ギリシャから学ぶ!野良犬と共生する社会

動物愛護先進国というと、ドイツ、スイス、イギリスなどの国を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。これらの国は充実した動物保護施設や制度、動物に関する法律を厳しくするなどの方法で動物たちを守っています。

一方で動物愛護のイメージがあまりないギリシャですが、それら国とは違ったユニークな方法で野良犬たちの保護を実施しています。

今回は、そんなギリシャの動物保護の実情や課題などをご紹介していきます。

野良犬、野良猫と共生する街アテネ

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動物愛護に関心があれば「TNR」という言葉をご存じの方も多いのではないでしょうか。

主に野良猫に対して行われている活動で、「Trap(トラップ)=捕獲する」、「Neuter(ニューター)=不妊手術する」、「Return(リターン)=元の場所に帰す」の頭文字を取っています。
不妊手術済みであることがひと目で分かるように耳の先をカットした猫のことを、その耳の形が桜の花びらのように見えることから日本では「さくら猫」と呼ばれています。

ギリシャのアテネでは猫のTNRはもちろんですが、犬のTNR活動も行っています。アテネの街角では飼い主がいない野良犬たちが、自由にくつろいだり、じゃれあって遊んだりする姿が見られるのです。

飼い主がいない野良犬でありながら、同じ青い首輪をしていて、首輪に付いたプレートには、アテネ市が管理している犬であること、勝手に連れ去ることを禁止する旨、犬の名前などが記載されています。

野良犬を管理し見守る社会

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「野良犬を自由にさせて、危険ではないのか?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、アテネ市では次のような対策を取り、野良犬、野良猫と市民の共生を実現しています。

保護・管理

  • 路上などで保護された犬猫はシェルターで保護する
  • 予防注射、避妊・去勢手術を行う
  • ID番号や保護の履歴などがわかるマイクロチップを装着する

治療・訓練

  • 怪我や病気があればシェルターで治療する
  • 攻撃的な犬の場合は問題行動を解消するための訓練を受ける

譲渡・見守り

  • 譲渡会やアテネ市のウェブサイトで里親を募集する
  • 里親が見つからなかった場合は、路上生活で事故に合わないよう交通訓練を行い、元々生活していた場所に戻す
  • アテネ市、動物保護団体、地域住民が世話をする地域犬・地域猫となる

きっかけはアテネオリンピック

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かつてのギリシャでは、昔の日本と同じように犬猫は放し飼いにされ、不妊手術に対する意識も薄く、子供が産まれてしまった場合は里親を探す、もしくは飼育放棄をしてしまう人もいたそうです。

そんな意識に変化をもたらしたのが、2004年のアテネオリンピック。開催が決定されてから街中にいる野犬たちをどうするかが、大きな問題になりました。アテネ市役所の関係者や市議会では野犬の殺処分を反対する意見が大部分を占めており、保護する方向で議論を進めていくことになりました。

市民の中には殺処分を推進する意見もあり、そういった意見を持つ人々とは地道に話し合い、理解を得られるようにつとめたそうです。また、市内の一部地域で実施された試験的な犬のTNR活動の結果、問題行動が起きなかったこともあり、アテネオリンピック開催時までに犬のTNRが実現出来たのでした。

財政危機を乗り越えて

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軌道に乗っていたアテネの動物保護プログラムですが、2009年に起こった財政問題、いわゆる「ギリシャ危機」の影響を大きく受けてしまいます。
行政から割り当てられていた予算は10分の1に削減され、貧困から猫を捨てる人々が増え、猫のTNRにも本格的に取り組まなければならない状況に置かれました。

そんな状況をなんとか乗り越えた最大の要因として、「官民が一体となった動物保護活動」が挙げられます。

財政危機以前は保護プログラムに対する資金が十分にあったため、すでに充実した保護施設や設備が完備されていました。そして、以前は別々に活動していた動物保護団体と行政が、動物保護プログラムを通して連携して活動するシステムが構築されていたことも大きく影響しています。

ギリシャが抱える課題

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ここまで、ギリシャの首都アテネの動物保護プログラムを解説してきましたが、ギリシャ全体で見ると、まだまだ課題は多くあります。

2012年、ギリシャ政府は全国の自治体にアテネの動物保護プログラムと同様の取り組みを実施するように指示しましたが、財政危機の影響も色濃く残り、まだ全国的な実施には至っていません

しかし、外国人観光客が多く訪れるエーゲ海の島々では、そこに移住したドイツやオランダなどの動物愛護先進国と呼ばれる国の人々が主導し、TNR活動を行う動物保護団体も多く存在すると言われています。

まとめ

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野犬を保護する、法律を厳しくする以外の「共生する」という選択をしたギリシャ。日本で同じように犬のTNR活動を行うには、法律の改正や一時的な保護施設の整備、動物が苦手な人々の理解など多くの問題があり、実現するにはかなりハードルが高いと言えるかもしれません。

しかし、ギリシャのような選択をした国があると知ることは、動物愛護を考える上で深い学びになるのではないでしょうか。

また、アテネではオリンピックというきっかけがあったとはいえ、動物愛護に行政が深く関わっていることが、野良犬、野良猫と共生する社会を実現できている要因と言えるでしょう。

日本の行政にも、もっと市民や保護団体と連携を取りながら動物愛護に真摯に取り組んで欲しいと切に願います。

残酷なコピ・ルアク珈琲をめぐり檻に入れられた動物の仲間が新宿のカフェに突撃

明日、檻の中に閉じ込められたPETAサポーターが、但馬屋珈琲本店の前で抗議活動を行い、コピ・ルアクコーヒー(檻の中に一生監禁されるアジアジャコウネコの排泄物を原料とするコーヒーの一種)の販売を廃止するよう、同社に要請します。PETAアジアからの情報により、生産者が、幽閉されているジャコウネコのコーヒー豆を「野生由来」と表示し、顧客や小売業者を欺いていると知ったBongen Coffee、シーシーエスコーヒー株式会社や三本珈琲株式会社など、いくつかの日本企業が、コピ・ルアクの販売を廃止しました。

PETA上級副会長のジェイソン・ベイカーは次のように述べます。「コピ・ルアクの一杯一杯が、不潔で不毛な檻の中で苦痛を与えられたであろう繊細なジャコウネコたちの苦しみを表しています。PETAは、この不名誉な産業に対し社会に声を上げるよう呼びかけ、但馬屋珈琲本店にコピ・ルアクの販売を廃止するよう求めています」

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」で保護されている種であるにも関わらず、アジアジャコウネコたちは通常、生後6ヶ月頃に捕獲され、コピ・ルアクの生産のために、コーヒーの実以外ほとんど何も食べさせてもらえないのです。PETAアジアの調査によると、インドネシアのジャコウネコたちは、狭い、糞だらけのケージに押し込まれ、ほとんど動き回るスペースがないことが判明しました。傷口が開いていたり、常に歩き回っていたりなど、極度のストレスを示す定型的な常同行動をとる個体も少なくありませんでした。

ジャコウネコの糞が「野生由来」であるという主張は、PETAによって茶番であることが暴露されています。問屋の中には、相当量を供給することは「野生由来」では不可能だと言う人もいれば、檻飼育のコピ・ルアクではないと言う人はみな嘘をついている、と言う人もいます。ある問屋は、檻に閉じ込められた動物たちの豆を「野生由来」と表示すればよいだけだと言いました。

PETAは、そのモットーの一部「動物たちは私たちが食べるためやその他の方法で虐待するための存在ではない」のもと、人間至上主義的な世界観である種差別主義に反対しています。

詳細は、PETAAsia.comをご覧いただくか、TikTokYouTubeInstagramTwitterFacebookでフォローお願いします。

知っておきたい。ペットブームと売れ残った動物たちの行く末

皆さんはペットショップで子犬や子猫が売られているのを見て、ただ「可愛い」と思えるでしょうか。

確かに動物好きな人にとっては、犬や猫はとても可愛い存在ですが、「可愛い」の裏側には残酷な真実があるのも事実です。

今回は、人間が作り出したペットブームと、それに翻弄され、悲惨な運命を辿る動物たちがいることを、ご紹介していきます。

シベリアンハスキーの悲劇

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「ペットブームが来る度に、危機感を覚える」と、ある動物保護団体関係者は言います。その理由はブームで飼育頭数が増えることにより、捨てられる動物も増えるためです。

1990年前後、人気漫画の影響でシベリアンハスキーブームが起こりました。しかし、シベリアンハスキーは元来ソリ犬で非常に体力があるため、かなりの運動量が必要です。また、あまりトレーニング向けの犬種ではないため、しつけが難しいとされています。

運動不足のストレスや不十分なしつけにより、問題行動を起こす犬が増えていったことは想像に難くありません。

犬種の特徴を知らずに飼った人が飼育放棄し、当時の保健所には数多くのシベリアンハスキーがいたとも言われています。

ペット産業が危惧する猫ブーム

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2010年代、猫が駅長をしている姿が話題になり、空前の猫ブームが起こりました。2017年以降は猫の飼育頭数が犬を上回っています。

しかし、一部のペット産業は飼育頭数が猫の方が上回ったことに危機感を覚えているそうです。なぜなら「猫は犬よりお金にならない」からだと言われています。

一般社団法人「日本ペットフード協会」の2020年の調査によると、犬の飼い主が1ヶ月にかける費用は平均で約13,843円。それに対して、猫の飼い主が1ヶ月にかける費用は平均で約8,460円となっています。(どちらも一頭だけで飼っている場合。医療費を含む。)

また、ペットの入手先も犬の場合は「ペットショップ」が1位で50.9%に対し、猫の場合は「野良猫を拾った」が1位。「ペットショップ」での購入は3位で16.0%になります。

このような点から、猫ブームはペット産業が潤わない構造になっています。

参考:
令和2年 全国犬猫飼育実態調査|全国犬猫飼育実態調査|一般社団法人ペットフード協会

高齢者をターゲットに情報発信

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お金になる犬ブームを復活させたい一部のペット産業は、高齢者に向けて「犬を飼うことで健康寿命が伸びる」という情報を定期的に発信しています。確かに、犬を飼うことが高齢者の心身の健康に与える影響は大きいでしょう。

しかし、飼い主の高齢化による犬の飼育放棄という問題も一緒に考えられているのでしょうか。ある動物保護活動家は、犬猫の保護理由として「飼い主が高齢化し、飼えなくなった」が圧倒的に多いと言います。

売れ残ったペットたちはどこへ

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環境省が動物取扱業者に対象に行ったアンケート調査によると、ペットの売れ残り率は犬が4%、猫が7.1%とされています。売れ残った犬・猫の引き取り先として多いのは「生産業者(ブリーダー等)に譲渡・販売」、「動物業者(小売業者等)に譲渡・販売」で、全体の5割を超えています。

しかし、これらはアンケートの結果であって、実態調査ではありません。また、行き場のない犬・猫たちが業者間で何度も転用・転売され、最終的な行き先が不透明になっているという問題もあります。

参考:
動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について

「引取り屋」という闇のビジネス

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「引取り屋」とはペットショップやブリーダーなどから金銭を受け取って、売れ残った動物たちの飼育をしていく業者です。実態としては劣悪な環境で、病気になってもケアされることもなく、生涯を終えるまで狭いゲージの中で動物たちは過ごします

ペットショップのように犬猫を販売する場合は「第一種動物取扱業(販売)」、ペットホテルのように金銭をもらって預かる場合は「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要ですが、引取り屋のように「単に動物を譲り受けるだけ」であれば、登録は必要がなく、法律の網の目をかいくぐることができ、行政が介入しづらいのが現状です。

参考:
「僕みたいな商売必要でしょう」ケージに糞尿が堆積、緑内障で眼球が突出…売れ残った犬猫を回収する“引き取り屋”の言い分 | 文春オンライン

多発した犬の大量遺棄事件

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2012年9月5日に公布された改正動物愛護管理法(2013年9月施行)では、自治体が業者から犬猫の引き取りを求められても、「相当の事由」がなければ拒否できると明文化されました。

しかし、その後の2014年~15年には犬の大量遺棄事件が頻発しています。
業者の中には「自治体に引き取りを拒否されたら捨てればいい」と考える人間もいるようです。また、不要な犬は安楽死させたり、庭に埋めたりする業者もいるとのこと。事件になったケースは氷山の一角といえるでしょう。

参考:
小型犬遺棄、全国で220匹 繁殖適さず不要に | 日本経済新聞

最後に

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動物を愛する人にとって、今回は辛い内容の記事だったかもしれません。ただ、こういった現実に対して私達が出来ることは、まず「知ること」なのではないでしょうか。

近年、ペットショップ側も「老犬ホームで終生飼育する」、「売れ残った動物の里親探しをする」、「大きくなった犬に基本的なトレーニングをし、販売する」など、売れ残った動物のために対策を取っている会社もあります。

そういった会社が出てきた理由には、人々がペット産業を知り、問題点を指摘し、動物愛護の世論を作ってきたことが、大きく貢献しているのではないでしょうか

ドッグトレーナーが語る!動物と人の幸せのために出来ること

「動物と人が互いに幸せに暮らすために出来ることは何だろう」
これは動物を愛する方々にとっては、永遠のテーマかもしれません。

この難しいテーマについて、愛媛県松山市で家庭犬の出張トレーニングをされている、ドッグトレーナーの西森裕晃(にしもりひろあき)さんにお話を伺いました。
犬の飼い方についてのアドバイスや西森さんの動物愛護活動への取り組みなどご紹介していきます。

犬の飼う人たちに向けたアドバイス

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犬を飼う前に考えて欲しいことは何ですか?

犬は生き物ですから、もちろん最後まで責任をもって飼うことが一番重要です。
他には、犬の流行りや見た目の好みで犬を選ぶ人がいらっしゃると思いますが、飼う前に考えて欲しいのは、ご自身の生活スタイルについてです。家族構成や生活のリズム、留守番の時間などを考慮して、犬種を選んで欲しいですね。

僕のお客さんでも、ご夫婦二人暮らしの方ですが、共働きで非常に忙しく留守がちのお宅で、留守番が苦手で運動量も多い犬を飼ってしまった方がいたんです。留守番の寂しさや運動不足から物を破壊してしまうなどの行動を起こしてしまい、飼い主さんが困って僕の所にご相談にいらっしゃいました。

こういった飼い主さんのライフスタイルと犬種の特徴がマッチしていないと、ストレスが原因の問題行動も出やすくなるんです。

犬を迎えた時に気を配って欲しいことは何ですか?

犬を飼いたくて、やっと飼えたような状況だと、可愛くてついついかまってしまいますよね。ただ、犬の視点からすると、ペットショップやブリーダーなどの前にいた場所からガラッと環境が変わって、とてもストレスが溜まる時なんです。可愛くても1~2日は静かにそっとしておいてあげて下さい。

新しい環境で食事や排泄がちゃんと出来るようになったら、可愛がってあげて絆作りや信頼関係を形成していく段階に入って下さい。

子犬を迎えた時にやっておきたいトレーニングはありますか?

子犬から飼った場合は、パピートレーニングに通うことをおすすめします。パピートレーニングではいろいろな物や環境に慣れさせる、社会化トレーニングを主にやっていきます。

子犬が社会を学ぶという面もありますが、飼い主さんの知識が深まり、犬に対する接し方も上手になるので、パピートレーニングに来てくれた犬とそうでない犬を比べると、その後の生活のしやすさが大きく変わってくるんですよ。

成犬になってから出来ること、気を付けたいことはありますか?

成犬になってからも社会化のトレーニングは大事ですね。子犬よりも慣れるスピードは早くありませんが、いろいろな場所に連れていったり、いろいろな状況に慣れさせたりすることは、犬と暮らしやすくする上で、とても重要です。

あと、どうしても僕が気になってしまうのは、犬をそのまま車に乗せて移動する人です。急ブレーキをかけた場合、犬がケガをするリスクは、とても深刻なものになります。車で移動する場合は、キャリーケースやクレートに入れて欲しいと思っています。

動物たちが幸せに暮らすには

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動物の幸せのために飼い主が出来ることを教えて下さい。

まずは、犬や猫たちの習性を知って、知識をつけることだと思います。その上で、知識だけで終わるのではなく、自分の中でしっかり解釈して、実生活で行動に移していくことが重要なのではないでしょうか。
あとは、動物を擬人化せず、動物の気持ちを考えながら暮らしていって欲しいと思います。

捨てられる動物が減るために、私達が出来ることを教えて下さい。

まずは、きちんとした繁殖管理をすることですね。子供を残すことを望まないのであれば、避妊・去勢手術をすることが大事です。どうしても避妊去勢をしたくない場合は、望まない出産を避けるため、犬猫の行動管理の徹底をして欲しいと思います。

そして、飼育放棄は絶対あってはならないことです。そのために犬の場合は、やはりご自身の生活環境にあった犬を選んで欲しいと思います。
犬が言うことをきかなくて捨てる人もいるんですが、言うことをきかないと犬を責める前に、「自分はちゃんと犬に教えたのか」という視点で考えて欲しいですね。

西森さんがされている動物保護活動について教えて下さい。

以前は松山市の保護犬団体のお手伝いで、譲渡会で譲渡される犬をシャンプーするボランティアを行っていましたが、新型コロナウイルスの影響でボランティアをする側にも人数制限が設けられるようになり、今は思うように活動が出来ず残念に思っています。
犬の殺処分の現場にも立ち会って、辛かったですが現実を知ることが出来ました。

西森さんのホームページでは、動物愛護センターに収容された犬たちのありのままの姿を発信されています。

西森さんの愛媛県動物愛護センターのレポート
http://westwoods.ftw.jp/u64256.html

四国は犬猫の殺処分数が多い傾向にあると聞きますが、現状を教えて下さい。

犬の場合は、かつては野犬が多かったんですが、動物愛護センターの方々の尽力で、だいぶ減ってきたように思います。
猫の場合は、四国には漁港が多く、エサが豊富なため、そこに住み着く猫が多い傾向にあります。猫が増えることによって、殺処分をされる確率も上がりますから、まだまだ課題が多い問題です。

愛媛県の動物愛護センターでは、職員さんの日常や動物に対する思いを書いた本を出版しています。児童向けの本ですが、動物が好きな人ほど読むことが辛くなる内容かもしれません。しかし、目を背けてはいけない現実だと思います。

シェリーの読者さんへ

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シェリーの読者さんに向けたメッセージをお願いします。

シェリーのような情報サイトで動物のことを学ぶことだけでも、僕はとても素晴らしいことだと思います。情報のアンテナを張っている人と、そうでない人では、動物との暮らし方が全然違ってきますから。

難しいのは、アンテナを張っていない人に向けて、どうやって情報を発信していくかです。それは僕もシェリーのようなメディアの方も一緒の課題ですね。

最後に

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ご自身も、犬が大好きな猫のもみじ君と、訓練競技会で入賞するほどの実力を持つシェパード犬のメイプリーちゃんと暮らす、動物愛にあふれる西森さん。そして、単に動物が可愛いというだけではなく、動物愛護にも真剣に取り組まれている姿勢が印象的でした。

お話を伺いながら、改めて「動物と人の幸せ」について、考えさせられるインタビューでした。

ドッグトレーナー西森さんのホームページ
http://westwoods.ftw.jp/index.html

ヴィクトリー! PETAの働きかけで国内のコーヒーショップが、“残酷なコーヒー”「コピ・ルアク」の販売を廃止

東京/大阪 – 大阪のやぶ珈琲、東京のボンゲンコーヒー、宮崎のAWAインターナショナルは、 PETA の連絡により、一生檻で飼育されるアジアジャコウネコの排泄物を原料とするコピ・ルアクの購入と店舗での販売を停止することに同意しました。また、別の5社(シーシーエスコーヒー株式会社コーヒーメール、OSC 社の lala3/kii、株式会社ワイドシステム暮らしの幸便いつもショップ三本珈琲株式会社)は、ウェブサイトからこの残酷な製品を静かに削除しました。


今回の決定は、数々のPETAアジアの調査により、インドネシアのジャコウネコが、ほとんど動くことのできない、糞尿だらけの小さな檻で飼育されていることが明らかになったことを受けたものです。傷口が開いたままである場合や、常に歩き回っているなど極度のストレスを示す常同行動をとるジャコウネコも多いのです。彼らは、コーヒーの実を多く含む食事、もしくは、コーヒーの実だけの食事を与えられ、その糞から作られるコピ・ルアクは法外な値段で売られています。国内での販売店舗が未だ50もあることからも日本がこのコーヒーの最大の市場の一つであることは明らかです。 PETAは、生産者は飼育されているジャコウネコのコーヒー豆を「野生由来」と偽って表示し、顧客や小売業者を欺いているということを複数回確認しました。

PETA 上級副会長のジェイソン・ベイカーは次のように述べます。「繊細な動物を不潔な檻に閉じ込め、肉体的・精神的苦痛を強いてまで飲むコーヒーに価値はありません。 PETA は、この卑劣な商品の販売を拒否したこれらの店舗を賞賛し、全てのコーヒー愛飲者に、動物への残酷な行為をきっぱり断るためにコピ・ルアクを決して購入しないよう呼びかけています。」

アジアジャコウネコは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」で保護されている種であるにもかかわらず、通常、生後6か月頃に捕獲され、コピ・ルアク生産のためにコーヒーの実以外にはほとんど何も食べさせられません。PETAは、排泄物の中に動物を閉じ込め、ストレスを与えることは、人獣共通感染症の温床になると指摘しています。致死率15%といわれるSARSは、ジャコウネコから人間に感染したものです。

PETAは、そのモットーの一部「動物はいかなる場合も虐待する対象ではない」のもと、 人間至上主義的な世界観である種差別に反対しています。 PETA の調査報道に関する詳細は、PETAAsia.comをご覧いただくか、 Twitter,  Instagram,  Facebook, TikTok をフォローしてください。 

連絡先:
今井レイラ 090-9204-6805; LailaI@PETAAsiaPacific.com
小林高太郎 090-3708-6389; KotaroK@PETAAsiaPacific.com

【ニュース】まるでペットの福袋?中国で流行中の通販で批判続出

日本では年始によく見かける福袋。袋を開けたときのワクワク感が楽しく、毎年買っているという人も多いでしょう。

ネット通販が普及している中国では、この福袋のような、届くまで中身がわからない「ブラインドボックス型」のおもちゃを購入するのが流行しています。しかし、信じがたいことに、ペットのブラインドボックスがネットで販売され、物議を醸しています。

この記事では、中国におけるペット事情と、近頃流行しているペットのブラインドボックスについてお伝えします。

中国のペット事情

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ペットブームが続いている中国では、アメリカに次いで世界第2位の規模を誇っています。人口の約5%がペットを飼育しているといわれており、14億人を抱える中国にとってその数は7000万人にも及びます。

もともと、中国においてペットを飼うことは非常に贅沢なことであるとされ、毛沢東の時代にはペットを飼うこと自体が禁止されていました。その後、子供が独立した夫婦を中心に、寂しさを埋めるためにペットを飼い始める人が増えました。

最近では、生活に余裕が出てきた20代から30代の若年層を中心に、職場でのストレスや出稼ぎによる孤独感を解消するために飼い始める人が増えています。

中国における動物愛護

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中国では1988年に野生動物を対象とした「野生動物保護法」が制定されましたが、ペットなどの飼育動物を保護する法律は存在していません。

2014年には上海で多くの猫が殺害された事件がありましたが、現行法では罪に問うことはできませんでした。国内外からの批判もあり、これまでに何度か動物愛護法案が浮上していますが、未だ法整備がされていないのが現状です。

犬食文化

中国では昔から犬の肉を食べる文化があり、年間約1000万〜2000万匹の犬が食されていると考えられています。しかし、時代の変化とともに犬は「モノ」から「パートナーや家族」へと変化していき、今では中国国内でも犬食に反対する声が高まっています。

2020年には、深セン市がいち早く、犬や猫の肉を食べることと、それらの肉の商取引を法律で禁止しました。

そして同年、中国農業農村部が「犬は伝統的な家畜からパートナーへと変化した」ことを理由に、食用とされている野生動物のリストから犬を除外し、犬食を禁止しました。

ペットのブラインドボックス

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「ネット通販」と「ブラインドボックス」、「ペット」という3つ要素が組み合わさって生まれたのが、今回問題となった「ペットのブラインドボックス」です。

ペットのブラインドボックスは2つの根本的な問題を抱えています。

1.ペットを宅配便で輸送すること

中国では宅配便などで生きた動物を輸送することは法律で禁じられていますが、ネット通販サイトではペットが販売され、購入する人も少なくないようです。

箱詰めされたペットは狭い場所に長時間閉じ込められ、餌ももらえません。輸送の過程で糞尿にまみれてしまったり、体調を崩してしまったりすることも珍しくありません。箱の中で頭を固定させられたり、梱包材でぐるぐる巻きにされた犬の映像もニュースで流れたことがあります。

昨年には、箱に入れられた5000匹以上のペットが、餌も水も与えられずに一週間ほど放置されたという痛ましい事件も起こっています。これは、配送業者が大手配送業者に引き渡す際、生きた動物を配送しないというきまりを守った大手配送業者が引き取りを拒否したために放置されたことが原因です。

2.どんなペットが届くのかわからないこと

ブラインドボックスはその性質から、どんな動物が届くかはわかりません。犬や猫などの動物の種類の指定はできるとのことですが、種類や大きさ、年齢なども選べないため、期待していたものと違ったということもあるでしょう。

もちろん、どんな動物であっても責任を持って飼うと決めてブラインドボックスを注文する人もいます。しかし、気に入らないペットが届くと、捨てたり、送り返したということも実際に起こっています。

また、売れ残ったり病気の動物が送られてくることもあり、ペットのブラインドボックスを利用することは、悪質なブリーダーに加担することにもなります。

中国国内の反応は?

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ペットのブラインドボックスを利用する人がいる一方で、中国国内でも、「人間のやることではない」と批判が高まっています。

利便性や届いた時のワクワク感は確かにあります。しかし、若者を中心に動物をモノのように扱うことに嫌悪感を抱く人は多くいます。

すでにお伝えしている通り、現在の中国ではペットの命を奪ったとしても罪に問われることはありません。国内の動物愛護団体も強く抗議しており、一日でも早い法整備が望まれています。

最後に

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ペットを飼いたいと思うのであれば、足を運び、自分の目で見て、触れ合ってからお迎えするべきでしょう。
中国では、ペットが劣悪な環境で宅配されたり、どんなペットか分からない状態で届けられるなど、私たちが考えている以上に、ペットの命が軽く考えられていることを知り、ショックを隠しきれません。

一方で、日本のペットショップにおける生体販売等も諸外国からは批判されており、改善しなければいけない点はたくさんあります。

動物を人間のペットとして扱うこと自体が人間のエゴであることは間違いないでしょう。しかし、ペットを飼う文化を認める以上は、少しでもペットの苦痛を軽減させられるよう、私たちが考えていかなければいけません。

あなたは大丈夫?知らない間に「ペットハラスメント」していませんか?

みなさんは「ペットハラスメント」という言葉を聞いたことはありますか?

「パワハラ」や「セクハラ」といった○○ハラスメントという言葉が広く認知されるようになりましたが、中にはあまり聞きなれない名前のハラスメントもあるかもしれません。

今回は、ペットを飼っている人に特に知ってもらいたい「ペットハラスメント」についてご紹介いたします。

ペットハラスメントとは

ペットハラスメントとは
「ハラスメント」とは、いろいろな場面での「嫌がらせ、いじめ」のことです。

ペットハラスメントには大きく分類すると、以下の2種類があります。

  1. 他者へのペットを通してのハラスメント
  2. ペットに対してのハラスメント

一般的には前者を指す場合も多いようですが、後者も広義の意味でペットハラスメントに含まれると言われています。

他者へのペットハラスメント

他者へのペットハラスメント

ペットを飼っている人の中には、無意識のうちに「みんなペットを好きに違いない」という考えや、「うちの子なら大丈夫」という気持ちになってしまうことがあります。

しかしこの世の中には、どうしても動物が苦手な人や、過去にトラウマがあって見ることも触ることも辛い人など、さまざまな人がいます。ペットを通して、動物が苦手な人やそうでない人であっても周りの人にとって迷惑になるような行為はすべて「ペットハラスメント」に当たります

例えば、あなたは以下のような行為をしていませんか?
「私は十分に気をつけているから大丈夫!」と思っていても、もう一度確認してみましょう。

他者へのペットハラスメント① 長すぎるリード、ノーリードで散歩

犬が怖いと感じる人は、散歩中の犬のリードが長すぎたり、ノーリードで歩いていたりすると、「自分に襲いかかってくるのではないか」と不安になります。

犬を自由に歩かせたい気持ちはわかりますが、リードを離すのはドッグランなど犬が自由に走り回っても良いところだけにし、散歩中はしっかりとリードをつけましょう

他者へのペットハラスメント② トイレマナーを怠る

お散歩中、ペットの排泄物を持って帰らなかったり、おしっこをそのままにしておいては、他の人が嫌な気分になります。時にはご近所とトラブルになることも。

私はきちんと水で流しているから大丈夫だと思っていても、実はそれだけでは足りないケースもあります。そもそもペットに外で排泄させること自体、都市部ではNGとされるようになってきています。

犬の散歩中のトイレマナーについては、さまざまな意見があります。詳しくは以下の記事をご参照ください。

犬の外トイレはアリ?ナシ?人間と犬の共生社会を考える

他者へのペットハラスメント③ 他者に向かって吠えさせる

ご近所さんとの問題にもなりやすいのが騒音トラブル。大きな音が苦手な人や、犬を飼ったことのない人は嫌な思いをしているかもしれません。

吠えは、なくすことが難しい面もありますが、しつけによって改善できる可能性も高いです。幼い頃からしつけを行い、それでも無駄吠えがなくならない場合にはしつけ教室に通ったり、ドッグトレーナーに相談するのも一つの手でしょう。

他者へのペットハラスメント④ 他者に飛びつかせる

特にペットが苦手な人にとっては、ペットに飛びつかれることはものすごく恐怖を感じます。ペットにしてみれば、はしゃいでいるだけかもしれませんが、相手の人は怖い思いをしているかもしれません。

愛犬の様子を注意深く見ながら、相手に飛びつかないように飼い主さんが制御しましょう。

他者へのペットハラスメント⑤ 野良犬・野良猫への餌付け

野良犬や野良猫に餌をあげることもハラスメントになります。糞尿による被害もありますが、そこヘまた多くの野良犬・猫が集まってきてしまったり、繁殖しすぎてしまうなど、徐々に地域の深刻な問題へと発展していく可能性があります。

かわいそうだという気持ちはわかりますが、野良犬や野良猫を発見したら、餌をあげるのではなく、まずは近くの愛護団体や獣医師に相談してみましょう。

ペットへのハラスメント

ペットへのハラスメント
ペットへのハラスメントは、ペットに対して飼い主が行うべき責任を果たさず、ペットが不健康になったり、ストレスを受けたりすることをいいます。ペットへの暴力などもペットハラスメントに含みますが、無意識にやってしまっているかもしれないペットハラスメントもあります。

ペットへのハラスメント① ごはんをあげない/あげすぎる

ペットにごはんを与えなかったり、栄養バランスを考えずに偏った食事を与えたりと、ペットの健康管理を怠ることはハラスメントにあたります。

逆に、ペットがかわいいからといって食べ物をあげすぎても肥満の原因になるためよくありません。同様に、お饅頭やケーキをあげてみたり、味の付いたお菓子を与えることも危険です。

飼い主さんが責任を持って、ペットの健康管理をしてあげる必要があります。

ペットへのハラスメント② 運動、散歩を十分にさせない

ペットも、人間と同じように運動をしなければ不健康になってしまいます。ペットによって、またそれぞれの種類によっても、適切な運動量は異なります。

例えば、大型犬の散歩ですと、一般的には「1日2回、1回あたり30~60分ほど」の散歩が必要と言われています。

このように、必要な運動をさせてあげることができず、「忙しくて散歩に行く時間はないから」「部屋で自分で動いているから大丈夫でしょ」と、散歩に全く行かないでいることはハラスメントにあたります。

ペットへのハラスメント③ 留守番が長すぎる

毎日長時間留守番をさせられていると、ペットにストレスがたまったり、不安症になったりする恐れがあります。また、排泄物が放置されて不衛生な環境に置かれたり、ペットの異変に気づけなかったりと、さまざまな問題も起こり得ます。

どんなに元気でお利口なペットでも、お留守番は長くても10時間以内にしましょう。これも個体によって限界である時間は異なりますし、お留守番する環境や時間帯によっても変わってきます。

海外では、6時間以上のお留守番は動物虐待とされ、罰則規定が設けられている国もあるほどです。理想論としては、お留守番の時間は短ければ短いほど良いでしょう。

ペットへのハラスメント④ 嫌がることをしつこくする

蹴る、殴るなどの暴力行為は論外ですが、嫌がっているのに服を着せたり、長時間撮影をしたりと、ペットがストレスを感じることをするのも立派なペットハラスメントです。

ペットはおもちゃではありません。ペットの様子をよく観察して、ペットが嫌がることは極力しないようにしましょう。

ただし、犬種によっては服を着せること自体が良い場合もあります。そのような場合は、トレーニングを積むことで、服を着ること自体が徐々に好きになっていきます。当然ですが、これはここで言うペットハラスメントには当てはまりません。獣医療も同様です。

最後に

犬や猫が苦手な人ももちろんいますし、過去に辛い経験があってトラウマがある人もいるかもしれません。自分がペットを飼っていると忘れてしまいがちですが、「ペットに対してさまざまな想いを抱いている人がいる」ということは忘れてはならないでしょう。

また、ペットに対しても、無意識のうちにストレスをかけて「ハラスメント」をしてしまっているかもしれません。ペットの気持ちをよく考えて、ペットが嫌がることやストレスがたまること、健康を害することはしないように注意しましょう。

韓国でも義務化。ペット先進国スイスのペットに関わる厳しい教育

2020年1月、韓国は2022年からペットを購入する際に、所定の教育を受けることを義務付ける方針を公表しました。

動物虐待などの悲しいニュースが多い昨今、アジア圏、しかもお隣の韓国でこのような制度ができるのは、随分先進的なことではないでしょうか。

日本では、まだペットに関わる教育や講習は義務化されていませんが、外国のペットに関する教育事情はどのようになっているのでしょう。

今回は韓国で義務化されるペットの飼い主に関する教育の内容、及び、ペット先進国とも呼ばれるスイスの実情も合わせてご紹介します。

飼い主の教育が義務化された韓国

飼い主の教育が義務化された韓国

2020年1月14日、韓国の農林畜産食品部は、動物を虐待する行為についての処罰を強化する方針を示した「2020年から2024年動物福祉総合計画」を公表しました。

これにより罰則が以下のように変わります。

現在

    虐待によって動物を死に至らしめる行為に対する処罰
    2年以下の懲役/2000万ウォン(約189万円)以下の罰金
    動物遺棄に対する処罰
    現行の300万ウォン以下の過料

2021年から

    虐待によって動物を死に至らしめる行為に対する処罰
    3年以下の懲役/3000万ウォン以下の罰金
    動物遺棄に対する処罰
    300万ウォン以下の罰金

動物虐待罪が成立すると、動物に対する所有権が制限されます。その一環として2020年から、ペットの飼い主の責任意識を高めるため、ペットを購入する際に所定の教育を受けることが義務付けられました

2019年に、日本でも動物愛護法が改正されましたが、それよりも厳しい処罰となっています。飼い主に対する教育を義務付けるというのも画期的です。

韓国のペットに対する意識はバラバラ

韓国のペットに対する意識はバラバラ

なぜこのような教育の義務化が決められたのでしょうか。

動物を購入できる方法もさまざま

日本の場合は、ペットを迎え入れるとなるとペットショップで購入するのが一般的な選択肢です。最近ではインターネットからの購入もできます。また、保健所や譲渡会で保護された動物を譲り受ける方も多くなってきています。

韓国でも保護動物を譲り受けてペットとして迎え入れるなどの活動が見られますが、日本と同様にペットショップでお金を出して購入する方が一般的です。しかも、日本に比べて安価な価格が設定されており、誰でも購入しやすい環境が整っています。

安易にペットを購入できることから、気に入らないことがあったり、飼うことが難しくなったら、すぐに捨ててしまうというケースも増えてきており、これが問題となっています。この法律が制定された背景には、近年、韓国でも動物愛護を訴える人が増えてきていること関係しているでしょう。

悲しい事件も

2019年1月には、ペットショップで購入した「子犬が排泄物を食べてしまうので返品したい」と訪れた女性が、子犬を店員に投げつけ、死亡させてしまうといった悲惨なニュースがありました。Twitterなどでも話題になったため、ご存知の方も多いかもしれません。

また、山口県にある柴犬専門のペットショップでは、韓国の購入者から犬が大きくなり、排泄物が多すぎるという理由から、犬を買い換えたいと要望を受けたということもニュースに上がっています。

動物愛護や福祉に関心がある人はいるものの、国全体としてはまだその意識が足りていないことが、今回このような制度ができた一因であるように思えます。

ペット先進国のスイスでは

ペット先進国のスイスではティアハイムと呼ばれる動物保護施設から動物を引き取るのが一般的

ペット先進国として知られるスイスでは、ペットショップでの生態販売はないと言われており、動物を飼うためには、ティアハイムと呼ばれる動物保護施設から動物を引き取るのが一般的だそうです。

また、バスや列車などの交通機関やレストラン、ホテルなど多くの場所で、ケージに入れられることなく飼い主と犬が一緒にいるところが見受けられます。

日本ではあまり考えられませんが、スイスでは日常的な光景なのです。こういった光景は、イギリス等、他の欧州各国でも見られ、珍しいことではありません。

犬を飼うために免許がいるスイス

ペット先進国のスイスでは免許が必要

スイスでは、すべての犬と飼い主に法律で講習と訓練を義務付けています

初めて犬を飼う人は、犬を受け入れる前に講習を必ず受けなければなりません。しつけの必要性、犬にかかる経費の明細など、飼育に不可欠な知識を学びます。その他、必要な予防接種やマイクロチップなどを合わせると、この時点で約6,000円程かかります。

犬を飼うことの大変さを知り、ここで諦める人も出てくるようです。

実技訓練も

犬を迎え入れたら、1年以内に飼い主自身が飼い犬を連れてしつけの実技訓練を受けなければなりません。1回1時間のしつけ訓練、および実技テストが4回に分けて行われます。ここでも約7,000円程の費用がかかります。

これらに合格すると、ようやく免許取得の証明書がもらえます。なお、飼育経験がある人も新しい犬を飼う際にも実技試験が必要です。

言い換えるならば、訓練されていない犬がスイスにはいないことになります。

犬にかかる税金もある

さらに、飼い始めて1年後から1頭約17,000円の犬税の徴収が開始されます。2頭目以降はさらに高額になるよう設定されている自治体もあるようです。

このように飼い主にも飼い犬にも厳しい講習や制度があるため、スイスではいたるところで犬と人間が一緒に生活できる環境が整っているのでしょう。

また、動物を人間と同じく社会の一員として見ており、動物に対してもお金をかけ、講習や訓練を受けてもらうという考え方があります。そのようなことから、殺処分ゼロの国と呼ばれるようになったのでしょう。

最後に

韓国とスイスのペットのための教育制度

日本でも2019年に動物愛護法が改正されたばかりですが、今回は、ペットのための教育制度について韓国とスイスの2カ国の紹介をしました。

日本でも、東京都の小池百合子知事が、「ペットの殺処分ゼロ」を公約としていましたが、期限としていた2020年よりも1年早く殺処分ゼロを達成したと発表していますが、実際には150匹ほどの犬猫が殺処分されていたとの報道もあります。

また、殺処分ゼロが達成された都道府県がある一方、殺処分はゼロだが、実際には糞尿にまみれて、とても幸せとは言えない生活を強いられている犬や猫たちもいます。これは私たちが望む世界なのでしょうか?

捨てられてしまった動物を保護し、新しい飼い主を探すことは大事です。それと同じように、安易に犬や猫を購入してしまう飼い主や、捨ててしまう飼い主に対して、動物福祉に関する教育を行い、動物に対する意識を変えていくことも大事なのではないでしょうか。

動物福祉に対する考えが遅れている韓国では、既に飼い主に対する教育が始まろうとしています。動物先進国であるスイスやスウェーデン、イギリスなどをお手本に、日本でももっと踏み込んで、動物に対する教育が義務化されるべきではないでしょうか。