【ペットロス】愛するペットが旅立った際に行いたい3つのこと
愛するペットが亡くなってしまった。これだけは、避けたくてもどうしても避けることのできないことです。
そんな時、重いペットロス症候群にならないようにするため、飼い主である私たちが行いたい3つのことをご紹介します。
ペットロス症候群にならないように、日頃から気を付けておきたいことは、こちらにまとめてありますので、もし興味がありましたら、併せてご覧ください。
悲しみのプロセス
まず始めに、悲しみのプロセスを理解するのが良いでしょう。自分がどの段階にあるのか、少しでも冷静になって考えることができれば、この重苦しい感情は何なのか、いつ抜け出せるのか、その先が見え、少し楽になるかもしれません。
この悲しみのプロセスですが、ドイツの精神科医である、エリザベス・キューブラー・ロスが悲しんでいる人の感情のプロセスを分析し、喪失の5段階というものを発表したことによります。これによると、悲しみは以下の5つのプロセスから成り立っています。
- 否認
- 怒り
- 取引
- 抑うつ
- 受容
否認
最初は受け入れることができず、何が起きたのかわからず、ぼーっとするような状態が続きます。これは急に過度なストレスが自分にかからないようにする人間が持つ正常な作用です。これ以上、私たちの心が壊れてしまわないようにしているのです。
怒り
徐々に怒りがこみ上げてきます。それは第三者に対するものもあれば、自分に対するものもあります。時には、相手によるものもあります。一番強いのは、自責の感情かもしれません。「どうして、あの時こうしてあげられなかったのだろう?」そのような後悔の念もこの類のものです。
取引
その後、神との取引を考え始めます。「良い子にするから、あの子を戻してください」、「私の◯◯はどうなっても良いから、あの子を返してください」という感情です。特に、この感情から抜け出せない時に、霊感商法等の悪徳業者に騙されることがあるため、気をつける必要がありますが、このプロセスを経過することで、徐々に死というものを受け入れていくことができるようになってきます。
抑うつ
そして、愛するあの子が戻ってこないという事実を受け入れた時、最も辛いのがこの「抑うつ」のプロセスです。誰とも会いたくなく、何もやる気がしない。これは、亡くなったあの子を悼むプロセスですので、大切なあの子の死を嘆き悲しみ、思う存分涙を流し、悲しみ、そして苦しむことが抑うつから離れられる唯一の方法です。この最も辛いプロセスを乗り切るのは、思いっきり泣き、思いっきり悲しむ他にありません。
受容
死を受け入れざるを得ないことに気づき、愛するあの子がいない現実を受け入れ、新しい自分の人生を歩いていこうと決意する状態です。愛する子が自分に残してくれたこと気づき、どんなペットの人生だったか、あの子が自分をどれだけ愛してくれたのか、そして、これからもあの子との思い出はずっと胸の中にあることに気づきます。そして、その愛と共にこれから一緒に生きていこうと決意していくのです。
思いっきり泣き、悲しむこと
愛する我が子との別れで、最も辛いのが悲しみのプロセスでいう「抑うつ」の段階です。ここからうまく抜け出すための方法をご紹介します。残念ながら、この段階が最も辛く、悲しい、そして辛いプロセスです。そして、ここから抜け出すためには、それを思いっきり経験する他にないのです。
特に男性に多いのは、恥ずかしがって思いっきり泣くことができず、心の中のモヤモヤがずっと残ってしまうことです。悲しみの感情を自分で抑圧してしまい、これがペットロスを長引かせることになります。もし、どうしても人前で泣くことが恥ずかしい場合は、人目に付かないところで大声で泣けば良いのです。思いっきり泣く、思いっきり悲しむというプロセスはペットロス症候群の予防には必須なのです。
涙が止まらない場合は?
涙が止まらないことがあるかもしれませんが、無理に止める必要はありません。とにかく泣きましょう。あの子を愛していたその分だけ、涙を流すのが良いでしょう。無理に泣かないようにすると、悲しみの感情が内にこもってしまい、逆に辛くなります。悲しい時は思う存分泣くことが必要です。
思いっきり泣き、思いっきり悲しむことで、そして時間が経過することで、徐々に心の整理ができるようになってきます。できるだけ、ペットとの楽しい思い出を振り返ることで、自然と涙は止まるようになってきます。
生活リズムを変える
ペットと一緒に暮らしていると、いつのまにか固定されたルーティンができてしまうことがあります。例えば、「家に帰ってきたらすぐにペットと遊ぶ」とか、「毎朝、会社に行く前に30分散歩する」等です。こうした決まりきった行動パターンを繰り返してしまうと、ペットとの思い出を思い出して、また悲しみに暮れてしまうことがあります。
これをずっと繰り返していると、悲しみが長引き、それが癖となってしまうため、日常の生活リズムを変えていく必要があります。まだ悲しみのプロセスから抜け出せていない場合は、一旦、ペットとの思い出の品を全て目の見えない所に隠してしまうことも大事です。また、生活リズムそのものを変えて、散歩していた時間をラジオ体操に変えてみたり、新しいことにチャレンジして、生活そのものを変化させていくことも有効です。
仲間と話す、思い出話をする
自分と同じようにペットを失った経験がある人と会話をすることはとても有意義です。また、飼っていたペットのことを知っている友人たちと一緒に、思い出話をすることも良いでしょう。
仏教徒が多い日本では、お通夜や葬儀を通じ、たくさんの縁のある人達が集まり、思い出話をします。これはある意味で、悲しみのプロセスから抜け出すための良い手段だと思います。皆で集まり、思いっきり話しをして、思いっきり悲しむことで、抑うつ状態から抜け出すことができるからです。
また、ペットを失った人たちの集まりに出向き、「悲しんでいるのは自分一人だけでは無い」、「同じ経験をした人がいるんだ」という事実に気付くだけでも、ずいぶんと安心できます。インターネットで検索しても良いですが、この場合は、経験のない人の心無い発言を見て落ち込んでしまうこともあるため、あまりオススメはできません。同じような境遇の人達と一緒に話しをした方が、不用意な発言も少ないため良いでしょう。
自分も労ってあげて
ペットも私たち人間と同じように家族です。家族を亡くしたのですから、その悲しみの深さは計り知れません。
ただ、残念ですが、これは事実で、受け入れるか受け入れないかは全て私たち飼い主自身にあります。
それほど大切な存在だったからこそ、じっくりと時間をかけて亡くなってしまったペットのことを悼んでください。そして、同時に、自分自身も労ってあげてください。
世の中には予期せぬ出来事も起きます。でも、それはあなたのせいではないんですから。
【ペットロス】ペットロスを予防するために日頃から行う3つのこと
ペットを飼っている方がいずれ直面しなければならない悲しい事実、それはその子の死です。
人間でも同じですが、生物には遠かれ早かれ、必ず死がやってきます。とても悲しいことですが、これは避けられないことです。とは言え、ペットロスが怖いからということで、ペットを飼うことを諦めてしまうことは、ペットのいる素敵な生活を自ら手放してしまっており、とても勿体ないことでもあります。
今回は、ペットロス症候群を予防するため、日頃から注意すべきことについて、ご紹介します。
ペットロスとは?
「ペットロス」とは、自分が飼っているペットを亡くしてしまった後に感じる悲しみのことです。
人によって悲しみの期間は異なります。1ヶ月程度で元通りになる方がいる一方で、半年、一年経っても落ち込んだままの状態の方もいます。後者のように、悲しみが長引いてしまい、「うつ」状態になってしまうことをペットロス症候群と言います。
世間一般でいう「ペットロス」という言葉は、「ペットロス症候群」のことを指していることが多いと考えられます。私たちがペットを飼っていて最も恐ろしいのが、このペットロス症候群に陥ってしまうことかもしれません。
それでは、ペットロス症候群にならないようにするため、日頃から気を付けておきたいポイントについて、解説していきます。
不慮の死を避ける
最愛のペットが不慮の死を遂げた時、飼い主は自責の念に苦しめられることになります。
それは、飼い主の不注意による交通事故かもしれませんし、誤飲等によるものかもしれません。特に、飼い主の不注意で起きた場合は、寿命で亡くなった時に比べると、何倍も何十倍も自責の念にかられてしまうでしょう。
安全な生活を送れるように
これを予防するため、常日頃からペットが安全に生活できるように工夫しておくべきです。
例えば、万一、リードが離れてしまったとしても、いきなり飛び出していかないように2重リードにすることが考えられます。また、生活空間にある重たい落下物を事前に取り除いておいたり、薬などの絶対に口にしてはならないものは、ペットの手が届かないところに置くなど、環境面でも工夫できることはたくさんあります。
しつけを徹底する
犬の場合は、しつけを徹底しておくことで、安全な生活を送ることができます。
例えば、いざと言う時に、きちんと「呼び戻し」ができるようにしつけを徹底しておくことは重要です。万一、リードが外れてしまったり、ドアや窓から飛び出てしまったとしても、すぐに戻って来させることができるからです。
健康面にも配慮する
肥満や病気等も飼い主の不注意により悪化させてしまった場合は、同じように自責の念にかられることがあります。
日頃からペットの体や動作を観察しておき、病気の兆候がないかを確認することも重要です。また、定期的な健康診断を受けさせるのも良いでしょう。ドッグフードなどに気を付け、ペットに会ったフードを探したり、手作り食を作ってみるなど、工夫するのも良いでしょう。
ペットに依存しすぎない
犬や猫などのペットは、知能指数も高く、ずっと年を取ることがない小さな人間の子供のようです。だからと言って、ペットをわが子のように扱い、生きがいにしてしまうと、ペットロス症候群に陥る危険度が増します。生きがいを突然失うことになるからです。
24時間365日、何をするにも、どこへ行くにもペットを連れて行くというのは、ペットロスを予防するという観点からはあまり望ましいことではありません。また、趣味や楽しみがペットしかないというのも問題です。
ペット以外の趣味を持つことは、ペットロスの対策として有効です。どうしても、ペット以外に趣味を持てない場合は、もう1頭、別のペットを飼うのも有効な方法です。1匹に依存するよりも、2匹に依存したほうが、リスクが分散できるためです。
ペットの死に目に会う
人間でも同じですが、ペットの死に目に会えなかった場合や、ペットの遺体を見ることができなかった場合は自責の念にかられてしまうことがあります。ペットを放置してしまい、その結果、死なせてしまったと思ってしまうからです。
ペットの死の瞬間には、なるべく立ち会った方が良いでしょう。ただ、お仕事をしているような場合、余程ペットの具合が悪く、今にも亡くなってしまいそうということでもない限り、死の瞬間に傍にいてあげるというのは難しいかもしれません。
それでも、ペットの遺体を見てあげることは、できることが多いので、すぐに火葬するのではなく、冷却剤を敷いた安置ボックスに入れて少し保管するなどして、ペットの遺体を見られるように工夫すると良いでしょう。こうすることで、家族の皆が、愛するペットの死を見て、受け入れることがしやすくなります。
まとめ
今回は、飼い主の皆さんが重いペットロス症候群にならないようにするため、日頃から注意できるポイントについて整理しました。
次回は、愛するペットが亡くなってしまった時に、行うと良いポイントについて整理していきます。