初めての犬の飼い方【飼い始めてから】
犬を飼うのが初めての場合、何をどのように世話すれば良いのか、何を優先すべきなのか、心配や疑問が生じることもあるでしょう。
この記事では初めて犬を飼う方々に向けて、基本的かつ重要な知識をまとめました。
ご縁があって迎えた子に幸せな暮らしをさせてあげられるよう、犬の飼い方について学んでいきましょう。
新しい環境に慣れさせる
待ちに待った犬を家にお迎えした時は、とても嬉しい瞬間ですが、犬にとっては急に環境が変わり、大きなストレスを抱えやすい時でもあります。犬が不安を抱いたり、体調不良を引き起こさないよう、注意しましょう。
できるだけ落ち着いた環境で過ごさせましょう
新しく迎えた子犬が、元いた場所から家に連れて来られた際に体調不良になることを「ニューオーナーシンドローム」と呼びます。犬を飼いたかった方にとっては、やっと子犬を迎えた喜びから、つい構いすぎてしまうことがありますが、最初の一週間ほどは過度に接し過ぎず、静かに過ごせる環境を整え、食事や睡眠に注意し、徐々に新しい環境に慣れるように心掛けましょう。
ニューオーナーシンドロームの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
これから子犬を迎える方は必見!ニューオーナーシンドロームとは?
夜鳴きをする場合は
母犬や兄弟犬と一緒に過ごしていた子犬の場合、夜寝る時に不安や寂しさから夜鳴きをすることがあります。多くの場合、心細さから吠えているため、叱ることは避けましょう。叱ることで不安を増幅させてしまう可能性があります。一般的には一週間程度で改善することがほとんどですが、長期にわたって続く場合は、獣医師など専門家に相談することをおすすめします。
子犬の夜鳴きの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
子犬が夜鳴きする5つの理由とそれぞれの対策をご紹介!
名前をつけて手続きをする
犬を飼い始めたら、自治体に登録しなければなりません。そのためにも、犬の名前をつける必要があります。
名前をつける
新しく迎えた犬に素敵な名前をつけようと思っても、なかなか良いアイデアが浮かばないこともあるかもしれません。愛犬の名前は、これから十数年にわたって呼ぶことになります。大切な家族の名前ですから、じっくり考えて名付けましょう。
愛犬の名前についてはこちらの記事をご覧ください。
オシャレでかわいい犬の名前、おすすめ決定版!
自治体に犬の登録をする
犬を飼う場合、飼い主は犬を飼い始めた日(生後90日以内の犬については生後90日を迎えた日)から30日以内に、犬の登録をしなければなりません。
登録は1頭の犬につき、基本的には生涯に1回行うものですが、引っ越した場合や犬を譲り受けて飼い主が変わった場合は再登録の手続きが必要となります。
犬の登録についてはこちらの記事をご覧ください。
犬を飼い始めたら「登録」「予防注射」が義務って知ってた?
健康管理とワクチン接種
愛犬と長く幸せに暮らしていくためには、健康に気を配ってあげることは非常に重要です。
かかりつけの動物病院を見つけよう
犬を飼い始めてから、最も深く長く関わることになる場所は動物病院かもしれません。ワクチン接種の時だけでなく、もし犬が体調を崩した場合にも頼れる病院を事前に探しておくことが重要です。
動物病院についてはこちらの記事をご覧ください。
良い動物病院の探し方・選び方
ワクチンで病気を予防しよう
犬には、飼い主の義務として必ず接種させなければいけない「狂犬病ワクチン」と、飼い主の判断で病気から守るために接種する「混合ワクチン」があります。どちらのワクチンも、獣医師の指示に従って適切に接種することが重要です。
犬のワクチンについてはこちらの記事をご覧ください。
【獣医師監修】改めて確認しよう!犬のワクチン接種と注意点
駆虫薬で病気を予防しよう
「フィラリア症」「エキノコックス症」「ノミ・ダニ」などの寄生虫による感染症は、駆虫薬で防げる可能性が高い病気です。病気によっては人間にも感染し、重篤な症状を引き起こすことがあるので、家族全員を守るためにも、確実に予防しましょう。
駆虫薬で予防できる病気についてはこちらの記事をご覧ください。
【犬編】ワクチン・駆虫薬で予防できる病気と、その他の病気の予防法
犬が食べると危険なものを知っておこう
人間の食品の中には、犬にとって有害な食材が存在します。全ての有害な食材を完全に把握する必要はありませんが、中には少量の摂取でも死に至る危険な食材もあります。特に有害な食材を把握し、間違って与えないように注意し、犬が盗み食いできないように対策を講じましょう。
犬が食べると危険な食材についてはこちらの記事をご覧ください。
最低限知っておくべき、危険な食べ物リスト【犬猫版】
ごはんのあげ方に注意しよう
多くの犬にとって、ごはんは一日の中で最も楽しい時間ではないでしょうか。しかし、ごはんのあげ方に注意しないと「胃拡張・胃捻転症候群」という病気を引き起こす可能性があります。この病気は重篤な場合には命に関わることもありますので、特に早食いや大量食い、食後の激しい運動は避けるように注意しましょう。
胃拡張・胃捻転症候群についてはこちらの記事をご覧ください。
ごはん直後の犬の散歩は危険!胃捻転の症状と対策
しつけ・トレーニングをしよう
犬のしつけやトレーニングは様々なものがありますが、ここでは飼い始めた頃に必要なものをご紹介します。
トイレのしつけをしよう
家に新しく迎えた室内犬にとって、トイレトレーニングは避けて通れないものです。初めて犬を飼う方にとっては、上手くいかずに疲れ果ててしまうことも珍しくありません。人間にとってはトイレの失敗は不快なものですが、ついつい叱ったり大声を出したりしてしまうことは避けましょう。トイレの失敗を叱っても良いことは全くありません。犬によってトイレの習慣も異なるため、毎日のトレーニングを気長に続けることをおすすめします。
トイレトレーニングついてはこちらの記事をご覧ください。
[トイレの失敗5選]愛犬を叱る前に見直したい飼い主の対応
社会化トレーニングをしよう
生後4週齢から13週齢までの期間を「社会化期」と呼び、この時期はさまざまな経験を柔軟に吸収できる貴重な時期です。十分な社会化が行われないと、いろいろなものを必要以上に怖がったり、音に過敏に反応したりするなど、犬が平穏な生活していくのが難しくなり、飼い主にも大きなストレスがかかる可能性があります。重要な社会化期を逃さず、積極的にトレーニングを行いましょう。
社会化トレーニングついてはこちらの記事をご覧ください。
獣医師が教える子犬のしつけ①〜社会化期にやるべき5つのこと音に怯えないようにするにはこちらの記事をご覧ください。
愛犬が怯えないために対策を。生活音や環境音の音源集9選
体のどこでも触れるようにしよう
犬の健康管理や飼い主とのコミュニケーションにおいて、犬の体を触る機会は多くあります。しかし、触られることに慣れていないと、それは犬にとって大きなストレスとなります。犬が触られるのを嫌がるため、病気やケガの発見が遅れたり、他人に撫でられる際や動物病院での診察時に人を咬んでしまい、トラブルが発生することもあります。特に鼻先や尻尾、四肢の先端などは、犬が触られるのを嫌がりやすい部位ですが、徐々に触られることに慣れさせるようにしましょう。
体を触れるようにするにはこちらの記事をご覧ください。
獣医師が教える子犬のしつけ③〜ボディコントロール
甘噛みを直そう
子犬を迎えた際によくある悩みの一つが、甘噛みです。子犬は好奇心や物を確かめるため、何でも噛む傾向があります。これは人間の赤ちゃんが何でも口に入れるのと似ています。しかし、子犬の歯は成犬に比べて細く、甘噛みであっても痛みを感じます。甘噛みが習慣化することを防ぐために、積極的に対処しましょう。
甘噛みを直すにはこちらの記事をご覧ください。
[子犬の甘噛み]叱る前に知ってほしい原因と対策
まとめ
初めての犬を飼う時は、喜びと共に失敗や学びの連続です。大変なことも多いと思いますが、ご自身が飼い主として成長することで、愛犬との絆が深まっていく過程を楽しんでみてください。
多くの人と、その愛犬が共に幸せに暮らせることを願っています。
目指せ元気なシニア!シニア犬におすすめエクササイズ
シニア犬とは、個体差はあるものの、一般的に7才以上の犬を指すことが多いです。
犬も人と同じで、年を取れば身体的な変化や悩みが出てきやすいですが、より長く元気に幸せに過ごしてほしいという想いは飼い主さん共通の願いですよね。
今回は、そんなシニア犬の特徴や、元気に過ごすためにシニアでもできるエクササイズをご紹介します。
シニア犬の特徴とよくあるお悩み
シニア期になると現れやすい身体的な特徴とシニア犬で多いお悩みを見ていきます。こんな変化や悩みが出てきたら愛犬もそろそろシニア期に入ってきているかもしれません。
シニア犬の特徴
・皮膚がたるむ
・ぽっちゃり体型を経て痩せていく
・顔周りの白髪が増える
・毛艶の減少
・動きがゆっくりになる
・歩き方の変化
シニア犬によくあるお悩み
・夜中に鳴く、吠える
・日中起きない
・歩けなくなることがある
・物にぶつかる
・寝たきりになる
・隙間にはまる
・トイレの失敗
・攻撃的になる
・認知症の疑い
シニア犬でも毎日やりたいエクササイズ
この章ではシニア犬向けエクササイズを紹介します。
「シニアだから何もできない…」 「今更もう遅い」ということは決してなく、愛犬の状態に合わせてできることを考えることが大切です。
ぜひ、愛犬ができそうなものを、少しずつでも挑戦してみてください!
もちろんシニア犬だけでなく、シニア期に向けて、若いうちから行うのもおすすめです。
スタンドアップ エクササイズ
自ら立つエクササイズです。筋力が低下すると、伏せた状態から立つことも段々と大変になっていきます。
立つ動作をゆっくりでもしっかりとできることを目指します。
飼い主さんが、途中までサポートしてもOKです。少しずつでも愛犬が自力でできるようにしていきましょう。
スクワット
人が行う膝を曲げ伸ばしするスクワット同様、「立つ→座る」を繰り返すエクササイズです。
これにより、足腰の筋力低下を防ぐのはもちろん、自分で立ち上がり、しっかりと座れることを目指します。
座る際は脚が横に出てきたりと、ラクなお座りをしがちですが、愛犬が痛がる様子や病気・ケガがない場合は正しいお座りの姿勢で行うことがポイントです。
壁際でやることで、脚が横に出にくくなり、正しいお座りの姿勢で行いやすくなります。
障害物またぎ
愛犬が普段歩く際に上げている脚の高さよりも、少し高めの障害物をまたいで歩くエクササイズです。普段よりもしっかりと脚を上げることで使うことが少なくなってきている部分の筋肉もしっかり動かします。
障害物は、ゴム紐やタオル、飼い主さんの脚など、犬がまたぎきれなくてもケガをしないもので行います。
坂道エクササイズ
ゆるかな坂道を歩くエクササイズです。犬は前脚に体重がかかりやすい分、後脚から衰えていくことが多いです。坂道を歩き、後脚もしっかりと使うことを目指します。
まっすぐ歩くだけでもいいですが、左右にジグザグ歩くことで難易度がアップします。ジグザグ歩くと、バランスを身体全体で取る必要があるため、更に筋肉を使うことができます。
柔らかマットエクササイズ
地面ではなく、柔らかい、少々足元が不安定なマットの上を歩くエクササイズです。これにより足腰の筋力をしっかり使うことを目指します。
人の布団や厚手のバスタオル、毛布などを何枚も重ねることで不安定な土台を作ることができます。
おやつ探しゲーム
「ノーズワーク」として知られるエクササイズで、シニア犬にとってもレベルを調整することでとても良いリハビリや老化防止になります。
やり方は比較的見つけやすい様々な場所に、大好きで且つにおいが強めのおやつを置き、それらを犬自身に探してもらいます。
視覚、聴覚に比べて衰えるスピードが遅い嗅覚を使いおやつを見つけることで脳が活性化します。
更には、自らおやつを見つけるという成功体験を繰り返すことで自信を得たり、免疫力アップにも繋がります。
愛犬が見つけられる易しめの場所におやつを置き、愛犬が少々迷っていても飼い主さんはヒントを出したりせず、犬自らが見つけることが大切です。
◇エクササイズのポイント
おやつ探し以外のエクササイズは、おやつで誘導して行い、少しでもできたらおやつをあげて褒めてあげてください。そして愛犬に無理のないできそうなレベルから少しずつ行い、「できた!」という成功体験を積み重ねていくことがポイントです。
まとめ
普通にやっていたことがシニア犬にとっては、普通ではなく、頑張って行う動きになっていきます。
老化に伴う変化はショックなことも多いかもしれませんが、「うちの仔は何もできない…」と思われてしまう愛犬も辛く、飼い主さんの笑顔が見られない日々は更に辛いはずです。
シニア期にはパピー期とはまた違うかわいさや穏やかな時間があります。今の愛犬を受け入れ、ぜひこれらのエクササイズを通して、少しずつでもできるを見つけ、そして増やし、愛犬を褒めて、褒めて、一緒に喜び、シニア期も笑顔でたくさんの愛情と共にずっと過ごして欲しいなと強く思います。
子犬が夜鳴きする5つの理由とそれぞれの対策をご紹介!
子犬を新しく家族として迎えたとき、一番初めに直面する問題は、もしかしたら「夜鳴き」かもしれません。犬は理由があれば昼夜問わず鳴きますが、特に夜鳴きが続くと困ってしまいますよね。
しかし、子犬はクンクンと鳴くことで、あなたに何かを必死に伝えているのです。夜鳴きを止めるためにも、なぜ鳴いているのか、一緒に原因を突き止めていきましょう。
今回は、子犬が夜鳴きをする5つの理由とその対策をご紹介します。
子犬の夜鳴きの理由①不安や寂しさ
子犬の立場から考えると、今までいた環境から急に違う環境に身を置かれたことになります。いつもと違う場所で寝ることに、子犬は寂しさや不安を感じてクンクンと鳴いているのかもしれません。
今までは母犬や兄弟姉妹たちと一緒だったのに、急にケージの中で一人ぼっちでは寂しいと感じるのは当たり前のことですよね。
そのため、決して叱らないようにし、新しい環境に慣れるまで子犬を安心させてあげる工夫をしましょう。
対策1.犬の視界に飼い主が入るようにする
飼い主さんの寝室の扉を開けておいたり、ケージの場所を飼い主さんの姿が見える位置に置いたりしましょう。
ただし、あまりに近くで寝ると逆にストレスを与えたり、成犬になってからも一人で寝ることができなくなる可能性があるため、適度な距離感を見極めることが大切です。
対策2.人間の気配を感じられるようにする
音楽やラジオを小さな音量でつけたままにしたり、微かな明かりをつけたままにしたりすると、人の気配を感じて安心するかもしれません。しかし、逆に音や光をストレスに感じる子もいるため、夜鳴きの様子を見ながら調整しましょう。
子犬の夜鳴きの理由②空腹や暑いなど、生理的な不快感の訴え
空腹、喉の渇き、暑い、寒い、運動不足やストレスで目が冴えるなど生理的な不快感を訴えている可能性があります。
対策1.生理的な欲求を満たしてあげる
食事やおやつの量は適切か、新鮮な水がいつでも飲めるようになっているか、部屋の温度や湿度は適切かを見直してみましょう。
排泄は寝る前に済ませる、あるいはケージの中にトイレを設置するなどして、我慢をさせないようにします。この時、トイレと寝る場所があまりに近すぎると落ち着かない子もいるため、少し離れた場所に設置すると良いでしょう。
対策2.適度に疲れさせる
夜寝るまでに十分に運動をさせてあげて、適度に疲れさせることも必要です。
子犬のワクチンプログラムが終了していないならば、家の中でのおもちゃ遊びの時間を増やしましょう。飼い主さんとのコミュニケーションにもなり、ストレス解消にも繋がります。
子犬の夜鳴きの理由③落ち着いて寝られない環境的な原因がある
音や光が気になる、慣れない匂いに戸惑う、寝床が合わないなどの環境的な原因により、子犬が落ち着いて眠れなくなっている可能性があります。
対策1.音や匂いに気をつける
静かで落ち着ける環境を整えるため、電気の点滅や物音を抑え、アロマや食べ物などの強い匂いがあるものを近くに置くことは避けましょう。また、ケージに布でカバーをしてあげると、気になるものから遮断されて落ち着くことがあります。
対策2.安心できる環境を整える
犬は自身の体がぴったりと入り、四方を囲まれた場所を好んで寝ます。そのようなベッドやクレートを用意してあげると良いでしょう。前にいた環境で使っていたおもちゃなど、犬自身の匂いがついているものを一緒に置いてあげるとより安心して眠ることができます。
子犬の夜鳴きの理由④体調が悪い・どこかが痛む
体調が悪く、どこかが痛むために鳴いているのかもしれません。この場合は、夜だけでなく昼間にも何かしらの症状が出ている可能性が高いです。
対策 獣医師に相談する
体を触ると痛がる様子を見せる、昼間も元気がない、あるいは外傷がみられる場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
環境の変化に慣れていない時期は免疫力が低下します。日頃から犬の様子を観察し、変化を見逃さないようにしましょう。
子犬の夜鳴きの理由⑤鳴くと構ってくれることを学習している
以上4つの原因を取り除いても夜鳴きが治らない場合は、鳴けば飼い主が構ってくれると学習しているのかもしれません。
夜鳴きするたびに様子を見に行っていると、子犬はそれを「構ってくれている」と感じてしまいます。
これが続くと、成犬になった時に要求吠えをする可能性が高くなるため、早めに対策を取ることが必要です。
対策1.夜鳴き中はとにかく無視をする
子犬が鳴いても、近くに行ったり、話しかけたり、撫でたりしないようにしましょう。視線を向けることも、構ってくれていると思う可能性があるため控えてください。
対策2.鳴いていないときに構ってあげる
構ってあげるのは鳴いていない時にします。そうすることで「鳴くより静かにしているといいことがある」と教えることができます。
鳴いている子犬を無視するのは可哀想に感じるかもしれませんが、子犬の頃から、して良いこと・悪いことを教えることで、成犬になってからも飼い主と良い関係を築くことができます。
対策3.日頃から一人で過ごすことに慣れさせる
愛犬が一人で過ごせるように訓練しましょう。
部屋にワンちゃんを一人にして、飼い主さんは少しの間別の部屋に行きます。静かに待つことができたら、おやつをあげるなどして褒めてあげます。鳴いてしまっても、そこで戻ってしまっては「鳴けば戻ってくれる」と学習させてしまうためNGです。鳴き止むまで待ち、諦めたところで褒めてあげましょう。
まとめ
子犬の夜鳴きには、必ず理由があります。犬も家族も、夜にしっかり睡眠を取れるように、鳴いている理由を汲み取って対策を考えましょう。
対策には相反することもあるため、きちんと鳴く原因を特定しなければ、逆効果になってしまうこともあります。
また、夜鳴きの対策は、健康への配慮やしつけにも繋がります。
子犬の時の対応がその後にも影響するため、夜鳴きに対しては適切に対処してあげてください。
そして、1秒2秒でも1人になれないような子を鳴き止むまで待つことは恐らくできないでしょう。このような子を鳴かなくすることは恐らく一般の方には難しいでしょう。
どうしても夜鳴きが直らない場合は、一人で抱え込まず、ドッグトレーナー等の専門家に相談することをお勧めします。
経験者が語る!野良猫を飼う前に知っておきたい4つのデメリット
野良猫を保護して飼おうと思っている方は、野良猫を飼う際のデメリットやリスクについて考えたことはありますか?
野良猫出身の猫との生活は、決して良いことばかりではないのが現実です。
例えば、野良猫が感染症や治らない病気を抱えている場合もあるでしょう。
悪い面もきちんと理解しておかないと、飼い始めてから大変大きなストレスを感じてしまい、最悪の場合、飼育放棄なんてことにもつながりかねません。
今回は、野良猫出身の猫を飼っている筆者の立場から、野良猫を飼うリスクやメリット・デメリットをご紹介します。これから野良猫を飼おうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
野良猫を飼うデメリット①病気・感染症の可能性
野良猫を飼い始める大きなリスクの1つに、「病気・感染症」が挙げられます。
野良猫は外の過酷な場所で生活をしているため、何らかの病気にかかっている可能性が高いです。
実際に、筆者が保護した野良猫は、元気そうに見えても「心因性脱毛症、瓜実条虫症、便秘、慢性的な結膜炎」にかかっていました。
ここでは、野良猫を飼い始める前に知っておきたい代表的な感染症や病気について詳しくご紹介します。
野良猫の代表的な感染症
猫の代表的な感染症として以下があります。
- 「猫後天性免疫不全症候群(猫エイズ)」:発症から数ヶ月ほどで亡くなる確率が高い病気で、猫エイズキャリアの猫に喧嘩で噛まれるなどして感染します。
- 「猫白血病ウイルス感染症(猫白血病)」:発症すると数ヶ月〜数年で命を落としてしまう病気で、唾液や糞尿からも感染するため、舐め合ったり、同じトイレを使うだけで感染します。
上記の感染症は人に移りませんが、猫同士で感染します。
どちらの病気も必ず発症する訳ではありませんが、発症してしまうと完治が難しく、数ヶ月〜数年で亡くなります。
人に移る病気を持っていることも
カビや寄生虫などが原因の病気は、野良猫から人にも感染する可能性があります。
- 皮膚糸状菌症:カビの一種が原因
- 疥癬(かいせん):ダニが原因
これらの病気は、感染すると猫も人もかゆみや脱毛などの症状が出ます。
動物病院での検査はいち早く済ませよう
「感染症を持っているかもしれない」という覚悟は、野良猫を迎え入れる前に必ず必要です。
特に先住猫を飼っている場合は、猫同士で感染する可能性があるので、お家に迎え入れる前に検査しましょう。感染症の有無は動物病院にて、5,000〜20,000円ほどで簡単に検査してもらえます。
筆者の場合、野良猫を保護した時、すでに先住猫がいたので、もし感染症だったら親戚の中で里親を探すなど、家族間で何度も話し合っていました。
野良猫を飼うデメリット②夜鳴きがひどいことがある
特に、野良猫を飼い始めてすぐの場合は環境の変化によるストレス、夜行性が抜けていないなど様々な理由で夜鳴きが激しい場合があります。
夜鳴きは数週間続くこともあり、筆者も2〜3週間ほど夜鳴きに悩まされました。毎日深夜0〜2時、早朝4〜5時に鳴いてしまうので、しばらく寝不足が続きました。
飼い主は野良猫を飼って夜鳴きすることを覚悟しなければいけません。
ご近所トラブルを防ぐために
野良猫の夜鳴きによって、ご近所に迷惑をかけてしまうことがあります。
特に壁の薄い部屋に住んでいる場合は、事前に近隣の方に野良猫を飼おうとしていること、夜鳴きをするかもしれないことを伝え、承諾を得ておくとよいでしょう。
野良猫を飼うデメリット③体臭や口臭がきついことがある
野良猫を保護したばかりの時は、臭いとの戦いになります。
綺麗好きの猫でも外で生活していると、どうしても体臭や口臭、便臭がきつくなります。
さらに、野良猫を保護したばかりだと警戒心が強いため、お風呂に入れられません。
体臭はシャンプーシートなどを使って臭いを減らすことができますが、口臭や便臭は体質改善から始まるので治るまでに時間がかかります。
筆者が野良猫を保護した時は、石油のような臭いと獣臭さが混ざったような臭いがしていて、シャンプーを数回しないと取れませんでした。
野良猫を飼うデメリット④保護した際に数万円かかる
「野良猫は連れてくるだけだからお金はかからない」と思うかもしれませんが、動物病院代などを含めると金銭的な負担は大きいです。
最初にかかる医療費だけで10,000〜25,000円ほど、飼うための初期設備・避妊去勢手術なども含めると50,000〜100,000円ほどかかる場合もあるでしょう。
他にも野良猫が何らか病気にかかっていて通院が必要な場合もあるので、野良猫を保護するためにはまとまったお金が必要になります。
野良猫を飼うメリット
ここまで、野良猫を飼うデメリットをお伝えしてきましたが、もちろん悪い事ばかりではありません。
野良猫を飼い始めて良かったと思えることを、筆者の経験を含めて3つご紹介します。
1.猫が幸せになる
野良猫が住む外の環境に比べると、室内はご飯もあって安全で寒くも暑くもないのでとても快適です。
「外の方が自由なんじゃないか?」という意見もありますが、実際に野良猫を飼い始めると室内の方が幸せだとわかる以下のような大きな変化がありました。
- 早食いしていたが、段々ゆっくりと噛んで食べるようになった
- ストレス性のハゲが治ってきた
- のびのびと寝るようになった
また、怪我をしたり感染症にかかったりしても治療できる可能性が高いため、野良猫よりも長生きできます。ぜひ一日でも長く猫を幸せにしてあげてください。
2.慣れると心を開いてべったり懐いてくれる
飼い始めた頃の野良猫の警戒心は強いですが、安心すると徐々に心を開いてくれます。わかりやすく変わる態度がうれしく、本当に愛おしいです。
個体差がありますが、筆者が保護した猫は飼い始めて2〜3ヶ月で距離が近くなり、半年経つ頃には何をしても怒らない良い子になっていきました。
猫の雰囲気が柔らかくなって、徐々に仲良くなれるところも、野良猫を飼うメリットです。
3.飼い主の生活が豊かになる
野良猫に限った話ではないかもしれませんが、猫が生活の中に溶け込むことで、今までよりもっと生活が豊かになります。
家に帰ると猫が「おかえり」と挨拶したり、寒い時期にはお布団の中に入ってくることもあり、少なくとも筆者は野良猫を迎え入れて本当によかったと日々感じています。
まとめ
今回は、野良猫を飼う前に知りたいデメリットとリスクを中心に筆者の経験談を踏まえてご紹介しました。
野良猫を飼う最大のリスクは病気です。猫は本能的に体の不調を隠すので元気そうに見えても病気を抱えていることがあります。
野良猫との生活はとても幸せですが、動物を保護することには責任がついてきます。
今後野良猫を飼おうと思っている方は、そのリスクや悪い面にもきちんと目を向けて、十分な覚悟を持った上で飼育を始めてください。
【鳴き声がひどい】元野良猫が鳴き止まないときの4つの対処法
「室内飼いを始めてから鳴き声が止まらない…。」元野良猫を飼ってから鳴き声に悩まされている飼い主さんは多いでしょう。
室内で飼い始めたばかりの元野良猫は、不安から鳴いてしまうことがよくあります。筆者自身、元野良猫を飼い始めたときに数週間も猫の鳴き声に悩まされました。
今回は、室内飼いを始めた元野良猫の鳴き声を止める方法と、鳴き声が落ち着くまでの期間を筆者の実体験を元にご紹介します。
室内飼いを始めたばかりの鳴き声は当たり前
元野良猫が鳴くのはよくあること
室内で生活を始めたばかりの元野良猫が鳴いてしまうのは仕方がないことです。
「アオーン」「ノウーン」などの鳴き声は、猫のマイナスの感情から来ています。猫はもともと環境の変化に敏感な生き物です。外で生きてきた元野良猫にとって、室内での生活は不安や強いストレスを感じています。
鳴き叫ぶような声だからこそ、「このままで大丈夫かな?」と不安に感じるかもしれませんが、室内の環境に慣れていくと次第に鳴き声は落ち着いていきますので、あまり心配しすぎないようにしましょう。
鳴き声が落ち着くまで数週間かかる
室内飼いを始めて、鳴き声が落ち着くまでにかかる期間は数週間以上です。もちろん、猫の性格によって数日で落ち着く場合もあります。
筆者が保護した元野良猫も、飼い始めた時は毎晩窓の外に向かって鳴いてましたが、だんだんと緊張が解け、2〜3週間ほどで鳴き声が落ち着くようになりました。
元野良猫の室内飼いで鳴き声がひどいときの対処法4つ
元野良猫の鳴き声がひどい時の対処法4つを、実際に筆者が試した方法もふまえてご紹介します。
1.猫を閉じ込めない
元野良猫をケージや部屋に閉じ込めると、かえって鳴き声が悪化することがあります。
猫は縄張り意識が強い生き物なので、家の中を探検して自分のテリトリーを確認したくて鳴く場合があります。筆者が保護した元野良猫の鳴き声がひどい時に、家中のドアを開けて猫を自由に歩けるようにしたら、猫の鳴く頻度が減りました。
夜はケージに入れず、家の中を探検させてあげてみましょう。その際、誤食すると危険なものは、猫が届かない冷蔵庫や棚などにしまってください。
2.猫の鳴き声に反応し過ぎない
猫が鳴いているとつい反応したくなります。しかし、「外に出して!」「1人にしないで!」と鳴いている場合、鳴き声に反応すると「鳴けば要求が通る」と鳴き声が悪化してします。
このように、飼い主さんの様子を伺うために声を出していることも少なくないので、心を鬼にして反応しないようにしましょう。どうしても猫の鳴き声が気になる時は、鳴き始めてから3〜4分経過後に構ってあげてください。
3.避妊・去勢手術を早めにする
保護した元野良猫が避妊や去勢をしていない場合は、早めに手術を受けましょう。
発情期はオスもメスもパートナーを見つけるために大声で鳴きます。しかし、室内飼いでは、パートナーに出会えないため発情した猫はストレスを感じます。
避妊・去勢手術により、猫が発情期に鳴くことを抑えられ、ストレスも軽減できます。
4.猫を安心させてあげる
猫が夜鳴きをするのは、環境の変化による不安やストレスが原因である場合が多いです。そのため、猫が少しでも安心して夜を過ごせるよう、いろいろ試してみましょう。
以下は、筆者自身が実際に試して効果があった方法です。
- 寝る前の5分間、「1人でも寝られるよ、大丈夫」「良い子だね」と撫でながらひたすら声をかける
- 昼間に十分に遊んであげて、猫が夜にぐっすり眠れるようにする
- 外を見られるように窓際に移動させてあげる
- 布団に連れていって撫でながら一緒に眠る
- 夜の間はご飯を出しっぱなしにする
上記の方法の中でも、1は特に寂しがり屋で甘えん坊な猫を安心させる効果があります。
猫の性格や時期によってうまくいくときもいかないときもあります。筆者が室内飼いしている元野良猫は、最初は効果があった方法も急に効果がなくなったり、効果がなかった方法も急に効果が出たため、根気よく続けましょう。
近所へのフォローは早めに
アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる場合、猫の鳴き声はご近所トラブルを招きかねません。
鳴き声は、窓など厚さがないところから漏れてしまうため、防音カーテンや吸音材(音を吸ってくれる板)を窓に設置しましょう。
筆者自身は防音カーテンではあまり効果がなかったので、吸音材を購入して窓に置いて防音していました。
また、ご近所さんに野良猫を保護したこと、夜鳴きするかもしれないことを事前に伝えるようにするとトラブルを抑えやすくなります。
まとめ
室内飼いを始めた元野良猫が鳴いてしまうのは、環境が変わり不安になっていることが原因です。鳴き声が落ち着くまでにかかる時間は猫によって異なりますが、環境に慣れていくと数週間で落ち着いていくでしょう。
「いつまで続くんだろう…」と不安に思う飼い主さんも多いでしょうが、徐々に鳴く頻度が減りますので安心してください。
もし、時間が経っても鳴き声が落ち着かない場合は、病気などが原因の場合もあるため、かかりつけの動物病院に相談しましょう。