どんな人が保護犬・猫の里親になれるの?譲渡の必要条件を徹底解説!
「保護犬、保護猫を引き取りたいけど、保健所や譲渡会はなんだかハードルが高い。」そう感じている方、少なくないかもしれません。
しかし、犬や猫を大切にできる家庭や不自由なく過ごせる環境があれば、引き取りの条件はそれほど難しくありません。
今回は、保護犬・保護猫の里親になりたいと考えている方のために、「保健所や譲渡会で里親になるための主な条件」と「里親になる前に知ってほしい注意点」をご紹介します。
団体によって譲渡条件の厳しさが異なる
保護団体によって、保護猫の譲渡条件は大きく異なります。
例えば、「留守番は4時間以内」「一人暮らし・未成年・同棲カップルは禁止」など、団体によっては、厳しい条件が課されている場合もあります。一方で、ほとんど決まった条件がない場合もあります。
ここでは、「保健所」、「里親サイト」、「民間の団体」それぞれの譲渡条件を詳しく見ていきましょう。
保健所など、公的な機関からの譲渡条件
保健所の譲渡条件は、比較的緩やかです。
各保健所のサイトを見ると、概ね下記のような基本的な飼育条件を満たしていれば保護犬や保護猫を引き取れるようです。
- 家族の同意
- 成人している
- 60歳以下(保健所によっては指定なし)
- 飼育環境が整っている
- 不妊・去勢手術の実施
- 法律や条例を守って飼えること
- 最後まで責任を持って飼育する
(各保健所のサイトより)
保健所によっても条件は異なる
しかし、保護犬や保護猫を譲渡できる年齢や独自の制限があるなど、保健所ごとに条件が異なります。
例えば、東京都で保護された犬猫の譲渡をしている「東京都動物愛護相談センター」の譲渡条件を見てみましょう。
- 原則、都内に住んでいる20歳以上60歳以下の方
- 現在、犬や猫を飼育していない方
- 家族に動物に対するアレルギーを持っている方がいないこと
- 飼うことを家族全員が賛成している方
- 最期まで責任を持って飼い続けることができる方
- 経済的、時間的に余裕がある方
- 動物に不妊去勢手術による繁殖制限措置を確実に実施できる方
- 集合住宅・賃貸住宅の場合は、規約等で動物の飼育が許されている方
- 当センター主催の譲渡事前講習会を受講している方
(引用元:「東京都動物愛護相談センター」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/douso/)
東京都動物愛護相談センターでは、年齢制限はありますが、一人暮らしでも譲り受けることができます。また、譲渡事前講習会の受講が必要で、1時間半の講習を受けに行かなければいけません。
里親サイトの譲渡条件
里親サイトから保護犬や保護猫を譲り受ける場合、「里親サイトの譲渡条件」と「保護した方の独自の条件」の両方を守る必要があります。
里親サイトの譲渡条件
「里親サイトの譲渡条件」では、譲渡のトラブルが発生しないように受け取り方法など譲渡に関する基本的なルールがまとめられています。
例えば、ペットの里親サイト「ペットのおうち」では、取引のトラブルを防ぐために譲渡や費用などが指定されています。
- 転売目的での譲受は禁止
- 受け取り方法は、手渡しのみ
- 不妊手術(去勢・避妊)に協力を求める
- 終生愛情と責任を持って育てることを誓約すること
- 受け取りに際し、誓約書に署名・捺印し、譲渡人・譲受人がそれぞれ1通ずつ保管
- 掲載情報に対し里親申し込みやお問い合わせを送信する際に、掲載者に一部会員情報(ユーザーID、ニックネーム、お住まいの都道府県)を開示することへの同意が必要
- 掲載者が一般会員の場合、交通費(実費)を除く一切の費用を支払うのは禁止
(引用元:「ペットのおうち」https://www.pet-home.jp/)
保護した方の独自の条件
また、「保護した方の独自の条件」は、犬や猫を保護して、その里親を探しているユーザーが独自に定めているルールです。
かなり細かく条件を決めている方もいれば、ほとんど条件がない方もいます。
例えば、以下のような条件があります。
- 定期的な近況報告が必要
- 2匹一緒に迎え入れてほしい
- 身分証の提示
- 完全室内飼い
- 単身者、高齢者は要検討
このように、里親サイトから保護犬や保護猫を貰い受ける場合は、里親を探しているユーザーによって条件面は大きく異なります。
NPO法人など民間団体の譲渡条件
NPO法人など民間団体には、保健所や里親サイトと比較して譲渡の条件が厳しい団体もあるようです。
例えば、「毎日長時間のお留守がある」「独身」「団体からのアドバイスを聞き入れない」などの場合は、譲渡できないとの条件を定めている団体も。
他にも「トライアル前の自宅調査」「定期報告の義務」「同居人を含めた面談」など、保護犬・保護猫を大切にして欲しいからこそ、条件面が少し厳しくなる傾向があるのかもしれません。
民間団体の譲渡条件の例として、猫の保護団体であるNPO法人「東京キャットガーディアン」の条件を見てみましょう。
- 原則として、6歳以下の子供がいる家庭への譲渡はしない
- 18歳以上で経済能力のある方
- 定期検診や獣医療の必要性を理解し、あたり前に医療を受けさせられる方
- 終生愛情と責任を持って飼育し、東京キャットガーディアンの許可なしに他人への再譲渡をしない方
- 伴侶動物としてのみ飼育し、再譲渡・販売・貸出し・展示・動物実験などに利用しない方
- 飼育について家族の同意が得られている方
- 飼育できる環境に居住している方
- 完全室内飼いを守れる方(脱走防止策が必要)
- 60歳程度の方が里親を希望する場合は、本人が万一飼育継続が出来なくなった場合に猫を引き取って終生飼育できる方の同伴と、その方にも誓約書の用意が必要
(引用元:「東京キャットガーディアン」https://tokyocatguardian.org/)
どこから保護犬・保護猫を引き取るにしても、譲渡には何らかの条件がありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
里親になる条件がない引き取り方はあるの?
公的な機関や保護猫サイト、民間団体などを経由して里親になると、譲渡条件がある場合がほとんどです。
どうしても条件がない方がいい場合は、自分で野良猫の保護したり、SNSを使って里親を探している方に直接連絡すると条件なく里親になれる可能性が高いでしょう。
ただし、保健所や保護団体が設定している条件は、ペットを健全に飼育する上で最低限必要な条件である場合が多いです。
仮に条件なしに譲渡できるとしても、飼育環境をきちんと整え、各団体が設定しているような条件を満たせない場合は飼育を考え直す必要もあるでしょう。
里親になる前に知っておいて欲しい注意点
たとえ保護犬や保護猫の譲渡条件を満たせていたとしても、実際には飼い始めてからすごく大変な思いをすることがあります。
ここからは、保護犬や保護猫の里親になる前に最低限知っておくべき注意点についてご紹介します。
1.引き取りには費用がかかる
「譲渡」と言っても、実はお迎えに費用が発生する場合があります。
保護時にワクチン代・去勢代などの費用がかかるためです。
支払いは任意とする(寄付の形をとる)保護団体もありますが、犬や猫の保護にはそれなりに費用がかかっているので、できれば支払うことをおすすめします。
保護団体によって金額は変わりますが、だいたい30,000~60,000円を見ておくと良いでしょう。
2.寝不足になる覚悟が必要
保護犬や保護猫が初めての家で緊張してしまい、夜鳴きをすることがあります。
夜鳴きが2〜3週間続くこともあるため、保護して寝不足になる飼い主さんも少なくありません。
保護団体等にあらかじめ「夜鳴きをしていたか?」を聞いておくと、夜鳴き対策が立てやすいでしょう。
3.定期報告が必要になるかもしれない
団体によっては、保護犬や保護猫をお迎えした後にメールなどで、1週間に1回や1年に1回の頻度で定期報告をしなければいけない場合があります。
報告が必要なのは、保護犬や保護猫を粗末に扱う人が少なからずいて、譲渡の際にはそれを見抜けないことがあるからです。
定期報告を求められている場合は、頻度や連絡方法など事前にしっかり確認しておきましょう。
まとめ
動物の里親になるための条件は、各団体や誰から譲り受けるかによって大きく異なります。ただし、条件が緩やかであっても、ペットの健康状態を良好に保ち、最期まで責任を持って飼育できることは、ペットの飼い主として必要な義務です。
なんとなく、「里親は条件が難しいんじゃないかな?」と思っている方も、今の状況でも条件が通る場合もあります。ペットを飼う覚悟ができた方は、まずは近くの保護施設や譲渡会に行って聞いてみると良いでしょう。素敵な出会いがあるかもしれません。
保護犬のボランティア活動とは?全体像を把握して自分なりの携わり方を探そう
犬を飼うにあたり、最近では「保護犬の里親になる」という選択肢も珍しくなくなってきたように思います。
しかし、保健所で殺処分されてしまう犬を減らすためには、里親になる以外にもボランティアとして貢献するという選択肢もあるのです。ですが、実際に「犬の保護活動のボランティアをしている」という人はまだまだ少ないのが現状ではないでしょうか。
そもそも動物の保護活動を行うボランティアには、どのような役割の人たちがいて、何をやっているのか。これらの全体像がつかめないと自分にもボランティアができるのか分からないですよね。そこで、まず犬が保護され、里親募集していく流れと、ボランティアと言われる人たちが何をしているのか全体像をざっくりご説明していきたいと思います。
保健所や動物愛護センターはあくまで一時収容をする場所
まず、迷子犬や野犬(野良犬)など、飼い主不明の犬として保健所に収容された犬たちは一定期間をそこで過ごし、飼い主として名乗り出てくる人が現れるのを待ちます。そして、もし飼い主が現れなかった場合、新たに飼い主になってくれる里親を探すことになります。
その犬の健康状態や人慣れしているか、保健所の状況などによって、保健所で直接里親募集をしたり、地域の動物愛護センターに移って里親募集をしたり、動物保護団体に引き渡されて里親募集をしたりと、その犬の状況によって、飼い主を募集をする窓口が分かれます。
保健所から犬を譲り受ける「引き出し」
いわゆる保護活動のボランティアとは、保健所から犬を引き渡してもらう団体、もしくは個人の人たちのことを指します。保健所に通い、どんな犬が収容されているのかを把握し、その犬をどうやって里親が見つけて行くかを考え、職員さんとお話しをして、里親募集のために犬を引き渡してもらうことを「引き出し」と呼んだりします。
しかし、保健所は誰にでも収容犬を引き渡してはくれません。安心して犬を任せられると判断した団体に限定していたり、ある程度の審査をしたりしているところが多いようです。そのため、引き出しというボランティアは誰でもすぐにできるという訳ではないと言えるでしょう。
「運搬」するだけでも大切なボランティアの仕事
もちろん、保健所から犬を引き出した人がそのまま里親募集をする事もあります。しかし、多くの場合は、ボランティアとしてさまざまな人が協力しあって里親探しをすることになります。
最近では、地方の保健所に多く収容される野犬の里親を都心で探すというケースが増えています。都心に住む人の方が保護犬の里親になろうと考える人が多いからです。そこで、地方の保健所から引き出した子犬を飛行機で運んだり、空港から施設まで車で運んだり「運搬」に関わる所のお手伝いをするボランティアを募集している団体も増えてきています。
保護施設だけでなく、自宅で預かるボランティアも
保護施設にいる犬たちには、毎日餌をあげたり、散歩に連れて行ったり、寝床を掃除する必要があります。そのような保護犬のお世話をするボランティアは人数が必要なので、多くの団体が常にボランティアに参加してくれる人を募集しています。
最近では、犬のお世話といっても、施設でするのではなく、自宅で犬を預かってお世話をする「預かり」というボランティアも増えてきています。たくさんの犬たちと一緒に施設にいるよりも、一般家庭で生活をしている様子をSNSなどのインターネットで情報発信し、里親募集をした方が早く里親が見つかる事もあります。
また、野犬として生きてきたため人間との生活を知らない犬にとって、里親のところに行く前に一般家庭での生活を学ぶ貴重な機会にもなります。
シャンプーやトリミング、ネット関連など自分の得意分野を活かす
日常的な犬のお世話の他にも、さまざまなボランティアとしての関わり方があります。
保護犬をシャンプーしてあげたり、毛をきれいにカットしてあげたりすると、里親希望の方がぐっと増えることがあるので、動物の専門学校などでトリミングを学んだ人やトリマーさんのボランティアは喜ばれることが多いでしょう。
また、保護犬のかわいい写真を撮ったり、SNSなどで里親募集情報を発信したり、メールなどでの問い合わせ対応、譲渡会などのイベント運営なども重要な仕事の一つです。ご自身の得意なこと、できることをボランティアとしてお手伝いしている方々もたくさんいます。
自分ができることを組み合わせてお手伝いしよう
これまでに紹介したボランディアの役割のうち、1つだけを行っている方もいますが、多くの方は複数の役割を兼ねていることが多いように思います。
例えば、ある保護団体にボランティアとして登録し、普段は週1回ぐらいの頻度で施設の犬たちの餌やりや散歩などのボランティアをしているが、子犬が来たら自宅で預かってお世話をする事もあるし、車を持っているので、たまに保護犬の運搬をすることもある、というような感じです。
団体によって考え方はそれぞれ
募集しているボランティアの役割などは保護団体によって異なります。また、施設での犬の管理方法などの考え方、里親募集の仕方なども団体によってさまざまです。まずは保護団体に問い合わせをしてお話しをしてみて、自分ができそうだと思うことをお手伝いしてみましょう。
最初は家庭で不要になった毛布やタオルを寄付したりすることから始めるのもいいと思います。ぜひ、自分のできることをできる範囲でボランティアとしてやってみてくださいね。
- 関東の主な保護団体
-
東京都葛飾区 アルマ
http://alma.or.jp -
東京都渋谷区 ランコントレ・ミグノン
https://rencontrer-mignon.org -
東京都世田谷区・神奈川県藤沢市 ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp -
神奈川県横須賀市 KANAGAWA DOG PROTECTION
http://kdp-satooya.com -
神奈川県横浜市 おーあみ避難所
http://f20km-petrescue.org
http://kdp-satooya.com -
神奈川県愛甲郡 清川しっぽ村
https://shippomura.com
ペットを飼っているなら知っておきたい!保健所と動物愛護センターの違いって?
迷子や負傷中の犬猫を保護した後、飼い主が見つからなかった場合、「保健所」や「動物愛護センター」に収容されるというのは、一般に広く知られています。
しかし、保健所と動物愛護センターは、何が違うのかはっきりとは知らないな…という方は意外と多いのではないでしょうか?
今回は、それぞれの施設のお仕事の違いと、どのように収容管理されるのか、詳しく見ていきたいと思います。
保健所とは
保健所は、厚生労働省管轄の施設で、主に「衛生」や「健康」に関わるお仕事をしています。
業務の内容をより詳しく分類すると、食品衛生、環境衛生、獣医衛生、健康管理、感染症予防などがあります。ここに書き切れないほど多岐にわたるお仕事があり、実はどれもわたしたちの身近な生活に関わっています。
飼い主のいない動物や、怪我をした動物の引き取りは、全体の業務の一部分で行われています。
場所によっては、収容を行なっているところもあります。
動物に関する業務は行わないところも?
現在、保健所の動物保護に関する業務は動物愛護センターに移行しつつあるようで、地域によっては各施設の仕事の分担が変わってきています。
東京都のように、保健所は動物の保護に関する業務を一切行わず、次に説明する「動物愛護センター」にお仕事を移行しているところもあるようです。
動物愛護センターとは
動物愛護センターとは、保健所と同じく厚生労働省の管轄で、各都道府県または中核市・政令市に設置されている施設です。
動物愛護センターのお仕事は、センターによって違いはありますが、大きく分けると主に下記の事業に分けられます。
- 動物保護事業
- 動物愛護普及事業
- 動物取扱対策事業
- 動物由来または人獣共通感染症の予防や調査をする事業
(参考:東京都動物愛護相談センター、神奈川県動物保護センター、埼玉県動物指導センターの事業概要より)
一般的によく知られているのは、「動物保護事業」の部分で、飼い主不明の動物の収容・管理・返還・譲渡・処分などが挙げられます。
動物の収容・管理だけではない
上記に4つあげた通り、動物の収容や管理だけではなく、飼い主に向けた講習会・しつけ教室や、事業者に向けた動物取扱の指導や監視、感染症の予防対策なども行なっています。
また、一般的には「動物愛護センター」としてひとまとめに呼ばれることが多いですが、実際には都道府県によって「動物保護センター」「動物指導センター」など言い回しは色々あります。
収容されてからのこと
犬猫が実際に保護されてから飼い主や引き取り手が見つかるまで、どのように収容されるのか、収容情報の確認方法などを3つの動物愛護センターを例に見ていきます。(2018年10月9日現在の各施設のホームページの情報を参考)
東京都動物愛護相談センター
飼い主が見つかるまで7日間は収容管理され、「収容動物情報」に掲載されます。
負傷している場合はこの7日間のうちに治療を施されます。
神奈川県動物保護センター
犬の場合、必ず5日間は飼養管理されます。(猫はホームページ上に明記無し)
その後飼い主が見つからない場合は、問題行動や重篤な病気などがなければ、可能な限り長く収容し、ボランティア団体などに譲渡されることもあります。
埼玉県動物指導センター
猫の場合、収容から3日間公示・インターネットに掲載されます。(犬はホームページ上に明記なし)
犬の捕獲・引き取り・返還業務は原則センターではなく保健所の役割となっています。
実際の収容動物情報を見てみると、犬・猫ともに実質7日間は収容されているようです。
犬猫を飼う人なら、他人事ではないかも
自分の飼っている愛犬や愛猫にとっても、他人事ではありません!
室内飼育で十分に気をつけていても、不意に脱走してしまい、居場所がわからなくなってしまう可能性もありますよね。
もちろん、そんなことが起きればすぐにでも行動する飼い主さんばかりだと思います。
万が一のことが起こった時に、愛犬や愛猫はどこでどのように保護される可能性があるのか?ということを具体的に知っておくことは、少しでも早く探し出すための手がかりになるかもしれません。
そのような時に備え、マイクロチップや迷子札を付けておくなど、今のうちに対策をしておく事が望ましいでしょう。
最後に
筆者自身も調べ始めてから、改めて保健所と動物愛護センターのお仕事の範囲の違いに気づきました。
筆者は猫を飼っているのですが、今まで飼い主として保健所やセンターを利用したことがありません。
猫飼いさんの場合は、迷子になったときや非常時でなければ利用する機会がなかなかないのかもしれません。
わんちゃんを飼っている人であれば、畜犬登録や予防注射などが必要なため、飼い主として保健所や愛護センターを利用する機会がもしかしたら猫飼いさんよりも多いのかもしれないなぁと思いました。
飼い主さんだけでなく、これから飼おうと思っている方にも、飼っていない方にも、ぜひ知っていてもらえたらと思います。
犬が脱走した!迷子犬を絶対に見つけるための、取るべき行動とは。
愛犬が逃げてしまった時、飼い主さんの頭は真っ白になっているのではないでしょうか。
ここでは、犬が逃げてしまった場合に、飼い主さんはまず何をするべきなのかについてまとめてあります。近年では、より有効な手段が増えてきています(SNS,アプリなど)。全てを駆使し、犬の特性なども考慮して搜索していきましょう。
周辺を探す
愛犬が脱走をして迷子になってしまった場合、いなくなってしまった場所を中心に探すことが基本です。
また、犬は時間が経てば経つほどより遠くに行ってしまう可能性もあるので、なるべく早く探すようにします。お仕事のお休みをもらったり、予定をずらしたりして、なるべくその日のうちに探せるように手配します。手伝ってくれる人を見つけられるのであれば協力をお願いして、多くの人数で探したほうがより見つかる可能性が高まるでしょう。
犬は、走り去って行った方向にそのまま歩き続けることが多いと言われています。そのため、逃げて行った方向を中心に探すのが良いでしょう。
追いかけるって、どうなの?
犬は追いかけられると逃げる習性があります。愛犬が逃げた状況にもよりますが、愛犬が逃げて行った際に、大声で追いかけると、その光景をみて、犬が「飼い主さんが喜んでくれているぞ!」と勘違いしてしまうかもしれません。その場合は、逃げれば逃げるほど飼い主さんが声を出してこっちに向かってきてくれるので、楽しくなってそのまま走って行ってしまうことも…。
犬がそのように勘違いしている場合には、追いかけることはせず、立ち止まって無視をすることが良い場合もあります。落ち着いて、状況を的確に判断できると、その時の対処が上手くできると思いますので、まずは慌てずに落ち着くことが大事です。
すぐに連絡
探しに行くことももちろんですが、連絡をすることも重要です。特に、殺処分のこともあるため、保健所への連絡は絶対にすべきでしょう。どなたかに保護をされている場合も十分にあります。その人と繋がるためには、各施設への連絡が欠かせません。
警察に連絡
法律上、犬は拾得物(つまり落し物)という扱いになります。保護してくださった方が、交番に届け出をしてくれている可能性があります。お住いの警察署はもちろんのこと、隣の地区や愛犬が行きそうな地域などにも連絡してみましょう。派出所同士で連絡をとってくれるのが一般ですが、絶対に連絡が回ってくるとも限りません。
保健所に連絡
多くの犬を飼っていない人は、迷子犬を発見した場合に「保健所」を思い浮かべる人が多いと思います。そのため、まず保健所や動物愛護センターに連絡することをおすすめします。
保健所では原則として、保護してから最短3日間で殺処分されてしまいます。保健所では「もっと早く連絡をしてくれれば、飼い主さんに引き渡せたのに」という声も多いようです。
また、数日経っても迷子犬が見つからない場合、何日かおきに連絡をするようにしましょう。確実な方法はやはり電話なので、こまめに連絡をとって確認をします。
清掃局に連絡
愛犬が迷子中に交通事故に遭い、清掃局に引き取られている可能性も、残念ながら0ではありません。住んでいる地域の清掃局に問い合わせてみましょう。
動物病院
行きつけの病院への連絡はもちろん、周辺の動物病院にも連絡をしましょう。愛犬が迷子になっている間、怪我をしている可能性もあります。親切な方が、保護した迷子犬を動物病院に連れていってくれていることがあります。
また、可能であればポスターなどを貼らせてもらい、協力をお願いしましょう。
情報収集、拡散
ポスター
近所や人が多く通る場所、よく目につく場所にポスターなどを作って貼るのも一つの手です。しかしこの時代、個人情報をポスターに書いて貼るのは危ないと考える人もいます。よく考えて、またご家族と相談をして貼るのが良いでしょう。
また、貼る場合にはきちんと許可をとって貼るようにしましょう。
SNSで
SNSを使うことで、近くに住んでいる友達から見ず知らずの人にまで、迷子犬の搜索を手伝ってもらうことができます。SNSの中でも、特に多くの人に届けることができる(拡散できる)、Twitterが迷子犬探しに適していると言えます。
友人にRTしてもらうことはもちろんのこと、迷子犬の保護について積極的なアカウントに助けてもらうことも可能です。
迷子犬に対して協力的な有名人などもいるようで、RTをしてくれる場合もあるようです。影響力のある人から拡散してもらうことで、一気に広がり、多くの人にアプローチすることができます。
アプリで
https://findog.jp/
この時代、なんと迷子犬を探すためのアプリも登場しています。半径6キロ圏内に住むユーザーに対し、迷子犬がいると言うことをプッシュ通知してくれます。犬を飼っている人も飼っていない人も、その時だけは全員がその迷子犬の飼い主のように、協力して探せることがコンセプトになっています。
実際にこのアプリを使用して、迷子犬を発見し、無事に自分の元に帰ってきたわんちゃんもいるようです。
愛犬を見つけるために
筆者も、自分がリードを持っていた愛犬が脱走をしてしまったことがあります。当時は田舎に住んでいたので、このまま山の中に逃げ込んでしまったらもう2度と会えないかもしれないと、絶望を感じたことをよく覚えています。
そうならないためにも、日々のしつけをしっかり行い、どんな時も飼い主の注意は怠らないようにしたいですね。
保護団体から犬猫を譲渡してもらうためにすべきこと5つ
家族の一員として犬や猫を迎えようと考えた時、皆さんはどのような選択をするでしょうか?ペットショップやブリーダーさんから購入?あるいは、知り合いからの譲渡や、保護犬・猫を受け入れるという選択肢もあります。
今回は、保護団体さんからの譲渡について、飼い主さんが取るべき行動や準備すべきことについてまとめました。
まずは調べよう
一口に保護団体と言っても、様々な場合があります。個人単位で行っているケースもあれば、大規模なシェルターで多くのわんちゃんを保護しているケースもあります。
まずは近隣の保護団体について調べてみましょう。保護団体にもよりますが、実際に「この家庭に譲渡しても大丈夫なのかな?」と、家まで訪ねてくる場合もあります。また、譲渡後も、様子を見に来てくれたり、連絡を取ったりすることもあります。
遠方の場合は、保護団体の方に負担をかけてしまうこともありますので、少し注意したいところです。
どうやって探す?
ほとんどの団体がホームページを持っています。まずは、GoogleやYahoo等のインターネットの検索サービスを使って調べてみましょう。例えば、以下のようなキーワードが良いかもしれません。
東京 保護犬 譲渡 団体
東京 譲渡会 NPO
あまりにも遠いと、譲渡が難しい場合があります。同じ都道府県内の団体であれば、地域を理由に断られることは少ないと考えられるため、近隣の団体から探して見ましょう。
都道府県の動物愛護センター
最近では、各自治体の動物愛護センターでも、譲渡に関する情報を積極的に発信しています。中でも東京都と横浜市は積極的で、譲渡会の開催日程等も公開されています。まずは、動物愛護センターのサイトを調べてみるのも良いでしょう。
ただし、動物愛護センターは、譲渡をする場ではなく、一時的に迷い犬や猫を保護する場でもあります。そのことを忘れないようにしましょう。
東京都動物愛護センター
http://wannyan-tokyo.jp/
横浜市動物愛護センター
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/hokenjo/genre/douai/
保護犬猫の検索サービス
現在、様々なベンチャー企業が、積極的に保護犬猫の譲渡を促進するためのサービスを開発しています。以下のサービスが代表的なものになります。ここを取っ掛かりにして、まずは譲渡を考えている犬や猫が近所の団体や個人が保護していないか探してみるのも手です。
ペットの里親募集情報 :: ペットのおうち【月間利用者150万人!】
http://www.pet-home.jp/all/
保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)
https://omusubi-pet.com/
ペットの命|可愛い犬・猫の里親募集&迷子情報サイト
https://satooya.wancat.info/
実際に会いに行こう
近くの保護団体で気になる場所が見つかったり、譲渡を受けたいという犬猫がいた場合、実際に見に行ってみましょう。
シェルターに会いに行く
保護団体の場合は、直接メール等で連絡を取り、日時の調整をすれば、シェルターを見に行くことが出来る場合があります。団体によって、規定が異なりますので、必ずホームページで調べてから連絡するようにしましょう。
いきなり行くことは避けるようにしましょう保護団体は、ボランティアの方々だけで運営していることが多く、ギリギリの人数で切り盛りしていることがほとんどです。そのため、連絡のない、突然の訪問は迷惑になってしまいます。
譲渡会に参加
直接、団体への訪問が許可されていない場合でも、譲渡会への参加は自由なことが多いです。譲渡会の日程は、各団体のホームページに記載されていることがほとんどです。半月前くらいには掲載されていることがほとんどのため、今月、来月の予定を予め確認することができます。
大規模な譲渡会の場合、動物愛護センターのウェブサイトでも公開されていることが多いので、こちらも併せてチェックすることをオススメします。可能であれば、家族全員で参加した方が良いでしょう。
もし、譲渡を考えている犬猫が決まっている場合は、譲渡会に行く前に、団体へメール等で確認をしておきましょう。譲渡会にどの犬猫を連れて行くかは、その日の犬猫の状態によって決めることがあります。譲渡会に参加しない犬猫もいますので、受け入れを考えていることを事前に伝えておいたほうが、譲渡会当日に会える確率が高まります。もし、インターネット上のサービスを使っている場合は、そちらでやり取りしている方の指示に従います。
注意したいこと
受け入れたい犬・猫を決めてから譲渡会に行く場合には、事前に以下の事を済ませておきましょう。
- 家族全員で話し合い、合意しておく
- 日々、長時間の留守番がないように計画する
- マンション等の場合は、飼えるかどうか確認する
- 経済的な余裕があることを確認する
- 何があっても最後まで飼う決心をする
実際に、犬や猫と触れ合い、譲渡を希望した段階から、審査が始まります。生き物であることをよく考え、天変地異や病気など、どんなことがあってもきちんと最後まで飼えるように、ありとあらゆる事に気を配る必要があります。一時的な感情で譲渡を希望することは、保護団体の方にも迷惑をかけてしまいます。そして何より、その犬や猫が、幸せになるはずの譲渡を遅らせることにもなるのです。
また、この頃から保護団体の方と頻繁に連絡を取り合うようになってきます。これ以降、話が進んで行った段階でお断りすることはできないと言っても過言ではありません。
トライアル
ほとんどの場合、2週間から1か月程のトライアル期間が設けられています。譲渡を希望し、保護団体との話し合いや契約が済んだら、実際に一定期間、一緒に住むことになります。この期間に、自分たちの生活に溶け込めるか、犬や猫自身が安心して落ち着いて暮らすことができるか の確認をします。
このトライアル期間は、犬や猫たちに、私たち飼い主自身も審査されているのです。とは言え、犬好き、猫好きの方なら、愛情持って普通に生活していれば、気にすることはないでしょう。特に、先住犬がいたり、小さな子どもがいる場合は、その子たちとうまくやっていけるかどうかを確認する期間でもあります。
購入ではなく、寄付
トライアルが上手く行けば、晴れて譲渡が決定します。その日から、その愛する犬や猫たちは、あなたの大切な家族の一員となります。寄付金(譲渡金)の額は設定されている場合とされていない場合がありますが、去勢・避妊手術、予防接種、トレーニングにかかる人件費などを含め、だいたい3〜4万円が相場とされています。
特に、ブリーダー崩壊や悪徳業者の現場から救出されたような犬猫の場合は、大きな病気にかかっていたり、怪我、極度に人間を怖がっていたりすることがあります。保護団体から犬猫を引き取るのは「タダ」だと思っている方も多いかもしれませんが、譲渡ができるようになるまでには、相当な時間と労力、そしてお金がかかっており、それらは全て寄付で賄われています。元気な犬猫を引き取れるのは、先に寄付をした方々のおかげでもあり、今後保護される犬猫のためにも寄付金は重要な役割を果たすことをふまえて、寄付金の支払いに理解を求めてもらえるよう、多くの団体が呼びかけています。
個人的な意見にはなりますが、少し多めの金額を寄付してあげると良いと思います。病気や年齢の問題もあり、譲渡の段階まで進めない犬や猫達も数多くいます。少しだけ多くの寄付をすることで、その子達の生活費に充てることができます。
迷惑をかけないために
もしかしたら、ペットショップに行き、一目惚れで犬や猫を飼う方が簡単かもしれません。「譲渡」という選択肢は、購入に比べると、少し多くの手間がかかります。何故なら、保護団体の人たちは「この先、もうシェルターに来る必要がない、そんな幸せな生活をずっと送ってほしい」と心の底から思っているからです。
その分、私たち飼い主に、覚悟が求められます。でも、本来、動物を飼うということはそういうことではないでしょうか。
よく考え、検討した末であれば、保護団体の側も間口を広げて、待ってくれています。もし、犬や猫を飼おうと真剣に考えている方がいるなら、譲渡を選択肢の一つに加えてみてください。幼犬や幼猫ばかりではないかもしれませんが、愛情深く育てることで、より幸せな生活が待っていると思います。