【初心者必見】これだけは抑えておきたい6つの「犬の散歩マナー」
初めて犬を飼う方の中には、愛犬との散歩を楽しみにしている方も多いでしょう。愛犬の健康にとっても、愛犬と信頼関係を築く上でも、お散歩はとても大切です。
一方で、玄関から一歩外に出れば、様々な人が暮らしている社会があり、そこにはマナーやルールが存在します。
今回の記事では、初心者の飼い主さんが知っておきたい「散歩中のマナー」をご紹介します。他の人とのトラブルを防ぐためにも、マナーをしっかりと勉強してからお散歩に出かけましょう。
1. リードで犬をコントロールする
「ノーリード」は原則禁止
リードをつけずにお散歩することは、公道ではもちろん、人の少ない公園でもマナー違反です。
「うちの犬はリードなしでも大丈夫」と過信してはいけません。他の犬や急な物音に反応して、飼い主さんの側から突然走り去ってしまうことがあります。
また、ずっと飼い主さんの側を歩く犬でも、犬嫌いの人にとってはリードなしで歩いているだけで「怖い」と感じてしまいます。
「ノーリード」で犬を自由にさせて良いのは、基本的にはドッグランの中だけだと覚えておきましょう。
なお、リードをつけていても、砂場など、公園の敷地内には犬が入れないところも多いので、標識などをよく確認しましょう。
リードは短く持とう
リードは短めに持ち、犬には常に飼い主さんの横を歩かせるようにします。
犬が引っ張ると長く伸びるタイプのリードもありますが、犬が遠くに行き過ぎてしまうと危険なので注意が必要なため、きちんとコントロールできていない犬には使わないようにしましょう。
小さな子供の手を繋いで歩くのと同じように、リードを短く持って、犬の行動を臨機応変にコントロールできるようにしましょう。
2. 自転車に乗って散歩しない
自転車で犬の散歩は違法
自転車に乗って片手運転で犬の散歩をすることは、道路交通法違反です。
違反すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。
飼い主さんにも犬にも危険
違法でなかったとしても、自転車での散歩は飼い主さんにとっても犬にとっても危険です。
「大型犬だから、しっかり運動させたくて…」との思いから自転車で散歩に行く飼い主さんもいるようですが、ドッグランで運動をさせるなど、何か別の方法を考えましょう。
3. 公共の場を汚さないようにする
公共の道路や公園は、多くの人が利用する公共の場所です。犬を連れていようといまいと、汚すことはマナー違反ですよね。
犬の散歩で特に気をつけたいのは、「トイレ」と「被毛」です。住宅密集地である都市部にお住まいの方は特に注意する必要があります。
トイレを適切に処理しよう
最近では、犬のトイレはできれば室内でさせるのがマナーと考える人も増えているため、室内で済ませてから散歩に行くのがベストです。
外でトイレをさせる場合は、「うんちは必ず持ち帰る」、「おしっこは水で流す」ことを徹底し、汚物やにおいが残らないように気をつけましょう。
外でブラッシングしない
外でブラッシングをしてしまうと、被毛が風に乗って、他の家や公共施設にまで飛んで行ってしまう恐れがあります。
中には犬アレルギーの人もいるので、少量の被毛であっても外でのブラッシングは避けるのがマナーです。
4. 他の人や犬との接触に気をつけよう
相手の意思を確認するまで犬を近づけさせない
犬の散歩中には、様々な人とすれ違うものです。好奇心旺盛な犬の場合、他の犬や知らない人に近づきたがるかもしれません。
しかし、世の中には犬嫌いな人もたくさんいますし、他の犬を怖いと感じる犬もいます。
犬を近づける際には、相手の意思を確認してからにしましょう。
飼い主さんが他の犬に勝手に触るのもNG!
飼い主さん自身が、許可なく他の人の犬を触るのもマナー違反です。
特に、勝手に他の犬におやつをあげるのは絶対にやめましょう。
5. 散歩中の大きな話し声に注意
犬の散歩中に、「犬仲間」ができるかもしれません。
犬好き同士だからこそ、会話が弾んでしまう気持ちは分かります。しかし、あまり大きな声で長時間話していると、周囲の迷惑になってしまう可能性もあります。
もし、話しが長くなりそうなときは、ドッグカフェなどを利用してみると良いかもしれません。
6. 最低限のしつけをしておこう
散歩中に他の人に迷惑がかからないような配慮や、犬の安全を確保することは、飼い主さんの責任です。
最低限、犬に次のようなしつけをしておくことで、安心して散歩に出かけましょう。
①「マテ」
赤信号で立ち止まらせたり、拾い食いをやめさせたりする際、「マテ」を教えておくととても便利です。
②他の犬や人を噛まない
国内の犬の咬傷事故は、平成28年で4300件以上発生しており、決して少ない数字ではありません。
他人に怪我をさせてしまった場合、過失傷害罪で飼い主さんが訴えられてしまうことがあります。
普段から人や犬を噛んではいけないことをきちんと教えておくことが重要ですが、噛み癖がついてしまった場合は、手遅れになる前にドッグトレーナーさんに相談してみることをおすすめします。
③色々な刺激に慣れさせておく
他の犬や人、工事や台車の音などに慣れていないと、散歩中に犬が怖がってしまったり、吠えてしまったりすることがあります。
特に、生後1ヶ月〜1年程度の「社会化期」と呼ばれる期間に様々なものに徐々に慣れさせておくことで、その後の生活で無駄吠えや犬のストレスを減らすことができます。
知人に頼んで家に遊びに来てもらったり、YouTubeで工事の音を聞かせたりなど、少しずつ刺激を与えていきましょう。
まとめ
今回は、犬の散歩で守りたい6つの基本的なマナーをご紹介しました。
世の中には、犬嫌いな人や犬アレルギーの人、犬の排泄物を嫌がる人など、様々な人がいます。
そうした人たちが嫌な思いをしないために、犬の飼い主として気をつけるべきことを心得て、気持ちよくお散歩に出かけられると良いですね。
犬の外トイレはアリ?ナシ?人間と犬の共生社会を考える
近年、犬の散歩中のトイレ問題についての議論が激化しています。
ここでの議論は「うんち」ではなく、「おしっこ」がメインです。
「うんち」を外でさせて、そのまま後片付けせずに放置しても良いという意見は「外トイレ賛成派」の範囲外です。「うんち」をさせて、それを後片付けすることは必要最低限のマナーであり、それを怠ることは絶対的な悪と考えています。
「他人の家の前でトイレをさせるなんてマナーが悪い!」と言う人がいれば、「犬なんだから外でトイレをするのは自然なこと」だと主張する人もいます。
主張の度合いも人それぞれで、「ちゃんとウンチを持ち帰って、おしっこは水で流してくれれば外でしても良い」、「他人の玄関前でさせないなど、場所を選んでくれれば外でしても良い」という意見から、「どこであっても外でのトイレはマナー違反。法律で禁止すべき」という意見までさまざまです。
この記事の中ではどちらが正しいという結ことは言えませんが、両者の意見を理解し合うことで、お互い気持ちよく過ごせる世の中を作る一助になれば幸いです。
外トイレ反対派の意見
匂いが気になる
犬の外トイレ反対派から最も多く聞かれる理由が、匂い問題です。
自分の家の玄関前でトイレをされ、おしっこやウンチが残っていると匂いが蔓延して迷惑、という声がネット上でも複数見受けられます。
おしっこの跡が気になる
犬が電柱やアスファルトにおしっこをしたとき、その部分の色が変わって跡が残るのを不快に思う人もいます。
外トイレ賛成派の人の中には「おしっこをしたら水を流せばマナー的に問題ないのでは」と思う人もいるでしょうが、おしっこの跡を気にする人はおしっこを水で流しても跡が消えるどころかむしろ広がって見えるので意味がない、と感じています。
植物への悪影響、電柱の腐敗
犬のおしっこは酸性で、かつ塩分が含まれているため、植物を枯らしたり電柱を腐敗させたりする可能性があります。
もちろん一度のおしっこでそのようなことが起きるわけではありませんが、長期にわたって同じところにおしっこがかかり続けると悪影響になることがあるようです。電柱などが腐って倒れる危険性もあり、またそのようになった場合は、税金を使って建て直す必要が出てきます。
外トイレ賛成派の意見
急にするなと言われても・・・
「家でトイレを済ませてから散歩をするようにしましょう」と促している自治体もありますが、今まで外でトイレをしてきた犬にとって、急に「外でしちゃダメ」というのはなかなか難しい注文です。
外トイレ反対派のみなさんは「トイレトレーニングをすれば済むこと」と思うかもしれませんが、犬にトイレの場所を再学習させることは決して容易なことではありません。
「家でトイレを済ませるまで散歩に連れて行かない」と急に外トイレを禁じられた犬は、我慢のしすぎで膀胱炎になってしまう危険性もあります。
マーキングはやめさせるのが難しい
犬によっては普通の排尿の他に、自分の縄張りを示したり、異性に自分の匂いを残すために「マーキング」と呼ばれる行為をする場合があります。
マーキングは普通の排尿に比べて少量ですが、一箇所ではなく、あちらこちらにするのが一般的です。主に発情に起因する行動とも言われ、去勢手術・避妊手術をした犬はマーキングをしない場合も多いようです。
反対派の人は「それなら手術をしたらいい」と思うかもしれませんが、それで絶対にしなくなるわけでもありません。実際、Cheriee編集部員が飼っている犬は、去勢手術をした後も、マーキングの回数は減っていません。
これからのペット社会はどうなる?
ここまで犬の外トイレに関して、賛成派と反対派の意見をご紹介しましたが、両者の意見を受けて、みなさんはどのようなことを感じましたか?
もし、今まで「外でトイレをしてはいけないなんて、ただの意地悪だ!」と思っていた賛成派の人がいたら、外トイレを嫌がるのにはちゃんとした理由があることを理解していただけたでしょうか。
逆に、今まで「外トイレはただの嫌がらせだ!しつけをしない飼い主の怠慢だ!」と思っていた反対派の人には、犬も生き物ですから、そう簡単にコントロールできるものでもないことを理解していただけたでしょうか。
では、今まで犬に外トイレをさせてきた飼い主は、これからどうしたら良いのでしょうか?
ここでは「これが正しい!」という答えを出すことはできませんが、賛成派と反対派が互いに譲歩した際に現実的となる飼い主の行動の可能性を考えてみます。これが絶対的に、理想的な行動だと主張しているわけではないことにご留意ください。
トラブルになりやすい散歩場所を避ける
他人の玄関先や子供が遊ぶ公園は犬のトイレがとくに嫌がられやすいので、トラブルを避けるためにも、それらの場所をなるべく避けて散歩してみてはいかがでしょうか。
住宅街に住んでいて避けるのが難しいという場合は、「犬におしっこをさせないでください」と張り紙してあるお家や電柱の前はなるべく通らないようにするとよいかもしれません。
後始末を徹底する
おしっこは「マナー水」と呼ばれる匂いを消す水を用いるか、トイレシーツで吸い取るとよいでしょう。
草むらでしたらマナー水で流す、電柱やアスファルトの目立つところにしたらトイレシーツで吸い取る、というように使い分けるのも効果的かもしれません。
トイレトレーニングを実行してみる
室内でトイレをできるのは、実は飼い主にとってもメリットがあります。
例えば、雨の日や雪の日に無理して散歩に行く必要がなくなります。さらに、犬が歳をとって足が悪くなったとき、トイレの度に外に抱っこやキャリーで連れて行く、という手間を減らせます。この機会に、トイレトレーニングを始めてみましょう。
その際、「家でトイレをするまで散歩に連れて行かない」など、理不尽なトレーニングをすると犬が膀胱炎になったりストレスをためてしまう可能性があるので、犬のことを考えると、やはり少しずつトレーニングをすることの重要性を感じます。
子犬のうちからトレーニングを
子犬の方が学習効果も高く、トレーニングはしやすいです。そのため、新しく犬を迎える方は、家の中でトイレを済ませ、外ではしないように、必ずトイレトレーニングを行いましょう。
自分でトレーニングするのが難しければ、プロのドッグトレーナーに任せるか、パピーナーサリー(犬の幼稚園、保育園)に入園させることが最も早いでしょう。こうすることで、今後数十年という時間は必要になるかもしれませんが、将来的に犬のトイレトラブルを減らしていくことが可能です。
人間と犬の共生社会
全ての人が完全に納得できる社会というのは現実的ではありません。
ある公共哲学者は、自己を絶対化し相手を折伏する原理主義的思想では、善き公正な社会は作れないと言いました。コミュニティの中で他者と共生するには、「自分の意見は絶対的に正しく、他の意見など関係ない」という考え方ではなく、自分と相反する意見にも耳を傾け、物事を客観的に捉え直し、互いに譲歩し合うことが重要ではないでしょうか。
また、ペットの幸せを考えるメディアとしては、ぜひ犬も共生社会の一員として捉えていただきたいと思います。それは何も、犬のために外トイレを許してほしい、と言いたいわけではありません。犬も人間と一緒に共生しているのですから、人間の賛成派・反対派の議論に加えて、「こうしたら犬はどうなるか、どう感じるか」も考えてみてほしいのです。
犬の外トイレに賛成する人も、反対する人も、お互いの意見と犬のことを考慮した上で、譲歩し合える社会になってほしいと願っています。
「犬を飼おう!」と決意したら読んで欲しい【犬と暮らす心構え】
新しい家族の選択として、「犬を迎え入れようか」と考えている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
犬を家族として迎え入れることを決意したみなさんに、今一度「犬と暮らすというのはどういうことなのか」をしっかり知って、飼い主さんにも家族となる犬にも幸せな生活を送って欲しいと思います。ただ、残念なことに、ただかわいいというだけで気軽に飼い始めて後悔してしまう方がいるのも現実です。
そこで、もう犬を飼うと心に決めている方も、まだ迷っている段階だという方も、こちらの記事を参考に、一度犬との生活について考えてみてください。
犬と暮らす前にチェック!
未来の飼い主のみなさん。こんなこと、覚悟できていますか?
- お金がたくさんかかる
- 15年以上の時間をともにする
- 犬が暮らすスペースが必要
- お散歩は欠かせない
- 「引っ越し/旅行」は簡単にはできなくなる
- 守らなければならないルールがある
上の項目を見て「無理かもしれない…」と思うことが1つでもあったのなら、犬を飼うことについて、もう少し考えてみることをおすすめします。でも、すぐに判断してしまう前に、上の項目について1つずつ詳しく見ていきましょう。
犬と暮らす時間とお金
犬を飼うときにかかる生涯費用は、だいたい180万円ほどであると言われています。
その内訳は、下記の通りです。
- 飼い始めにかかる費用:6万円程度
- 毎月かかる費用:1年間にかかる費用12万円×平均寿命15年=180万円程度
「思っていたよりかかるなあ」と思った方も多いのではないでしょうか。こちらは最低でも必要になる金額と考えてください。サプリやトリミング、オモチャやお洋服、挙げればキリがありませんが、もっと多く必要になる犬種もいますし、もっとお金がかかる飼い方もあります。犬を飼うのに必要な費用について、詳しくは以下の記事にてご覧ください。
十分なスペースが必要
犬とともに暮らすということは、家族が一人増えるということです。そして、食事もトイレも寝床も人のものとは全く違います。
犬用のトイレを置く場所が必要ですし、寝床となるケージを置く場所も必要です。今の家に、犬を迎え入れるだけのスペースがあるか、確認してみてください。
お散歩は欠かせない
犬はお散歩が大好きです。しつけの一環やストレスの解消に重要なことなので、毎日欠かさず行くのが望ましいでしょう。
散歩時間のだいたいの目安は、朝夕二回で超小型犬なら10分、小型犬なら20分、中型犬なら30分、大型犬なら60分というところです。犬のお散歩マナーを知っておきたいという方は、以下の記事もご覧ください。
「旅行/引っ越し」はどうする?
ペットと暮らすと、ペット可の場所を選んで遊びに行くことが増えます。旅行や引っ越しも同じです。ペット可の旅館や、ペット可のマンション・アパートでないと暮らすことができません。
旅行に行くのであれば、以下の記事にあるようなさまざまな準備が必要です。
また、犬を連れて賃貸に引っ越すときには特に注意が必要です。具体的な内容については、こちらの記事を参考にしてください。
このように、簡単に引っ越しをしたり、旅行に行ったりするということが難しくなってきます。それでも、そういった大変さも含めて楽しむことができれば、犬を飼うことに向いている、その覚悟ができていると言えます。
飼い主が守らなければならないルール
飼い主に必要な最低限のモラルとマナーとして、環境省から「飼い主の方へ – 守ってほしい5か条」というものが提言されています。少しずつでもいいので、飼う前にきちんと覚えておくようにしましょう。
飼い主の方へ 守ってほしい5か条
1.動物の習性等を正しく理解し、最後まで責任をもって飼いましょう
飼い始める前から正しい飼い方などの知識を持ち、飼い始めたら、動物の種類に応じた適切な飼い方をして健康・安全に気を配り、最後まで責任をもって飼いましょう。
2.人に危害を加えたり、近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう
糞尿や毛、羽毛などで近隣の生活環境を悪化させたり、公共の場所を汚さないようにしましょう。また、動物の種類に応じてしつけや訓練をして、人に危害を加えたり、鳴き声などで近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう。
3.むやみに繁殖させないようにしましょう
動物にかけられる手間、時間、空間には限りがあります。きちんと管理できる数を超えないようにしましょう。また、生まれる命に責任が持てないのであれば、不妊去勢手術などの繁殖制限措置を行いましょう。
4.動物による感染症の知識を持ちましょう
動物と人の双方に感染する病気(人と動物の共通感染症)について、正しい知識を持ち、自分や他の人への感染を防ぎましょう。
5.盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにしましょう
飼っている動物が自分のものであることを示す、マイクロチップ、名札、脚環などの標識をつけましょう。
出典:環境省ホームページ「飼い主の方へ 守ってほしい5か条」
最後に
どれも犬を飼っている方から見ると当然のことに思えますが、犬を飼ったことがない方にとっては、少し厳しいと感じる内容かもしれません。しかし、犬を飼う場合には、どれも必要になることです。
確かに、犬と暮らすことで我慢しなければいけないこともたくさんあります。しかし、それ以上に犬が与えてくれる”日常”はかけがえのないものなのです。命を預かる覚悟がしっかりとできたなら、愛情いっぱいに犬を迎え入れてあげましょう。
もうすぐ桜の季節!お花見に犬を連れて行くときの注意点をご紹介。
冬が終わりに近づき、だんだんと暖かくなってくると、楽しみなのが「お花見」。犬を飼っていれば、愛犬と一緒にお花見をする計画をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬と一緒にお花見に出かける場合、いくつか注意しなければならないこともあります。今回の記事で、気をつけるべきことやマナーをおさえて、愛犬と楽しいお花見をしましょう!
なお、公園やお花見会場によっては、犬の立ち入りを禁止しているところもあります。事前に必ず確認しておきましょう。
桜の誤食に注意
一般的に、桜の花びら自体には毒性はないと言われています。しかし、本来食べ物ではありませんし、何かの雑菌がついているかもしれないので、なるべく食べさせない方が良いでしょう。
花びらよりも注意しなければならないのが、桜の種子、果肉、葉、樹皮です。
これらには「アミグダリン」という物質が含まれており、この「アミグダリン」が動物の体内に入り酵素に分解されると、「シアン化水素」という毒性の物質が発生します。「シアン化水素」の毒性は非常に高く、中毒症状を引き起こすと、粘膜の充血、頻脈、嘔吐、痙攣などを起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。
犬とお花見に行く際には、これらのものを口にしないようにくれぐれも気をつけましょう。
また、花びらに種子や葉がついている可能性もあるので、やはり花びらも食べさせないようにした方が良さそうです。
万が一、犬が桜を食べてしまった場合には、速やかに動物病院に連れて行きましょう。
人間の食べ物・飲み物にも注意
お花見に行くとなれば、お弁当を持って行くという方も多くいらっしゃることでしょう。
おいしそうなお弁当に興味津々な犬。ついついあげたくなってしまいますが、人間の食べ物は犬にとって塩分や糖分が多いため、なるべく食べさせない方が良いとされています。
犬に食べ物を与える人に注意
飼い主さん自身が気をつけていても、一緒に来ている他の人が犬に食べ物を与えようとしてしまう可能性もあります。特に、犬に関する知識があまりなく、ネギ類や柑橘類などの食べ物をあげてしまっては大変です。
あとでトラブルにならないよう、前もって食べ物をあげないようにみんなにお願いしておき、お花見中は飼い主さんはできるだけ犬から目を離さないようにしましょう。
また、犬が人間の食べ物に目移りしないよう、犬用の食べ物を必ずもって行きましょう。人間と同じものを食べさせたいのであれば、リンゴやさつまいもなど、犬に害のないものを持って行くようにすると良いでしょう。
アルコール、拾い食いに注意
お花見の席にはビールなどアルコール類が用意されていることが多いですが、アルコール類は犬にとってとても危険なものです。一口飲んだだけで死に至ることもありますから、絶対に口にしないように注意しましょう。
お花見の期間は特に、公園などに屋台が出ていることがあります。その場合、屋台の食べ物の食べかすや、他の人が捨てたゴミが落ちている可能性が高いので十分に気をつけましょう。
おでかけの基本ルールを忘れずに
お花見は春の一大イベントですが、楽しくて、ついマナーを怠ってしまう、なんてことのないよう気をつけましょう。お花見に行く前に、今一度おでけの基本ルールを復習しておきましょう。
周りの人への配慮
お花見の会場にはいつも以上に大勢の人が集まります。犬を見て「かわいい!」と言ってくれる人もいますが、犬が苦手な人がいることを忘れてはいけません。
中には犬アレルギーの人もいますから、知らない人に誰彼かまわず近づくことのないよう、リードは常に短く持っておきましょう。
賑やかな雰囲気に慣れていないと、興奮して吠えやすくなったり、急に走り出したりしてしまうことがあります。
犬をお花見に連れて行くときは、できるだけ平日の午前中など人が少ない時間帯を選ぶと良いでしょう。また、普段から知らない人や他の犬に吠えやすい犬は、連れていかないという選択肢も考える必要があります。
排泄物のマナー
外でトイレをしないようにトレーニングをしておくのがベストですが、トイレトレーニングができていない場合は、おしっこをしないようにオムツをつけ、ウンチは必ず持ち帰りましょう。お花見会場で捨てるのはマナー違反です。
他の人に不快な思いをさせないよう、排泄物のマナーは必ず守りましょう。
犬のトイレトレーニングについては、こちらのぜひ記事もご参照ください。
さいごに
今回は、犬とお花見に行くときに注意することをご紹介しました。
桜の誤食、お弁当やアルコール類の誤食・誤飲にはくれぐれも気をつけ、周りの人への配慮も忘れないようにしましょう。
また、慣れない環境は犬にとってストレスがかかりやすいものです。じっとしているのが苦手な犬、活発な性格の犬は、お花見が始まる前にたくさん遊ばせておくと良いでしょう。ドッグランが併設されている公園を選べば、思い切り遊ばせることができます。
人見知りをしやすい犬は、無理に知らない人や他の犬に接触させないようにした方が良いでしょう。連れて行かない方が犬にとって幸せな場合もあるということを知っておいてください。
せっかくの桜の季節。注意点、基本的なマナーを守って、ぜひ愛犬と楽しいお花見の思い出を作ってくださいね!