【獣医師監修】ミニチュアシュナウザーの好発疾患と早期発見の方法

長い眉毛と口ひげのような被毛をもつミニチュアシュナウザー。名前に馴染みがなくても「おじいさんのような犬」と表現すれば、どんな犬種か頭に浮かぶ人もいるでしょう。

海外では大型のスタンダードシュナウザーやジャイアントシュナウザーを飼育する家もありますが、日本では小型のミニチュアシュナウザーが一般的です。

本記事ではミニチュアシュナウザーの好発疾患と、飼育環境について獣医師が詳しく解説していきます。ミニチュアシュナウザーを飼っている方や、これから飼おうと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

ミニチュアシュナウザーの基本情報

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歴史

ミニチュアシュナウザーはドイツ原産の犬種で、農場犬として活躍していた大型犬のスタンダードシュナウザーに、プードルなどを交配して小型化が進められました。

さらにアメリカで小型化され、現在のミニチュアシュナウザーの形になりました。ドイツでは1899年に、アメリカでは1933年に正式な犬種として登録されています。

ちなみに「シュナウザー」はドイツ語で「ヒゲ」という意味があります。

性格

ミニチュアシュナウザーは好奇心が旺盛で、活発に動きます。また、勇敢で警戒心が強いため、番犬としても活躍するでしょう。

吠えやすい性質をもつ子もいますが、飼い主には従順で忠誠心が強いため、小さいうちからしっかりしつけることが大切です。

見た目の特徴

ミニチュアシュナウザーの体重は4〜8kgほどで、小型犬に分類されます。スタンダードシュナウザーをそのまま小さくしたような見た目で、がっしりとした筋肉質の身体を持ちます。

被毛はダブルコートで、抜け毛が少なく、生えた毛は伸び続けるため、こまめなお手入れが必要です。

ミニチュアシュナウザーの好発疾患

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ミニチュアシュナウザーで注意したいのは脂肪代謝に関連する疾患です。これらは時に大きな外科手術を要したり、一生の投薬が必要になることもあります。

どんな病気にかかりやすいかを理解し、予防や早期発見に繋げましょう。

胆石症

【症状】
胆石があっても無症状のことが多い。しかし、胆石が総胆管に閉塞した場合や胆嚢炎が生じると、腹痛、嘔吐、黄疸などが見られる。
【原因】
高コレステロール、高ビリルビン血症など
【備考】
胆石だけでなく、ゼリー状の胆汁が貯留する胆嚢粘液嚢腫の発生も多い。また、これらによって胆嚢破裂が起こると緊急の外科手術が必要となる。

尿石症

【症状】
血尿、頻尿、排尿時疼痛、尿失禁など
【原因】
腎臓や膀胱内で形成された結石による粘膜刺激や、尿管や尿道への閉塞による。
【備考】
シュウ酸カルシウム結石が多いと言われている。結石が発生する部位によって症状が異なるため、一日の尿量や排尿時の様子などのチェックが重要。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、多食、体重減少、嘔吐、脱水、下痢、便秘など
【原因】
加齢、肥満などが関連
【備考】
糖尿病はオスよりメスの方が発生率が高いが、これは発情時糖尿病が関連すると考えられている。

膵炎

【症状】
突然の激しい嘔吐、下痢、腹痛、発熱、食欲不振など
【原因】
膵臓から分泌される脂肪の消化酵素であるリパーゼによって、膵臓が融解されることによる。この自己融解の詳しい原因は不明だが、高脂肪食の多給や肥満がリスク因子となると考えられている。
【備考】
膵臓の周りには肝臓、胆管、十二指腸など多くの臓器が隣接しており、膵臓の炎症がこれら周辺臓器に波及することもある。場合によっては黄疸などの肝胆道系疾患の徴候が見られることもある。

白内障

【症状】
水晶体の白濁、視覚障害、失明など
【原因】
加齢、糖尿病、高コレステロールなど
【備考】
緑内障、網膜剥離、ぶどう膜炎など他の眼疾患を続発することがある。加齢による核硬化症との鑑別が重要。

膿皮症

【症状】
皮膚の痒み、痂疲(かひ:カサブタのこと)、表皮小環(同心円状に広がるカサブタや膿)など
【原因】
皮膚への細菌感染
【備考】
皮膚にはバリア機能があり、細菌が表皮上で増殖することは少ない。しかしストレスなどで皮膚バリアが正常に作用しなくなると細菌感染が起こる。

病気の予防と早期発見するためのポイント

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ミニチュアシュナウザーがかかりやすい病気を知っておけば、どんなことに注意すればよいのかが見えてくるかもしれません。

以下の点に気をつけることで、病気の予防や早期発見に繋がるでしょう。

1. 栄養管理による体型維持

ミニチュアシュナウザーの好発疾患には、肥満や高脂肪に関するものが多く含まれます。特に高脂血症は、食事管理を行っていないミニチュアシュナウザーでは高率に見られ、胆石症や尿石症のリスク要因となります。

運動による体型維持だけでなく、食事は出来るだけ低脂肪のものを与えるようにしましょう。ちなみにヒトではコレステロールの高値は動脈硬化症に関連しますが、犬ではまだそのような報告はありません。

2. 皮膚の状態をチェック

獣医師として働いていて、ミニチュアシュナウザーは比較的皮膚病が多い傾向にあるような気がします。
全身を撫でてあげ、カサブタのようなものがないか、腫瘤がないかなどを定期的にチェックしましょう。

上記で挙げた好発疾患の他に、脂肪種や表皮嚢胞などの良性の皮膚腫瘤も、ミニチュアシュナウザーの患者が多いように思います。日頃のスキンシップも大切にしましょう。

3. 顔周りのお手入れも

特徴的なヒゲのような被毛の維持や眼の周りなど、定期的な顔周りのお手入れも必要です。その際に、眼が白くなっていないかまぶたの周りに異常がないかもしっかり確認します。

特に高齢となると白内障や腫瘍などが発生しやすくなりますので、日常のお手入れの中で健康状態の確認を怠らないようにしましょう。

4. 定期的な健康診断を

血液検査での血中中性脂肪やコレステロール、超音波検査による胆嚢内の検診は重要です。

病気のリスクや今後の生活習慣を決める一助となりますので、若いうちは一年に一回、高齢になったら半年に一回の健康診断をおすすめします。

まとめ

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ミニチュアシュナウザーのかかりやすい病気には、外観から発見できるものと、検査をしないとわからないものがあります。

しかし、いずれも、日々の体調管理や健康チェックによって早期発見と早期治療が可能なことが多いです。愛犬のことをしっかり観察し、気になることがあれば動物病院に相談しましょう。

【犬の抜け毛】毛が抜けにくい犬種とその仕組みとは?

「犬と遊んでいたら服が犬の抜け毛だらけになってしまった!」なんてことはありませんか?室内で犬を飼う場合、”犬の抜け毛問題”は避けては通れない問題です。

犬を飼い始めてから犬の抜け毛に悩まされる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

また最近では「掃除をするのに手間がかかる」、「家族のアレルギーが心配で」という理由から、抜け毛が少ないわんちゃんを飼いたいという方も増えてきているようです。

今記事では、犬の抜け毛の仕組みと、抜け毛が少ないと言われている犬種6種をご紹介します!

毛が抜けやすい犬と、毛が抜けにくい犬の違いは?


犬種の被毛の構造や、毛質によって変わります。

ダブルコート

被毛がオーバーコート(上側の被毛)とアンダーコート(下側の被毛)の2層に分かれている犬種は、ダブルコートと呼ばれます。

季節の変わり目である春と秋にはアンダーコートが一斉に生え変わる換毛期があり、ごっそりと毛が抜けます。

飼い主さんもその毛量に驚いてしまうかもしれません。

しかし、ダブルコートのわんちゃんでも、換毛期がなく、毛が抜けにくいと言われている犬種もいます。

シングルコート

アンダーコートがなく、上側の被毛のみの一層構造になっている犬種のことをシングルコートと呼びます。

アンダーコートが生え変わる換毛期がないため、被毛は放っておくと人間のように伸び続けます。そのため、毛は抜けにくいですが、伸び続けてしまうので、こまめなブラッシングやトリミングは必要です。

1.プードル


小型のトイ・プードルや、大型のスタンダードプードルなどプードル系の犬種は、シングルコートで毛が抜けにくいことで知られています。

可愛らしい巻き毛は抜けることは少ないですが、被毛が絡まりやすく毛玉になりやすいです。

ブラッシングを怠ることは、皮膚トラブルに繋がる場合もありますので、できれば毎日ブラッシングを行いましょう。

また、プードルの被毛は生え変わることがなく、伸び続けてしまうので、最低でも月に1回はトリミングが必要です。

2.シュナウザー


スタンダードシュナウザーやミニチュアシュナウザーはダブルコートの犬種ですが、アンダーコートが抜けにくいため、抜け毛はほとんどありません。

美しい外見を維持するためにも、定期的なトリミングと週に数回のコーミングまたはブラッシングが必要です。

シュナウザー系の特徴とも言える、ヒゲの部分や口周りは、汚れやすいので少し注意が必要です。

食後や水を飲んだあとなどに、汚れを拭き取ってあげましょう。

3.マルチーズ


マルチーズはシングルコートの犬種です。光沢のある被毛は重みがあり、細く長く伸びます。また、ストレートで柔らかく、絡まりやすいため、毎日のブラッシングがオススメです。

放っておくと床に引きずるほど長くなってしまうので、定期的なトリミングが必要です。

また、マルチーズの被毛を伸ばしたい場合は、毛先が汚れないように専門的な処理(ラッピング)をする必要があります。

顔まわりの毛は目に入ったり、汚れたりするので、リボンでまとめてあげるなどの工夫をしてあげるのが良いでしょう。

4.ヨークシャテリア


ヨークシャテリアは、シングルコートで基本的に抜け毛は少ないですが、毛量が多い場合には、抜け毛が多く感じられることがあります。

独特な絹のように艶やかな被毛は細く、絡まりやすいので、毎日ブラッシングすることをオススメします。また、定期的なトリミングも忘れずに行いましょう。

油分の多い毛質をしているので、3週間に1回はシャンプーをしてあげると良いでしょう。

5.シーズー


シーズーはダブルコートの犬種ですが、アンダーコートの毛量が少ないため、比較的抜け毛が少ないと言われています。

毛質は同じ長毛種のマルチーズよりもやや硬いですが、絡まりやすく毛玉になりやすいのは同じです。

艶のある被毛を維持するためには、ブラシとコームを使った毎日のブラッシングと、定期的なトリミングが望ましいでしょう。

6.ビションフリーゼ


ビションフリーゼはプードルよりもさらに巻きが強く、立ちやすい毛質をしています。

毛量も多く、毛玉になりやすいので、ブラシとコームによる毎日のブラッシングが必須です。

ビションフリーゼの魅力の一つである、”パウダーパフ”と呼ばれるまん丸のスタイルは、トリミングなしでは維持することが出来ません。

清潔な状態を維持するためにも、1ヶ月に1回はトリミングに通うことをお勧めします。

最後に


犬と一緒に生活する上で、抜け毛問題は避けては通ることが出来ません。

抜け毛の少ないわんちゃんは、抜け毛は少ないですが、毛が絡んでしまったり、もつれてしまうことに注意しなければなりません。

部屋の掃除は比較的楽ではあるのですが、ブラッシングなどのお手入れや定期的なトリミングがとても重要になります。

トリミングが必要な犬種の場合、トリミング代は一般的に安くはないので、金銭的な負担がかかるということは、あらかじめ踏まえておきましょう。ピンキリではありますが、一回あたり五千円から一万円程度は必要になってきます。

そのようなことも含めて、ご自身のライフスタイルにあったわんちゃんを迎えられるといいですね。