【獣医師監修】犬のお腹が鳴る理由とは?考えられる病気と生活習慣
お腹のキュルキュルという音は「腹鳴(ふくめい)」と言います。人間でもお腹を壊したときなどに鳴ることがありますよね。
しかし、腹鳴があるからと言って必ずしも体調不良というわけではありません。それが正常か、そうでないかを見分けることは非常に重要です。
今回は犬の腹鳴について解説します。
体調不良による腹鳴
まず紹介するのは、体に何らかの異常があるときの腹鳴です。
腸閉塞、胃捻転、異物など、すぐに対処しなければならないものが含まれています。腹鳴の他に何か徴候がないかを、しっかりと確認しなければなりません。愛犬の様子をよく観察しましょう。
膵炎
【症状】
連続した嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振、腹痛、腹鳴など。
【原因】
高脂血症、肥満、脂肪の多い食事、内分泌疾患(副腎皮質機能亢進症、糖尿病、甲状腺機能低下症)などが危険因子となる。
【備考】
急性膵炎は、胆嚢炎や胆管炎を引き起こすことも多く、黄疸が見られることもある。
腸閉塞
【症状】
元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛、口からの糞臭など。
【原因】
異物の誤飲(プラスチック片、布、ひも、植物の種、おもちゃなど)、腫瘍、ポリープ、腸重積、腸ヘルニア、重度の便秘など。
【備考】
原因として最も多いのは異物誤飲であるため、いたずらされそうなものには気をつける。
胃腸炎
【症状】
嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振、腹痛、腹鳴など。
【原因】
細菌、ウイルス、寄生虫などの感染、食物アレルギー、中毒、薬剤など。
【備考】
正確な原因の解明には内視鏡検査が必要となることがあるが、動物の体に大きな負担となるため、まずは治療をして反応を見る診断的治療が行われることが多い。
消化管内寄生虫(犬回虫、瓜実条虫など)
【症状】
食欲低下、下痢、血便、腹鳴など。
【原因】
犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫などの寄生虫の感染による。
【備考】
多頭飼育の場合には集団感染に注意しなければならない。感染は主に感染犬の排泄物からの経口感染やノミを介しての感染となるため、予防に努める。
胃拡張・胃捻転症候群
【症状】
急激なショック症状(虚脱、循環不全など)、えずき、腹鳴、腹部膨満、流涎など。
【原因】
多量の飲水や食事摂取、食事直後の運動などが原因となる。
【備考】
緊急疾患であるため、迅速な処置が求められる。食後の発症が多いため注意。大食いや早食いの癖がある場合には、食事を数回に分けるなどの工夫が求められる。
消化管内異物
【症状】
嘔吐、吐血、元気消失、食欲不振、腹痛など。
【原因】
おもちゃ、大きい種、とうもろこしの芯、ビニール、プラスチック片、布などを誤飲することによる。
【備考】
小さいものであれば便として排泄されることもあるが、ある程度の大きさのものの場合は内視鏡や外科手術によって異物を摘出する必要がある。
生理的範囲内での腹鳴
病気ではないものの、生活習慣や環境によって腹鳴が現れることがあります。
また、これらの原因の他にも、ただの消化音も腹鳴に含まれます。何か思い当たることがないか確認し、もし原因があるなら取り除いてあげましょう。
空腹
お腹が空いている時にお腹が鳴るのは当たり前のことですよね。前回の食事の時間を確認し、もし時間が経っているようなら軽く食事を用意してあげましょう。あるいは1日2回の食事回数であるなら、1日3回に増やしてあげるのもいいでしょう。
空腹による腹鳴であれば、愛犬の元気や食欲は普段通りのはずです。
フードが合っていないことによる消化不良
消化不良が起こっていても腹鳴が現れることがあります。
特に、ライフステージ(シニア期への転換、避妊/去勢後など)の変化ではフードを切り替えることが多いでしょう。フードを切り替える場合は、いきなりではなく、今まで食べていたものに新しいフードを混ぜながら徐々に行いましょう。
また、フード切り替えにあたって、食物アレルギーにも注意しなければなりません。腹鳴の他に嘔吐や下痢といった消化器症状や、痒みなどの皮膚症状が発現しないかを十分に確認しましょう。
ストレス
引っ越しなどの環境の変化によって、愛犬が生活にストレスを感じると腹鳴が現れることがあります。これは自律神経が乱れるためで、散歩や一緒に遊ぶなどしてストレスを解消してあげましょう。
また、日頃から愛犬にストレスを与えないような環境を整えることも重要です。
早食いや大食い
食事と一緒に空気を大量に飲み込んでしまうことで、腹鳴が起こります。また、大量の食事による食物の異常発酵によって、体内でガスが産生されることでも腹鳴が起こります。おならやゲップが多いことで判断できることもあります。
空腹時間が長いことで早食いになっている可能性もあるので、食事回数を見直すのもいいかもしれません。
運動不足
運動不足は食欲低下や、胃腸機能の低下を引き起こします。腸が正常な働きをしない時には、お腹が鳴ることがあります。
ストレス解消も含めて、定期的な散歩によってしっかりと運動の習慣をつけましょう。
まとめ
腹鳴を始めとする消化器系の異常は、犬において最も一般的な動物病院受診理由です。また、愛犬と一緒に生活をしていて気づきやすい徴候でもあります。
しかし、それが正常かそうでないかを判断するのは困難なこともあります。放っておくと良くない疾患が隠れていることも少なくありません。
気になることがあれば、それがどんなに小さなことでも動物病院に相談しましょう。
【犬クイズ】ヒトへ病気を媒介することも!ノミの症状や予防法とは
本記事では、犬がノミに寄生されたときの症状や、ヒトにもたらす病害についてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、犬のノミクイズにチャレンジしてみましょう!
他にも、脱毛や、二次性の毛包炎(毛根を包んでいる毛穴の奥の「毛包」に起こる炎症)、脂漏症(皮膚の新陳代謝が速くなり過ぎてしまい、皮脂腺の分泌や皮膚の角化が異常に進んだ状態)がよく認められます。
また、激しい痒みのために、ノミ寄生部位をよく咬む、引っ掻くなどの行動が見られ、精神不安定、体重減少、被毛不良が起こり、重度になると貧血が見られます。
ノミはさまざまな感染症を媒介し、瓜実条虫症、ペスト、発疹熱はその代表例です。
日本国内において、ペストは1926年以降発生や輸入例はなく、発疹熱も数例のみの報告で留まっています。一方で、瓜実条虫症は比較的よく見られる感染症で、小児や子犬が感染すると激しい下痢を示すことがあるため、注意が必要です。
よく寄生する部位は背中、下腹部、脇、内股です。寄生数が少なくてもアレルギー反応が起こるため、ノミを目視できない場合は、血液によるアレルギー検査を行い診断の助けにすることがあります。
今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】ノミの放置で人にも?ノミ予防で愛犬も飼い主も健康に
【クイズ】本当に怖いエキノコックス症を予防しよう!
本記事ではエキノコックスについてクイズ形式で解説していきます。
それではさっそく、エキノコックスクイズにチャレンジしてみましょう!
エキノコックスの虫卵は、犬やキツネの糞便中に排出されます。その虫卵が中間宿主である野ネズミやヒトなどに摂取されると、小腸内で幼虫が孵化して寄生します。
犬やキツネが寄生された場合は軽度の下痢が見られる程度ですが、中間宿主であるヒトが寄生されると重篤な症状を示します。
エキノコックス症は感染症法で四類感染症に分類されており、全数を把握するために診断した医師は保健所への届け出が義務付けられています。
エキノコックス症は予防薬を用いることでフィラリア症などと一緒に予防することが可能です。流行地域で犬を飼っている場合は検討してみてください。
また、犬に中間宿主であるネズミとの接触をさせないことが大切です。ヒトの場合はネズミやヒトからの感染はありません。野生のキツネには触らないようにし、もし触った場合はよく手を洗いましょう。
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【獣医師監修】ヒトへの寄生が危険!エキノコックス症の恐怖とは?
北海道では特に注意!キツネが媒介するエキノコックス症とは?
フィラリア薬を飲ませ忘れたら。すぐに投薬を再開するのはNG!
犬の体にフィラリアが寄生・増殖する仕組み

フィラリアは危険な寄生虫
フィラリアは、犬の肺動脈や心臓に寄生する寄生虫で、蚊によって媒介されます。 犬の体内で成虫になると、心臓で大量に幼虫を生み続けてしまうため、しっかり予防しないと命に関わるとても危険な寄生虫です。 ちなみに、寄生虫というととても小さいイメージがあるかもしれませんが、フィラリアの成虫は細長い素麺のような見た目をしており、体長は約10~30cmにもなります。 気温が約15℃を超えると蚊の吸血が始まるので、春先から予防薬を投与し始めることが多いです。フィラリアの生育段階
フィラリアは卵を産まない「卵胎生」です。 蚊の体内である程度まで成長した幼虫は、蚊が吸血時に出す唾液と一緒に犬の皮膚に落ち、吸血で空いた穴から体内に侵入します。 その後、犬の体内で脱皮をして成長しながら、皮下→筋肉→肺動脈、心臓の順に移動し、成虫になって交尾をすると、メスは1日に2,000~3,000匹もの幼虫を肺動脈や心臓に産み続けます。 犬の体内に侵入してから幼虫を産むまでの期間は、6~7ヶ月程度とされています。そして、産まれた幼虫は蚊の吸血時に蚊の体内に移り、ある程度まで成長してから、再び犬などの動物の体内に移ります。フィラリア薬を飲み忘れるとどうなる?

フィラリア薬の効果とは
フィラリア薬は、フィラリアの侵入を防ぐ薬ではなく、侵入したフィラリアの幼虫を駆虫する薬です。成虫には効かないため、幼虫の段階で駆虫しなければなりません。飲み忘れるとどうなるのか
フィラリア薬は、「飲んだあとに侵入してきた幼虫を駆虫」するのではなく、「すでに体内にいる幼虫を駆虫」する薬です。そのため、蚊が出始めた1ヶ月後から飲み始めて、蚊が出現しなくなってからも1ヵ月後までは毎月飲み続ける必要があります。 つまり、仮にフィラリアが体内に侵入していた場合、薬の飲み忘れの期間が長くなれば長くなるほど、フィラリアが成長して、肺動脈や心臓で幼虫を産む段階に近づいていってしまいます。 飲み忘れに気づいたら、「今年はもういいや」などと安易に投薬をやめてしまうのではなく、少しでも早く対処することが重要です。飲み忘れに気づいても、すぐに飲ませるのはNG!

検査が必要な理由
すでに成虫にまで成長したフィラリアが犬の体内で幼虫を産んでいた場合、この段階でフィラリア薬を飲むことで、血液中の幼虫が大量に死にます。 それにより、犬がショック症状を起こし、最悪の場合命を落とすこともあるのです。 数ヶ月間飲ませ忘れてしまった場合は、フィラリアが体内で成長していないかを動物病院で確かめてから、投薬を再開しましょう。飲み忘れないための3つの工夫

1. カレンダーに前もって記入しておく
フィラリア薬の投与が始まったら、いつも使っている壁掛けのカレンダーや手帳に、11月、12月頃までの間の毎月分、投薬日を書いておきましょう。2. スマホのリマインダーを使う
スマートフォンのリマインダー機能を使って、毎月決まった日に投薬の通知が来るように設定しておきましょう。3. 家族のお薬カレンダーがあれば活用する
投薬を長期間続けている家族がいれば、お薬をポケットに入れておける「お薬カレンダー」や「ピルケース」を使っているかもしれません。 ポケットやケースに、犬のフィラリア薬を一緒に入れておけば、家族と一緒に飲み忘れを防げます。 使っている人がいなくても、持病のある犬で投薬を継続する場合は、この機会に購入してみてもいいかもしれません。まとめ

猫を飼うとゴキブリがいなくなる⁉︎猫に安全な殺虫剤もご紹介!
「猫を飼うとゴキブリがいなくなる」って本当?

狩りは猫の本能
野生の猫は、ネズミなどの小動物や昆虫を食べて生きてきました。家猫は飼い主さんからごはんをもらえるので、自ら狩りをする必要はありませんが、動き回るゴキブリやセミなどを見ると、捕まえたい本能に駆られるのでしょう。 そもそも、猫がペットとして飼われるようになったのは、ネズミ退治のためとも言われています。狩り好きゆえの侵略的外来種ワースト100
ゴキブリに限らず、猫は外に出ると遊びで小鳥や昆虫を傷つけてしまうことがよくあります。 狩りが好きな猫はただ楽しくてやっているだけですが、食べる必要がないのに殺したり弱らせてしまうのは、他の生き物にとっては大変迷惑な話です。 実際、猫は国際自然保護連合(IUCN)の種の保全委員会によって、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれていて、生態系への深刻な影響が問題視されています。猫が逆にゴキブリを呼び寄せることも
キャットフードの食べカスが落ちていたり、猫の糞尿を長時間放置してしまうと、逆にゴキブリが寄ってきてしまうことがあります。 猫の食事場所やトイレは、毎日こまめにしっかりと掃除をし、清潔に保ちましょう。ゴキブリを捕まえる猫と捕まえない猫の違い

ゴキブリを捕まえる猫の傾向
もちろん猫にもよりますが、ゴキブリを捕まえる猫は比較的、野生の本能が強い傾向があります。 野生本能が強い猫の特徴には、次のようなものがあります。- おもちゃを素早く動かすとかなり食いつく
- 野良猫出身など、外で暮らしていたことがある
- 窓の外にいる鳥などによく反応する
- 好奇心が旺盛で、初めて見るものにすぐ興味を示す
ゴキブリを捕まえない猫の傾向
逆に、ゴキブリを捕まえたがらない猫は、次のような特徴を持ちます。- おもちゃなど、動くものに興味を示さない
- 子猫の時からずっと室内外で、あまり外にも出たがらない
- 見たことのないものを警戒し、怖がる
猫はゴキブリを食べても大丈夫?

ゴキブリが原因でかかる可能性のある病気
しかし稀に、ゴキブリを食べたことが原因で体調を崩すことがあります。 ゴキブリそのものの成分は問題ありませんが、サルモネラ菌などの細菌や、回虫・条虫などの寄生虫を持っていることがあり、これらが猫の体内に入ると病気になってしまいます。駆除剤で中毒になることも
また、時間差で効果が現れるゴキブリ駆除薬を設置している場合、ゴキブリを介して駆除薬が猫の体内に入り、中毒症状を引き起こすことがあります。 猫がいる家庭での駆除剤や殺虫剤の選び方は、次の章でご紹介します。猫がいる家の殺虫剤・駆除剤選び

危険な殺虫剤・駆除剤
次のタイプの殺虫剤・駆除剤は、猫のいる家庭では使用を控えましょう。- 家中のゴキブリを一気に退治できる燻煙剤(例:バルサン)
- ホウ酸団子系の食べる駆除剤(例:ゴキブリキャップ)
- 粘着剤(例:ゴキブリホイホイ)←猫が届かないところならOK
安全な殺虫剤・駆除剤
薬を使わないで駆除する方法は最も安全ですが、薬を使った場合に比べて駆除の難易度が上がります。- 冷却スプレー
- 熱湯
ほとんど害のない殺虫剤・駆除剤
薬を使っている商品でも、哺乳類への害が少ないものなら使っても大丈夫でしょう。 ただし、使用の際は猫にかからないようにし、しばらく換気をしましょう。- ピレスロイド系のゴキブリ用殺虫スプレー(例:ゴキジェット・プロ)
- フィプロニル系(例:ブラックキャップ)、ヒドラメチルノン系(例:コンバット)の食べる駆除剤
まとめ

犬のティッシュいたずらは危険!食べてしまった時の対処法と対策とは
犬がティッシュを食べると危険!

ティッシュは消化されない
ティッシュの原料は不溶性の繊維のため、犬の胃に入っても消化されることはありません。 口にしたのが少量の場合や中大型犬なら、便と一緒に排出されることが多いです。 しかし、大量に食べた場合や子犬や小型犬は腸に詰まる恐れがあり、最悪の場合は腸閉塞になることがあります。腸閉塞とは 腸閉塞とは、胃や腸がなんらかの原因で塞がってしまった状態のことをいいます。 初期症状としては、嘔吐、食欲不振、便が出ない、腹痛、呼吸が浅いなどが挙げられます。大量のティッシュによって腸が完全に塞がれてしまうと、緊急的な処置が必要になる場合もあります。
犬がティッシュを食べてしまった時の対処法

直ちに動物病院を受診するべき場合
- 大量に食べてしまった
- 嘔吐や呼吸が浅いなどの症状が見られる
しばらく様子を見る際のポイント
すぐに様子の変化が見られない、あるいはどのくらいの量を食べたのかわからない場合は、次の2つのポイントを確認するようにしましょう。1. 嘔吐や便秘などの症状がないか
ティッシュが腸に詰まってしまっていると、食べてから1〜3日後に犬が便秘になることがあります。 便が排出されない状態が続くと、食欲不振や嘔吐、元気がないなどの症状も合わせて起きることがあります。 すぐに症状がみられなくても、数日間は便の状態や犬の様子を気にかけてましょう。違和感を感じたら動物病院に相談することをおすすめします。2. どのくらいの量を食べたか
その後の対処や獣医師の情報源として、食べた量を把握することは大切です。 留守中にいたずらをしてしまった場合は、部屋の散らかり具合やティッシュ箱・ゴミ箱の減り具合から推測するしかありません。 いたずらを見つけ次第、食べたと思われる量の確認をしておくと良いでしょう。犬がティッシュのいたずらが好きな4つの理由

1. 単なる好奇心
ふわふわと舞うティッシュを、おもちゃのようにして遊んでいる犬の姿を見たことがある方も多いでしょう。 特に子犬は、好奇心が強く、部屋にるあるものを嗅いだりくわえたりして遊びます。 何度引っ張っても次々と出てくるティッシュは、犬の好奇心や狩猟本能をくすぐるのかもしれません。2. 食べ物だと勘違いしている
ティッシュを食べ物だと勘違いしている可能性があります。 ティッシュは柔らかく、特に保湿ティッシュは甘味料としても使われる成分を含んでいるため、ほのかに甘みを感じます。 また、食べ物などを拭いたティッシュも匂いがするため、美味しいと感じているのでしょう。 その経験から「ティッシュは美味しいものだ」と思い、いたずらを繰り返してしまいます。3. ストレス・不安・構ってほしい
運動不足、環境の変化、長時間の留守番などによって不安やストレスを感じている犬は、いたずらをしやすい傾向にあります。 ストレスの要因を可能な限り排除してあげ、それでも問題行動が止まらない場合は、早めに獣医師や専門家に相談しましょう。 また、ティッシュのいたずらをした際に飼い主さんが構ってしまうと、構って欲しさに何度も繰り返すことがあります。 目を合わせたり声を掛けたりなどの反応はせずに、静かに片付けるといった対応を取りましょう。4. 寄生虫や病気の影響
寄生虫や病気で消化障害が起こり、その影響で今まで食べなかったものや食べ物ではないものを食べるようになることがあります。 今までティッシュに全く興味がなかったのに急に食べ始めたり、他にも嘔吐や下痢など症状を見せたりという場合は、注意が必要です。犬にティッシュを食べさせないための4つの対策

1. ティッシュを届かないところに置く
最も手っ取り早く効果的な方法としては、ティッシュを犬の届かない場所に置くことです。 犬と暮らすならば、ティッシュに限らず誤飲の可能性のあるものは全て高いところや棚などにしまうようにしましょう。 ゴミ箱を漁ってしまう犬には、蓋付きのゴミ箱に替えることで対策ができます。 家族全員が気をつけることで、誤飲のリスクを減らしましょう。2. 留守番時はケージやサークルに入れる
いたずら防止のため、留守番時は犬をケージやサークルに入れることも効果的です。 事前にハウストレーニングをして、ケージが安心できる場所であると認識させることが大切です。 ケージ内に水・トイレ・おもちゃ・寝る場所などをしっかり確保し、快適に留守番できるよう準備してあげましょう。3. 散歩や運動を増やす
散歩やドッグランなど犬がエネルギッシュに活動できる時間を増やしましょう。エネルギーを使えば、家でいたずらをすることも減ります。 外出が難しい時でも、室内で頭を使うおもちゃなどで遊んであげることで、犬のストレスや退屈の解消につながります。4.「ちょうだい」「離して」のしつけをする
犬がティッシュを口にくわえそうなとき・くわえてしまったときに「ちょうだい」「離して」のしつけができていると、いたずらや誤飲を防ぐことができます。 これはティッシュだけでなく、もっと危険なものを食べそうなときにも役に立ちます。まとめ

【獣医師監修】犬の下痢は病気のサイン?見分け方と疾病を徹底解説
下痢って何?

小腸性下痢と大腸性下痢
下痢が見られた際に重要なことは、体のどこに異常があって下痢をしているのかを見分けることです。具体的には、小腸と大腸のどちらに問題があるのかを見分け、原因の診断に繋げていく必要があります。 小腸性下痢と大腸性下痢の特徴を以下の表にまとめました。小腸性下痢 | 大腸性下痢 | |
---|---|---|
糞便量 | 顕著に増加 | 正常~軽度の増加 |
排便回数 | 正常~軽度の増加 | 増加 |
しぶり | 稀 | あり |
痛み | なし | 時々 |
糞便中粘膜 | 稀 | あり |
糞便中血液 | タール便 | 鮮血便 |
脂肪便 | 時々 | なし |
未消化物 | あり | なし |
鼓腸 | 時々 | なし |
動物病院で聞かれること

- いつから:急性か慢性かの経過を判断します
- 排泄回数、排泄量:小腸性下痢か大腸性下痢かの鑑別をします
- 下痢の形状、臭い、色:小腸性下痢と大腸性下痢の鑑別、腸以外の疾患の鑑別をします
下痢によって考えられる疾患

消化不良
食べ過ぎ、早食い、ゴミあさりなどが原因で一時的に消化不良を起こし、急性小腸性下痢を発症します。 多くの場合、全身症状は悪くなく、下痢のみを主症状とします。吸収不良
牛乳や乳製品に含まれる乳糖(ガラクトース)の分解不全による下痢症です。 乳製品を与えすぎないことで予防できます。細菌性腸炎
食中毒菌(サルモネラ、大腸菌、カンピロバクターなど)や腸内細菌の菌交代症により下痢を起こします。菌交代症とは、抗菌薬の投与によって腸内の常在菌の多くが死滅し、代わりに薬剤耐性を持つ病原菌が増殖する現象です。 他の疾患時に処方される抗菌薬を服用することで、副作用として発現することがあります。ウイルス性腸炎
犬パルボウイルス、犬コロナウイルス、犬ジステンパーウイルスなどが原因で起こります。 上記のウイルスは混合ワクチンの定期接種によって予防が可能です。 特に犬パルボウイルス感染症では、嘔吐や激しい血便と下痢を示すので注意が必要です。寄生虫性腸炎
原虫(コクシジウム、ジアルジア、トリコモナスなど)、線虫(回虫、鞭虫、鉤虫など)、条虫(瓜実条虫、マンソン裂頭条虫)などの様々な寄生虫が下痢を起こします。 定期的な駆虫薬の投与によって予防が可能な寄生虫もあります。食物性腸炎
食物に含まれる特定のアレルギー物質によって下痢が誘起されます。フードの変更や、いつも与えないものを食べた後は注意しましょう。 各メーカーが低アレルギー食を販売しているので、それに変更する必要があります。炎症性腸疾患
原因不明の免疫介在性疾患です。 多くの下痢に対する治療に反応せず、ステロイドや免疫抑制剤の投与によって症状の改善が見られます。 確定診断には内視鏡による腸の組織生検が必要となります。急性膵炎
嘔吐や腹痛を主徴としますが、下痢が認められることもあります。 早期診断と早期治療がカギとなるため、検査によって確実に除外しておきたい疾患の一つです。膵外分泌不全
何らかの原因で膵臓の消化酵素が枯渇することで、脂肪の消化吸収に障害をきたす疾患です。 これによって便は酸性臭のある特徴的な色(黄色~灰色)となり、多量に排泄されます。下痢の際に注意すること

なるべく便を持参する
便の性状を観察することによって、 小腸に問題があるのか大腸に問題があるのかを予測することができます。また寄生虫やウイルスなどの微生物が原因の下痢の場合には、持参した便を利用して糞便検査をすぐに行うことができます。感染症かもしれないので取り扱い注意
微生物が原因の下痢の場合は、同居している他の犬や、中にはヒトに感染するものもあるため、取り扱いには十分に注意してください。 触る際にはできるだけ手袋を着用し、触った後は石鹸で十分に手洗いを行いましょう。まとめ

【獣医師監修】猫に寄生するノミに注意!治療と予防法
猫に寄生するノミ

ノミによる病害

直接的な病害
ノミによる直接的な病害として、「ノミアレルギー性皮膚炎」があります。 ノミアレルギー性皮膚炎は、吸血の際に注入されるノミの唾液によって引き起こされる皮膚炎です。 ノミがよく寄生するのは、背中、下腹部、脇、内股部で、皮膚炎を起こした箇所は激しいかゆみを起こします。 これによって、寄生部位を咬んだり引っ掻いたりする他、精神不安定、体重減少などが見られることもあります。 次いで、引っ掻き傷から被毛の破損、脱毛が生じることもあります。さらに、皮膚炎が慢性化すると、皮膚の肥厚や色素沈着が認められます。 また、子猫に多数のノミが寄生し、吸血を行うことで貧血が起こる場合もあります。間接的な病害
ノミによって媒介される感染症で最も有名なのは、14世紀に流行したネズミノミによる「ペスト」でしょう。ペストによって当時の人口の約25%が命を落としたと言われています。 ここでは、注意すべきノミによる媒介感染症を紹介します。ペスト ノミの胃の中で増殖したペスト菌が、吸血の際に逆流して感染が起こります。四肢末端や鼻端が黒くなることから「黒死病」とも呼ばれています。 日本では、1926年の横浜での発生を最後に国内でのペスト患者は認められていません。 しかし、世界では今でも散発的に発生があるため、決して油断はできません。 瓜実条虫 猫の小腸に寄生する条虫です。猫での症状はほとんどなく、肛門の不快感程度です。 しかし、ヒト、特に幼児に感染すると腹痛や下痢を引き起こすため、注意が必要な寄生虫です。 猫引っ掻き病 嘘みたいな名前ですが、ヒトが猫に引っ掻かれることで発熱やリンパ節の腫脹が見られる感染症です。 ノミ体内やノミ糞に存在する細菌が創傷部位から侵入することで感染します。 高齢者では心筋炎を起こすこともあり、甘く見てはいけません。
ノミの生活環

卵 雌によって宿主体表で産み落とされた虫卵は、床面や寝床に落下します。 卵→幼虫 孵化した幼虫は、成虫が排泄した糞や動物の垢を食べて大きくなっていきます。 幼虫→蛹→成虫 やがて蛹となり、羽化して成虫へと変態します。その後は、再び動物の体表に寄生し、吸血を始めます。発育の期間はノミの種類によって異なりますが、卵は2~12日、幼虫は9~200日、蛹は7日~1年、成虫は20~500日となり、それぞれが長い期間生存できることがわかります。
猫のノミの診断

猫のノミの治療

ノミアレルギー性皮膚炎の治療
ノミアレルギー性皮膚炎には、アレルギー反応を抑制するために短期間のステロイド治療を行います。 また、細菌の二次感染によって毛包炎が起こっている場合には、抗菌薬の投与も行います。ただし、ノミがいる限りアレルギー反応は起こり続けるため、ここでもノミの駆除は重要です。猫のノミの予防

まとめ
