【獣医師監修】感染症の可能性も!猫の呼吸困難で考えられる病気

呼吸困難と聞くと、すごく恐ろしいことのように聞こえますよね。呼吸が「できない」のももちろんですが、呼吸が「しにくい」ことも呼吸困難に当てはまります。

猫の場合、わかりやすいのが口を開けて呼吸することです。また、安静にしているのに呼吸が速いのも、呼吸困難のサインとなります。

では、猫に呼吸困難が見られる時には、どんな病気が考えられるのでしょうか。今回は猫の呼吸困難について解説します。

呼吸困難の基準

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一般的には、安静時の1分間の呼吸回数が40回を超える場合を呼吸困難と判断します。ただ、動いてしまったりなどで1分間じっと観察するのが困難な時は、15秒の呼吸回数を数えてそれを4倍にするとおよその呼吸数がわかります。

また、猫では開口呼吸(口を開けての呼吸)も呼吸困難のサインです。興奮時に見られることもありますが、それが継続したり、安静時にも見られる場合には注意が必要です。

呼吸困難がある時には

まずはすぐに動物病院を受診しましょう。その際、キャリーケースなどに入れて来院すると思いますが、呼吸困難がある場合には体勢に十分注意しましょう。

例えば右の肺に異常がある場合、左側を下にしてしまうと異常のない左肺が圧迫され、呼吸困難をひどくしてしまうこともあります。基本的にはうつ伏せで運ぶのがいいでしょう。

また、来院の前に予め連絡を入れておくことで、到着時に迅速な対応をとることができます。酸素吸入の準備なども可能になるため、まずは落ち着いて動物病院に電話をしましょう。

呼吸器疾患

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呼吸の異常を確認した時に、一番初めに疑うのは呼吸器疾患でしょう。

その場合は咳など他の呼吸器症状を伴っていることも多く、自宅での確認が必要です。

猫喘息

【症状】
呼吸困難、咳、運動不耐性(疲れやすい)、開口呼吸、チアノーゼなど。症状は軽度から命に危険が及ぶものまで、程度は様々となる。
【原因】
刺激物やアレルゲンの吸入によって気道が反応することによる。考えられている病因は芳香剤、タバコの煙、ハウスダスト、掃除用洗剤、脱臭剤、花粉などであるが、はっきりとはわかっていない。
【備考】
年単位で咳が続くこともあり、治療もやはり長期間に及ぶことが多い。

肺炎

【症状】
咳、運動不耐性(疲れやすい)、呼吸困難、発熱、鼻汁、食欲不振、体重減少など。
【原因】
細菌やウイルスの感染、アレルギー、異物や食物の誤嚥など。
【備考】
呼吸の状態によっては酸素吸入が必要となる。

肺腫瘍

【症状】
慢性の咳、呼吸困難、無気力、体重減少、発熱と進行していく。
【原因】
原発性肺腫瘍発症の関連因子については明確なものはわかっていないが、タバコの煙などが関わっていると言われている。転移性肺腫瘍では甲状腺癌、乳腺癌、骨肉腫、血管肉腫、移行上皮癌、口腔および趾間部の悪性黒色腫、扁平上皮癌などからの転移が特に多い。
【備考】
原発性肺腫瘍であれば外科手術による治療が行われるが、転移性肺腫瘍の場合は予後不良。

気胸

【症状】
突然の呼吸困難(吸気性)、チアノーゼ。
【原因】
胸郭の外傷や肋骨骨折による外傷性、日常生活の中で起こる自然気胸などに分類される。
【備考】
自然気胸は突然起こるが、原因の確認が困難なことが多い。

呼吸器以外の疾患

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呼吸困難は、呼吸器以外が原因の可能性もあります。
以下のような疾患により胸水が貯留したり、呼吸器に刺激が与えられることがあります。

肥大型心筋症

【症状】
嘔吐、食欲不振、肺水腫や胸水貯留による咳、呼吸困難など。血栓塞栓症を随伴した場合、塞栓部位によって多彩な症状が見られる。多いのは腹大動脈遠位端で、この場合には両後肢の麻痺が見られる。また腎動脈付近の閉塞では尿産生が停止する。
【原因】
メインクーンとアメリカンショートヘアでは遺伝性が確認されている。
【備考】
血栓形成がQOL(生活の質)を低下させるので、本症が診断されたら血栓形成予防も同時に行う必要がある。

犬糸状虫症(フィラリア症)

【症状】
咳、呼吸困難、嘔吐を主症状とする。慢性的な衰弱を示すこともあれば、ほとんど症状を示さずに急死することもある。
【原因】
蚊によって媒介される犬糸状虫の寄生による。これは心臓の肺動脈に寄生するが、三尖弁口部に移動することによる大静脈症候群(著しい循環不全と血管内溶血)が見られることもある。
【備考】
猫では犬と比較して少数の犬糸状虫成虫寄生でも発症する。ノミ・ダニの駆虫薬の中には犬糸状虫の駆虫もできるものもあるので利用する。

猫伝染性腹膜炎

【症状】
発熱、元気消失、食欲低下、体重減少。滲出型では腹水や胸水貯留による腹部膨満、呼吸困難。非滲出型では黄疸、前ぶどう膜炎、脈絡網膜炎、発作、後肢麻痺など。
【原因】
猫伝染性腹膜炎ウイルスの感染。ウイルスは糞便や唾液を介した経口感染によって伝播される。
【備考】
現在、完全に治癒させるような治療法はない。感染力も強いので、多頭飼育の際には同居猫間の感染に注意が必要。居住空間、トイレ、食器などを分ける、こまめに環境を消毒するなどによってウイルスが伝播しないように努める。ウイルスはクロルヘキシジンや家庭用漂白剤で不活化される。

横隔膜ヘルニア

【症状】
無症状のこともあれば、嘔吐などの消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状を呈することもある。
【原因】
生まれつきの先天性と、事故や高所落下などによる後天性に分けられる。猫の場合は高所から飛び降りた時に発生することが多いとされている。
【備考】
胆道閉鎖、胃捻転、腸捻転などが同時に発症している場合には緊急手術が必要。逆に慢性的な経過の場合には緊急手術の必要はない。

その他

痛みや発熱などでも、呼吸がつらそうに見えることがあります。
いつもより呼吸が速いなどの異常が見られた際には、これらの存在を疑うことも忘れてはなりません。

まとめ

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動物病院では緊張もあり、自宅での症状が隠れてしまうこと、またはいつもよりもっと呼吸が速くなることも予想されるため、自宅での観察やチェックが重要となります。

いつもと違う呼吸が見られた時はすぐに動物病院を受診しましょう。

【クイズ】愛犬の普段の呼吸数を把握してる?荒い場合は病気の可能性も

愛犬の呼吸がいつもより早いと感じたことはありますか?そもそも、愛犬の正常な呼吸数はどのくらいか把握しているでしょうか?いざというときに慌てないために、しっかり確認しておきましょう。

今回は、犬の呼吸数についてクイズ形式でご紹介します。

それではさっそく、犬の呼吸数クイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 小型犬の安静時の1分間の呼吸数として最も適切なのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「25回前後」です。
小型犬の正常な1分間の呼吸数は25回前後とされています。

犬の呼吸数は、寝ている間やリラックスしている時など、安静時に1分間の胸の上下運動の回数を測ります。食後や運動後は避けましょう
Q.2 犬の呼吸数の説明として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「子犬は成犬よりも呼吸数が少ない」です。
子犬の場合は成犬よりも呼吸数が多く、また、小型犬の方が大型犬に比べて呼吸数は多くなります

フレンチブルドッグ、パグ、チワワなどの短頭種は、鼻孔や気管が狭いため呼吸の回数が多いです。

さらに、運動後や緊張時、暑い時などは通常時よりも呼吸の回数が増えますし、特に夏場は体温調節のために少し呼吸が速くなることがあります。

Q.3 犬の呼吸が荒いときに考えられる「僧帽弁閉鎖不全症」の説明として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「若い大型犬に多く発症する傾向がある」です。
僧帽弁閉鎖不全症は、シニアの小型犬に多く発症するといわれています。

心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が閉じることができなくなり、血液が逆流してしまう病気で、犬の心臓病で非常に多くみられます

早期は無症状ですが、進行すると運動時などの咳、さらに進行すると疲れやすい、痩せる、呼吸困難などを起こし、命に関わることもあります。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
愛犬の呼吸が速いけど大丈夫?正常な呼吸数と考えられる病気を解説
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【獣医師監修】犬の呼吸困難で考えられる病気とは?

呼吸困難とは、「何らかの原因で呼吸の速度や性質に異常を来す」ことです。突然愛犬が呼吸困難に陥ったとしたら、あなたは冷静な対応ができるでしょうか。 今回は犬の呼吸困難について、獣医師が詳しく解説します。紹介する疾患はいずれも命に関わる可能性があるため、見つけたら速やかに動物病院を受診してください。

呼吸困難で考えられる病気

獣医師監修,犬,呼吸困難,呼吸数 健康な犬の呼吸数は一分間に20回前後が目安です。犬の呼吸困難は、呼吸数によって考えられる病気が異なります。

呼吸数40回/分未満

呼吸数が一分間に40回未満の場合は、以下の疾患が考えられます。
  • 喉頭麻痺/喉頭虚脱
  • 短頭種気道症候群
  • 気道内異物
  • 気管虚脱

呼吸数40回/分以上

呼吸数が一分間に40回以上の場合は、以下の疾患が考えられます。
  • 誤嚥性(吸引性)肺炎
  • 気胸
  • 膿胸
  • 乳び胸
  • 肺水腫
  • 肺の腫瘍
ぞれぞれの病気について詳しく見ていきましょう。

呼吸数40回/分未満

獣医師監修,犬,呼吸困難,呼吸数 呼吸困難に陥った際に重要となるポイントは、安静時の一分間の呼吸回数です。 一分間の呼吸回数が40回未満の場合は、気管や喉頭など上部呼吸器の異常が多いです。例えば、呼吸音が一時的におかしくなった後、ゆっくりした呼吸で眠ってしまったなどの場合は以下の疾患が考えられます。 なお、呼吸の異常によって動物病院を受診し、診断がなされた後は自宅での呼吸回数に注意してください。

喉頭麻痺/喉頭虚脱

【症状】 呼吸困難、しゃがれ声、運動不耐性、吸気困難(息が吸いにくそう)、チアノーゼなど。 【原因】 喉頭内筋という筋肉の神経支配が障害されることによる。甲状腺機能低下症との関連性についても報告されている。 【備考】 興奮時やストレス負荷時のチアノーゼが特徴的で、できれば動画を撮っておくと良い。

短頭種気道症候群

【症状】 吸気困難(息が吸いにくそう)、パンティング、いびき、睡眠時無呼吸、チアノーゼなど。 【原因】 外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、喉頭虚脱、気管低形成、二次性気管虚脱などが単一または複合的に見られることで症状が発現する。 【備考】 短頭種(チワワ、シーズー、パグ、フレンチブルドッグなど)に起きやすい。

気道内異物

【症状】 突然の呼吸困難、咳、流涎、開口呼吸、チアノーゼなど。 【原因】 小さな異物(植物の種や葉など)を吸引することによる。 【備考】 異物の大きさによっては気道閉塞によって命に関わることもある。

気管虚脱

【症状】 咳、アヒル様呼吸音、呼吸困難など。 【原因】 呼吸の際に気管が潰れることによって呼吸器症状が現れるが、なぜ気管が潰れるのかは不明。 【備考】 興奮時、運動時、首輪による圧迫などによって症状が現れる場合もある。ダイエットや、首輪からハーネスへの変換などによって症状が緩和されることもある。

呼吸数40回/分以上

獣医師監修,犬,呼吸困難,呼吸数 呼吸が速く浅い場合は、緊急疾患である可能性があります。 明らかに呼吸が多い場合には、気管支や肺といった下部呼吸器の異常が考えられます。これらの疾患では酸素吸入などの管理が必要となることも少なくありません。 呼吸器疾患や心疾患の治療中、あるいは既往歴がある場合には日常的に呼吸数を確認しましょう。

誤嚥性(吸引性)肺炎

【症状】 突然の発咳、呼吸困難、呼吸速迫、発熱、運動不耐性、チアノーゼなど。 【原因】 異物(吐物、鼻汁、食物など)を気道内に摂取することによる。事前に嘔吐や吐出などの症状が見られることもある。 【備考】 治療の際には、再発防止のために何が誤嚥の原因となったかを究明する必要がある。

気胸

【症状】 頻呼吸、呼吸速迫、起坐呼吸(寝そべると苦しいのでお座りの姿勢でいること)、チアノーゼなど。 【原因】 交通事故などの外傷、腫瘍、炎症疾患など。 【備考】 気胸は、肺の外に空気が貯留している状態のこと。

膿胸

【症状】 元気消失、食欲不振、発熱、咳、頻呼吸、開口呼吸など。 【原因】 細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、異物、外傷などによる胸腔内の感染症。 【備考】 治療が遅れると敗血症やDIC(播種性血管内凝固症候群)、ショックによって命に関わる。

乳び胸

【症状】 呼吸速迫、呼吸困難、運動不耐性、削痩など。 【原因】 特発性(原因不明)のものと、二次性(腫瘍や炎症疾患による)に分けられる。これらによって胸管から乳びが漏出する。 【備考】 「乳び」とは、脂肪を大量に含有したリンパ液のこと。乳びの漏出が続くと乳び自体が胸腔内で強い炎症を起こし、線維性胸膜炎や心膜炎を起こす原因となる。

肺水腫

【症状】 呼吸様式の異常(浅速呼吸、努力性呼吸)、咳、チアノーゼ、喀血など。 【原因】 心疾患(僧帽弁閉鎖不全、三尖弁閉鎖不全など)、重度肺炎、気道閉塞、肺の外傷、アナフィラキシー、感電など。 【備考】 酸素吸入が必要な緊急病態である。

肺の腫瘍

【症状】 気管や気管支の物理的圧迫による発咳や呼吸困難、運動不耐性など。 【原因】 多くは転移性腫瘍で、原発性腫瘍は稀。胸膜炎や胸水貯留を続発することも多く、これらに伴って呼吸の変化が見られる。 【備考】 小さな腫瘍ではX線検査で検出できないこともあり、症状が重度になるまで気付かないことも多い。

まとめ

獣医師監修,犬,呼吸困難,呼吸数 繰り返しになりますが、呼吸困難を見つけた場合、まずは速やかに動物病院を受診してください。呼吸に関する異常は、時に致命的になります。 健康な状態での呼吸の状態、すなわち呼吸数や音などを普段から把握しておくことも、愛犬を守るために大切なことです。

【獣医師監修】猫の呼吸がいつもと違う!呼吸困難を起こす病気とは?

猫を飼っているみなさんは、猫が苦しそうに呼吸をする様子を見たことがある、あるいは、これから見ることがあるかもしれません。 生物にとって呼吸は、生命維持に直結します。呼吸が苦しいと、例え死に至らないとしても、生活の質(QOL)が著しく低下してしまいます。 猫での呼吸困難は意外と遭遇することが多い臨床徴候です。 自宅で苦しそうな愛猫を見た時に、慌てないようにしておきましょう。 今回は、猫の呼吸困難について、獣医師が詳しく解説します。

そもそも呼吸困難とは

呼吸困難,猫,呼吸,病気,息 「呼吸困難」と聞くと、おそらく窒息を想像する方が多いでしょう。 しかし臨床的に呼吸困難とは、息苦しい状態、呼吸がしにくい状態を指します。 普段よりも呼吸が荒い、胸を上下させて呼吸をしているのは立派な呼吸困難です。

猫の開口呼吸は要注意

猫の場合、口を開けて呼吸をしていたら、それは異常です。 猫は犬とは異なり、パンティング(口を開けて「ハッハッ」と呼吸する様子)による体温調節を行いません。 強い興奮などの思い当たる節がない限り、すぐに動物病院を受診した方がいいでしょう。 また、その際に舌の色を確認してみてください。酸素が足りていない時には、舌は青くなっています

猫の呼吸困難で受診した際に動物病院で聞かれること

呼吸困難,猫,呼吸,病気,息 呼吸と生命活動は密接に関係しているため、異常があるならできる限り速やかにそれを除去する必要があります。 検査も行いますが、動物に無理なストレスや負担をかけないためにも、問診は重要となります。 また、呼吸困難に陥っている猫を前にして、ゆっくり近況を聴取している時間はないかもしれません。 予め何を説明すべきかを把握しておきましょう。
  • いつから: 急に起こったのか、起こりやすい時間帯、週にどのくらいの頻度かなど
  • 呼吸数: 安静時における1分間の呼吸数
  • 開口呼吸の有無
呼吸数は、リラックスした状態のものを測定します。 15秒間に何回胸が上下するかを数え、4倍して1分間の呼吸数を算出します。 ただし、急に呼吸が荒くなったり、開口呼吸が起きたら、呼吸数測定の前にすぐに動物病院を受診してください

考えられる疾患

呼吸困難,猫,呼吸,病気,息 これから紹介する疾患は、いずれも怖いものばかりです。 愛猫に呼吸困難が起きた時に、これらの疾患のことを考える余裕はないかもしれません。 しかし、飼い主さんが前もって病気の知識を有しているかいないかで、対応に差が生まれるかもしれません。

鼻腔内腫瘍

鼻から入った空気の通り道である鼻腔に腫瘍が発生すると、空気の通過が障害されます。 肺での酸素交換ではなく、物理的に呼吸がしにくくなるパターンです。 一般的に鼻腔内腫瘍による呼吸困難は、腫瘍がある程度大きくならないと認められませんその前に鼻汁や鼻出血などが見られることが多いため、特に中高齢の猫では見逃さないようにしたいですね。

鼻咽頭ポリープ

特に若齢の猫で、鼻咽頭にポリープができることがあります。 このポリープの位置や大きさによっては咳や呼吸困難、いびき、くしゃみなどが症状として見られます。 また、鼻咽頭は耳道にも繋がっているため、内耳炎や中耳炎が波及することもあります。

気管の管外性圧迫

甲状腺やなどの気管に近い臓器に腫瘍が発生した場合、腫瘍が大きくなるにつれて気管を圧迫します。 腫瘍の大きさによって症状が現れます。

気管内異物、食道内異物

何かを飲み込んだ時にそれが気管内に入り込んでしまう、または食道にへばりついてしまうことがあります。 すると、猫は急いで飲み込んだものを吐き出そうとするため、呼吸がおかしくなります。 何回かの咳や嘔吐の仕草で異物が出てくればよいのですが、中々出てこないこともあります。 異物が大きく、気道が完全に閉塞していると非常に危険です。 また、異物が小さくても食道内異物の場合には、異物の慢性的な刺激のために食道壁が大きなダメージを受けます。 食道壁の細胞は、受けた損傷が回復しにくいため、異物は速やかに取り除かなくてはなりません。

猫喘息

猫でよく見られる、慢性的な気管支炎症状を呈する疾患です。 気道への慢性的な刺激は気道を肥厚させ、さらに気管支の筋肉を収縮させて空気の通り道を狭くします。 また、痰などの粘液性分泌物の産生によっても、空気は通過しにくくなります。 咳の症状が付帯することが多いため、そこに気付いて早期治療を行うことが大切です。

肺腫瘍

肺の原発腫瘍、または他臓器からの転移によって肺に腫瘍ができると咳や呼吸困難が見られるようになります。 酸素などのガス交換を行うため、肺は血管が多い臓器です。 そのため、肺は他の臓器からの腫瘍が血流に乗って転移しやすいと言われています。

肺炎

ウイルスや細菌などの微生物やアレルギー、誤嚥などによって肺に炎症が起きている状態です。 ヒトでも、風邪から肺炎に罹ると危険だというように、猫でも肺炎は危険です。 大抵は、肺炎が診断されると入院での治療が必要になります。

胸水症

うっ血性心不全、低蛋白血症、胸腔内の腫瘍病変などによって胸腔内に液体が貯留している状態です。 液体によって肺は圧迫を受け、膨らみにくくなります。 その結果、呼吸が妨げられ、呼吸数の増加や咳の症状が見られるようになります。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

猫コロナウイルスによって引き起こされる感染症で、治療法は確立されていません。 胸水や腹水の貯留が症状として見られる場合があり、その時は呼吸が荒くなります。 また他にも発熱、嘔吐、下痢、黄疸、ぶどう膜炎などが確認できます。 ワクチンもないため、他の猫との接触を避けることが一番の予防となります。

横隔膜ヘルニア

胸腔と腹腔を隔てている横隔膜に穴が開き、腹腔内臓器(肝臓や腸管など)が胸腔に移動することがあります。 横隔膜の穴は、生まれつき開いている場合もあれば、事故などの外傷で後天的に開く場合もあります。 移動してきた腹腔内臓器に肺が圧迫され、呼吸困難を引き起こすことがあります。

猫の呼吸困難は早めの受診が大事

呼吸困難,猫,呼吸,病気,息 猫の呼吸困難はほとんどが緊急の処置を必要とします。 動物病院に付いた段階で開口呼吸が見られた場合には、すぐに酸素を吸入させます。 苦しい時間を長引かせないためにも、開口呼吸および呼吸困難を見つけた場合には、速やかに動物病院に連れていきましょう

まとめ

呼吸困難,猫,呼吸,病気,息 呼吸器の異常が主ですが、その中でも猫に呼吸困難を引き起こす原因は多くあります。 特に基礎疾患を持っている子では、日頃から健康の観察をしていきましょう。 愛猫に突然呼吸困難が現れたら、パニックになってしまうかもしれません。前もって猫の呼吸困難に関する知識をもっておくことで、いざという時に適切な対応ができるようにしましょう。