犬に関するお金は「治療費」などが増加し、終生飼養に掛かる支出合計額は700万円以上にも!?
犬に関する支出はここ10年でどう変わってきているのでしょうか?ペット保険のアニコム損害保険株式会社が同社の契約者に対し毎年行っている調査結果をもとに、2009年から2018年の10年間の推移を分析しました。
現在、犬を飼っている人も、これから飼いたいと思っている人も、何にどのくらいお金が掛かるのか、ぜひ参考にしてみてください。
「ドッグランなど遊べる施設」に使う金額が10年で1.5倍に
10年間で最も増加率が高かったのが、「ドッグランなど遊べる施設」に関する支出でした。
2009年の「ドッグランなど遊べる施設」に使う年間金額は平均して7,904円。2010年に増加するものの、そこから減少傾向にあり、2015年には5,661円まで下がります。しかし、2016年に一気に9,706円まで増加し、その後も上がり続けて、2017年には1万円台に到達し、2018年には11,990円となりました。
2016年を境に「ドッグランなど遊べる施設」への支出傾向が大きく変わっています。また、ここ3年間は愛犬と一緒に遊びに行く機会が増加していることが分かります。現在はまだ年間1万円程度ではありますが、今後は愛犬と一緒に旅行するという人も増加し、旅費も含めると大きな金額になっていくかもしれませんね。
サロン通いが定着化
昔ながらの日本犬には必ずしも必要ではなかった「シャンプー・カット・トリミング料」ですが、最近人気のトイプードルなどの犬種にはトリミングが必要です。
そういった人気犬種の影響か、この項目の年間支出額は多少のばらつきはあるものの、大きく見ると年々増加傾向にあると言えるでしょう。2009年には32,547円でしたが、2018年には47,653円と約1.4倍になっています。ここでも2016年を境にした3年間は、45,000円台から47,000円台を保っています。
「病気やケガの治療費」の年間支出額は7万円台
ペットの医療も人間並みに進み、癌(がん)など医療費がかかる病気も増加しています。愛犬家にとって「病気やケガの治療費」は気になるところでしょう。この調査で最も高額な支出額だったのが「病気やケガの治療費」でした。
2009年は51,318円で、2010年には少し減少したものの、2011年からは増加し続け、2014年には80,912円に達します。一気に高額になってきた治療費ですが、2015年と2016年には約2万円強も減少して57,000円台になリます。その後、2017年は71,135円、2018年は70,358円と7万円台に増加しています。
治療費は小型犬よりも大型犬の方が高くなる傾向があります。人気犬種の影響もあるのか、年によって波がある「病気やケガの治療費」ですが、年間7万円の支出となると家計にはかなり響く項目だと言えそうです。
サプリメントなど健康志向へ
治療費の次に高額だったのが犬の食費である「フード・おやつ」です。
2011年の44,061円から少しずつ増加し続け、2017年には約1万円増の58,601円にまで上がりました。2018年は微減したものの、10年間では124%に上がっており、月額にすると5,000円近く多く出費していることが分かります。
食事と同じように犬が口にするものとして、2017年から新たに「サプリメント」の項目が調査に加えられ、2017年には23,902円、2018年には23,355円と、ともに2万円台という結果が出ました。
サプリメントはフードのように必ず必要というわけではないため、全くお金をかけていない飼い主もいるでしょう。2万円という数値はあくまで平均値であるため、さらにお金をかけてサプリメントを愛犬に与えている健康志向の飼い主が増えてきているのではないでしょうか。
生涯飼養にかかる支出は480万円から700万円以上に
この調査では、前述の4項目の年間支出額に加え、「しつけ・トレーニング料」「ペット保険料」「ワクチン・健康診断等の予防費」「ペットホテル・ペットシッター」「日用品」「洋服」「首輪・リード」の7項目の年間支出額を算出しています。これらの金額を合算し「共通項目の合計」としてまとめたものがグラフの青色の部分です。
2009年は314,103円で、2014年までは緩やかな増加傾向で35万円台でした。2015年と2016年は33万円台に下がり、2017年以降は再び増加に転じています。
2011年からは「防災用品」の支出額が加わり、さらに2017年から「サプリメント」「交通費」「光熱費(飼育に伴う追加分)」が加わっています。それらの項目を全て加えた2018年の年間支出合計額は、480,420円となりました。
犬の寿命は10年から15年程度と言われていますので、単純計算すると犬1頭の生涯の飼養には4,804,200円から7,206,300円という金額が掛かることが、この調査結果からわかります。
ただし、これらの数値はあくまでアニコムの契約者を対象にした調査の「平均値」であり、実際にかかる費用は、犬のサイズ、病気の頻度、嗜好品への関心度合いなどによって個体差があります。
最後に
このように支出額だけを見ても「かわいい」というだけで犬を買うべきではないことが分かります。
もちろんお金の問題だけでなく、命ある動物を飼うからにはさまざまな責任が発生しますが、経済面でも終生飼養をする覚悟や準備が必要だと思わされる調査結果だったのではないでしょうか。
調査結果を分析してみると、お出かけやトリミング、健康食品など、嗜好品への出費が増えていることがわかります。ワンちゃんとより楽しい生活を送るためには、最低限の出費だけでなく、こうした嗜好品への出費がある可能性を考えておくと良いかもしれませんね。
- 出典
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2018年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2018/news_0190315.html -
2017年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2017/news_0180315.html -
2016年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0170322.html -
2015年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2015/news_0160314.html -
2014年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2014/news_0150202.html -
2013年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2013/news_0140129.html -
2012年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2012/news_0130129.html -
2011年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2011/news_0120124.html -
2009年・2010年調査結果
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2010/news_0110309.html
老犬ホームってどうなの?サービス内容や費用、選び方をご紹介!
「老犬ホーム」という場所をご存知でしょうか。簡単に言うならば老人ホームの犬版ですが、「詳しくはよくわからない」と言う方もいるのではないでしょうか。
犬も寿命が長くなり、人間と同じように痴呆などの症状も見られるようになってきました。今記事では、老犬ホームについて解説し、そのサービス内容や費用など、知っておきたい情報をご紹介いたします。
老犬ホームとは
老人ホームの犬版と言える「老犬ホーム」は、様々な事情で愛犬を施設に預けたい場合に、飼い主さんの代わりに面倒を見てくれる施設です。
老犬ケアに詳しいプロの方が、愛犬の毎日のお世話(食事、排泄、散歩、ケア)をしてくれます。
期間やプランは様々で、施設によっては、出張面会や往診などを行ってくれるところもあります。
また、犬だけに限らず、老猫の受け入れを行っているところもあります。
犬の長寿化、需要の高まり
医療技術の進歩やドッグフードの改良などの結果、平均寿命がこの30年で約2倍にも伸びたとも言われています。
このように、近年犬が長生きをするようになった結果、介護が必要な犬も増えたと言うことができます。
老犬ホームのサービスの登場は比較的最近ですが、年々その需要が増えていると言っても過言ではありません。
老犬ホームの利用理由
「飼うと決めたからには最後まで自分で面倒を見る」「やっぱり最期まで一緒にいたい」と思っているけれど、「現状、どうやってもこのまま面倒を見るのは難しい…」と言う方がいることも事実。
では、どんな理由で老犬ホームを利用される方が多いのでしょうか。
- 自分が高齢で面倒が見れない、最後を看取れるか不安
- 自分が入院をすることになり、世話が難しい
- 老犬介護による疲れや限界を迎えている
- 痴呆による夜泣き等があり、近隣住民からの苦情が来ている
- 愛犬が寝たきりになり、自分の仕事の都合上、愛犬の介護が難しい
このように、様々な事情により、老犬ホームが利用されています。
愛犬が老化を迎え、そして自分の手に負えそうにないと思った時、一度、老犬ホームに相談をするのも選択肢の1つでしょう。なにか解決の糸口が見つかるかもしれません。
サービス内容とは
長期だけでなく、短期での利用も可能な施設があります。また、デイサービスや訪問介護、介護に関するサポートやレクチャーなど、様々なプランがある施設もあります。
食事や排泄の介助や、ドッグランでの運動など、愛犬がのびのびと自由に生活が出来るように手厚くサポートしてくれます。
但し、これも愛護団体等と同様、悪徳業者も存在しますので、事前に下見をしたり、評判をチェックするなど、よく調べてから利用するようにしたいところです。
費用はいくらぐらい?
施設によって費用は異なって来ます。サービス内容やプランによっても変わりますし、老犬ホームの立地によっても値段が変わってきます。
料金は本当にマチマチで、入居するのに30万円代から入れるところもあれば、100万円以上かかる施設もあるなど、様々です。
なお、東京23区内でアクセスしやすい場所にある施設は、高額になる傾向にあります。
老犬ホームの選び方3つ
1.事前見学
老犬ホームがある場所は郊外から都内と様々ですが、全国的に増えてきています。愛犬の入る老犬ホームを決める際には、複数箇所を事前に見学することをオススメします。
今の時代、ネットで見て決めることもできますが、やはり自分の目で見て決めた方が良いでしょう。
また、そこで働く人たちと話すことで、「ここは安心して愛犬を任せられるのか」などの疑問を払拭することが出来るはずです。
2.愛犬に適しているのか
値段やサービスも施設によって様々ですので、複数の候補からきちんと吟味して選びましょう。
安さだけで決めるのではなく、愛犬に最適なサービス・環境であるのか等、検討しましょう。
自分で面倒が見られない以上、愛犬の幸せを考え、一番楽しく過ごせる施設を選びたいですよね。
3.老犬ホームの立地・場所
老犬ホームは、郊外と都市のどちらにあるのかで値段が変わってきます。
「愛犬と面会をしたい」「頻繁に会いに行きたい」という場合には、アクセスのしやすさが重要になってきます。
自分の家や勤務先の場所、交通の便などを考慮し、先のことまで考えて決めるようにしましょう。
最後に
人間の介護と同様、愛犬の介護も、社会問題になりつつあります。また、「最後まで一緒にいると決めたから」という強い気持ちにより、老犬ホームの利用を考えたことがない人も多くいるそうです。
動物を飼うということは、命を預かるわけですから、最後まで責任を持って飼うべきです。しかしながら、無理に老犬の介護を続けて、自らの体調を崩してしまうような結果は、愛犬も悲しむのではないでしょうか。
家庭ごとに事情は違いますし、できることなら自分で面倒を見てあげたほうが良いとは思います。非常に難しい判断を迫られることになりますが、ケースによっては老犬ホームという選択肢がベストな場合もあるかと思います。
これを機に、ご家庭の問題が解決され、少しでも飼い主さんとわんちゃんにとって、日々の生活が豊かになることを願っています。
犬の健康に良い!ドッグプールの効果とおすすめ施設まとめ
ドッグプールというと、犬とプールで楽しく遊ぶ姿を連想する方も多いのではないでしょうか。
実は、遊び目的ではない、「愛犬の健康のために行う、ドッグプールでのトレーニング」があるんです。今記事では、水を使ったトレーニングとその効果、おすすめの施設をご紹介したいと思います。
愛犬の健康のために
医療の発達によって犬の寿命が伸びるようになり、愛犬の健康への関心がさらに高まっているように感じます。
愛犬の健康のためにオススメしたいのが、今回取り上げるドッグプールを用いた「水中療法」というものです。これは「ハイドロセラピー」とも呼ばれ、水の力を使ってトレーニングをします。
私たち人間においても、プールでのトレーニングでの良い効果についてよく聞きます。わんちゃんの場合も同様に、陸上で行うトレーニングとは違った効果を得ることができます。
ドッグプールでの2大メリット
1.負担が少なく運動が出来る
プールでの運動は、陸に比べて身体への負担が少ないとされています。それは、水の浮力が体重を支えてくれているからです。体重を3分の1程度にまでしてくれる浮力のおかげで、負担少なく運動をすることができます。
陸に比べて関節への負担や衝撃が少ないため、関節系に不安のあるわんちゃんでも、リハビリやトレーニングをすることができます。
2.消費エネルギー量が多い
プールでの運動は水の抵抗があるため、陸で運動するよりもさらにエネルギーを消費します。関節などへの負担を少なくしつつも、大きなエネルギー消費をすることができます。
6つのオススメポイント
1.シニア犬に
体の各機能が衰えてくるシニア犬にとって、プールでの運動はとても適しています。プールでの運動であれば、身体への負担が少ない中で筋力をUPさせることが出来ます。
また、シニア犬になると、身体を自由に動かすことが難しくなってきます。運動好きなわんちゃんにとって、体が思うように動かせないというのはとても辛いことです。
水の中でなら、負担少なく運動が出来るため、陸では思うように動かせないわんちゃんでも自由に動くことができます。
2.若々しい身体づくり
若いわんちゃんにとっても、プールでの運動が健康維持や様々な怪我・病気の予防に役立ちます。筋力をつけ、衰えない身体づくりをすることで、若々しい身体を保つことができます。
3.運動不足解消
普段の散歩だけでは、なかなか必要な運動全てをまかなうことが難しい場合もあります。特に、大きい犬の場合、必要な散歩時間も長く必要だと言われていますが、散歩時間を抽出することが厳しいご家庭もあるかと思います。
いつもの散歩に加えて、プールでの運動を取り入れてあげることで、わんちゃんの運動不足を解消してくれるはずです。
4.ダイエット効果
肥満犬が陸で運動をする際、膝や腰に大きな負担がかかりやすく、怪我を招きやすいです。
対してプールでの運動は、低負担でありながら運動量が多いため、ダイエット中のわんちゃんに適しています。また、筋力をつけることで、基礎代謝をあげる役割も果たしてくれます。
5.リハビリ中の犬に
手術後のリハビリとして、プールで運動をしているわんちゃんも多いです。獣医さんとカウンセラーの指導の元、適切なリハビリをプール内で行います。
身体への負担が少ないため、リハビリに適しています。
6.ドッグスポーツをする犬に
ドッグスポーツをするわんちゃんの身体づくりにもドッグプールは役立ちます。筋力をつけ、しなやかな身体づくりをサポートしてくれます。
おすすめドッグプール
ドッグプールの環境があり、しっかりとカウンセラーがプログラムを組んで運動を行うことのできる施設が東京にもいくつかあります。
今記事では東京内にある2つのおすすめドッグプールをご紹介いたします。
わんわんフィットネス(東京・稲城市)
愛犬の運動不足を解消するために誕生した、犬専用のフィットネスです。
プロのインストラクターが、個々のわんちゃんをカウンセリングし、最適な運動プログラムを作成してくれます。準備運動もしっかりと行い、各種プログラムを受講します。
他にも、バランスボールやアロママッサージなどのプログラムや、リハビリ専用プログラムもあります。
【公式HP】わんわんフィットネス|小型犬・高齢犬の運動不足・肥満に愛犬専用フィットネス
QULA(東京・目黒区)
QULAのドッグプールでは、ウォーターセラピーとしてドッグプールでの運動をすることができます。QULAのプールは、埋め込み式ではないため、愛犬の泳ぐ姿を飼い主さんの目線のまま見ることができます。
カウンセラーによるカウンセリングや関節のチェックを受けることができ、安心して運動を行うことができます。また、自由に泳がせる「フリースイミング」とは異なり、セラピストが導いてプログラムを行います。
【公式HP】QOLA 目黒 柿の木坂 | わんこの健康美容を促進する施設
愛犬の健康のために!
愛犬にはいつまでも健康でいてほしいものですね。
水中で元気に泳ぐ愛犬を見ると、こちらまで笑顔になります。ぜひ一度、愛犬のためにドッグプールに行ってみてはいかがでしょうか。
今回ピックアップしたドッグプールも紹介されている、東京内にあるドッグプールまとめの記事も合わせてどうぞ。