愛犬が外でしかトイレをしない!その問題点とトレーニング方法

「室内飼いだけれど、トイレは散歩の時しかしない」という犬は意外と多くいます。

台風や大雪の日にも散歩に行かなければいけなかったり、愛犬に我慢をさせてしまったり、外でしかトイレをしないと困ることがありますよね。

今回は、犬が外でしかトイレをしない理由と問題点、そして家の中でもトイレができるようになるトレーニング方法をご紹介します。

愛犬が外でしかトイレをしない理由

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室内でトイレをしてはいけないと思っている

おうちに迎えたばかりの時のトイレトレーニングが上手く行かないと、その後も室内でトイレをすることが出来なくなってしまうことがあります。

特に、過去にトイレを失敗した際にひどく叱りつけられた犬は、「室内でトイレをすると怒られてしまう」と覚えてしまい、室内でトイレができなくなっている可能性があります。

習慣化してしまっている

毎日1日2回の散歩がトイレの時間であると習慣化してしまっていることがあります。

個体差やその日の状況によりますが、犬はかなり長い時間トイレを我慢することができます。そして、お散歩で歩くと内臓が動き排泄が促されるという面もあります。

このことから、「お散歩の時間までトイレは我慢しよう」と身体が覚えているのかもしれません。

愛犬が外でしかトイレをしない3つの問題点

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愛犬が外でしかトイレをしないと、愛犬にとっても飼い主にとっても問題になることがあります。

1. 天気が悪い日も散歩しなければならない

外でしかトイレをしないと、台風、雪の日など天候が悪い日や、とても暑い/寒い状況でも散歩に行かなければいけません。

これは、飼い主さんの負担となるだけでなく、犬にとっても雨に濡れてしまうなどして体調を崩す原因となることがあります。

2. シニア犬や病気のある犬はトイレの我慢が出来なくなる

老犬になると、1日のトイレの回数が増えることがあります。老化によって、膀胱周りの筋肉が低下したり、残尿感があったりするからです。

また、腎不全、膀胱炎、糖尿病、クッシング症候群などの病気を患っている犬は、多飲多尿や残尿感という症状によって、トイレが近くなります。

早朝や夜中にも愛犬のトイレのために散歩に出かけることは大変ですよね。
体調の悪い時や老化で、愛犬が頻繁にお散歩に出かけることが出来なくなった時のために、我慢せずおうちでトイレができるようにしておくことはとても大切です。

3. 災害時やホテルに預けた時に安心

災害時に避難所で過ごす間ペットホテルに預けた際に、室内でのトイレの習慣をつけておくことは安心につながります。

災害時は自由に外に散歩に連れて行くことができないかもしれませんし、ペットホテルの散歩の時間は愛犬のトイレの時間と合わないかもしれません。

室内でトイレができれば、イレギュラーな状況下でも、飼い主、周りの人、そして愛犬が快適に過ごすことができるでしょう。

トイレトレーニング前の注意事項

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室内のトイレトレーニングをする前に、確認すべき注意事項を2つご紹介します。事前に必ずチェックするようにしましょう。

1.泌尿器系の病気などがないか、獣医師に確認する

「室内でトイレをしてから散歩にいく」というトレーニングを繰り返すため、最初は上手くできずに、ある程度トイレを我慢してもらうことになるかもしれません。

ただし、病気がある場合には我慢をさせてはいけません。事前に動物病院で確認をし、病気がある場合にはまずは治療に専念しましょう。

2.時間と心のゆとりを持つ

トイレの習慣は簡単に変えられるものではなく、時間根気が必要です。

飼い主が忙しい時にトレーニングを行ってしまうと、焦ったりイライラしたりしてかえって逆効果になることもあります。また、愛犬が怖がり室内でのトイレをしなくなってしまいますので、トレーニング中に絶対に怒ってはいけません

「焦らず、気長に、できなくても怒らない」を心に留め、愛犬とのトレーニングを行ってくださいね。

室内でのトイレトレーニング方法

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上記の注意事項を確認した後は、早速トレーニングの方法を見ていきましょう。

【ステップ1】

ベランダや庭、玄関の前などの半屋外にトイレを設置します。

いつもトイレをしている環境に似せるため、トイレシートの上に土や芝などを乗せます。トイレと認識させるために、愛犬のおしっこを吸い取ったシートを下に敷くことも有効です。

【ステップ2】

普段のトイレ時間である散歩に行く前に、トイレスペースに連れていき、排泄を促します。この際、「トイレ、トイレ…」「ワンツー、ワンツー…」など決まった言葉をかけてあげましょう。

そこで排泄をするまでお散歩に行かずに我慢させることになります。愛犬が排泄したくなるのを待つため、時間に余裕のある時に行うと良いです。

トイレができたらおやつなどを使ってたくさん褒めてあげ、その後に散歩に行くようにしましょう。これを繰り返し、徐々にトイレシートのみでできるようにしていきます。

【ステップ3】

次はトイレシートの場所を、ベランダや庭から家の中に近づけます。ここでのポイントは、急に違う場所に置くのではなく少しずつ移動させることです。

犬にも上手くできる時と失敗してしまう時があるかと思います。これらのステップを何度も繰り返して、トイレを覚えさせていきましょう。

まとめ

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今回は、愛犬が外でしかトイレをしない理由と問題点、そして室内でもトイレができるようになるためのトレーニング方法をご紹介しました。

トレーニングは大変ですが、飼い主さんも焦らずにやることが大切です。できるまでに時間がかかっても大丈夫です。飼い主さんにも愛犬にもストレスがかからないよう、ゆとりを持って接してあげましょう。

【獣医師監修】きちんと守れてる?動物病院でのマナーや注意点

ペットを飼っている方なら、必ず一度は動物病院を受診しますよね。

動物病院は、様々なペットとその飼い主さんが訪れ、ペットにとっては公共の場です。そして、まれにではありますが、そこで何かしらのトラブルが発生することもあります。

今回は実際に動物病院で働いている身として、飼い主のみなさんにお願いしたいことをまとめました。

中には「当たり前」と思われることもあるかもしれませんが、動物病院に来るペットや飼い主さんみんなが気持ちよく過ごせるよう、今一度動物病院でのマナーを確認しておきましょう。

待合室では他のペットや飼い主への配慮を忘れずに

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動物病院は、残念ながらペットにとってはあまり楽しい場所ではありません。
ただでさえ具合が悪いのに、慣れない場所で知らない人や動物がたくさんいる空間は非常にストレスです。

極度の緊張が、攻撃行動に繋がる場合があります。普段は大人しい子でも、不慮の事故を起こさないとは限りません。

他のペットや飼い主さんのためにも、「うちの子はいい子だから」と油断しないことが大切です。

犬の自由は猫へのストレス!

特に犬の飼い主さんは、待合室には猫もいることを忘れないでください。

犬を自由にさせることは、猫にとってはストレスです。神経質な猫ですと、恐怖による攻撃行動への転嫁によって検査や治療にも支障が出ることもあります。

性格に合わせて外で待つことも考えよう

そうは言っても、犬も緊張します。病院は怖い場所なのです。その緊張が吠える行動や、周りのニオイを嗅ぐ行動として現れることもあります。

そのため、飼い主は愛犬の性格に合った待ち方を考える必要があります。

動物病院によっては、病院の外や車の中で待つことを伝えると、順番が来たら携帯電話に連絡をくれることもあります。ただし、真夏は無理に外で待つと熱中症になる可能性があるので、臨機応変に対応しましょう。

猫は頑丈なキャリーケースの中に入れておこう

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待合室で待っている間、猫はキャリーケースの中に入れておきましょう。
たまに、洗濯ネットや段ボールで猫を連れてくる方がいますが、ふとした音や、犬の鳴き声に驚いて猫が脱走してしまうことも考えられます。

キャリーケースに工夫をしよう

キャリーケースは床より少し高い位置に置いてあげるといいでしょう。床に置くと猫には床しか見えず、不安な気持ちが強くなります。

さらに、キャリーケースには、使い慣れているタオルなどで目隠しをしてあげると、猫が落ち着きます。

他人のキャリーケースを覗き込まないで

他の人がどんな猫を飼っているのか気になる気持ちもわかります。
しかし、知らない人にキャリーケースを覗き込まれるのは、猫にとっては非常に怖いものです。

キャリーの隙間から思わぬ攻撃を受けることもありますので、覗き込みたい気持ちはグッと堪えてください。

排泄してしまった時はどうすれば良い?

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犬も猫も動物ですから、待合室などで排泄してしまうこともあります。そんな時は、必ず動物病院のスタッフに声をかけましょう

万が一、動物に感染症があった場合、自身で処理をすると病原体がそこに残るかもしれません。

排泄物は速やかに片づけ、床などの消毒もスタッフがしっかり行います。忙しそうでも、万が一の院内感染を防ぐためにご協力をお願いします。

下痢や膀胱炎などは検査できるかも

もし、消化器疾患や泌尿器疾患を抱えている時には、その排泄物で検査ができるかもしれません。ピンチはチャンスです。

いずれにしても、排泄をしたら動物病院のスタッフに指示を仰ぐことが大事です。

キャリー内での排泄も、スタッフに声をかけて

小型犬や猫がキャリーの中で排泄した時、排泄物と隣り合わせのまま帰宅しますか?ペットからしたら、すごく嫌ですよね。

ペットシーツの交換やオムツの交換などをして、清潔な状態で過ごさせてあげましょう。

こんな時は事前に連絡をしよう

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薬の処方のみの場合

慢性疾患を抱えている子は、毎日内服をしていると思います。
場合によっては、一日にたくさんの薬を飲んでいる子もいるのではないでしょうか。

常服薬や予防薬を取りに行く際には、事前に連絡をするとスムーズです。

例えば、心臓薬などは、調剤に時間がかかるものもあります。事前に連絡をもらっていれば、調剤の待ち時間を減らすことができますよね。

入院中のペットに面会をしたい場合

入院中の子に会いたい時に、面会ができる動物病院もあります。面会の際にも、事前に連絡をしておくと良いでしょう。

たくさんの入院患者がいる場合、面会が一度に集中するとかなりの待ち時間が発生してしまいます。

獣医師である筆者自身も、飼い主のみなさんの貴重な時間を無駄にしないためにも、面会前には事前連絡をしてもらい、他の人と時間がかぶらないようにしていきたいと考えています。

できれば混雑しない時間帯を狙って来院しよう

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季節や地域によっては、一日のうちで病院が混み合う時間帯があります。
例えば、夏は涼しい夕方の時間帯が混むかもしれませんし、仕事をする人がたくさん住んでいる地域では夜の時間帯に集中するかもしれません。

筆者の勤めている動物病院では、午前中の来院が多い傾向にあります。待ち時間の短縮や動物のストレス緩和のためにも、余裕があれば来院の時間帯を考えてみませんか?

緊急時や予防接種の際はその限りではない

もちろん、家で何か異常が見つかった場合には、すぐに動物病院を受診して欲しいです。

来院の時間帯を考えるのは、あくまで動物の健康状態に余裕がある時にお願い致します。

予防接種は午前中の受診が望ましい

予防接種の際は、アナフィラキシー反応の可能性を考えて午前中の接種を推奨しています。

午後の時間が空いているからといって、ワクチンを午後に摂取することはなるべく避けましょう。

まとめ

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今回ご紹介したものは、動物病院を受診する際の「お願い」であって「強制」ではありません。また、各動物病院のルールもあると思うので、そちらに従うようにお願い致します。

診察する側も診察される側も、ともに気持ちのいい環境づくりを目指していきたいと思っています。