幸せになれるように、しっかり面倒を見てくれる団体や里親を探してあげてください。
【5分で分かる】保護猫や野良猫がご飯を食べない時の原因と対処法
「家に来てから全然ご飯を食べてくれない……」保護猫や野良猫出身の猫を飼い始めてからご飯を食べてくれなくて悩んでいる飼い主さんは多いのではないでしょうか。
猫は環境の変化が苦手なので、警戒をしてなかなかご飯を食べないことも少なくありません。筆者が猫(野良猫出身)を飼い始めた時もご飯を食べてくれるまで2〜3日かかりました。
今回は、筆者の実体験に基づき「保護猫や野良猫出身の猫がご飯を食べない理由やご飯を食べさせるためのポイント」をわかりやすくご紹介します。
保護猫がご飯を食べない2つの原因
保護猫や野良猫出身の猫がご飯を食べてくれない場合は、以下の2つの原因が考えられます。
1.環境が変わったことによるストレスや警戒
猫は環境の変化が苦手な動物です。そのため、ただでさえ環境の変化が多かった保護猫や野良猫出身の猫は突然知らない場所に連れて来られて不安と緊張でいっぱいになっています。
猫が警戒している状態では、安心してご飯を食べたり水を飲んだりすることもできません。
2.食の好みが合っていない
野良猫時代、もしくは前の飼い主時代に、猫缶や人間の食べ物ばかり食べていたことが原因の場合もあります。
猫缶ばかり食べていた猫はドライフードを嫌がって食べないことがあります。また、猫は濃い味のものが好きなため、濃い味に慣れてしまうと、薄味のご飯を食べなくなってしまうこともあります。
保護猫にご飯を食べさせるためのポイント
ご飯をあげても食べてくれない場合に、飼い主さんができる工夫をご紹介します。
ご飯をあげたらそっとしておく
ご飯をあげたら猫が食べてくれるかどうか気になってしまいますが、ご飯を置いた後は猫をそっとしておきます。最低限のお世話以外は極力関わらないようにしましょう。
数日間は猫がご飯を食べなくても、静かに様子を見てあげてください。しかし、3〜4日経ってもご飯を食べない場合は、一度動物病院に連れていくことを検討しましょう。
猫が警戒するようなことはしない
飼い猫が元野良猫だった場合、警戒心が特に強いでしょう。猫は警戒しているとなかなかご飯を食べてくれません。
また、とても音に敏感なので、数日間はそわそわと動いたり、掃除機などの大きい音を立てないようにしましょう。
また、猫をケージに入れている場合は、ケージに毛布やタオルをかけてあげましょう。余計なものが猫の視界に入らなくなり、警戒している猫でも安心しやすくなります。
ドライフードはバラエティパックがおすすめ
猫にも魚や肉など好みがあるため、フードが気に入らず食べない場合があります。ドライフードを購入する場合は、色々な味が試せる200〜300gほどのバラエティパックを選ぶと良いでしょう。
筆者は、2kgの同じ味のフードを買ったものの、野良猫出身の子はあまり食べず困ってしまったことがありました。
筆者が飼っている野良猫出身の子が食べてくれたフードは「モンプチ ボックスタイプ バラエティパック 4つのこだわりお魚バラエティ」です。1食分の小分けで4種類の味が入っているので、どれかは食べてくれる可能性が高いでしょう。
ウェットフードの方が食べてくれる
ドライフードをどうしても食べられない場合は、ウェットフードと混ぜ合わせてあげましょう。
ウェットフードとドライフードが混ざっていないと、ドライフードのみ残してしまう場合があるのでスプーンでしっかり混ぜてあげてください。
ドライフードの上にトッピングをかける
ドライフードを食べない時に、フードの上ににぼしや鰹節、チャオちゅーるなどをトッピングすると食べてくれる場合があります。
もし、煮干しや鰹節をかける場合は、人間用のものは塩分が濃いため必ず猫用をあげてください。
保護猫がご飯を食べ始めたら
猫が少しでもご飯を食べ始めたら、徐々に食べる量が増えていくので安心してください。
ここでは保護猫や野良猫出身の猫がご飯を食べ始めた後の注意点やポイントをご紹介します。
最初は飼っている猫が好きなご飯をあげる
好き嫌いが多い猫も少なくありません。
保護猫や野良猫出身の猫が偏食気味で気になる飼い主さんも、猫が家に慣れるまで最初の1ヶ月ほどは食べることを優先してご飯をあげてください。
好き嫌いが激しい場合、お腹が減っても食べないこともあり、驚くほどにすぐに痩せてしまう可能性もあります。筆者が飼っている野良猫出身の子は、好き嫌いがあってドライフード単体では食べてくれず、痩せてしまった経験があります。
そのため、保護猫や野良猫出身の猫の場合は、その子が家に慣れるまでは、しっかりご飯を食べられるように甘やかしてあげてください。
偏食気味でも気にしない
たとえ最初は偏食気味でも、その好みは徐々に変わっていきます。
筆者が飼っている野良猫出身の子の場合は少しずつウェットフードやトッピングを減らしたりすることで、今ではドライフード一筋に変わりました。
トッピングなしのドライフードに切り替わるまで2〜3ヶ月かかりましたが、猫もわがままを言わず、だんだんと変化していくので安心してください。
まとめ
今回は、保護猫(または元野良猫)がご飯を食べない時の対処法を中心にご紹介しました。
最初はなかなかご飯を食べず心配だとは思いますが、保護した猫がご飯を食べられるようになるまで優しく見守ってあげてください。敵意を見せなければ、時間がかかってもいつかは警戒を解いてくれます。
まずは、ウェットフードなど猫が好むエサをあげて、ゆっくり時間をかけて環境に慣らしていきましょう。
おうちで簡単犬のお手入れ!爪・足裏の毛・目の上の毛のカット方法
犬の飼い主のみなさんは普段、犬のお手入れをおうちで行っていますか?
定期的にカットが必要な犬種の場合、トリミングサロンでやってもらっている方も多くいらっしゃると思います。でも、トリミングサロンになかなか行けないときは、おうちで最低限のお手入れはしてあげたいもの。お手入れをしないと、見栄えだけでなく犬の病気やケガに発展する恐れもあります。
今回は、犬のお手入れの中でも比較的行いやすい爪切り、足裏の毛のカット、目の上の毛のカットに必要な道具やポイントをご紹介します。
爪切りの道具・ポイント
爪切りが必要な理由
犬の爪が伸びたまま放置しておくと、爪が巻いてきてしまい、爪が折れたり歩きづらくなったりしてしまいます。最悪の場合、その爪が肉球にささってしまうということもあります。そうなる前にこまめに爪切りを行いましょう。
よく散歩をする犬は、地面との摩擦で爪が自然と削れやすいのですが、それでも月に1回程度は爪のお手入れが必要でしょう。特に、「狼爪」という親指にあたる部分の爪は地面に接しないので、お手入れをしないとすぐに伸びてきてしまいます。
用意するもの
- 爪切り(ギロチンタイプがおすすめ)
- 止血剤や清潔なコットン
爪をカッター部分の丸い穴に入れて、両方から一気に切れるギロチンタイプは、爪を狙ったところでしっかり固定して切ることができるのでおすすめです。
万が一、深爪をしてしまった時に備え、止血剤や清潔なコットンを用意しておくとよいでしょう。止血剤はペットショップやトリミングショップで売っている場合が多いです。
爪切りのポイント
- 爪を切るとき、足を持ち上げすぎたり、横に引っ張ったりすると犬が足を痛めてしまうので、自然な方向に軽く持ち上げるようにする。
- 被毛が爪にかかっているときは、被毛をカットするか、被毛を掻き分け、切ろうとしている爪がしっかり見える状態にする。
- 犬の爪には血管が通っており、爪を切りすぎてしまうと、血管まで切ってしまうことがあるので注意が必要。爪が白い犬は、血管がうっすら見えますが、爪が黒い犬は血管が見えないので、血管を切らないように少しずつ切っていく。
なお、犬の爪の血管は、爪切りを放置することで爪と一緒に自然に伸びてきます。血管が伸びてきてしまうと、爪を短く切れなくなってしまいます。その点からも、定期的な爪切りというのは大事なのです。
足裏の毛のカットの道具・ポイント
足裏の毛のカットが必要な理由
足裏の毛が伸びていると、歩いたときに滑りやすくなってしまいます。足が滑ると犬の腰に負担がかかりヘルニアの原因になってしまいます。コルクボードや滑りにくいようにカーペットを敷くなどして対策されているのがベストですが、そうではないフローリングのおうちの場合は、頻繁なカットが必要です。
また、足裏は犬が発汗する唯一の部位なので、夏場は欠かさずにカットしましょう。
用意するもの
- 犬用のバリカン、もしくは先が丸くなっているハサミ
- コーム
バリカンがよいかハサミがよいかは好みによりますが、初心者であればバリカンの方が比較的簡単だと言われています。ただし、使い方を間違えると肉球をケガさせてしまうこともあるので十分に注意しましょう。
ハサミでカットするのであれば、家庭用のハサミではなく、先が丸くなっているペット用のものを使いましょう。
足裏の毛のカットのポイント
- カットを始める前に、コームで毛並みを整え、ゴミなどは取り除いてから行う。
- 爪切り同様、足を持ち上げすぎたり横に引っ張ったりすると犬が足を痛めてしまうので、自然な方向に、軽く持ち上げる程度にする。
- バリカンは肉球に沿わせるようにして、決して肉球に歯を強く押し当てないようにする。
- 指(肉球)の間の毛もカットしてあげる。
ご存知の方も多いと思いますが、犬の肉球はとてもデリケートで敏感な部分です。怪我をさせてしまわないように、注意して行いましょう。
また、下記の記事で紹介しているように、ワセリンなどで保湿してあげる等、足裏の毛を切るのと同時に、メンテナンスしてあげるとより良いでしょう。
目の上の毛のカットの道具・ポイント
目の周りの毛のカットが必要な理由
目の周りの毛が伸びすぎていると、毛が目の中に入って目の病気の原因になります。
特に目の周りの毛が伸びやすい犬種は、目の中に毛がかかっていないかを定期的にチェックしてあげましょう。
用意するもの
- コーム
- 犬用カットハサミ
- 清潔なコットン
用意するものは、足裏の毛をカットするときと同じもので良いでしょう。
また、コームがあると、目の周りや口の周りについた食べかすをふやかすことで取り除けるので、毎日清潔を保てるので大変便利です。
目の上の毛のカットのポイント
- 濡らしたコットンで優しく目の周りを拭き取って、被毛の汚れを取り除いたり、固まった被毛をほぐしたりする。
- 被毛が綺麗になったら、コームで毛並みを整え、目の上の毛を手前に掻き出し、目にかかるようにする。
- 犬の顎の下に片手を添え、顔が動かないようにする。
こちらの動画では、トリマーさんがカットの仕方を順序よく丁寧に教えてくれています。実際に始める前に動画を見ておくと、イメージしやすいのでおすすめです。
無理は禁物!犬が落ち着いた状態でお手入れしよう
犬が嫌がっているのに、無理やりお手入れをすると、暴れてケガをしてしまったり、お手入れが嫌いになってしまう恐れがあります。
そんなときは無理をせず、少しずつお手入れに慣れさせたり、おやつを使うなどして、お手入れによいイメージを持ってもらう工夫をしましょう。
まずはお手入れ器具に慣れさせよう
いきなり爪切りやバリカン、ハサミを使うと、犬が怖がって暴れてしまい、ケガをしかねません。特に音が出るようなものは注意が必要です。爪切りなどを犬の爪や足裏にあてたりして、まずはお手入れ器具への警戒心をなくしてからカットを始めましょう。
また、犬は音に敏感な生き物です。まずは犬から離れたところでバリカンの電源を入れましょう。そしてだんだんと近づけ、カットはせずに最初は音に慣らしていくことから始めます。
おやつを上手に使って
犬がお手入れ中に落ち着かないときは、上手におやつを使って注目を引き、犬を落ち着かせましょう。
初めのうちは爪切りなどのお手入れ器具を見せると同時におやつをあげて、お手入れ器具自体にいいイメージを持ってもらうとよいでしょう。
お手入れができるようになったら、お手入れをしながらだったり、お手入れ後にすぐにおやつをあげることで、犬の頭の中では自然と「お手入れ=おやつがもらえる」と結びつくようになり、お手入れを嫌わないでくれるはずです。
まとめ
今回は、自宅で犬の爪切り、足裏の毛のカット、目の上の毛のカットを行うために必要な道具とポイントをご紹介しました。
お手入れ初心者は、まずはお手入れ器具に慣れさせるところから始め、少しずつお手入れに慣らしていきましょう。おうちで慣らしておくことで、トリミングサロンや動物病院でも安心してお手入れをしてもらえるようになるので、一石二鳥です。
おうちでこまめにお手入れをして、犬の健康を守ってあげましょう!
【甘噛み対策】本気咬みになる前に、甘噛みを直す3つのポイント
「咬み」は、日本の飼い主さんが困っている3大問題行動のうちの1つです。他の2つは「吠え」や「トイレ」と言われています。
「吠え」についてお困りの方は、こちらもご覧ください。
また、「トイレ」のトレーニング方法については、こちらもご覧ください。
「人に咬みついてしまい困っている」という飼い主さんは意外と多いのですが、一口に「咬む」と言っても、大きく2つの「かみ」に分けられます。
1つは「甘噛み」と言われるもので、噛まれても血が出るようなことはほとんどありません。もう1つは、「本気咬み」と言われるもので、これは咬まれると大怪我につながる深刻なものです。
この2つはとても深い関連性があり、「甘噛み」を放置することで、「本気咬み」へと発展することがあるとされています。インターネットを検索しても、順序立ててうまく対策を説明されている記事が少ないようです。そこで、今回は、その「甘噛み」の正しい直し方を見ていきたいと思います。
甘噛みって?
「甘噛み」とは、人の手や他の犬などを軽く噛むことを言います。本当に軽く噛むだけなので、血が出るようなことはあまりなく、ついつい放置してしまいがちです。
特に、幼犬の時に見られる行動のため、痛くもないし、じゃれてくるようにも見えてしまいます。幼犬が手や足にじゃれてくるのですから、中には、「かわいいー」と言って、かまってしまい、そのまま一緒に遊んでしまう飼い主も少なくないのではないでしょうか。
でも、これ、放っておくと出血してしまったり、場合によっては肉がえぐれるような大怪我をしてしまう「本気咬み」へと発展することもあります。「本気咬み」に発展してしまうと、直すのが大変になってきます。お金も時間もかかってしまうので、幼犬の時に直しておくことが重要です。
どうして甘噛みするの?
どうして、幼犬の時に「甘噛み」をするのでしょうか?以下の3つがその理由とされています。
- 歯の生え変わりで痒い
- コミュニケーション(かむ力のコントロールを覚えるため)
- 游んでもらえると勘違いしている
歯の生え変わりで噛む
この場合は、噛む玩具を与えてあげるようにしましょう。ホームセンターやアマゾンでも売られているため、購入しやすいものが多いです。
スリッパや靴などをカミカミするのは、これが理由かもしれません。これは、放っておいても歯が生え変わりさえすれば、自然と収まっていくので、それほど問題ではありませんが、「コミュニケーションのための噛み」なのか「生え変わりのための噛み」なのか、一見、判断しにくいのが問題です。
「噛む玩具」には、以下のようなものがありますので、幼犬の時は何かお気に入りの「噛む玩具」を与えておくと良いでしょう。
コミュニケーションで噛む
犬は、人間のように会話ができないため、ボディランゲージを使ってコミュニケーションを取っています。好奇心が旺盛な幼犬の時は、臭いを嗅いだり、噛むことで、それがどういうものなのかを判別しようとします。
犬同士が游んでいるところを見たことはあるでしょうか?ゲージに入れずに展示を行うようなペットショップでは、幼犬同士がじゃれ合って游んでいる光景が見られます。これを良く観察してみると、犬同士が軽く噛み合って游んでいることがわかります。これがまさに、噛む力のコントロールを遊びを通じて覚えようとしている光景なのです。
幼犬は遊びを通じ、以下のことを学んでいます。
- 「かむ」ことで、それが柔らかいのか硬いのかを知る
- 「かむ」ことで、それが噛んでも大丈夫なのか、そうでないのかを知る
- 「かむ」ことで、噛む力をコントロールすることを知る
幼犬の時の「甘噛み」を通じて、様々なことを学ぼうとしています。そのため、私たち飼い主は、適切なリアクションを取って、愛犬にフィードバックを返してあげる必要があるのです。
游んでもらえると思って噛む
これは、「コミュニケーション」を取ろうとして噛む行為が悪化していった先の行動とも言えます。
もうおわかりですよね?「甘噛みしてきた、かわいいー」と言って、一緒に遊んでしまっていると、甘噛みは直りません。そればかりか、「手は咬んでも良いものなんだ、これは游んでもらえる玩具なんだ」と犬が勘違いしてしまいます。
これがエスカレートしていくと、どんどん噛む力は強くなってきます。幼犬のときから飼育している場合は、いきなり強く咬んでくるようなことはないでしょう。放っておくことや興奮する癖がつくことで、徐々に咬む力が強くなっていきます。どこまでが大丈夫なのか(犬の場合、人に歯をあてることすらNGとすべきでしょう)?飼い主がきちんと教えてあげないと、そのまま流血に至るような事態にまで発展してしまう可能性があります。
甘噛み対策3つのポイント
さて、どうして「甘噛み」をするのか、理解頂けたところで、その直し方についてご説明していきたいと思います。直す際のポイントは、以下の3つです。
- できるだけ大声を発し、ビックリさせる
- 甘噛みされたら、その瞬間に反応する
- 一貫して「痛い」と言い続ける
相手をビックリさせる
まずは玩具遊びなどを通じて、「甘噛み」を誘発するのが良いでしょう。
そこで、犬の歯が自分の手に少しでも当たったら、「痛い!!」と低い大声で発しましょう。そして、そのまま遊ぶのを止めて、無視しましょう。部屋から出ていってしまうのも良いでしょう。
犬を一人ぼっちにしたら、すぐに元の部屋に戻って、また玩具遊びを再開します。これを何度も繰り返すことで、「人の手に歯が当てると、痛いって言われるし、玩具遊びも終わってしまうし、一人ぼっちにされてしまうのか」という理解をするようになります。
実はこれ、犬同士が游んでいる時にも見られる光景なのです。例えば、思っていたよりも強く相手を咬んでしまった場合、「キャン!!」と言われます。そして、「お前とはもう遊びたくない!」という感じで、暫くどこかへ行ってしまいます。でも、犬自身はすぐに忘れてしまうので、また戻ってきて再び遊び始めます。人間と遊ぶ時も同じように、振る舞うことで、噛む力をコントロールすることを覚えさせていくのです。
タイミングに気をつけよう
「甘噛み」されて5秒10秒してから、「痛い!!」と言ったところで、相手には何も伝わりません。咬まれたらすぐに反応することが大事です。
犬はすぐに忘れてしまう生き物なのです。今起きた出来事の直後に反応してあげることで、その出来事に対するフィードバックなのだなということを教えていくことができます。これは、他のトレーニングでも同じことですので、覚えておくと良いでしょう。
一貫してやり続ける
一貫して同じ反応を示すようにしていきます。
ある時は「痛い!!」と言われ、ある時は「游んでもらえ」ということでは、犬も混乱していってしまいます。複数人で犬を飼っているような場合は、皆でなるべく同じ反応を示すことができるように、皆で認識合わせをしておくと良いでしょう。お母さんには怒られるけど、お父さんは游んでくれる、ということが続くと、「お父さんは咬んでも良いのか」ということになりかねません。
終わりに
きちんと「甘噛み」の対策をしておくことで、「本気咬み」へと発展する確率をぐっと下げることができます。
幼犬のうちは、様々なことを色々な経験を通じて学んでいく、とても重要な時期です。社会化期とも呼ばれるこの時期に、適切な対処をすることで、成犬になってからの問題行動自体を減らすことができるのです。皆さんの愛犬が「良い子」へと成長し、人生のパートナーとして、幸せな犬生を過ごしてくれることを願っています。
【ペットロス】ペットロス症候群の飼い主への接し方と3つのポイント
ペットを失うこと、それは経験したことのある人にしかわからない、とても辛いことです。
周りにペットロスの方がいる時、私たちはどんな言葉をかけてあげるのが良いでしょうか?ペットロスを経験したことがない方には、ペットロスの方にどう接するのが良いのか全くわからないですよね?良かれと思ってかけた言葉でも、逆効果になってしまうこともあります。「死」というのはそれほどまでにデリケートな問題なのです。
今回は、そんな方のために、ペットロスの方への正しい接し方をお伝えしたいと思います。
ペットロスとは?
ペットロスの方は、大切な家族を失いました。今まで当たり前のようだった存在が、突然いなくなってしまったのです。その喪失感、無力感は私たちには想像もできません。この状態が長く続き、なかなか元の生活に戻れないことをペットロス症候群と言います。
もっと詳細に、ペットロスとは何か?ということを知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
こちらの記事では、「抑うつ状態」になってしまう重症のペットロス症候群にならないようにするためのヒントをご紹介しています。ペットロスの方の気持ちを理解することで、この記事の本題でもある「ペットロスの方にどう接したら良いか」のヒントにもなると思います。
他と比べない、励まさない
1つ目のポイントは、「他人と比べたりしない」ということでしょう。例えば、「ペットは生き物なんだし、ペットの飼い主であれば、誰もが経験することだよ」とか、「息子や娘がなくなったほうが辛いんだよ」などです。
犬や猫などのペットと、飼い主の方の関係性は唯一無二のものです。10年から15年、長ければ20年近くの歳月をかけて築き上げた信頼関係があるのです。それは第三者である私たちには想像もできないものです。他人や他の事柄と比較したところで、「そんなことはわかっている、でも、私とあの子は違うんだ」と反感につながってしまいます。
私たちが父親や母親を亡くした時、周りの人に、「誰もが経験することなんだ」などと言われたら、腹が立ちますよね。もし、どうしても励ましたいと思うのであれば、そのような時、自分だったらどうして欲しいかを考えれば、自ずと結論が見えてくると思います。
黙って話を聞いてあげよう
2つ目は、ペットとの出会いや楽しかった思い出など、亡くなったペットと飼い主のお話をたくさんしましょう。飼い主も、一人で写真を見たり、どんなことをしたのか振り返るよりも、実際に誰かと話をした方が、うちに溜め込まないため、気が紛れてきます。
上でも言いましたが、下手な励ましは逆効果です。また、反感をかってしまうと、良かれと思ってしたことが恨まれて、お相手の方との関係性まで悪化してしまうこともあります。決まり文句で励ますのも避けたほうが良いでしょう。私たちができることは、黙って相手の話を聞いてあげることの他ないと言えるでしょう。
それでも、無理に話を聞こうとはせず、飼い主が亡くなったペットとのことを話しだしたら、「うん、うん」と共感しながら、黙って話を聞いてあげることがベストです。あくまでもペースは飼い主に合わせます。
できるだけ一人で考えさせる
3つ目は、できるだけ一人で考える時間を与えるということです。気分転換をさせてあげようと、映画などに誘い出すのはあまり得策ではありません。
立ち直りかけている方であれば、問題ないのですが、ペットロス真っ只中の方にとっては、そのような気持ちになることはできません。悲しみの海に沈んでおり、楽しむことはもちろん、何もやる気がない状態なのです。
逆に、ペットとの別れを悲しむ時間を作るよう、そっとしておいてあげるほうが回復が早くなるでしょう。
また、「いつまでも悲しんでいると、亡くなったペットが浮かばれないよ」などと、周りがとやかく言うのも良くありません。このような状態の時は、できるだけ感情を表に出して、大声で泣き、たくさん亡くなったペットのことを思い出し、そして偲ぶことが早期の回復につながるのです。
こちらの記事でも触れていますが、ペットロス症候群から抜け出すかそうでないかは、残念ながら飼い主自身にあります。じっくりと時間をかけて、飼い主が亡くなってしまったペットのことを悼み、自分の気持ちに区切りをつけることが重要です。
いつ訪れるかわからない
ペットロスの方の気持ちを理解することは将来に備える上でも大事なことです。自分の愛するペットが亡くなった時の備えにもなります。また、そのような方の支えになることもできます。
病気で亡くなるかもしれません。事故で亡くなるかもしれません。寿命で亡くなるかもしれません。でも、それは思い掛けないタイミングで訪れるものです。不測の事態であればあるほど、精神的ショックは大きなものとなります。
だからこそ、今を大事に、そして思いっきり愛するペットに愛情を注いであげてください。
私のオススメは、動画を撮っておくことです。今では、スマートフォンで簡単に動画を残すこともできます。写真や動画をたくさん残しておくと、形に残る思い出になるので、愛したペットは、いつまでも私たちの心の中で生き続けることができるのです。
【ペットロス】愛するペットが旅立った際に行いたい3つのこと
愛するペットが亡くなってしまった。これだけは、避けたくてもどうしても避けることのできないことです。
そんな時、重いペットロス症候群にならないようにするため、飼い主である私たちが行いたい3つのことをご紹介します。
ペットロス症候群にならないように、日頃から気を付けておきたいことは、こちらにまとめてありますので、もし興味がありましたら、併せてご覧ください。
悲しみのプロセス
まず始めに、悲しみのプロセスを理解するのが良いでしょう。自分がどの段階にあるのか、少しでも冷静になって考えることができれば、この重苦しい感情は何なのか、いつ抜け出せるのか、その先が見え、少し楽になるかもしれません。
この悲しみのプロセスですが、ドイツの精神科医である、エリザベス・キューブラー・ロスが悲しんでいる人の感情のプロセスを分析し、喪失の5段階というものを発表したことによります。これによると、悲しみは以下の5つのプロセスから成り立っています。
- 否認
- 怒り
- 取引
- 抑うつ
- 受容
否認
最初は受け入れることができず、何が起きたのかわからず、ぼーっとするような状態が続きます。これは急に過度なストレスが自分にかからないようにする人間が持つ正常な作用です。これ以上、私たちの心が壊れてしまわないようにしているのです。
怒り
徐々に怒りがこみ上げてきます。それは第三者に対するものもあれば、自分に対するものもあります。時には、相手によるものもあります。一番強いのは、自責の感情かもしれません。「どうして、あの時こうしてあげられなかったのだろう?」そのような後悔の念もこの類のものです。
取引
その後、神との取引を考え始めます。「良い子にするから、あの子を戻してください」、「私の◯◯はどうなっても良いから、あの子を返してください」という感情です。特に、この感情から抜け出せない時に、霊感商法等の悪徳業者に騙されることがあるため、気をつける必要がありますが、このプロセスを経過することで、徐々に死というものを受け入れていくことができるようになってきます。
抑うつ
そして、愛するあの子が戻ってこないという事実を受け入れた時、最も辛いのがこの「抑うつ」のプロセスです。誰とも会いたくなく、何もやる気がしない。これは、亡くなったあの子を悼むプロセスですので、大切なあの子の死を嘆き悲しみ、思う存分涙を流し、悲しみ、そして苦しむことが抑うつから離れられる唯一の方法です。この最も辛いプロセスを乗り切るのは、思いっきり泣き、思いっきり悲しむ他にありません。
受容
死を受け入れざるを得ないことに気づき、愛するあの子がいない現実を受け入れ、新しい自分の人生を歩いていこうと決意する状態です。愛する子が自分に残してくれたこと気づき、どんなペットの人生だったか、あの子が自分をどれだけ愛してくれたのか、そして、これからもあの子との思い出はずっと胸の中にあることに気づきます。そして、その愛と共にこれから一緒に生きていこうと決意していくのです。
思いっきり泣き、悲しむこと
愛する我が子との別れで、最も辛いのが悲しみのプロセスでいう「抑うつ」の段階です。ここからうまく抜け出すための方法をご紹介します。残念ながら、この段階が最も辛く、悲しい、そして辛いプロセスです。そして、ここから抜け出すためには、それを思いっきり経験する他にないのです。
特に男性に多いのは、恥ずかしがって思いっきり泣くことができず、心の中のモヤモヤがずっと残ってしまうことです。悲しみの感情を自分で抑圧してしまい、これがペットロスを長引かせることになります。もし、どうしても人前で泣くことが恥ずかしい場合は、人目に付かないところで大声で泣けば良いのです。思いっきり泣く、思いっきり悲しむというプロセスはペットロス症候群の予防には必須なのです。
涙が止まらない場合は?
涙が止まらないことがあるかもしれませんが、無理に止める必要はありません。とにかく泣きましょう。あの子を愛していたその分だけ、涙を流すのが良いでしょう。無理に泣かないようにすると、悲しみの感情が内にこもってしまい、逆に辛くなります。悲しい時は思う存分泣くことが必要です。
思いっきり泣き、思いっきり悲しむことで、そして時間が経過することで、徐々に心の整理ができるようになってきます。できるだけ、ペットとの楽しい思い出を振り返ることで、自然と涙は止まるようになってきます。
生活リズムを変える
ペットと一緒に暮らしていると、いつのまにか固定されたルーティンができてしまうことがあります。例えば、「家に帰ってきたらすぐにペットと遊ぶ」とか、「毎朝、会社に行く前に30分散歩する」等です。こうした決まりきった行動パターンを繰り返してしまうと、ペットとの思い出を思い出して、また悲しみに暮れてしまうことがあります。
これをずっと繰り返していると、悲しみが長引き、それが癖となってしまうため、日常の生活リズムを変えていく必要があります。まだ悲しみのプロセスから抜け出せていない場合は、一旦、ペットとの思い出の品を全て目の見えない所に隠してしまうことも大事です。また、生活リズムそのものを変えて、散歩していた時間をラジオ体操に変えてみたり、新しいことにチャレンジして、生活そのものを変化させていくことも有効です。
仲間と話す、思い出話をする
自分と同じようにペットを失った経験がある人と会話をすることはとても有意義です。また、飼っていたペットのことを知っている友人たちと一緒に、思い出話をすることも良いでしょう。
仏教徒が多い日本では、お通夜や葬儀を通じ、たくさんの縁のある人達が集まり、思い出話をします。これはある意味で、悲しみのプロセスから抜け出すための良い手段だと思います。皆で集まり、思いっきり話しをして、思いっきり悲しむことで、抑うつ状態から抜け出すことができるからです。
また、ペットを失った人たちの集まりに出向き、「悲しんでいるのは自分一人だけでは無い」、「同じ経験をした人がいるんだ」という事実に気付くだけでも、ずいぶんと安心できます。インターネットで検索しても良いですが、この場合は、経験のない人の心無い発言を見て落ち込んでしまうこともあるため、あまりオススメはできません。同じような境遇の人達と一緒に話しをした方が、不用意な発言も少ないため良いでしょう。
自分も労ってあげて
ペットも私たち人間と同じように家族です。家族を亡くしたのですから、その悲しみの深さは計り知れません。
ただ、残念ですが、これは事実で、受け入れるか受け入れないかは全て私たち飼い主自身にあります。
それほど大切な存在だったからこそ、じっくりと時間をかけて亡くなってしまったペットのことを悼んでください。そして、同時に、自分自身も労ってあげてください。
世の中には予期せぬ出来事も起きます。でも、それはあなたのせいではないんですから。
【ペットロス】ペットロスを予防するために日頃から行う3つのこと
ペットを飼っている方がいずれ直面しなければならない悲しい事実、それはその子の死です。
人間でも同じですが、生物には遠かれ早かれ、必ず死がやってきます。とても悲しいことですが、これは避けられないことです。とは言え、ペットロスが怖いからということで、ペットを飼うことを諦めてしまうことは、ペットのいる素敵な生活を自ら手放してしまっており、とても勿体ないことでもあります。
今回は、ペットロス症候群を予防するため、日頃から注意すべきことについて、ご紹介します。
ペットロスとは?
「ペットロス」とは、自分が飼っているペットを亡くしてしまった後に感じる悲しみのことです。
人によって悲しみの期間は異なります。1ヶ月程度で元通りになる方がいる一方で、半年、一年経っても落ち込んだままの状態の方もいます。後者のように、悲しみが長引いてしまい、「うつ」状態になってしまうことをペットロス症候群と言います。
世間一般でいう「ペットロス」という言葉は、「ペットロス症候群」のことを指していることが多いと考えられます。私たちがペットを飼っていて最も恐ろしいのが、このペットロス症候群に陥ってしまうことかもしれません。
それでは、ペットロス症候群にならないようにするため、日頃から気を付けておきたいポイントについて、解説していきます。
不慮の死を避ける
最愛のペットが不慮の死を遂げた時、飼い主は自責の念に苦しめられることになります。
それは、飼い主の不注意による交通事故かもしれませんし、誤飲等によるものかもしれません。特に、飼い主の不注意で起きた場合は、寿命で亡くなった時に比べると、何倍も何十倍も自責の念にかられてしまうでしょう。
安全な生活を送れるように
これを予防するため、常日頃からペットが安全に生活できるように工夫しておくべきです。
例えば、万一、リードが離れてしまったとしても、いきなり飛び出していかないように2重リードにすることが考えられます。また、生活空間にある重たい落下物を事前に取り除いておいたり、薬などの絶対に口にしてはならないものは、ペットの手が届かないところに置くなど、環境面でも工夫できることはたくさんあります。
しつけを徹底する
犬の場合は、しつけを徹底しておくことで、安全な生活を送ることができます。
例えば、いざと言う時に、きちんと「呼び戻し」ができるようにしつけを徹底しておくことは重要です。万一、リードが外れてしまったり、ドアや窓から飛び出てしまったとしても、すぐに戻って来させることができるからです。
健康面にも配慮する
肥満や病気等も飼い主の不注意により悪化させてしまった場合は、同じように自責の念にかられることがあります。
日頃からペットの体や動作を観察しておき、病気の兆候がないかを確認することも重要です。また、定期的な健康診断を受けさせるのも良いでしょう。ドッグフードなどに気を付け、ペットに会ったフードを探したり、手作り食を作ってみるなど、工夫するのも良いでしょう。
ペットに依存しすぎない
犬や猫などのペットは、知能指数も高く、ずっと年を取ることがない小さな人間の子供のようです。だからと言って、ペットをわが子のように扱い、生きがいにしてしまうと、ペットロス症候群に陥る危険度が増します。生きがいを突然失うことになるからです。
24時間365日、何をするにも、どこへ行くにもペットを連れて行くというのは、ペットロスを予防するという観点からはあまり望ましいことではありません。また、趣味や楽しみがペットしかないというのも問題です。
ペット以外の趣味を持つことは、ペットロスの対策として有効です。どうしても、ペット以外に趣味を持てない場合は、もう1頭、別のペットを飼うのも有効な方法です。1匹に依存するよりも、2匹に依存したほうが、リスクが分散できるためです。
ペットの死に目に会う
人間でも同じですが、ペットの死に目に会えなかった場合や、ペットの遺体を見ることができなかった場合は自責の念にかられてしまうことがあります。ペットを放置してしまい、その結果、死なせてしまったと思ってしまうからです。
ペットの死の瞬間には、なるべく立ち会った方が良いでしょう。ただ、お仕事をしているような場合、余程ペットの具合が悪く、今にも亡くなってしまいそうということでもない限り、死の瞬間に傍にいてあげるというのは難しいかもしれません。
それでも、ペットの遺体を見てあげることは、できることが多いので、すぐに火葬するのではなく、冷却剤を敷いた安置ボックスに入れて少し保管するなどして、ペットの遺体を見られるように工夫すると良いでしょう。こうすることで、家族の皆が、愛するペットの死を見て、受け入れることがしやすくなります。
まとめ
今回は、飼い主の皆さんが重いペットロス症候群にならないようにするため、日頃から注意できるポイントについて整理しました。
次回は、愛するペットが亡くなってしまった時に、行うと良いポイントについて整理していきます。