撫ででいるとき突然、猫に噛まれた!原因と対処のポイント2つ
飼い猫が機嫌良さそうにすり寄ってきて、撫でてあげているとき。ゴロゴロと気持ち良さそうに喉を鳴らし、飼い主としても心安らぐ至福のひとときですよね。
しかし、目を細めてなすがままになっていた猫が、突然、撫でている手をガブリ!と噛んでくることがあります。猫飼いさんなら、この経験がある人も多いのではないでしょうか?甘噛みならよいのですが、結構本気でゴリゴリ噛まれることもあります。
それにしてもあの現象、一体なんなのでしょうか?この記事では、以下の2つをご紹介いたします。
- 突然噛んできたその時、猫が考えている事
- もしも噛まれた場合の対処法
怒っているわけではない?
突然噛まれてしまうと、飼い主としては「怒った?」と心配になってしまうかもしれません。
しかし、猫がもし本当に怒った場合には、いつもと違った声を出したり、毛を逆立てたりと、明らかに様子が変化します。
撫でて気持ち良さそうにしているのに、突然噛まれた時の事を思い返してみると、前兆という前兆もあまり見られないことが多いような気がしませんか?
もちろん撫で方に問題があったり、触れて欲しくない場所に触ってしまった場合には、本当に怒っている可能性はあります。しかし、そうではなさそうな場合には、「怒っているので突然噛んできた」とは考えにくいのではないでしょうか。
では、怒っているわけではないとしたら、なぜ噛んでしまうのでしょう?
「気持ちが良すぎるから、もうやめて!」のサインだった?!
この理由には、「あまりにも気持ちが良いので、もうやめて!」のサインという説があります。
さらに猫によっては、この「ガブリ!」に至るまで、微妙な変化があったりします。
例えば我が家の猫。最初は気持ち良さそうに鳴いているのですが、撫でるにつれて声が長く伸びるようになり、尻尾が不穏な動きをするようになります。
そのまま撫で続けると、こちらにお尻を向けた状態から、あるとき突然クルッとこちらを振り返ってガブリと噛まれてしまいます。
噛まれたときの対処方法
もしも噛まれたとき、どのような対処をすれば良いのでしょうか?
猫とのコミュニケーションは、人間同士のように言葉を交わすことができないため、猫の意図を読み違えてしまうことがあります。
「猫がいたずらをした」とこちらが思っていても、猫としては「悪いことをしている」というつもりはなく、ただ本能にしたがって「やりたいことをやっている」ということがよくあります。
噛まれると痛いので、反射的に叩いたり大声を出したりしてしまうかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、あえて無視をして離れるのが良いです。
噛まれる原因を取り除く、対処のポイント2つ
「猫には猫の習性がある」と認識した上で、噛まれないために、飼い主としてその習性に適応していく必要があります。
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①飼い猫が気持ちいいポイントを撫でてあげること
②飼い猫が噛んでくる直前のサインをよく観察すること
猫によっては以下のサインに当てはまらないこともありますが、撫でている最中よく観察していると、うちの猫にはこんな癖があるんだなというのが見えてきます。
撫でると喜ぶ部位
猫は、以下の部位を撫でられることが好きです。
- 顎や首まわり
- 頭や額
- 背中
- (猫によっては)尻尾の付け根
特に雌猫にとっては、「尻尾の付け根」を撫でられると喜ぶことが多いようです。
撫でると、猫が嫌がる部位
- 尻尾
- 手足
- お腹
- (猫によっては)尻尾の付け根
尻尾や手足などの末端部分は嫌がられることが多いようです。
猫にとってお腹は急所なので、基本的にはこちらから触るのは避けたほうが良いでしょう。心を許してくれた場合はゴロンと寝っ転がって触らせてくれるときもあるので、その場合には大丈夫でしょう。
噛んでくる直前のサインの例
以下のような変化が見られたら、撫でるのをやめてみましょう。だんだんとタイミングが分かってくるようになると思います。
- 鳴き声が変化する
- ゴロンとしてお腹を見せてくる(態勢を変える動きをする)
- 尻尾を左右に振り始める
スキンシップをより楽しく
筆者も猫を飼っていますが、この現象に長年悩まされていました。最近では、撫でながらも「そろそろ来るな…」と、その頃合いを察知できるようになり、タイミングを見計らって手を離しています。
当初は、「なぜこんなことをするのだろう?」と不思議に思うことが多々ありました。しかし、猫のことを知るにつれ、その謎が少しずつ解けていくことに楽しさを覚えていきました。なかでも、この「撫でている最中にガブリ!」と噛まれたときは、その豹変ぶりにびっくりをしてしまいました。一筋縄ではいかない猫ごころを、身を以て感じられた一件でした。
撫でても噛まれてしまい困っているという方も、慣れてくれば、餅つきの相方同士のように呼吸も合ってくるようになります。いいタイミングでさっと離せるようになれば、もう大丈夫です!
飼い猫とのスキンシップがより楽しいものになると良いですね。
【甘噛み対策】本気咬みになる前に、甘噛みを直す3つのポイント
「咬み」は、日本の飼い主さんが困っている3大問題行動のうちの1つです。他の2つは「吠え」や「トイレ」と言われています。
「吠え」についてお困りの方は、こちらもご覧ください。
また、「トイレ」のトレーニング方法については、こちらもご覧ください。
「人に咬みついてしまい困っている」という飼い主さんは意外と多いのですが、一口に「咬む」と言っても、大きく2つの「かみ」に分けられます。
1つは「甘噛み」と言われるもので、噛まれても血が出るようなことはほとんどありません。もう1つは、「本気咬み」と言われるもので、これは咬まれると大怪我につながる深刻なものです。
この2つはとても深い関連性があり、「甘噛み」を放置することで、「本気咬み」へと発展することがあるとされています。インターネットを検索しても、順序立ててうまく対策を説明されている記事が少ないようです。そこで、今回は、その「甘噛み」の正しい直し方を見ていきたいと思います。
甘噛みって?
「甘噛み」とは、人の手や他の犬などを軽く噛むことを言います。本当に軽く噛むだけなので、血が出るようなことはあまりなく、ついつい放置してしまいがちです。
特に、幼犬の時に見られる行動のため、痛くもないし、じゃれてくるようにも見えてしまいます。幼犬が手や足にじゃれてくるのですから、中には、「かわいいー」と言って、かまってしまい、そのまま一緒に遊んでしまう飼い主も少なくないのではないでしょうか。
でも、これ、放っておくと出血してしまったり、場合によっては肉がえぐれるような大怪我をしてしまう「本気咬み」へと発展することもあります。「本気咬み」に発展してしまうと、直すのが大変になってきます。お金も時間もかかってしまうので、幼犬の時に直しておくことが重要です。
どうして甘噛みするの?
どうして、幼犬の時に「甘噛み」をするのでしょうか?以下の3つがその理由とされています。
- 歯の生え変わりで痒い
- コミュニケーション(かむ力のコントロールを覚えるため)
- 游んでもらえると勘違いしている
歯の生え変わりで噛む
この場合は、噛む玩具を与えてあげるようにしましょう。ホームセンターやアマゾンでも売られているため、購入しやすいものが多いです。
スリッパや靴などをカミカミするのは、これが理由かもしれません。これは、放っておいても歯が生え変わりさえすれば、自然と収まっていくので、それほど問題ではありませんが、「コミュニケーションのための噛み」なのか「生え変わりのための噛み」なのか、一見、判断しにくいのが問題です。
「噛む玩具」には、以下のようなものがありますので、幼犬の時は何かお気に入りの「噛む玩具」を与えておくと良いでしょう。
コミュニケーションで噛む
犬は、人間のように会話ができないため、ボディランゲージを使ってコミュニケーションを取っています。好奇心が旺盛な幼犬の時は、臭いを嗅いだり、噛むことで、それがどういうものなのかを判別しようとします。
犬同士が游んでいるところを見たことはあるでしょうか?ゲージに入れずに展示を行うようなペットショップでは、幼犬同士がじゃれ合って游んでいる光景が見られます。これを良く観察してみると、犬同士が軽く噛み合って游んでいることがわかります。これがまさに、噛む力のコントロールを遊びを通じて覚えようとしている光景なのです。
幼犬は遊びを通じ、以下のことを学んでいます。
- 「かむ」ことで、それが柔らかいのか硬いのかを知る
- 「かむ」ことで、それが噛んでも大丈夫なのか、そうでないのかを知る
- 「かむ」ことで、噛む力をコントロールすることを知る
幼犬の時の「甘噛み」を通じて、様々なことを学ぼうとしています。そのため、私たち飼い主は、適切なリアクションを取って、愛犬にフィードバックを返してあげる必要があるのです。
游んでもらえると思って噛む
これは、「コミュニケーション」を取ろうとして噛む行為が悪化していった先の行動とも言えます。
もうおわかりですよね?「甘噛みしてきた、かわいいー」と言って、一緒に遊んでしまっていると、甘噛みは直りません。そればかりか、「手は咬んでも良いものなんだ、これは游んでもらえる玩具なんだ」と犬が勘違いしてしまいます。
これがエスカレートしていくと、どんどん噛む力は強くなってきます。幼犬のときから飼育している場合は、いきなり強く咬んでくるようなことはないでしょう。放っておくことや興奮する癖がつくことで、徐々に咬む力が強くなっていきます。どこまでが大丈夫なのか(犬の場合、人に歯をあてることすらNGとすべきでしょう)?飼い主がきちんと教えてあげないと、そのまま流血に至るような事態にまで発展してしまう可能性があります。
甘噛み対策3つのポイント
さて、どうして「甘噛み」をするのか、理解頂けたところで、その直し方についてご説明していきたいと思います。直す際のポイントは、以下の3つです。
- できるだけ大声を発し、ビックリさせる
- 甘噛みされたら、その瞬間に反応する
- 一貫して「痛い」と言い続ける
相手をビックリさせる
まずは玩具遊びなどを通じて、「甘噛み」を誘発するのが良いでしょう。
そこで、犬の歯が自分の手に少しでも当たったら、「痛い!!」と低い大声で発しましょう。そして、そのまま遊ぶのを止めて、無視しましょう。部屋から出ていってしまうのも良いでしょう。
犬を一人ぼっちにしたら、すぐに元の部屋に戻って、また玩具遊びを再開します。これを何度も繰り返すことで、「人の手に歯が当てると、痛いって言われるし、玩具遊びも終わってしまうし、一人ぼっちにされてしまうのか」という理解をするようになります。
実はこれ、犬同士が游んでいる時にも見られる光景なのです。例えば、思っていたよりも強く相手を咬んでしまった場合、「キャン!!」と言われます。そして、「お前とはもう遊びたくない!」という感じで、暫くどこかへ行ってしまいます。でも、犬自身はすぐに忘れてしまうので、また戻ってきて再び遊び始めます。人間と遊ぶ時も同じように、振る舞うことで、噛む力をコントロールすることを覚えさせていくのです。
タイミングに気をつけよう
「甘噛み」されて5秒10秒してから、「痛い!!」と言ったところで、相手には何も伝わりません。咬まれたらすぐに反応することが大事です。
犬はすぐに忘れてしまう生き物なのです。今起きた出来事の直後に反応してあげることで、その出来事に対するフィードバックなのだなということを教えていくことができます。これは、他のトレーニングでも同じことですので、覚えておくと良いでしょう。
一貫してやり続ける
一貫して同じ反応を示すようにしていきます。
ある時は「痛い!!」と言われ、ある時は「游んでもらえ」ということでは、犬も混乱していってしまいます。複数人で犬を飼っているような場合は、皆でなるべく同じ反応を示すことができるように、皆で認識合わせをしておくと良いでしょう。お母さんには怒られるけど、お父さんは游んでくれる、ということが続くと、「お父さんは咬んでも良いのか」ということになりかねません。
終わりに
きちんと「甘噛み」の対策をしておくことで、「本気咬み」へと発展する確率をぐっと下げることができます。
幼犬のうちは、様々なことを色々な経験を通じて学んでいく、とても重要な時期です。社会化期とも呼ばれるこの時期に、適切な対処をすることで、成犬になってからの問題行動自体を減らすことができるのです。皆さんの愛犬が「良い子」へと成長し、人生のパートナーとして、幸せな犬生を過ごしてくれることを願っています。