【獣医師監修】サイベリアンの好発疾患と健康管理の4つのポイント

サイベリアンとは、「シベリア」のことで、ロシア原産の猫種です。寒い地方に適応した長い被毛が特徴です。
日本でも飼育頭数が増えてきている人気の猫種ですが、かかりやすい病気がいくつかあることをご存知でしょうか?

今回の記事では、サイベリアンでが好発疾患と、日常生活で心がけたいお手入れや健康管理についてご紹介します。

サイベリアンの基本情報

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歴史

サイベリアンは、なんと1,000年もの歴史を持つとされる猫種です。ロシアが原産で、長い間ロシアでのみ繁殖されてきました。

19世紀後半にイギリスで行われたショーに登場しましたが、当時は冷戦の最中だったため、西側諸国への猫の流通は難しかったのです。
1990年代に入ると、冷戦が終結に向かい、ようやくサイベリアンもアメリカに渡りました。

その後、世界各地でサイベリアンは人気のある猫種となっていきました。

身体的特徴

極寒の地、シベリア出身だけあって、寒さに強く、とても頑丈な体をしています。全体的に丸くてどっしりとした体格ですが、太っているわけではありません。

雪の上でも歩けるように、足裏には「房毛」と呼ばれるふさふさの被毛があります。
成長の速度が遅く、成猫になりきるまでに約5年もかかると言われています。

性格

基本的にはおとなしく、飼い主に対しては従順で甘えん坊ですが、知らない相手に対してはそっけない一面があります。
また、猫には珍しく水を嫌がらない子が多く、獲物を追いかけて水の中に飛び込むこともあるようです。

サイベリアンの好発疾患

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サイベリアンには、発生しやすい遺伝疾患がいくつかあります。これらはサイベリアンという猫種を作るため、あるいは存続させるために生まれてしまったものです。

また、毛が長いなどの身体的特徴も、健康維持のためには注意したい点です。

肥大型心筋症

【症状】
胸水貯留や腹水貯留による呼吸困難、運動不耐性(疲れやすい)、元気消失、食欲低下、嘔吐など。
【原因】
心筋が厚く硬くなることで心臓の拡張能が低下し、一度にたくさんの血液を拍出できなくなることで循環不全を呈する。
【備考】
左心房に血栓が形成されやすくなり、それが血流に乗って細い血管に詰まる血栓塞栓症を併発することが多い。塞栓しやすい部位は腹大動脈遠位(太ももの付け根辺り)や腎動脈付近で、それぞれ後肢の麻痺や尿産生停止を引き起こす。肥大型心筋症と診断された後は血栓形成予防の処置も同時に行っていく必要がある。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

【症状】
貧血、頻脈、運動不耐性(疲れやすい)、元気消失など。
【原因】
酵素であるピルビン酸キナーゼが先天的に欠損することで溶血性貧血が起こる。これは常染色体劣性遺伝によって伝達されることが知られている。
【備考】
年齢とともに骨髄線維症や骨硬化症が進行し、造血能が低下する。また赤血球の寿命が短くなることで肝機能障害が現れることもある。

毛球症

【症状】
便秘、嘔吐、食欲不振、腹痛、腸閉塞など。
【原因】
グルーミング(毛づくろい)によって口から入った被毛が腸に詰まることによる。
【備考】
腸閉塞から腸穿孔、腹膜炎に進行することもあるため油断はできない。毛玉を溶解するフードやサプリメントを利用するのも良い。

多発性嚢胞腎

【症状】
元気消失、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、貧血といった腎不全症状。進行すると無尿や乏尿となり意識障害、発作、重度の脱水が見られる。
【原因】
腎臓に多数の嚢胞が形成されることで腎機能が低下する。これには遺伝性が示唆されている。
【備考】
猫では年齢とともに腎不全を呈することが多いが、多発性嚢胞腎では比較的若い年齢でも腎不全を発症することがある。健康診断によって腎臓に嚢胞が無いか、腎機能が低下していないかはチェックすべきであろう。

サイベリアンの健康管理

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サイベリアンの好発疾患には、遺伝子の異常によるものも少なくありません。
遺伝疾患は発生予防が困難だと思われますが、毎日の生活の中でしっかりと観察をすれば、取り返しのつかない事態は避けられるかもしれません。

ここでは、サイベリアンの好発疾患に基づき、日常生活でできる健康管理を見ていきましょう。

1. 毛玉を作らないように注意する

長毛のサイベリアンは、皮膚に毛玉ができやすいです。

猫はグルーミング(毛づくろい)によって被毛や皮膚の健康を守っています。
しかし、年齢を重ねるとグルーミングの頻度も減りますし、体型によっては口が届かない部位もあるかもしれません。

定期的にブラッシングを行い、毛玉を作らないようにすることが重要です。もし毛玉ができてしまっても、小さいうちに解いてあげましょう。

2. 余分な毛は取り除く

ブラッシングには、抜けた毛を取り除くという役割もあります。

グルーミングによって口から入った被毛が、消化管に詰まることもあります。飲み込んだ毛玉を上手に吐き出せる子も多いのですが、毛球症発生のリスクを下げるに越したことはありません。

柔らかめのブラシを用い、愛猫のストレスにならないような頻度でブラッシングをしてあげましょう。

3. 熱中症に注意

猫はもともと暑さに強い動物ですが、毛が長いサイベリアンは暑さに弱い猫種です。特に日本の夏の高温多湿は、猫にとって危険です。

エアコンなどを使用し、できるだけ過ごしやすい環境にしてあげましょう。
熱中症の症状としては以下のようなものがあります。異変に気づいたらすぐに動物病院に連絡しましょう。

  • ぐったりしている
  • 意識がはっきりしない
  • 体が異常に熱い
  • 歯茎などの粘膜が赤い
  • 発作や嘔吐といった症状

4. 十分な運動量の確保

健康的な体型維持やストレス発散のためには、適度な運動が必要です。
毎日食べて寝てを繰り返すだけでは、不健康であることは明らかです。

水平方向だけでなく、上下の三次元的な動きができるよう、キャットタワーなどを設置してあげるといいでしょう。また、時間がある時には遊んであげたり、少しでも運動させることを意識してください。

まとめ

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愛猫も生き物である以上、いつ病気をしてもおかしくありません。
万が一の時に迅速に対処できるよう、健康に関する情報は常に集めていきたいですね。

また、日頃から健康管理を徹底することで、愛猫との生活がより良いものになるように願っています。

【獣医師監修】ミヌエットの好発疾患と病気予防のポイント

ミヌエットは、ペルシャとマンチカンを掛け合わせて生まれた新しい猫種です。フワフワの毛と、可愛らしい姿が魅力で、徐々に人気が出てきており、動物病院でも見る機会が増えています。

そんなミヌエットですが、遺伝的に発生しやすい病気がいくつか存在します。

今回は、ミヌエットの好発疾患について獣医師が詳しく解説します。

ミヌエットの基本情報

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歴史

短足でないマンチカンは捨てられてしまうことが多かったのですが、1996年に短足愛好家のブリーダーが短足猫の固定を試みたのが始まりです。最初にペルシャとマンチカンを交配させ、その後、ヒマラヤンなどの長毛種を掛け合わせて、現在のような姿になりました。

当初は、短足という特徴からフランスの英雄にちなみ「ナポレオン」と呼ばれていましたが、2015年に「ミヌエット」と改称されました。

身体的特徴

がっしりとした身体と、マンチカン由来の短い足が特徴ですが、マンチカンと同様に足の長いミヌエットも存在します。

ペルシャのようなふわふわとしたダブルコートの被毛を持ち、ホワイト、ブラック、シルバー、ブルー、クリームなどさまざまな毛色が認められています。

性格

ペルシャ由来の甘えん坊な性格と、マンチカン由来の好奇心が強く活発な性格を兼ね備えています。
社交的で警戒心が少ないため、飼い主以外の人にもすぐに懐きます。しかし、あまりしつこくすると嫌がるので注意しましょう。

ミヌエットの好発疾患

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ミヌエットの誕生背景にはペルシャおよびマンチカンの存在があります。よって好発疾患には、これら2種類の猫種に共通するものが挙げられます。

遺伝によって発生しやすいものもあるので、愛猫の両親に病気が起きていないかはしっかりと確認しておきましょう。

多発性嚢胞腎

【症状】
元気消失、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、流涎、下痢、脱水、口内炎、発作、貧血など。
【原因】
遺伝的に腎臓に多数の嚢胞が形成され、腎不全を呈する。
【備考】
若齢でも腎不全の症状が見られる場合、検診などで腎臓に嚢胞が見られる場合は経過を注意深く観察する。

肥大型心筋症

【症状】
運動不耐性(疲れやすくなる)、胸水貯留や腹水貯留、肺水腫に伴う呼吸困難、呼吸速迫、元気消失、食欲低下、嘔吐など。
【原因】
心筋(心臓の筋肉)が厚くなり、心臓が膨らみにくくなる。これによって血液が渋滞し、循環不全を呈する。
【備考】
血栓塞栓症を併発することが多く、四肢の麻痺などを引き起こす。肥大型心筋症と診断された後は血栓の形成予防も同時に行っていく。

流涙症

【症状】
涙液量増加による涙焼け。
【原因】
先天的な鼻涙管の閉塞、結膜炎などの炎症による涙道閉鎖などによって、涙腺で産生された涙が鼻に抜けていかないことによる。
【備考】
涙焼けで被毛が黒っぽくなるだけでなく、皮膚炎も起こることがある。

角膜炎

【症状】
疼痛、角膜浮腫(角膜が白っぽくなる)など。結膜炎を併発している場合には結膜充血や結膜浮腫なども見られる。
【原因】
機械的刺激やヘルペスウイルスの感染。
【備考】
ミヌエットは活発な性格の子が多く、家具などに眼をぶつけることで角膜に傷が付くことも多い。

甲状腺機能亢進症

【症状】
多食、体重減少、多飲多尿、活動の亢進、攻撃性の亢進、嘔吐、下痢など。
【原因】
甲状腺の過形成により、甲状腺から分泌されるホルモンが過剰になることによる。
【備考】
高齢の猫では最も一般的な内分泌疾患と言われている。

ミヌエットの健康管理

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愛猫が最も多くの時間を過ごすのが自宅です。家の環境や生活習慣を少し見直すだけで、愛猫の病気に早く気づくことができるかもしれません。

これら好発疾患の早期発見や予防の観点から、ミヌエットとの生活でどんなことに注意すべきかを紹介します。

1. こまめなブラッシング

長毛のミヌエットは、毛玉形成および毛球症の予防のために定期的にブラッシングをしてあげましょう。

皮膚に毛玉ができてしまうと、そこが引っ張られ、痛みや炎症が引き起こされます。毛玉を梳かす際にはスリッカーを用いますが、スリッカーの硬い毛先が直接皮膚に当たると傷がつき、そこから感染などが起こることがありますので注意しましょう。

また、定期的にムダな毛や抜け毛を取り除いてあげることによって、グルーミング(毛づくろい)の際に口から入る毛が少なくなります。抜け毛の処理の際には柔らかいブラシを使いましょう。

手袋タイプのブラシもあるので、スキンシップのついでに抜け毛処理をしてあげてもいいかもしれません。

2. 運動できる環境

毎日の適度な運動がなければ、愛猫は簡単に肥満体型になってしまうでしょう。
もともと活発な性格の猫種でもあり、運動ができない環境は猫にとってストレスです。

時間を作って一緒に遊ぶ、一人でも体を動かせるようにキャットタワーなどを設置するなどの工夫が必要です。その際、ミヌエットは手足が短いため、高さのあるキャットタワーは逆に体に負担をかける場合があるので注意しましょう。

3. 尿の状態をチェック

尿には腎泌尿器系の疾患や内分泌疾患などの徴候が現れることが多いため、愛猫の健康状態を知る手段として、毎日の尿の状態を確認することが重要です。

尿量、色、できれば排尿回数なども把握しておくといいでしょう。
もしかしたらトイレの種類(猫砂、新聞紙など)によっては尿の状態が確認しにくいかもしれませんが、トイレの種類を変えると、その子の性格によっては排尿をしなくなることもあります。

愛猫が快適に排泄できるトイレの状態で、尿を確認しましょう。

4. 眼の状態もしっかり確認

ミヌエットは、眼疾患も比較的多い猫種です。毎日顔を見る時に、眼に異常がないかも確認しておきましょう。
眼に関する観察のチェックポイントは以下のようなものがあります。

  • 涙が多くないか
  • 充血がないか
  • 左右で眼の開き方に差がないか
  • 目ヤニが多くないか

まとめ

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ミヌエットは近年に出てきた新しい猫種のため、飼い方や病気などの情報は他の猫種に比べると少ないかもしれません。

今回ご紹介したポイントに注意して飼育し、わからないことがあれば、気軽に動物病院までご相談ください。

【獣医師監修】ブリティッシュ・ショートヘアの好発疾患と飼い方

ブリティッシュ・ショートヘアは、グレー(ブルー)の短毛が美しい猫種です。性格もどっしりと落ち着いていて、比較的手のかからないと日本でも人気です。

ところで、ブリティッシュ・ショートヘアには好発疾患があるのをご存知でしょうか。

今回はブリティッシュ・ショートヘアのかかりやすい病気と、それを踏まえたオススメの飼育環境について解説していきます。

ブリティッシュ・ショートヘアの基本情報

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歴史

ブリティッシュ・ショートヘアは、ローマ帝国がイギリスへ侵入する際に、ネズミを駆除するためのワーキングキャットとして連れてこられたと考えられています。

それからしばらくは、農場などでネズミ退治を目的に飼われていましたが、19世紀中頃に優秀な個体を選択し、品種改良が行われました。

その後、1871年のロンドンで開かれたキャットショーで紹介され、注目を集めました。

身体的特徴

体重は4〜8kgで、力強くがっしりとした体つきをしています。成猫になるには3〜5年ほどかかるといわれており、他の猫種に比べると成長はゆっくりです。

被毛は短毛のダブルコートです。毛色はブラック、ホワイト、クリームなどさまざまですが、「ブリティッシュブルー」と呼ばれる灰色の毛色が一般的で人気があります。

性格

ブリティッシュ・ショートヘアは、温和でのんびりした性格をしています。

自立心が強いため、スキンシップはあまり好まず、抱っこや撫でられることも嫌がります。しかし、猫の方から近寄ってくることもありますので、その際は思う存分甘やかしてあげてください。

ブリティッシュ・ショートヘアの好発疾患

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まずは、ブリティッシュ・ショートヘアに多い疾患をいくつか紹介します。
どんな症状が出るのかなど、病気をきちんと理解しておけば、日常生活の中で愛猫の異常に気づきやすくなるかもしれません。

肥大型心筋症

【症状】
食欲不振、嘔吐、運動不耐性(疲れやすい)、胸水貯留、腹水貯留など。
【原因】
心筋が厚く固くなることによって、心臓の動き(主に拡張能)が阻害される。また左心房内に血栓が形成されやすく、大動脈に乗って末端で詰まることも多い。
【備考】
血栓塞栓症が随伴した場合、最も多いのは腹大動脈遠位部(太ももの付け根あたり)で、突然の後肢麻痺が見られる。肥大型心筋症と診断された後は、心筋症の治療の他に血栓の予防も同時に行う。

尿石症

【症状】
頻尿や血尿などの膀胱炎症状。尿道閉塞や尿管閉塞を来たすと急性腎不全の症状(食欲廃絶、嘔吐など)を呈する。
【原因】
腎臓から膀胱までの尿路で結石が形成され、物理的刺激による炎症や閉塞による症状を呈する。
【備考】
特にオスでは尿道閉塞のリスクが高い。また結石の種類(ストラバイトやシュウ酸カルシウムなど)によって食事療法が適用となるかが変わる。

多発性嚢胞腎

【症状】
食欲不振、嘔吐、脱水、多飲多尿、貧血など。
【原因】
腎臓に多数の嚢胞が形成され、腎機能に障害がおこる。遺伝的要因の関与が疑われる。
【備考】
慢性腎不全は高齢猫に多い病態だが、多発性嚢胞腎では若齢で慢性腎不全の症状が見られることも多い。血液検査と同時に、画像による腎臓の検査も定期的に行うべきである。

糖尿病

【症状】
多飲多尿、多食、体重減少、白内障、嘔吐、下痢、便秘、脱水、歩行障害、昏睡など多岐にわたる。
【原因】
過体重、老齢、膵炎、腫瘍、感染症などが危険因子となる。インスリンは分泌されているが効果が低いⅡ型糖尿病が多いと言われている。
【備考】
猫はアミノ酸からグルコースを作り出す代謝経路が活発で、またインスリンの分泌が低い特徴がある。よって猫では肥満、ストレス、感染症など血糖値を上げる因子、血糖値を下げられない因子が関わると糖尿病になりやすい。

ブリティッシュ・ショートヘアに適した飼育環境

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これらの好発疾患を踏まえたブリティッシュ・ショートヘアへのオススメの飼育環境について見ていきましょう。

今回は好発疾患の予防や、病気の早期発見に着目してご紹介します。生活習慣を見直し、万が一の時に素早い対応ができるようにしましょう。

肥満に注意

ブリティッシュ・ショートヘアに限ったことではありませんが、肥満は多くの病気のリスク因子となります。

肥満を予防するためには、食事管理と適度な運動が不可欠です。食事は総合栄養食を与え、栄養のバランスが崩れないように配慮しましょう。

また、室内外だとどうしても運動不足に陥りやすくなります。走り回るなどの二次元的な動きだけでなく、ジャンプなどの三次元的な動きを採り入れた運動スペースを確保しましょう。

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尿の状態をチェック

腎泌尿器疾患や糖尿病など、ブリティッシュ・ショートヘアには尿に異常が見られる疾患が多く発生します。
健康な状態での尿の量や色をしっかりと把握し、毎日の尿の状態をチェックしましょう。

しかし、トイレの種類(猫砂、新聞紙など)によっては尿の性質を正確に把握することは難しいかもしれません。少なくとも尿の色(血尿かどうか)および尿が少なくないかは見ておくといいでしょう。

水はいつでも飲めるように

腎臓への負担を軽減するため、または尿路での結石形成を抑制するためにも、十分な飲水量を確保する必要があります。
猫は清潔な水しか飲みたがらないので、飲水場は常に清潔にし、こまめに水を替えてあげましょう。

飲水場の環境が気に入らないと水を飲まないことがあったり、家の中の複数箇所に飲水場を設置してあげるとなお良いでしょう。猫が水を飲みたいと思った時に、いつでも飲むことができます。

飲水量の把握

一日にどれくらい水を飲むのかも把握しましょう。尿量が多い時には飲水量も多くなります

予め器にどのくらいの量の水を入れ、どのくらいなくなったのかをチェックすれば、蒸発で誤差はあれど、ある程度の飲水量は把握できるはずです。メモリのある容器を使うと便利です。

猫では体重1㎏あたり一日50ml以上の飲水で異常と言えます。体重5㎏の子では一日で250ml以上の水を飲むと多いという計算です。
おおよその計算にはなりますが、頭の片隅に置いて頂ければと思います。

まとめ

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こちらの記事で紹介した他にも、病気にかかってしまうことはあると思います。そんな時は慌てずに、動物病院までご相談してください。

定期的に健康診断を受け、病気の早期発見とその後のケアについてしっかり考えていきましょう。

【獣医師監修】手足が短いマンチカンの好発疾患と予防法

マンチカンは猫の中でも短足が特徴の猫種です。
それゆえに走り回る姿などがかわいらしく、日本でも人気を誇っています。
ペットショップなどで見かけることも多いでしょう。

マンチカンという猫種を飼う上で、特に気をつけたい病気があるのをご存知でしょうか。
今回はマンチカンの好発疾患についてまとめました。現在、マンチカンを飼っている人や、飼おうと思っている人はぜひ参考にしてください。

マンチカンの名前の由来と歴史

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「マンチカン」には「小さい子供」「小人」という意味があり、『オズの魔法使い』に登場する、短い足で小柄な体つきが特徴の種族の名前に由来するそうです。

もともと、短足の猫は突然変異種として古くから確認されていましたが、1983年にアメリカのルイジアナ州で短足の猫が発見されたことをきっかけに、遺伝子検査などの研究が進められました。

その後、ブリーダーにより繁殖が行われました。交配を肯定する人と、遺伝子疾患を心配する人の間で論争が巻き起こりましたが、足の短い猫がさまざまな場所で見つかり、近親交配のリスクが低下したことから、1995年にアメリカでマンチカンが新種として認定されました。

マンチカンの好発疾患


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マンチカンには、遺伝的な背景や解剖学的特徴から発生しやすい疾患がいくつかあります。
特にアメリカンショートヘアやスコティッシュフォールドが掛け合わさっている子は、これらの猫種に特徴的な遺伝性疾患が見られるかもしれません。


どんな病気があり、どんなサインを発するのかを知ることで、病気の早期発見・早期治療に繋がります。
病気について理解を深め、異変に気付いたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

多発性嚢胞腎


【症状】
・多飲多尿
・尿色が薄い
・嘔吐
・食欲不振などの腎不全症状

【原因】
遺伝的な要素が大きい
【備考】
腎臓に多数の嚢胞が形成され、腎機能不全を引き起こす。両親の既往歴の確認は重要で、本疾患に罹患した猫は繁殖させるべきではない。



肥大型心筋症


【症状】
・呼吸速迫
・呼吸困難
・開口呼吸
・嘔吐
・突然ニャーニャー鳴く
・後肢麻痺
・後肢冷感

【原因】
アメリカンショートヘアの血筋では遺伝性に伝播することが知られている。

【備考】
肥大型心筋症では心臓内で血栓が形成されやすくなる。形成された血栓が大腿動脈に閉塞し、動脈塞栓症を引き起こすことが多い。

骨軟骨異形成症

【症状】
骨の成長が不十分で身体が大きくなりにくい。
【原因】
マンチカンの短足は常染色体優性遺伝の軟骨異形成による。見た目を追求するあまり、病気になりやすくなることもある
【備考】
人間では「小人症」とも呼ばれる。軟骨異形成によって変形性関節症が発症しやすくなる。

変形性関節症


【症状】
・四肢の痛み
・跛行(歩くときに足を引きずる)
【原因】
関節に存在する軟骨が骨になり、動かすときに痛みを生じる。
【備考】
スコティッシュフォールドの血筋は要注意。定期的に関節(特に肘関節)のレントゲンでチェックしていく。

毛球症

【症状】
・嘔吐
・便秘
・食欲不振
・腹痛などの消化器症状
【原因】
グルーミングによって口から摂取された被毛が、腸に閉塞することによる。
【備考】
長毛の子は定期的なブラッシングで余分な被毛を除去してあげる必要がある。毛玉をコントロールするフードやサプリメントを利用する方法も。

椎間板ヘルニア


【症状】
・首から腰への痛みや違和感
・ふらつき
・歩行困難
・排尿障害(尿失禁や排尿困難)

【原因】
背骨の間にある椎間板が脊髄を圧迫し、刺激することによる。
【備考】
普段の生活から歩き方や排尿の様子を観察し、異常があればすぐに動物病院へ。


マンチカンの飼育環境

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ご紹介した疾患はマンチカンだからといって必ずかかるものではなく、
普段の生活習慣を意識することで、発症のリスクを低減させることが可能です。


では、どんなことに注意すべきなのか、4つのポイントを順番に見ていきましょう。



1.太らせないための食事管理


短い手足のマンチカンは、常に膝や肘などの関節への負担が大きくなります。
そのため、体重が増加するとさらに関節への負担が増し、関節炎などのリスクが高まります。


運動量を増やすことで体重の維持を目指すのではなく、食事管理をしっかり行い、関節軟骨に優しい生活を心がけましょう。

2.適度な運動


摂取するカロリーを制限することによって体重の増加は抑えられますが、全く運動しないのではストレスが溜まってしまいます。


激しく運動をさせる必要はありませんが、キャットタワーを設置するなど、日常的に体を動かせる環境を用意してあげるといいでしょう。



3.交配に注意


マンチカンは、手足が短くなるように品種改良された猫種です。


ある形質(見た目)同士の掛け合わせは、死産のリスクを高めることが知られていますが、短足の遺伝子もその一つです。
つまり、短足の親同士の交配では、死産リスクが高いということです。


よって短足のマンチカンでは、短足マンチカン×長足マンチカン、あるいは短足マンチカン×雑種猫で交配をさせる必要があります。
マンチカンの多頭飼いをしている方は注意しましょう。
また、短足のマンチカンが産まれてくる割合は2〜3割程度と言われています。

4.被毛のお手入れ


中には毛の長いマンチカンもいます。長毛の子は、被毛のお手入れをしないと簡単に毛玉が形成され、皮膚病に繋がる恐れがあります。
また、グルーミング(毛づくろい)によって大量の毛を口にすることで、毛球症のリスクも上がります。




病気のリスクを減らし、美しい被毛を維持するために、定期的にブラッシングをしてあげましょう。

まとめ

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マンチカンは見た目にも非常にかわいらしい猫種であることは間違いありません。しかし、その一方でかかりやすい病気も多く、一緒に暮らす上では覚悟しなければならないことも少なくありません。

大切な家族の一員として病気に関する知識をしっかり身につけ、たくさんの愛情を注いであげてください。

【獣医師監修】スコティッシュフォールドに多い疾患とその対策

スコティッシュフォールドは、垂れた耳とぷっくり丸い顔が特徴の猫種です。

日本でも人気が高く、スコティッシュフォールドを飼育する方や、飼育したいと考える方が増えています。
そこで今回は、スコティッシュフォールドに起こりやすい病気と、注意したい飼育環境についてまとめました。

スコティッシュフォールドの歴史や性格

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歴史

Scottish(スコットランドの)fold(折りたたむ)」という名前の通り、スコットランドが原産の猫で、1960年代に耳の折れた猫をベースに交配を繰り返して生まれた猫種です。

「折りたたまれた耳」が特徴の猫種ですが、実は、不完全な折れ耳、または立ち耳のスコティッシュフォールドもいます

スコティッシュフォールドは、進化の過程で折れ耳を獲得したのではなく、突然変異で生まれた折れ耳の猫を人為的に交配したものであるため、必ずしも折れ耳の遺伝子が発現するとは限りません

立ち耳のスコティッシュフォールドを、最近では「スコティッシュストレート」と呼ぶこともあるようです。

性格

スコティッシュフォールドは、おだやかで人懐っこい性格をしているため、「猫と一緒に遊びたい」「甘えてほしい」と思っている方にはおすすめの猫種です。
また、運動量も比較的少ないため、おとなしめの猫を飼いたい方にも最適です。

スコティッシュフォールドの好発疾患

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スコティッシュフォールドには、注意しなければならない疾患が存在します。特に注意したいのは骨軟骨異形成症で、これはスコティッシュフォールドの垂れ耳にも関係しています。

健康診断の時に何を注意すればよいのか、考えながら読んでいただければと思います。

骨軟骨異形成症

【症状】
足を引きずる様子。
【原因】
スコティッシュフォールドに特徴的な遺伝性疾患。
【備考】
中手骨や中足骨(いずれも指の骨)などの骨格変形が特徴。有効な治療法はなく、対症療法のみ。
折れ耳同士で繁殖させると発症しやすいため、最近では折れ耳のスコティッシュフォールド同士の交配は原則禁止とされる。

多発性嚢胞腎

【症状】
多飲多尿、頻尿、無尿、嘔吐、下痢、食欲不振など。
【原因】
遺伝的に起こる疾患で、腎臓にたくさんの袋(嚢胞)が形成されることで腎機能障害を引き起こす。
【備考】
若いうちから腎不全症状が見られる場合もあるので、定期的に血液検査や画像検査で腎臓のチェックを。

肥大型心筋症

【症状】
呼吸速拍、胸水、腹水、疲れやすい、元気消失、食欲不振、嘔吐など。
【原因】
アメリカンショートヘアの血が混じってる場合には、家族性発生が報告されている。
【備考】
心臓内で血栓が形成されやすく、動脈(特に大腿動脈)に塞栓することが多い。
その場合、後肢の麻痺と突然の痛みを生じる。

外耳炎

【症状】
耳の痒み、臭い、汚れなど。
【原因】
耳道の環境悪化によって、細菌や真菌などの微生物が異常増殖することによる。
【備考】
スコティッシュフォールドの垂れ耳は耳道内環境が悪化しやすい。特に耳が硬い子は要注意。

尿石症

【症状】
膀胱炎症状(頻尿、血尿など)、腹痛など。
【原因】
食事のミネラルバランスの異常、避妊や去勢によるホルモンバランスの乱れなど。
【備考】
肥満傾向の子は、膀胱内の結石が尿道に閉塞することも多く、この場合は緊急疾患として取り扱う。
速やかに閉塞を解除しないと急性腎不全となり、命に関わる。

日頃から気をつけたいポイント

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以上の好発疾患を踏まえて、スコティッシュフォールドと一緒に暮らす上で、飼い主さんが日頃から気をつけてあげたいことを解説します。

痛みのサインを逃さない

スコティッシュフォールドの好発疾患に「骨軟骨異形成症」がありますが、これは外見を観察するだけではわかりません。
日々の歩き方、ジャンプの頻度、動く頻度などをチェックし、異常にいち早く気づいてあげることが必要です。

「スコ座り」には要注意

また、スコティッシュフォールドは「スコ座り」と呼ばれる独特のポーズをすることがあります。両後肢を前に投げ出したおじさんのような体勢で、SNSでも人気のポーズです(#スコ座り)。

しかしこれは、関節にかかる負担を軽減するための姿勢で、関節疾患や肥満の子によく見られます
「可愛いから写真を撮る」ではなく、一度動物病院でしっかり検査をしてもらうのが良いでしょう。

定期検診でレントゲンを

症状が見られなくても病気が進行していたり、痛みを我慢して表に出さないこともあります。
スコティッシュフォールドは特に、半年に1回程度の画像検査をおすすめします。

レントゲン画像上で関節に異常が見られた場合には、できるだけ運動をさせない、室内の段差をなくすなどの対応が必要です。

耳掃除

垂れ耳で、耳の軟骨が硬い傾向にあるスコティッシュフォールドは、定期的に耳のお手入れが必要です。

その際、綿棒を使ってガシガシ掃除をすると、耳の粘膜を傷つけてしまうため、柔らかいコットンを軽く湿らせ、優しく拭ってあげるくらいがちょうどいいです。

耳掃除を嫌がる猫も多いので、無理をせず、定期的に動物病院でケアを依頼することも考えてみてください。

尿のチェック

猫は、腎臓病が非常に多い動物です。

毎日の排泄で、尿の量が変化していないか、あるいは尿の色に変化はないかをしっかりと確認しましょう。
肉眼ではわからないこともあるので、特に7歳以上のシニア期の子は定期的に尿検査をすることが推奨されます。

まとめ

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特徴的な遺伝性疾患があるスコティッシュフォールドですが、だからといって寿命が短いわけではありません。愛情をしっかり注ぎ、病気を早期に発見することができれば、十分に長生きできます。

あらかじめかかりやすい病気を知っておき、少しでも異常を感じたらすぐに動物病院に連れて行きましょう。そして、もし病気になったとしても、その病気とうまく付き合う方法を考えていきましょう。

【獣医師監修】太り過ぎに注意!アメリカンショートヘアの好発疾患

アメリカンショートヘアは、昔から日本で人気の猫種です。

猫を飼ったことがなくても、アメリカンショートヘアの名前くらいは知っているという人も多いでしょう。それだけメジャーで、日本でも飼育頭数が多い猫です。

では、猫の品種によって気をつけなければならない病気や、飼育環境はあるのでしょうか。今回はアメリカンショートヘアの好発疾患と飼育環境についてまとめました。

アメリカンショートヘアの歴史

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アメリカンショートヘアの祖先はイギリスのブリテッシュショートヘアで、1620年に移民を乗せたメイフラワー号のネズミ退治猫としてアメリカにやってきました。

もともと使役猫として飼われていたことから、愛玩目的の純血種である必要がなく、異なる種の猫との交配が行われました。そのため、比較的丈夫な体になったとされています。

その後、アメリカの愛好家たちの手により品種が固定され、「アメリカンショートヘア」という純血種として現代にまで受け継がれてきました。

アメリカンショートヘアの好発疾患7つ

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純血種というのは、近い血を交配し続けることで守られています。それ故に遺伝的に発生しやすい疾患があり、体が丈夫とされるアメリカンショートヘアも例外ではありません。

それでは、アメリカンショートヘアの好発疾患について詳しく見ていきましょう。

肥大型心筋症

【症状】
・呼吸速拍
・胸水
・腹水
・嘔吐
・食欲不振

【原因】
心臓の筋肉(心筋)が大きくなり、心臓の拡張能が低下することによる。アメリカンショートヘアでは遺伝性の肥大型心筋症が報告されている。

【備考】
診断には超音波検査が必要。また動脈血栓塞栓症が続発することが多く、注意が必要。

動脈血栓塞栓症

【症状】
・突然の後肢麻痺
・後肢の冷感
・大声で鳴く

【原因】
心臓などで形成された血栓が、動脈の細い部分(特に大腿動脈)に詰まる。

【備考】
肥大型心筋症では血栓が形成されやすい。治療には血栓を溶かす薬剤を用いるが、長く閉塞した血栓がなくなると、末端の壊死した組織や細胞が全身を巡る「腫瘍溶解症候群」が起こり、時に命に関わる。

糖尿病

【症状】
・多飲多尿
・脱水
・易感染性
・嘔吐
・下痢
・昏睡
・低体温

【原因】
インスリンの分泌不足や、インスリンの作用不足。猫の場合、インスリンは分泌されていることが多く、ヒトのⅡ型糖尿病と類似する。

【備考】
雄は雌の1.5倍発生が多く、肥満はインスリンの効きを悪くする。他の危険因子としては加齢、膵炎、腫瘍、感染症も挙げられる。

多発性嚢胞腎

【症状】
・多飲多尿
・尿が薄くなる
・食欲不振
・嘔吐
・口内炎や消化管潰瘍などの尿毒症症状
・貧血

【原因】
多くは遺伝性で、両親に発病がないか確認する必要がある。

【備考】
治療法や予防法がないため、早く発見してできるだけ症状を緩和していく。

肝リピドーシス

【症状】
・急激な体重減少
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・便秘
・黄疸

【原因】
肥満の猫が、2週間以上の食欲不振などで栄養が偏ると肝臓に過剰な脂肪が蓄積する。

【備考】
肥満の予防が重要であるが、他の病気による食欲不振も引き金になり得る。

尿石症

【症状】
・血尿
・頻尿
・トイレに行くが排尿しない
・腹痛

【原因】
腎臓や膀胱などの泌尿器に結石が形成されることによる。

【備考】
結石は普段の食事や、体質によって形成されやすいものがある。また雄の場合は、尿道に結石が閉塞することも多く、緊急手術が行われる。

関節炎

【症状】
・動きたがらない
・患部を舐める
・関節の腫れ
・痛み

【原因】
慢性的な関節への負担、肥満などにより関節軟骨が擦り減ると、骨の変形が引き起こされる。

【備考】
肥満の予防が重要。

アメリカンショートヘアを飼うなら注意したい4つのこと


「猫は犬と違って散歩も必要ないし、手間がかからない」と思っていませんか?しかし、人間と一緒に生活をする以上、愛猫の健康を守るためにはやはり気をつけなければならない生活習慣があります。

アメリカンショートヘアの好発疾患を理解し、どんなことに注意すべきかを確認しましょう。

①太りにくい食事管理

糖尿病や関節炎、あるいは膀胱にできた結石が尿道に閉塞しないためにも、肥満を防止することが重要です。そのためには、栄養バランスの整った太りにくい食習慣を作りましょう。

特に避妊や去勢をした子は太りやすい傾向にありますので、ライフステージにあった食事を用意してあげてください。

②しっかりした運動

食事管理と同様に、肥満の予防のためには適度な運動も必要です。

もともと、日常的にたくさんの運動を必要とする猫種ではありませんが、キャットタワーを設置するなどの工夫は必要でしょう。時間がある時はおもちゃで遊んであげるのも良いですね。

③尿のチェック

アメリカンショートヘアの好発疾患には、腎臓疾患や糖尿病など尿に異常が現れるものが多くあります。
日々の生活の中で、尿量がいつもより増えていないか、あるいは減っていないかを確認しましょう。また、尿の色が薄い、赤いなどの見た目の異常もあるかもしれません。

トイレをただ片付けるのではなく、排泄物を確認する習慣をつけましょう。

④飲水量の把握

尿の量は、飲水量と密接に関係しています。

留守の間は置き水をすることになりますが、一日で愛猫がどのくらい水を飲んだかを把握しておくことはとても大切です。
目盛りのある容器を用意すると、飲んだ量が分かりやすいのでおすすめです。

また、夏場などは特に、飲み水を切らさないように注意してください。
常に新鮮な水を飲めるような環境を整え、しっかり飲んでしっかり排泄をしてもらうことで、腎臓への負担を軽減します。

まとめ

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アメリカンショートヘアは、猫の純血種の中では特に病気が多いというわけではありません。しかし、やはり生き物ですので、どうしても体調を崩すことはあるでしょう。

病気にさせない環境を整えると同時に、病気を早く見つけられるよう、排泄物のチェックや飲水量の確認を習慣づけることが大切です。

【獣医師監修】猫の尿で毎日健康チェック!尿から気付ける病気とは

猫を飼っているみなさんは、日常的に猫のトイレの掃除をしていると思います。その日常のトイレ掃除、何も考えずにただ漠然と行っていませんか?

言葉が話せない猫にとって、尿は大切な健康に関する情報です。健康の異常が尿の異常となって現れることもあるので、いつものトイレ掃除で尿の状態を確認することが重要です。

今回は、猫における尿の外観異常について、獣医師が詳しく解説していきます。

尿外観異常とは

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猫の尿の色は通常、黄色~淡い黄色をしています。尿の外観異常は、この尿の色が濃くなる、薄くなる、赤くなるなどの異常を呈する状態です。

代表的なものは「血尿」です。主に泌尿器系の疾患によって尿色に異常が生じます。

猫の尿の異常で動物病院を受診する前に

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愛猫の尿の異常に気付いたら、なるべく早めに動物病院を受診する必要があります。あらかじめ次のようなことを把握しておくと、診断がスムーズに進みます。

  • いつから:急性か慢性か
  • 尿の様子:色、臭いなど
  • 排尿時の様子:頻尿の有無、排尿時に痛みがありそうか、尿漏れの有無など
  • 飼育環境:環境の変化、猫がイタズラした可能性など

尿の持参もしよう

尿の外観異常が見られた場合、尿検査は必ず行いたい検査です。自宅で採尿が可能であれば、その尿で検査を行った方が猫への負担が少なくて済みます。

ウロキャッチャーと呼ばれる、スポンジが先端に付いた棒があり、簡単に採尿をすることができます。ウロキャッチャーは動物病院で購入することができます。

その際、細菌や蛋白質の混入を防ぐために、猫の排尿を空中でスポンジにキャッチすることが望ましいのですが、なかなか現実的ではありません。そこで、裏返したペットシーツの上に排尿させると楽に採尿できます。

また、無菌的に採尿するために、動物病院にてカテーテルまたは穿刺による採尿を行うこともあります。

猫の尿の異常で考えられる疾患

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では、尿の外観異常が見られたとき、猫の体の中では何が起こっているのでしょうか。

疾患が泌尿器だけに起きている場合もあれば、全身に影響を及ぼしている場合もあります。

ここからは、猫の尿に外観異常が見られた際に疑われる疾患をご説明します。

特発性膀胱炎

膀胱炎は、猫において非常に多くみられる疾患です。

膀胱炎にはいくつか原因がありますが、その中でも注意したいのが「特発性膀胱炎」です。
特発性膀胱炎にはストレスが関与していると言われています。引っ越しや、近所の工事音、ペットホテルに預けるなど、住環境の変化がストレスとなって膀胱炎になることが多いのです。

血尿や頻尿といった泌尿器症状が見られ、時には腹痛や食欲不振も認められます。生活の中で猫のストレスを緩和してあげることが非常に重要です。

結石性膀胱炎

結石性膀胱炎は膀胱炎の中でも、膀胱の中に結石が形成されることに起因するものです。
膀胱内の結石がゴロゴロ転がることで膀胱粘膜を傷つけ、炎症が起こります。

結石の種類にもいくつかあり、体質や栄養状態によってできやすい結石が異なります。
また、形成された結石の大きさによっては、尿道閉塞を起こす可能性があります。

特に、雄猫の尿道は非常に狭く、閉塞を起こしやすくなっています

タマネギ中毒

猫にとってタマネギは毒物で、食べると赤血球が破壊されます
それによって赤血球の赤い色素が尿中に現れ、血色素尿となります。タマネギ中毒は重度の貧血を引き起こし、命を落とす危険もあります。

タマネギを食べてしまった可能性が少しでもあるのなら、すぐに動物病院を受診してください。

多発性嚢胞腎

腎臓に嚢胞(のうほう)が多数形成される先天性腎疾患で、ペルシャエキゾチックショートヘアで見られます。
初期は無症状ですが、嚢胞が増えてくると腎機能障害が起こります。

徴候としては血尿、嘔吐、多飲多尿および尿路感染症などが認められます。

確定診断は超音波検査にて腎臓の嚢胞の大きさや個数を確認しますが、これは生後1~2カ月から可能です。
治療法は確立されていないので、慢性腎不全に対する対症療法を行うしかありません。

泌尿器系腫瘍

猫の高齢化によって腫瘍による尿外観異常も増えてきています。
泌尿器系の腫瘍は悪性であることが多く、腎臓や膀胱に腫瘍が発生します。

血尿と排尿困難が主な臨床症状であるために、膀胱炎と診断された後に治療を行ってもなかなか治らず、精査してみて見つかることも多くなっています。

胆管閉塞

胆管は胆嚢と十二指腸を繋ぎ、胆汁の通り道となる管です。
この胆管が閉塞すると、血清や組織が胆汁色素(ビリルビン)によって黄色く染まる「黄疸」が発生します。

血清中のビリルビン濃度が高くなると、尿中のビリルビン濃度も高くなり、尿は濃い黄色になります。尿中のビリルビンは尿検査によって検出可能です。
ただし、排尿回数が少ない猫は元々尿色が濃いことがあるため、判断が難しいと言えます。

慢性腎不全

腎臓で尿の濃縮がうまくできなくなると、尿色は薄くなります。
何かしらの対策を行わないと、70%以上の猫が慢性腎不全になると言われており、猫と腎不全は切っても切れない関係となっています。

年齢とともに尿が薄くなった、尿量が増えた、飲水量が増えたなどの症状が見られた場合は腎不全を疑いましょう。
変性した腎臓の細胞は、例え治療しても元に戻ることはなく、また腎不全の臨床症状が現れる頃には腎細胞の約60%が機能しなくなっていると言われています。

残った腎細胞にいかに負担をかけないかが長生きの秘訣になります。

猫の尿の異常にいち早く気づくために

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日頃から猫の尿色の確認をすることで、早めに異常に気づいてあげたいものです。

猫の異常に早く気づくために、飼い主さんはどのようなことができるでしょうか。

トイレでの尿色確認

猫砂など、トイレのタイプによっては尿の色を確認しにくいかもしれません。しかし、例えば白い砂に変えてみるなどの対策で、多少は尿の色が確認しやすくなります。

さらに排尿後のトイレの様子を写真に撮っておけば、小さな変化に気付くことができるかもしれません。

外飼いの時は

外で排泄する習慣がある子については、尿色を確認することはできません。しかし、膀胱炎や腎不全などの疾患では血尿以外にも頻尿などの症状が見られることがほとんどです。

尿色に頼れない以上、他の徴候を見逃さないようにしましょう。

まとめ

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猫の尿の外観異常は、排泄物として残るため、比較的気付きやすい異常です。

特に、猫は泌尿器に疾患をかかえやすい性質があります。愛猫が長生きできるよう、日頃から注意して猫の尿を観察してあげましょう。

純血種の猫がかかりやすい?代表的な遺伝性疾患を5つ紹介

純血種の猫は病気が多いとよく言われていますよね。

純血種は近親交配で生まれてくる個体が多いため、先天的疾患を持って生まれてくることが多いのです。

猫種によってかかりやすい病気は変わってきますが、純血種がかかりやすい病気にはどのようなものがあるのか、代表的なものを紹介していきたいと思います。

遺伝性疾患とは

薬
遺伝性疾患とは、生まれつき持っている疾患のことを言います。

生まれてからすぐに症状が出て、遺伝性疾患とわかる場合もありますが、少し時間が経ってから発症がわかることもあるので、心配な場合は遺伝子検査が必要になることもあります。

近親交配の影響

純血種に遺伝性疾患がつきものである理由は、種の特徴を維持するための近親交配が理由としてあげられます。

近親交配は一度発生した病気の原因遺伝子を排除しにくいこと、特に突然変異の個体を人為的に繁殖する場合は、血筋が濃すぎるために、隠れていた原因遺伝子が顕在化しやすいということもあります。

これは猫に限った話ではなく、犬でも同じです。そのため、猫でも犬でも、ブリーダーさんから譲ってもらう場合は、そのブリーダーさんがどこまで遺伝に関する知識があるのか、きっちりと見極めることが重要になってきます。

代表的な遺伝性疾患

赤血球ピルビン酸キナーゼ欠損症

アビシニアン
なかなか馴染みのない病名かもしれませんが、赤血球ピルピン酸キナーゼ欠損症とは、赤血球の寿命が短くなることで貧血になってしまう病気です。

赤血球ピルピン酸キナーゼ欠損症は予防することができず、治療法がないため、発症すれば寿命は4年ほどと言われています。

赤血球ピルピン酸キナーゼ欠損症の主な初期症状は以下の通りです。

  • 運動をしたがらない
  • 元気がない、疲れやすい
  • 粘膜が青白い(まぶたの裏、口の中など)
  • 頻脈
  • 貧血
  • 脾腫、肝臓腫大
  • 黄疸 など

代表的なかかりやすい猫種

アビシニアン、ソマリ、シンガプーラ、ノルウェージャンフォレストキャット、ベンガルなど

多発性嚢胞腎(のうほうじん)

ペルシャ
多発性嚢胞腎とは、腎臓の中に嚢胞と呼ばれる液体の詰まった袋が発生し、成長とともに大きくなり腎臓の機能を低下させてしまう病気です。

幼い頃から緩やかに進行していき、7〜10歳ごろに腎不全を引き起こしてしまいます。症状が緩やかであることから、気づかないこともあるようです。

この病気も予防することができないため、症状を和らげるため対症療法を施し、腎臓の健康な部分をできるだけ維持させることが必要になります。

親が多発性嚢胞腎の原因遺伝子を持っている場合、50〜100%の確率で発症する遺伝性の疾患です。

多発性嚢胞腎の症状は以下の通りです。

  • 食欲不振
  • 多飲多尿
  • 体重減少

代表的なかかりやすい猫種

ペルシャ、アメリカン・ショートヘア、スコティッシュ・フォールド

肥大型心筋症

メインクーン
肥大型心筋症は、左心房の壁が中心に向かって分厚くなってしまうことで心機能に障害が出てくる病気です。

この病気になると、心房の内側が狭くなり、血液を貯められなくなるため血液を十分に送り出せなくなってきます。
血液が滞ると血栓もできやすくなり、命の危険があります。

肥大型心筋症もやはり治療法はありませんので、なるべく早期に発見することが望ましく、対症療法を施して進行を遅らせます。

初期症状は以下の通りです。

  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 口で息をする

代表的ななりやすい猫種

メインクーン、ペルシャ

骨軟骨形成不全症

スコティッシュフォールド
こちらの病名は聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
骨軟骨形成不全症は、現在人気の猫種、スコティッシュフォールド特有の病気です。

骨軟骨形成不全症になると、手足やしっぽの関節部に骨瘤(こつりゅう)と呼ばれる軟骨の「こぶ」ができます。

この「こぶ」の部分は痛みを伴います。軽度であれば「他の猫より大人しいな、あまり動かないな」程度で済みますが、歩くことが困難になってしまうこともあります。

主な初期症状は以下の通りです。

  • 関節が腫れる
  • 変な歩き方をする
  • しっぽが短く変形する
  • 足や手を痛がる
  • ジャンプなど激しい動きをしなくなる…など

代表的なかかりやすい猫種

スコティッシュフォールド

筋ジストロフィー


筋ジストロフィーとは、筋骨格を形成するのに必要な「ジストロフィン」が欠如することで、全身の筋肉が萎縮して歩行や運動が困難になる病気です。

進行性のため、徐々に症状が重くなり、最終的には動けなくなってしまいます。

この病気も予防法や完全な治療法が見つかっていないため、症状を遅らせてなるべく苦痛を緩和させてあげることが必要になります。

幼少期に発症することが多く、雄がかかりやすいと言われています。

主な症状は以下の通りです。

  • 筋肉が硬くなっている
  • 筋肉が震えている
  • 手足が肥大化している
  • 舌が肥大化している
  • よだれを垂らしやすい
  • 不自然な歩き方…など

代表的なかかりやすい猫種

短毛種、デボンレックス

気をつけるべきこと

病院
繰り返しになってしまいますが、猫種によって差はあれど、純血種は遺伝性疾患がつきものです。

飼い始めてから思いもよらぬ苦労をして飼い主も猫も不幸にならないためには、特定の飼いたい猫種がいる場合、その猫種特有の病気や、習性などの知識を学ぶことが大事になってきます。

また、一般的に病気になりやすい猫種であっても、なるべく病気を発症しないような交配を心がけているブリーダーの方もいます。

猫の遺伝性疾患は、犬に比べるとまだ研究が進んでいないそうですが、まず購入者である飼い主が知識なしに飼わないようにすると心がけることが、少しでも状況を良くする手がかりになるのではないでしょうか。

スコティッシュフォールドの例

スコティッシュフォールドであれば、親が「折れ耳×折れ耳」から生まれた子は高確率で骨軟骨形成不全症になってしまうことがわかっているため、飼う前に両親とも折れ耳でないことを確かめた方が良いでしょう。

終わりに

手の中の猫
猫をお迎えしようと考えた時、一人暮らしはダメなどの制約がある保護猫譲渡会を諦めて、ペットショップを考える方も未だ多くいらっしゃると思います。

飼えるハードルが少し低い分、一目惚れの出会いだけでなく、その先ずっと面倒を見るということも踏まえてお迎えできると良いですね。