【獣医師監修】メインクーンの好発疾患と4つの健康管理のポイント
メインクーンは、世界一大きい猫としてギネスにも認定されている猫種です。小さい猫種にはない存在感と、モフモフの毛が魅力的ですよね。
一方でメインクーンには、注意したい遺伝疾患がいくつか報告されています。
今回の記事では、メインクーンの好発疾患と日常生活でできる健康管理について、獣医師が詳しく解説します。
メインクーンの基本情報
歴史
メインクーンは、北米でもっとも古い猫種のひとつとして知られています。
起源には諸説ありますが、ノルウェージャンフォレストキャットなどの北欧の猫が北米に入り、現地の猫と交配して生まれたという説が有力視されています。
また、遺伝的には不可能な組み合わせですが、体の大きさや被毛の特徴から、メインクーンはアライグマと猫の交配で生まれたという伝説も有名です。
身体的特徴
メインクーンはがっちりとした胴長の体格で、体重はオスで6~9kg、メスで3~6kg程度が一般的です。
フサフサの被毛が特徴的の長毛種ですが、実はダブルコートではなくシングルコートに分類されます。
性格
性格は明るくて人懐っこく、家族にも知らない人にもフレンドリーに接することのできる猫種です。
また、賢い猫としても知られており、犬のように投げたボールを取って来るなどのしつけが可能です。
メインクーンの好発疾患
メインクーンは、報告されている遺伝疾患が比較的多い猫種です。
どんな病気が発生する可能性があるか、事前に把握しておくことで、病気の早期発見・予防につなげましょう。
肥大型心筋症
【症状】
運動不耐性(疲れやすい)、胸水や腹水貯留に伴う呼吸困難、食欲低下、嘔吐など。血栓塞栓症を併発した場合には後肢の不全麻痺や完全麻痺、後肢の冷感などが現れやすい。
【原因】
心筋の肥大(厚くなる)によって心臓が膨らみにくくなり、一度に送り出される血液の量が減少する。メインクーンでは遺伝性が証明されている。
【備考】
肥大型心筋症と診断された後はたとえ血栓がなくても、血栓の形成予防の処置も同時に行う。
股関節形成不全
【症状】
腰を左右に振った独特の歩き方、関節炎を併発している場合には疼痛が認められる。
【原因】
過剰な体重や過剰な運動によって発症する。先天的に股関節の嵌まりが緩いことによる。
【備考】
安静にする、抗炎症薬を用いるなどの治療が行われるが、外科手術が選択される場合もある。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
【症状】
貧血、可視粘膜(歯茎など)の蒼白、頻脈、頻呼吸など。
【原因】
ピルビン酸キナーゼという酵素の遺伝的欠損によって溶血性貧血が引き起こされる。これは常染色体劣性遺伝によって伝達される。
【備考】
年齢とともに骨髄線維症と骨硬化症が進行し、造血能は低下していく。
進行性網膜萎縮
【症状】
昼盲、夜盲、徐々に進行する視覚障害、失明。
【原因】
網膜に存在する光を感じる細胞が徐々に変性することによる。
【備考】
猫の視覚を判断することは難しいが、家具にぶつかる、近くの物を目で追わなくなるなどの徴候が見られることがある。また家具は配置を覚えていることもあるため、普段とは違う場所に障害物(段ボールなど危険のないもの)を置き、ぶつからないかチェックすることも有効。
脊髄性筋萎縮症
【症状】
生後15〜17週齢で見られる後肢の虚弱と震え。その後ジャンプができなくなり、筋肉の萎縮、可動域の低下が見られるようになる。
【原因】
遺伝的に運動神経が消失することによる。これは常染色体劣性遺伝によって伝達されるため、素因がある子は繁殖には供さない。
【備考】
症状がなくても遺伝的にキャリアである可能性があるので繁殖の際には注意が必要。
メインクーンの健康管理
続いて、これら好発疾患が発生する可能性を踏まえ、メインクーンとの生活において、どのような健康管理を行えば良いのかを解説します。
1. 日頃からブラッシングを
体が大きく、被毛も長いメインクーンには、最低でも週2〜3回、抜け毛が多くなる初夏から秋にかけては1日1回のブラッシングを行いましょう。
ブラッシングによって毛玉を予防したり、口から入る被毛を減らすことで毛球症の発生を抑えることができます。
最初はスリッカーブラシやピンブラシで全体をブラッシングし、ほぐれにくい毛玉はハサミで切ります。最後にコームで仕上げましょう。
2. 熱中症に注意
もともと猫は暑さに強い動物ではありますが、被毛の長いメインクーンは熱中症にかかりやすい傾向にあります。
夏場はエアコンなどを積極的に使用し、愛猫にとって過ごしやすい空間を作ってください。
ガンガンに冷房を効かせる必要はありませんが、人間が快適だと思える室温(27度前後)を意識しましょう。
万が一、熱中症を疑うような症状が現れた場合はすぐに動物病院を受診してください。
3. 巨体でも運動できる場所を確保
大きな体のメインクーンにとって、特に室内飼いの場合では、運動量にも限界があります。
水平方向である横の移動だけでなく、キャットタワーなどを設置して、ジャンプなども取り入れた三次元的な運動ができると効果的です。
4. 理想体型の維持
体格の大きなメインクーンにとって、太っているのかどうかの判断は難しいのではないでしょうか。
猫の標準体重は、1歳の時の体重と言われています。健康診断時の際に獣医師さんに体型の状態を聞いた上で、体重を把握しておき、過度に増えすぎないようにしましょう。
また、被毛が多くて体型がわかりにくいですが、肋骨が軽く触れるくらいが理想の皮下脂肪量と言われています。ブラッシングの時など、定期的に胸の周りを触ってみてください。
まとめ
今回は、メインクーンがかかりやすい病気と健康管理のポイントを解説しました。
愛猫も生き物ですから、紹介した遺伝疾患以外にも体調を崩すことがあるかもしれません。
日常的に愛猫の健康状態を観察し続け、微妙な変化にも気付けるようにしましょう。
愛犬の呼吸が速いけど大丈夫?正常な呼吸数と考えられる病気を解説
「なんだか今日の愛犬の呼吸が速い…」と感じることはないでしょうか?
特に理由がないのにも関わらず呼吸が速い場合は、何かしらの病気が隠れていることがあります。
呼吸数はどこまでが正常でどこからが注意が必要なのか、知っておくことで愛犬の体調悪化の目安にすることができます。
今回は、犬の正常な呼吸数と呼吸が速い際に考えられる病気について、ご紹介します。
犬の正常な呼吸数
犬の正常な呼吸回数は以下の通りです。
犬の正常な1分間の呼吸数(安静時)
・小型犬:25回前後
・大型犬:15回前後
大型犬は小型犬より少なめで、子犬の場合は上記の回数よりも数回が多くなります。
また、フレンチブルドッグ、パグ、チワワなどの短頭種は、鼻孔や気管が狭いため呼吸の回数が多いです。
運動後、緊張時、暑い時などは上記よりも呼吸の回数が増えますし、特に夏場は体温調節のために少し呼吸が速くなることがあります。
このように犬種や状況によって正常な呼吸数は変化しますが、1つの目安として平常時の呼吸数が30回を超える場合は、呼吸が早くなっていると考えても良いでしょう。
犬の呼吸数の測り方
寝ている間やリラックスしている間など、安静時の1分間の胸の上下運動の回数を測ります。食後や運動後は避けましょう。
胸の上下運動が分かりづらい場合は、鼻先にティッシュペーパーを当てて揺れる回数、または、鼻先に鏡を当てて曇る回数を数える方法もあります。
正確な値を得るためにも、最低30秒の回数をもとに1分間の呼吸数を出してください。
TPRって知っていますか?
動物の体温・心拍数・呼吸数のことをTPRと呼びます。Temperature(体温)、Pulse(脈拍)、Respiration(呼吸)のそれぞれの頭文字を取っています。
獣医師は体の異常の有無を判断する際、この3つの数値を考慮することが多いです。
飼い主さんが愛犬のTPR値を知っておくことで、異変に気付きやすくなります。
先ほど呼吸数についてはご説明したので、以下では、犬の体温と心拍数の目安もご紹介します。
・体温 小型犬:38.5〜39.0℃、大型犬で:7.5~38.5℃
(子犬はこれよりもやや高く、老犬はやや低くなる傾向があります)・心拍数 小型犬:60~80回、大型犬:40~50回ほど
(子犬の場合は成犬の2倍ほどあります)
呼吸が速い時に考えられる病気
犬の呼吸が荒い際に、考えられる病気はたくさんあります。以下では、その中から5つをご紹介します。
気管支炎
ウイルス、寄生虫、ハウスダスト、タバコなどの化学物質、誤飲などが原因で起こる気管支の炎症です。咳や食欲不振が見られ、悪化すると呼吸困難が見られます。
ウイルスが原因の場合は、ワクチンによる予防が可能です。
気管虚脱
気管や気管支が潰れ、呼吸ができなくなる病気です。遺伝や肥満、加齢が原因と考えられており、中高齢犬や小型犬に多く見られます。
興奮後や首輪の状態で引っ張った際などに、ガーガーという喉鳴りが見られ、悪化すると呼吸困難やチアノーゼになります。
肺炎
主にウイルスや細菌感染によって肺胞やその周辺に炎症が起こる病気です。
咳、鼻水、震えなどの症状が見られ、悪化すると呼吸困難を起こし命に関わることがあります。
僧帽弁閉鎖不全症
犬の心臓病で非常に多くみられるのが僧帽弁閉鎖不全症です。心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が閉じることができなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
シニアの小型犬に多く発症するといわれています。
早期は無症状で、進行すると運動時などの咳、さらに進行すると疲れやすい、痩せる、呼吸困難などを起こし、命に関わることがあります。
熱中症
熱中症とは、体温上昇に伴い、脱水症状やさまざまな臓器の障害、脳や体内組織の酸欠などを引き起こされる病気です。
口を開けたまま苦しそうに速い呼吸をする、吐き気や下痢、元気消失などの症状が見られます。
こんな場合は動物病院を受診しましょう
運動後や暑いなどの理由がないのにも関わらず呼吸が正常値より速いときは、動物病院へ連れていくことをおすすめします。
また、呼吸数が正常値でも以下の様子が見られる場合は、動物病院へ相談しましょう。
- 上を向いて呼吸をしている
- 伏せることができない
- 深い呼吸が続く
- 咳が続く
- 舌の色が青い・白い
まとめ
犬の呼吸数の正常値や計測方法は、知っていて損はないため把握しておくと良いでしょう。
犬の呼吸が速いときに考えられる病気は、呼吸器官や心臓など重大な病気に繋がっている可能性があります。
少しでも違和感を感じたら動物病院に相談することをおすすめします。
日頃から愛犬の健康管理をするためにも、呼吸の観察を気にしてみてくださいね。
【獣医師監修】シニア期における犬・猫の変化と気をつけるべきこと
医術の進歩などにより人間社会が高齢化しているように、獣医療の発展によって動物の寿命も延びています。
過去には10年も生きられれば長生きであった犬が、今や15年以上も健康を保つような時代になってきました。猫に至っては20歳を超えることも珍しくありません。
寿命が延びるに当たって考えなければいけないのは、高齢化した動物に何が必要かということです。今回はシニアと呼ばれる7歳以降のペットのケアについてまとめます。
シニアにおける体の変化
まず重要なのは、加齢とともにペットの身体では何が起こるのかを理解することです。人間と似ている点もあるので、比較しながら確認していきましょう。
代謝の変化
加齢とともに、生活に必要なエネルギーは減少していきます。人間も30~40歳を境に太りやすくなることからもわかるでしょう。
これは筋肉量の減少や性ホルモンなどの分泌低下などが原因です。そのため、食事のカロリーを考慮しないと肥満になってしまうこともあります。
性格の変化
人間でも、歳を取ると性格が丸くなるなんていう話を聞きます。動物もやはり、ギラギラした性格が穏やかになることがあります。
ただし、大人しくなると言っても、元気や食欲がなくなるのは病気のサインかもしれません。また、猫において性格が攻撃的になった場合は、甲状腺の病気が疑われますので、一度検査をしてみた方がいいでしょう。
活動性の変化
外が大好きだった愛犬が散歩に行きたがる回数が減った、最近寝ている時間が増えたなどの行動の変化も、加齢によるものの可能性があります。これは代謝の変化にも言えますが、筋肉量の減少が関与しているかもしれません。
やはり、異常なほど元気がない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
シニアケアに必要な6つのこと
では実際に日常生活において、7歳以上の高齢動物に必要なこととは何でしょうか。
1.食事管理
例えば人間は年齢を重ねると、脂っこいものが食べられなくなってきたり、食事の量が減ったりします。これは動物にも当てはまり、やはり食事量は減少する傾向にあります。そのため、少量の食事でもしっかりと栄養を摂取することが必要です。
一方で、高齢動物は、一日に必要なカロリーが減ります。その子の食事量を把握し、過不足なく栄養を摂れるように調整しましょう。
高齢動物用の総合栄養食もあるので、利用してみるのもいいかもしれません。
2.運動量の調節
健康のためには適度な運動が欠かせません。しかし、年齢とともに自発的に運動する量は減少していきます。もちろん犬の場合、若い頃と同じ量だけ散歩に連れ出せばオーバーワークとなります。
シニア期の運動は、加齢によって落ちてくる筋肉量をできるだけ維持するという考え方が必要です。外に行きたがらない子や、室内飼いの猫には屋内でできる運動を考えてあげましょう。
また、寝たきりの子に対しては、人間の理学療法と同じようにリハビリやマッサージが必要です。
動物病院によっては理学療法に力を入れているところもあるので、スタッフに尋ねてみてもいいかもしれません。
3.環境の整備
筋肉量や視力の低下など、高齢動物には日常生活に支障が出る箇所もあります。
そんな動物が安心で安全な生活できるように、生活環境を考えてあげる必要があります。
ちょっとした段差を排除したり、トイレまでの距離を近くしてあげるなどして、できるだけ動物に負担がかからない環境を整えてあげましょう。
4.ストレスの緩和
若い頃には当たり前にできていたことが、歳を取るとできなくなるのは動物にとっても大きなストレスです。そのため、それらのストレスを取り除いてあげる工夫も必要です。
例えば、快適に生活できるように、環境を整備することも、ストレス緩和になりそうですよね。食事や散歩などの生活習慣を規則正しくすることも、ストレスの緩和に繋がります。
さらに、呼びかけや撫でるなどのスキンシップも有効です。暇な時間を極力作らず、ペットの喜ぶことをしてあげるといいでしょう。
5.定期的な健康診断
どうしても若い頃に比べて、腫瘍や代謝疾患などの病気が増えてきます。これら病気に重要なのは人間と同様、早期発見と早期治療です。
そのためには定期的な健康診断が大切です。7歳以上のシニア動物では、半年に一回のペースをおすすめしています。多いなと思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、動物は1年間で、人間に換算すると約4歳、歳を取ります。
つまり、動物は半年で約2歳も歳をとることになるのです。そう考えると、半年に一回というペースはそう多くはないような気がしませんか?内臓機能を評価する血液検査だけでも、受けておくと安心です。
6.認知機能の低下
動物でも、高齢になると認知機能が低下することがあります。
認知機能が低下すると夜鳴きや徘徊、排泄失敗、狭いところに入りたがる、壁に頭をつけたまま動かないなどの行動が見られます。
またこれら行動によって、飼い主さんが身体的にも精神的にも疲れてしまうことがあります。気になる方は無理をせず、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
まとめ
生き物が歳を取り、衰えていくのは仕方のないことです。それを理解し、年齢に応じた適切な環境を作ることが飼い主の義務です。
いつまでも全盛期でいてほしいのは山々ですが、衰えを受け入れ、最後まで愛情を注いであげましょう。
犬の飼い主さん必見!獣医師が教える日常の健康管理7カ条
愛犬の健康管理において、意識していることはどのくらいありますか?
食事や運動はしっかり管理しているから大丈夫と思うかもしれませんが、他にも日頃から注意すべき点がたくさんあります。
本記事では、犬との日常生活の中で注意してほしいことを、獣医師が詳しく解説します。
これから犬を飼おうとしている方へ
この記事を読んでいる方の中には、まだ犬を飼っていない方もいるかもしれません。
犬を選ぶにあたって、次の2つのポイントをおさえておきましょう。
好発疾患のリスク
血統書が付いているような純血種では、例えばダックスフントは椎間板ヘルニアになりやすいなどのように、遺伝的に好発する疾患がある可能性があります。
ペットショップなどでは遺伝的な疾患についての詳しい説明はない場合が多いかと思いますが、あらかじめ犬種による疾患のリスクを理解することは重要です。
疾患のリスクを理解しておけば、生活の中で注意すべきことも分かるはずですし、万が一病気になってしまったとしても、慌てずに対応できます。
運動量
犬種によって筋肉量が異なり、それによって必要な運動量も異なります。
家を空けることが多い場合は、多くの運動量を必要とする犬種を飼うことはおすすめしません。
その犬種が一日にどのくらいの運動が必要で、それが実現可能かどうか考えてみましょう。
日常でできる健康管理①体重管理は「食べ物+運動」
人間同様、犬にとっても肥満は重大な疾患リスクになります。
内臓疾患はもちろん、関節疾患などの対策のためにも体重管理は重要です。
標準体重はその子の骨格や体の大きさによっても異なるので、定期的に体重を測定し、大きな増減がないか確かめておきましょう。
フードの選択
ドッグフードの選択は、犬のライフステージに合わせて行いましょう。
また、避妊/去勢をしている子は体重が増えやすい傾向にあるので、カロリーを抑えた食事管理が必要です。
人間の食べ物をあげるのは絶対NG
犬にかわいくおねだりをされると、ついつい人間の食べ物をあげたくなってしまいますよね。
しかし、人間の食べ物はカロリーが高い上に、塩分や脂肪分なども多く含まれています。
もしかしたら、家族の中に犬に懐かれたくてこっそりと食べ物をあげてしまう人がいるかもしれません。
体重管理は、家族全員の協力が必要不可欠です。
適切な運動を
犬種や年齢によって、1日に必要な運動量は異なります。獣医師さんと相談しながら、適切な運動量を守りましょう。
また、雨が続く時期には、家の中で運動させるなどして、運動不足を防ぎましょう。
日常でできる健康管理②異物・毒物の誤飲を防ごう
家の中には、人間にとっては無害でも、犬にとって猛毒であり、誤飲すると命に関わるものがあります。
チョコレートやタバコ、人間の薬などを、犬の手の届くところに置いていませんか?また、プラスチックや電池などの誤飲事故も多い傾向にあります。
いたずら盛りの子犬の時期は特に、犬の手の届く範囲に余計なものを置かないようにしましょう。
ゴミ箱や机の上も注意
留守の間などは、どうしても飼い主の目が行き届きませんし、犬も暇になります。
遊びを求めて机の上のものや、ゴミ箱の中を漁るかもしれません。普段はイタズラをしないような性格の子でも、万が一のことを考えて、余計なものは片づけておきましょう。
できれば、ゴミ箱は簡単に開かない蓋つきのものにしたり、犬の手の届かないところに置いておくのが確実です。
日常でできる健康管理③フローリングや段差に注意
室内で犬を飼う場合、床の素材や段差には注意が必要です。
滑り止めワックスやカーペットを活用しよう
肉球には滑り止めの機能もありますが、それでもフローリングはとても滑ります。
変な踏ん張り方をすることによって、膝や腰に余計な負担がかかってしまい、関節炎などの骨関節疾患の原因となることもあります。
フローリングには、滑り止めワックスを塗ったり、カーペットを敷くなどしてできるだけ滑りにくくしましょう。
犬用の階段を活用しよう
大きな段差では転落の危険がありますし、小さな段差でもつまずいてケガをすることもあります。
ソファやベッドなどの大きな段差には、ペット用の階段を設置してあげると良いでしょう。
日常でできる健康管理④排泄物から異常を知る
排泄物(尿や便)は、犬の健康を知る大切なバロメーターです。
排泄物の量や色、回数などを毎日確認することで、小さな異常にも気付くことができるかもしれません。
犬は言葉が話せない分、人間側が体調不良を拾ってあげる必要があるのです。
日常でできる健康管理⑤ストレスの発散法を確保する
生活の中で、何がストレスになるのか、どんな手段によってストレスを発散するのかは、犬によって違います。
例えば、散歩が大好きでも他の犬に恐怖を覚えるような子の場合、散歩に行くにしてもコースや時間帯を考える必要があります。
家を留守にする時間が長い場合には、犬が留守番をしている間に退屈させないよう、おやつが出てくるおもちゃなどを利用したいですね。
日常でできる健康管理⑥スキンシップはほどほどに
愛犬がかわいいのはわかります。しかし、いくらかわいいくても過度なスキンシップはNGです。
特に、キスや口移しでの給餌は絶対に止めてください。
それは、犬から人間に感染症が移ることがあるからです。
特に、免疫力が低下している状態の人(子供やお年寄り、基礎疾患のある人)は、重篤化する恐れもあります。
日常でできる健康管理⑦定期的なお手入れを忘れずに
ヒトが定期的に髪や爪を切るように、犬にも定期的なお手入れが必要です。
爪・足のケア
爪や足裏の毛が伸びている状態だと、床で滑ってケガをするかもしれません。
また、爪を切らずに放置すると、いずれ巻き爪となり、足に食い込んでいきます。
歯のケア
歯磨きをしないと、歯周病など様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
できるだけ、子犬のうちから歯磨きに慣れさせておきましょう。
肛門腺のケア
お尻の横にある肛門腺(臭い腺)の分泌物を絞ってあげることも重要です。
排便とともに分泌物が出る子もいますが、特に小型犬では、上手に分泌物を排出できない子が多いです。
肛門腺に分泌物が溜まると袋が破け、肛門腺が破裂してしまいます。
これらのケアにはコツがいるため、いきなり行うことは難しいかもしれません。
慣れるまでは動物病院で一緒に練習しましょう。もちろん、不安だったらずっと病院で処置してもらうこともできます。
まとめ
犬と共に生活をするには、考えなければいけないことがたくさんあります。
犬の健康を守り、お互いに幸せな毎日を過ごせるように、日々の暮らしを見つめ直す時間があってもいいかもしれませんね。
【獣医師監修】ちょっと太り気味?愛犬のダイエットに有効な食事方法
肥満は、糖尿病や関節疾患などに深く関わると同時に、夏季には熱中症のリスクにもなりかねません。
痩せるためには運動も大事ですが、忙しくてあまり外出できない、暑すぎて長いこと外にいられないなど、運動には様々な支障もあります。
そこで、今回は肥満対策に大切なもう1つのポイント、「食事」から犬の生活を見直してみましょう。本記事では、食事による犬のダイエットについて、獣医師が指南していきます。
肥満と病気のリスク
一般に、理想体重から15%程増えた状態を肥満と評価します。ここでの理想体重とは、生後1歳齢の時の体重だといわれています。
では、肥満にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
人間にとって肥満は万病の元ですが、それは犬にとっても同様です。肥満によって、膝や腰などの関節への負担、脂肪に内臓が押されることによる内臓への負担などが危惧されます。また、全身麻酔の際にも、標準体型の犬と比較して麻酔リスクが高くなるという傾向もあります。
いざという時のためにも、体型はしっかりと維持しておきたいですね。
ボディ・コンディション・スコア(BCS)で愛犬の体型を知る
適切な体型を知る目安として、「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」があります。
これは、犬の体型を5段階もしくは10段階に分類し、体型を数値化することで客観的な体型の評価を可能にするものです。
理想の体型は、上から見たときに腰にくびれが見える、軽く肋骨が触れる程度であるBCS3(5段階)、またはBCS4〜5(10段階)です。
犬を太らせるのは人間
犬が太ってしまう原因は人間にあります。愛犬がかわいいのはわかりますし、そのかわいい愛犬に好かれたいという気持ちもよくわかります。
しかし、だからといって、食べ物をあげすぎてしまったり、身体に悪いものをあげてしまうのは愛犬のためになりません。
人間のオヤツは犬には危険?
クッキーやケーキ、アイスクリームなどの人間のオヤツを、愛犬にあげていませんか?
人間の食べ物の多く(特にスナック菓子など)は、犬にとって糖分や塩分などが多すぎます。
また、果物も意外と糖分が多いので、自然由来だからと油断して与えすぎると、肥満の原因となります。
オヤツは適切に活用しよう!
トイレや社会化のトレーニングなど、生活に必要なしつけを行う際にご褒美として与えることで、オヤツは最大限の効果を発揮します。
カロリーをきちんと計算し、塩分や糖分が少ない犬用の食べ物を適切に選び、与える量を間違えなければ愛犬との友好な関係を築くツールとなるでしょう。
その際には、家族の中でしっかりとオヤツのルールを決めておきましょう。
ただ単に「あげすぎないようにしようね」と言うのではなく、1日にあげていいオヤツの量を把握するようにしましょう。1日分をタッパーなどに入れておくことで、ついついあげすぎてしまうなどといったことが防げます。
適切な給餌量とは?
ダイエットのためには、ただエサの量を減らせばいいというわけではありません。1日にどのくらいのカロリーが必要なのか、今のフードがどのくらいのエネルギー量なのかを把握しましょう。
ダイエットしたい場合には目標体重を設定し、無理のない範囲で給餌量を決めます。体に負担をかけないよう、獣医師と相談しながら目標体重を設定しましょう。
また、途中でお腹が空いてしまい、食べ物をしつこくねだってくるようなら、1日の給餌量を変えずに食事回数を増やしてみましょう。
犬は少ない量でも、何回も貰えた方が満足度も高いと言われています。オヤツも食事も少ない量を何度も与えたほうが、満足感を与えることが可能です。
適切な給餌量を計算してみよう!
以下のサイトでは、犬の年齢と体重などを入力すると、1日に必要なカロリーの目安を計算してくれます。与えているドッグフードのカロリーを入力すれば、1日に何グラム与えれば良いかも教えてくれます。
給餌量を設定する際の参考にしてみてください。
給餌量計算ツール
https://www.ugpet.com/guide/dog/food/ingredient/calorie/calc
各社のダイエットフード
ペット用品の各会社からダイエット食が販売されています。
ドライフードなら粒の大きさ、缶詰タイプなら味などが各会社で微妙に異なるので、愛犬の好みに合わせて選んであげるといいでしょう。
ダイエット食にしないと痩せない!
中には、常食として「太りにくい」フードもありますが、これらは「痩せる」ための食事ではなく、あくまで「太りにくい」食事ですので、続けていても減量は難しいでしょう。
また、太りにくい食事に変えたのに加え、さらにダイエットだからといって単純に食事量を減らしてしまうと、栄養不足になる恐れがあります。減量を目指すには、適切なダイエット食を、適切な量、与える必要があります。
以下では、主なダイエット食を紹介します。
ロイヤルカナンの「満腹感サポート」
低脂質と高食物繊維により無理のない減量とリバウンドに配慮しています。高食物繊維が故に、腹持ちがいいのが特徴です。
また、蛋白質もしっかり配合されているので、減量しながら筋肉量の維持が可能です。
ヒルズの「メタボリックス」
メタボリックスの最大の特徴は、脂肪代謝のサポートです。
フード中の脂肪を制限するのではなく、脂肪が燃えやすい体を作る、というものです。
私は、「トクホのお茶と同じような感覚」と説明しています。粒が小さく、小型犬でも食べやすいのも特徴です。
かさ増しについて
減量の際に、キャベツやササミで食事量を増やすのも有効です。ここで忘れてはならないのが、キャベツやササミにもカロリーはあることです。
かさ増しし過ぎて、結局食べ過ぎということもよくあります。本末転倒にならないように注意をお願いします。
肥満にならないために
一昔前よりも、優秀なダイエット食が登場したことによって、肥満の改善は少し楽になりました。しかし、まずは肥満にさせないことが重要です。
そのためには日頃の生活習慣が大切といえるでしょう。適切なカロリー管理、適度な運動、ストレスのない生活などが健康を守るために必要です。
暑くて外に出られない日には、家の中でたくさん遊ぶなどして、できるだけ身体を動かすようにしましょう。
まとめ
愛犬を可愛がるあまりに、ついつい食べ物をあげてしまうこともあるかもしれません。しかしそれは、長い目で見れば愛犬のためにはなりません。
肥満は、飼い主さんの適切な健康管理によって予防・改善することができます。
動物病院で、肥満の犬を診ない日が来ることを願っています。
犬の健康をチェックしよう!見るべきポイント9つを紹介
愛犬にはいつも元気に健康でいてほしいものです。しかし、人と違って犬は自分で体調不良を伝えられないため、どうしてもわかりづらいですよね。飼い主さんが日常的に注意して観察し、些細な変化でも気づいてあげる必要があります。
この記事では犬の不調に気づくためのチェックポイントをご紹介します。日頃から健康チェックを習慣にして、病気の早期発見に役立てましょう。
日常生活での行動からわかる異変
1. 排せつ物のチェック
毎日のトイレ掃除のときに、排せつ物をよく観察し、健康状態をチェックしましょう。子犬や老犬が急に下痢をした場合、命に関わることがあるので特に注意が必要です。
若い成犬でも、慢性的な軟便で痩せてくるような場合は、必ず動物病院に連れていきましょう。
チェックポイントは以下の通り。
- 臭い、色、量、頻度
- 血便、血尿
- 便の中に虫
便秘の場合でも、自己判断で浣腸するのは危険です。異変があれば獣医師に相談しましょう。
2. 呼吸のチェック
すぐに治まる場合はそれほど心配する必要はありませんが、下記に挙げた呼吸の異変が長引く場合は呼吸器系や循環系の病気、また熱中症などが疑われます。
特に、運動をしていないのに呼吸が速かったり、ゼーゼー音が混じったりしているときは、命に関わるかもしれないので要注意です。
- 呼吸が速い/遅い
- 荒い音がする
- 舌や唇の色が変
3. 仕草のチェック
環境や生活が特に変わっていないのに、いつもと異なるしぐさをしたり、様子がいつもと違ったりする場合には注意してください。どこかに異変を抱えているかもしれません。
代表的な仕草や行動の異変としては、以下のようなものがあります。
- 落ち着きがない
- 運動したがらない
- 歩き方がおかしい
- 発作やけいれんがある
- 元気がなく疲れやすい
4. 食欲と水分補給のチェック
食欲は健康の良し悪しを表し、飲水量は腎臓の病気を示唆します。どちらも体調不良の初期症状として異変が見られることが多く、大切な指標なので、食事や掃除のときに毎回チェックする習慣をつけましょう。
- ご飯を食べない
- 水分補給をしない
- 水を飲みすぎる
体の変化からわかる異変
犬の異変のサインは行動だけではありません。体の異変は日頃から触ったり、一緒に遊んでいると気がつきやすいでしょう。体に何らかの異変が現れていないか、スキンシップするときなどにチェックすることを習慣付けましょう。
5. 目のチェック
ホコリや小さなゴミが目に入って一時的に目が真っ赤になることもあります。しかし、症状が持続するようであれば、結膜炎や角膜炎などが考えられます。
目はとてもデリケートですので、異常が見られたらすぐに動物病院に連れて行ってください。
- 目ヤニが多い
- 充血している
- こすっている
- 痛がっている
また、目ヤニの色はこちらを参照して、異常なものかどうか判断する参考にしてください。
6. 耳のチェック
耳の中に異常があると、犬は頭を振ったり耳をかいたりします。特に垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすく、病気になりやすいため注意が必要です。
- 臭う
- かゆがっている
- 痛がっている
- 汚れが多い
- 頭を左右に振る
- 出血している
犬の耳のトラブルについてはこちらをご参照ください。
https://cheriee.jp/dogs/20043/
7. 鼻のチェック
人間と同じように、くしゃみや鼻水、咳などは一時的な症状である限り、過度に心配する必要はありません。ただし、慢性的に見られるようなら、感染症などの病気の可能性があります。
- 鼻水の量、色、粘度が変
- くしゃみ、咳が止まらない
- 呼吸が苦しそう
8. 口のチェック
口に何か異常があっても、口を開けてくれているときしかわからないので見逃しがちです。しかし、口内炎や歯周病を早期に発見するために、定期的に確認してください。
- 臭う
- 出血している
- 歯石が多い
- 口腔がただれている
- 色がおかしい
9. 被毛、皮膚のチェック
体をかいたり、噛んだりしているなど、かゆみを伴うしぐさを多くする場合はノミやダニなどの寄生虫がいるかもしれません。また、アレルギーの可能性も考えられます。
- 体臭が強い
- かき傷
- 湿疹
- 赤く腫れている
- 抜け毛が多い
- ハゲている部分がある
つい気になってしまうのが脱毛。脱毛の原因は様々です。こちらの記事で犬の脱毛について詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
まとめ
「こんなに軽い症状で病院に行ってもいいの?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっとした様子の変化が重大な病気の兆候を表していることもあります。
編集部のメンバーが飼育している犬も、ちょっとの変化でも動物病院で診察してもらうようにしているそうです。片足でケンケンするように歩いていれば、上げている方の足の不調が疑われますし、下痢や食欲不振が2〜3日続くようであれば、動物病院に連れていきます。ちなみに、どの場合も何でもなかったそうな。
ただ、こうすることで、近隣の動物病院はほとんど行ったことがある場所になり、どこは何に得意なのかがわかるようになってきます。そして、最も頼れる動物病院に連れていく機会が多くなり、自然とかかりつけの動物病院を作ることができます。
日頃から愛犬の状態、行動をよく観察し、気になる変化があれば、こうして関係を作ったかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。何か重い病気や怪我をしたときでも関係が出来ている獣医師であれば、より一層、親身に診てくれることでしょう。
日々の愛犬愛猫の健康管理に。家庭で使えるペットの血圧計とは?
皆さんは、おうちで飼っている犬や猫の血圧が正常かどうかをご存じでしょうか?
もし、高血圧、低血圧の状態で放置してしまうと、網膜剥離や脳卒中になる可能性も否定できません。そうならないためにも、血圧の異常は早期発見が重要です。
しかし、ヒトの血圧計が広く市販されている一方で、犬や猫の血圧を測る機械は市販されておらず、病院にしか置いてありませんでした。最近になってようやくペット用のデジタル血圧計が一般向けに販売され、その手軽さが大きな反響を呼んでいます。
株式会社エルデ ペットの血圧計
https://www.erde.co.jp/pet/html/
この記事では、血圧異常の兆候、血圧異常により起こる問題、そしてペット用血圧計の使い方について解説します。
高血圧・低血圧は何が問題か
犬や猫の高血圧は、一般的に収縮期血圧が180〜200mmHg以上、拡張期血圧が120mmHg以上だと言われています。また、低血圧は収縮期血圧80mmHg以下、平均血圧60mmHg以下です。
ただし、特に犬においては体の大きさや犬種などの個体差も大きいため、全ての個体に当てはまるような正常の基準値はありません。愛犬・愛猫が健康なときの血圧を把握しておくことが重要です。
人間の場合も毎日計測を行い、記録を付けておくことが重要です。犬や猫においても、個体による数値のブレがありますので、毎日の計測と記録を習慣付けることで、その犬や猫にとっての正常値を把握することができるでしょう。
高血圧
なぜ高血圧になるか
腎疾患や、甲状腺疾患、糖尿病、心臓病などを患うと高血圧になってしまうケースが多くあります。つまり、高血圧の場合はこれらの病気の疑いがあるということです。
どんな兆候があるか
犬や猫の高血圧の初期症状は、眼、心臓、脳、腎臓に現れることが多いとされています。
眼: 網膜浮腫、血管の蛇行、出血、脈絡膜症、高血圧性網膜症
心臓: 心雑音、不整脈、ギャロップ音
脳: 斜頚、運動失調、抑うつ、見当識障害、痙攣発作
腎臓: 腎尿細管の変性、間質線維症
高血圧になるとどんな問題があるか
高血圧は、さまざまな症状を引き起こす危険性を高めます。主なものとしては脳卒中、認知機能障害、虚血性心疾患、心不全、腎不全、網膜症などがあります。
また、高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれる通り、兆候が分かりづらく、症状が見えてくる頃には病気が既に進行してしまっていることが多くあります。そうならないためにも定期的な血圧の測定が重要です。
低血圧
なぜ低血圧になるか
心臓病や不整脈、副腎皮質機能低下症、出血、脱水などが原因で、低血圧になっている場合が多いようです。
どんな兆候があるか
犬や猫の低血圧の兆候は行動と状態、皮膚、心臓に現れることが多いとされています。
行動と状態: 寒気、多飲多尿、筋力低下、浮腫、体重変動
皮膚: 色素沈着、皮膚乾燥
心臓: 不整脈、心雑音、過剰心音
低血圧になるとどんな問題があるか
高血圧と同様、低血圧もさまざまな症状を引き起こす危険性を高めます。主なものとして、脳梗塞、低体温症です。また、貧血により、食欲不振や呼吸困難が起こる可能性があります。
低血圧も兆候が非常に分かりづらく、症状が見えてくる頃には病状が進んでしまっていることも多いため、やはり定期的な血圧の測定が非常に重要だと言えます。
家庭で使えるペット用血圧計
日々の健康管理だけでなく、重篤な病気を予防するためにも、ペット用の血圧計はとても役立つでしょう。しかし、ペット用の血圧計は今まで動物病院にしかありませんでした。
そんななか、動物用一般医療機器として認可を取得したペットのための血圧計が登場しました。それが株式会社エルデが開発したPES-1700です。
エルデのPES-1700を使えば、住み慣れた我が家でペットの血圧を測ることができます。病院ではペットが怯えてしまい正確な数値を測れないという場合や病院に行くまでもないけどペットの血圧を把握しておきたいという方にはぴったりの商品です。
ペット用血圧計エルデのPES-1700の使い方
測定方法
使い方はとても簡単です。
専用腕帯をペットに装着し、電源を入れて測定開始ボタンを押すだけ。自動的に腕帯に空気が送られ、最高血圧/最低血圧、脈拍が測定されます。
腕帯はペットの体形などに応じて前足、後ろ足、尻尾のいずれかの付け根に巻いてください。一度装着する場所を決めたら、毎回同じ場所で測りましょう。
きつすぎるほど強く巻くことが、正確に血圧を図るための秘訣です。
結果表示
測定結果は自動的に登録され、液晶パネルで確認することができます。過去100回の測定値が保存され、表形式や折れ線グラフで見ることができます。
PC連携
また、データをパソコンに取り込んで管理できるソフトウェア「BPMeter」もPES-1700の開発元であるエルデが無料で公開しています。
取り込んだデータはペットの名前を付けて保存し、一覧表や折れ線グラフ、円グラフなどで表示したり、詳細レポートを印刷したり、CSVファイル形式で保存したりできます。保存したデータは愛犬・愛猫が体調不良で通院するときに持参するといいでしょう。
最後に
犬や猫の健康管理は、飼い主が愛するペットと長く幸せに暮らすためには必要不可欠です。その手段も多岐にわたり、ドッグフードを始めとする食に関することから日々の運動、動物病院での定期健康診断に至るまで非常に多くの方法があります。
しかし、飼い主にとって犬や猫の症状を見極めることは非常に難しいといえます。当然ですが、犬も猫も自ら体調不良を訴えたりしませんし、逆にそれを隠そうとすることさえあります。
もし、ペット用の血圧計とその計測の習慣があれば、飼い主にはもちろん、獣医師でも見ただけではわからないような異常にも客観的データにより早期発見が可能になります。そして、治療できる可能性が高くなります。ご家庭の愛犬・愛猫のために、ぜひペット用の血圧計を活用してみてはいかがでしょうか?
株式会社エルデ
https://www.erde.co.jp/
健康も心も「見える化」!?犬のウェアラブルデバイスについて徹底調査!
最近話題になっている犬のウェアラブルデバイスには、どのようなものがあるかご存知ですか?
今、最先端の技術を使ったウェアラブルデバイスが多く発売されており、その性能もさまざま。犬の健康状態がわかるだけでなく、犬の「心」までわかるものもあるのです。
そんな、まだまだ馴染みが深いとは言いがたい犬用ウェアラブルデバイスを徹底調査しました。ぜひ、愛犬にぴったりのウェアラブルデバイスを見つけてくださいね!
PETKIT FIT P2(ペットキット フィット ピーツー)
愛犬の行動がわかるアプリ
専用のスマートフォンアプリと連携して健康を記録するペット用活動量計です。 FIT P2を愛犬の首輪などにつけることで、愛犬と一緒にいられない日でも、愛犬が一日何をしているのか知ることができます。
FIT P2は、高性能な加速度センサーをもち、愛犬の活動量や睡眠時間、消費カロリーを計測します。昨日と今日の活動時間の比較や、深い眠りや浅い眠りも分けて測定できるので、非常に詳しく一日の様子や健康状態が知れると言えるでしょう。
愛犬の気分もわかる!?
さらに、これらの測定結果を元にして、気分指数や健康指数を算出します。
また、普段と様子が違い、体調が悪そうだと判断すると、アプリを通して飼い主さんに通知をする機能もついています。
こんなに便利なFIT P2ですが、その重さは8.8gと非常に軽いため、常につけていても負担にならないようになっているんだとか。
お仕事中や旅行中のように愛犬と離れていても、このデバイスがあれば、少しは安心できますね。
いぬのきもち お散歩Time(タイム)
オモチャメーカーのペットデバイス
お散歩Timeは、タカラトミーが開発した、お散歩用デバイスです。
まず、専用のアプリをお持ちのスマートフォンに入れ、犬の種類や年齢などを登録すると、その犬の適切なお散歩時間がわかります。そして、お散歩Timeを犬の首輪に装着してお散歩すると、残りの必要なお散歩時間、飼い主さんのお散歩による消費カロリーまで教えてくれます。
日々のお散歩がゲームになる!
お散歩時間に応じて、アプリでゲームを楽しむこともできます。
愛犬の情報を知ることができるだけでなく、お子さんでも楽しめる要素がそのほかにもたくさんあるので、お子さんもご一緒にお散歩を楽しむきっかけになるかもしれません。
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INUPATHY(イヌパシー)
犬の心がわかるデバイス
INUPATHYは、株式会社INUPATHYが独自に開発した、ハーネス型のウェアラブルデバイスです。このINUPATHYはなんと、犬のこころの「見える化」ができるのです。
INUPATHYを犬の体に装着すると、ベルト部分に付いている心拍センサーによって、犬の心拍の変動を解析します。その心拍の動きによって犬の感情を予測し、「リラックス」「ドキドキ」「ハッピー」「興味」「ストレス」の5パターンの感情を色で示します。
これにより、私たち飼い主が愛犬が今どのような感情を持っているのか、リアルタイムで知ることができるという仕組みです。
健康管理にも役立つ
感情を知ることができるだけでなく、装着している間の心拍データや感情データをクラウドに蓄積できるため、健康管理にも役立てることができます。
現在、INUPATHYは公式ホームページでのみ販売されており、ハーネスと本体セットで29,800円です。
ついに、最新の技術を駆使することで愛犬の気持ちがわかるようになりました。INUPATHYによって、飼い主さんと犬の絆もさらに深まっていくかもしれません。
http://inupathy.com/jp/
MAMORIO(マモリオ)
愛犬の迷子防止デバイス
最後にご紹介するのは、もし犬が迷子になってしまっても居場所を知ることができる、MAMORIOです。
こちらはもともと物の紛失防止タグで、MAMORIOが手元から離れるとBluetooth接続したスマートフォンに通知が送られ、手元から離れた場所を地図で確認できます。
これを、愛犬の首輪などにつけておくことで、迷子になってしまったとしても、どこにいるのか知ることができます。
残念ながらまだ完璧ではない
こんなに素晴らしいデバイスでも、弱点はあります。Bluetoothを使っていますが、接続可能範囲がかなりせまく、約60mほど…。
そんな時は「みんなで探す」機能を利用します。この機能を使うことで、他のユーザーがMAMORIOを付けた愛犬とすれ違うと、その時の場所と時間が通知されます。また、MAMORIO Spotの設置されている駅や商業施設に愛犬が行った際にも通知を受け取れます。
これからMAMORIOがさらに普及すればもっと迷子犬を見つけやすくなるでしょう。もちろん迷子にはさせないのが一番ですが、万が一のときのために首輪に付けておくといいですね。
まとめ
全く役割の違う、4つのウェアラブルデバイスをご紹介しました。
実際に触れ合ってコミュニケーションを取り、愛犬の状態を知ることができればいいですが、ずっとそうしていられる飼い主さんはほんの一部ではないでしょうか。
便利なウェアラブルデバイスを用いることで、愛犬との絆を深め、飼い主さんと愛犬の生活をさらに快適なものにしていきましょう。