【クイズ】日本犬だけじゃない?!日本原産の犬たち

日本の犬といえば、まずは「柴犬」や「秋田犬」などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、日本原産の犬種には一般的にあまり知られていない犬もたくさんいます。

そこで今回は、日本原産の犬種について、クイズ形式でご紹介します。

それではさっそく、日本の犬のクイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 日本犬の説明として、次のうち正しいのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「紀州犬には白以外の毛色の犬もいる」です。
紀州犬は白い毛色が特徴的で全体の約95%を占めますが、赤や胡麻といった毛色の犬も存在します

柴犬の「柴」とは、小さなものを表す古語であり、日本犬の中では最も小さい犬種です。

渋谷駅の銅像で有名な忠犬ハチ公は、「ハチ」という名前のオスの秋田犬です。

甲斐犬は他の日本犬種よりもルーツが古いと言われています。
Q.2 次の犬種のうち、日本原産の犬ではないのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「珍島犬」です。
珍島犬は、コリア・ジンドー・ドッグとも呼ばれる韓国原産の犬種で、日本犬に近い見た目をしています。

日本スピッツは、かつての日本では大変な人気犬種で、最盛期の1950年後半には登録犬種の4割を占めていた日本原産の犬種です。

アメリカン・アキタは、第二次世界大戦後にアメリカの進駐兵が日本の秋田犬を本国へ持ち帰り、シェパードなどとの交配によって作り出された犬種です。

狆は、日本では珍しく室内で飼育されてきた愛玩犬で、生類憐れみの令で有名な徳川綱吉の愛犬だったとされています。

Q.3 日本の特定の地域のみに古くから生息する犬を何と呼ぶ?
正解です!
不正解です!
正解は「地犬(じいぬ)」です。
地犬とは、その土地で代々繁殖されてきた犬たちのことで、地域の特色を濃く受け継いでいるのが特徴です。長野県の川上犬や沖縄県の琉球犬は、県の天然記念物に指定されています。

古代犬とは、「バセンジー」や「ファラオ・ハウンド」など、世界的に歴史が古い犬種を指す言葉です。

山岳犬とは、山での遭難者の捜索や救助活動を行う犬のことで、山岳救助犬とも呼ばれます。

地域犬とは、地域で管理されている飼い主のいない犬を指します。日本には存在しませんが、タイやインド、ギリシャなどでは地域犬として暮らしている犬たちがいます。
問正解/ 問中

今回はこちらの記事から問題を作成しました。 詳細が知りたい人はこちらも読んでみてください!
【犬図鑑】あまり知られていない犬種も?!日本原産の犬たちをご紹介
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明治時代には「うさぎ税」があった?!日本のペットの歴史を学ぼう

私たち人間と共に暮らす動物の存在は、時代とともに変化しています。かつては番犬や猟犬など、人間の生活の手助けをする役割を担っていましたが、現代ではペットとして多くの人々の心を癒やし、家族の一員として扱われるようになっています。 この記事では、江戸時代以降の日本におけるペットの歴史を辿っていきます。その時々の人気や扱われ方の変化を知り、日本におけるペットの歴史を学んでいきましょう。

ペットが庶民に広まった江戸時代

うさぎ,ハムスター,ペット,人気,小鳥,日本犬,歴史,熱帯魚,犬,猫 江戸時代に入り、世の中が平和で安定してくると、上流階級のみで飼われていたペットが庶民にも広まりました。

庶民の間で金魚が人気に

金魚は室町時代の末期には日本に渡来し、「こがねうを」という名の高級品で一部の貴族の間で人気がありました。 庶民が金魚を飼うようになったのは江戸時代の中期頃からになります。藩士が副業として金魚の養殖を始めたことをきっかけに大量生産され、金魚が格安で手に入るようになり、庶民の間にも金魚ブームが到来しました。 寛延元年(1748年)には「金魚養玩草(きんぎょそだてぐさ)」という金魚の飼育の指南書も出版されています。

すでに終生飼育を訴えかける動きも

江戸時代の読本作家で絵師の暁鐘成(あかつきのかねなり)は犬の飼育書「犬狗養蓄傳(いぬくようちくでん)」の中で、世界に先駆け、次のように飼い主に終生飼育を訴えました
「狗(いぬ)は則ち人間の小児と心得べし。その養い方悪しくして狂犬病犬と成り、人を咬むがゆえに遠き山野に捨てること不憫ならずや」
つまり「犬は人間の子供と同じように思うこと。飼い方が悪いと狂犬病に罹り、咬むからといって遠くの山に捨てることはとても可哀想なことだ。」と主張しています。

西洋文化の影響を受けた明治時代

うさぎ,ハムスター,ペット,人気,小鳥,日本犬,歴史,熱帯魚,犬,猫 明治時代になり、多くの西洋文化が日本に入ってきました。西洋化は建築から散髪、洋装まで多岐にわたり、人々の生活を大きく変貌させました。ペットも例外ではなく、人々の生活に影響を与えました。

人気が加熱し「うさぎ税」が課される

西洋文化の到来と共に、西洋のうさぎも人気に火が付きました。当初は華族や士族などの富裕層を中心に人気を博していましたが、新聞や風刺画などのメディアで盛んに取り上げられるようになり、庶民の間でも人気になります。 明治5年(1872年)には「うさぎ税」が導入され、当時の公務員の初任給が1ヶ月で8~9円の時代に、うさぎ1羽につき1円もの高額な税金が課されました

ペットの役割が大きく変化した昭和

うさぎ,ハムスター,ペット,人気,小鳥,日本犬,歴史,熱帯魚,犬,猫 戦争や高度経済成長期など、人々の暮らしが大きく変化していった昭和の時代。この時代のうねりの中で、ペットたちの置かれる立場も大きく変化していきました。

「日本犬」が天然記念物に指定される

明治以降、欧米から洋犬が積極的に輸入されるようになり、日本犬の飼育は急激に減少します。山間の僻地以外では日本犬がほとんど見られなくなり、昭和初期には純血の日本犬はほとんど姿を消すことになりました。 この現状に危機感を抱いた斎藤弘吉は、日本犬の復興を呼びかけ、「日本犬保存会」が昭和3年(1928年)に創立します。 そして、秋田犬が昭和6年(1931年)7月に国の天然記念物に指定されたのを皮切りに、昭和6年~12年にかけて日本犬の6犬種(柴犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、北海道犬、四国犬)が次々と天然記念物に指定されました。

犬は番犬、猫はネズミ捕りをしていた

1950~60年代は、まだ犬には番犬の役割が求められ、外飼いが主流でした。中でも「日本スピッツ」は、よく吠える習性や真っ白で可愛らしい見た目から人気があり、一時期は純血種として登録される犬種の4割が日本スピッツだったとされています。 一方で、猫はネズミ捕りに重宝され、屋内外を自由に行き来して暮らしていました。 しかし、どちらも半分ペット、半分益獣のような扱いであり、食事についてもペットにとっての栄養バランスは考慮されておらず、人間の残り物を与えられていました。

たびたび起こる熱帯魚ブーム

熱帯魚の最初のブームは1960年代に起こりました。それ以前にも熱帯魚の愛好家はいましたが、熱帯魚の販売価格や維持費がかなり高額で、一部の富裕層の趣味であったようです。しかし、60年代に入ると、生体の販売価格が抑えられ、飼育用品の普及も相まって、最初の熱帯魚ブームが起こりました。 1980年代後半~90年代前半のバブル期には「グッピー」が人気を博し、2000年代にはアニメ映画の影響で「カクレクマノミ」が人気になりました。

住宅事情と小鳥ブーム

1950年代後半~70年代にかけて、小鳥ブームが起こり、多くの家庭で飼育されるようになりました。特に、「セキセイインコ」や「文鳥」などが人気であったようです。 この時代は、集合住宅や団地が増えてきたため、犬や猫のようなペットを飼うことが難しくなっていたことが背景にありました。また、インコや文鳥は手乗りができ、鳴き声が可愛らしく、飼育が容易であることから、多くの人々に愛されました。

犬の飼い方に変化が見える70年代

1968年~84年までの16年間は「マルチーズ」が登録犬種の第一位を独占していました。マルチーズに加え、「ポメラニアン」や「ヨークシャー・テリア」といった小型の室内犬が人気を博し、この3犬種を表した「マル・ポメ・ヨーキー」という言葉が出来たほどです。 この頃から犬の放し飼いが減少し、ペットフードや動物病院などのペットを飼う環境が整備されていきました

ペットから家族の一員になった平成・令和

うさぎ,ハムスター,ペット,人気,小鳥,日本犬,歴史,熱帯魚,犬,猫 バブル景気、そしてバブル崩壊後の長期低迷期をたどった平成。疫病や物価高騰に苦難する令和。そんな時代の中、ペットの人気や暮らしにはどのような変化があったのでしょうか。

バブル時代には大型犬が人気に

バブル期以前の大型犬は、映画やアニメの影響で「ラフ・コリー」が根強い人気を博していました。 その後、バブル期の80年代後半~90年代半ばになると、「ラブラドール・レトリーバー」や「ゴールデン・レトリーバー」などの大型の洋犬が豊かさの象徴として飼われるようになりました。また、人気漫画の影響で「シベリアン・ハスキー」も大人気となりました。

根強いハムスター人気

昭和から平成へ移りゆく頃、漫画の影響でハムスターブームが起こりました。その後、2000年頃には、アニメの影響で子どもたちを中心に再びハムスターの人気が高まり、関連アイテムも多数販売されました。ケージのカスタマイズを楽しめることも人気の一つの要素だったようです。 近年は、一人暮らしでも飼えるペットとして注目を集め、再び静かに人気が再燃しつつあります。

今も続く小型犬の時代へ

90年代後半は、現在も続く小型犬人気の始まりでした。短い脚で独特の可愛らしさがある「ミニチュア・ダックスフンド」が人気を集め、2000年代に入るとCMの影響で「チワワ」人気が爆発しました。 これら2犬種に加え、「トイ・プードル」も非常に人気があり、2003年から20年近く、この3犬種が人気犬種ランキングのトップ3を独占しています(ジャパン・ケネル・クラブ「犬種別犬籍登録頭数」より)。

まとめ

うさぎ,ハムスター,ペット,人気,小鳥,日本犬,歴史,熱帯魚,犬,猫 江戸時代より前の時代では、庶民は生きていくだけで精一杯の状況にあり、ペットを飼う余裕がなかったと思われます。江戸時代以降も、貧しい人たちはペットを飼えませんでした。 また、第二次世界大戦中は、ペットを国に供出しなければならなかった悲劇もありました。 現在、私たちがペットを愛し、家族の一員として一緒に暮らしていられるのは、平和で豊かな暮らしができている証拠だと言えます。このように考えると、ペットを通して恵まれた時代に生まれたことに感謝の気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

【犬図鑑】あまり知られていない犬種も?!日本原産の犬たちをご紹介

皆さんは日本原産の犬というと、どんな犬種を思い浮かべますか。多くの方は柴犬や秋田犬など精悍な外見の犬を思い浮かべるのではないでしょうか。 いわゆる「日本犬」はそのようなタイプの犬ですが、「日本原産の犬種」というと、また一味違った犬種もいます。 今回は、そんな奥深い日本の犬たちをご紹介していきます。
カッコ内は2021年におけるジャパン・ケネル・クラブ(JKC)の登録頭数と順位を表します。

国の天然記念物「日本犬」とは

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 日本犬とは日本の在来犬種のことを指します。古代日本に存在した縄文犬や弥生犬の交配によって生まれたと言われており、他国の犬種の血が入っていません。 日本原産の犬種の中でも次の6犬種のみが日本犬で、全て国の天然記念物に指定されています。

柴犬(7位、9,958頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 国内で飼育されている日本犬の8割を占めている人気犬種。海外でも人気がある日本犬です。 「柴」は小さなものを表す古語で、日本犬の中では小型犬に分類されますが、全犬種を含めた分類では中型犬とされることが多くあります。

秋田犬(32位、519頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 「忠犬ハチ公」や、ブサかわ犬として人気だった「わさお」などが有名な秋田犬。 東北地方で、かつて熊の狩猟に使用されていた古代種「秋田マタギ犬」を祖先にもちます

甲斐犬(67位、91頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 山梨県の山岳地帯で狩猟犬として飼育されており、他の日本犬種よりもルーツが古いと言われています。 飼い主に強い忠誠心を持つ犬とされており、一人の飼い主に一生仕えるという意味の「一代一主」という言葉で形容されるほどです。 ちなみに、日本犬は「柴犬(しばいぬ)」など「◯◯犬(いぬ)」と呼ぶのが正しい呼び方ですが、この甲斐犬の場合は「かいいぬ」と読んでしまうと「飼い犬」と混同してしまうため、「かいけん」という呼称が使われています。

紀州犬(107位、9頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 紀州地方の山岳地帯で、狩猟犬として活躍してきた紀州犬。 白い毛色が特徴的で全体の95%を占めますが、赤や胡麻といった毛色の犬も存在します

北海道犬(86位、35頭)

通信会社のCMの「お父さん」として有名になった北海道犬。 北海道の先住民族であるアイヌ人に狩猟犬として飼育されていた犬種です。アイヌ犬とも呼ばれています。

四国犬(82位、41頭)

高知県を中心に、四国山脈の山間部で狩猟犬として飼育されていた四国犬。ワイルドな風貌で、日本犬のなかでは最もオオカミに外見が似ていると言われています。 かつては「土佐犬」と呼ばれていましたが、土佐闘犬と混同してしまうため「四国犬」と改称されました。

日本犬以外の日本原産の犬種とは

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 「日本犬」は日本のみで交配した上記の6犬種ですが、海外の犬との交配により日本で誕生した日本原産の犬種もいます。

狆(45位、259頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 (画像:左が「狆(日本)」、右が「ペキニーズ(中国)」) 日本では珍しく、室内で飼育されてきた愛玩犬。犬公方と呼ばれ、生類憐れみの令で有名な徳川綱吉の愛犬だったとされています。 犬種の歴史は詳しくわかっていませんが、チベタン・スパニエルの系統だと言われ、中国原産の「ペキニーズ」とよく似た外見をしています

日本スピッツ(27位、1,314頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 純白で毛量の多い美しい毛が特徴の日本スピッツ。かつての日本では大変な人気犬種で最盛期の1950年後半には登録犬種の4割を占めていましたが、無駄吠えが多く人気は下火になりました。 現在では室内飼育が増えたことや、吠えを改善するブリーディングにより、無駄吠えが少なくなったと言われ、人気が復活しつつあります。 ちなみにスピッツとはドイツ語で「尖った」という意味。口周りが尖って前に出ている様子を表しています。

アメリカン・アキタ(2021年は登録0頭)

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 第二次世界大戦後、アメリカ進駐兵が秋田犬を本国へ持ち帰り、シェパードなどと交配させ作られた犬種です。日本の秋田犬とは違う進化を遂げているため、別犬種とされています。 秋田犬よりも一回り大きく、毛色も様々な色が認められています。グレート・ジャパニーズ・ドッグとも呼ばれています。

日本テリア(74位、69頭)

日本原産の犬種では唯一のテリア種。日本が鎖国をしていた18世紀に、オランダから長崎へ持ち込まれたスムース・フォックス・テリアと小型の在来犬を交配して作られました。 テリア(小動物を狩る猟犬)と名前がついていますが、日本では「抱き犬」として繁殖されており、甘えん坊で穏やかな性格と言われています。

土佐犬・土佐闘犬(2021年は登録0頭)

「四国犬」をルーツに持ち、闘犬用に獰猛な大型の洋犬と交配され作られました。 日本では「特定犬」として飼育に注意喚起をしている自治体があり、イギリスでは「危険犬種」として指定され、特別な事情がない限り繁殖や飼育が禁止されています。このことから、ペットとして飼うのはおすすめできない犬種と言えるでしょう。

地犬(じいぬ)とは

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 日本の特定の地域のみに以前から生息する犬を「地犬(じいぬ)」と呼びます。その土地で代々繁殖されてきた犬たちで、地域の特色を濃く受け継いでいるのが特徴です。 かつての日本には全国各地に多くの地犬がいましたが、絶滅した種も多く、現存する地犬は地域の愛好家たちによって独自の保存活動が行われています

県の天然記念物として指定されている地犬

  • 川上犬(長野県)
  • 琉球犬(沖縄県)

その他現存している地犬

  • 十石犬(群馬県、長野県)
  • 美濃柴犬(岐阜県)
  • 山陰柴犬(鳥取県、島根県) 
  • 肥後狼犬(熊本県)
  • 岩手犬(岩手県) 
  • 三河犬(愛知県) など

最後に

地犬,日本,日本原産,日本犬,犬,犬種,狩猟犬 ここまで日本の犬たちについてご紹介しましたが、第二次世界大戦末期には、物資の不足から多くのペットたちが国へ供出されるという悲しい歴史がありました。犬も例外ではなく、飼い主の元を離れ、毛皮や食肉として用いられていたのです。 「お国のために」と自ら犬を供出した人もいれば、泣く泣く手放した人、不憫に思い人目を盗んで犬を逃した人や、犬種を後世に残すため厳しい監視の目をかいくぐり、何とか犬を残すことに成功した人もいました。 こういった歴史を知ることで、今わたし達が目にする日本の犬に、戦時中の困難な状況下で犬種を残そうとした方々の強い思いを垣間見ることが出来ます。 また、純血種だけではなく、雑種や野犬の中にも必死で犬の命を守ろうとした人たちの愛犬の末裔がいるかもしれません。 そういった人たちの信念に思いを馳せると、改めて命の大切さを考えさせられますね。

【犬種クイズ】犬好きなら知っておきたい!日本犬の雑学

「日本犬」というとどんな犬を思い浮かべるでしょうか?実は、「日本犬」という犬種はなく、古くから日本に住んでいる犬種の総称のことをいいます。

今回は日本犬にスポットを当て、日本犬の雑学についてクイズ形式で解説していきます。

それではさっそく、日本犬クイズにチャレンジしてみましょう!
Q.1 次のうち、日本の天然記念物に「指定されていない」犬種はどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「土佐闘犬」です。
国の天然記念物に指定されている日本犬種は次の6犬種です。
・秋田犬(秋田県)
・甲斐犬(山梨県)
・紀州犬(三重県・和歌山県)
・柴犬
・四国犬(四国地方)
・北海道犬(北海道)
なお、四国犬は土佐犬とも呼ばれますが、同様の呼び名を持つ、いわゆる「土佐闘犬」とは別の犬種です。
Q.2 天然記念物に指定されている日本犬の中で最も小さい犬はどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「柴犬」です。
ジャパン・ケネル・クラブ(JKC)による理想体高は以下の通りです。
【柴犬】オス:39.5cm、メス:36.5cm(上下それぞれ1.5cmまで)
【北海道犬】オス:48.5~51.5cm、メス:45.5~48.5cm
【秋田犬】オス:67cm、メス:61cm(上下それぞれ3cmまで)
【甲斐犬】オス:50cm、メス:45cm(上下それぞれ3cmまで)
「シバ」とはもともと「小さなもの」や「小さな犬」を意味しており、柴犬は天然記念物に指定されている日本犬の中ではもっとも小さい犬種です。
Q.3 次のうち、日本原産の犬ではないのはどれ?
正解です!
不正解です!
正解は「チャウチャウ」です。
チャウチャウは中国原産の犬です。チャウチャウの生い立ちにはいくつか説がありますが、サモエドとチベタン・マスティフの交雑種に由来するというのが最も有力だとされています。

狆、日本テリア、アメリカン・アキタは外来の犬種をもとにしたり、交配したりして作られた、日本原産の犬種です。
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日本犬のルーツはいつ、どこから?縄文犬と弥生犬について

みなさんは、日本犬のルーツをご存知でしょうか。 日本犬には、とても奥深い歴史があります。今回は、そんな日本犬のルーツについて学んでいきます。

日本犬のルーツとは?

akita 日本犬といえば柴犬や秋田犬など、凛々しい風貌が特徴のかっこいい犬が思い浮かびます。 またとても賢く、忠犬のイメージが強いのも特徴です。 日本犬のルーツは、縄文時代と弥生時代に遡ることで、深く知ることが出来ます。この時代は、日本の犬にとって大きな変化がありました。

縄文犬

shiba 縄文時代とは、約1万5,000年前(紀元前131世紀頃)から約2,300年前(紀元前4世紀頃)の日本列島で発展した時代を指します。 縄文時代は、寒さの厳しい氷河期が終わり、地球が温暖になった時代です。地球が暖かくなったため、植物が豊かになり、動物の繁殖率が急激に高まった時代でもあります。 縄文人の主な食料は、木の実や狩猟で狩った動物だったと言われています。 狩猟のお供として、人々の生活に犬の存在がありました。その犬が縄文犬です。 風貌はオオカミに似ていて、オオカミと現代の犬の中間のような性質を持っていたのではないかと考えられています。

考古学的証拠

woman dog 日本列島における縄文犬は、明治時代に日本の考古学の父、エドワード・モースによって発見されました。 発見された場所は、大森貝塚(東京都品川区、大田区周辺)で、推定時期は縄文後期だと分かりました。 また1997年には、宮城県や愛知県の貝塚で縄文女性と一緒に埋葬されている犬の発掘がありました。定説では、これらの貝塚は「現代の家族墓地のようなもの」だとされています。 犬をわざわざ大きな貝塚に埋葬する習慣は無かったので、縄文女性が先に亡くなった可能性が高く、女性の埋葬後、犬の埋葬が行われたと考えられています。 このことから、犬が人間によって家畜化されていた、もしくは飼い慣らされていた事が分かります。

縄文犬の役割

縄文時代は、狩猟や木の実採取が盛んな時代だったので、縄文犬は縄文人に大変重宝されました。 当時の主な狩猟獣はシカやイノシシで、縄文犬はそれらの動物の追跡、捕獲に従事していました。 犬はとても優秀な嗅覚を持っているので、追跡にはもってこいの動物です。 また、縄文人は身を守るために、危険な仕事、つまり捕獲を縄文犬に任せていました。つまり、飼い主に変わって、危険な捕獲作業を行なっていたと言うことです。

縄文犬と人々の関わり

そんな危険な仕事を任されていたのですから、当然怪我は付き物です。狩猟によって骨折や怪我をした犬は、一体縄文人にどのような扱いを受けていたのでしょうか。 縄文犬の場合には、食べられることはなかったと言われており、それについては考古学的な証拠があり、それを物語っています。 発掘された縄文犬の骨の一部を見ると、骨折が治癒された形跡がありました。骨折した骨は手当をしないと、一生折れたままです。しかし、この発掘された縄文犬の骨は繋がっていました。 当然、犬は自ら骨折の手当をすることはできませんから、人間が何らかの治療を行ったと考えるのが妥当ということになります。 従って、縄文犬は狩猟犬として、縄文人に大切に扱われていたと考えられているのです。

弥生犬

akita 弥生時代は、紀元前10世紀頃から紀元後3世紀中頃に発展した時期で、縄文時代後の時代区分です。みなさんご存知、邪馬台国が卑弥呼によって発展した時代でもあります。 そんな弥生時代は、渡来人なしに語ることは出来ません。 渡来人は、稲作や米を保存する為の高倉式倉庫の建て方を伝授してくれたエキスパートたちです。そしてそれだけではありません。 渡来人は弥生犬を日本に連れてきた人たちです。つまり、弥生犬は日本原産種ではないんです。

縄文犬から弥生犬へ

farm 日本が弥生時代の時、人々の食生活は穀物中心でした。 それまで狩猟が盛んだった縄文時代から、稲作への生活に変わり、人々の生活習慣や文化は大きく変化しました。 弥生時代は狩猟が盛んではなくなったので、狩猟犬、つまり縄文犬は必要なくなりました。そこにタイミングよく、渡来人が弥生犬を連れてきて、弥生犬の需要が高まりました。

弥生犬の役割

渡来人は、現在の地図で、中国大陸や朝鮮半島の辺りから来た人たちを指します。 中国大陸や朝鮮半島には、犬を食べるという風習がありました。そのため、犬を日本に連れて来た理由も、犬を食料として繁殖させるためでした。 犬の肉は人間にとって大切なタンパク源となるので、当時の穀物中心の食生活には欠かせない食料だったと考えられます。 考古的な発掘物によると、推定時期弥生時代の犬の骨に、かぶりついた痕や、骨がバラバラにされている形跡があります。このことから、弥生人によって食用にされていた可能性が非常に高いということが言えます。

ペットとしても扱われていた

でも、安心してください。すべての弥生犬が食用にされていたわけではありません。 弥生犬はペットとして、人々の生活に寄り添って生きていたとも考えられています。縄文時代、縄文犬は人々の相棒的な存在でした。 それが一転、渡来人によって食用となってしまったのです。当然、人間はその文化の異変にいきなり順応していくことはできません。 そのため、犬を食用とすることに抵抗のあった人もいたと考えられています。一部の人には食用として扱われていても、一部の人には大切な家族の一員として可愛がられていました。

縄文犬と弥生犬の現在

akita 既に、縄文犬と弥生犬は、絶滅しています。 チャールズ・ダーウィンの提唱した、進化論によれば、生き物は自然淘汰されていくものです。大きな時の中で、生き物は日々、進化を遂げています。純血の縄文犬や弥生犬はもう存在していませんが、縄文犬や弥生犬から進化した犬は、現在も生き続けています。 それが日本犬です。秋田犬、柴犬、北海道犬や琉球犬などが挙げられます。日本に古くから存在する伝統種は、縄文犬や弥生犬に非常に近いとされており、縄文犬や弥生犬から進化したというのが有説です。

最後に

dog 日本犬は、とても奥が深く、知れば知るほど魅力的に見えてきます。 狩猟のベストパートナーから一度は食用にされてしまった犬。そんな状況でも力強く生き抜いて、現在の日本犬が存在します。 犬ってとても力強い生き物ですね。そんな歴史を知ってから接すると、もっと日本犬の魅力に気が付いていただけるのではないでしょうか。

質問にお答えしました!

「大変、興味深い内容でよくわかりました。外観の特徴が詳しくわかれば、なお嬉しく思います。」
コメントありがとうございます。 縄文犬は、外見は柴犬に似ていますが、つり目で、顔の幅が狭く、オオカミのように鼻がとがっていたようです。 また弥生犬は、四国犬に似ており、やや大型で脚も長く、彫りの深い顔つきだったと言われています。 参考になりましたでしょうか? これからもぜひご意見をお聞かせいただけたら幸いです!