【クイズ】ヒトにも病害をもたらす!気をつけたい犬のマダニとは?
本記事では、犬のマダニについてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、犬のマダニクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 マダニについて「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「ハウスダストのダニと同じ」です。
マダニ(tick)は2〜30mmに及ぶ大型のダニで、小型のダニ(mite)とは区別されます。ヒョウヒダニなどの、いわゆるハウスダストはmiteの方ですので、マダニとは全くの別物です。
哺乳類や鳥類、爬虫類などに寄生して吸血します。その際に、さまざまな病原体を伝播することがあり、大変重要な問題となっています。
普段は草むらにそっと身を潜め、寄生できそうな宿主を待ち構えています。犬が散歩中に草むらに近づくと、マダニが犬の毛に飛び移ってきます。
哺乳類や鳥類、爬虫類などに寄生して吸血します。その際に、さまざまな病原体を伝播することがあり、大変重要な問題となっています。
普段は草むらにそっと身を潜め、寄生できそうな宿主を待ち構えています。犬が散歩中に草むらに近づくと、マダニが犬の毛に飛び移ってきます。
Q.2 マダニが媒介し、ヒトにも感染する疾患として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「犬ジステンパー」です。
マダニは犬だけでなく、ヒトに感染する病原体も媒介します。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 日本紅斑熱
- Q熱
- 極東ロシア脳炎
- ライム病
- 犬バベシア病
- 犬ヘパトゾーン病
Q.3 マダニについて「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です
正解は「発見したらすぐに皮膚から引き剥がす」です。
マダニは「鋏角」と呼ばれる針のような突起を刺入して吸血します。無理に引っ張ると、皮膚内に鋏角などの口器が残り化膿してしまうため、マダニを見つけたらすぐに動物病院へ行きましょう。
唾液によりアレルギー反応を起こし、激しい痒みをもたらします。さらに、特に子犬ではダニ麻痺と呼ばれる四肢が麻痺することがあり、時には呼吸不全を起こします。
春先(4〜6月)だけでなく、秋(9〜11月)にも活動のピークがあります。幼ダニや若ダニが秋に多く発生するため、年間を通じてのマダニ予防をしましょう。
唾液によりアレルギー反応を起こし、激しい痒みをもたらします。さらに、特に子犬ではダニ麻痺と呼ばれる四肢が麻痺することがあり、時には呼吸不全を起こします。
春先(4〜6月)だけでなく、秋(9〜11月)にも活動のピークがあります。幼ダニや若ダニが秋に多く発生するため、年間を通じてのマダニ予防をしましょう。
問正解/
問中
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】愛犬のマダニ対策がさまざまな病気の予防に!
結果発表
問正解/
問中
【猫クイズ】適切に予防しよう。猫に寄生するマダニとは?
本記事では、猫がマダニに寄生された際の症状や、マダニ寄生されないための予防法についてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、猫のマダニクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 猫がマダニに吸血されたときに見られる症状として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「下痢」です。
マダニは宿主から吸血する際に、血液が固まらないようにするため、抗凝固成分が含まれる唾液を注入します。この唾液がアレルギー反応を引き起こすことがあり、激しい痒みによる情緒不安定や体力消耗、食欲不振が現れます。
また、多数のマダニに吸血されると、貧血が起こることもあります。さらに、ダニの種類によってはダニの唾液中の「末梢神経毒」による「ダニ麻痺」と呼ばれる症状が現れ、運動失調や呼吸麻痺などが認められます。
また、多数のマダニに吸血されると、貧血が起こることもあります。さらに、ダニの種類によってはダニの唾液中の「末梢神経毒」による「ダニ麻痺」と呼ばれる症状が現れ、運動失調や呼吸麻痺などが認められます。
Q.2 マダニについて「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「猫の体に付着していたらすぐにマダニをつまんで引っ張る」です。
マダニは吸血するときに宿主から落ちないよう、口先の顎体部と呼ばれる部位を皮膚の奥に刺入します。無理に引っ張ると顎体部が宿主の体内に残り、化膿することがあるため注意しましょう。
動物病院ではピンセットを用いて慎重に取り外しますが、吸血が終わるのを待って自然に皮膚から離れるのを待つのも手です。
「虫卵→幼虫→若ダニ→成ダニ」という順に成長するマダニは、虫卵を除く全ての段階で吸血を行います。一度で限界まで吸血するため、吸血後のマダニは吸血前と比較して20倍ほど大きくなり、500円玉くらいの大きさになるものもいます。
動物病院ではピンセットを用いて慎重に取り外しますが、吸血が終わるのを待って自然に皮膚から離れるのを待つのも手です。
「虫卵→幼虫→若ダニ→成ダニ」という順に成長するマダニは、虫卵を除く全ての段階で吸血を行います。一度で限界まで吸血するため、吸血後のマダニは吸血前と比較して20倍ほど大きくなり、500円玉くらいの大きさになるものもいます。
Q.3 マダニの予防について「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です
正解は「毎年1回予防薬の投与が必要」です。
マダニは、年に1度ではなく、月に1度予防薬を投与する必要があります。
多く予防薬は、回虫や猫鉤虫、ノミ、フィラリアといった他の寄生虫の予防効果も持っているので、愛猫が使用している薬剤が何に効果があるのかを把握しておきましょう。
一般に市販されている外部寄生虫の予防薬は「医薬部外品」で、動物病院で処方される「動物用医薬品」とは異なります。そのため、市販薬は効果が弱い、あるいは効果の持続期間が短い場合があります。
多く予防薬は、回虫や猫鉤虫、ノミ、フィラリアといった他の寄生虫の予防効果も持っているので、愛猫が使用している薬剤が何に効果があるのかを把握しておきましょう。
一般に市販されている外部寄生虫の予防薬は「医薬部外品」で、動物病院で処方される「動物用医薬品」とは異なります。そのため、市販薬は効果が弱い、あるいは効果の持続期間が短い場合があります。
問正解/
問中
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【獣医師監修】屋外猫が絶対に気をつけたいマダニ由来の疾患と予防法
結果発表
問正解/
問中
【獣医師監修】屋外猫が絶対に気をつけたいマダニ由来の疾患と予防法
マダニとは

猫におけるマダニの病害
マダニは宿主から吸血する際に、血液が固まらないようにするため、抗凝固成分が含まれる唾液を注入します。この唾液がアレルギー反応を引き起こすことがあり、激しい痒みによる情緒不安定や体力消耗、食欲不振が表れます。 また、多数のマダニに吸血されると、貧血が起こることもあります。さらに、ダニの種類によってはダニの唾液中の「末梢神経毒」による「ダニ麻痺」と呼ばれる症状が現れ、運動失調や呼吸麻痺などが認められます。マダニが媒介するヒトの疾患

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2013年に日本国内では初めての患者が報告された感染症です。現在までに有効な治療薬やワクチンもなく、ヒトでの致死率は6.3〜30%と言われています。 また、猫もSFTSにかかることがわかっており、猫からヒトへの感染も報告されています。猫での致命率は60%で、獣医学的にも公衆衛生学的にも重要な感染症です。
日本紅斑熱
太平洋側の比較的温暖な地域(千葉・三重・兵庫・徳島・高知・宮崎・鹿児島など)で多く発生しています。 発熱や関節痛、全身への紅斑が見られます。
野兎病
東北地方と関東の一部で多発しています。 発熱、悪寒、関節痛などのインフルエンザのような症状が見られます。
ライム病
本州中部以北、特に北海道と長野で見られます。 マダニ咬傷部を中心に囲むように紅斑が出現します。その後、皮膚炎や神経症状、関節炎を呈します。
Q熱
コクシエラという細菌によって引き起こされます。 発熱と呼吸器症状または肝炎が起こります。
極東ロシア脳炎
ダニ媒介脳炎の亜型として知られています。 北海道で中心的に発生しており、今後も注意が必要な疾患です。致死率が20%以上、後遺症も30〜40%と危険な感染症です。
マダニの生活環

マダニの吸血方法
環境中で生活するマダニは、宿主に寄生する際に草の先端などに身を潜め、近くを犬や猫が通過したときに飛び移ります。マダニの腕の先端には二酸化炭素を感知する器官が備わっているので、生物の接近を逃すことはありません。 またノミなどの外部寄生虫とは異なり、1回で限界まで吸血するため、吸血後のマダニは吸血前と比較して20倍ほど大きくなります。500円玉くらいになる種類もあるので、驚きですよね。 このように、宿主の体表で生活する期間と、環境中で生活する期間を繰り返し、吸血と産卵を行っていきます。マダニの診断と治療

マダニの診断
皮膚表面に付着しているマダニを見つけることで診断します。しかし、見つけたマダニを手でつまんで引っ張るのはやめてください。 マダニは吸血するときに宿主から落ちないよう、口先の顎体部と呼ばれる部位を皮膚の奥に刺入します。無理にマダニを引っ張ってしまうと顎体部が外れ、宿主の体内に残ることになります。この残存した顎体部が炎症を引き起こし、細菌の二次感染も相まって化膿することがあります。 動物病院ではピンセットを用いて慎重に取り外しますが、吸血が終わるのを待って自然に皮膚から離れるのを待つのも手です。とにかく、マダニを発見しても慌てないようにしましょう。マダニの治療
各種殺ダニ剤の滴下や噴霧によって、寄生したマダニを駆除します。 またアレルギー性皮膚炎にはステロイドの投与を、患部が化膿している場合には抗菌薬の投与も行います。マダニの予防

市販薬は効果あり?
一般に市販されている外部寄生虫の予防薬は、動物病院で処方される薬剤と比較して効果が弱い、あるいは効果の持続期間が短いなどが考えられます。 そもそも、動物病院の薬は「動物用医薬品」、一般的に販売されているものは「医薬部外品」という違いがあります。費用と手間をかけるのであれば、しっかりと動物用医薬品で予防していきましょう。まとめ

【獣医師監修】愛犬のマダニ対策がさまざまな病気の予防に!
マダニって何?

マダニの種類
マダニにはいくつか種類があり、形態や媒介する病原体がそれぞれ異なります。 以下は日本に分布する、あるいは分布していた主なマダニです。種類 | 分布・媒介する疾病 |
---|---|
フタトゲチマダニ | 日本国内では全土で見られます。 犬で貧血を引き起こすピロプラズマ病や、ヒトで日本紅斑熱、Q熱、極東ロシア脳炎を媒介します。 |
オウシマダニ | かつては九州や沖縄の八重山諸島に分布していましたが、現在では撲滅されています。 牛や馬に貧血を起こす病原体を媒介します。 |
シュルツェマダニ | 北海道、東北、中部山岳地帯や、関西以西の高山地帯に分布しています。 ヒトや犬を始め、野生動物にも広く寄生します。 ライム病や野兎病を媒介することが知られています。 |
ヤマトマダニ | ヒトや犬を始めとする多くの動物に寄生します。 日本でヒトの刺咬例が最も多いマダニです。 日本紅斑熱、ライム病、野兎病、犬ピロプラズマ病などを媒介します。 |
クリイロコイタマダニ | 沖縄や九州、中国地方での生育が確認されています。 犬ピロプラズマ病や犬ヘパトゾーン病などを媒介します。 |
キチマダニ | 全国に分布しています。 SFTSや野兎病、日本紅斑熱を媒介します。 |
マダニが媒介する疾患
マダニは犬だけでなく、ヒトに感染する病原体も媒介します。疾病 | 詳細 |
---|---|
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) | 2011年に中国で初めて確認された新しい感染症です。 2013年以降には日本国内でも確認され、死亡例もあります。 現在ではSFTSウイルスを保有したマダニが全国で確認されています。 |
日本紅斑熱 | 太平洋側の比較的温暖な地域(千葉・三重・兵庫・徳島・高知・宮崎・鹿児島など)で多く発生しています。 発熱や関節痛、全身への紅斑が見られます。 |
Q熱 | コクシエラという細菌によって引き起こされます。 発熱と呼吸器症状または肝炎が起こります。 |
極東ロシア脳炎 | ダニ媒介脳炎の亜型として知られています。 北海道での発生が中心で、今後も注意が必要な疾患です。 極東亜型の場合は致死率が20%以上、後遺症も30〜40%と高率です。 |
ライム病 | 特に北海道と長野の本州中部以北に見られます。 マダニ咬傷部を中心に囲むように紅斑が出現します。 その後、皮膚炎や神経症状、関節炎を呈します。 |
野兎病 | 東北地方と関東の一部で多発しています。 発熱、悪寒、関節痛などのインフルエンザ様の症状が見られます。 |
犬ピロプラズマ病(犬バベシア病) | 赤血球に寄生するバベシアという原虫によって引き起こされます。 赤血球を破壊するため、貧血や発熱、食欲不振を呈します。 クリイロコイタマダニが分布する沖縄や九州での発生が多く見られますが、東北や関東でも散見されます。 |
犬ヘパトゾーン病 | 犬の白血球に寄生する原虫が引き起こします。 日本では関西以西の犬で感染の報告があります。 |
マダニの生活環

マダニによる病害

マダニの治療

皮膚についたマダニを引っ張るのは危険
皮膚内に鋏角などの口器が残り、化膿の原因となりますので、セメント様物質で固着した吸血中のマダニを無理に引き剥がすのはやめましょう。 マダニを取る際には専用のピンセットを使用したり、薬剤を用いてセメント様物質を溶かしてから取り除きます。 飼い主の方が無理やり引き剥がし、そのままマダニの口が残ってしまい、化膿してしまって動物病院に連れてこられるケースも見られます。このようなことを避けるためにも、マダニを発見したら、そのまま動物病院に連れていくのが無難でしょう。マダニの予防

マダニ発生の時期
他の節足動物と同様に、春先(4〜6月)での活動が活発になります。 しかし、見落としがちなのが、秋(9〜11月)にも活動のピークがあることです。 幼ダニや若ダニが秋に多く発生するためで、年間を通じてのマダニ予防が必要なことを意味しています。まとめ

【獣医師監修】ヒトにも感染します!寄生虫から愛犬や家族を守ろう
内部寄生虫とは

回虫名 | 症状 | 人獣共通感染症 |
---|---|---|
犬回虫 | 消化器症状の他、重篤化すると神経症状や肺炎を起こします。 | ○ |
犬小回虫 | 犬回虫よりやや小さく、消化器症状を呈します。 | |
犬鉤虫 | 小腸粘膜に咬みつくため、消化管出血を起こします。 | ○ |
犬鞭虫 | 土壌中でかなり長い期間の感染能を有します。 | ○ |
多包条虫 | 犬やキツネでは無症状ですが、ヒトに感染すると長い潜伏期間の後、肝機能障害や神経症状呼吸器症状を呈して死亡します。 | ○ |
瓜実条虫 | ノミによって媒介され、糞便中に片節が見られます。 | ○ |
内部寄生虫の予防方法

フィラリア薬での予防の落とし穴は「冬の予防」
フィラリア薬は蚊がいる季節を中心に投与します。では、冬の期間、お腹の寄生虫の予防はどうなっているのでしょうか。 答えは「完全に無防備」です。 フィラリアと異なり、お腹の寄生虫にシーズンはありません。冬の間は別途、駆虫薬を投与する必要があります。または、フィラリア薬を通年投与します。 万が一、冬でも室内のプランターなどの水回りから蚊が発生したとしてもフィラリア薬を飲み続けていれば安心です。また、フィラリア薬投与前の血液検査が不要になるメリットもあります。 いずれにしても、冬も忘れずに寄生虫感染のケアをしましょう。外部寄生虫とは

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2013年、日本で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者が確認されました。 SFTSはウイルスを持ったマダニに刺されることで感染します。特効薬もなく、死者も出ていることからニュースでも取り上げられたことは記憶に新しいのではないでしょうか。 厚生労働省によると、現在も年に60〜90名の感染が確認されています。 西日本での発生が中心ですが、ウイルスを保有するマダニが他の地域でも確認されていることから、いつどこで発生してもおかしくない疾患です。 犬でもヒトと同様の症状を呈することがわかっており、感染しないためにもマダニに対する予防は公衆衛生上でも非常に重要と言えます。 マダニ感染症について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。マダニ感染症患者数が過去最多を記録。ペットからの感染にも注意して
外部寄生虫の予防方法

経口タイプ
おやつのような感覚で投与が可能。 フィラリアやお腹の寄生虫の予防も兼ねているタイプもあり、基本となる全ての寄生虫予防が一度にできるメリットがあります。 投薬してすぐにシャンプーも可能です。スポットタイプ
首筋に垂らす液体状の薬剤。 投与後に吐き出したりする心配がなく、確実な予防が可能です。 体質にとっては基剤のアルコールに反応して皮膚炎を起こすこと、シャンプーは24時間の間隔が必要となることに注意が必要です。医薬品と医薬部外品
動物病院以外の場所でも、ノミ・マダニ予防の商品を見かけることがあります。 含まれている有効成分によって区分されていますが、有効性と持続性において顕著に差が出るというデータもあります。 獣医師の視点から言わせると、動物病院で処方される予防薬を使用した方がよいと考えます。 医薬品と医薬部外品の効果の違いについては、こちらのサイトもご覧ください。フロントライン プラス 概要・特徴 https://n-d-f.com/frontline/
まとめ

マダニ感染症患者数が過去最多を記録。ペットからの感染にも注意して
マダニってどういう生き物?

マダニの栄養源は動物の血液
マダニは、動物の血液を吸うこと以外に栄養を摂取することができません。マダニの成長過程は幼ダニ・若ダニ・成ダニの3段階に分けられますが、それぞれの段階で発育、脱皮、産卵のための栄養摂取のために吸血します。 マダニが吸血をする際に病原体を媒介すると、吸血された動物や人間が病気にかかってしまいます。マダニはどこにいる?
マダニは、森の中や広い公園、河川敷などの草むらに潜んでいて、そばを通る動物に飛び移る機会をうかがっています。マダニには「ハラー氏器官」という感覚器官が備わっており、動物の体温や二酸化炭素などを感知し、宿主となる動物に飛び移って寄生します。マダニによる感染症の主な症状

直接的な病害
貧血
マダニに大量に血液を吸われると、貧血を引き起こす可能性があります。ダニ麻痺症
マダニの中には、唾液中に毒性の物質を産出する種類がいて、それにより神経障害を引き起こすことがあります。アレルギー性皮膚炎
マダニの唾液によってアレルギーを引き起こし、強いかゆみなどにおそわれることがあります。マダニ媒介性疾患
マダニを媒介して発症する病気には、バベシア症、日本紅斑熱、ライム病、Q熱、エールリヒア症、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などがあります。 それぞれ、人間にもペットにも感染のリスクがあり(日本紅斑熱の場合、犬は無症状)、発熱や嘔吐、食欲不振などを引き起こします。日本で感染者が増えているSFTSって?

主な症状
SFTSの潜伏期間は6日〜2週間で、主に発熱、食欲低下、嘔吐、下痢などを引き起こし、頭痛や筋肉痛、皮下出血や下血などの出血症状、意識障害、リンパ節腫脹などを起こすこともあります。血液検査により、白血球や血小板の減少や血清逸脱酵素の上昇がみられることが多いです。 致死率は国や年にもよりますが、およそ6〜30%とされており、治療方法は対症療法しかなく、有効な薬やワクチンは今のところありません。なぜ感染者が増えたの?
厚生労働省はSFTS感染者の増加について、「マダニに寄生されたシカなどの野生動物が山を下りて人家の近くに出没するようになった」ことがひとつの大きな原因ではないかと分析しています。 また、SFTSは2011年に発見された比較的新しい病気で、近頃認知度が高まってきたために報告が多くなったことも原因のひとつと考えられます。感染者は西日本に多い
SFTSの感染者は主に、九州、中国、四国地方に集中しており、石川県や福井県などの北陸地方でも確認されています。 しかし、東日本に生存するマダニからもSFTSの病原体が検出されており、シカやイノシシなどの野生動物からもSFTSへの抗体が見られることから、東日本にも十分感染のリスクは存在します。 さらに、犬から犬、犬から人、人から人に感染することもあるため、旅行などで病原体を他の地域に持ち帰ってしまう可能性もあります。 厚生労働省は、今後SFTSの感染地域はさらに拡大すると予測しており、どの地域に住んでいる人に対しても注意を呼びかけています。マダニ感染症の対策方法

人間はこまめに身体を清潔にしよう
農作業やキャンプをする人は、帰ったらすぐにシャワーを浴び、服を着替えるようにしましょう。 専門家はマダニについて、動物の肌に飛び移ってもすぐには噛まないので、山や森、草むら戻った後にシャワーを浴び、服を着替えることでマダニに噛まれる機会を減らせると指摘しています。虫除けスプレーを活用しよう
キャンプや農作業の前には、虫除けスプレーをしましょう。虫除けスプレーはマダニ以外にもさまざまな虫から身体を守る効果があります。プレシャワー
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できるだけ草むらを避けて歩こう
人間も犬も、キャンプや公園に行った時は、できるだけ草むらを避けて歩くようにしましょう。 特に好奇心旺盛の犬は草むらに入りたがる傾向にあるので、リードをしっかり持ってあまり草むらの方に行かないようにしましょう。ペットのマダニ対策、基本は定期的な駆除薬投与
人間のように毎日シャワーを浴びられず、草むらの高さに近いペットは、定期的に駆除薬を投与してマダニ感染症を防ぐ必要があります。ノミ・マダニ駆除薬には、口から投与する「経口薬」と、背中に垂らす「スポットタイプ」があります。経口薬
経口薬のメリットは、おやつタイプで簡単に投与でき、シャンプーも普通にできることです。 一方、薬の成分は犬の血液の中にあるため、マダニが付着・吸血するのを予防できません。病原体に感染しなくても、マダニに血を吸われることで貧血を起こしたりする可能性はあります。スポットタイプ
スポットタイプは背中に垂らして投与するので、こちらも投与は簡単です。 投与したところがベタベタしたり、シャンプーに制限があるなどのデメリットもありますが、マダニが血を吸う前に弱って死んでしまうという大きなメリットがあります。野生動物にはなるべく近寄らない
野生動物は薬を摂取することができない上に、多くが山や森で生活しているため、マダニに寄生されている可能性が高くなります。 マダニ以外にもさまざまな病原体を持っている可能性が高いので、野生の動物、野良犬や野良猫にはなるべく近づかないようにしましょう。 実際、マダニに寄生されて弱った野良猫に噛まれた50代の女性が、数日後にSFTSを発症して死亡した例も報告されています。まとめ

死に至ることも…!犬・猫などに寄生する「マダニ」とは?
そもそも「マダニ」とは何か

見た目
マダニの成虫は黒く硬い外皮に覆われており、体長は吸血する前で3~8mmほどで、一般に家の中に住むダニの約10倍に相当し肉眼で見ることができます。また、吸血し、飽血(満腹になり血でいっぱいに膨らんだ状態)になると、10~20mm程度の大きさに変わります。生態
マダニは、草木の茂る場所で宿主となる動物が通過するのをひっそりと待ち受け、動物にかみついて寄生します。マダニが動物を待ち受けているのは地上1mくらいのところでなので、散歩をする犬や猫は特に注意が必要です。 春から秋にかけて活動が活発になりますが、温暖な地域では冬でも活動しています。日本全国に生息し、都心部でも畑やあぜ道など、自然が豊かなところに生息しています。 マダニの食べ物は動物の血液のみで、動物の体内に口器を差し込み、セメント物質を出して固着し吸血します。飽血したマダニは地上に落下し、2〜3週間の間に2000〜3000個の卵を産みます。マダニが寄生する場所
マダニは犬や猫であれば耳、目の周り、鼻の周り、胸部、内股部、おしり(こう門)の周りなど、被毛の少ないところに寄生します。マダニにかまれた時の症状

動物への直接の症状
マダニはかむときに麻酔のような物質を出すので、かまれても痛みやかゆみが出ることはありません。 しかし、マダニの唾液にアレルギー反応を起こすことがあります。また、大量に血を吸われることで貧血を起こすこともあります。さらに、マダニの種類によっては唾液に毒性物質を持つものもおり、それにより神経障害を引き起こすこともあります。マダニを媒介して現れる病気
かまれたときにマダニが保有する細菌に感染し、病気を引き起こすことがあります。全てのマダニが菌を持っているとは限りません。しかし、重症になると死に至る病気もあり、注意が必要です。 ここではマダニにかまれた犬・猫が発症することのある病気、そして主な症状について見ていきましょう。ライム病
- 発熱
- 食欲不振
- 全身性けいれん
- 関節炎
- 筋肉炎など
犬バベシア症
- 発熱
- 粘膜蒼白
- 脾腫
- ビリルビン尿(茶色い尿)
- 重症になると重度の貧血
- 黄だん
- 多臓器不全など
猫ヘモバルトネラ症
- 貧血
- 元気消失
- 体重減少
- 食欲不振など
Q熱
- ほとんどが無症状(不顕性感染)
- メスでは、ごくまれに流産や死産のケースも
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 発熱
- けん怠感
- 消化器症状(食欲低下、はき気、おう吐、下痢、腹痛)など
エールリヒア症
- 発熱
- 食欲不振
- 血小板減少
- 白血球減少
- 非再生性貧血
- 骨髄低形成など
人間にも感染する

マダニを無理やり取るのはだめ!

かまれる前に駆除をしよう

皮膚につける薬
首の後ろの皮膚につける外用薬があります。この薬を規定量垂らすと成分が全身に広がり、マダニの病原体に感染する前にマダニを駆除します。 ホームセンターやペットショップでも取り扱いがありますが、効果が不安定なものもあるようです。やはり動物病院で適切な薬を用意してもらうのが良いでしょう。食べる薬
おやつ感覚で食べさせることができる薬もあります。皮膚が弱くて皮膚につけるタイプの薬がつけられない子や食べることが好きな子におすすめです。 しかし、大豆など成分によってはアレルギーを起こす事もあるので、与える時はかかりつけの動物病院の先生に相談しましょう。虫よけスプレー
犬や猫用の虫よけスプレーでマダニなどの虫をつきにくくできます。 人間用の虫よけスプレーは人間以外には刺激が強く、炎症などを起こしたり、口に入ると中毒を起こすことがあります。必ず専用の虫よけスプレーを用意してください。この虫よけスプレーはペットショップやネット通販でも購入できるようです。まとめ
