8月26日はナショナル・ドッグ・デー!その過ごし方とは?
日本では、「ワン・ワン・ワン」という語呂合わせから、11月1日が犬の日とされています。近年では、様々なイベントやキャンペーンが実施されたり、SNS上でもハッシュタグ「#犬の日」が使われて盛り上がりを見せています。
一方、アメリカでは毎年8月26日が「ナショナル・ドッグ・デー(National Dog Day)」と定められています。この日は単なる記念日にとどまらず、犬たちの幸福を包括的に考え、実際の行動に移す日でもあります。
今回は、ナショナル・ドッグ・デーの概要や過ごし方についてご紹介します。
ナショナル・ドッグ・デーとは
毎年8月26日はアメリカの犬の日である「ナショナル・ドッグ・デー」です。この日は、飼い主のいない犬たちの困難な状況を考えると同時に、警察犬や救助犬などが日々人々のために尽力している犬たち、そして一般家庭で家族を癒すペットの犬たちに感謝し、全ての犬の幸福を祈ることを目的としています。
当日は、全米各地で犬に関連したイベントが開催され、保護犬の譲渡やチャリティ活動などが盛んに行われます。また、SNS上では愛犬の写真や、チャリティイベントに一緒に参加する様子が多数投稿されます。
ナショナル・ドッグ・デーの20の過ごし方
ナショナル・ドッグ・デーの過ごし方は人それぞれですが、公式サイトでは以下の20の方法を提案しています。
- 保護施設から犬を引き取る、保護施設でのボランティア活動に参加する
- 愛犬や他者の安全を守るため、自宅の安全確認をする
- 毛布、食べ物、おもちゃを保護施設に寄付をする
- 劣悪な環境でペットを販売しているショップに禁止を求める
- パピーミルや殺処分の禁止・改善を政治家に訴える
- 友人や家族に犬関連のギフトを贈る
- 犬友達を招待して「ナショナル・ドッグ・デー」のパーティーを開催する
- 愛犬の写真を撮り、フォトコンテストに参加する
- 公式National Dog Dayのグッズを購入して活動をサポートする
- 愛犬と散歩して近所のお年寄りや病気の人に声を掛ける
- 愛犬との肖像画を描く
- 新しいおもちゃを買う
- ドッグランなどで思いっきり遊ばせる
- 丁寧にブラッシングする
- マッサージやスパ体験をさせてあげる
- 新しいトリック(芸)を教える
- 愛犬におしゃれな首輪やリードをプレゼントする
- プロのカメラマンに愛犬の写真を撮ってもらう
- 愛犬とビーチに遊びに行く
- 「犬のために」を意識して行動する
※National Dog Day 公式サイトより
National Dog Day Ways To Celebrate
https://www.nationaldogday.com/ways-to-celebrate
ナショナル・ドッグ・デーに考えてみよう
犬が好きな方でも、普段保護犬やボランティア活動について考える機会がない方もいらっしゃるかもしれません。ナショナル・ドッグ・デーを機に、次のようなことを学び、考える日にするのはいかがでしょうか。
保護犬について考える
保護犬を飼うには大きな決断が必要ですが、これから犬を飼うことを検討している方は、これを機に保護犬の里親になることを検討してみてはいかがでしょうか。
※保護犬の譲渡については、こちらの記事をご覧ください
保健所や動物愛護団体から犬を譲り受けるときに知っておきたいこと
https://cheriee.jp/column/6909/
動物保護施設について考える
保護施設に必要な資金や物資を寄付してみましょう。また、ボランティア活動ができる施設を探す日にするのもいいですね。
※どの保護団体に支援すれば良いかわからない場合は、こちらの記事をご覧ください
本当に動物保護団体?保護ビジネスの実例と信頼できる支援先とは
https://cheriee.jp/column/35303/
劣悪な環境にいる犬を救う
もし、劣悪な環境のペットショップやブリーダーなどを知っている場合は、勇気を出して通報しましょう。国民生活センターでは各自治体の窓口への相談を推奨しています。
※劣悪な環境におかれたペットたちを見かけた場合は、こちらを参考にしてください
飼育環境に問題があると思われるペットショップやブリーダーを見つけたら、どうしたらいいか | 国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2021_30.html
犬グッズの購入で保護施設を支援する
愛犬のために可愛いグッズを購入するだけでも、飼い主のいない犬たちを支援する活動ができます。
※グッズ購入で保護施設を支援したい場合は、こちらのサイトをご覧ください
+イイコト | Animal Donation – 日本初・動物のためのオンライン寄付サイト
https://www.animaldonation.org/various_donation/iikoto/
まとめ
ナショナル・ドッグ・デーの過ごし方は人それぞれ異なり、愛犬と楽しい時間を過ごすことや写真をSNSに投稿すること、新しいおもちゃやグッズを購入することも素敵な過ごし方です。
そして、ご自身の愛犬だけでなく、飼い主のいない犬たちや人々の助けになっているワーキングドッグなど、あらゆる犬たちに感謝し、その幸せを願う日として捉えることをおすすめします。
8月26日のナショナル・ドッグ・デーには、すべての犬たちが幸福に暮らす未来が訪れることを、共に願いましょう。
本当に動物保護団体?保護ビジネスの実例と信頼できる支援先とは
近年、動物愛護の機運が高まり、動物保護団体も注目されるようになりました。
しかし、保護犬や保護猫を迎えようと考える人々が増える一方で、そのような人たちの善意を逆手に取る「保護ビジネス」が広まっている現実をご存じでしょうか。
そこで今回は、保護ビジネスの事例と、助けを求める保護団体と支援したい人々の架け橋となる「アニマル・ドネーション」の活動をご紹介します。
保護ビジネスの事例
「保護ビジネス」とは、犬猫たちを守る保護団体と見せかけて、お金儲けの道具に利用したり、悪徳な繁殖・販売業者に加担したりするビジネスのことを言います。
事例①ペットショップの保護犬、保護猫
近年の人々の動物福祉への意識の向上を鑑みて、ペットショップで子犬や子猫だけでなく、保護犬、保護猫の里親探しをしている店舗も存在します。
もちろん、本当に動物のためを思い活動している企業もありますが、一見動物保護のように見せかけて、実質は「ただの売れ残った犬猫の販売だった」という場合もあります。
その場合、以下の傾向が見られるそうです。
- 保護犬、保護猫は、なぜか「純血種」か「純血種同士で繁殖したミックス犬」ばかりだった
- 保護された経緯の説明があいまい
- 保護犬、保護猫なのに誕生日がわかっている
- ワクチンの接種や健康診断の費用が相場より高額
- 商品の購入や店舗からペットフードを数年購入し続けること、特定のペット保険への加入を求められる
事例②実は繁殖・販売業者の下請け
2013年に施行された「改正動物愛護管理法」によって、自治体では不当な理由による動物の受け入れを拒否できるようになりました。悪徳な業者による大量の殺処分を避けるための法律ですが、その結果、売れ残った犬猫を、金銭をもらった上で引取り、劣悪な環境にただ放置するだけの「引き取り屋」という存在が生まれ問題になりました。
しかし、近年の動物愛護意識の高まりや、動物虐待にあたる飼育方法の告発などによって、相当数いた「引き取り屋」も徐々に減ってきていると言われています。そして、売れ残った犬猫たちの処分に困った繁殖・販売業者は、近年注目されている動物保護活動に目をつけました。
悪質な例では、あたかも飼育崩壊した繁殖業者から犬猫たちをレスキューしたようにみせ、実際は繁殖・販売業者から売れ残った動物や繁殖を引退した犬猫たちを、金銭を受け取った上で引き受ける団体があるそうです。
里親を探そうとするだけ、まだ「引き取り屋」よりマシなのかもしれません。しかし、悪徳な業者と手を組み、善意ある人々を騙し、金儲けをしている時点で、こちらも悪質だと言えるのではないでしょうか。
信頼できる支援先とは
しかし、現実的には多くの保護団体が資金不足の問題を抱えており、金銭的な支援を求めています。保護犬、保護猫を譲渡する際に寄付金を求める場合もあり、そのお金が一頭でも多くの命を救うために使われるのか、それともお金儲けのためなのか、外部から判断するのは不可能と言えるでしょう。
実際に「動物保護団体に寄付をしたいけど、どこに寄付をしていいか分からない」、「寄付金目当ての悪質な保護団体も存在するらしいので、正当な活動をしている団体を支援したい」という声を聞くことがあります。
また、小規模で資金不足の保護団体や、保護活動で手一杯の団体の場合、寄付を求める告知や自分たちの団体のアピールが上手くいかない場合も多いそうです。
そういった支援先を選べない人々と、賢明に保護活動に取り組んでいる団体を結ぶ活動をしている組織があります。それが「公益社団法人 アニマル・ドネーション」、通称「アニドネ」です。
アニドネでは、自分たちで動物の保護をしたり、里親探しをしたりするわけではなく、そういった活動をしている保護団体の支援を行う、動物保護活動の中間支援組織として活動している団体です。
アニドネのホームページ
https://www.animaldonation.org/
アニドネの認定団体に向けた支援
アニドネが支援する団体は厳しい認定審査を通過した、アニドネ認定団体になります。審査だけでも半年近くかけて行われ、面談や現地調査を含む、綿密な調査が行われるのです。そして、認定だけで終わるのではなく、2年に1度再審査を行ったり、こまめな活動状況のチェックや毎月の報告義務をもうけたりと、厳密な運用が行われています。
アニドネの認定団体になった動物保護団体は、アニドネを通じて寄付金を受け取ることが出来るのはもちろんのこと、認定後も団体ごとに置かれたアニドネの担当者によって、イベント告知や他団体の事例を共有するなどの様々なサポートを受けることが出来ます。
また、アニドネでは認定団体の活動の「見える化」を目指し、保護活動の様子や寄付の使途を積極的に発信しています。
アニドネで保護活動をする方法
アニドネには、個人による支援、法人による支援など、様々な支援方法がありますが、ここでは個人による支援方法をご紹介します。
1.お金による寄付
- オンライン決済で寄付する
- 銀行振込で寄付する
- 賛助会員になる
- ふるさと納税で寄付する
なお、アニドネでは動物保護団体だけでなく、「介在団体」、「伴侶団体」、「啓発団体」といった分野の団体にも支援を行っています。各分野に均等に支援をすることも可能ですし、自分の応援したい分野を支援することも出来ます。
2.モノによる寄付
- 「+イイコト」で商品を購入して寄付できる
- 企業とのコラボレーション寄付に参加する
- 読み終えた本や物品を買い取ってもらい寄付をする
「+イイコト」はアニドネのホームページから企業のページへ飛び、そこでオンラインショッピングをするだけで寄付ができます。ペット関連グッズはもちろんのこと、生活雑貨やジュエリー、ホテル宿泊など選べる商品も様々で、ショッピングを楽しみながら動物福祉への貢献が可能です。
「+イイコト」のページ
https://www.animaldonation.org/various_donation/iikoto/
その他の寄付・支援への参加
- 募金箱を置く
- 募金付き自動販売機を置く
- チラシ・パンフレットを置く
- 無料で支援する(SNSでの拡散や、クリックすると寄付になるサービス、署名活動など)
- ボランティアに参加する
お金や時間に余裕がない場合でも可能なボランティアも用意されています。また、文章、デザイン、広報などの特技があれば、それらを活かしてボランティアをすることも可能です。
ボランティアの中には学生もいて、SNS発信などの分野で活躍しているそうです。
まとめ
動物愛護の法律が厳しくなれば、抜け道をつく「引き取り屋」が現れ、引き取り屋が批判されれば「保護ビジネス」が現れるといったように、動物保護の世界は延々といたちごっこを続けていくのかもしれません。
犠牲になる動物たちのことを思うと胸が痛くなりますが、常に情報のアンテナを張り、支援先は慎重に見定めて、諦めずに保護活動や支援を続けていくことが重要なのではないでしょうか。
9才のロシア人動物画家が保護動物を救う!小さな活動家の大きな貢献
ロシアで暮らす9歳の男の子、パーベル・アブラーモフくんは、ペットの絵を描き、その絵をシェルターで暮らす保護動物の食べ物、薬、生活用品と交換する活動をしています。
このニュースは「小さな子供でも、志があれば世界をよくすることができる」ことを伝えており、彼の活動精神は世界中の人々に影響を与えています。
今回はそんなパーベルくんが活動を始めたきっかけや、活動にかける思い、人々へのメッセージなどをご紹介します。
活動開始のきっかけは、愛するペットを失ったこと
パーベルくんが「カインド・ペイントブラッシュ」というこの活動を始めたのは約1年前。飼っていたペットが亡くなったのをきっかけに、飼い主のいない犬猫の問題に正面から向き合うようになったといいます。
パーベルくんは、彼の地元であり、ロシアの西部に位置するАрзамас(アルザマス)という小さな都市のアニマルシェルターに、自身が絵を描いて得た食べ物や生活用品を寄付することに決めました。
プロ顔負け!類い稀な絵の才能を活かして
9歳の子供の絵でしょ?などと侮ることなかれ。彼は素晴らしい絵の才能の持ち主で、とても9歳の子供が描く絵とは思えません。
彼の活動は瞬く間に広まり、今ではロシア中から「うちのペットの絵も描いて欲しい」との依頼が寄せられています。
そして、パーベルくんはロシア国内だけでなく、スペインやドイツといった海外の飼い主にも作品を提供しています。
絵と引き換えに寄付を
依頼主は彼の作品を受け取るのと引き換えに、シェルターで暮らす動物が必要としている食べ物や薬、その他首輪などの生活用品の寄付をします。
パーベルくんの貢献もあり、シェルターでは現在100匹を超える保護犬が暮らしているそうです。
心を込めて、ひとつひとつ丁寧に
パーベルくんは動物の絵を描くとき、飼い主にペットとの出会いについて話を聞くなどし、依頼を受けたペットのことや飼い主のペットへの愛情をよく知ることにたっぷり時間を費やしています。
ただそっくりな絵を描くのではなく、それぞれのペットのことをよく知り、ひとつひとつの作品を丁寧に作っているところに、彼の動物への真の愛を感じるような気がします。
「志があれば誰でも貢献できる」
パーベルくんと彼のお母さんは、ロシアのソーシャルメディア「VK」にて、「Что может маленький волонтёр?(小さなボランティアに何ができるか?)」というタイトルのソーシャルコミュニティを立ち上げ、保護動物のために個人個人ができることをシェアしています。
VK上の説明文によると、このコミュニティでシェアされていることは、「人々を導き、世界に善をもたらすことを望んでいる小さくて平凡な人の方法」で、彼は自身の行いによって「たとえ小さな子供でも心から望めば大きな貢献をすることができる」ことを示したいのだと書かれています。
彼は、「世界をよくしたい、問題を解決したいという志があれば、年齢や才能は関係ない」つまり、「誰でもやる気さえあればできる」ということを示すことによって、人々に活動を始める勇気を与えようとしているのでしょう。
このソーシャルコミュニティのメンバーが現在3000人を超えていることからも、パーベルくんの活動精神が多くの人に影響を与えていることがわかります。
パーベルくんのもう一つの顔は空手選手!
ちなみに、彼の絵とは関係ありませんが、パーベルくんはロシアで空手を習っているようです。インスタグラムでは、「戦いへの準備万全」とのコメント付きで空手道着姿の写真を載せていました。
小さな活動家がもたらす大きな貢献
今回は、9歳という幼さにして、類い稀な絵の才能を活かして保護動物への寄付活動を行っているロシアのパーベル・アブラーモフくんについてご紹介しました。
さまざまな国のメディアに紹介されて、世界に影響を与えているパーベルくん。
動物保護のボランティア活動に多くの協賛を得ているのはもちろんですが、「幼くても、平凡でも、心から望めば世界をよくできる」という彼のメッセージは、動物の保護活動にとどまらず、さまざまな志を持つ世界中の人の心に響いていることでしょう。