【獣医師監修】犬猫の手作りごはんのメリット・デメリットとは
ペットを飼っているみなさんは、ペットにどのような食事を与えていますか?
市販のペットフードを与えている方もいれば、自宅で手作りしたごはんを与えている方もいるでしょう。
手作りごはんをペットに与えるのはメリットもありますが、一方で注意しなければならないこともあります。
今回は、犬猫の手作りごはんについて、メリットとデメリットを獣医師が詳しく解説します。
すでに手作りごはんをあげている方も、これからあげようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
手作りごはんのメリット
ペットフードの改良が進んでいる中で、手作りごはんが根強い人気を誇るのは、何かしらのメリットがあるからです。
では、手作りごはんにはどんな利点があるのでしょうか。
①添加物に配慮できる
手作りの食事を与えている多くの方が、食品添加物を懸念しています。ペットフードの中でも、天然素材やオーガニックを謳っているものはやはり人気があるようです。
その点、材料を選べる手作りならペットに安心・安全なものを与えることができます。
また、ペットフード会社によっては海外の工場で作られているものもあり、そこに不安を覚える方もいるようです。
②ペットが喜んでくれる
動物にも当然、食べ物の好き嫌いはあります。市販のペットフードがペットのお気に召さない場合、食事を手作りすることが選択肢として浮かんできます。
食べることは健康に直結します。元気でいてもらうためにも、モリモリ食事を摂ってほしいですね。
③メニューのアレンジが可能
ペットフードと言うと、「味気ない」「いつも同じもの」というイメージが付きまといます。実際、その味に飽きてしまう犬や猫もいるようです。
一方で、手作りの食事だと、食事のマンネリ化が解消できます。
また、栄養の多い旬の食材を使ったり、材料を一部変えることで、飼い主さんも同じものを食べられます。
④飼い主の充足感
家族のために何かしてあげている感じがするのが、手作りごはんの魅力でもあります。
自分が作った食事をペットが喜んで食べてくれたら嬉しいですよね。
手作りごはんのデメリット
一方で、手作りごはんにはデメリットもあります。
食事はペットの体調を大きく左右するものであるため、注意点もきちんと把握しておきましょう。
①栄養バランスの考慮が必要
食事を手作りする上で最も頭を悩ませるのは、栄養のバランスについてです。
手作りごはんをあげるなら、動物における栄養学の知識がある程度要求されます。
また、ライフステージに合わせた食事の変更、犬種や猫種によっても食事内容を調整するなど、考えることはたくさんあります。
ペットの体調を気にしすぎるあまり、手作りごはんが飼い主さんの負担になってしまうこともデメリットのひとつと言えるでしょう。
②特に幼犬、幼猫の場合は要注意
成長のための栄養がたくさん必要となる子犬や子猫の時期は、食事にも特に気をつけなくてはなりません。
ここで栄養のバランスが乱れると、正常な成長ができなくなる可能性があります。
幼少期にきちんと栄養を摂取していない場合、骨関節の異常や歯の異常などが現れることがあります。
③カロリー過多に注意
単にたくさん食べさせればいいのかと言うと、もちろんそうではありません。
猫や小型犬のような体の小さな動物が必要とするカロリー量は、皆さんが思っている以上に少ないのです。
フードを手作りする際は、それぞれの材料のカロリーを把握する必要があります。
摂取するエネルギー量を抑えつつ、必要な栄養を十分に摂ることが大切です。
④他のペットフードを食べなくなる可能性もある
病気によっては、治療のために療法食を食べて欲しい場面があります。
しかし、手作りごはんに慣れてしまうと市販の療法食を食べなくなってしまうことがあります。
味や食感が関与していると考えられますが、いざという時のためにたまには市販のペットフードを食べたり、手作りごはんに混ぜておき、市販のものにも慣れさせておくと安心です。
手作りごはんを作る際のポイント
ここまで手作りごはんの長所と短所について説明してきました。では、実際に食事を作るにはどうしたらいいのでしょうか。
①基本はタンパク質と野菜
食事のメインとなるのは、やはりタンパク質です。犬や猫は元々肉食の動物ですので、食事中のタンパク源である肉や魚は重要です。
他にもミネラルやビタミン類の補充役として野菜が選択されます。これらを蒸すなどして手作りごはんとすることが多いです。
②野菜にもカロリーはある
ここで注意したいのは、野菜にもカロリーがあることです。
「食欲が旺盛だからキャベツやサツマイモをお肉の代わりにたくさんあげてます」なんて話もよく聞きますが、結局それは肥満の元となります。
栄養とカロリーのバランス、これを徹底的に意識しましょう。
③加工食品には注意
人間が食べるような加工食品、例えばカツオ節などには想像以上に塩分やカロリーが含まれています。
手作りごはんの素材は、あくまでも加工していないものから選択するようにした方がよいでしょう。
④トッピングだけでも立派な手作りごはん
一から全て自分で食事を用意するだけが手作りごはんではありません。
バランスのよいペットフードにトッピングとして肉や野菜をプラスすれば、ペットが喜んで食べてくれるかもしれません。
まとめ
ペットは家族という位置づけになってきましたが、その愛情表現の一つとして手作りごはんを選ぶ人もいます。
しかし、手作りごはんにはメリットが多くある反面、デメリットや注意点も少なからずあります。
どちらを選択しても間違いではありません。大切な家族であるペットが健康に過ごせるよう、精一杯の愛情を注いであげてください。
下痢や嘔吐の原因?ペットの消化器を休める食事管理とは
嘔吐や下痢といった消化器症状は、動物の体調不良の理由として一般的です。
これらの症状は肝臓や腎臓などの病気でも見られますが、基本的には消化管(胃、腸など)での異常が原因となります。
また消化管は食べ物が通過する道でもあり、消化管の機能が弱っている時には食事の内容にも気を使う必要があります。
そこで、今回は、消化器疾患における食事管理についてご紹介します。
消化器疾患における食事管理の必要性とは?
犬や猫に消化器症状が認められている場合、消化管の運動低下や消化吸収の機能低下が起こっていると考えられます。
そんな状態のところに、さらに脂っこいものや消化に悪いものが入って来たら、何となく大変だというイメージがありますよね。
弱っている消化管に鞭を打つような真似をすれば、病気はますます悪くなります。
また、消化器疾患には、症状として食欲不振が現れることも多くあります。
食欲が無くても食べたくなる、その上でお腹に優しい食事が必要となります。
消化器疾患における食事に求められること
では、実際に消化器疾患の時の食事に必要なこととは何でしょうか。
ここでは、特に注意したい項目を挙げてみます。
高消化性(消化に良いもの)
消化性に優れている食物は、消化管に対する負担が少なく、食事中の栄養素を十分に吸収できます。
また、未消化の食物は悪玉菌の餌となることもあるため、しっかりと消化することはとても大切です。
ここで言う高消化性の食べ物とは、良質なタンパク質や良質な脂肪分を含む食品のことです。
高エネルギー(少量でもエネルギーが得られるもの)
活動をするためにはエネルギーが必要です。
しかし、エネルギーを得るために食べ過ぎてしまうと、消化管への負担となります。
少量でもしっかりとエネルギーが得られる食事を選択しましょう。
高嗜好性(ペットの食欲をそそるもの)
食欲不振の症状が見られる場合に、食べる気力を起こさせることも大切です。
確かに食べ過ぎは消化管に負担をかけますが、食べないことには体力が落ちてしまいます。
病気に打ち勝つためにも、ペットには良いものを食べてもらいたいのです。
食物繊維のバランス
食物繊維と聞くと、何となくお腹に良いような印象がありませんか?
確かに食物繊維は消化管の運動を促進し、体内の毒素を排泄するのを助けるはたらきがあります。
しかし、一方で、食物繊維は消化に悪いため、食事に配合しすぎると消化器症状を悪化させることもあります。
消化管のどこに異常があるのか、現在の症状は何が現れているのかなどを評価した上で、適切な量の食物繊維量を考えていきましょう。
水分
嘔吐や下痢によって体内の水分は失われています。脱水状態は循環血液量を減少させ、各臓器に悪影響を及ぼします。
また、食欲不振のせいで水を飲むのも気持ち悪い状態であることも考えられます。
そんな時に食事と一緒に水分を摂れるよう、缶詰タイプの食事や、ぬるま湯でフードをふやかすなどの工夫が必要です。
食事の量
ここで言う食事量は、カロリーベースの食事量のことです。
嘔吐や下痢が見られているのに、普段と同じ量を与えても消化管に負担を与えるだけです。
消化管を休めるためにも、いつもより少ない量から徐々に普段の量に戻していくなどの工夫が求められます。
例えば1日で1,000kcal必要な動物に嘔吐が見られた時には、まずは1日200kcal、徐々に増やしていって3~5日かけて1,000kcalの量に戻していくなどです。「消化管に休みを与える」ことが最優先となり、食事量が少ない時にもしっかりと栄養が摂れる食事が必要となります。
各メーカーのペット用おすすめ消化器疾患療法食
消化器症状は、犬猫で最も一般的に見られる症状であると言っても過言ではありません。
そのため、各メーカーでも消化管に配慮した様々な療法食を販売しています。
ロイヤルカナンの消化器サポート
消化器疾患を呈しているペットや、栄養要求性が高まっている動物に向けての療法食です。
消化性の高い原材料を使用し、少ない食事量でも十分なカロリーや栄養を摂取できるように調整されています。
さらに、健康的な腸内細菌バランスに考慮し、可溶性食物繊維を配合しています。
また膵炎などの脂肪を制限したい疾患の時には低脂肪タイプのものもあります。
ヒルズのi/d
高消化性と消化ケアに適した栄養素性を実現しているフードです。
この高消化性は、自然由来の可溶性繊維と不溶性繊維の適切なバランス配合によります。
また、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸を配合することで、免疫系や皮膚被毛の健康も同時にサポートします。
ごはんを手作りする際の注意点
添加物や自然由来にこだわる方は、食事を自作するかもしれません。
そんな時に気になるのは、「お腹に優しいとは具体的にどういうことなのか」でしょう。
そこで、手作り食を与える際に注意したいことについてご紹介します。
必要な栄養素と食材
消化管に配慮するなら、以下のような食材をベースに食事を作ります。
- 良質なタンパク質:鶏ムネ肉、脂身の少ない肉、白身魚など
- 食物繊維:サツマイモ、キャベツ、オカラ、カボチャなど
食物繊維は、異常が大腸にあるか、胃や小腸にあるのかで配合すべき量が異なります。そのため例え下痢をしているとしても、自己判断で食事を変更するのはむしろ逆効果になることもあります。
消化器症状が見られている場合には一度動物病院を受診し、食事についても獣医師に指示を仰ぐとよいでしょう。
控えるべき食べ物
消化管に負担を与えるような食材はNGです。
- 脂っこいもの
- 大きくカットした野菜(野菜は細かく切りましょう)
基本的に消化しづらいものは与えないようにしましょう。
自分が気持ち悪い時に食べたくないものは、動物も食べたくありません。
まとめ
消化器疾患の治療には、内科療法と同時に食事の指導をすることがほとんどです。
求められる栄養やカロリーは、その子の年齢や体重、健康状態に左右されるために計算は複雑です。
わからないことがあれば、かかりつけの獣医師に相談してみることをおすすめします。
【獣医師監修】犬・猫の慢性腎臓病にオススメな食事管理のポイント
動物の慢性疾患において、腎臓病は非常に大きな割合を占めています。
特に、猫では7歳以上の猫の70%が腎臓病であるという報告もあります。また、犬でも心臓疾患に併発する形で腎臓病を発症するケースが多くあります。
では、慢性腎臓病のペットに家でしてあげられることは何でしょうか。
今回はその中の一つとして、慢性腎臓病における食事管理を紹介します。
慢性腎臓病において食事管理は必要!
腎臓は血液から、窒素などの不要な成分を濾しだし、尿を作る臓器です。
ですが、腎機能が低下すると、窒素の排泄能が落ち、体内に毒素が蓄積されていくのです。
窒素は蛋白質(アミノ酸)に含まれるため、食事による窒素の摂取、すなわち蛋白質の摂取を調節する必要があります。
また、蛋白尿や血液中のリンは、腎機能をさらに低下させることがわかっています。
腎不全の症例では、食事管理によってこれらの栄養素の調整が求められます。
腎疾患における食事管理で気を付けたいこと
腎臓の組織は、一度破壊されると回復することはありません。
そのため腎不全に陥ってしまった場合には、残された腎組織を徹底的にケアする必要があります。
腎臓のために気を付けたい食事管理のポイントは以下の4つです。
1.ナトリウムの制限
いわゆる塩分の制限です。高いナトリウム濃度は高血圧を引き起こす一因となり、高血圧は腎不全をさらに悪化させます。
2.リンの制限
腎不全症例ではリンの代謝が不全となり、体内にリンが溜まっていきます。リンは腎不全を悪化させるだけでなくビタミンDの活性を低下させ、骨を弱くさせてしまいます。
そのため、摂取するリンの量を減らす必要があります。
3.良質な蛋白質の摂取
蛋白質中の窒素は、蓄積することで尿毒症の原因となります。
しかし、蛋白質は生きるために必要不可欠な栄養素であるため、単に制限して摂取量を減らすことは逆に命取りになります。
腎不全に限らず病気に打ち勝つための体力を蓄えるため、良質な蛋白質を選択して摂取することが求められています。
4.オメガ3脂肪酸の強化
EPAやDHAというものをご存じでしょうか。近年に注目されるようになった栄養素で、腎臓に起きている炎症を抑え、蛋白尿の発生を低減させる効果があるとされています。
おすすめメーカーの腎臓病療法食
犬でも猫でも発生数が多い腎臓病ですが、それだけに各メーカーでも腎臓病の療法食には力を入れているようです。
腎臓病における懸念の一つとして、食欲不振があります。療法食を食べてほしいのに食欲がないせいで、ついつい味の濃いものをトッピングしてしまうことがあるかもしれません。しかし、それは悪手です。
いくつかある療法食の中で、その子の口に合った嗜好性の良いものを選びましょう。ここでは、代表的な腎臓病療法食をご紹介していきます。
ロイヤルカナンの腎臓サポート
オメガ3脂肪酸配合、高カロリー、蛋白質の調整、リンの制限など腎臓病に必要な栄養の調整がなされています。
ウェットタイプもあるため、腎不全による脱水の対処も可能となります。
ヒルズのk/d
ヒルズの腎臓病療法食の特徴は、栄養の調整はもちろんですが、特筆すべきは味のバリエーションです。
チキン、ビーフ、野菜入りなど、豊富な種類の味が用意されています。缶詰タイプもあります。
腎不全における食欲の低下を考慮したラインナップです。
手作り食の注意点とは?
時間がある方や、病気のペットに何かしてあげたいと考えている方には手作り食も有効です。
実際に長い病気との生活の中で、ペットとのコミュニケーションのために食事を手作りしている方もいます。
では、食事を手作りする上で注意するべきことは何でしょうか。
必要な栄養素と食材
まずは、腎臓病の食事に必要な食材をおさらいしておきましょう。
- 良質な蛋白質:ササミ、豚肉など
- オメガ3脂肪酸:魚、大豆など
ただし、ササミや豚肉ならたくさんあげてもいいというわけではありませんのでご注意ください。
いくら良質な蛋白質とは言えど、腎臓のためには過剰摂取は禁物です。
控えるべき食べ物
一方で、栄養の観点から控えた方がいい食材もあります。
- 粗蛋白質:ジャーキー、米や小麦に含まれる蛋白質など
- ナトリウム:人間の食べる加工食品全般
- リン:シラス、チーズ、魚卵、卵、レバーなど
リンについては、食事に添加することでリンを吸着してくれるサプリメントがありますので、それを利用するのもいいかもしれません。かかりつけの動物病院にご相談ください。
食事で腎臓病を予防できる?
確実に病気を予防することは不可能ですが、食事管理によりある程度、腎臓病の発症を遅らせることはできます。
早い時期から塩分やリンを制限することで、腎臓へのダメージが低減します。
あまりにも色々なものを制限する必要はありませんが、少しだけ意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
腎臓は生きる上で非常に大切な臓器です。ペットが健康に生活できるためにも、食事による腎臓のケアは試してみる価値があるのではないでしょうか。
食事管理はあくまで治療の補助として用いますが、その恩恵は非常に大きいものとなります。また、常日頃から健康的な食事を意識することで、ある程度の予防を期待できます。
大切なペットと1日でも長く一緒に過ごせるよう、健康を意識してあげることが大切です。
【犬の食事】良いドッグフードを選ぶポイント3つ
犬のドッグフード選び、とっても難しいですよね。
安いものから高いものまで様々、そして、ネットで調べてみても、人によって言うことはバラバラ。。
多少主観的になってしまう部分もありますが、ドッグフードを選ぶ際に気を付けているポイントについてご紹介します。
食品添加物は大丈夫?
カップラーメンやスナック菓子、その他多くの食べ物には、食品添加物が含まれています。
人間の場合は厚生労働省が管轄ですが、犬や猫などのペットの場合は、環境省のペットフード安全法で使用基準が定められています。
つまり、人間とペットとでは、制限が別なのです。
人間には厳しい規制がかかっていますが、ペットの場合は、多少それが緩くなっています。
どういうことかというと、ペットには、人での利用が禁止されているような食品添加物であっても、認められている場合があるということです。
食品添加物チェックのポイント
主観的になってしまいますが、以下に気をつけるべきだと思います。
- 必ずパッケージの原材料を見る
- わからない横文字に気をつける
- 気になったら調べてみる
パッケージの原材料をチェック
ペットフード安全法にて、使用した原材料を全て記載するよう義務化されました。
そのため、現在では、日本国内で流通しているドッグフードやキャットフードのパッケージには、使用した添加物の表示が必ずされています。
これをチェックすれば、安心することができますよね?
わからない横文字をチェック
大抵、食品添加物は英語名の長い横文字がついています。
超カラフルな色になる合成着色料の一つに、赤色◯号なんていうものもあります。
以下のような、よくわからない横文字から、見るからに合成であろうもの、犬に食べさせてはいけないものまで、記載されている場合があるので内容のチェックが必要になってきます。
- ブチルヒドロキシアニソール
- ジブチルヒドロキシトルエン
- 亜硝酸ナトリウム
- ソルビトール
- キシリトール
実際に調べてみよう
こちらの記事でもレポートしましたが、不明な成分があれば、実際に成分を調べてみることも大事です。
もしかすると、安心することができるかもしれませんし、逆に不安になるかもしれません。
不安になったら、フードを変更すれば良いだけですし、すぐに行動に移すことができるようになるため、自分で調べてみるのはオススメです。
アレルギー成分を調べる
皮膚炎になっていたり、手や足を掻きむしっているようであれば、一度、動物病院に連れていってみましょう。
そこそこお値段がしますが、アレルギーの可能性があるのであれば、アレルギー検査をすることで、摂取しない方が良い食べ物が分かる可能性があります。
動物病院は自由診療であるため、施設によって違いはありますが、約2万円~3万円程で受けられ、およそ2週間ほどで結果がわかりますので、その結果と合わせてドッグフードを選ぶというのは理にかなっています。
広告収入の有無について
アフィリエイトの存在
ネットが信用ならないと言われてしまう背景に、アフィリエイトがあります。
アフィリエイトとは、インターネット上の広告のことで、その広告経由で商品が売れると、商品を紹介した人に対し、報酬が支払われる仕組みのことです。
実は、良いドッグフードとネットで宣伝されているドッグフードは、このアフィリエイトの仕組みを使っていることが多いのです。
その広告経由でドッグフードを買ってもらえれば、商品を紹介した人に対して、1000円〜2000円程度の報酬が入るのですから、たくさん宣伝しますよね。
結果として、アフィリエイトの報酬を狙って、ドッグフードの宣伝をする人が増えているのです。
そのため、ネットを使ってドッグフードを調べてみると、同じ商品をおすすめしているページが多いことにすぐに気がつきます。
アフィリエイト商品ってどうなの?
これらの商品を使ったことがないので、筆者は何とも言えないというのが正直なところです。
ただ、ネットで検索して見つかるこれらのドッグフードについては、原材料を見る限りでは、とても良い商品だというのは間違いないようです。
問題は、商品の価格に、上記のアフィリエイト紹介料が載っているということになりますが、これも大手ペットフードメーカーのものを買ったとしても、広告宣伝費としてそれらの費用が商品価格に上乗せされているため、実質、あまり変わらないのではないでしょうか。
元も子もない話にはなってしまいますが、本当に良いものなのか、実は価格に見合ったものではないのかは、ネットの情報だけでなく、実際に自分で調べてみないとわからないというのが正直な感想です。
まとめ
完全な食事って必要?
ただ、人間でもそうですが、完全栄養食と呼ばれる同じ味のフードを毎日同じ量だけ同じ時間に食べ続けることが楽しいでしょうか?
また、添加物が多いと言われるカップラーメン、たまに食べたくなってしまいますよね。
もしかすると、犬や猫などのペットにとっても同じかもしれません。
手作り食との併用
筆者個人の意見としては、どんなドッグフードでも良いので、自分がチェックして安心できる原材料を使っているものと、手作り食を組み合わせることです。
たくさんの情報が逆に飼い主の皆さんを混乱させている気がしています。
であるならば、自分が知識を身につけて安心できるご飯を食べさせてあげる、さらに、ペットも美味しそうに食べてくれる姿を目指すのが一番なのではないでしょうか。
その結果、私は上記のハイブリッドな食事に行き着きました。
これが正しいのかどうかは正直わかりませんが、ご飯を残さず、美味しそうに食べてくれるようになったことは間違いありません。
みなさんも、自身のペットに合った食事を探してみてください。
あなたの家のドッグフードは大丈夫?成分を分析してみた
インターネットで検索してみると、とても多くのドッグフードに関する記事が見つかります。
でも、どれも不安を煽られたり、高いドッグフードのオススメ記事ばかりで、本当に良いドッグフードが何なのかわからないのではないでしょうか。
こうなってくると、他人の記事や考えをアテにするより、飼い主自身で色々調べるほうが納得できるのではないかと思います。
皆さんも、一度自分の家で与えているドッグフードの成分を分析をすることで、その不安を払拭することができるかもしれません。
ドッグフードの成分分析
人間の食べ物もそうですが、ドッグフードには、必ず成分表が記載されています。
パッケージの裏面に記載されていることが多いです。
人間と犬や猫の動物では、使用を禁止された食品添加物が異なります。
人間への使用が禁止されている食品添加物は約300種類、犬や猫などのペットへの使用が禁止されている食品添加物は約10種類と大きく異なるのです。
今回は、恥を忍んで、筆者が普段与えている市販のドッグフードの成分を調べてみました。
なお、ドッグフードのメーカーや商品名は伏せていますが、どこでも売られている普通のドッグフードです。
最初にペットを購入したペットショップと、そこに併設されている獣医師に薦められ、それからずっとこの商品を使っています。
原材料と成分
人間の食べ物もそうですが、成分表には、商品に多く含まれているものから順に記載されていると言われています。
筆者が与えているドッグフードの成分表を見ると、以下で構成されていることがわかりました。
原材料
- 肉類(チキン、ターキー)
- トウモロコシ粉
- 小麦
- ソルガム
- 大麦
- 動物性油脂
- 乾燥ビートパルプ
- チキンエキス
- 乾燥卵
- 発酵用乾燥酵母
- フラクトオリゴ糖
- 亜麻仁
- グルコサミン塩酸
- β-カロテン
- L-カルニチン
- ビタミン類(A, B1, B2, B6, B12, C, D3, E, イノシトール, コリン, ナイアシン, パントテン酸, ビオチン, 葉酸)
- ミネラル類(亜鉛, カリウム, カルシウム, クロライド, 鉄, 銅, ナトリウム, マンガン, ヨウ素, リン)
- アミノ酸(メチオニン)
- 酸化防止剤(ローズマリー抽出物)
保証成分
- タンパク質: 24.0%以上
- 脂質: 10.0%以上、12.5%以下
- 粗繊維: 4.5%以下
- 灰分: 8.1%以下
- 水分: 9.0%以下
成分表を分析してみる
少々、面倒かもしれませんが、気になったり怪しいと思われるものを見ていきましょう。
肉類、チキンエキス
肉類と記載されているのは、何の肉が使われているかわからないため、あまり良い表記ではありません。
しかしながら、「チキン、ターキー」と併記されており、内容物が明確なため、さほど問題はないと思われます。
チキンエキスは、少々気になるところ。
トウモロコシ粉、小麦、ソルガム、大麦
肉類に続き、穀物が多く使われているようです。
本来、犬は穀物を食べる生き物ではないため、穀物を摂取させる必要はないと言われていますが、安いドッグフードは、穀物を使用してかさ増しさせています。
また、アレルギーの原因にもなるため、小麦等は摂取させないほうが良いと言われています。
動物性油脂
一般的に、何の油かわからないため、好ましくないとされています。
一部の記事等では、廃油が使われていたり、死肉の油が使われていると言われていますが、真偽のほどは定かではありません。
人間も動物由来の油よりも食物由来の油を使う商品が好まれていますので、好ましくないことは確かです。
また、動物性の油は酸化しやすいため、これが含まれているために、酸化防止剤が使用されているとも言われています。
乾燥ビートパルプ
ビートパルプとは、甜菜が残してくれた植物繊維のことです。
悪くいうとカスですが、ドッグフードに含まれる油分と水分の量をコントロールするために使用されているようです。
このお陰で、しっとりしつつも、カリカリな状態のドッグフードになります。
が、一部では、人工的に生成されたものや、薬剤を使って抽出したものも存在するようです。
亜麻仁
初めて知りましたが、「アマニ」と呼ぶそうです。
スーパーシードと注目されており、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれているようです。
つまり、良いものでした。
グルコサミン塩酸
CM等でもお馴染みのグルコサミンです。
グルコサミンは変形関節症の進行を止め、軟骨の皮膜の生成を促進し、回復に向かう効果があるとされています。
また、グルコサミンには、軟骨が分解を防ぐ働きや、軟骨の抗炎症作用も確認されているものです。
β-カロテン、L-カルニチン
どちらもサプリメントでお馴染み。
β-カロテンは粘膜強化、L-カルニチンは脂肪燃焼の作用があると言われています。
アミノ酸(メチオニン)
メチオニンは「脂肪肝」を防ぐ効果が期待されている物質です。
体内にメチオニンが充分にあれば、肝臓の代謝が良くなって余分な脂質が分解されやすくなると言われています。
酸化防止剤(ローズマリー抽出物)
ローズマリー抽出物は、天然型の酸化防止剤で安全なものとされています。
人間の食べ物にも含まれていることが多い酸化防止剤です。
まとめ
成分分析について
ここまでドッグフードの成分について見てきましたが、インターネットで言われる安全性の低いドッグフードほどには、悪いドッグフードではない可能性が高いと言えます。
ただ、良くないドッグフードと言われている原因である以下のポイントには触れています。
- 小麦などの穀類が多い
- 動物性油脂が使われている
チキンエキスや動物性油脂に関しては、人間が食べるものにも含まれており、ペットフードであってもそうでなくても言えることです。
ペットフードの方が規制が緩いため、悪質な業者であれば、粗悪品を使っている可能性が高いという違いはありますが、人間が食べるものに関しても同じことが当てはまります。
しかし、そこまで業者を信用できないのであれば、思い切ってペットフードを使うのではなく、手作り食に切り替えるというのも手ではないでしょうか。
少々面倒ではありますが、自分が信用できる素材で、自ら愛情込めて作ることで、安心感を手に入れることができます。
ペットの健康に関しては、人間と同様、定期的に健康診断を受けさせることで、メンテナンスしていくことができるからです。
今後の展開
筆者の飼っている犬は、現在8歳になるトイプードルですが、今のところは大きな病気に罹ることも無く、健康状態も悪くはありません。肥満でもありません。
ただし、アレルギー症状が見られるため、改善の余地はありそうです。
今回の調査を機に、ドッグフードをプレミアムドッグフードと言われる穀物を使っていないものに変えてみようと思います。
変えた後の結果を見ないと、上記が良いのか悪いのかの判断はできませんので、3か月程継続して与えてみて、その後の結果をレポートしたいと思います。