【猫クイズ】猫のワクチンの重要性を再確認しよう!

猫にはワクチンの接種は義務付けられていません。そのため、飼い猫にワクチンを接種していないという飼い主さんも少なくありません。しかし、大切な猫が健康的に生きていくためにはワクチン接種は欠かせません。

本記事では、猫のワクチンについてクイズ形式で解説していきます。

それではさっそく、猫のワクチンクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 次のうち、猫の3種混合ワクチンに含まれないのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「猫クラミジア」です。
3種混合ワクチンには、「コアウイルス」と呼ばれる以下の3つのワクチンが含まれています。
  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
4種混合ワクチンにはこれらに加えて猫白血病、5種混合ワクチンは猫クラミジアのワクチンが含まれています。いずれも猫が健康に生きていくためには欠かせないものですので、かかりつけの獣医師と相談して接種するようにしましょう。
Q.2 猫免疫不全ウイルス感染症について「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「死に至ることはない」です。
猫免疫不全ウイルスに感染すると、最初は発熱や食欲不振、口内炎などの軽いものが現れます。そして、徐々に免疫細胞がダメージを受けていき、進行すると貧血や各種腫瘍の発現、腎炎、発作、眼症状などを呈し死亡することもあります。

主な感染経路は、猫同士のケンカやグルーミングです。屋外に出る機会がある猫だけでなく、予期せぬ脱走や屋外の猫との接触に備えて、ワクチンの接種が推奨されています。

なお、ワクチン接種前には、血液検査で感染していないことを確認します。また、猫免疫不全ウイルスにはサブタイプがあり、地域ごとに流行している型が異なるため、自分の住んでいる地域に応じたワクチンを接種しましょう。
Q.3 猫にワクチンを接種するときの注意点として「誤っている」のはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「気温が安定している夕方に接種する」です。
ワクチンを接種すると一定の割合で元気消失、嘔吐、発作、チアノーゼ(舌が青くなる)、顔の腫れなどの副作用が発現します。そのため、万が一副作用が起きてしまってもすぐに対応できるよう、ワクチン接種は午前中に行いましょう。また、家から動物病院が遠い場合、接種後できれば30分は動物病院付近で様子を見てください。

猫はワクチン接種部位に腫瘍が発生することがあります。数日後にワクチン接種部位にしこりが認められた場合も、すぐに動物病院を受診しましょう。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【獣医師監修】正しく理解できてる?猫のワクチンの種類と注意点
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【獣医師監修】狂犬病のワクチン接種。今年は12月31日までに打とう。

狂犬病は毎年1回、ワクチンの予防接種を義務付けられている感染症です。先日、海外から来日した人が狂犬病を発症し、亡くなったとニュースになったのも記憶に新しいでしょう。 ところで皆さんは、狂犬病の恐ろしさをきちんと理解しているでしょうか? 今年は新型コロナウイルスの影響で集団接種を中止した自治体も多く、「一年くらいは打たなくても大丈夫」なんて思っていませんか?本記事では、狂犬病について詳しく解説していきます。

狂犬病ってどんな病気?

狂犬病とはどんな病気なのか? 狂犬病は、狂犬病ウイルスによる致死的な灰白脳炎です。ヒトを含む全ての哺乳類に感染し、ごく一部の地域を除き世界中に分布しています。 外国の狂犬病事情と日本の狂犬病事情を比較してみましょう。

世界の狂犬病

日本の周辺を含む世界のほとんどの国・地域(150カ国以上)でいまだに発生しており、毎年約55,000人の死者がでています。そのうちアジアとアフリカが95%を占めており、ヒトの狂犬病の感染は99%が犬からという報告もあります。 狂犬病清浄国とされているのは、日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スカンジナビア半島の国々などごくわずかです。

日本の狂犬病

日本では、1897年に初めて狂犬病に関する科学的な記録があります。その後、第一次世界大戦や関東大震災、太平洋戦争などの混乱期に大流行し、犬およびヒトの狂犬病が多数発生しました。 1950年に狂犬病予防法が制定され、犬の登録、ワクチン接種などが徹底され、1957年に猫が感染したのを最後に、日本で狂犬病は撲滅されました。 しかし、狂犬病はアジアを中心に流行が続いており、グローバル化によって日本への侵入リスクは常に存在している状況です。 未登録の輸入動物に対しては水際対策として輸入検疫を行い、狂犬病の国内への侵入を防止しています。しかし、ヒトにおける海外帰国者での狂犬病発症者はいまだに少数存在し、油断できない状態が続いています。

狂犬病の症状

狂犬病の症状とはどんなものか?致死率は? 実際に狂犬病の症状を見たことのある方はあまりいないでしょう。 どんな症状が現れるのか、詳しくご紹介していきます。

感染経路

狂犬病ウイルスは唾液中に排出されるため、咬傷からの唾液で直接感染します。 もしくはウイルスを含んだ唾液が粘膜面に接触したり、コウモリの生息場所の洞窟では飛沫によっても感染することがあります。

潜伏期

潜伏期は2〜8週と言われていますが、1週程度のことから1年近くかかることもあり不定期です。ヒトも犬も症状は同じで、病期によって3つに分けられます。

①前駆期

この時期の症状は曖昧で、気づかれないことも多くあります。 発熱、挙動異常、眼瞼・角膜反射が緩やかになり、咬傷部をなめたりかんだりするなどの行動をとります。恐水症や恐風症はこの時期に見られます。

②狂騒期

中枢神経系の辺縁が侵されると、異常興奮、不安、吠え、突発的な攻撃、険悪な顔つき、ケージなど周囲のものに対する攻撃、異食、徘徊、運動失調、発作などの症状が見られます。

③麻痺期

四肢の不全マヒ、呼吸困難、よだれの垂れ流し、食事をのみ込めなくなるなどの症状を示し昏睡状態に陥ります。その後、呼吸麻痺により死亡します。

狂犬病の診断法

狂犬病はどのように診断されるか?治療法は? 狂犬病が疑われる場合には厳重に隔離して症状の経過を観察します。 また、咬傷事故を起こした動物は最低2週間の係留観察が義務付けられています。観察中に発症した場合は直ちに殺処分し、脳組織からウイルス抗原を検出します。 なお、犬での生前検査は検出率が低く、実用化されていません。

狂犬病の治療および予後

狂犬病 ワクチン 予防接種 ヒトでは野生動物にかまれた後は石鹸と水で傷口をよく洗い流し、できるだけ早期に狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する治療(暴露後接種)が行われます。 しかし、犬においては狂犬病の治療は行いません。予後は不良で、発症後7〜10日で例外なく死亡します。

狂犬病の予防

狂犬病はワクチンを摂取することで予防が可能だが 狂犬病予防法でワクチン接種が義務付けられてから、わずか7年で日本の狂犬病が撲滅されたことを考えると、狂犬病のワクチン接種が予防に非常に効果的であることがわかります。 WHOのガイドラインでは、ウイルスの国内侵入時の蔓延を防止できる目安としてワクチン接種率70%以上という数値が設けられています。

狂犬病予防法

狂犬病のヒトへの感染源のほとんどが犬であることから、狂犬病予防法は主に犬を対象としています。 また、狂犬病予防法では以下のことが定められています。
  • 91日齢以上の犬を迎え入れたとき、30日以内に各市町村に犬を登録すること
  • 91日齢以上の犬に毎年狂犬病の予防接種を受けさせること
  • 犬に鑑札と注射済票を付けること
これらを怠ると20万円以下の罰金の対象となり、飼い犬は捕獲・抑留の対象となります。
注意 狂犬病予防法では、狂犬病予防注射の実施期間を毎年4月1日から6月30日までと定めていますが、令和2年6月11日に公布・施行された「狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令」により、令和2年12月31日までに予防注射を打てば法律に定めた期間内に接種したことになります。

室内飼いなのでワクチン接種しなくてもいい?

日本の法律で狂犬病のワクチン接種は義務付けられています。 室内飼いであっても他の哺乳類と接する機会は十分にあります。普段は大人しくても、万が一狂犬病に感染してしまったら、意外な攻撃性が見られることもあります。 室内、屋外に関わらず、全ての犬で予防を徹底しましょう。

まとめ

狂犬病の予防接種は法律で義務づけられている 日本では60年以上、犬での狂犬病の発生がないからといって、狂犬病のワクチンを接種しなくていいわけではありません。 厚生労働省の報告では、平成30年度の狂犬病ワクチン接種率は71.3%とギリギリの数字であり、国内に侵入してしまえば、いつ蔓延してもおかしくない感染症です。 今年は新型コロナウイルスの影響で集団接種を中止している自治体もありますが、一人一人の予防意識をしっかり持ち、予防接種を忘れずに受けさせるようにしましょう。

【獣医師監修】改めて確認しよう!犬のワクチン接種と注意点

新型コロナウイルスが流行し、ワクチンについて関心を持っている方も多いのではないでしょうか?人間と同じように、犬も感染症の予防のためにワクチンの接種が推奨、または義務づけられています。 散歩やドッグラン、動物病院で意図せずにこれらの感染症に罹患する可能性もゼロではありません。備えあれば憂いなし!ぜひ正しい知識を身につけて、ワクチン接種の重要性を理解しましょう。 本記事では、今さら聞けない犬のワクチン接種について解説していきます。

ワクチンとは

感染症と犬のワクチン接種 ワクチンは病原菌を無毒化もしくは弱毒化して作られます。これらを体内に投与することで抗体を作り、感染症に罹患したり重篤化することを防ぐことができます。

「コアワクチン」対象の感染症

全ての犬がワクチン接種を行うべきだと考えられているワクチンをコアワクチンといいます。 世界中で発生が認められているものを含め、以下の感染症が対象です。
感染症 症状
犬パルボウイルス感染症 血便、下痢、嘔吐が現れ、致死率も高い感染症です。
感染力も強く、便や嘔吐物から経口的に感染します。
犬ジステンパー 初期症状は発熱や眼脂などですが、重篤化すると神経症状を呈します。
致死率も高く、治っても後遺症が残る可能性があります。
犬伝染性喉頭気管炎 ケンネルコフの原因の一つです。
咳やくしゃみによって子犬の体力を奪います。
犬伝染性肝炎 発熱、嘔吐、下痢、腹痛が現れ、重篤化すると肝障害やそれに伴う低血糖、神経症状を呈します。

「ノンコアワクチン」対象の感染症

ノンコアワクチンは、生活する環境によっては接種が推奨されるワクチンです。 以下の感染症が対象です。
感染症 症状
犬パラインフルエンザ 犬伝染性喉頭気管炎とともにケンネルコフの原因の一つです。
犬コロナウイルス感染症 通常は軽度な下痢を呈しますが、子犬では重篤化することがあり脱水を引き起こします。
レプトスピラ感染症 ネズミなどのげっ歯類の尿から感染し、腎機能障害や肝機能障害を引き起こします。
また、ヒトにも感染する人獣共通感染症としても注意が必要です。
この中でもレプトスピラ感染症のワクチン接種をすべきか悩む方も多いと思いますが、野外のレジャーなどに出かけることがあるなら、病原菌をもつ野生のげっ歯類またはその糞尿と接触する可能性があるため、接種を推奨します。 また、レプトスピラ感染症は種々の血清型があり、そのうちの5種類が届出伝染病に指定されているため、農林水産省のホームページで犬における発生状況を確認できます。住んでいる地域の発生状況を確認した上で、ワクチン接種をした方がいいのか判断しましょう。
農林水産省 指定伝染病発生状況 https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/kansi_densen/kansi_densen.html

混合ワクチンの種類

ワクチンの中でも、いくつかの感染症をまとめて予防するワクチンを混合ワクチンといいます。 法律での接種は義務付けられていませんが、感染すると危険な病気が含まれているので接種が推奨されています。特に子犬は免疫機構が不十分ですので、ワクチンによる感染防御が重要となります。 また、ペットホテルやドッグランによっては、利用の際に混合ワクチンの接種証明書が必要な場合もあります。 現在、各製薬会社で様々な組み合わせの混合ワクチンが販売されています。 かかりつけの動物病院によって取り扱っているワクチンの種類が異なるので、ワクチン接種の前には獣医師にしっかり確認しておきましょう。
感染症 2種 4種 5種 6種 7種 8種
犬パルボウイルス感染症
犬ジステンパー
犬伝染性喉頭気管炎
犬伝染性肝炎
犬パラインフルエンザ
犬コロナウイルス感染症
レプトスピラ感染症
  イクテロヘモラジー型
  カニコーラ型
前述したように、レプトスピラ感染症にはいくつかの血清型があります。 8種以上の混合ワクチンでは、予防できるレプトスピラ感染症の血清型が追加されます。

子犬のワクチンプログラム

感染症と子犬のワクチン接種スケジュール 子犬におけるワクチン接種は、感染症の予防の観点から非常に重要です。 子犬は母犬から母乳を通じて移行抗体をもらいます。生まれてから6〜8週までは移行抗体によって外の異物から身を守ることができますが、以降は徐々に消失していきます。 新生子の免疫において移行抗体は大切ですが、ワクチン接種においては邪魔な存在です。移行抗体が働いている間は、ワクチンの効果が十分に発揮できないためです。

子犬のワクチン接種のスケジュール

子犬のワクチン初回接種は移行抗体が減少し始める8週~10週目前後に行い、12〜14週目に追加接種を行います。そして、最終接種を14週目以降に行います。 その後は1~3年に1回のペースで接種を続けます。定期的に動物病院で抗体価を測定し、必要に応じて接種していきましょう。

狂犬病ワクチン

狂犬病と犬のワクチン接種 狂犬病は全ての哺乳類に感染し、発症した場合の致死率はほぼ100%という怖ろしい感染症です。一方で狂犬病は、ワクチン接種による予防が可能な疾患でもあります。

日本と狂犬病

日本では集団免疫率の理論により、狂犬病予防法によって全ての犬に狂犬病ワクチンの接種を義務付けています。 集団免疫率とは「ある感染症が集団に持ち込まれたとしても、その集団の70%が感染症に対する免疫を持っていれば、感染症の爆発的な流行は起こらない」とする理論です。 日本には狂犬病は無いのだから、ワクチンの接種は必要ないというのは大きな誤りです。必ず年に1回、動物病院または市区町村の集団予防接種にて狂犬病ワクチン接種を受けましょう。

ワクチン接種に際して注意すること

感染症と犬のワクチン接種で注意すること アナフィラキシー 感染症を予防するためのワクチンですが、体にかかる負担は小さいとはいえません。ワクチン接種の前後に注意すべき点をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

ワクチン接種前の注意点

  • ワクチン接種はできるだけ午前中に行う
  • 体調不良が無いかを確認する
  • 前回接種したワクチンの種類を確認する
  • 子犬の場合、これが何回目の接種なのかを確認する

ワクチン接種後の注意点

ワクチン接種後、特に注意しなければならないのはアナフィラキシーです。嘔吐、下痢、元気消失、チアノーゼ(舌が青くなる)、ムーンフェイス(顔が腫れる)などの症状が現れたらすぐに動物病院を受診してください。 特にダックスフントはアナフィラキシーが起きやすいといわれています。
  • 接種後できれば30分は動物病院の近くで様子を見る
  • 接種後半日はそばで様子を見ていられる日程に調整する
  • 散歩あるいはフィラリア薬などの投薬は接種日を避ける
  • 接種後1週間はトリミングを避ける

まとめ

感染症と犬のワクチン接種 ワクチン接種は副作用もあり、100%安全とは言い切れないことは事実です。しかし、感染症に罹患する危険性の方が圧倒的に高く、大切な愛犬を守るためにはワクチン接種は絶対に欠かせません。 今までワクチン接種をしたことがない方も、漫然と年に1回ワクチン接種を受けていた方も、改めてワクチンに対する理解を深めていただき、愛犬の健康を考えてみませんか。