犬の睡眠時間は人間より長い?睡眠時間は年齢・犬種によっても違う!

愛犬が日中たっぷりお昼寝をしたのに、夜もすやすや気持ちよさそうに寝ているのを見ると、「うちの犬、ちょっと寝る時間が長すぎでは?」と、心配に思う方もいるかもしれません。

しかし、実は犬は元来私たち人と比べてかなり長い睡眠を必要とする動物なんです。

睡眠時間が十分でなければ犬も人間と同様に体調を崩してしまいます。逆に、本来犬が取るべき睡眠時間よりも長くなっているのであれば、それはなにかの病気のサインである可能性があります。

今回は「犬が長い睡眠時間を必要とする理由」と、「年齢と犬種別の平均的な睡眠時間」、また、「睡眠の異常が示す病気のサイン」をご紹介します。

犬の睡眠時間が長い理由

1.眠りが浅いから

犬が人間よりも長い睡眠を必要とするのには、深い睡眠である「レム睡眠」の割合が人間よりも少なく、睡眠が浅いことに原因があります。

かつて、犬が野生で暮らしていたころには、常に敵に襲われる可能性がありました。眠っていてもすぐに周囲の危険に対応するには、浅い眠りでなければならなかったのです。

たとえば、犬が寝ているときに、アゴを地面に乗せていることがありますよね。これは、寝ている状態でも、地面の振動によって周辺の動きを察知するためと言われています。また、小さな物音や動きに気付いて目を覚ますこともよくあります。

2.夜行性の名残

犬が昼間に良く眠るのは、犬が野生だった頃に得た特性と関係しています。

もともと狩猟で食糧を得て生活していた犬は、暗くて気配を消しやすい夜に狩りをして、昼間に睡眠をとる夜行性の動物でした。

やがて人間に飼われるようになり、昼に活動する人間のリズムに合わせるようになりました。夜に寝て昼間にも活動するようになりましたが、まだ完全に夜行性の特性はなくなっておらず、今でも日中にいくらか睡眠をとります。

犬の平均的な睡眠時間は?【年齢別】

犬の睡眠時間は個体差もありますが、年齢や犬種によっても異なってきます。
まずは、年齢別におおまかな睡眠時間の平均を紹介します。

子犬(~生後1年)

目に入るすべてのものが目新しく、まだ十分に発達していない身体で動き回る子犬。好奇心いっぱいの子犬たちにとって、睡眠は「体の回復や成長、記憶の整理」のために、非常に重要です。

子犬は成犬に比べて多く寝る時間を必要とし、平均的な睡眠時間は12~18時間とも言われています。

成犬(生後1~7年)

成犬の睡眠時間は子犬やシニア犬に対しては比較的短いですが、それでも平均的して12~15時間の睡眠時間を必要とします。

この睡眠時間は、だいたい人間の赤ちゃんの睡眠時間と同じくらいですから、大人の飼い主さんと比べると、とても長い時間を眠って過ごしていることがわかりますね。

シニア犬(生後7年〜)

シニア犬は成犬に比べて体力と回復力が落ちてくるため、年を取るにつれてより長い睡眠時間を必要とするようになっていきます。
シニア犬の平均的な睡眠時間は、子犬と同じ12~18時間と言われています。

長生きのワンちゃんはかなりの時間を寝て過ごし、ご飯とトイレのほかは寝て過ごすという場合も多いかもしれません。

犬の平均的な睡眠時間は?【犬種別】

犬 睡眠時間 眠る 睡眠 犬種 年齢 病気

犬の睡眠時間を最も左右するのは年齢ですが、犬種によっても睡眠時間が異なります。一般的に大きい犬種のほうが寝る時間は長く、小さい犬種であるほど寝る時間が短いと言われています。

例として、チワワやトイプードルのような小型犬の成犬の平均的な睡眠時間が12時間程度なのに対して、レトリーバーなどの大型犬の成犬の平均睡眠時間は15時間程度が目安です。

ただし、中型犬や大型犬であっても、作業犬といわれる柴犬やシープドッグの睡眠時間は比較的短く、10時間程度と言われています。

犬種や年齢はあくまで目安

上記にご紹介した年齢や犬種による睡眠時間は、あくまでも目安です。人間にもショートスリーパーとロングスリーパーがいるように、睡眠時間には犬それぞれの個体差があることを踏まえたうえで、参考にしてみてください。

犬の睡眠時間の異常は病気のサイン?

犬 睡眠時間 眠る 睡眠 犬種 年齢 病気
犬の睡眠時間にはもちろん個体差がありますが、年齢や犬種による目安よりも寝る時間があまりにも長い、または短い場合には、何かの病気のサインかもしれません。

睡眠時間が長すぎる場合

体調が悪かったり、足などが痛くて起き上がるのが辛いと、犬は睡眠を取って、痛みや辛さを和らげることがあります。

その場合、無理に起こそうとすると嫌がったり、怒ったりするかもしれません。犬の睡眠時間があまりにも長いと感じたら、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。

睡眠時間が短すぎる場合

犬があまり眠らず、夜中に起きて吠えてしまう場合、特にそれがシニア犬であれば、認知症である可能性があります。早めの対処が必要となるので、こちらも症状を獣医師に伝え、相談するようにしましょう。

また、眠りたいのに家の中がうるさかったり、夜遅くまで明るかったりすると、なかなか寝付けずに睡眠不足になってしまいます。
犬が落ち着いて眠れるよう、静かで暗く、周りが囲われた環境を整えてあげましょう

遊んでいる最中に突然眠ってしまう場合

歩いている最中や遊んでいる最中に、犬が突然眠ってしまうことがあれば、それは「ナルコレプシー」という病気かもしれません。

ナルコレプシーとは、自分の意志とは関係なく突然眠ってしまう病気のことです。万一、このような症状が見られたら、早めに獣医師に診てもらいましょう。

まとめ


今記事では、犬の睡眠についてご紹介しました。

人間とは全然違う犬の睡眠について理解することは、愛犬の体調を管理するうえで非常に重要なことです。
また、いくらもともと長いといっても、睡眠時間があまりに長すぎる、または短すぎるようであれば、病気やストレスのサインかもしれません。

睡眠から異常を察知したら、早急に動物病院の診療を受けるようにしましょう。