飼育放棄が急増!コロナ禍で世界中の人々を癒やしたペットたち
新型コロナウイルスが世界的に流行し始めてから3年以上が経ち、ようやく日常が戻ろうとしています。コロナ禍では、人々の不安や孤独感を埋めるために、世界中で多くのペットたちが新しい飼い主に迎えられました。
しかし、非常に残念なことに、世界にはコロナの終焉と共に飼育放棄されてしまうペットたちが数多くいます。今回は、そんなコロナと世界のペット事情について取り上げていきます。
癒やしを求めてペット需要が急増した「イギリス」
イギリスではパンデミックのさなか、急激なペット需要の増加が見られました。
イギリスのペット産業協会「UK Pet Food」の統計によると、2020年から2022年にかけて、犬は約900万頭から約44%増の1300万頭、猫も750万頭から60%増の1200万頭に飼育頭数が急増しています。うさぎなどの小動物も犬や猫ほどの増加ではありませんが、飼育数は増加しました。
特に2021年は国内だけでは供給が追いつかず、海外から多くの子犬や子猫が輸入されています。ペットやその関連製品の販売額も過去最高を記録し、ペット産業は大いに潤いました。
しかし、2022年に入ると、電気、ガス、食料品など生活に欠かせない物品の物価が高騰し、インフレ率は40年ぶりの高水準となる11%を超えました。するとペットのエサ代や医療費が払えなくなり、飼育放棄する人が続出したのです。
英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)によると、2022年7月までに飼育放棄されたペットは、前年の同じ時期に比べ25%増加したそうです。
飼育数の増加に伴い動物福祉の向上が見られる「アメリカ」
米国動物虐待防止協会(ASPCA)の調査によると、アメリカではコロナ禍で5世帯のうち1世帯が犬や猫などのペットを飼い始めました。その多くはまだ飼い主と一緒に暮らしていますが、リモートワークから出社勤務への変更や物価の高騰による飼育費用の問題などを抱えている人も多くいます。
そんな中、2022年6月にニューヨーク州で「パピーミルパイプライン法案(Puppy Mill Pipeline Bill)」が可決されました。この法案は「ペットショップによる犬、猫、うさぎの販売を禁止する。里親探しを目的とする特定の団体が、犬や猫を所有する団体と協力することは許可される。」というものです。
この法律により、営利目的だけの小動物の取引が禁止され、保護された動物たちの里親探しが奨励されることになります。
パピーミルとは「子犬工場」を意味し、無責任で動物福祉に反する繁殖を行う悪質なブリーダーのことを指します。このような繁殖業者を規制する動きは、アメリカの他の州でも見られ、カリフォルニア州、イリノイ州、メリーランド州などではすでに同様の法律が制定されています。
ロックダウンとバカンスの弊害が大きい「フランス」
フランスでは約50%の家庭で何らかのペットを飼っています。
そんなペット大国のフランスですが、コロナの影響で猫の不妊手術が例年通りに行えず、猫が増えてしまい、2021年の子猫の保護施設への引き渡しは2019年に比べて30%増加しました。
犬の場合はさらに深刻で、ロックダウン中に「犬の散歩」が外出理由として認められていたため、安易に犬を飼い始めた人が続出し、その後ロックダウンが解除されると飼育放棄が相次ぎました。
かねてから、フランスでは夏のバカンス前にペットが捨てられることが多く、社会問題となっていました。フランスの動物保護団体の関係者は、その理由をバカンス先にペットを連れていくことが難しいためだと指摘しています。
そもそも、衝動的なペットの購入が飼育放棄の原因と考えられ、フランスの議会上院は2021年11月、動物の扱いに関する法律の改正案を可決しました。この法律の改正により、ペットショップでの犬や猫の展示や販売、インターネットによる犬や猫の販売は、2024年に禁止される予定です。
日本でも飼育放棄が起こっている
日本もコロナ前の2019年と2020年、2021年を比較すると、欧米ほど顕著に増えたわけではありませんが、犬や猫の新規飼育頭数は増加しています。
日本ペットフード協会の調査によると、2020年の新規飼育数(推計)はコロナ前の2019年比で、犬が18%増の41万6千頭、猫は16%増の46万頭でした。2021年も犬・猫ともに2019年を上回り、犬は13%増の39万7千頭、猫は24%増の48万9千頭が新たに飼われています。
飼育放棄の割合はデータとして出ていませんが、動物保護団体からはコロナが収まってくるにつれ、保護数も増加したという声が多く聞こえてきます。
最後に
今回は、日本と諸外国におけるコロナ禍のペット需要の増加や物価高騰の問題、各国で制定された法律などについてご紹介しました。残念ながら、今回取り上げた国以外でも世界情勢に翻弄されるペットたちが数多くいることは間違いありません。
このような問題に対して、自分に出来ることは何かをぜひ考えてみてください。ペットを衝動買いしようとしている人がいたらよく考えるように説得することや、SNSで動物福祉について投稿することもとても大切です。
一人ひとりができることは小さいかもしれませんが、同時に同じようにペットたちを心配している人も世界中にたくさんいます。多くの人が少しずつでも行動すれば、悲劇的なペットたちを生んでしまう世界を変えられるかもしれません。
大人の保護猫を迎える選択!知っておきたいメリットと注意点
猫を飼いたいと思っている人の中には、保護猫を引き取ろうと考えている方もいるでしょう。その際、子猫だけではなく、大人の保護猫を迎えることも検討してみてはいかがでしょうか。実は大人の保護猫を迎えることは、さまざまなメリットがあるのです。
この記事では、大人の保護猫を迎えるメリットと注意点を解説します。
大人の保護猫を迎える5つのメリット
猫を飼うというと、子猫を引き取ることを考える方は多いと思います。しかし、大人になった保護猫を迎えることもメリットがあり、場合によっては大人の猫の方が望ましいこともあります。
1. あらかじめ性格がわかっている
最大のメリットは、猫の性格やキャラクターがあらかじめ把握できている点です。そのため、その猫の性格に合った環境を事前に用意できます。
例えば、「元気いっぱいなので危ないものを片付けておく」「大人しくマイペースなので、静かに過ごせる場所を作る」などの準備ができます。飼い主さんも心の準備ができる点もメリットです。
2. こまめなお世話はしなくてよい
すでに大人になっているので、子猫ほどこまめに世話をする必要がありません。子猫から育てる場合、頻繁な授乳が必要です。猫の週齢によっては排泄の補助が必要だったり、湯たんぽで包むなど保温に気を使ったりなど、どうしても手がかかります。
その点、大人の猫なら排泄は自分でできますし、トイレを教える必要もほとんどありません。排泄自体の回数も少なくなっています。保温も一般的なペット用ヒーターで大丈夫です。仕事や家事が忙しい方でも、飼育の負担が少ないでしょう。
3. グッズを買い替える頻度が少ない
大人の猫は、成長が終わっています。クレートやベッド、トイレなど体の大きさに合わせたグッズの買い替えの必要がありません。
4. 感染症リスクが少なくなっている
子猫が感染しやすい病気にかかるリスクが少なくなっています。感染してすぐ命にかかわるような状況にはなりにくいでしょう。もちろん大人の猫もワクチンは必要です。
5. いたずらの頻度も少ない
子猫は好奇心旺盛で、カーテンにのぼるなどいたずらも多いもの。しかし、大人の猫ならやんちゃに騒ぐ時期は過ぎているので、いたずらの頻度は少なくなっています。大きなストレスなどがなければ、子猫特有の甘噛みなどもほとんどしないでしょう。
大人の保護猫を迎える2つのデメリット
大人の保護猫を迎えるには、いくつかデメリットもあります。デメリットがあっても受け入れられるかどうかを検討しましょう。
1. なつくのに時間がかかることがある
社会化期を過ぎているため、人になつくまでに時間がかかる場合もあります。猫の性格になんらかの問題があったために、保護猫になっている可能性もあります。
野良猫時代が長い猫や人に虐待を受けた猫は、なかなか心を開いてくれません。なつくには時間がかかるかもしれないというデメリットを受け入れられるか、気長に待てるかどうかをよく考えましょう。
2. 病気を持っているかもしれない
保護猫の中には、猫エイズなどのキャリアになっている子もいます。治療が必要になった場合、治療費をねん出できるかなどの検討も必要です。
ただし、キャリアであっても、元気におだやかに過ごしている猫もたくさんいます。病気があっても大丈夫かなど、家族でも話し合っておくべきでしょう。
大人の保護猫を迎えるときの注意点
迎える前の注意点もいくつかあります。保護猫をお迎えしてから「想像していた暮らしと違った」と後悔しないためにも、しっかり確認しましょう。
トライアルがある場合はお試しをする
動物保護団体によっては、一度家に連れ帰ってお試し飼育ができるトライアル期間を設けている場合があります。もし、トライアル期間があるならぜひ試してみましょう。最初は緊張していても、徐々にリラックスできるなら猫との相性はいいはずです。
家族との相性も考える
家族と猫の相性を考慮することも必要です。例えば、臆病でデリケートな猫だと、元気いっぱいの小さなお子さんがいるご家庭ではストレスがたまる恐れがあります。猫とはある程度淡々とした関係でいたい場合、さほど人懐っこくなくても大丈夫でしょう。
先住猫がいる場合は慎重に
すでに猫を飼っているけれど新たに大人の保護猫を迎えたい場合は、特に慎重に進める必要があります。
いきなり同居させずに、違う部屋で過ごしてから徐々にお互いの存在を認識させるなど手順を踏みましょう。
避妊・去勢済みか確認をする
避妊や去勢が済んでいるかは必ず確認します。まだの場合は、必ず避妊・去勢手術をしましょう。保護施設から引き取る場合、費用は飼い主側が負担することが多いようです。
避妊や去勢をすれば、発情の鳴き声や脱走に悩まずにすみますし、多くの猫は性格が穏やかになるでしょう。生殖器関係の病気になるリスクがなくなるのもメリットです。
最期まで絶対に面倒をみる
猫を飼い始めたら、最期まで面倒を見ましょう。どのようなトラブルがあっても、生涯一緒に暮らす覚悟が必要です。
家に大人の保護猫が来たら注意すること
慣れない環境に連れてこられた猫は人懐っこい子でも緊張し、警戒します。怖がらないように配慮するとともに、早く慣れさせようと焦らないことも大切です。
猫を迎える環境作りをしておく
猫の飼育に必要なグッズを準備して、猫を迎える環境作りをしておきましょう。
特に初めて猫を飼うご家庭では、誤飲のリスクがあるもの(ひも類やボタンなど)を徹底的に片付けておくことをおすすめします。
新しい環境でも怖がらないよう、隠れられる場所を作っておきましょう。ベッドやトイレも入る大きな猫用ケージがあると便利です。
動物病院を受診する
動物病院を受診して健康状態を確認しておきます。必要なワクチンがあれば、打っておくと安心です。避妊・去勢手術についても相談します。
しつこくかまわない
早く慣れて欲しい一心で、むやみに声をかけたり、抱っこしたりするのは控えましょう。猫の方から近づいてくるのを待つくらいの気持ちで対応します。慣れないからといって怒鳴るのも絶対にやめましょう。
まとめ
大人の保護猫はあらかじめ性格がわかっている、子猫ほど手がかからないなどのメリットがあります。ただし、すぐになつかない、病気があるかもしれないなどのデメリットもあるため、よく検討してから大人の保護猫を迎えましょう。
しかし、焦らずに猫との距離を縮めていくことで、だんだんと絆ができてきます。そして大人の保護猫は、大切な家族の一員になってくれるでしょう。
本当に動物保護団体?保護ビジネスの実例と信頼できる支援先とは
近年、動物愛護の機運が高まり、動物保護団体も注目されるようになりました。
しかし、保護犬や保護猫を迎えようと考える人々が増える一方で、そのような人たちの善意を逆手に取る「保護ビジネス」が広まっている現実をご存じでしょうか。
そこで今回は、保護ビジネスの事例と、助けを求める保護団体と支援したい人々の架け橋となる「アニマル・ドネーション」の活動をご紹介します。
保護ビジネスの事例
「保護ビジネス」とは、犬猫たちを守る保護団体と見せかけて、お金儲けの道具に利用したり、悪徳な繁殖・販売業者に加担したりするビジネスのことを言います。
事例①ペットショップの保護犬、保護猫
近年の人々の動物福祉への意識の向上を鑑みて、ペットショップで子犬や子猫だけでなく、保護犬、保護猫の里親探しをしている店舗も存在します。
もちろん、本当に動物のためを思い活動している企業もありますが、一見動物保護のように見せかけて、実質は「ただの売れ残った犬猫の販売だった」という場合もあります。
その場合、以下の傾向が見られるそうです。
- 保護犬、保護猫は、なぜか「純血種」か「純血種同士で繁殖したミックス犬」ばかりだった
- 保護された経緯の説明があいまい
- 保護犬、保護猫なのに誕生日がわかっている
- ワクチンの接種や健康診断の費用が相場より高額
- 商品の購入や店舗からペットフードを数年購入し続けること、特定のペット保険への加入を求められる
事例②実は繁殖・販売業者の下請け
2013年に施行された「改正動物愛護管理法」によって、自治体では不当な理由による動物の受け入れを拒否できるようになりました。悪徳な業者による大量の殺処分を避けるための法律ですが、その結果、売れ残った犬猫を、金銭をもらった上で引取り、劣悪な環境にただ放置するだけの「引き取り屋」という存在が生まれ問題になりました。
しかし、近年の動物愛護意識の高まりや、動物虐待にあたる飼育方法の告発などによって、相当数いた「引き取り屋」も徐々に減ってきていると言われています。そして、売れ残った犬猫たちの処分に困った繁殖・販売業者は、近年注目されている動物保護活動に目をつけました。
悪質な例では、あたかも飼育崩壊した繁殖業者から犬猫たちをレスキューしたようにみせ、実際は繁殖・販売業者から売れ残った動物や繁殖を引退した犬猫たちを、金銭を受け取った上で引き受ける団体があるそうです。
里親を探そうとするだけ、まだ「引き取り屋」よりマシなのかもしれません。しかし、悪徳な業者と手を組み、善意ある人々を騙し、金儲けをしている時点で、こちらも悪質だと言えるのではないでしょうか。
信頼できる支援先とは
しかし、現実的には多くの保護団体が資金不足の問題を抱えており、金銭的な支援を求めています。保護犬、保護猫を譲渡する際に寄付金を求める場合もあり、そのお金が一頭でも多くの命を救うために使われるのか、それともお金儲けのためなのか、外部から判断するのは不可能と言えるでしょう。
実際に「動物保護団体に寄付をしたいけど、どこに寄付をしていいか分からない」、「寄付金目当ての悪質な保護団体も存在するらしいので、正当な活動をしている団体を支援したい」という声を聞くことがあります。
また、小規模で資金不足の保護団体や、保護活動で手一杯の団体の場合、寄付を求める告知や自分たちの団体のアピールが上手くいかない場合も多いそうです。
そういった支援先を選べない人々と、賢明に保護活動に取り組んでいる団体を結ぶ活動をしている組織があります。それが「公益社団法人 アニマル・ドネーション」、通称「アニドネ」です。
アニドネでは、自分たちで動物の保護をしたり、里親探しをしたりするわけではなく、そういった活動をしている保護団体の支援を行う、動物保護活動の中間支援組織として活動している団体です。
アニドネのホームページ
https://www.animaldonation.org/
アニドネの認定団体に向けた支援
アニドネが支援する団体は厳しい認定審査を通過した、アニドネ認定団体になります。審査だけでも半年近くかけて行われ、面談や現地調査を含む、綿密な調査が行われるのです。そして、認定だけで終わるのではなく、2年に1度再審査を行ったり、こまめな活動状況のチェックや毎月の報告義務をもうけたりと、厳密な運用が行われています。
アニドネの認定団体になった動物保護団体は、アニドネを通じて寄付金を受け取ることが出来るのはもちろんのこと、認定後も団体ごとに置かれたアニドネの担当者によって、イベント告知や他団体の事例を共有するなどの様々なサポートを受けることが出来ます。
また、アニドネでは認定団体の活動の「見える化」を目指し、保護活動の様子や寄付の使途を積極的に発信しています。
アニドネで保護活動をする方法
アニドネには、個人による支援、法人による支援など、様々な支援方法がありますが、ここでは個人による支援方法をご紹介します。
1.お金による寄付
- オンライン決済で寄付する
- 銀行振込で寄付する
- 賛助会員になる
- ふるさと納税で寄付する
なお、アニドネでは動物保護団体だけでなく、「介在団体」、「伴侶団体」、「啓発団体」といった分野の団体にも支援を行っています。各分野に均等に支援をすることも可能ですし、自分の応援したい分野を支援することも出来ます。
2.モノによる寄付
- 「+イイコト」で商品を購入して寄付できる
- 企業とのコラボレーション寄付に参加する
- 読み終えた本や物品を買い取ってもらい寄付をする
「+イイコト」はアニドネのホームページから企業のページへ飛び、そこでオンラインショッピングをするだけで寄付ができます。ペット関連グッズはもちろんのこと、生活雑貨やジュエリー、ホテル宿泊など選べる商品も様々で、ショッピングを楽しみながら動物福祉への貢献が可能です。
「+イイコト」のページ
https://www.animaldonation.org/various_donation/iikoto/
その他の寄付・支援への参加
- 募金箱を置く
- 募金付き自動販売機を置く
- チラシ・パンフレットを置く
- 無料で支援する(SNSでの拡散や、クリックすると寄付になるサービス、署名活動など)
- ボランティアに参加する
お金や時間に余裕がない場合でも可能なボランティアも用意されています。また、文章、デザイン、広報などの特技があれば、それらを活かしてボランティアをすることも可能です。
ボランティアの中には学生もいて、SNS発信などの分野で活躍しているそうです。
まとめ
動物愛護の法律が厳しくなれば、抜け道をつく「引き取り屋」が現れ、引き取り屋が批判されれば「保護ビジネス」が現れるといったように、動物保護の世界は延々といたちごっこを続けていくのかもしれません。
犠牲になる動物たちのことを思うと胸が痛くなりますが、常に情報のアンテナを張り、支援先は慎重に見定めて、諦めずに保護活動や支援を続けていくことが重要なのではないでしょうか。
【3分でわかる】保護猫との初日の接し方と3つのNG行為
保護猫を初めて迎え入れる時、これから始まる猫との生活にワクワクすると同時に、猫とどう接すれば良いのか不安に思っている飼い主さんも多いでしょう。
家に来たばかりの猫との関わり方は少し特徴的で、「構いすぎてはいけない」「視線を合わせてはいけない」などの独特なルールがあります。初めて猫を飼う方は、猫が嫌がることを無意識のうちにしてしまわないように注意が必要です。
今回の記事では、保護猫を飼育している筆者の実体験をもとに、保護猫との初日の関わり方の注意点や、早く家に慣れてもらうための工夫をご紹介します。
これから保護猫を迎え入れる飼い主さんは、これから猫と良好な関係を築いていくために、ぜひ参考にしてみてください。
保護猫を迎えた初日はとにかく放置!
結論から言うと、保護猫を迎え入れた1日目はとにかく放置することが大切です。
猫はとても繊細で、急な環境の変化を苦手とする生き物。1日目は特に、かなり警戒しているので、猫に構ってしまうとかえって猫の警戒を強めてしまいかねません。
猫が慣れるまで根気強く待とう
まずは、猫にとって家や飼い主さんが安全であることを認識してもらい、猫の警戒が緩んでから仲良くなる必要があります。
初めは、ご飯などの最低限の関わりに留めましょう。
慣れてきて、「ここは安全だ、この人はご飯をくれる」と認識するようになると、猫が自分から近寄ってきてくれるようになります。それまで辛抱強く待ちましょう。
様子を観察して猫に合わせよう
もちろん、猫にも性格の個体差や保護されるまでの経緯が関係することもあり、すぐに慣れて初日から遊べるような子もいます。
迎え入れた保護猫の性格に合わせて飼い主さんが距離感を合わせましょう。
保護猫を迎えた1日目のNG行動
それでは、保護猫を迎え入れた1日目のNG行為を3つご紹介します。
1. 保護猫と視線を合わせる
猫の可愛い顔をじっと見つめたくなりますが、猫同士では、視線を合わせる行為は「敵意」を示します。
猫の目をじっと見つめると、場合によっては攻撃されたり、怯えられてしまう可能性があります。
実際に、筆者は臆病な性格の保護猫を飼っていますが、家に来てすぐの時は猫と目が合うことはほとんどありませんでした。猫はずっと下を向いていて、目が合うようになるまで3〜6ヶ月ほどかかりました。
もし、保護猫と目が合ってしまったら、ゆっくりと瞬きをしてから視線を外しましょう。目を瞑っているところを見せると「敵意はないよ」と猫に伝えることができます。
2. 大きな音や声を出す
猫は人の約4倍以上の高音も聴こえるほど耳が良いので、大きな音は人よりも不快に感じます。
保護猫を迎え入れた初日は警戒していることもあり、大声や掃除機などの大きな音は極力出さないように注意しましょう。
3. 保護猫を抱っこする、体を触る
保護猫が人懐こくて自分から寄ってくる場合を除いて、抱っこをしたり体を触ることはやめましょう。
初めて会ったばかりの飼い主さんを警戒している可能性も高いはずです。もし猫から近寄ってきたら、手の匂いを嗅がせてあげたり、猫が許してくれるなら顔まわりを少しだけ触ってあげましょう。
早く保護猫が家に慣れるためにできる工夫
1. 猫が安心する狭いスペースを作ってあげる
保護猫が安心できるように、部屋に狭い隠れ場所を用意しましょう。
猫は狭い場所に好む習性があります。保護猫が入るケージに布をかけたり、猫が入っていたキャリーケースをそのまま置いておくなど、隠れられる場所を用意してあげましょう。
2. いい人認定されるために好物をあげる
猫はご飯やおやつをくれるなど、お世話をしてくれる人に良い印象を持ちます。おやつや猫の好物を給与量を守って、積極的に食べ物を与えましょう。
可能であれば、保護猫を迎え入れる前に、保護猫の好みを保護団体に聞いておくのもおすすめです。
もし好みがわからない場合は、「CIAOちゅ~る」や「猫用のカニカマ」など、定番のおやつや魚などをあげると間違いありません。
保護猫を飼うためのQ&A
最後に、初めて保護猫を飼うときに疑問に思うQ&Aをまとめました。
Q:ご飯やトイレをしてくれない時はどうする?
保護猫が初めての環境で緊張してしまい、ご飯やトイレをできない場合も多いでしょう。
2、3日ほどそっとしておき、猫の警戒が解けてくるとご飯やトイレをしてくれるはずです。もし、猫の様子が少しでもおかしい場合や、長引く場合は動物病院へ相談しましょう。
Q:お風呂はいつ入れていいの?
保護猫を迎え入れた時、匂いや汚れが気になる場合もあるかと思いますが、お風呂は猫が家の環境に慣れてきてからにしましょう。
どうしても猫の汚れが気になる場合は、拭くタイプのシャンプーシートを使うと良いでしょう。
まとめ
今回は、保護猫を迎え入れた1日目の接し方の注意点を中心にご紹介しました。
保護猫との距離感や接し方は、猫と一緒に過ごすうちに段々と身についていくので問題ありません。
しかし、今回ご紹介した以下の3つのNG行為は、初日に飼い主さんがやってしまいがちですが、猫に嫌われてしまう可能性が高いので注意しましょう。
- 保護猫と視線を合わせる
- 大きな音や声を出す
- 保護猫を抱っこする、体を触る
これから、保護猫を精一杯幸せにしてあげてくださいね。
元野良猫の食欲が旺盛すぎる!その理由と4つの対処法をご紹介
野良猫を保護して飼い始めたばかりの方は、猫の食欲の旺盛さに驚くかもしれません。
ご飯をしっかり食べるのは良いことですが、あまりにもがっついて食べていると、「どうしてこんなに食欲がすごいの?うちの猫、大丈夫?」と心配になってしまいますよね。
今回の記事では、元野良猫を飼育している筆者の実体験をもとに、元野良猫の食欲が強すぎる原因や対処法をご紹介します。
猫の食欲が旺盛すぎて悩んでいる飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
元野良猫の食欲が強い3つの理由
元野良猫の食欲が強すぎる原因は、病気以外には主に3つの原因が考えられます。
1. 野良猫時代の習性が残っているから
野良猫の世界は、いつご飯を食べられるかも分からない過酷な環境で、満足に食べられないことも多いです。そのため、食べられる時にできるだけ多く食べようという習慣がついている可能性があります。
実際に筆者が飼っている元野良猫も、飼い始めてすぐは、急いで掻き込むようにキャットフードを食べていました。
2. 冬に備えて栄養を蓄えようとしているから
猫は、冬の寒さの中で体温を維持するために、体に脂肪をつけたり、冬毛を維持したりと、あらかじめ備えをしておきます。
そのために多くのエネルギーを必要とすることから、冬前は猫の食欲が強くなりやすい時期です。
外の寒い環境で生きてきた元野良猫なら、なおさらその傾向が強いかもしれません。
3. 去勢・避妊手術によるホルモンバランスの変化
去勢・避妊手術をすると、ホルモンバランスが変化して食欲が旺盛になることがあります。
実際に、筆者が飼育しているオス猫も、去勢手術をした後から食欲が増え始めました。
一方、手術によって発情期がなくなると、活動に必要なエネルギーが減り、その分太りやすい体質になるので注意が必要です。
猫の肥満に要注意!
元野良猫に求められるがままにご飯を与え過ぎてしまうと、肥満になってしまいます。
肥満になると、糖尿病や高血圧などの様々な病気のリスクが高まり、結果的に猫が苦しむことになります。
飼い主さんは、猫の体重や年齢に合ったご飯の量をきちんと把握し、給餌量をコントロールできるようにしましょう。
次の章では、元野良猫の食欲が強すぎる時の具体的な対処法を4つご紹介します。
元野良猫の食欲が強すぎる場合の4つの対処法
1. 毎日必ずご飯を与える
先述した通り、野良猫として暮らしてきた猫は、「食べられるうちにたくさん食べておこう」という習性が備わっている可能性があります。
筆者の猫も始めはそうでしたが、毎日ご飯を十分もらえるのに慣れていくうちに、食欲や食べ方も変わっていきました。
逆に、日によってご飯を少ししか与えなかったり、食事をスキップしてしまうと、野良猫時代の習性がなかなか直らないかもしれません。
毎日適当な量のご飯をきちんと与える習慣をつけ、猫が「急いで食べなくても、ご飯を食べられるんだ」と理解できるようにしてあげましょう。
2. 冬前は、部屋を暖かくする
猫が冬の寒さに備えてたくさん食べようとしている場合には、家の中を暖かく保つことで、「そんなにエネルギーを蓄えなくてもここでは大丈夫だよ」と教えてあげましょう。
毛布や裏起毛のベッドなど、猫用の温かいスペースを整えてあげるのも有効です。
3. ご飯の回数を増やす
1日のご飯を数回に小分けにして与えることで、空腹になる時間が減り、食べ過ぎを防げます。
しかし、ご飯の回数を増やしたり、ご飯を常に置いておくことについては、胃に負担がかかるなど、賛否両論があります。猫の様子を見ながら試してみるようにしましょう。
筆者の場合は、朝と夜のご飯に加えて夜食を少し置いています。深夜になるとお腹が減って猫が鳴いてしまっていたのですが、ご飯の回数を調整することで落ち着きました。
4. フードのカロリーを下げる
ご飯の量を急に減らすと猫にストレスを与えてしまうため、カロリーを抑えたフードを選ぶことも視野に入れましょう。
筆者の場合は、去勢手術によって食欲が強まった愛猫に対し、去勢・避妊後用のキャットフード「避妊・去勢した猫の体重ケア(ピュリナワン)」を与えることで、太らないように気をつけています。
なお、それぞれの猫に適したキャットフードは、体質や持病の有無によって異なります。自分の猫に合うフードがよく分からない場合には、一度獣医師に相談してみることをおすすめします。
まとめ
今回は、飼い始めた元野良猫の食欲が強すぎる原因や対処法についてご紹介しました。
元保護猫の食欲が野良猫時代の名残や季節的な問題が原因である場合は、徐々に落ち着いていくでしょう。しかし、猫の食欲が落ち着く様子がなかったり、少しでもおかしいと感じたら動物病院に相談してください。
初めて元野良猫を飼い始めた飼い主さんは不安なことがたくさんあると思いますが、心配しすぎずに様子をみてあげましょう。
保護猫がトイレをしない!その原因と3つの対処法
保護猫が家に来たばかりだと、なかなかトイレをしてくれないことがあります。
猫が長時間トイレをしないと、「大丈夫かな?動物病院へ行った方がいいかな?」と心配になってしまいますよね。
ですが、初めての環境で猫がトイレをしないのは決して珍しいことではありませんので、あまり心配する必要はありません。
今回は、保護猫を飼育している筆者の実体験を元に、保護猫がトイレをしてくれない時の対処法をご紹介します。
悩んでいる飼い主さんはぜひ参考にしてみてくださいね。
保護猫がトイレをしない理由
保護猫を迎え入れた初日にトイレをしてくれないのは、決して珍しいことではありません。
筆者自身も保護猫を飼い始めた時に、初めておしっこをするまで2日ほどかかりました。
猫は環境の変化が苦手
保護猫に限らず、猫は繊細で環境の変化が苦手な生き物。
慣れない環境に連れてこられた保護猫は、その場所が安全だと分かるまで警戒してトイレをしないことが多いのです。
トイレをしない場合、動物病院に連れて行くべき?
2~3日様子見を
保護猫がトイレをしないからといって、すぐに慌てる必要はありません。
まずは、2〜3日様子を見ましょう。猫が家に慣れてきたら自然とトイレをしてくれるはずです。
次の章でご紹介する対処法を試しながら、猫の様子を見てあげてくださいね。
長引く場合は病院へ
4日以上トイレをしない場合や、猫の様子が少しでもおかしいと感じた場合は動物病院へ連れて行きましょう。
筆者も保護猫を飼い始めた時、うんちをする気配が3日以上なかったため動物病院へ連れて行き、潤滑剤や便秘薬を処方して貰った経験があります。
気になることや心配事があったら、動物病院の先生に相談すると安心です。
保護猫がトイレをしない時の3つの対処法
次に、保護猫がトイレをしない時の対処法を3つご紹介します。
1. 猫砂の種類をいくつか用意する
猫砂は粒の大きさや匂い、素材など様々な種類があります。
猫によって好みが別れるため、初めはいくつか用意しておくと良いでしょう。
ちなみに、猫砂を販売しているライオン商事株式会社が実施した調査では、鉱物系の猫砂を好む猫が多いことが分かりました。
猫砂で迷ったら鉱物系を選ぶと、猫がトイレをしやすくなるかもしれません。
ちなみに、トイレをいくつか用意する場合は、ダンボールにペットシートを敷いてから猫砂を入れると簡単にできるのでおすすめです。
2. 香料が少ない猫砂を選ぶ
猫の嗅覚は人間の20万倍以上もあると言われています。
そのため、人間でも匂いが強いと感じる物は、猫にとってはそれ以上に感じるでしょう。
消臭効果を強めるために香料が強く効いた猫砂もありますが、猫のためには紙系や鉱物系など匂いの弱いものを選ぶと良いです。
また、可能であれば保護猫が前に住んでいた場所の猫砂を少し貰って、新しいトイレの猫砂に混ぜておくと、猫がトイレを認識しやすくなるのでおすすめです。
3. ケージの中にトイレを入れる
猫は狭い場所を好む習性があります。
ケージなど、猫専用の狭くて落ち着ける場所を作ってあげ、しばらくそっとしておいてあげると家に慣れやすくなります。
筆者が保護猫を飼い始めた際も、猫をケージに入れて部屋を暗くしてそっとしておいたら、知らないうちにトイレをしていました。
トイレの他に、ご飯や水、爪とぎもケージの中に設置して、ケージの中で生活が完結できるようにしてあげるとなお良いでしょう。
おすすめのトイレグッズ
最後に、筆者がおすすめしたい便利なトイレやトイレグッズをご紹介します。
香料が少なくて消臭バッチリ「デオトイレ」
猫のトイレなら、幅広のデオトイレが使いやすく、匂いもほとんどしないのでとてもおすすめです。
猫砂はシリカゲル系で、砂自体の匂いもほとんどしません。
筆者の家でもこれまでに色々なトイレを試しましたが、臭いや使いやすさから3年以上デオトイレを愛用しています。
本当に匂いが漏れない「うんちが臭わない袋」
ペットのうんちをトイレに流せない自治体にお住いの方は、猫のうんちを袋に入れて可燃ゴミに出すことが多いでしょう。
猫のうんちは臭いが強いので、普通の袋では臭いが漏れ出してしまいます。
匂いに敏感な飼い主さんは、ペット用のうんち袋がおすすめです。
最近では環境に配慮した生分解性の袋も売られているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
まとめ
今回は、保護猫がトイレをしてくれない時の対処法をご紹介しました。
猫は環境の変化が苦手な繊細な生き物です。初めての家で警戒しているでしょうから、まずは早く家に慣れるように静かにそっとしておくことが大切です。
もし、家に来て2〜3日経ってもトイレをする様子がなく心配な場合は、動物病院へ相談すると良いでしょう。
気になってしまいますが、心配しすぎずにそっと見守ってあげてくださいね。
筆者が実践!保護猫が外に出たがる原因と4つの対策方法
保護猫を飼い始めたばかりの頃は、家の外に出たがって鳴いてしまうことがあります。
筆者の保護猫も、飼い始めたばかりの頃は外に出ようと鳴きっぱなしで、落ち着いてくれるまで数週間かかって大変でした。
外に出たがる保護猫に対して、飼い主さんはどのように接することがベストなのでしょうか?
今回は、保護猫が外に出ようとする原因と、実際に保護猫が外に出ようとした時に試した4つの対処法をご紹介します。
保護猫が外に出たがる3つの原因
1. 初めての環境で不安
「猫は家につく」という言葉もあるように、猫は住処に重きを置いているので環境の変化を嫌います。
急に知らないところに連れてこられた保護猫は、新しい環境に警戒しているのかもしれません。
そのため、保護猫を家に連れてきてはじめのうちは、「前に住んでいた場所に戻りたい」と思って外に出たがることがあります。
2. 初めての人と暮らすのが不安
住環境の変化を嫌うのは、保護猫に限った話ではありません。子猫の時から飼っている猫でも、引っ越しが苦手な猫はたくさんいます。
保護猫の場合はそんな住環境の変化に加え、初対面の人と急に一緒に暮らすことになるため、より大きな不安を感じやすくなります。これも、保護猫が外へ出たがる原因の一つです。
3. 外にいる異性の猫を求めている
メス猫には発情期があり、一般的には日照時間が14時間以上になる季節に発情します。
一方、オス猫には特定の発情期がなく、発情したメス猫のフェロモンに反応して発情する仕組みです。
発情した室内飼いの猫は、外にいる異性の猫に出会うために外に出ようとして鳴くことがあります。
保護猫はいつまで外に出たがるの?
保護猫が窓の外を見つめながらずっと鳴いていると、「一体いつまで外に出たがるのだろう」「いつになったら我が家に慣れてくれるのだろう」と気になりますよね。
通常、数週間〜数ヶ月で家に慣れる
家に慣れるまでの期間は猫の性格や年齢によっても変わるため、短いと1週間ほど、長いと数ヶ月かかる場合もあります。
筆者が飼っている保護猫は1〜2週間かけてだんだんと慣れていきました。
「お外より家の中の方が良いんだよ」と早く保護猫に気づいてもらえるように、住みやすい環境を飼い主さんが作ってあげましょう。
保護猫を家に慣れさせる4つの方法
1. 室内が安全で快適だと気づかせてあげる
室内が快適だと保護猫に気づかせてあげましょう。
具体的には、次のような環境を整えてあげると、猫がだんだんと安心して家に慣れてきます。
- 清潔な水やおいしいごはん、おやつをあげる
- 構いすぎず、ゆっくり過ごせる環境を作る
- キャットタワーやおもちゃを使って適度に運動させる
また、保護猫と接する際の距離感も大切です。
構いすぎず、猫から近づいてきたら撫でてあげる程度の距離感を意識しましょう。
無理に触ろうとしたり、近づこうとすると、猫を怖がらせてしまいます。猫の方から近づいてきた時だけ、構ってあげることが大事です。
2. ケージの外を自由に歩ける時間を作る
保護猫をケージに入れて飼っている場合は、室内を自由に歩ける時間を少しずつ長くしてあげましょう。
繰り返しになりますが「猫は家につく」ので、猫が住む環境を早く把握できるように、なるべくケージの外を歩かせてあげる必要があります。
もちろん、保護猫が自分からからケージの外に出るようになるまで、無理やり出してはいけません。
保護猫のペースに合わせて、ゆっくり家に慣れさせてあげてください。
3. 家の中を全て見せてあげる
猫は縄張り意識が強いので、家中の全ての部屋を把握したがります。
また、自分の縄張りの中に知らない場所があると、その不安から夜鳴きしてしまいます。
実際に、筆者が飼っている保護猫も、家中の部屋をくまなく見せてあげたら鳴き声の回数や大きさが急に少なくなりました。
そのため、家中を探検させてあげることで、猫は自分の縄張りが安全だと認識し、安心して過ごすことができるようになります。
「この部屋はあまり自由に出入りして欲しくないな」と思う場合は、探検の時間だけ飼い主さんが猫のそばについていてあげても良いでしょう。
4. 不妊手術をする
不妊手術をすると、発情期に異性の猫を求めて外に出たがることが少なくなります。
また、不妊手術は生殖器系の病気を予防したり、繁殖できないことへのストレスを減らすこともできます。
飼い猫の性別に関わらず、繁殖の予定がないのであれば不妊手術を考えましょう。
保護猫が外に出たがっても出してはいけない
もし、保護猫が外に出ようとしても、絶対に出してはいけません。
一度外に出たら、猫は縄張りを外にも作ってしまい、自分のテリトリーを確認するため頻繁に外に出たがるようになります。
そして外に出るということは、「病気や怪我」「事故」などの危険性を高めることにも繋がります。
猫の様子を見ていると外に出してあげたくなりますが、リスクを考えると心を鬼にして室内飼いをすることをおすすめします。
まとめ
保護猫が外に出ようとしてしまうことは仕方がありません。
猫が早く家を気に入って慣れてもらえるように住みやすい環境づくりをしっかりしましょう。
家が住みやすい場所だと分かってくれれば、時間はかかってもいずれは慣れてくれるはずです。
保護猫のペースに合わせて接し方や距離感なども気を配ってあげましょう。
野良猫を見つけても飼えない時の対処法と保護後のポイントをご紹介
「野良猫を保護したいけど、うちでは飼えない…」野良猫を見つけて保護したくても、家庭の事情で飼えないという方は少なくありません。そんな時、野良猫を放っておく以外に私たちにできることはないのでしょうか?
結論から言うと、野良猫を自分で飼えなくても、里親を探したり、動物保護団体に保護してもらったりと、いくらでも野良猫を守る方法はあります。
今回は、野良猫を保護しても飼育できない場合の対処法や里親の探し方、野良猫を一時保護する時のポイントをご紹介します。
野良猫を保護したらどうすればいいの?
野良猫を保護したら、まずは動物病院へ連れて行きましょう。自宅で飼えないのであれば、その後、野良猫の里親を探す必要があります。
1.動物病院へ連れて行く
一見、元気そうであっても、栄養状態が悪かったり、何らかの病気を患っている可能性があります。そのため、まずは野良猫の健康状態を獣医師に見てもらいましょう。
実際に、筆者が保護した野良猫は、元気そうに見えても「結膜炎」、「瓜実条虫症」、「軽い栄養失調」などの問題を抱えていました。
なお、動物病院へ行く前に「保護した野良猫を連れていく」と一言伝えるとスムーズに受け入れてくれます。
2.里親になってくれる人を探す
次に、里親や動物愛護団体など、野良猫を保護・飼育してくれる人を探します。
ご近所や親戚で探す方法もありますが、里親サイトを利用するなど里親の探し方は他にもたくさんあります。
保護した野良猫が素敵な飼い主さんを見つけられるように、色々な里親を探す方法を知っておくと良いでしょう。
野良猫の里親を探す方法
野良猫の里親を探す代表的な方法を3つご紹介します。
1.SNSで呼びかける
1つ目は「SNSで里親を探す方法」です。
TwitterやInstagram、Facebookで「#里親募集中」のようなハッシュタグを利用して、里親を探します。
ハッシュタグを使うことで、里親になりたい人が募集を見つけやすくなります。SNSで里親を探している方は非常多いので、実際に里親を募集している投稿のハッシュタグや内容を参考にしましょう。
2.民間の保護団体に連絡する
2つ目は「民間の保護団体に連絡する方法」です。
野良猫を見つけても飼育できない場合、保護団体に連絡すると野良猫を保護してもらうことができます。
例えば、動物愛護市民団体JCDの「ネコちゃんの終身お預かりシステム」では、様々な理由で行き場を失ってしまった猫を保護しており、あなたの代わりに新しい家族を探してもらえます。
動物愛護市民団体JCD「ネコちゃんの終身お預かりシステムについて」
https://jcdl.jp/syushin_cat.html
野良猫を保護したくても一時的にでも家に置くことが難しい方は、事前に民間の団体に相談してみてもいいでしょう。
3.里親募集サイトに登録する
3つ目は「里親募集サイトに登録する方法」です。
里親サイトでは、里親を探している人と里親になりたい人がサイトを通して直接連絡を取ることができます。野良猫を一時保護できる方は、猫のためにも、安心して任せられる人を自分で直接探してみるといいでしょう。
ペットのおうち
https://www.pet-home.jp/cats/
保健所に預けるのは最終手段
野良猫を保護したらまず「保健所に連れて行こう」と考える方も少なくないでしょう。
しかし、保健所では必ずしも引き取り手が見つかる訳ではなく、殺処分されてしまう可能性があるため、保健所に預けるのは最終手段にしてください。
環境省によると、1年間で53,342匹もの猫が保護されており、そのうち次の飼い主さんへ譲渡されたのは25,636匹です。つまり、残りの27,108匹は殺処分されていることになります。
環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
野良猫を一時保護するポイント
次に、里親が決まるまでの間、野良猫を一時保護する際に気をつけることをご紹介します。
迷い猫かどうか確認する
野良猫に首輪がついていなくても、誰かに飼われている迷い猫の可能性があります。
特に人馴れしている野良猫は飼い主さんがいるかもしれません。飼い主さんが猫を探していないかどうか、SNSや掲示板を使って確認しておきましょう。
最低限必要なものを準備する
野良猫を保護する前に、以下の最低限必要な飼育道具を揃えましょう。
- キャットフード
- 水入れ、餌置き(紙皿や食器で代用可能)
- 猫砂とトイレ
高く見積もっても5,000円程度で準備できます。
ちなみに、「猫砂とトイレ」は、猫用トイレを買わなくてもダンボールにペットシートを敷いて猫砂を入れることで代用できます。
近所に野良猫を保護したことを伝える
野良猫を室内に入れると夜鳴きする可能性があるので、近所迷惑になってしまうかもしれません。実際に、筆者が野良猫を保護した時は1〜2週間真夜中に大声で鳴いていました。
ご近所トラブルを防ぐためにも野良猫を保護したことを話しておきましょう。また、その際に里親募集について話しておくのもいいですね。里親の候補を紹介してもらうことができるかもしれません。
まとめ
今回は、野良猫を保護しても飼育できない場合の対処法をご紹介しました。SNSや保護団体、里親募集サイトなど、自宅で飼えなくてもできることはたくさんあります。
安易に保健所に連れて行くのではなく、保護した野良猫が幸せになれるように、しっかり面倒を見てくれる団体や里親を探してあげてください。