他の犬を怖がってしまうのはなぜ?正しい克服方法とは
愛犬との散歩は楽しいものですが、他の犬に会うたびに怖がって吠えてしまっては、犬も飼い主さんも、心から楽しむことができなくなってしまいます。
犬が他の犬を怖がってしまうのには、きちんと理由があります。
今回の記事では、他の犬に対する恐怖心を克服する方法を解説します。
他の犬を怖がる理由
そもそもワンちゃんはなぜ、散歩中に他の犬に吠えるのでしょうか。
1. 子犬の頃の社会経験不足
一般的に、犬は生後3〜12週の「社会化期」の間に親や兄弟とじゃれあうことで、他の犬とのコミュニケーション方法を学習するといわれています。
この時期に他の犬とコミュニケーションをとる機会が少ないと、成長してから警戒したり、接し方が分からずに吠えてしまいます。
2. トラウマがある
他の犬と会って何か怖い経験をした思い出があると、それがトラウマになって吠えるようになることがあります。
例えば、他の犬に追いかけまわされたり、激しく吠えられたり、急に上に乗っかられたりした経験はないでしょうか。
一度このような経験をすると、その後、他の犬と楽しい経験をしない限り、他の犬に対して「怖い」というイメージをずっと持ち続けてしまいます。
他の犬に会った時にやってはいけないこと
次に、他の犬に会ったときや吠えてしまったときに、ついやってしまいがちなNG行動をご紹介します。
良かれと思ってやっている行為が、愛犬をさらに不安にさせてしまっているかもしれません。
1. リードを引っ張る
他の犬から離そうと思って、焦ってリードをグイッと引っ張ってしまいたくなるかもしれません。
確かに、無理やりその場から逃げてしまえば、一時的には犬が吠えるのを抑えることができます。
しかし、犬は飼い主の焦りを察知し、余計に不安になってしまうかもしれません。リードを伝って、飼い主の感情が伝わるのです。
また、いつどこで他の犬に会うかはわかりませんし、毎回この方法でしのげるわけではないでしょう。
2. 無理やり近づける
リードを引っ張って無理やり離すのも良くありませんが、克服するために無理やり近づけるのもNGです。
余計に犬嫌いになってしまいます。
3. 叱る
他の犬に吠えたからと言って、叱ってはいけません。
他の犬に会ったことですでに興奮状態にある犬は、叱られることでさらに興奮して、さらに吠えてしまうこともあります。
何か声がけをするとしたら、「ノー」「ダメ」など、普段から犬に使う言葉で短く合図を送るようにしましょう。
他の犬に吠えるのを克服する方法
では、他の犬を怖がって吠えるのは、どうしたら克服できるのでしょうか。
いくつか効果的な方法をご紹介します。
1. 注目をそらしておやつをあげる
他の犬が近づいてきたら、名前を呼ぶなどして飼い主さんに注目させ、他の犬に吠えなければおやつをあげましょう。
他の犬との距離が近すぎると警戒心が高まり、吠えやすくなるので、まずは距離感を保った状態でおやつをあげるといいでしょう。
何度か繰り返すと、犬は「他の犬に会って吠えなかったらおやつをもらえた!」と学習してくれます。また、他の犬に会うことを「嫌なこと」ではなく、「いいこと」だと感じるようになります。
ただし、他の犬に遭遇するたびにおやつをあげるのを忘れずに行うようにしてください。一貫性のある飼い主の振る舞いは、早く慣れさせるのに最も効果的です。
2. 他の犬に慣れさせる
時間はかかりますが、他の犬は怖い、というイメージを変えられれば、他の犬に会うたびに警戒して吠えてしまうことはなくなります。
犬友達がいれば、他の犬が少ないところで待ち合わせをし、犬同士でコミュニケーションをとる練習に協力してもらうと良いです。
ただし、相手の犬が積極的に近づいてきたり、吠えやすい性格の犬だと逆効果になってしまいます。
大人しくて、多少吠えられても落ち着いていられるような、穏やかな性格の犬に協力してもらえると良いですね。
犬によっては、子犬や社会化が不十分な犬に対して、他の犬との接し方を教育をしてくれることがあります。しつけ教室やパピーナーサリー、ドッグトレーナーの元にも、このような犬がいることがあります。どうしても困った場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。
まとめ
愛犬が他の犬を怖がって吠えてしまう理由には、子犬の時に他の犬とコミュニケーションをとる機会が少なかったことや、他の犬と会って怖い経験をしたことが挙げられました。
他の犬に吠えないようにと、ついリードを引っ張ったり叱ったりしてしまいがちですが、こうした行為は犬の不安を助長してしまうので今すぐにやめましょう。
愛犬の恐怖心を克服するには、他の犬に対するイメージを良い方向へと向かせることが重要です。
少しずつトレーニングを積んで、犬も飼い主さんもより楽しい日々のお散歩時間となりますように。
花火大会に犬を連れて行くのは危険!?その理由とは
夏の一大イベントといえば、花火大会。浴衣を着て、屋台をまわって、ゆっくり花火を見る…。毎年心待ちにしている方も多いですよね。
「楽しい花火大会に、犬を連れていってあげたい!」と思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、犬にとって花火は必ずしも楽しいものとは限らず、迫力満点の花火の音を怖がってしまう犬もいるのです。
今回は犬が花火を怖がる理由やその対策などをご紹介します。
犬は花火の音に弱い
犬は大きな音が大の苦手です。花火に限らず、雷や飛行機、爆音で通り過ぎる車などにも恐怖を感じます。特に、幼い頃にそういった音を聞いてこなかった犬ほど、突然の物音にびっくりしてしまいます。症状がひどいと、オロオロするだけでは止まらずパニック状態になってしまうこともあります。
犬の聴力は、人間のおよそ4倍と言われています。人間が花火の音を聞いても大きいと感じるのですから、犬にとってはありえないぐらいの爆音ですよね。また、人間は「今日は花火を見に行こう」という認識がある上で、あの大きな音を聞いています。しかし、犬からすると、突然聞こえてきた、得体の知れない爆音なのです。上から音がする花火や雷、飛行機などは特に、音の出所を理解することが難しく、さらに恐怖を感じてしまうのです。
花火を恐怖に感じた犬の反応
花火の音でびっくりしてパニック状態になってしまった子は、暴れて飼い主さんの手元から逃げ出してしまう可能性があります。花火大会の会場は人ごみで、視界も良くありません。そういった中で犬が逃げ出してしまったら、探し出すのはとても困難です。
花火大会のある夏は、迷子の犬が増えると言われています。実際に、京都の新聞で、夏の迷い犬についての記事が挙げられています。
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20170731000073
花火の音に驚いて急に逃げ出したり、首輪やハーネスから抜け出してしまう子も少なくありません。パニックになってしまうと、ものすごい勢いで走って何処かへ行ってしまうこともあります。「リードをしっかり握っているから大丈夫」という慢心は、一生の後悔を招きますので、安易な気持ちで連れて行くのはやめましょう。
南アフリカでは、花火の音でパニックになってしまった犬が、少なくとも30頭亡くなったという悲しい出来事も起きています。
また、脱走以外にも以下のような反応を見せることがあります。
・吠え出す
・おしっこを漏らす
・震え出す
・固まって動けなくなる
・飼い主から離れようとしない
このような反応を見せたら、犬が花火を怖がっているサインかもしれません。速やかに花火の音が聞こえにくいところに移動しましょう。
会場でのトラブル
花火大会にはたくさんの人が来ます。花火大会の会場には何が落ちているかわかりません。屋台の食べカスに、屋台のおもちゃ、他の人が持ち込んだ食べ物やアルコール類を、犬が拾って口にしてしまうかもしれません。
「犬から目を話さなければ大丈夫」と思うかもしれませんが、人混みで暗い中ですから、視界もよくありません。いくら注意して見ていても、犬の安全を完全に守れるわけではないのです。
また、花火大会に来る人の中には、犬が苦手な人もいるでしょう。他の人に吠えてしまったり、会場でおしっこをしてしまったりするかもしれません。犬を連れていくことで他の人に迷惑をかける可能性があることをよく理解しておきましょう。
連れて行きたい気持ちはわかるけど…
犬は大切な家族の一員だですから、一緒に花火大会を見て歩きたいという気持ちはわかります。しかし、人間が考える「良いと思われること」が、必ずしも犬にとって良いこととは限りません。怖がるとわかっていながら、連れて行くのが果たして犬にとって幸せなことなのでしょうか?
連れて行かないという選択が愛のときもあります。愛犬が誤食をして身体を壊す姿なんて見たくないですし、パニックになって脱走なんてしまえば一生後悔します。安易な気持ちで、犬を花火大会に連れて行くのはやめましょう。