猫のものぐさ感情表現?よく見られる尻尾のボディランゲージ7つ
猫を飼っている人なら経験があるかもしれませんが、猫が窓際などでじっとしている時に名前を呼ぶと、鳴き声の代わりに尻尾だけを動かして返事をしてくれることはありませんか?
筆者も猫を飼っているのですが、このいかにも猫らしい、ものぐさな返事にいつも癒されています。また猫の尻尾は、呼びかけに応じるためだけでなく、動かし方によって感情を表しているとも言われます。
今回はそんな猫の尻尾の役割と、感情表現の読み取り方を紹介していきたいと思います。
猫の尻尾の役割とは
猫の尻尾には、大きく分けて4つの役割があります。
1.感情を表現する
猫の耳・ヒゲ・目など、顔の表情以外に、尻尾もさまざまな感情表現の役割を担っています。
2.バランスを保つ
猫が高い所から低い所へ移動するときなどに、尻尾が意外と役立っています。素早く尻尾を振ることで骨盤の位置を安定させたり、足場の不安定な場所でバランスをとったりしています。
3.マーキング
猫の尻尾の付け根には臭腺と呼ばれる独特のニオイを分泌するところがあります。ニオイを自分のテリトリー(縄張り)内の物や人に擦り付けて、安心感を得ます。
4.保温
尻尾の長い猫は、尻尾を丸めて体に巻きつけ、マフラーのように体を温めるために使うことがあります。
猫の尻尾による感情表現
猫の尻尾による感情表現はさまざまです。
必ずしもこれに当てはまるわけではないパターンもありますが、代表的なものを7つ紹介いたします。
1.垂直にピンと立てている
尻尾が垂直にピンと立っているときは、うれしい気持ちや、好意を表しています。人間に対し尻尾をピンと立てた状態で近づいてきたら、甘えていると考えて良いでしょう。
猫同士では、挨拶としてお互いの好意を表現し合っていることもあります。
2.ゆっくり左右に振る
撫でてもらっているときや外の風景を眺めているときなどに、尻尾を大きく左右に振っている場合は、リラックスして気持ちがいいと感じています。
3.素早く左右に振る
小刻みに素早く左右に振っているときは、イライラしていたり、落ち着かない気持ちを表しています。
撫でている最中に急に尻尾を素早く振り始めたら、「もう十分です」のサインかもしれませんので、注意が必要です。
4.足と足の間に挟む
恐怖を感じ、気持ちが萎縮している状態です。怒られたときや自分が相手よりも立場が弱いと感じたときに、自分を小さく見せようとするため、このような仕草をするようです。
抱っこをしたとき、尻尾を足と足の間に挟んでいるようなら、猫は恐怖を感じているかもしれません。しつこくせず離してあげたほうが良さそうです。
5.先っぽだけ小さくパタパタと動かす
鳴き声を出さずに、呼びかけに応じるパターンです。じっと外を眺めている最中や、眠りかけているときに呼びかけると、この反応が見られることが多いようです。
6.ダランと下げている
落ち込んで元気がないという気持ちの表現です。または、病気などで元気が出ないために、ダランと下げている場合もあります。少し様子を見てあげてください。
7.膨らませている
攻撃態勢に入り威嚇をしている状態です。驚いたときにも膨らませます。毛を逆立たせ、自分を大きく見せようとしています。尻尾を膨らませる前に、尻尾を山形にすることもあります。
尻尾が短い猫の場合
- 嬉しい・・・お尻が上がり気味で、小刻みに震えている
- 落ち込む・萎縮・・・尻尾のあるあたりの毛が寝ているetc
猫種などによっては、尻尾が短く、大きな動きが読み取れないということもありますね。
尻尾の長い猫と基本的には動きは同じであるため、その振り幅が狭くなっただけと考えれば、読み取りやすくなります。
お尻全体の毛の具合なども気にしたり、尻尾以外のボディランゲージも組み合わせて、「今どんな気持ちなのかな」と分析してみると、だんだん分かってくることがあるかもしれません。
尻尾を触ったり引っ張るのはNG!
猫の尻尾には、尾骨神経が通っており、それによってしなやかな動きができるようになっています。
猫の腰や尻尾の付け根から骨盤神経、陰部神経、下腹神経、坐骨神経、など排泄や歩行に関わる大事な神経が集まっています。これらの神経が部分的に尾骨神経と繋がっています。
尾骨神経を損傷すると、これらの神経の束にまで影響が及び、排泄困難などに陥ることもあります。
猫の尻尾を引っ張ったりするのは絶対にNGです。
あくまで目安
以上、猫の尻尾の役割と、よく見られる尻尾の感情表現を7つご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
日本のことわざでは「有っても無くても猫の尻尾」などと言われてしまっている猫の尻尾ですが、あったらあったで、きちんと役割があるのです。
尻尾だけで判断できないこともありますので、その他のボディランゲージも合わせて見てみることをおすすめします。
飼い猫とのコミュニケーションがよりスムーズになると良いですね。
撫ででいるとき突然、猫に噛まれた!原因と対処のポイント2つ
飼い猫が機嫌良さそうにすり寄ってきて、撫でてあげているとき。ゴロゴロと気持ち良さそうに喉を鳴らし、飼い主としても心安らぐ至福のひとときですよね。
しかし、目を細めてなすがままになっていた猫が、突然、撫でている手をガブリ!と噛んでくることがあります。猫飼いさんなら、この経験がある人も多いのではないでしょうか?甘噛みならよいのですが、結構本気でゴリゴリ噛まれることもあります。
それにしてもあの現象、一体なんなのでしょうか?この記事では、以下の2つをご紹介いたします。
- 突然噛んできたその時、猫が考えている事
- もしも噛まれた場合の対処法
怒っているわけではない?
突然噛まれてしまうと、飼い主としては「怒った?」と心配になってしまうかもしれません。
しかし、猫がもし本当に怒った場合には、いつもと違った声を出したり、毛を逆立てたりと、明らかに様子が変化します。
撫でて気持ち良さそうにしているのに、突然噛まれた時の事を思い返してみると、前兆という前兆もあまり見られないことが多いような気がしませんか?
もちろん撫で方に問題があったり、触れて欲しくない場所に触ってしまった場合には、本当に怒っている可能性はあります。しかし、そうではなさそうな場合には、「怒っているので突然噛んできた」とは考えにくいのではないでしょうか。
では、怒っているわけではないとしたら、なぜ噛んでしまうのでしょう?
「気持ちが良すぎるから、もうやめて!」のサインだった?!
この理由には、「あまりにも気持ちが良いので、もうやめて!」のサインという説があります。
さらに猫によっては、この「ガブリ!」に至るまで、微妙な変化があったりします。
例えば我が家の猫。最初は気持ち良さそうに鳴いているのですが、撫でるにつれて声が長く伸びるようになり、尻尾が不穏な動きをするようになります。
そのまま撫で続けると、こちらにお尻を向けた状態から、あるとき突然クルッとこちらを振り返ってガブリと噛まれてしまいます。
噛まれたときの対処方法
もしも噛まれたとき、どのような対処をすれば良いのでしょうか?
猫とのコミュニケーションは、人間同士のように言葉を交わすことができないため、猫の意図を読み違えてしまうことがあります。
「猫がいたずらをした」とこちらが思っていても、猫としては「悪いことをしている」というつもりはなく、ただ本能にしたがって「やりたいことをやっている」ということがよくあります。
噛まれると痛いので、反射的に叩いたり大声を出したりしてしまうかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、あえて無視をして離れるのが良いです。
噛まれる原因を取り除く、対処のポイント2つ
「猫には猫の習性がある」と認識した上で、噛まれないために、飼い主としてその習性に適応していく必要があります。
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①飼い猫が気持ちいいポイントを撫でてあげること
②飼い猫が噛んでくる直前のサインをよく観察すること
猫によっては以下のサインに当てはまらないこともありますが、撫でている最中よく観察していると、うちの猫にはこんな癖があるんだなというのが見えてきます。
撫でると喜ぶ部位
猫は、以下の部位を撫でられることが好きです。
- 顎や首まわり
- 頭や額
- 背中
- (猫によっては)尻尾の付け根
特に雌猫にとっては、「尻尾の付け根」を撫でられると喜ぶことが多いようです。
撫でると、猫が嫌がる部位
- 尻尾
- 手足
- お腹
- (猫によっては)尻尾の付け根
尻尾や手足などの末端部分は嫌がられることが多いようです。
猫にとってお腹は急所なので、基本的にはこちらから触るのは避けたほうが良いでしょう。心を許してくれた場合はゴロンと寝っ転がって触らせてくれるときもあるので、その場合には大丈夫でしょう。
噛んでくる直前のサインの例
以下のような変化が見られたら、撫でるのをやめてみましょう。だんだんとタイミングが分かってくるようになると思います。
- 鳴き声が変化する
- ゴロンとしてお腹を見せてくる(態勢を変える動きをする)
- 尻尾を左右に振り始める
スキンシップをより楽しく
筆者も猫を飼っていますが、この現象に長年悩まされていました。最近では、撫でながらも「そろそろ来るな…」と、その頃合いを察知できるようになり、タイミングを見計らって手を離しています。
当初は、「なぜこんなことをするのだろう?」と不思議に思うことが多々ありました。しかし、猫のことを知るにつれ、その謎が少しずつ解けていくことに楽しさを覚えていきました。なかでも、この「撫でている最中にガブリ!」と噛まれたときは、その豹変ぶりにびっくりをしてしまいました。一筋縄ではいかない猫ごころを、身を以て感じられた一件でした。
撫でても噛まれてしまい困っているという方も、慣れてくれば、餅つきの相方同士のように呼吸も合ってくるようになります。いいタイミングでさっと離せるようになれば、もう大丈夫です!
飼い猫とのスキンシップがより楽しいものになると良いですね。