猫が交通事故に遭いやすい3つの理由と予防法。事故の対処法もご紹介

犬と比べても、「猫は車に轢かれやすい」というイメージがある方も多いのではないでしょうか?

実際、NPO法人「人と動物の共生センター」によると、交通事故で亡くなる猫は1年に30万匹以上に上るとされています。

では、なぜ猫は交通事故に遭いやすいのでしょうか?また、大切な愛猫が交通事故にあわないようにするには、どのような工夫ができるでしょうか。

今回の記事では、猫が交通事故に遭いやすい理由や、事故防止方法のほか、猫が轢かれた場面に遭遇した際の対処法についてもご紹介します。

猫が車に轢かれやすい3つの理由

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1. 突然の危険回避ができない生態

京都大学の動物心理学研究チーム「CAMP」によると、猫は車と直面すると恐怖で固まってしまい、逃げられずに轢かれてしまうことが多いようです。

また、猫は体の構造上、素早く後ずさりすることができないと言われています。そのため、車が走ってくることに気づいても、後ろには戻れずにそのまま前進したり、立ち尽くしてしまいます。

いつもは機敏で動きの速い猫ですが、「突然迫り来る危険を避けられない」という特徴も持っているのです。

2. 発情中

発情期になると、猫は相手探しのために外に出ることも多くなり、相手を求めることに夢中になってしまうため、交通事故に遭いやすくなってしまいます。

猫の発情期は一般的に、日照時間が14時間を越えると始まるとされています。これは、暖かい時期の方が食べ物が豊富にあり、生まれた子猫の生存率が高まるからです。
また、日照時間によって発情期を迎えるのはメス猫だけで、オス猫は発情したメス猫の鳴き声やフェロモンに刺激されて発情します。

発情する時期は大体1月〜9月頃までですが、中でも1~3月は暗くなるのが早く、ドライバーも猫の存在に気づきにくいため、猫の交通事故が増えやすい時期です。

3. 狩りに夢中

お腹を空かせている野良猫は、獲物を見つけると捕まえるのに必死になってしまい、車がたくさん走る道路にも飛び出してしまいます。

また、家で飼われている猫の場合は、日頃狩りをしなくてもごはんがもらえるためエネルギーが溜まり過ぎてしまい、突然発作的に全力疾走を始めることがあります
室内ではそこまで危険はありませんが、外でエネルギーを発散しようとしてしまうと、交通事故に遭いやすくなります。

愛猫の交通事故を防止する3つの方法

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猫が交通事故に遭いやすい性質を持っていることはわかりましたが、では、愛猫を交通事故から守るには、どのような対策をとれば良いのでしょうか。3つの対策をご紹介します。

1. 完全室内飼いにする

キャットタワーを設置したり、毎日おもちゃで遊んだりしてあげれば、猫は室内だけでもストレスを溜め込まずに暮らせます。

猫にとって何が一番幸せかは私たちには分かりませんが、交通事故に遭ったり、他の猫と喧嘩してケガをしたり、病気をもらってきたりしてしまうリスクを考えれば、完全室内飼いの方が幸せに暮らせるとも考えられます。

2. 脱走防止の工夫をする

外に出したくないと思っていても、飼い主さんがドアを開けた拍子に猫が飛び出してしまうこともあります。そして、一度外に出てしまうと、縄張り意識を持ってしまったり、外の刺激がやみつきになってしまったりして、何度も外に出たがるようになります。

予期せぬ飛び出しを防止するため、窓を開けっ放しにしない、玄関のドアには脱走防止の柵を取り付けるなどの工夫をしましょう。

また、それでも脱走してしまったときに備えて、暗いところで光る、反射板付きの首輪を着けておくと良いかもしれません。

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3. 去勢・避妊手術をする

先述した通り、猫は発情をすると相手探しに夢中になってしまい、車に轢かれやすくなります。
また、発情しているのに交尾ができないと猫にもストレスが溜まってしまい、体調不良や異常行動の原因になります。

猫は交尾をすると90%以上の確率で妊娠することからも、子猫が増えることを望んでいないのなら、去勢・避妊手術はやはりしておいた方が良いでしょう。

交通事故に遭った猫への対処法

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注意していても、突然飛び出してきた小さな猫を避けられずに轢いてしまうことは誰にでも起こり得ることです。また、すでに轢かれてしまった猫を道端で発見することもあるかもしれません。
そんな時は、どのような対処をしたら良いのでしょうか?

猫がケガをしていたら

出血していたら止血をし、嘔吐していたら気道を確保してから、動物病院に連れて行きましょう。骨折している可能性もありますから、猫をむやみに動かそうとしないでください。
猫は身を守ろうと必死になっていますから、突然刺激してひっかかれないように、大きめの布や上着などでくるんで優しく持ち上げるようにしましょう。

すでに死んでしまっていたら

すでに猫が死んでしまっていたら、その道路の管轄の市町村の役所、清掃局、または保健所に連絡します。もしくは、道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡すると、早めに対応してくれるようです。

対処中、自分が事故に遭わないように注意!

怪我した猫を保護しようとしたり、猫の遺体を道の端に寄せようとしたりするときに、自分が交通事故に遭ってしまわないように注意しなくてはなりません。
特に、暗い時間帯にしゃがみこんでいるとドライバーからも見えにくいので、くれぐれも周囲の安全を確保してから救助等を行うようにしてください。

まとめ

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普段はすばしっこい猫ですが、迫り来る車を避けるのは難しく、さらに、発情中や狩りに夢中になっているときは尚更、交通事故に遭いやすくなってしまいます。

愛猫の交通事故防止には、外に出さないことが最も重要であり、加えて去勢・避妊手術をすることも効果的です。

猫の性質を理解した上で、事故のリスクから大切な愛猫を守ってあげたいですね。

猫を室外飼いすることは危険がいっぱい!?

猫を飼っていれば、1度は「外に出してあげようかな・・・」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。中には、昼間は外に出してあげて、夜はお家で室内飼いという方もいるかもしれません。

しかし、猫ちゃんを外に出すことには、大きな危険が伴うということを、ご存知でしょうか?ここでは、猫を室外に出すことのデメリット5つをまとめました。

飼い主さんの知らないところで・・・

1. 交通事故に関わっているかも。

白黒車
自動車を運転したことのある方は思い当たる節があると思いますが、野良猫や放し飼いされている猫は、突然走行中の車の前を横切ります。本当に突然。

ですから、自動車に轢かれてしまう場合があることはもちろん、それを避けようとした自動車やバイクが事故を起こし、通行人までも巻き添えにしてしまうかもしれません。猫と人間、両方の命を脅かしてしまうのです

また室内飼いと屋外飼いで、猫の寿命が2年も違うという結果が出ています。
(「一般社団法人 ペットフード協会」の平成28年(2016年)全国犬猫飼育実態調査 より引用)

  • 室内飼いで平均15.81歳
  • 屋外飼いで平均13.26歳

他の調査でも、「室内飼いで平均15歳、屋外飼いで平均7歳という、倍近くも寿命が違う」と言われていたりもします。

この数値は事故による死亡も含まれています。室内で飼った方が、2倍長く生きることができるのです。

2. 怪我・感染症の危険

医者
猫を外に出すと、他の猫とのコミュニケーションが増えるため、喧嘩をして怪我をしてしまうことがあります。猫の怪我は皮膚の性質上、収縮してしまって発見が遅れることがあります。また、皮膚内部で化膿してしまうことも少なくないようです。

加えて、エイズなどの感染症にかかることもあります。猫のエイズは、咬まれるだけで猫同士の感染が起こってしまいます。

3. ノミ・ダニなどの危険

草
猫を外に出せば、泥などで汚れてしまうことはもちろん、ノミやダニなどをもらってくることもあります。もらってきたノミがカーペットで増殖してしまうこともあるかもしれません。

4. 野良猫と交配してしまうと大変

交配猫
野良猫と交配することで、野良猫を増やしてしまったり、メス猫だと妊娠してしまうことがあります。発情期の妊娠率は90%を超えます。

動物愛護管理法の第37条では「犬及び猫の所有者の繁殖制限の責務」が定められていて、猫がみだりに繁殖して生活環境の被害が生じないようにしています。人間の手に負えないほど繁殖すると、周りの人々の生活環境の脅威となりうるのです。

5. 近所迷惑になってるかも。

ななめ家
猫に関する苦情では、特に次のようなものが挙げられます。

  • 被毛を飛散
  • 近所の庭や玄関で排泄行為
  • 発情期の鳴き声

「最近、ご近所さんから冷たい目線を感じる…何でだろう…。」と思ったら、猫ちゃんが原因かもしれないですね。

でも狭いところにずっといるなんてかわいそう!

ショックで顔を覆う女子
実は、そんなことないのです。

猫は縄張り意識の強い動物で、縄張りをパトロールできないことが何よりもストレス。一度外に出てしまうと、縄張り範囲が広がり、むしろストレスになってしまいます。家の中の小さなテリトリーで暮らし続けることは決して猫にとってストレスではありません。

猫が外を眺めることから考える、猫の縄張り意識についての記事もあります。併せてぜひ読んでみてください。

外に出してあげたほうが良いの?猫が窓から外を見る3つの理由

それでも屋外で飼うなら


避妊・去勢手術を行い、近所の人ともよく話し合うことをオススメします。また、首輪やマイクロチップなど身元がきちんとわかるようにしておくと安心ですね。

猫のためにも、私たちのためにも、室内で。

猫と人ハイタッチ
屋外で飼うことは室内で飼うより様々な面でのリスクが大きいので、室内で飼うことをオススメします。
猫ちゃんのために、室内で飼ってみてはいかがでしょうか?