日本で狂犬病が発生する可能性は十分にある!知られざる危機とは

「今の日本は狂犬病が発生していない国だから、飼い犬にワクチン接種させる必要はない」などという誤った情報が、ネット上などで散見されます。しかし、実は日本でも狂犬病が発生する可能性は十分にあることをご存じでしょうか。

この記事では、日本で狂犬病が発生する可能性やその恐ろしさ、予防接種しなかった場合の法的な罰則などを解説しています。この機会に狂犬病の正しい知識を再確認していただけたら幸いです。

日本のワクチンの接種率は危機的な数値

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2024年2月7日、群馬県の伊勢崎市で小学生ら12人が近所で飼われていた中型犬に次々と咬まれるという事件が発生しました。非常にショッキングなニュースであり、記憶に残っている方も多いことでしょう。

さらに、この犬が自治体へ畜犬登録されていない上に、狂犬病ワクチンを接種していないことが分かり、事件の深刻さに拍車をかけました。

ただし、この飼い主だけが特殊なわけではなく、近年狂犬病ワクチンは接種率の低下や誤った情報の広まりが専門家などから問題視されています。

狂犬病ワクチンの接種率は年々低下

日本での狂犬病の感染は、人間は1956年、動物は1957年に猫の発症を最後に60年以上発生していません(海外で感染し、日本で発症した例は除く)。そのため、日本は「狂犬病清浄国」とされていますが、実は危機的な状況に置かれていることをご存じでしょうか。

狂犬病の発生やまん延を防ぐために、法律で義務づけられている予防接種。
しかし、その接種率は減少傾向にあります。

接種の間隔が半年1回から年1回に変わった1985年以降はほぼ100%で推移していましたが、1996年ごろから減り始め、2000年度には80%を下回りました。

2022年度は、全国の市区町村に登録されている犬606万7716頭に対し、予防接種を受けたのは429万9587頭で、接種率は70.9%にとどまりました。

出典:狂犬病の予防接種 なぜ7割に? SNSではワクチンめぐり誤情報の拡散も | NHK NESWEB

このようなワクチン接種率の推移は、厚生労働省が公表している統計を元にしていますが、これは自治体に「登録されている犬」が狂犬病ワクチンを接種している接種率で、先述した人を咬んだ中型犬のような「未登録の犬」や飼い主のいない野犬はカウントされていません。

そのため、未登録の犬を含めるとワクチンの接種率が50%を下回る可能性も十分に考えられます。WHOのガイドラインでは、狂犬病のまん延を防ぐためには犬全体の70%以上にワクチンを接種する必要があるとされており、狂犬病清浄国とされている日本も安全とは言えないのが現状です。

ワクチン接種率の地域格差

狂犬病ワクチンの接種率には地域差も見られます。厚生労働省が発表した都道府県別のワクチン注射率(2022年度)において、注射率が高い都道府県は以下の通りです。

順位 都道府県 注射率
1 山形県 88.4%
2 青森県 87.1%
3 新潟県 86.6%
4 岩手県 84.5%
5 宮城県 81.3%

一方で、注射率の低い県は以下の通りです。

順位 都道府県 注射率
42 大阪府 62.1%
43 愛媛県 61.8%
45 和歌山県 61.2%
46 福岡県 60.8%
47 沖縄県 52.4%

なお、全国平均は先述の通り70.9%であり、東京都は平均を下回る69.9%(30位)でした。

都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

飼い主の接種意識の現状

狂犬病ワクチンを接種しない理由の一つに、飼い主の誤った認識が挙げられます。特に、国内で60年以上狂犬病の感染が確認されていないため、「日本では狂犬病の予防接種は必要ない」といった誤った認識が広がっています。

また、近年は室内で小型犬を飼う人が増加しており、地域によっては野生動物と接する機会が少ないことから、狂犬病の予防に対する意識が薄れている傾向も指摘されています。

さらに、ネット上では「狂犬病ワクチンが犬の寿命に影響する」、「狂犬病は生小豆を食べれば治る」などといった、科学的根拠がない情報が拡散されています。

狂犬病が復活した台湾

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世界の狂犬病清浄国と呼ばれている国・地域には、日本、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれます。

しかし、かつてその一員であった台湾では、2013年7月に野生のイタチアナグマに、同年9月には飼い犬に狂犬病ウイルスの感染・発症が確認されました。

台湾での狂犬病の感染経路

日本で狂犬病が長年発生していない要因として、予防接種や検疫制度はもちろんのこと、日本が島国であることが大きいと考えられています。

しかし、同じく狂犬病が長年発生していない島である台湾では、狂犬病が発生してしまいました。台北在住の獣医師は次のように述べています。

島国の台湾で、イタチアナグマのような山林にすむ動物が突発的に狂犬病に感染することはあり得ない。おそらく数年前に大陸から持ち込まれたなんらかの動物が、スーパースプレッダー(一体で多数の個体に感染させる個体)となってさまざまな動物に広めた。

出典:台湾の「狂犬病ウイルス」はどこからやってきたのか? – ライブドアニュース

このように、台湾では外部から持ち込まれた動物により、野生動物の間で狂犬病が広がったとする見解が示されています。

そして、かつての台湾と同じ状況にある日本も、台湾のような経緯で狂犬病が発生する可能性は十分にあるのです。

さらに、先述したように狂犬病のまん延を防ぐためには犬全体の70%以上にワクチンを接種する必要がありますが、自治体に登録されている飼い犬ですらギリギリのラインである70%ほどの接種率です。

これらを踏まえると、日本でも狂犬病が発生し、さらにまん延してしまうという想定も、大げさとは言えないのではないでしょうか。

狂犬病を改めて考える

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狂犬病は長らく日本国内での感染が発生していないため、多くの日本人にとって身近な病気ではないのかもしれません。海外に頻繁に行く人であっても、現地では狂犬病に注意していても、日本国内の発生に関してはイメージが湧かなくても不思議ではありません。

そこで、ここからは狂犬病という病気について再確認していきましょう。

狂犬病の恐ろしさ

狂犬病は人獣共通感染症であり、発症するとほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。2018年の世界保健機関(WHO)の報告によれば、世界では毎年5万9000人が狂犬病に感染して死亡しています。一旦発症すると有効な治療法はなく、錯乱やけいれん、呼吸障害などの症状が現れ、ほぼ全ての患者が亡くなります。

※狂犬病については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【ニュース】14年ぶりの狂犬病。ワクチン接種が愛犬と日本を守る
https://cheriee.jp/dogs/20354/

ワクチンの未接種は罰則対象

冒頭のニュースのように、狂犬病ワクチンを接種していない場合、どういった罰則があるのか見ていきましょう。

飼い犬に狂犬病の予防注射を受けさせていなかった場合は、20万円以下の罰金が科せられます(狂犬病予防法第27条第2号)。犬に狂犬病ワクチンの注射済票を着けていない場合も同様ですので、注意が必要です。

また、このニュースの飼い主は自治体に飼い犬の登録もしていませんでした。飼い主は犬を飼い始めてから30日以内に所在地の自治体に登録しなければなりません(生後91日未満の犬の場合は、生後91日を経過した日から30日以内)。

飼い犬を自治体に登録していなかった場合は、20万円以下の罰金の対象となります(狂犬病予防法第27条第1号)。また、犬に鑑札を付けていない場合も同様ですので、こちらも注意しましょう。

最後に

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私たちが普段、狂犬病を恐れずに生活できる要因の一つとして、かつての日本で狂犬病を撲滅するために野犬を中心に多くの動物の命が犠牲になった過去があります。

そういった動物たちの犠牲を無駄にしないためにも、安易な考えや誤情報に惑わされることなく、飼い主としての責任を果たしていかねばなりません。

日本を狂犬病の脅威に晒されながら暮らすような国にしないためにも、飼い主が愛犬にきちんと狂犬病ワクチンを接種させることが非常に重要なのです。

【ニュース】14年ぶりの狂犬病。ワクチン接種が愛犬と日本を守る

犬の飼い主の皆さんにとっては聞き馴染みのある狂犬病。先日、14年ぶりに日本で、海外からの来日者が狂犬病を発症しました。残念ながら6月13日に亡くなられたと報じられています。

毎年通知が来るから何気なく予防接種をしているけど、日本では発症したという話も聞かないし、お金もかかるから予防接種しなくてもいいのでは?と思っている方はいませんか?

しかし、全ての哺乳類に感染し、発症するとほぼ確実に死亡するこの恐ろしい病気を決して楽観視してはいけません。多くの国で感染が確認されている狂犬病がなぜ日本では発生しないのか、なぜワクチンを接種しなければいけないのかを改めて考えみましょう。

狂犬病とは

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狂犬病は、犬だけでなく人間を含む全ての哺乳類に感染し、発症すると有効な治療法がないため、ほぼ100%死亡するというウイルス性の人獣共通感染症です。一方で、予防接種や感染動物に咬まれた後でも、発症前であればワクチンの投与が有効であることが知られています。

感染経路

狂犬病は主に、狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれ、傷口からウイルスが体内に侵入することにより感染します。

潜伏期間

狂犬病は感染してから発症するまでの期間が一般に1ヶ月から3ヶ月、長い場合には感染してから1年から2年後に発症した事例もあります。なお、発症前に感染の有無を診断することは出来ません

症状

犬の場合

狂騒型では、極度に興奮し攻撃的な行動を示します。唾液の分泌が増加し、よだれを流すようになります。

麻痺型では、後半身から前半身に麻痺が拡がり、食物や水が飲み込めなくなります。

人の場合

初期症状は、発熱、頭痛、倦怠感、筋痛、疲労感、食欲不振、悪心・嘔吐、咽頭痛、空咳などの、風邪のようなものがみられます。

症状が進むと、強い不安感、精神錯乱、水を見ると首の筋肉がけいれんする恐水症、冷たい風を受けるとけいれんする恐風症、高熱、麻痺、運動失調、全身けいれんが起こります。その後、呼吸障害等の症状を示し、死亡します。

参考:厚生労働省 狂犬病に関するQ&Aについて
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html

日本国内では海外からの帰国者・来日者が発症

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1957年以降、日本で狂犬病の発症者が出たのは以下の4例のみです。それも全て海外で犬に咬まれた人が、適切な処置を行わなかったために日本で発症し、その後亡くなったケースです。

1970年

ネパールで野犬に咬まれた学生が、帰国後、狂犬病を発症し亡くなりました。

2006年11月(1例目)

フィリピンより帰国した60歳代の男性が狂犬病を発症しました。8月頃にフィリピン滞在中に犬に手を咬まれて感染したとみられます。
11月15日に風邪のような症状と右肩の痛みが現れ、19日に病院を受診、22日に狂犬病と判明、12月7日に亡くなりました。

2006年11月(2例目)

フィリピンより帰国した、1例目とはまた別の60歳代の男性が狂犬病を発症しました。8月末にフィリピン渡航中に犬に手を咬まれて感染したとみられます。
11月9日に風邪のような症状を呈したため病院を受診し、16日に狂犬病と判明、翌17日に亡くなりました。

2020年5月

フィリピンから来日した外国籍の男性が狂犬病を発症し、6月13日に亡くなりました。昨年9月頃にフィリピンで犬に足首を咬まれて感染したとみられます。

補足
臓器移植などの特別な場合を除き、人から人への感染は確認されていませんので、過度に恐れる必要はありません。

日本の狂犬病事情

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日本は島国という地理的な環境や、衛生事情の向上、ワクチン接種の徹底により、狂犬病ウイルスの撲滅に成功しました。しかし、未だ世界中で狂犬病ウイルスが蔓延していることから、海外から日本に上陸する可能性は否定できません。

狂犬病予防法

1950年に狂犬病予防法が制定され、飼い犬の登録や予防注射を受けることが義務付けられました。

それまでは犬だけでなく多くの人間も狂犬病ウイルスに感染し、亡くなっていましたが、狂犬病予防法制定からわずか7年で、日本国内での感染がなくなりました(海外で感染し、日本で発症した例は除く)。

日本の予防接種率

厚生労働省では、都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数を毎年発表しています。平成25年度~30年度の全国の注射率は以下の通りです。

年度 登録頭数 予防接種頭数 注射率
平成25年度 6,747,201 4,899,484 72.6%
平成26年度 6,626,514 4,744,364 71.6%
平成27年度 6,526,897 4,688,240 71.8%
平成28年度 6,452,279 4,608,898 71.4%
平成29年度 6,326,082 4,518,837 71.4%
平成30年度 6,226,615 4,441,826 71.3%

犬の狂犬病予防接種率が70%以上あれば流行を防ぐことができるとされています。数字だけ見れば日本の接種率は70%を超えていますが、地域によっては50%程度のところもあり、登録されていない野犬のことを考慮するとかなりギリギリの数値です。

出典:都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等(平成25年度~平成30年度)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

世界では狂犬病で大勢が亡くなっている

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日本で狂犬病ウイルスの撲滅に成功した一方で、海外では未だ狂犬病ウイルスが蔓延しています。

2018年の世界保健機関(WHO)の報告によると、世界では毎年5万9000人が狂犬病に感染して死亡しており、そのほとんどをアジアとアフリカが占めています。

日本は狂犬病清浄国

ある特定のウイルスが撲滅され、存在しないとされる国を「清浄国」といいます。実は、狂犬病の清浄国は日本を含め10カ国ほどと少なく、世界のほとんどの国で感染する可能性のある病気です。

また、2013年には、長らく清浄国とされていた台湾で野生のイタチアナグマの狂犬病が確認されており、決して「清浄国だから安全」というわけではありません。

海外旅行の際は十分注意して

「狂犬病清浄国」に暮らしていると、狂犬病への危機意識が低くなってしまいがちですが、ここまででお伝えしているとおり、狂犬病は世界中で感染の恐れがある病気です。

犬だけでなく、アライグマやコウモリなどの動物に噛まれたり引っかかれたりすると感染する可能性があります。特に、野生動物にはなるべく近づかないようにしましょう。

また、厚生労働省検疫所は、動物と直接接触する機会の多い人や、奥地・秘境など、すぐに医療機関にかかれないところに行く人に対し、狂犬病の予防接種を強く勧めています

犬の狂犬病ワクチン接種は飼い主の義務

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日本でも犬の咬傷事故は毎年4000件以上発生しています。もし知らない間に狂犬病ウイルスが日本にやってきて、知らない間にワクチンを接種していない愛犬が狂犬病にかかり咬傷事故を起こしてしまったらどうでしょうか?

愛犬も咬まれた人もほぼ確実に死亡してしまいます。しかし、狂犬病ワクチンを接種してさえいれば、愛犬が狂犬病にかかることも、少なくとも咬んだ相手を狂犬病で死なせることはありません

日本では感染しないから予防接種をしなくても大丈夫と考える方もいるかもしれません。しかし、それは今までの飼い主さんが責任を持って予防接種をしていたからです。日本を狂犬病のリスクから守るためにも、今後も狂犬病ワクチンを忘れずに接種しましょう

【新型コロナ】決めてある?もしもの時のペットの預け先

世界中に混乱を巻き起こしている新型コロナウイルス(COVID-19)。
このウイルスの感染や入院のリスクは、誰にでもあります。もしもの時、あなたのペットを預かってくれる人は決まっていますか?

「自分はかからないから大丈夫」と決して油断せず、ペットを預かってくれる人をしっかり決めておきましょう。
今回は、預け先を決める上で注意したいポイントと、預け先に伝えておきたいポイントを一緒に考えていきましょう。

基本的に人とペットの間での感染リスクは極めて低い

新型コロナウイルスのペットへの感染リスクは低い

新型コロナウイルスが中国で爆発的に感染拡大した頃、中国国内で「ペットが新型コロナウイルスを拡散している」というデマが流れ、飼い主がペットを殺してしまうという悲しい事件が起きました。

これまでのところ、香港やベルギーで感染者により飼育されていたペットが新型コロナウイルスに感染した例もありますが、WHOや厚生労働省は、ペットから感染するという科学的なエビデンスはなく、リスクは極めて低いとしています。

まだ症例が少ないため、科学的に証明されたわけではないと言えるでしょう。今後新たな情報が出る可能性がありますが、誤った情報に惑わされないよう、情報源を必ず確認し、フェイク(誤情報)に惑わされない冷静な判断が求められています

ペットの「コロナウイルス感染症」は別物

ペットの予防接種をする際、予防する病気のひとつとして「コロナウイルス感染症」を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

この「コロナウイルス感染症」は、同じ種の間で感染する病気であり、ペットと人間の間で感染したり、犬と猫の間で感染したりすることは基本的にありません

ただし、大腸菌やサルモネラ菌など、ペットと人間の間で感染する可能性の細菌は存在します。そのため、WHOは、ペットと接触した後は、日頃から手洗い等を徹底するよう呼びかけています。

感染者はなるべくペットとの濃厚接触を避けたほうがよいかも

人間からペットに新型コロナウイルスが感染することは、現段階では科学的なエビデンスがなく、可能性は極めて低いとされています。しかし、新型コロナウイルスに関しては、わからないことがまだまだ多いというのが現状です。

ペットの被毛等にウイルスが付着して、他の家族を間接的に感染させてしまう可能性はありますので、新型コロナウイルスに感染していたり、感染の疑いがある場合は、ペットとの濃厚接触も避けるようにしましょう

もし、感染していない方にお世話を任せられない場合でも、ペットとキスをしたり、食べ物を口からあげたり、食べかけの食べ物を与えたりはしないようにし、咳やくしゃみが出る場合はできるだけマスクをしましょう。

自分が新型コロナウイルスに感染した時のことを考えておこう

自分が新型コロナウイルスに感染したら

どんなに感染予防を徹底していても、新型コロナウイルスに感染する可能性は誰にでもあります。
自分が新型コロナウイルスに感染することを想像するのは辛いですが、万一感染し、入院等によりペットの世話をできなくなった時に備え、ペットを他の人に預ける準備をしておきましょう。

ペットを預かってくれる人を決めておこう

万一の時、周りにペットを預かってくれる人はいますか?

ひとり暮らしの場合はもちろん、家族と一緒に住んでいる場合でも、ひとりが感染すれば他の家族にも感染する可能性が高いため、家族以外の預け先を決めておいたほうがよいでしょう。

ペットの預け先を決めるに際して、次のようなポイントを目安にしてみましょう。

  • 公共交通機関の使用を避けるため、なるべく家が近い人や自家用車を使える人にお願いする。
  • 感染者の家でお世話をするのは危険なので、できるだけペットを飼えるお家に住んでいる人にお願いする。
  • 高齢者や持病のある人など、重症化のリスクが高い人はなるべく避ける。

もちろん、これらの条件をすべて満たす人が周りにいないこともあるでしょう。大切なのは、預かってくれるかどうかを事前にしっかり確認しておくことです。万が一に備え、できれば2人(2世帯)以上に確認しておくとなおよいでしょう。

ペットを預かってくれる人に伝えておくべきこと

ペットを預かってくれる人が決まったら、次のようなことを伝えておきましょう。

  • ペットにアレルギーや持病がある場合は、必ず明確に伝えておく。
  • ペットを引き取ったら、念のためペットの身体を洗い、お世話をした後は手洗いをしてもらうようお願いしておく。
  • トラブルを防ぐため、ペットのお世話代など、金銭的なこともきちんと決めておく。
  • ごはんやトイレの習慣(何をいつどのくらい食べて、どこでトイレをするのか)を伝えておく。

口頭で伝えただけでは忘れてしまったり、間違えて理解してしまうことがあるので、できるだけ書面にして残しておきましょう。

ペットを預ける場合に注意すべきこと

東京都獣医師会がペットの飼い主さん向けに、新型コロナウイルスに感染してしまった時のペットとの接し方について情報を出しています。

自分が感染していることがわかり、ペットを預けなくてはならなくなった場合、以下を精読してください。

東京都獣医師会 飼い主のみなさまへ
https://www.tvma.or.jp/public/items/1-20200328%28Q%26A-4%29.pdf

先にも申しましたが、ペットの被毛等についたウイルスにより、預け先の方を間接的に感染させてしまう恐れがあります。そのため、ペットをシャンプーすることはもちろん、ケージやおもちゃ等も全て消毒した上で、預ける必要があります。

自分がペットを預かることも考えよう

新型コロナウイルスには一丸となって立ち向かう必要がある

周りに、ペットを飼っているお年寄りや、ひとり暮らしでペットを飼っている人はいませんか?
もしもの時に、自分がペットを引き取ることも考え、よく相談しておきましょう。

高齢飼い主との話し合いは、新型コロナウイルス対策に限らず必要

新型コロナウイルスのさわぎがなかったとしても、高齢でペットを飼っている方は、もしもの時に備えて準備をしておく必要があります。

「そんな不謹慎なこと言い出しづらい…」と思う方もいらっしゃるでしょうが、ペットをひとりにしてしまう可能性があるのは、高齢の方にとっても不安なことでしょうし、何より大切なペットの命が危険にさらされてしまうことになりかねません。

高齢の飼い主や、その周りの方が考えておくべきことは、以下の記事も参考にしてください。

ペットをひとりにしない!今、高齢の飼い主がやっておくべきこと

ウイルスを侮らず、ペットのために万全の備えを

新型コロナウイルス対策としてペットのための備えも考えよう

これまで、新型コロナウイルスで重症化しやすいのは高齢者や持病のある人だとされてきましたが、若い人でもリスクがあることが報じられています。

新型コロナウイルスに感染する可能性は誰にでもあり、重症化のリスクも誰もが持っています。そして、突然の入院の可能性も同じです。

「自分は大丈夫」という甘い考えでペットをひとりぼっちにすることがないよう、事前に預かってくれる人を決めておき、必要なことを伝えておきましょう。そして、極力自分が新型コロナウイルスに感染しないように、そして誰かを感染させてしまわないように、外出を控え、予防を徹底し、この非常事態を乗り越えていきましょう。

猫から人に移る病気!人獣共通感染症とは?

多くの感染症は、猫の病気ならネコ科の生物だけに、犬の病気ならイヌ科の生物だけに感染するというように同種族の動物しか感染することはありません。

しかし、まれに同じ種類でない動物間でも感染してしまう病気があります。この記事では猫から人に感染してしまうことのある病気のうち、日常生活でもよく見られるものの症状と原因、対策についてまとめています。

猫の飼い主さんはぜひ参考にしてください!

人獣共通感染症とは


人獣共通感染症(別名:ズーノーシス)とは、人とそれ以外の脊椎動物の両方に感染、または寄生する病原体により生じる感染症のことを指します。(wikipedia:人獣共通感染症 より抜粋)

より簡単に説明すると、人にも動物にもかかってしまう病気ということです。以下の記事では主な人獣共通感染症を紹介していきます!

猫ひっかき病

症状

傷口が腫れたり、リンパの節が腫れたりしている方がいたら、それはもしかしたら猫ひっかき病かもしれません。

猫ひっかき病に感染すると、数日間から数週間感染した部位が腫れ上がったり、リンパ節などが腫れる場合があります。ひどい時には痛みや高熱、倦怠感が出ることもあるので注意してください。引っかかれた後、日にちが経ってから症状が現れることもあるので、十分気をつけてください。

原因

その名の通り、猫に引っかかれたり噛み付かれた時に傷口から病原菌が侵入し発症する病気です。猫のせいで負傷したときは、たとえ傷口が浅くてもすぐに洗い流して消毒するようにしてください。

皮膚糸状菌症

症状

皮膚糸状菌症にかかった場合、全身、または体の一部に赤い斑点が見られるようになり、斑点の部分に生えていた毛が抜けたりするようになります。この病気は猫にも人にも同様の症状が見られます。

原因

カビの一種である皮膚糸状菌が毛や皮膚に寄生することで起きる病気です。湿度・気温がともに高く、蒸し暑い時期にかかってしまうことが多い病気です。また、猫とのふれあいが多い人も気をつけたほうが良いでしょう…。

猫回虫幼虫移行症

症状

猫回虫幼虫感染症に感染すると回虫が体内を移動し、行き着く体の先々で不調を起こします。運悪く目に行き着いてしまったのであれば、失明してしまうことも考えられます。初期書状として下痢や吐き気が起こることがあります。

原因

成熟した回虫の卵を人間が口にしてしまうことで感染します。猫が輩出した回虫の卵が運悪く成熟してしまい、人の手につくなどして口元まで運ばれてしまう事態や、猫が肛門周辺を舐めた時に猫の体に付着してしまい、撫でた飼い主が回虫を受け取ってしまう事が原因として考えられます。

猫の排泄物は早いうちに始末し、猫と触れ合った後は手を洗うように心がけましょう。

パスツレラ症

症状

パスツレラ症は感染すると30分から二日以内に発症します。傷口とその周辺が赤く腫れ上がって激しく痛み、時には発熱することもあるようです。

原因

病原菌のパスツレラ菌が猫の引っかいた傷などに入るとパスツレラ症に感染します。ほとんどの猫の構内に潜む常在菌なので、飼い主と猫のキス、猫に傷口を舐めさせるなどの行為は避けたほうが望ましいでしょう。

予防するには

健康診断


猫が病原菌を持っているかどうかを飼い主みずから判断するのはとても難しいです。猫を飼うことになった場合、迎え入れる前に必ず病院に行き、健康診断を受けさせましょう。

ペットショップなどで販売されていた猫は店側の管理がしっかりしているので比較的病気に感染している子は少ないようです。しかし、ノラ猫や保健所から譲り受けた猫で、特に子猫の場合は注意が必要です。なお、保護団体さんから迎え入れる場合は、事前に対応しているケースもありますので、保護団体さんに聞いてみましょう。

掃除


これは動物を飼う場合は当然のことですが、清潔を保つことを忘れないようにしてください。猫の食器やトイレはこまめに汚れを取り除き、洗浄・消毒するようにしましょう。また、キャットタワーやボールなどの遊具もこまめに掃除するよう心がけましょう。

猫の身だしなみ


ブラッシングは、猫の皮膚病やノミの寄生などに気づくきっかけになります。定期的に行うようにしましょう。また。爪切りをすることによって、飼い主が引っ掻かれても傷が浅くて済むので、お手入れをすることも大事です。傷口から感染する病気はかなり多いので気をつけましょう。

消毒


食事を終えた後の猫用の食器はきちんと洗剤で洗うようにしましょう。このとき、洗うスポンジは猫用と人用に分けると良いです。また、定期的に台所用の塩素系漂白剤で洗うと、もっと良しでしょう!こちらも当然ではありますが、その場合はきちんと洗い流し、洗剤が残らないようにします。

最後に


飼い主と猫がキスすることで感染してしまう病気もあります。お家の猫とスキンシップをとりたいという気持ちはわかるものですが、粘膜同士の接触や傷口の接触は避けるようにしましょう。

また、家の中はできるだけ綺麗に保つよう心がけましょう。犬や猫を人間と同じスペースで飼うのですから、できるだけ清潔に保ち、お互いが心地よく過ごせる環境にしておきたいものです。