猫が気分屋・ツンデレなのはなぜ?5つの理由をご紹介!
猫の性格といえば、「気分屋」で「ツンデレ」だというイメージを持つ方が多いでしょう。
さっきまで甘えていたのに、急にツンとした冷たい態度に変わってしまうことも。
では、猫が気分屋でツンデレな性格をしているのには、どのような理由があるのでしょうか?
今回の記事では、猫の性格を形成した野生生活の特徴や、気分に影響を与えている様々な要因をご紹介します。
猫は気分屋でツンデレ?
猫が「気分屋」「ツンデレ」と言われる理由は、時によって飼い主さんへの対応が異なる猫が多いからです。
例えば、ある時は飼い主さんの呼びかけに「ニャー」と鳴いて返事をするのに、別の日に呼ぶと完全無視を食らったりします。
また、ついさっきまで喉を鳴らして甘えていた猫が、急にどこかへ行ってしまったり、爪を出して威嚇してくることもあります。
甘えたり突き放したり、態度がコロコロ変わることから「気分屋」「ツンデレ」と言われるのですね。
猫によって差はある
もちろん、ツンデレ度合いは猫によって異なります。
常に甘えん坊の「デレデレ猫」もいれば、ほとんど人間に懐かない「ツンツン猫」もいます。
猫種による性格の違いもある程度ありますし、生まれ持った性格や経験によっても変わってくるでしょう。
「餌をくれる飼い主には甘える」など、人間によっても態度が違う場合もあるようです。
理由① 猫は、周りの目を気にしない生き物
猫は基本、単独行動
地域内に存在する「ボス猫」には、縄張りへの侵入者を排除したり、縄張り内でのいざこざを治めて秩序を保ったりする役割があります。
一方、狩りなどの日常生活は基本、各自が単独で行います。
群れの固い結束や狩りを主導するリーダーを必要とせず、猫はいつも自分の行動を自分で決めます。
そのため、周りの目を気にして媚びたりする必要もありません。
飼い主の目も気にしない
周りの目を気にする習性を持たないため、自分の行動によって飼い主さんがどう思おうと、猫にとっては「知ったことではない」のです。
そのため、例えば飼い主さんに名前を呼ばれたとき、返事をしたいと思えばするし、したくないと思えばしません。
猫の飼い主さんは、反応がないと少し悲しいと感じつつも、「我が道をゆく」猫の姿を羨ましく感じるのではないでしょうか。
理由② 優れた感覚器官を持っているから
猫は、動体視力、聴力、嗅覚など、人より優れた感覚器官を持っていて、獲物や縄張りへの侵入者の気配を感じ取れば、すぐに行動を切り替えられます。
人にはわからない微かな物音やにおいも察知できるため、「撫でていたのに、急に走って行ってしまった」という時には、もしかしたら猫は私たちにはわからない何かを感じ取ったのかもしれません。
決して飼い主さんに対してツンツンし始めたなどではなく、猫の意識が何かに向いてしまっただけといえます。
理由③ 時間帯や天気に気分が左右されるから
明け方と夕方に活発になる?
猫は、「薄明薄暮性」といって、夜明けと夕暮れにもっとも活発に行動します。これは、猫の獲物であるネズミや小鳥が行動し始める時間だからです。
季節によっても異なりますが、おおよそAM4時前後とPM6時前後が一番活発に動きたくなる時間帯と言えます。
猫が朝早くから元気よくごはんをねだってきて、昼間は眠そうにまどろんでいることが多いのはこのためです。
天気や気温でも気分が変わる
猫は、雨の日には比較的おとなしくなります。
これは、雨の日には他の動物もあまり動かないため、狩りの成功率が低いからだと考えられます。
また、真夏の暑い日にもおとなしくなり、日陰で体を伸ばして過ごします。
理由④ 発情期のサイクルに影響を受けるから
猫の発情期
猫は寒さに弱いため、できるだけ暖かい時期に出産をします。日本では、2〜4月と6〜8月が発情期のピークです。
なお、季節(日照時間)に応じて発情するのはメス猫だけで、オス猫は発情中のメス猫のフェロモンによって発情します。
発情中のメス猫
メス猫が発情期に入ると、4〜10日間、次のような行動が見られます。
- 飼い主に甘えたがる
- 普段と違うような大きな声で鳴く
- 背中を床にこすり付ける
- 活発になる
- お尻を高く持ち上げる
発情中のオス猫
発情中のメス猫に反応したオス猫は、次のような行動を取ることがあります。
- 普段より落ち着きがなくなる
- 大声で鳴く
- 異常に外に出たがる
- 攻撃的になる
避妊・去勢手術をしても発情行動をするの?
避妊、去勢手術をした場合、していない場合と比べると、かなり発情期特有の行動やストレスが抑えられます。
ただし、避妊・去勢手術済みの猫であっても、他の猫が出す発情期のフェロモンの匂いに反応して活発になったり、ストレス・不安を感じてしまうこともあるようです。
理由⑤ 身体が痛いこともある
猫を撫でている時、触る場所を変えたら急に機嫌が悪くなることがあるかもしれません。
もしかすると、病気や怪我などが原因で触られた場所が痛いと感じている可能性があります。
猫は普段、痛みをあまり表現しないので、触った時に不機嫌になるなどの些細なサインが重要な手がかりになります。
ただし、お腹や尻尾、足先などは単純に触られるのを嫌がる部位でもあります。
同じ部位を触ってなんども不機嫌になることや、その部位を普段から気にするようにする仕草が見られたら、病院に連れて行くことを考えましょう。
まとめ
今回は、猫が気分屋でツンデレな性格をしている理由として、考えられる要因をいくつかご紹介しました。
野生の頃の「単独行動」が一番大きな理由と考えられますが、ほかにも感覚器官の発達や時間、季節、発情期なども猫の気分に影響を与えます。
また、病気や怪我によって身体が痛いために機嫌が悪くなる可能性もあります。
猫の気分が急に変わる理由を考えながら、猫とより充実した生活を送ってくださいね。
【前編】猫を飼う前に知っておこう。猫の主な10の習性を紹介
猫を飼うのであれば、猫という動物が持つ習性を理解しておく必要があります。
猫が何を考えているのか、猫はどのようなことを好むのか、猫の生活環境はどのようにセットアップするべきなのか、そして猫はどうやってしつけすればいいのかは、全て猫の習性からわかってくることだからです。
この記事では、猫を動物という観点から捉えて、その習性を紹介していきます。
毛布やお腹をふみふみする
生まれたばかりの子猫は、母猫の乳の出をよくするために前足でふみふみ揉みながら乳を吸います。
成長して大きくなった後でも、毛布などの温かくて柔らかいものに触れると、その時の名残でふみふみすることがあるようです。
ふみふみしている時の猫はとてもリラックスしており、至福のひとときだと感じているようです。心から寛いでいるので、このような時は静かに見守ってあげましょう。
手を甘噛みしてくる
子猫の甘噛みにはたくさんの理由が考えられます。
遊びの延長、愛情表現、撫で過ぎ、歯が痒い、刺激不足などが甘噛みする理由として考えられます。
甘噛みしてくる子猫の様子はとても愛らしいものですが、放っておくと噛み癖がついてしまうかもしれません。噛まれた時は、遊んでいても中断して無視するのがしつけの原則です。
また、猫の甘噛み対策としては次のことも有効です。
- 長時間撫でない
- おもちゃなどを噛ませる
- 満足するまで遊んであげる
叩いたりするなど暴力的な手段を取るのは、猫が怖がるだけで行動を直すきっかけとはならないのでやめておきましょう。
猫との絆を深めながら、噛み癖が治るのを気長に待つことがとても重要です。
猫に手を噛まれた時の対処方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
顔をスリスリしてくる
猫が人に体を擦り付ける行為は、愛情表現だと思われがちです。
飼い主がついそう思ってしまう気持ちはわかりますが、実はこの猫がスリスリする行為は自分の匂いをつけるために行なっているものです。
猫の体には匂いを分泌する臭腺がいくつかありますが、スリスリする時に使っているのは頭と尻尾にある臭腺です。
猫がスリスリしてくる行動を思い出してみると、頭を擦り付けたり尻尾を巻きつけてきたりしているはずです。
飼い主が外出から帰ってきたときや、見知らぬ人が家に上がってきたとき、よくこの行動が見られますが、それは自分の匂いで他の匂いを消して、不安を取り除こうとするためと言えるでしょう。
猫が体を擦りつける行為は、安心したいためというのが主な理由ですが、構って欲しいというアピールの時もあります。
体を擦り付けた時に構ってもらえたり撫でて可愛がってもらえたりすると、学習能力の高い猫は構って欲しいときに体を擦りつけるようになるからです。
猫のボディーランゲージについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
自由気ままに単独行動
群れで集団生活する犬は、絶対的な権威を持つリーダーに服従する動物だと言われています。犬が飼い主に見せる忠誠心は、犬のこの習性からきているのではないかと考えられていました。
既に現代では否定されていますが、アルファシンドロームは、群れで過ごすオオカミのこの習性から生じていると考えられていました。
一方、遥か昔から単独行動で生活することの多かった猫は、リーダーを必要としていないので、飼い主に対する忠誠心もありません。
猫は自らの行動を、全て自分の判断で行います。飼い主に高圧的な態度を取られたり、行動を強制されることを嫌います。
猫がプライドが高く、マイペースで気分屋と言われるのはこういう習性からきていると考えられます。
縄張りを大切にする
ライオンを除くネコ科の動物は、普段、単独で縄張りを作り、その維持管理のために定期的に点検を行いながら暮らしています。
爪研ぎ、擦り付け、排尿排便などのマーキング行動は、他の猫に対して自らの縄張りを示すための行動でもあります。
猫にとっての縄張りとは、生きていくために必要な食べ物や水、寝床を確保し、繁殖を行うために必要不可欠な空間です。
完全室内飼いの猫にとっての縄張りとは、家の中の空間だけになります。
猫は縄張りを広さではなく質で選ぶため、縄張りの条件さえ満たしていれば室内でも十分に満足して生活することができます。
前編のまとめ
猫の特徴はマイペースで甘えん坊。自分が甘えたいときや構って欲しいときたはすり寄ってきますが、そんな気がないときにスキンシップを取ろうとすると、逃げていってしまうこともあります。しつこく撫でていると、嫌がって引っかかれてしまうこともあるようです。
ただ、その分、自立心が強く、犬のように手がかからないのも昨今の人気の理由かもしれませんね!
とはいえ、一つの命ですから、気軽に飼うことは決して許されません。犬ほど手がかからないからという理由で飼い始めてしまうと、爪研ぎや撫でている最中に引っかかれたりした時に後悔することになります。飼い主と猫の双方にとって良い関係にできるよう、よく検討した上で飼い始めるようにしましょう。