猫を完全室内飼いするメリットと安心快適に暮らすためのコツとは?
猫は外に出さない「完全室内飼い」がおすすめです。元気で長生きしてほしいと願うなら、なおのこと室内で飼うようにしましょう。
閉じ込めて自由を奪っているようで、可哀そうだと思うかもしれません。しかし、室内を猫に合った環境にすれば猫は室内を自分のテリトリーととらえ安心します。外は交通事故や虐待などに遭遇する恐れや、感染症にかかるリスクがあります。猫にとって、外は危険だらけの過酷な環境なのです。
今回は、猫の完全室内飼いのメリットのほか、猫と飼い主さんが安心快適に暮らすポイントについて解説します。
猫を室内で飼うメリット
外は猫にとってたくさんのリスクがあり、室内で飼うことでさまざまな危険から猫を守れます。猫の室内飼育は、環境省も推奨しているのです。
完全室内飼いの猫は、外猫に比べて寿命が長い傾向があります。社団法人日本ペットフード協会2021年のデータによると、室内飼いの猫の寿命は16.22歳、外に出る猫の平均寿命は13.75 歳です。
一般社団法人 日本ペットフード協会2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査結果
https://petfood.or.jp/topics/img/211223.pdf
それでは、具体的にはどのようなメリットがあるのかを見てきましょう。
1. 交通事故に遭う危険がない
外に出なければ、交通事故でケガをしたり命を落とす危険はありません。
もともと猫には狩猟本能があるため、獲物を見かけると追いかけます。そのときは車道あろうと、車が横切ろうと関係ありません。発情中はメスを追いかけて、飛び出すケースもあります。
2. 虐待や連れ去りの危険がなくなる
残念なことに、虐待目的や、単に「かわいいから」といって猫を連れ去ってしまう人もいます。
室内で飼っていれば、このような人から猫を守れます。
3. 感染症のリスクが少なくなる
猫エイズや伝染性腹膜炎など、感染症にかかるリスクがかなり少なくなります。
外では、猫エイズなどに感染している野良猫とケンカするなどして簡単に感染してしまうのです。とくにワクチン未接種の猫や免疫力の低下している猫は、重症化する恐れがあります。
また、感染症を媒介するノミやダニに寄生される機会が減るのもメリットです。ノミやダニは人にも有害であるため、これらの対策は人の健康という観点からもとても大切です。
4. 他の猫や動物とのトラブルがなくなる
外では猫同士のケンカで咬まれたりひっかかれたりなどで、ケガをする可能性が高く危険です。子猫の場合はカラスに襲われる可能性もあります。
室内で飼っていれば、夜中にノーリードで散歩している犬などに追いかけられる危険もありません。
5. ご近所トラブルが減る
他人の庭に排泄をする、花壇を荒らす、勝手に家に入り込むなどの心配がありません。猫を飼うときは、猫を嫌う人にも配慮しましょう。
6. 迷子にならない
迷子になるリスクが減るのも、室内飼いの大きなメリットです。
猫は、大きな物音などでパニックになったり、強い野良猫に追われたりしているうちに、家から遠くまで行ってしまう場合もあるでしょう。
室内飼いを快適にする10のポイント
猫も人も快適に暮らすためには、いくつかのコツがあります。室内飼いは、ただ単に猫を家に入れておけばいいわけではありません。
猫が安心して過ごせるスペースがある、高いところに登れるなどは重要なポイントです。快適な住環境を整えることで、猫は家をテリトリーとみなし、室内での生活を満喫します。
1. トイレは複数用意
トイレは猫1匹に対して2個は用意しましょう。猫はきれい好きでトイレにもこだわりを持ちます。トイレが汚れていると、排泄を我慢する場合もあるのです。
室内のトイレで排泄するようになると、排泄物から体調不良などにもすぐ気づきやすくなります。
2. 寝床も複数置いておく
猫が好みそうなベッドをあちこちに置いておきます。ドームタイプや、かごタイプなどさまざまな種類を用意してあげましょう。段ボールを利用するのもおすすめです。
3. 水飲み場も2ヵ所以上
水は食器とは離し、最低でも2ヵ所以上置いてあげましょう。どちらから汚れたりなくなったりしても安心です。猫は水をあまり飲みませんが、通り道などにあるとついでに飲む傾向があります。
4. キャットタワーを設置する
猫が思う存分、上下運動ができるようにキャットタワーを置きます。設置するスペースがない場合、家具や出窓に上れるようにしてもいいでしょう。
5. 爪とぎを設置する
猫が体を伸ばしてとげるタイプの爪とぎや、床に置くタイプの爪とぎを複数用意します。素材も麻や段ボールでできたものなどさまざまありますので、猫の好みの爪とぎを置いてください。
6. ケージを用意しておく
家の中にもケージを用意しましょう。ケージは猫にとっての縄張りになります。特にそれまで野良猫だった子には、慣れるまでの落ち着いて過ごせる生活の場にもなるでしょう。
猫が苦手な来客のときなどにもケージがあると便利です。ただしずっと閉じ込めないでください。ケージに無理に入れるのも禁物です。扉は開けておいて、自由に出入りできるようにするのがおすすめです。
7. 一緒に遊ぶ時間を取る
1日10分でいいので、おもちゃで遊ぶなどのコミュニケーションをしっかり取りましょう。マッサージやブラッシングタイムも大切です。
8. 脱走予防をする
窓やドアの開けっ放しに注意します。網戸は簡単に開ける猫もいるので、カギなどを取り付けておきましょう。ドアを開けた瞬間の脱走にも十分注意してください。
9. 猫を怒鳴らない
猫は静かな環境を好みます。思い通りにならない猫を怒鳴ったり、音を立てて脅したりしないようにします。ドスドスと歩く足音なども嫌がるので、猫のためにも少し静かに暮らしてあげましょう。
10. 迷子対策は必要
たまたま開いていた窓から猫が出てしまう可能性もありますし、災害などではぐれてしまう恐れがあります。猫の首輪はすぐ外れるタイプが多いので、自分の愛猫であることを証明するためにもマイクロチップを装着しておきましょう。
なお、2022年6月から現在飼育しているペットへのマイクロチップの装着は努力義務となっています。万が一の時のために、なるべく早く動物病院で相談してみましょう。
まとめ
外は、猫にとって交通事故や虐待、感染症などたくさんの危険があります。感情的に「狭いところに閉じ込めてかわいそう」と思うのではなく、リスクやメリットをしっかり考慮し、猫にとって何が幸せかを考えること大切です。
たくさんの危険から猫を守り、トイレを複数置いてキャットタワーを設置するなどして、猫が暮らしやすい部屋にしてあげましょう。
【犬の雑学】数字から見た犬と人の5つの違い
犬と人が違う生き物であることは周知の事実ですね。感情表現の仕方、食べ物、水の飲み方、歩き方、毛の生えている場所など、挙げればキリがないくらいの違いがあります。
今回はそんな犬と人の具体的な違いを、数字を基準に比較していきたいと思います。一緒に生活している愛犬や大好きな犬という生き物への理解をさらに深めましょう。
犬と人は違う生き物
犬は人の言葉が理解できるのではと考えたり、人と同じ感覚で接してしまうこともありますよね。もちろん、犬と人も同じであるという視点が大切な時もあります。
一方で、何もかも同じかというとそうではなく、基本的には違う生き物であることをしっかり認識した上で接した方が、愛犬も飼い主もストレスが少なくなるのではないかと思います。同じだと思うと求めることも多くなりますが、違うとしっかりとわかっていれば、良い意味で仕方ないと思えて、受け入れやすくなることもあるのではないでしょうか。
犬と人との5つの違い
具体的な数字をご紹介しながら、犬と人を比較していきます。数字で見ることで、違いだけでなく、似ている点もより明確になるかもしれません。
①嗅覚
犬は鼻が良いというのはよく知られた特徴でしょう。では、犬の嗅覚は人間の何倍と言われているかご存知ですか?
正解は、犬の方が約5000~1億倍も臭いを嗅ぎ分ける能力が優れていると言われています。ニオイの種類によっても変動はあるようですが、圧倒的に犬の嗅覚が優れていることがわかります。
この違いは、鼻にあるニオイを感じる細胞の表面積に関係があります。
- 人:約5平方cm
- 犬:18~150平方cm
※短頭種では18平方cm程度、長頭種では150平方cm程度
また、犬はニオイを識別する神経も優れています。犬の鼻の入り口にある鼻平面(びへいめん)が濡れていることによって、犬はニオイの粒のようなものを集めています。そしていくつかの工程を経て脳へと運ばれた情報を基に、脳でニオイやフェロモンの強さ、種類などを判断しているそうです。
②聴覚
人と犬が聞き取りやすい周波数は以下の通りです。
- 人:16~20,000 Hz(ヘルツ)
- 犬:65~50,000 Hz(ヘルツ)
1Hzは1秒間に音が振動する回数を表し、周波数が低い=低い音、周波数が高い=高い音となります。
つまり、犬は人よりも高い音を聞き分けることができることがわかります。また逆に、65Hzよりも低い音は聞こえないとされています。
③視覚
犬は目があまり良くないというのも比較的よく知られた話だと思いますが、その中でも色の見え方は人と大きく異なります。
犬には赤色を感じる細胞がなく、青、緑を感じる2種類の細胞のみがあるとされています。最近のアメリカの研究結果では、緑色や黄色はくすんだ黄色、青色や紫色は青っぽい色として識別され、赤色はグレーに見えていると言います。そのため、犬のおもちゃを選ぶ際は青い色のものか明るい黄色のものにすると、犬が識別しやすいと言えます。
一方で、人には青、緑、赤を感じる3種類の細胞があり、識別しているすべての色が見えています。
④脚の数と使い方
犬は脚が4本、人は2本ですね。犬の前脚を「手」として表現されることもありますが、実際には脚です。脚の数が違えば、歩き方や走り方も異なります。
ここでは、歩く時と走る時のそれぞれの足の動き方について説明していきます。
歩き方
人は手と足の左右逆側同士が対になって、左手が前の時は右足で地面を蹴るというように、交互に出して歩きます。
犬も規則正しく足を動かして歩きます。左前肢⇒右後肢⇒右前肢⇒左後肢の順で動かし、左前肢を地面に着いたとき、右後肢は地面を蹴っているといったように、歩く際は2~3本の足を地面に着き、バランスをとっています。
走り方
人は走る時も、手足を動かす順番は同じですね。一方で犬は走る時は歩く時とでは、脚の動かし方が変わります。さらには走り方には2種類あり、それぞれ動かし方が異なります。
速足(トロット)
人のジョギングくらいの軽い走りを指します。斜め向かいにある足(右前肢と左後肢、左前肢と右後肢)が対になって同時に動かします。斜め向かいの前肢と後肢が同時に地面を蹴ることになるため、歩くよりも力強く前進することができます。疾走(ギャロップ)
短距離を全速力で走り、一瞬体が空中に浮く走り方を指します。この疾走には2種類あります。
一つはグレーハウンドが全速力で走るような時に見られます。もう一つはポインターが狩りをする時などに見られる走り方です。それぞれの四肢の動きは次の通りです。①グレーハウンド系の疾走
右前肢を地面に着く⇒右前肢を後ろに蹴りながら左前肢を着く⇒左前肢を蹴ると同時に四肢が体の下に来て体が浮いた状態になる⇒左後肢と右後肢の順で地面に着く⇒両後肢で地面を蹴って大きく前進②ポインター系の疾走
右後肢⇒左後肢⇒左前肢の順に地面に着く⇒両後肢で地面を後ろに蹴る⇒右前肢が地面に着く⇒左前肢で地面を蹴る⇒右前肢で地面を後ろに蹴る⇒体が空中に浮き前進⇒右前肢が地面に着く⇒左遠視が地面を蹴る⇒右前肢が地面を後ろに蹴る同じ疾走と言っても、グレーハウンド系の方がスピードが出ます。
寿命
犬の方が平均寿命が短いというのも有名です。寿命が短いということは、人にとっての一年、一日、一時間が、犬たちにとってはもっと長い時間に相当するということです。
では、具体的に人間の一年、一カ月、一週間は犬たちにとってどれくらいの時間になるのかを見ていきます。
犬の年齢に関しても多くの考え方や説があり、簡単に「人の一時間=犬の〇時間」という断定はできません。
今回は1997年にGary J. Patronekさんらによる「ペットの犬と人間の寿命の比較」という論文で書かれた、人と犬の年齢を比較したものの一部を参考に紹介します。
犬の年齢 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 |
---|---|---|---|
3カ月齢 | 7歳 | 8歳 | 9歳 |
7カ月齢 | 9歳 | 10歳 | 12歳 |
1歳齢 | 12歳 | 13歳 | 15歳 |
2歳齢 | 19歳 | 19歳 | 21歳 |
3歳齢 | 25歳 | 25歳 | 27歳 |
4歳齢 | 30歳 | 31歳 | 32歳 |
5歳齢 | 35歳 | 36歳 | 37歳 |
6歳齢 | 40歳 | 40歳 | 42歳 |
7歳齢 | 44歳 | 45歳 | 46歳 |
8歳齢 | 48歳 | 49歳 | 51歳 |
9歳齢 | 52歳 | 53歳 | 55歳 |
10歳齢 | 56歳 | 56歳 | 59歳 |
11歳齢 | 59歳 | 60歳 | 63歳 |
12歳齢 | 62歳 | 64歳 | 67歳 |
13歳齢 | 66歳 | 67歳 | 72歳 |
14歳齢 | 69歳 | 71歳 | 71歳 |
15歳齢 | 73歳 | 75歳 | 80歳 |
小型、中型犬よりも大型犬の方が、より時間の流れが速いことがわかりますね。そして、3カ月までの成長が非常に早く、若い時期に社会化といったトレーニングをすることが大切であるということもわかるのではないでしょうか。
また、人からすると3カ月から7カ月は4カ月ですが、犬にとっては2~3年分相当となり、いかに犬にとっての1カ月や1週間が長いものなのか、そして、8時間のお留守番は、犬からするとざっと2、3日独りにさせられている感覚ということも読み取れます。
まとめ
数字で表すと、犬と人の違いをより感じやすかったのではないでしょうか。人よりも犬が優れている点もあり、だからこそ、人は犬と一緒に暮らすようになったのでしょう。
また、年齢の違いを見て、本当に改めて一日、一時間を大切に過ごしていかないといけないと感じます。お留守番をしていなくても、寝るか排泄をするかごはんを食べるといった退屈な過ごし方ではなく、より豊かに時間を過ごしてもらうには何ができるかを、考えていただくきっかけになったらうれしく思います。
- 参考文献
- 楽しい解剖学 ぼくとチョビの体のちがい 第2版
【最新研究】猫の寿命が30年に!?注目の研究をわかりやすく解説
猫は腎臓病にかかりやすいことが知られており、死亡原因の上位を占めています。食事や生活週間などを気をつけていても腎臓病にかかってしまうことも多く、今のところ治療法はありません。
しかし、もし猫の腎臓病が「治せる病気」になれば、猫の寿命が30歳になるのも夢ではないと言われています。
本記事では、猫の寿命が30年になるとされる最新の研究についてわかりやすく解説していきます。
猫の腎臓病
7歳以上の70%の猫が患っているという報告もある腎臓病。腎組織は一度破壊されると回復することはなく、進行を遅らせることはできても、治療する方法はまだありません。
腎臓病の原因は、塩分の過剰摂取だけでなく、タンパク質の過剰摂取や排泄の我慢、ストレスなども考えられます。猫の飼い主の多くは、これらの原因を取り除き、健康的に生きられるよう気をつけています。
しかし、腎臓の60%以上が壊れるか、機能が低下しないと症状が現れないため、気付いたときにはすでに進行してしまっています。腎臓病を早期に発見するためには、定期的な血液検査や尿検査が大切です。
宮崎徹教授のプロフィール
現在東京大学大学院の研究センターに籍を置いている宮崎教授は、もともと臨床医で、救急科や内科で研修を行っていました。しかし、医学が進歩したのにも関わらず、「治らない病気」が存在する現状を何とか打開したいと考えたため、研究分野へとシフトしました。
その後、自己免疫疾患の研究を行い、人間の血液中に含まれる「AIM」というタンパク質を発見しました。AIMを中心としたさまざまな病気について研究を続けている際に、獣医師との出会いからAIMと猫の腎臓病の関連に気付いたそうです。
AIMと猫の関連
AIMは「Apoptosis Inhibitor of Macrophage」という言葉の略で、「マクロファージを死ににくくする、元気にする」という意味があります。
マクロファージとは
マクロファージは白血球の一種で、全身の組織に広く分布しています。
体内に病原菌やウイルスなどの異物が侵入すると、マクロファージが食べて消化・殺菌することで感染を防いでいます。さらに、異物の情報をT細胞に伝え、より強力な免疫を獲得します。
病気の多くは、体内に本来存在しない物質がたまることが原因です。例えば腎臓病であれば、腎臓に死んだ細胞などのゴミがたまり、腎臓が壊れて機能が低下します。
AIMはゴミがたまっていることをマクロファージなどに知らせる働きがあり、情報を受け取ったマクロファージや他の細胞がゴミを除去するという仕組みがあります。AIMの働きが関与しているとされるのが、肥満や肝がん、そして腎臓病です。
猫のAIMは正常に機能していない
AIMはIgMというタンパク質に付着しています。本来は体内に異物が侵入するとAIMがIgMから離れて機能しますが、猫の場合はIgMとの結びつきが強固で離れられず、AIMがあるにも関わらず、欠損しているのと同じ状態であるといえます。
予防と治療が可能に
機能するAIMを猫の体内に注入することで、腎臓病を予防するだけでなく、腎機能が低下した猫にも効果があると見込んでいます。
副作用は見つかっていませんが、抗体ができると効きにくくなる可能性も考えられ、今後も研究が進められます。
現在の研究段階と今後の展望
宮崎教授は、(株)レミアというベンチャー企業を設立し、治療薬を開発しました。
すでに治験が行われおり、腎臓病の猫にAIMを投与すると腎臓の数値が改善していくことが確認されています。今後は薬事申請に必要な臨床試験を行い、2022年までの実用化を目指しています。
猫以外にも…
薬が実用化されればネコ科の動物だけでなく、犬にも効果があると考えられます。犬の飼い主さんもぜひ希望を持ちましょう!
人間の医療でも研究が進んでおり、人間の腎臓病に対応できる薬も開発中です。さらに、アルツハイマー型の認知症への応用も可能と考えられています。
実際に寿命が30年になるかは不明
宮崎教授の研究が進み治療薬が開発されれば、腎臓病で亡くなる猫が減少し、確実に寿命は伸びると考えられます。
しかし、加齢による体の衰えは止められませんので、今後は癌や心臓病などの他の病気で亡くなる猫が多くなるかもしれません。「猫の寿命が倍に」「猫が30年生きられるようになる」という言葉が一人歩きしていますが、必ずしもそうではないことを念頭に入れておきましょう。
それでも、腎臓病で苦しむ猫が少しでも減るのであれば、猫を飼っている飼い主さんにとっては夢のある研究であることは間違いないでしょう。
研究への寄付が急増
猫の飼い主にとって救世主とも言えるこの研究ですが、新型コロナウイルスの影響で経済的な打撃を受けたことから、現在はプロジェクトがストップしている状態です。
しかし、ウェブニュースに取り上げられたことをきっかけに、一気に注目が集まり寄付が増加しました。多くは猫の飼育経験がある人で、「うちの子は間に合わないけど、今後のために頑張ってください!」というコメントもたくさん寄せられています。
研究に協力したいと思った方は、以下のページから寄付ができます。1,000円程度の小額から寄付可能で、クレジットカードやインターネットバンキングで支払いができます。
東京大学基金
https://payment.utf.u-tokyo.ac.jp/tokyo/entry.php
寄付目的で「支援プロジェクトを指定する」を選択後、支援プロジェクトの一覧から「宮崎徹教授の猫の腎臓病治療薬研究」を選択してください。
また、この研究についてわかりやすく説明した宮崎教授の本も出版されたばかりです。こちらも、興味があればぜひ手にとってみてください。
まとめ
生きているものには必ず死が訪れます。これに抗うことはできません。しかし、愛猫の苦痛が軽減され、少しでも長生きしてくれるのであれば、飼い主として幸せなことでしょう。
多くの飼い主を悩ませてきた猫の腎臓病が「予防できる病気」や「治療できる病気」になるのは目前です。ぜひ、今後の宮崎教授の研究に注目していきましょう!
元野良猫の寿命は短い?猫の寿命を伸ばすためにできる3つのこと
一般的に、野良猫よりも飼い猫の方が平均寿命が長いと言われています。では、元野良猫の場合の寿命はどうなのでしょうか。
大切な家族だからこそ、元野良猫でも「健康に長生きして欲しい」と思いますよね。
今回は、野良猫出身の猫の寿命の長さや猫の寿命を伸ばすために気をつけることをご紹介します。
元野良猫の寿命は短い?
結論から言うと、野良猫の寿命が短いからといって、元野良猫の寿命も短いとは限りません。
通常、元野良猫であっても、家の中で飼い始めると次第に健康状態が良くなっていきます。
実際に、17歳になっても元気に過ごしている元野良猫もいました。
筆者が飼っている元野良猫も、飼い始めた当初はヨボヨボでしたが、保護して1年近くになると毛艶も良くなり、まるで別の猫のように若返っていきました。
寿命は健康状態や住環境に左右されるため、飼い方次第で元野良猫の寿命も長くなるでしょう。
飼い猫・野良猫で寿命はどの程度違うのか
一般財団法人ペットフード協会「平成30年全国犬猫飼育実態調査」によると、飼い猫の平均寿命は15.32歳とされています。
また、野良猫の平均寿命については明確な調査結果はありませんが、各自治体や動物愛護団体などでは一般的に3〜5歳と言われています。
もちろん、猫の体質や周辺環境によっても異なりますから、数字はあくまで目安ですが、それでも飼い猫と野良猫では寿命がおおよそ10歳以上も違うことが分かります。
元野良猫の寿命を考える上で、まずは野良猫と飼い猫の寿命にこれだけの差が出る理由を考えてみましょう。
野良猫の寿命が短い理由
野良猫の寿命が短い理由として、次のような要因が考えられます。
- 交通事故
- 夏の暑さや冬の寒さ
- 縄張り争いなどのトラブル
- ケガや病気をしても治療できない
- 感染症
- 食料の確保が難しい
2019年に発表された論文によると、「屋外飼育の猫は、完全室内飼育の猫に比べ、病原体や寄生虫に感染する確率が3倍近く高い」ことが分かりました。
誰にも飼われずに外で暮らすことは、猫にとって簡単なことではありません。屋外飼いの猫は常に上記のような危険にさらされているからこそ、寿命も飼い猫より大幅に短くなってしまうのでしょう。
飼い猫の寿命が長い理由
裏を返せば、飼い猫は野良猫のように食料不足や交通事故などの危険にさらされることが少ないため、野良猫よりも長生きできるのです。
他にも、キャットフードの改良や獣医療の発展によっても猫の寿命が伸びています。
野良猫も飼い猫になれば寿命が長くなる?
以上のことから、元野良猫であっても、外の過酷な環境から安全な住環境に移り住み、毎日お腹いっぱいごはんを食べられるようになれば、健康状態も改善していくと考えられます。
筆者が元野良猫を保護した際も、猫のお腹の中には寄生虫、慢性的な便秘、ストレスによる脱毛、栄養失調など明らかに健康状態が良くありませんでした。しかし、動物病院で治療を受けたり、安全な環境で毎日十分な食事を与えるうちに、だんだんと健康になっていきました。
つまり、これからの過ごし方次第で、元野良猫でも長生きできるのではないでしょうか。
混血種と純血種でも寿命は違う
「家庭どうぶつ白書2017」の調査によると、混血種の方が主な純血種と比較して平均寿命が長いことが分かります。
これは、混血種の猫の方が純血種の猫よりも遺伝的疾患を持ちにくく、病気になりにくいためです。
混血種の平均寿命
- 混血猫:14.3歳
純血種の平均寿命
- スコティッシュ・フォールド:13.4歳
- アメリカン・ショートヘア:13.5歳
- マンチカン:11.2歳
「家庭どうぶつ白書2017」より
野良猫は雑種猫が多いため、元野良猫は病気になりにくい遺伝子を持っている可能性が高くなります。
元野良猫の寿命を伸ばすためにも、ご飯や生活環境など猫が過ごしやすいように、飼い主さんが気を配ってあげたいですね。
猫が長生きするためにできること
最後に、猫が長生きするために飼い主さんができることを3つご紹介します。
1.ストレスを減らしてあげる
ずっと外で自由に過ごしていた元野良猫にとって、室内は窮屈に感じてしまいます。
室内での生活に慣れるまでは、新しい生活にストレスを感じることも多いでしょう。
猫のストレスをできるだけ減らすため、飼い主さんは次のようなことをしてあげましょう。
- 適度に遊んであげる
- キャットタワーを準備する
- 家の中での活動範囲を増やす
適度な運動ができる環境を用意して、猫のストレスが溜まらないように配慮してあげてください。
2.栄養いっぱいの適切な食事
長生きのためには食べる物も気をつけなければいけません。そのため、猫に必要な栄養が整っている「総合栄養食」のキャットフードをあげるようにしましょう。
もし体調面で気になることがある場合は、獣医師さんと相談の上、サプリメントを使うこともおすすめです。
筆者が保護した元野良猫は口臭や便秘が酷かったため、乳酸菌サプリをあげて腸内環境を改善するようにしていました。
3.定期的に病院へ連れて行く
猫の健康維持のために、ワクチン接種や定期的な健康診断は欠かせません。
猫は体に異変があっても隠そうとする習性がある動物です。
成猫ならワクチン接種のついでに年に1回、高齢になったら年に2〜3回行くと良いでしょう。
まとめ
野良猫の寿命は飼い猫よりも短いとされていますが、それは、常に危険と隣り合わせの住環境に置かれているためです。
したがって、元野良猫であっても、少ないストレスでお腹いっぱいご飯を食べることができれば、長生きできる可能性は十分にあります。
ご飯や住環境を工夫することで猫の健康状態を良好に保ち、元気な愛猫と少しでも長く一緒に暮らしたいですね。
密かに人気!初心者にも飼いやすいカエル5種類とその特徴
本当かよ!?と思われるかもしれませんが、実はペットとしてひそかに人気のあるカエル。「興味はあるけど、種類が多くてよくわからない!」、「飼い方が難しそう」なんて思っていませんか?コツを押さえれば、ペット初心者でも飼うことは可能なのです。
今回は、そんなカエル初心者さんにおすすめのカエル5選をご紹介します。一緒に、超かわいいカエル動画もご紹介しているのでぜひ見てみてくださいね。(カエルだけでなく、昆虫なども出てくるので、苦手な方は閲覧注意です)
【イエアメガエル】
見た目
体の色はグリーン~褐色までのさまざまな色があり、環境によって体の色を変えることもできます。また、手足の吸盤が大きくよく発達しています。
寿命
15〜20年
えさ
昆虫(コオロギ・ミルワームなど)、小魚、ピンクマウスなど
特徴
人になつきやすい種類のカエルなので、初心者さんにはぴったりです。
体を乾燥から守るため、体の表面が保護膜でおおわれているので、長時間手に触れるなどのスキンシップは体調不良の原因となるので気をつけましょう。ペットとして飼育されるカエルの中では丈夫で飼育しやすいとされています。
【ベルツノガエル】
見た目
ツノガエルの中でも赤や緑など、体の色が鮮やかで美しいく、体に茶色っぽい模様がいくつもあることが特徴。
寿命
約14年
えさ
昆虫(コオロギ・ハエ・ミルワームなど)、ピンクマウス、金魚など
特徴
人になつくというよりも観賞タイプのカエルと言えます。
とは言え、環境や飼い主になれてくると、手からえさを食べるようになります。しかし、かみつかれると痛いので、えさはピンセットなどで与えたほうがよいでしょう。えさを毎日あげる必要はないので、比較的飼育しやすいと言われています。
【ヒメツメガエル】
見た目
別名のドワーフという名の通り、体長は大きくなっても3㎝~4㎝と大変小型なのが特徴です。褐色でザラザラしています。
寿命
3〜8年
えさ
熱帯魚用のえさ、冷凍赤虫など
特徴
ヒメツメガエルは一生を水中で過ごします。そのため、熱帯魚などの観賞魚とともに混泳させることも可能です。
口に入ればどんなえさでも食べるので、熱帯魚と同じ餌を与えると経済的です。熱帯魚を飼っている方は、一緒に飼育してみることを検討してはいかがでしょう?
【ニホンアマガエル】
見た目
体色はおなか側が白色で、背中側が黄緑色だが、背中側は黒っぽいまだら模様の灰褐色にも変えることができます。非常に可愛らしい見た目のカエルです。
寿命
約5年
えさ
コオロギ、ミルワームなどの昆虫、メダカ、ドジョウ、金魚等の魚類、マウス・人工飼料など
特徴
野生でもよく見かけるニホンアマガエル。
木登りをする種類のカエルなので、水槽にはのぼり木を入れてあげましょう。また、湿度には気をつけなければなりません。
【アメリカウシガエル】
見た目
オスの背面は暗緑色で、淡黒色の斑紋がまばらにあり、メスの背面は褐色で、斑紋がオスよりも多いです。オス、メスどちらもおなかは白いですが、オスでは喉の部分が少々黄色みがかっています。
寿命
7〜9年
えさ
小魚やザリガニ、昆虫など
特徴
鼓膜が大きく発達しており、非常に優れた聴力を持っています。そのため、近くで大きな音がしたら、最悪の場合はショック死することもあると言われています。
室温と湿度には気を使わなければなりませんが、そこに気をつけさえすれば、基本的には丈夫なカエルです。
カエルは意外と長生き!
さて、お気に入りのカエルは見つかりましたか?
苦手な方も多いカエルですが、懐いてくれるカエルもいるため、密かに人気な生き物です。基本的には、室温と湿度に気をつけて大切に育てていけば、カエルは思っているよりも長生きします。それぞれのカエルの種類にあった環境を作り、大切に育てましょう。
なお、野生のカエルを捕まえて飼育すると、種類によっては犯罪になることもあります。詳しくない方は、カエルを飼うときは必ずペットショップから購入するようにしてくださいね。
【うさぎは”ストレスに弱い”】飼う時気をつけることって?
近頃、人気を集めている”うさぎ”。
実は、とっても繊細で、ストレスに弱い生き物であることをご存知でしょうか?
それ故、人によっては「うさぎは飼うのが大変」と感じている人もいるようです。
うさぎは繊細で”ストレス”に弱い!?
うさぎは元々自然の中で捕食される側の動物のため、臆病でストレスをためやすい動物であると言われています。
ストレスがたまると、体調を崩し、死んでしまう可能性もあります。
そのストレスを、ギリギリまで表に出さない場合もあるので、飼い主さんは常にうさぎの体調を気にかけてあげる必要があるのです。
では、うさぎにストレスを与えないためには、どうすれば良いのでしょうか?
【できること①】 飼育環境を整える
うさぎは、飼育環境が整備されていないとストレスを感じてしまいます。以下のことに特に気をつけましょう。
適切な温度
うさぎは暑さや寒さに弱い動物です。18〜24度くらいの室温を保ってあげましょう。
エアコンの風が直接当たらないか、直射日光が当たらないかも気をつけてくださいね。
水の補充と餌やり
脱水症状を起こさないように、水が減っていないか気にしてあげましょう。また、空腹が続くこともストレスにつながります。
水と餌、両方気にかけてあげてくださいね。
ケージは綺麗に保つ
ケージの中はこまめに綺麗にしてあげましょう。
うさぎは臭いにも敏感です。トイレの掃除もこまめにするのがオススメです。
静かな環境を作ってあげる
うさぎは他の動物から身を守るためにも、聴覚が発達しています。些細な音でもずっと鳴り続けているとそれがストレスになることも。
なるべく静かな環境を作ってあげましょう。
【できること②】 他の動物と急に接触させない。
うさぎは捕食される側の動物ですから、他の動物と急にご対面すると、ストレスを感じてしまいます。
犬などと全く一緒に暮らせないということはないですが、急に一緒にするのはやめた方が良いでしょう。
最初はゲージに入れたまま接触させる等して、どうしても相性が悪いならば、飼育場所は分けましょう。
【できること③】 適度に触れ合う
うさぎは、よく”寂しがりや”と言われますが、その通りで、一人暮らしなどであまりにも構ってあげられないと、それがストレスになってしまう場合があります。
大好きな飼い主さんと遊ぶ時間を1日に30分〜1時間程度設けてあげましょう。
しかし、逆に構い過ぎてしまうと、それがストレスになってしまうこともあります。適度に遊んであげることが大切です。
【できること④】 運動させてあげる
一日一回はゲージから出して運動させてあげると、ストレス発散になります。
うさぎが怪我をしない環境を整えた上でケージから出してあげましょう。
また、うさぎにかじり木は必須です。かじるものをゲージの中に必ず入れましょう。
【できること⑤】 新しいことにはゆっくり慣れさせる
新しく家に迎えたとき等、新しいことをする時は、急にしつこく触ったり、無理やり何かするということがないようにしましょう。
うさぎは、急な環境の変化にストレスを感じやすいのです。
ストレスがあると起こす行動
- 食欲不振
- 後ろ足を地面に叩きつけて音を立てる(スタンピング)
うさぎの体調不良やストレスのピークはわかりにくい場合もあります。
毎日お世話をする中で、上のような行動をとっていないか、よく観察して、気づいてあげましょう。
うさぎの長生きのために。
うさぎの感じるストレスと寿命は大きく関係しています。
自然のうさぎの寿命が3年程度なのに対して、飼育されているうさぎは長くて15年程度生きることを考えても、この差は大きいと言えます。
大好きなうさぎと長く暮らすためにも、”ストレス”をなるべく与えない暮らしを心がけていきましょう!
質問にお答えしました
とてもうるさい音があったり、大きな音が結構毎日続いているのですが、うさぎを大きな音から避けるためには方法がありますか
コメントありがとうございます。
大切なうさぎを音から守り、ストレスを少しでも無くしてあげたいという飼い主さんに、以下の方法をご紹介します。
ケージにバスタオルや毛布をかける
一番すぐに実行できるのがこの方法です。
しかし、夏場にエアコンがかかっていない部屋で行うと、ケージ内の温度が上がってしまうので気をつけましょう。また、かじり癖のある子だとバスタオルや毛布をかじってしまうかもしれませんので注意してください。
ダンボールと防音マットを用いてケージを囲う
ちょうどいいサイズの防音カバーがなければ自分で作っちゃいましょう!
ダンボールをケージより少し大きいサイズに組み立て、そこに防音マットを貼り付けます。
少し手間はかかりますが、大切なうさぎのために手間は惜しまない!という方はぜひ試してください。ただし、完全にダンボールとマットで覆ってしまわないように、空気の通り道は必ず確保してくださいね!
うさぎは環境の変化にも敏感な生き物です。防音に気を取られて、空気がこもってしまったり、暗い時間が増えたりすることでもストレスになりかねないので、最初は様子を見ながら試すようにしてください。
また、もし大きな音がする時に一緒にいられるようであれば、撫でたり、話しかけたりして、うさぎを安心させてあげるといいかもしれません。
参考になりましたか?
また疑問点などありましたらコメントをいただけますと幸いです。